JP3661278B2 - 光学式変位測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーム光を対象物に照射し、対象物からの反射光を検出することにより、三角測量法によって対象物までの距離や、対象物の基準位置からの変位を検出する光学式変位測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図29に示すように、レーザダイオード11から出射した赤外光を投光レンズ12を通すことにより得たビーム光を対象物3に照射し、対象物3からの拡散反射光を受光光学系である受光レンズ22を通して位置検出素子21で受光することにより三角測量法の原理を適用して対象物3までの距離(あるいは基準位置からの変位)を求めるようにした光学式変位測定装置が知られている。すなわち、対象物3にビーム光を照射することにより対象物3の表面に形成される投光スポットの像を受光レンズ22を通して位置検出素子21の受光面に結像させて受光スポットを形成し、対象物3までの距離が変化すると受光スポットの形成される位置が変化することを利用して対象物3までの距離を求めるようにしてある。
【0003】
レーザダイオード11は、発振器13より出力されLD駆動回路14を通った駆動信号により駆動され、変調されたレーザ光を出力する。
【0004】
位置検出素子21には、受光スポットの移動方向に長手方向を一致させるように配置したPSD(Position Sensitive Device)や2個のフォトダイオードを受光スポットの移動方向に配列したものが用いられている。PSDはpin構造を有する半導体素子であって、受光面の長手方向の両端部に設けた一対の電極と共通電極とを備え、受光面に光スポットが形成されると光スポットの位置で両端部の電極間の抵抗が光スポットの位置に応じて分割されるものである。すなわち、共通電極より定電流を供給することによって、両端部の電極からは光スポットの位置に応じた比率の電流値を持つ位置信号I1,I2が出力されるのである。このように、光スポットの位置が位置信号I1,I2の比率に対応するから、PSDの受光面に形成される光スポットの位置は(I1−I2)/(I1+I2)もしくはこれを修正した値の関数になる。
【0005】
そこで、位置検出素子21より出力された電流信号である位置信号I1,I2を、それぞれI/V変換回路23a,23bにより電圧信号に変換し、さらに電圧信号をそれぞれ増幅器24a,24bにより増幅した後、検波回路25a,25bで同期検波することにより信号成分Vd1,Vd2のみを抽出する。検波回路25a,25bは、発振器13の出力に基づいてタイミング回路28により生成されたタイミング信号によって検波のタイミングが制御されている。このようにして抽出された信号成分Vd1,Vd2は、脈流波形状(レーザ光が変調されていることによる)であるから、信号レベルを抽出するために積分回路(実際にはローパスフィルタ=LPFを用いている)26a,26bによって各検波回路25a,25bの出力値を平均化した位置情報信号V1,V2を求める。この位置情報信号V1,V2は位置信号I1,I2の信号値に比例した信号値をする電圧信号であるから、演算部27において(V1−V2)/(V1+V2)を求めれば、対象物3までの距離に相当する情報を得ることができる。すなわち、演算部27は、(V1−V2)を求める差演算部27aと、(V1+V2)を求める和演算部27bと、差演算部27aの出力値を和演算部27bの出力値で除算する割算部27cとからなる。ここに、和演算部27bで求めた(V1+V2)は、位置検出素子21の全電流(I1+I2)に相当する値であって受光量に対応しているから、アナログ出力の出力値は、対象物3の表面の反射率やレーザダイオード11によるレーザ光の強度の相違による受光量の変化が演算部27より出力される影響されないように正規化されていることになる。つまり、理想的には受光量が変動しても対象物3までの距離を求めることができることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来構成には次のような問題点がある。すなわち、位置検出素子21から出力される2つの位置信号I1,I2を位置情報信号V1,V2に変換するまでの過程で、各位置信号I1,I2の処理に別系統の回路を設けているから、I/V変換回路23a,23b、増幅器24a,24b、検波回路25a,25b、積分回路26a,26bがそれぞれ2個ずつ必要になっている。その結果、部品点数が増加して大型化し、またコスト増につながるという問題が生じる。
【0007】
また、2系統の回路は同一特性をもっていなければならないが、構成部品のばらつきによって2系統の回路のゲインに差が生じることになり、各位置情報信号V1,V2ごとの位置信号I1,I2との関係が異なることになり、結果的に演算部27の演算結果に誤差が生じることになる。この種のゲインの差は、素子の定数のばらつきや経時変化による誤差、各回路の温度特性の相違によって周囲温度が変化したときに生じる誤差、各回路の周波数特性の相違によって対象物3が移動したときに生じる誤差(過渡的誤差)などがある。
【0008】
さらに、演算部27には割算部27cが設けられており、割算部27cは一般に集積回路として提供されている除算器(たとえば、AD534(アナログデバイセス社))を用いて実現される。この種の除算器は電圧入力である入力値が低下すると出力値の精度が急速に悪化するという問題がある。
【0009】
たとえば、AD534L(アナログデバイセス社)という除算器は、入力電圧の最大値が10Vであって、入力電圧が10Vのときには出力値の誤差は±0.2%であるのに対して、入力電圧が1Vのときには出力値の誤差は±0.8%になる。このように入力電圧が10分の1になると出力値の誤差が4倍に増加するという問題がある。また、入力電圧が1V以下になると入力電圧に反比例して誤差が増加する(つまり、入力電圧の低下に伴って誤差が急速に増加する)。
【0010】
除算器の出力値の誤差は測距精度に直接影響するものであり、他の回路部分の誤差を0.5%以下とするのは比較的容易であるから、結局、除算器の出力値の誤差が測距精度を決定する最大の要因になっている。上述の除算器を用いて誤差1%以下を実現しようとすれば、割算部27cへの入力電圧は1V以上でなければならず、演算部27のダイナミックレンジは高々10倍ということになる。
【0011】
一方、白色のセラミックスの反射率を100とする指数で表せば、灰色や紺色の対象物3の反射率は5〜10、黒いゴムは1程度になる。つまり、白色のセラミックスを対象物3とするときに割算部27cの入力電圧(分母)が10Vであったとすると、同距離に位置する対象物3の反射率の指数が10以上でなければ測距が不可能になる。図30にこの関係を示す。図30における太線の範囲が入力電圧の範囲であり、細線の範囲は分解能(精度に関連する)の範囲である。また、図30の斜線部は測距が不可能である範囲を示す。つまり、反射率の指数が10〜100の範囲しか測距することができないのである。
【0012】
また、対象物3までの距離によっても受光量は変化するから、反射率の指数が10以上であっても距離が大きくなれば測距が不可能になる。このような問題は割算部27cを構成する集積回路にダイナミックレンジが大きく、高精度なものを用いたとしても同様に生じるものであり、多少の改善は望めたとしても根本的な解決にはならないものである。また、ダイナミックレンジが大きく高精度な除算器は高価であり、コスト増につながるという問題が生じる。
【0013】
割算部27cのダイナミックレンジを補償する試みとしては、増幅器24a,24bの増幅率を受光量に応じて段階的に切り換える技術が提案されている。しかしながら、増幅率を変更する際のノイズの発生や増幅率の変更に要する切換時間の遅れなどにより、受光量の広範囲な変化に追随して連続的に測距結果を得るのが難しいという問題がある。さらに、上述のように増幅率の誤差は測距精度に影響するから、増幅率を切り換えることによって増幅率のばらつきが生じやすく、測距精度を維持するための調整に多大な時間と労力を要するという問題が生じる。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、受光量に対するダイナミックレンジが大きく、かつ高精度な測距が可能であって、しかも回路構成要素を従来よりも削減することが可能な光学式変位測定装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、適宜周期で振幅変調されたビーム光を発光素子から対象物に照射し、対象物の表面に形成される投光スポットを位置検出素子の受光面に結像させることにより得た受光スポットの位置に基づいて対象物の基準位置からの変位を検出する光学式変位測定装置において、位置検出素子は直流成分を中心とする正弦波状の信号であって受光スポットの位置に応じて振幅の比率が決まる一対の位置信号を出力し、位置信号をビーム光の変調周期の整数倍周期で交互に通過させる第1のスイッチ回路と、第1のスイッチ回路を通過した位置信号を増幅する可変増幅器と、可変増幅器の出力をビーム光の変調周期の半周期毎に極性を反転するように同期検波する検波回路と、検波出力から位置信号に対応した脈流波形状の信号成分を分離する第2のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路により 分離された信号成分をそれぞれ積分する積分回路と、積分回路の出力に基づいて対象物の変位に相当する測距信号および位置検出素子での受光量に相当する信号を出力する演算部と、位置検出素子での受光量に相当する前記信号をほぼ一定に保つように発光素子の光出力と可変増幅器の増幅率との少なくとも一方をフィードバック制御するフィードバック制御回路とを備えることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、発光側と受光側とでそれぞれ受光量に相当する信号をほぼ一定に保つようにフィードバック制御を行なうから、受光量に対するダイナミックレンジが非常に大きくなる。また、位置信号はスイッチ回路を通して1系統で処理しているから部品のばらつきによる誤差の発生が少なくなる。その結果、高精度な測距が可能であって、しかも回路構成要素を従来よりも削減することが可能になる。また、位置信号には外乱光などにより生じる直流成分が含まれており、検波出力である脈流波形状の信号成分には直流成分に相当するオフセット電圧が含まれるが、積分回路を通すことによりオフセット電圧が相殺されて除去される。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記位置検出素子での受光量に基準値を設定し、前記フィードバック制御回路は、前記基準値よりも受光量が増加すると発光素子の光出力を減少させ、前記基準値よりも受光量が減少すると可変増幅器の増幅率を増加させることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、受光量が増加すれば光出力を減少させることで飽和を防止し、また受光量が減少すると増幅率を高めて信号がノイズに埋もれるのを防止することができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第1および第2のスイッチ回路の切換周期はビーム光の変調周期の2倍以上に設定されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、スイッチ回路の切換周期が長くなることによってスイッチ回路のスイッチングノイズの影響が軽減される。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記位置検出素子より出力される位置信号が電流信号であって、各位置信号をそれぞれ電流−電圧変換するI/V変換回路を前記第1のスイッチ回路よりも前段に設けたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、微小な電流信号を電圧信号に変換してから第1のスイッチ回路に入力するから、第1のスイッチ回路のスイッチングノイズの影響を受けにくくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に本実施形態の構成を示す。対象物3に照射されるビーム光は、従来構成と同様にレーザダイオード11から出射された赤外光を投光レンズ12を通すことによって得られる。従来構成では発振器13の出力をLD駆動回路14を通してレーザダイオード11に与えているが、本実施形態では、発振器13の出力をタイミング回路28に通して得たタイミング信号t2をキャリアとして変調器15に入力し、変調器15では後述するフィードバック制御回路16の出力によりキャリアを振幅変調してLD駆動回路14に入力する。つまり、レーザダイオード11の発光強度はフィードバック制御回路16の出力値に応じて変化する。
【0024】
一方、対象物3にビーム光を照射することにより対象物3の表面に形成された投光スポットは受光レンズ22を通してPSDよりなる位置検出素子21の受光面に結像され、位置検出素子21の受光面に形成された受光スポットの位置に応じて位置検出素子21からは2つの位置信号I1,I2が出力される。両位置信号I1,I2の出力値は受光スポットの位置に応じて比率が決まるから、位置信号I1,I2の信号値から対象物3の基準位置からの変位を求めることができる。ここに、位置検出素子21の受光面の有効長の中心に受光スポットが形成されるときのビーム光の延長線上での対象物3の位置を基準位置としてこの基準位置からの対象物3の距離の変化を変位として求めるが、投光レンズ12の中心位置を基準位置として設定しておき対象物3までの距離を求めてもよい。
【0025】
本実施形態では、従来2系統を必要としていた回路の前後にスイッチ回路31,32を設けることによって2系統の信号を時分割的に処理することで1系統の回路で処理可能とした点に1つの特徴を有している。すなわち、位置検出素子21から出力された位置信号I1,I2はスイッチ回路31を通して択一的にI/V回路23に入力される。位置信号I1,I2は図2に示すように、外乱光などにより生じる直流成分DC1,DC2を中心とする正弦波状の信号であって、振幅の比率が受光スポットの位置に相当する。両位置信号I1,I2のうちのどちらをI/V変換回路23に入力するかは、タイミング回路28より出力される切換信号t1により制御される。ここに、切換信号t1は図2に示すように、タイミング信号t2の2倍の周期を持つように設定してある。
【0026】
I/V変換回路23の出力は可変増幅器24に入力され、適宜の増幅率で増幅される。可変増幅器24は上述したフィードバック制御回路16の出力に応じて増幅率が連続的に調節される増幅器であって、具体的な動作については後述する。可変増幅器24の出力信号Va1.Va2は位置信号I1,I2をスイッチ回路31の切換タイミングで接続した信号に相当し、この信号には外乱光などにより位置信号I1,I2の直流成分DC1,DC2に相当するオフセット電圧Vdc1,Vdc2が含まれている。この出力信号Va1.Va2は検波回路25により同期検波され(ここでの同期検波は、レーザダイオード11から出射されるビーム光の変調周期の半周期毎に入力信号を反転する処理である)、信号成分Vb1.Vb2が抽出される。したがって、信号成分Vb1.Vb2はオフセット電圧Vdc1,Vdc2を反転した成分を含むことになる。つまり、一方の極性の脈流波形ではオフセット電圧がVdc1,Vdc2であるときに、他方の極性の脈流波形ではオフセット電圧が−Vdc1,−Vdc2になる。
【0027】
検波回路25はタイミング回路28からのタイミング信号t2に同期して入力信号を検波するものであり、タイミング信号t2がHレベルの期間には可変増幅器24の出力信号Va1.Va2をそのまま取り出し、タイミング信号t2がLレベルの期間には可変増幅器24の出力信号Va1.Va2の極性を反転して取り出す。また、同期検波の際には可変増幅器24の出力信号Va1.Va2が保有していたオフセット電圧Vdc1,Vdc2を打ち消すようなオフセット電圧−Vdc1,−Vdc2が生成され信号成分Vb1.Vb2に含まれることになる。この信号成分Vb1.Vb2はスイッチ回路31と同期するように切換信号t1により制御されるスイッチ回路32によって、位置信号I1,I2に対応した脈流波形状の信号成分Vd1,Vd2に分離される。
【0028】
スイッチ回路32により分離された信号成分Vd1,Vd2はそれぞれ積分回路(実際にはローパスフィルタ=LPF)26a,26bに入力され、直流成分が取り出されることによって上述のオフセット電圧が相殺されて除去される。積分回路26a,26bから出力される位置情報信号V1,V2は差演算部27aに入力され、差演算部27aからは位置信号I1,I2の信号値の差に相当する信号を得ることができる。
【0029】
また、位置情報信号V1,V2は和演算部27bに入力され、位置信号I1,I2の信号値の和に相当する信号を得る。和演算部27bの出力は、位置検出素子21での受光光量に相当するのであって、本実施形態では比較回路17によってこの情報を基準電圧Vrefと比較し、比較回路17は基準電圧Vrefにより定められている基準の受光量と実際の受光量との差に相当する出力をフィードバック制御回路16に入力する。上述したように、フィードバック制御回路16の出力はレーザダイオード11の発光量を決定するから、位置検出素子11の受光量を基準電圧Vrefで決まる受光量に保つように、レーザダイオード11の発光量をフィードバック制御することになり、結果的に位置検出素子12の受光量を一定に保つことになる。また、フィードバック制御回路16は受光量(つまり和演算部27bの出力)が一定に保たれるように可変増幅器24の増幅率を調節するのであって、結果的に和演算部27bの出力値は一定に保たれることになる。
【0030】
上述のように、和演算部27bの出力を一定に保つようなフィードバック制御を行なっていることにより、(V1−V2)/(V1+V2)の演算において分母を一定に保つことができ、結果的に(V1−V2)を求めるだけで対象物3までの距離を求めることが可能になるのである。要するに、分母が一定であることが保証されることにより、分母を求める必要がなくなるのである。すなわち、本実施形態においては、差演算部27aと和演算部27bとのほかに変調回路15、フィードバック制御回路16、比較回路17、可変増幅器24も演算部27′の構成要素になる。
【0031】
ところで、上述の回路構成において、フィードバック制御回路16の出力によるレーザダイオード11の光出力の可変範囲(変調電圧)および可変増幅器24の増幅率の可変範囲を、それぞれ1〜100%とし、変調電圧が100%のときにレーザダイオード11から従来構成と同様の光出力が得られ、可変増幅器24は1%のときに従来構成の増幅器と同様の増幅率になるものする。また、反射率の基準となる対象物3(たとえば、白色のセラミックス)が所定距離に位置するときの受光量を100とする指数(この状態を反射率の指数が100であるものとする)を設定し、このときの変調電圧(つまり光出力)を100%、可変増幅器24の増幅率を1%とする。反射率(受光量)が100よりも大きいときには図3に丸付き数字1で示すように反射率が大きいほど変調電圧を下げるようにし、反射率が100よりも小さいときには図3に丸付き数字2で示すように反射率が小さいほど可変増幅器24の増幅率を大きくする。このように変調電圧と可変増幅器24の増幅率とをそれぞれ100倍ずつ変化させることができるから、ダイナミックレンジは100×100=10000倍になる。また、受光量が基準値(指数100)よりも大きいときには変調電圧を小さくし、基準値よりも小さいときには増幅率を大きくしているから、分解能は図3に丸付き数字3で示すように高い分解能を保つ。なお、受光量に対応する電圧は図3に丸付き数字4で示すように一定に保たれる。このように、ダイナミックレンジを大幅に高め、かつ測距精度が高くなるのである。図3の斜線部は測距が不可能な範囲を示す。
【0032】
なお、上述の説明では基準の受光量を100としているが、要求仕様や個々の回路構成の仕様などに応じて最適値に設定すればよい。たとえば、反射率の小さい対象物3を重視する場合であって、0.1〜1000という範囲の受光量に対応できるようにしたければ受光量の基準値が10になるように設定すればよい。また、反射率の高い対象物3を重視する場合であって、10〜100000という範囲の受光量に対応できるようにしたければ受光量の基準値が1000になるように設定すればよい。また、変調電圧と可変増幅器24の増幅率とのうち少なくとも一方の可変範囲を100倍に設定することができないのであれば、ダイナクミックレンジは小さくなるが、それでも従来構成のダイナミックレンジが10倍であるのに比較すれば十分に大きなダイナミックレンジを得ることが可能である。たとえば、変調電圧の可変範囲が100倍であり、可変増幅器24の増幅率の可変範囲が10倍であるときには、ダイナミックレンジは1000倍になるが、受光量の基準値を適宜に設定することで、広範囲にわたる測距が可能になるのである。
【0033】
上述した構成では、位置検出素子21から出力される位置信号I1,I2をレーザダイオード11の発光周期の1周期毎に交互に時分割的に処理しており、I/V変換回路23、可変増幅器24、検波回路25を共用しているから、2系統の回路を用いる場合のような、構成部品の定数のばらつきや温度特性のばらつきによる誤差が発生せず、しかも2つの位置信号I1,I2を同じ検波回路25で同期検波しているからオフセット誤差が発生しないのである。さらに、検波回路25よりも前段側で生じたオフセット誤差は検波回路25を通すことで相殺させることができる。なお、検波回路25で生じるわずかなオフセット誤差は、回路が1系統であることにより比較的簡単な構成の補正回路で除去することが可能である。さらに、2つの位置信号I1,I2を同一の回路で処理しているから、スイッチ回路32により分離されるまでは周波数特性に差を生じることがなく、レーザダイオード11を駆動する信号の変調周波数に変化が生じても測距結果や過渡的な誤差の発生が生じない。たとえば、図4(a)に示すように時間とともに対象物3までの距離が変化したとする。本実施形態では2つの位置信号I1,I2の周波数応答に差が生じないから図4(b)のように測距信号(V1−V2)に過渡応答による誤差が生じないが、従来構成のように2つの位置信号I1,I2の周波数応答に差が生じる場合には図4(c)のように過渡応答による誤差が生じる。
【0034】
上述の例では、切換信号t1の周期をタイミング信号t2の周期の2倍に設定していたが、本実施形態は図5に示すように、これを6倍に設定したものである。このように、切換信号t1の周期をタイミング信号t2の周期の3倍以上に設定すると、スイッチ回路31,32のスイッチング時に発生するノイズの影響を低減することができる。この周期は整数倍であれば適宜に設定することができるものである。
【0035】
(実施形態2)
本実施形態は、図6に示すように、I/V変換回路23a,23bを2個設けて各位置信号I1,I2をそれぞれ電圧信号に変換している点、およびレーザダイオード11の光出力を和演算部27bの出力に基づいて調整していない点で実施形態1と相違している。
【0036】
本実施形態の構成のように、微小である位置信号I1,I2を適宜の大きさの電圧信号に変換した後にスイッチ回路31に通していることによって、スイッチング回路31のスイッチング時に生じるノイズの影響を受けにくくなり、このことによって測定結果の誤差を抑制することができる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0037】
(参考例1)
本例は、図7に示すように、受光量に基づくフィードバック制御を行なわないものであり、かつスイッチ回路32および差演算部27a、和演算部27bを設けずに割算部27cを設けることによって、対象物3の変位に相当する測距信号(V1−V2)/(V1+V2)を求めるようにしたものである。
【0038】
ビーム光を投光する構成については従来構成と同様である。また、位置検出素子21の出力である位置信号I1,I2をスイッチ回路31を通して時分割的にI/V変換回路23に取り込み、I/V変換回路23の出力を増幅器24により増幅する点は実施形態1と同様である。実施形態1の構成では、増幅器24の出力信号Va1.Va2を検波回路25に入力して同期検波していたが、本例では検波・演算回路25′に入力して以下の信号を生成する点に特徴を有している。
【0039】
検波・演算回路25′には、タイミング信号t2に加えて、図8に示すように、切換信号t1とは位相が90度異なる(ここでは進相)演算制御信号t3が入力される。検波・演算回路25′ではこの演算制御信号t3を用いて同期検波を行なうのであって、増幅器24の出力信号Va1.Va2のうち位置信号I1の後半部と位置信号I2の前半部とに対応する部分の極性を反転した形の信号が得られることになる。つまり、図8の場合にはこの同期検波によって位置信号I1に相当する信号成分Vd1を正極性、位置信号I2に相当する信号成分Vd2を負極性とするような差信号(Vd1−Vd2)が出力されることになる。
【0040】
一方、タイミング信号t2を用いて同期検波を行なえば、両位置信号I1,I2に相当する信号成分Vd1,Vd2がともに正極性となるような和信号(Vd1+Vd2)が得られる。結局、差信号(Vd1−Vd2)と和信号(Vd1+Vd2)は位置信号I1,I2の和と差とに対応する信号になるから、それぞれ積分回路(ローパスフィルタ)26a,26bにより平均化すれば、位置信号I1、I2の差に相当する信号(V1−V2),(V1+V2)を抽出することができる。したがって、両信号を割算部27cに入力して除算を行なえば、測距信号(V1−V2)/(V1+V2)を得ることができる。
【0041】
上述のような同期検波を行なうための検波・演算回路25′としては、具体的には図9に示す構成を採用することができる。つまり、4個の演算増幅器OP1〜OP4を用いて2個ずつ対にし、対になる一方の演算増幅器OP1,OP3は非反転増幅、他方の演算増幅器OP2,OP4は反転増幅を行なわせ、さらにスイッチ要素S1,S2により各対ごとに非反転増幅と反転増幅との結果を交互に取り出すようにしているのである。そして、スイッチ要素S1は演算制御信号t3により交互に切り換えられ、スイッチ要素S2はタイミング信号t3により交互に切り換えられる。
【0042】
本例の構成では、割算部27cを必要としているから、ダイナミックレンジに関しては従来例と同程度になるが、スイッチ回路31が1つであるから、スイッチングノイズが少なくなり、また複数のスイッチ回路31を用いた場合のタイミングのずれやスイッチ回路31の切換タイミングのずれに伴う測定結果の誤差の発生を抑制することができる。さらに、差演算部27aや和演算部27bを用いていないから、これらの演算誤差による測定結果の誤差の発生を抑制することができる。他の構成および動作は従来例と同様である。
【0043】
検波・演算回路25′の別の構成としては、図10、図12に示す回路構成が考えられる。図10に示す回路構成では、図9に示した回路構成とは和信号(Vd1+Vd2)を生成する部分が異なるものであって、この構成では差信号(Vd1−Vd2)を生成した後に、差信号(Vd1−Vd2)を切換信号t1を用いて同期検波することにより和信号(Vd1+Vd2)を生成している。要するに図11に示すように、差信号(Vd1−Vd2)の負極部分を反転させているのである。
【0044】
一方、図12に示す回路構成では、図10に示した構成とは逆に、タイミング信号t2により生成した和信号(Vd1+Vd2)を、切換信号t1によって同期検波することにより差信号(Vd1−Vd2)を生成する。この構成では、図13に示すように、和信号(Vd1+Vd2)の正極部分のうち位置信号I2に相当する部分を反転させることで差信号(Vd1−Vd2)を生成している。しかも、この構成では演算制御信号t3を別途に生成する必要がなく、タイミング回路28の構成が簡単になる。
【0045】
(参考例2)
本例は図14に示すように、図7に示した参考例1と同様の構成を有し、検波・演算回路25′において、切換信号t1、タイミング信号t2、演算制御信号t3を用いることにより、(Vd1+k・Vd2)となる和信号を生成するものであって、和信号に補正を加えている。このような補正は従来周知であって、受光量の変化に対する出力結果の非線形性を補正するものである。動作は図15に示すように参考例1とほぼ同様である。
【0046】
図16に示すように、検波・演算回路25′において差信号(Vd1−Vd2)を得る構成は図9に示した参考例1の構成と同様である。和信号(Vd1+k・Vd2)を求める和信号生成部33では、切換信号t1とタイミング信号t2とを用いて和信号(Vd1+k・Vd2)を求める。
【0047】
和信号生成部33は、具体的には図17に示すような各種構成を採用することができる。図17(a)に示す構成は、入力信号を分岐して可変抵抗器VRにより減衰させるとともに、切換信号t1を用いてアナログスイッチAS1を制御することにより位置信号I2に対応する成分は可変抵抗器VRにより調節された形で非反転増幅用および反転増幅用の演算増幅器OP3,OP4に入力させる。
【0048】
図17(b)に示す構成は、演算増幅器OP5,OP6とスイッチ要素S3とによって正電圧と0ボルトとの電圧を発生する回路を構成し、この電圧を可変抵抗器VRにより適宜調節して非反転増幅用および反転増幅用の演算増幅器OP3,OP4の入力に加算したものである。スイッチ要素S3を切換信号t1により制御することで、位置信号I2に対応する入力信号にのみ適宜の電圧を加算してkVd2に相当する信号を発生させる。
【0049】
図17(c)に示す構成は、演算増幅器OP5,OP6とスイッチ要素S3と直流電源Vpとを用いて入力電圧と直流電源Vpの電圧との差電圧を出力可能としたものであり、一方の演算増幅器OP6への入力には可変抵抗器VRを挿入して入力電圧を調節可能としてある。したがって、スイッチ要素S3を切換信号t1により切り換えると、位置信号I2に対応する入力信号のレベルを調節してkVd2に相当する信号を得ることができる。
【0050】
図17(d)に示す構成は、演算増幅器OP3,OP4およびスイッチ要素S2により求めた信号(Vd1+Vd2)に対して、OP5によるボルテージフォロワと、OP6および可変抵抗器VRを備える増幅器とのどちらを通った信号を採用するかを切換信号t1により制御されるスイッチ要素S3で選択することにより、位置信号I2に対応する信号に補正を加えることができるようにしたものである。
【0051】
本例においても、参考例1と同様に、差信号(Vd1−Vd2)を求めた後に、その結果を用いて和信号(Vd1+k・Vd2)を発生させる構成を採用することができる。すなわち、図18に示すように、演算増幅器OP3,OP4とスイッチ要素2とを用いて差信号(Vd1−Vd2)のうち負極成分を反転すればよいのである。また、位置信号I2に相当する成分は可変抵抗器VRを用いて増幅率を変えており、結果的に和信号(Vd1+k・Vd2)が得られるようになっている。この構成では、切換信号t1と演算制御信号t3とのみを用いるから、3種類の信号を用いる場合よりも簡単な構成になる。この回路を用いた場合の動作を図19に示す。
【0052】
(参考例3)
参考例2では、差演算部27aや和演算部27bを設けず割算部27cのみを設けていたが、本例では図20に示すように、加算器27dを設けている。すなわち、検波・演算回路25′は、切換信号t1と演算制御信号t3とを用いて、差信号(Vd1−Vd2)と、位置信号I1,I2にそれぞれ対応する脈流波形の信号成分Vd1,Vd2とを抽出できるように構成してある。検波・演算回路25′の3出力はそれぞれ積分回路(ローパスフィルタ)26a,26c,26dを通して平均化され、信号成分Vd1,Vd2に相当する積分回路26c,26dの出力は加算器27dに入力されて和信号(Vd1+k・Vd2)の平均値(V1+k・V2)が求められる。このようにして得られた差信号(Vd1−Vd2)と和信号(Vd1+k・Vd2)との各平均値(V1−V2),(V1+k・V2)を割算部27cに入力することによって対象物3までの距離に応じた測距信号(V1−V2)/(V1+k・V2)を得ることができるのである。この動作は基本的は参考例2と同様であり、各部の動作波形は図21のようになる。
【0053】
図20に示した検波・演算回路25′の具体構成を示すと、たとえば図22のようになる。この構成において差信号(Vd1−Vd2)を抽出する構成は図9に示したものと同様である。差信号(Vd1−Vd2)が求まれば、正極成分と負極成分とに分離して抽出すれば、信号成分Vd1,Vd2をそれぞれ抽出することができる。つまり、演算増幅器OP7〜OP10およびスイッチ要素S4,S5、インバータINを用いて、差信号(Vd1−Vd2)の正極成分と負極成分とをそれぞれ抽出するのである。
【0054】
(参考例4)
本例は、図23に示すように、演算部27′の構成が参考例2とは異なるものであり、他の構成は参考例2と同様のものである。すなわち、検波・演算回路25′においては差信号(Vd1−Vd2)と位置信号I2に相当する信号成分Vd2とを抽出し、それぞれ積分回路(ローパスフィルタ)26a,26dにより平均化し、加算器27dにおいては差信号(Vd1−Vd2)と信号成分Vd2との各平均値を用いて和信号(Vd1+k・Vd2)の平均値(V1+k・V2)を生成している。差信号(Vd1−Vd2)と和信号(Vd1+k・Vd2)との各平均値(V1−V2),(V1+k・V2)は割算部27cに入力され、対象物3までの距離に応じた測距信号(V1−V2)/(V1+k・V2)が求められるのである。この動作は基本的は参考例2と同様であり、各部の動作波形は図24のようになる。
【0055】
図23に示した検波・演算回路25′の具体構成を示すと、たとえば図25のようになる。ここにおいて、差信号(Vd1−Vd2)を生成する構成は図9に示したものと同様であり、位置信号I2に相当する信号成分Vd2を抽出する構成は図22に示した参考例3のものと同様である。他の構成および動作は参考例3と同様である。
【0056】
(参考例5)
本例は、図26に示すように、演算部27′の構成が参考例2とは異なるものであり、他の構成は参考例2と同様のものである。すなわち、検波・演算回路25′においては差信号(Vd1−Vd2)と信号(Vd1+Vd2)と位置信号I2に相当する信号成分Vd2とを抽出し、それぞれ積分回路(ローパスフィルタ)26a,26b,26dにより平均化し、加算器27dにおいては信号(Vd1+Vd2)と信号成分Vd2との平均値を用いて和信号(Vd1+k・Vd2)の平均値(V1+k・V2)を生成している。差信号(Vd1−Vd2)と和信号(Vd1+k・Vd2)との平均値(V1−V2),(V1+k・V2)は割算部27cに入力され、対象物3までの距離に応じた測距信号(Vd1−Vd2)/(Vd1+k・Vd2)が求められる。この動作は基本的は参考例2と同様であり、各部の動作波形は図27のようになる。
【0057】
図26に示した検波・演算回路25′の具体構成を示すと、たとえば図28ののようになる。ここにおいて、信号(Vd1+Vd2)を生成する構成は図9に示したものと同様であり、差信号(Vd1−Vd2)は演算増幅器OP1,OP2とスイッチ要素S1とを用いて信号(Vd1+Vd2)の負極成分を反転することにより、得ることができる。また、位置信号I2に相当する信号Vd2は、演算増幅器OP9,OP10、スイッチ要素5、インバータINを用いて抽出される。他の構成および動作は参考例3と同様である。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の発明は、適宜周期で振幅変調されたビーム光を発光素子から対象物に照射し、対象物の表面に形成される投光スポットを位置検出素子の受光面に結像させることにより得た受光スポットの位置に基づいて対象物の基準位置からの変位を検出する光学式変位測定装置において、位置検出素子は直流成分を中心とする正弦波状の信号であって受光スポットの位置に応じて振幅の比率が決まる一対の位置信号を出力し、位置信号をビーム光の変調周期の整数倍周期で交互に通過させる第1のスイッチ回路と、第1のスイッチ回路を通過した位置信号を増幅する可変増幅器と、可変増幅器の出力をビーム光の変調周期の 半周期毎に極性を反転するように同期検波する検波回路と、検波出力から位置信号に対応した脈流波形状の信号成分を分離する第2のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路により分離された信号成分をそれぞれ積分する積分回路と、積分回路の出力に基づいて対象物の変位に相当する測距信号および位置検出素子での受光量に相当する信号を出力する演算部と、位置検出素子での受光量に相当する前記信号をほぼ一定に保つように発光素子の光出力と可変増幅器の増幅率との少なくとも一方をフィードバック制御するフィードバック制御回路とを備えるものであり、発光側と受光側とでそれぞれ受光量に相当する信号をほぼ一定に保つようにフィードバック制御を行なうから、受光量に対するダイナミックレンジが非常に大きくなるという利点がある。また、位置信号はスイッチ回路を通して1系統で処理しているから部品のばらつきによる誤差の発生が少なくなる結果、高精度な測距が可能であって、しかも回路構成要素を従来よりも削減することが可能になるという利点がある。さらに、位置信号には外乱光などにより生じる直流成分が含まれているが、検波回路においてビーム光の変調周期の半周期毎に極性を反転するように同期検波することにより、検波出力である脈流波形状の信号成分には直流成分に相当するオフセット電圧が互いに逆極性で含まれることになり、この信号成分を積分回路に通すことによりオフセット電圧が相殺されて除去される。
【0059】
請求項2の発明のように、位置検出素子での受光量に基準値を設定し、フィードバック制御回路が、前記基準値よりも受光量が増加すると発光素子の光出力を減少させ、前記基準値よりも受光量が減少すると可変増幅器の増幅率を増加させるものでは、受光量が増加すれば光出力を減少させることで飽和を防止し、また受光量が減少すると増幅率を高めて信号がノイズに埋もれるのを防止することができるという利点がある。
【0060】
請求項3の発明のように、第1および第2のスイッチ回路の切換周期がビーム光の変調周期の2倍以上に設定されているものでは、スイッチ回路の切換周期が長くなることによってスイッチ回路のスイッチングノイズの影響が軽減されるという利点がある。
【0061】
請求項4の発明のように、位置検出素子より出力される位置信号が電流信号であって、各位置信号をそれぞれ電流−電圧変換するI/V変換回路を前記第1のスイッチ回路よりも前段に設けたものでは、微小な電流信号を電圧信号に変換してから第1のスイッチ回路に入力するから、第1のスイッチ回路のスイッチングノイズの影響を受けにくくなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1を示すブロック図である。
【図2】 同上の動作説明図である。
【図3】 同上の動作説明図である。
【図4】 同上の動作説明図である。
【図5】 同上の他の動作例を示す動作説明図である。
【図6】 実施形態2を示すブロック図である。
【図7】 参考例1を示すブロック図である。
【図8】 同上の動作説明図である。
【図9】 同上の要部回路図である。
【図10】 同上の要部回路図である。
【図11】 同上の動作説明図である。
【図12】 同上の要部回路図である。
【図13】 同上の動作説明図である。
【図14】 参考例2を示すブロック図である。
【図15】 同上の動作説明図である。
【図16】 同上の要部回路図である。
【図17】 同上の要部回路図である。
【図18】 同上の要部回路図である。
【図19】 同上の動作説明図である。
【図20】 参考例3を示すブロック図である。
【図21】 同上の動作説明図である。
【図22】 同上の要部回路図である。
【図23】 参考例4を示すブロック図である。
【図24】 同上の動作説明図である。
【図25】 同上の要部回路図である。
【図26】 参考例5を示すブロック図である。
【図27】 同上の動作説明図である。
【図28】 同上の要部回路図である。
【図29】 従来例を示すブロック図である。
【図30】 従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
11 レーザダイオード(発光素子)
15 変調回路
16 フィードバック制御回路
17 比較回路
21 位置検出素子
23 I/V変換回路
23a I/V変換回路
23b I/V変換回路
24 可変増幅器
25 検波回路
25′ 検波・演算回路
26a 積分回路
26b 積分回路
26c 積分回路
26d 積分回路
27′演算部
27a 差演算部
27b 和演算部
27c 割算部
27d 加算器
31 スイッチ回路
32 スイッチ回路
Claims (4)
- 適宜周期で振幅変調されたビーム光を発光素子から対象物に照射し、対象物の表面に形成される投光スポットを位置検出素子の受光面に結像させることにより得た受光スポットの位置に基づいて対象物の基準位置からの変位を検出する光学式変位測定装置において、位置検出素子は直流成分を中心とする正弦波状の信号であって受光スポットの位置に応じて振幅の比率が決まる一対の位置信号を出力し、位置信号をビーム光の変調周期の整数倍周期で交互に通過させる第1のスイッチ回路と、第1のスイッチ回路を通過した位置信号を増幅する可変増幅器と、可変増幅器の出力をビーム光の変調周期の半周期毎に極性を反転するように同期検波する検波回路と、検波出力から位置信号に対応した脈流波形状の信号成分を分離する第2のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路により分離された信号成分をそれぞれ積分する積分回路と、積分回路の出力に基づいて対象物の変位に相当する測距信号および位置検出素子での受光量に相当する信号を出力する演算部と、位置検出素子での受光量に相当する前記信号をほぼ一定に保つように発光素子の光出力と可変増幅器の増幅率との少なくとも一方をフィードバック制御するフィードバック制御回路とを備えることを特徴とする光学式変位測定装置。
- 前記位置検出素子での受光量に基準値を設定し、前記フィードバック制御回路は、前記基準値よりも受光量が増加すると発光素子の光出力を減少させ、前記基準値よりも受光量が減少すると可変増幅器の増幅率を増加させることを特徴とする請求項1記載の光学式変位測定装置。
- 前記第1および第2のスイッチ回路を切り換える周期はビーム光の変調周期の2倍以上に設定されていることを特徴とする請求項1記載の光学式変位測定装置。
- 前記位置検出素子より出力される位置信号は電流信号であって、各位置信号をそれぞれ電流−電圧変換するI/V変換回路を前記第1のスイッチ回路よりも前段に設けたことを特徴とする請求項1記載の光学式変位測定装置。
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