JP3661199B2 - 試料回転装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、試料回転装置に関し、特に試料の分析時に試料を回転させるための試料回転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体,IC,ウエハなどにおいては、微量の不純物の分析,測定が行われる。
【0003】
特に、LSI中の配線部は、アルミニウム(Al),チタン(Ti),金属シリサイド,タングステン(W)に代表される数多くの材料が薄膜として積み重なっている。これらの薄膜の分析は、その組成や不純物量の測定が中心である。特に不純物の測定には、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectrometry 、以下SIMSと称す。)が多く用いられている。
【0004】
このSIMSにおいては、超高真空の下で、酸素やセシウムなどの一次イオンビームを励起に用い、この一次イオンビームの照射により、試料から二次イオンを検出し、この二次イオンを分析して微量不純物を検出するようにしている。
【0005】
なお、微量分析手段としては、前述のSIMSによる分析の他、AES(オージェ電子分光分析),XPS(X線光電子分光分析)による分析も採用されている。このAESにおいては、試料表面に電子を照射した際に発生するオージェ電子を分析することによって、試料表面の定性分析、定量分析を行うようになっている。また、XPSにおいては、試料表面にX線を照射し、そのとき発生する光電子を分析することによって、試料表面の定性分析、定量分析を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のSIMSにおいては、酸素やセシウムなどの一次イオンビームを励起に用い、検出も二次イオンであるため、スパッタリングに伴う諸問題が発生する。
【0007】
例えば、表面荒れ,選択スパッタ,スパッタリングの初期過程における二次イオン化効率並びにスパッタ収率の変化などが代表的な例である。
【0008】
特に、従来においては、試料を固定した状態でスパッタリングを行うため、表面荒れが生じ、深さ方向の分解能が低下するという問題があった。
【0009】
これに対し、スパッタリング中に試料を回転することにより、表面荒れを軽減し、深さ方向の分解能を向上させることも考えられているが、外からモータで回転させようとすると、超高真空状態を維持するために、装置が複雑化してしまうという問題があった。
【0010】
また、分析装置の中にモータを入れようとすると、モータが電源に乾電池等を使用していると、超高真空状態の下で乾電池の成分が漏出して分析結果に悪影響を与えるおそれがあるという問題があった。
【0011】
さらに、試料を回転させる場合、試料の一次イオンビームの照射される部分の高さに変化が生じやすく、この照射部分の高さに変化が生じると、一次イオンビームの入射角が一定にならず、正確な検出が困難となるという問題があった。
【0012】
また、試料の電気導通を図るとともに、磁石固定とすることで、試料脱着時に試料や回転機構に加わる力を軽減することが可能となる。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点に着目してなされたもので、その目的はスパッタリング中に試料を回転させて表面荒れを軽減し、深さ方向の分解能を向上させると共に、超高真空状態の下でも装置を複雑化させたり、分析結果に影響を与えたりすることなく、しかも試料を水平に維持することができる試料回転装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の発明は、
ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
前記ターンテーブルは、上面に前記試料を固定する水平テーブルを備え、
前記ターンテーブルと水平テーブルとの間には、水平微調整用の弾性部材を備え、
前記ターンテーブルと水平テーブルとを複数の締付部材にて締め付け、その締付力の調整により、水平テーブルの水平微調整を行うことを備えることを特徴としている。
【0015】
第2の発明は、
ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
前記回転駆動装置を上下動可能に支持する弾性部材と、
前記回転駆動装置の上方に上下位置調整可能に配設され、前記回転駆動装置と当接して回転駆動装置の上限位置を規制する高さ調整部材と、
前記高さ調整部材の下面より突出可能にされ、前記回転駆動装置を下方に押し付けて回転駆動装置の水平微調整を行う複数の水平調整部材とを備えることを特徴としている。
【0016】
第3の発明は、
ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
導電性を有する試料固定部材の下面に、試料固定部材を固定する磁石を一体に取り付け、導電性を有するターンテーブルに前記磁石を介して試料固定部材を取り付け、前記試料固定部材にてターンテーブル上の導電性を要する試料を固定することを特徴としている。
【0017】
第4の発明は、
ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
前記回転駆動装置は、出力軸の1回転に要する時間が4〜60分に設定されていることを特徴としている。
【0018】
第5の発明は、
ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
前記ターンテーブルには、回転中心位置を表示したセンターガイドが前記試料を覆って取り付けられることいることを特徴としている。
【0019】
第6の発明は、
ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
前記回転駆動装置は、突出状態で回転停止状態を維持する回転規制手段を有し、
前記回転規制手段を突出させた状態で試料ホルダ内に設置されるとともに、
前記試料ホルダは、ホルダガイドにより移動可能に支持され、ホルダ送り手段によりホルダガイドのホルダストッパ位置まで押込み可能とされ、
前記回転規制手段は、前記ホルダストッパに当接して押込まれることにより、回転規制が解除可能とされていることを特徴としている。
【0020】
【作用】
前記構成の第1の発明にあっては、試料を固定するターンテーブルを、ぜんまいばねを駆動源とした回転駆動装置により回転させることにより、試料の表面荒れを軽減して、深さ方向の分解能を向上させることができ、しかも、回転駆動装置はぜんまいばねを駆動源とするため、分析装置の内部に設置しても、分析装置内の雰囲気に影響を与えることがなく、正確な分析を行うことが可能で、さらには、分析装置の内部に配設できることにより、超高真空状態の下においても、複雑な構造とすることなく試料の回転を行わせることが可能となる。
【0021】
また、水平微調整用の弾性部材を介在させた状態で、ターンテーブルと水平テーブルとを複数の締付部材にて締め付け、その締付力の調整により、水平テーブルの水平微調整を行うことができ、したがって試料を回転させる場合でも試料を常に水平に保つことができ、正確な分析を行うことが可能となる。
【0022】
第2の発明にあっては、高さ調整部材を上下させて弾性部材により支持された回転駆動装置の高さを調整し、複数の水平調整部材によって水平微調整を行うことにより、厚さの異なる試料の分析,測定に対応することが可能となる。
【0023】
第3の発明にあっては、試料固定部材を磁石によりターンテーブルに容易に取り付けることができ、しかも固定手段を必要としないので機構を簡素化することができる上に、試料固定部材,ターンテーブルおよび磁石を導電性を有する部材にて形成することにより、導電性を要する試料の電気導通を図るとともに、磁石固定とすることで、試料脱着時に試料や回転機構に加わる力を軽減することが可能となる。
【0024】
第4の発明にあっては、回転駆動装置の出力軸の一回転に要する時間を4〜60分に設定することにより、SIMSなどの分析装置に使用するに最適な状態とすることが可能となる。
【0025】
第5の発明にあっては、回転中心位置を表示したセンターガイドを設けることにより、容易に試料の分析部位をターンテーブルの回転中心に設定することが可能となる。
【0026】
第6の発明にあっては、試料を長時間真空雰囲気下においた後、ホルダ送り手段により試料ホルダを押込み、ホルダストッパに回転規制手段を当接させて回転駆動手段の回転規制を解除し、回転を開始させることにより、試料分析時に問題となる残留大気成分の影響を低減させることができ、しかも測定者の都合に合わせて回転を開始させることができ、有効回転時間を測定時間に一致させることが可能となる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1〜図3は、本発明の一実施例に係る試料回転装置を示す図である。
【0029】
この試料回転装置は、ケース10と、回転駆動装置12と、ターンテーブル14と、試料固定部材16と、センタガイド18とを備えている。
【0030】
ケース10は、貫通した筒状のもので、上部内周にフランジ部20が突出形成されている。
【0031】
回転駆動装置12は、ぜんまいばねを駆動源とし、出力軸22を上面中央から垂直上方に突出させた状態で、ケース10内に収納されるようになっている。
【0032】
また、この回転駆動装置12の下面には、下押え板24が配設され、この下押え板24の下面には、裏蓋26の中央部分にねじ28を介して取り付けられた弾性部材としての板ばね30の端部が当接し、この板ばね30によって回転駆動装置12がケース10内で上下動可能に支持された状態となっている。なお、裏蓋26は、ケース10の側面に取り付けたねじ32によってケース10内に固定されるようになっている。
【0033】
また、回転駆動装置12の上面にはケース10の内周にほぼ相応した外周を有するリング状の上押え板34が配設され、この上押え板34の上部には、回転駆動装置12の上限位置を規制する高さ調整部材36が配設されている。
【0034】
この高さ調整部材36は、ケース10の内径とほぼ相応した外径の調整リングガイド38と、この調整リングガイド38の内面と螺合する調整リング40とからなり、調整リングガイド38をケース10のフランジ20に係合させた状態で、ケース10の側面に取り付けたねじ42によりケース10内の上部に固定されるようになっている。そして、調整リングガイド38を固定した状態で、調整リングガイド38に対し調整リング40を回転させることにより、調整リング40が上下方向に移動できるようになっている。例えば、調整リング40と調整ガイドリング48との螺合を二条ねじにて行い、1回転で約1mm上下できるようにしている。
【0035】
したがって、調整リング40を下方に移動させることにより、上押え板34を介して回転駆動装置12が板ばね30の付勢力に抗して下方に移動して位置決めされるようになっている。
【0036】
さらに、調整リング40には、周方向に沿って複数の水平調整部材としての調整ねじ44が取り付けられ、これら複数の調整ねじ44の調整リング40下面からの突出量を調整することにより、回転駆動装置12の水平微調整を行うことができるようになっている。したがって、調整リングガイド38に螺合した調整リング40による回転駆動装置12の高さ調整時に、調整リング40の調整リングガイド38に対する螺合部分による水平誤差が生じた場合に、この調整ねじ44によって水平度の微調整を行うことにより、正確な回転駆動装置12の水平度を確保することが可能となる。
【0037】
このように、回転駆動装置12の高さを調整可能にすることにより、厚さの異なる試料の分析を行う場合であっても、常に試料の上面位置を一定にして同一条件で分析できることとなる。
【0038】
また、回転駆動装置12としては、本実施例においては図3に示すような時計のムーブメントを使用しており、このムーブメントは、ぜんまいばね46を駆動源とし、このぜんまいばね46に蓄えられた力が2番車48,3番車50,4番車52との歯車からなる伝達機構を経て、ガンギ車54,アンクル56,天輪58等からなる脱進調速機へ伝達され、ここで回転エネルギーを間欠的に受けて衝撃エネルギーとして変換するようになっている。この場合、2番車48には分針が取り付けられるもので、この実施例では2番車48を出力軸22として用いるようにしている。
【0039】
また、2番車48の回転速度では不十分であるため、天輪58の一部を切除して、軽量化することにより、出力軸22の一回転に要する時間を4〜60分に設定するようにしている。なお、この回転の規制状態は、歯車の規制や天輪58に取り付けられるひげぜんまい60のばね定数を変化させることによってもなし得る。
【0040】
さらに、ぜんまいばね46を巻く場合には、裏蓋26および下押え板24に形成した巻き穴62から回転駆動装置12内にドライバを差し込み、ぜんまいばね46の軸を直接回転させることにより、ぜんまいばね46の巻き取りをなし得るようにしている。
【0041】
また、図4の実施例に示すように、ケース10の側面にりゅうず穴66を形成しておくことにより、このりゅうず穴66からりゅうず68を突出させて、ぜんまいばね46を巻き取るようにすることも可能である。
【0042】
ターンテーブル14は、円板状のもので、下面中央部にボス部70を突出させ、このボス部70の中心に回転駆動装置12の出力軸22を取り付けるための取付け穴72を形成し、この取付け穴72内に前記出力軸22を差し込んで出力軸22に固定されて回転し得るようになっている。また、ボス部70の側面には環状の溝74が形成され、この環状の溝74内に、回転駆動装置12に固定されたストッパプレート76の先端が係入され、試料回転装置を逆さにした場合でも、ターンテーブル14が脱落しないようになっている。
【0043】
また、ターンテーブル14上には、上面に試料78を固定する水平テーブル80が設けられ、この水平テーブル80とターンテーブル14との間には、水平テーブル80の水平微調整を行うための弾性部材として板ばね82を介在させ、これらターンテーブル14と水平テーブル80とを板ばね82の挿通穴84を貫通させた状態で複数、例えば4本の締付部材としての締付ねじ86にて締め付け、各締付ねじ86の締付力を調整することにより、水平テーブルの水平微調整を行えるようにしている。例えば、半径3.5mm内で、高さが3ミクロン以内の誤差に止まるように調整可能とする。
【0044】
したがって、ターンテーブル14により試料78を回転させながら、試料78の分析,測定を行う場合であっても、試料78を水平に維持して、試料78の分析部分の高さを一定にすることができ、その結果、例えばSIMSなどのように一次イオンビームを試料78に照射する場合であっても、一次イオンビームの入射角を一定に保つことが可能となり、正確な分析が行えることとなる。
【0045】
試料固定部材16は、図2に示すように、円板状の板ばね82の中央部を切り欠いて下方に折り曲げた状態のもので、その折り曲げ部分の先端を試料78の上面に点接触して試料78を上面から押圧し固定し得るようになっている。また、試料固定部材16の下面外周部分には、複数、例えば4つの磁石88を一体に取り付け、この磁石88をターンテーブル14上に吸着させることにより、試料固定部材16をターンテーブル上に容易に固定し得るようにしている。また、試料固定部材16,磁石88およびターンテーブル14をそれぞれ導電性を有する部材にて形成することにより、試料78の電気的導通を図り、試料78のSIMS分析を可能にしている。
【0046】
センターガイド18は、試料78を覆う状態でターンテーブル14上に取り付けられる筒状のもので、上面にリング状のフランジ部90が形成され、このフランジ部90の上面にはターンテーブル14の回転中心位置を表示する4本のV溝92が刻設され、さらに、これらV溝92間の開孔部分に細線94を直交させて配設している。したがって、試料固定部材16上からセンターガイド18を被せた状態でターンテーブル14上にセンターガイド18を取り付け、細線94の交叉位置に試料78の分析点がくるように試料78を位置決めすることにより、容易に正確な試料78の分析点の位置決めを行うことが可能となる。
【0047】
図5には、本発明の他の実施例を示す。
【0048】
この実施例では、試料回転装置を収納した試料ホルダ100を試料室108内のホルダガイド102上に移動可能に支持させている。
【0049】
ホルダガイド102の先端には、ホルダストッパ104が立上げ形成されている。
【0050】
また、試料ホルダ100は、ホルダ送り手段としてのホルダ送りロッド106により押込まれ、ホルダガイド102に沿ってホルダストッパ104に当接して位置決めされるようになっている。
【0051】
さらに、試料ホルダ100の押込み方向側の側面からは、回転駆動装置のりゅうず68を突出させている。このりゅうず68は、突出状態で回転駆動装置の回転停止状態を維持する回転規制手段としての機能を有するものとなっており、このりゅうず68を押込むことにより、回転駆動装置の回転停止状態を解除して回転を開始し得るようになっている。
【0052】
そして、試料ホルダ100に試料をセットし、りゅうず68によりぜんまいばね48を巻き、りゅうず68を引き出してターンテーブルの回転を止めた状態にして試料室108内のホルダガイド102上に支持させ、長時間(例えば一晩)試料を真空中で放置しておき、測定を開始しようとする際に、ホルダ送りロッド106により、試料ホルダ100をホルダガイド102に沿ってホルダストッパ104と当接するまで押込む。すると、試料ホルダ100から突出するりゅうず68がホルダストッパ104に当接して押込まれ、回転駆動装置の回転停止状態が解除されて、回転が開始されることとなる。
【0053】
このように、長時間試料を真空雰囲気下におくことにより、試料分析時に問題となる残留大気成分の影響を低減させることができる。
【0054】
また、測定者の都合に合わせて回転を開始させることができ、有効回転時間を測定時間に一致させることが可能となり、長時間(例えば一晩)回転させておくような無駄を無くすことができる。
【0055】
本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において各種の変形実施例が可能である。
【0056】
例えば、本実施例の試料回転装置は、SIMSによる分析の場合に限らず、AES,XPSなどの分析にも適用し得るものである。
【0057】
また、回転駆動装置として時計のムーブメントを使用した場合について説明したが、これに限らず、ぜんまいばねを駆動源とするものであれば種々の回転駆動装置を採用することが可能である。
【0058】
さらに、前記実施例においては、弾性部材として板ばね30および82を用いたが、この例に限らず分析の条件によってはゴム等の弾性変形部材を採用することも可能である。
【0059】
そして更に、前記実施例においては、ケース10を外側部材とした場合について説明したが、この例に限らず、ケース10を試料ホルダー内に組込むようにすることも可能である。
【0060】
【発明の効果】
前記構成の第1の発明にあっては、試料を固定するターンテーブルをぜんまいばねを駆動源とした回転駆動装置により回転させることにより、試料の表面荒れを軽減して、深さ方向の分解能を向上させることができ、しかも、回転駆動装置はぜんまいばねを駆動源とするため、分析装置の内部に設置しても、分析装置内の雰囲気に影響を与えることがなく、正確な分析を行うことができ、さらには、分析装置の内部に配設できることにより、超高真空状態の下においても、複雑な構造とすることなく試料の回転を行わせることができるという効果がある。
【0061】
また、水平微調整用の弾性部材を介在させた状態で、ターンテーブルと水平テーブルとを複数の締付部材にて締め付け、その締付力の調整により、水平テーブルの水平微調整を行うことができ、したがって試料を回転させる場合でも試料を常に水平に保つことができ、正確な分析を行うことができるという効果がある。
【0062】
第2の発明にあっては、高さ調整部材を上下させて弾性部材により支持された回転駆動装置の高さを調整し、複数の水平調整部材によって水平微調整を行うことにより、厚さの異なる試料の分析,測定に対応することができるという効果がある。
【0063】
第3の発明にあっては、試料固定部材を磁石によりターンテーブルに容易に取り付けることができ、しかも固定手段を必要としないので機構を簡素化することができる上に、試料固定部材,ターンテーブルおよび磁石を導電性を有する部材にて形成することにより、導電性を要する試料の電気導通を図るとともに、磁石固定とすることで、試料脱着時に資料や回転機構に加わる力を軽減することができるという効果がある。
【0064】
第4の発明にあっては、回転駆動装置の出力軸の一回転に要する時間を4〜60分に設定することにより、SIMSなどの分析装置に使用するに最適な状態とすることができるという効果がある。
【0065】
第5の発明にあっては、回転中心位置を表示したセンターガイドを設けることにより、容易に試料の分析部位をターンテーブルの回転中心に設定することができるという効果がある。
【0066】
第6の発明にあっては、試料を長時間真空雰囲気下においた後、ホルダ送り手段により試料ホルダを押込み、ホルダストッパに回転規制手段を当接させて回転駆動手段の回転規制を解除し、回転を開始させることにより、試料分析時に問題となる残留大気成分の影響を低減させることができ、しかも測定者の都合に合わせて回転を開始させることができ、有効回転時間を測定時間に一致させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る試料回転装置の断面図である。
【図2】図1のターンテーブル上の分解斜視図である。
【図3】図1の回転駆動装置の内部機構を下面側から見た斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る試料の回転装置を示す部分断面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る試料の回転装置を示す側面図である。
【符号の説明】
12 回転駆動装置
14 ターンテーブル
16 試料固定部材
18 センターガイド
22 出力軸
30 板ばね
36 高さ調整部材
44 調整ねじ
46 ぜんまいばね
78 試料
80 水平テーブル
82 板ばね
86 締付けねじ
88 磁石
100 試料ホルダ
102 ホルダガイド
104 ホルダストッパ
106 ホルダ送りロッド
108 試料室
Claims (7)
- ぜんまいばねを駆動源とする回転駆動装置の出力軸に固定され、上面に試料を固定して試料を回転させるターンテーブルを備える試料回転装置であって、
前記ターンテーブルは、上面に前記試料を固定する水平テーブルを備え、
前記ターンテーブルと水平テーブルとの間には、水平微調整用の弾性部材を備え、
前記ターンテーブルと水平テーブルとを複数の締付部材にて締め付け、その締付力の調整により、水平テーブルの水平微調整を行うことを特徴とする試料回転装置。 - 請求項1において、
前記回転駆動装置を上下動可能に支持する弾性部材と、
前記回転駆動装置の上方に上下位置調整可能に配設され、前記回転駆動装置と当接して回転駆動装置の上限位置を規制する高さ調整部材と、
前記高さ調整部材の下面より突出可能にされ、前記回転駆動装置を下方に押し付けて回転駆動装置の水平微調整を行う複数の水平調整部材とを備えることを特徴とする試料回転装置。 - 請求項1または2において、
導電性を有する試料固定部材の下面に、試料固定部材を固定する磁石を一体に取り付け、導電性を有するターンテーブルに前記磁石を介して試料固定部材を取り付け、前記試料固定部材にてターンテーブル上の導電性を要する試料を固定することを特徴とする試料回転装置。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記回転駆動装置は、出力軸の1回転に要する時間が4〜60分に設定されていることを特徴とする試料回転装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記ターンテーブルには、回転中心位置を表示したセンターガイドが前記試料を覆って取り付けられることを特徴とする試料回転装置。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記回転駆動装置は、突出状態で回転停止状態を維持する回転規制手段を有し、
前記回転規制手段を突出させた状態で試料ホルダ内に設置されるとともに、
前記試料ホルダは、ホルダガイドにより移動可能に支持され、ホルダ送り手段によりホルダガイドのホルダストッパ位置まで押込み可能とされ、
前記回転規制手段は、前記ホルダストッパに当接して押込まれることにより、回転規制が解除可能とされていることを特徴とする試料回転装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の試料回転装置を備えたスパッタリング装置。
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- 1994-05-10 JP JP12067094A patent/JP3661199B2/ja not_active Expired - Lifetime
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