JP3661098B2 - スプリンクラヘッド - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、スプリンクラヘッドに係り、さらに詳しくは、スプリンクラヘッドに組込まれて放水口を閉塞する弁体を押圧し、火災発生時には加熱されて分解し、外部に落下して放水口を開放して消火水を散水するリンク機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、フラッシュ型あるいはマルチ型のスプリンクラヘッドの放水口は、常時は弁体により閉塞されており、弁体は可溶合金を備えたリンク機構によりバランサを介して押圧保持されている。このようなリンク機構及びバランサを備えたスプリンクラヘッドの一例として、実公昭56−49636号公報に開示された考案がある。
【0003】
上記公報に記載されたスプリンクラヘッドは、上部が外方に屈曲したほぼ逆J字状の一対のアーム、シリンダが固定されアームに設けた第1の穴に係止するアーム支持板、シリンダ内に収容された可溶合金及びシリンダ内に摺動可能に配設された第1のピストン、アームに設けた第2の穴に係止するリンク押え板、及び一端が第1のピストンに当接し他端がリンク押え板に螺入された第2のピストンからなるリンク機構と、上面中央部が弁体に当接し、下面両端部近傍にリンク機構のアームの上端部が当接するバランサとを備えている。
【0004】
上記のようなスプリンクラヘッドの弁体には、バランサを介してリンク機構による上向き荷重が加えられており、また、バランサには、弁体による下向き荷重とリンク機構による上向き荷重が加えられて平衡し、これによりたわみが生じている。
いま、火災の発生によりリンク機構が加熱されて可溶合金が溶融すると、リンク機構はその荷重によって分解し、バランサのたわみによって跳ね出され、外部に落下する。これにより、弁体が放水口を開放して消火水を散水する。
【0005】
ところで、スプリンクラヘッドは、時代の要請や美観上の観点などから小型化、特に外径の小さいものが要望されている。しかしながら、前述のようにリンク機構は一対のアームの間にシリンダが配設されており、このシリンダの外径は機能上小さくすることが困難なため、アームの間隔もシリンダの外径に制約されて狭くすることができなかった。その結果、フレームの外径もリンク機構の幅に規制され、ある寸法以上に小さくすることができなかった。
【0006】
このような問題を解決するために、例えば、実開平5−51368号公報には、アームの脚部に上下方向に長い穴を設け、この穴にアーム支持板とリンク押え板を係止させると共に、シリンダの一部を挿入してアームの間隔を狭くし、これを組込むスプリンクラヘッドの外形を細くするような考案が開示されている。
【0007】
また、バランサは火災発生時にリンク機構の分解を確実かつ促進すると共に、スプリンクラヘッドの組立荷重を調整するために前述のようにたわみを有することが必要であり、しかもその大きい荷重に耐えうる機械的強度を備えていなければならない。
このような要件を満すべく考案されたものに実公昭62−26116号公報に開示されたたわみ部材(バランサ)がある。このたわみ部材は、荷重がかかる平滑面に直立した状態で波形面を設けたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
実開平5−51368号公報に開示されたリンク機構は、アームの脚部に上下方向に長い大きな穴があけられているため、機械的強度に不安がある。アームには通常80〜100kgf程度の組立荷重がかかるため、この荷重によりアームが変形するおそれがあり、火災時にリンク機構の分解・落下が円滑に行われないことがある。
【0009】
また、実公昭62−26116号公報には、荷重のかかる平滑面に直立した状態で波形面を設けたバランサ(たわみ部材)が開示されているが、バランサはその下面両端部がリンク機構のアームで支持され、上面中央部には弁体を介して下向き荷重による大きな曲げモーメントが加えられているため、バランサに生じる応力は、弁体が接する中央部が最大で、両端部に向って徐々に小さくなる。そのため、側壁を波形に形成したのでは長さ方向の応力分布が不均一になって機械的強度が低下し、また、大きなたわみを生じることができないため、火災発生時にリンク機構の分解及び跳ね出しを確実に行えないことがある。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は、機械的強度を低下することなく、アームの間隔を狭くすることができ、また、火災発生時には円滑かつ確実に分解することのできるリンク機構を備えたスプリンクラヘッドを得るにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスプリンクラヘッドは、アームの脚部に形成されて、シリンダが配設されるアーム支持板が係止される係止穴の下面を、外側から内側に向う下り斜面又は外側が高く内側が低い階段状に形成したものである。
【0013】
【作用】
アームに設けたアーム支持板が係止する係止穴の下面を、外側から内側に向う下り斜面又は外側が高く内側が低い階段状に形成したので、火災の発生によりリンク機構が分解される際に、アームとアーム支持板との係止が円滑に解除され、分解及び落下を促進する。
【0015】
【実施例】
実施例1
図1は本発明の第1の実施例の縦断面図、図2は保護カバーを除去した状態を示す底面図である。
図において、1は本体で、外周におねじが設けられた第1のねじ部2と、その下端部にこれと一体に設けられた六角形状のつば部3と、外周におねじが設けられ、つば部3と一体に形成された第2のねじ部4とからなり、中心部にはこれら第1のねじ部2、つば部3及び第2のねじ部4を貫通して放水口5が設けられている。そして、放水口5の下部は拡径されて後述の弁体が収容される凹部6が形成されており、放水口5と凹部6との間には弁座7が設けられている。なお、つば部3は六角形に限定するものではなく、例えば、円形に形成して締付工具が係止する係止部を設けてもよい。
【0016】
10は有底円筒状のフレーム(外径22〜23mm程度)で、図3に示すように、内壁の上部には本体1の第2のねじ部4に螺合されるめねじ11が設けられており、めねじ11の下方(高さ方向の中央部よりやや下方)にはフランジ部12が形成されている。15は散水口で、フランジ部12と底部14との間に放射状かつ等間隔に形成され、周壁13と底部14の周縁部とに開口する。16は底部14に設けられ、長軸側の両端部が円弧状に形成されたほぼ小判状の開口部である。なお、フランジ部12の幅は、リンク機構の分解時に後述の弁体15の落下を妨げないように、後述するアーム41a,41bの頭部42の先端部が係止しうる最小限の幅となっている。
【0017】
20は本体1の放水口5を開閉する弁体で、放水口5より小径で放水口5内に挿入される弁本体と、放水口5の下端部より大径で弁本体と一体に構成され、凹部6内に収容されるフランジ部と、このフランジ部の下面に突設された突起部21と、突起部21の外周にこれと同心的に設けられたかしめ片とからなっている。22は例えば銅の如き金属材料からなり、弁体20の上部を覆うパッキンである。
【0018】
30はアームガイドで、図4に示すように、ほぼ長方形の基板31と、その長片側の両縁部を下方に折曲げた板状のガイド片32a,32bとによりほぼコ字状に形成されており、ガイド片32a,32bの両側縁部は基板31側に折曲げられ、また、下端部には後述の可溶合金への熱の伝達効率を高めるため、及びシリンダの移動を妨げないための切除部33a,33bが設けられている。なお、基板31の中心部に設けた穴34には弁体20のかしめ片が嵌入されてかしめられ、弁体20とアームガイド30とが一体に結合される。
【0019】
ここで、フレーム10の底部14に設けた開口部16の長さLは、弁体20のフランジ部の径より長く、幅Wは弁体20のフランジ部の径より短かく形成されている。また、アームガイド30の基板31の長さL1 はフレーム10の開口部16の長さLより短かく、幅W1 は開口部16の幅Wより若干狭く形成されており、さらに、アームガイド30の基板31の長さL1 は弁体20のフランジ部の径とほぼ等しく、幅W1 はフランジ部の径より狭く形成されている。
【0020】
35は例えば厚さ1mmの金属材料(ばね材)からなるほぼコ字状のバランサで、スプリンクラヘッドが組立てられた際、弁体20へ加わる所定の組立荷重をリンク機構40のアーム41a,41bに均等にかけるものであり、また、ある程度たわむことによりこの組立荷重を所定の値に調整するものである。このバランサ35は図5に示すように、長軸側の両端部が緩い円弧状に形成されたほぼ長方形の基板36と、基板36の長軸側の両縁部が基板36の両端部より内側においてほぼ直角に折曲げられて、それぞれの両端部に形成された4本の脚部37a,37a,37b,37bと、脚部37aと37a及び37bと37bの間において、頂部が基板36の長さ方向のほぼ中央部に位置するように形成された逆三角形状の側壁38a,38bとからなり、基板36の中心部には支点受け凹部39が設けられている。そして、側壁38a,38bの高さは脚部37a,37bの高さと同じか又はこれより低く形成されており、具体的には各種の条件を勘案して所要の高さに設定する。なお、バランサ35の脚部37a,37bは、スプリンクラヘッドが組立てられた際に後述のアーム41a,41bの脚部43と対向する位置に形成されている。
【0021】
40は一対のアーム41a,41b、アーム支持板46、リンク押え板55等からなるリンク機構で、その分解状態を図6に示す。アーム41a,41bは図7に示すように、外側にほぼ円弧状に折曲げられた頭部42と、頭部42より幅広に形成され、途中から外側(後述のシリンダから離れる方向)に角度θ1 (実施例ではθ1 =5°)で折曲げられた(傾斜した)脚部43とによりほぼ逆J字状に形成されており、脚部43には第1の係止穴44と第2の係止穴45が設けられている。
【0022】
また、アーム41a,41bの脚部43に設けた第1の係止穴44の下面は、外側から内側に向って角度θ2 (実施例ではθ2 =20°)で下り斜面44aに形成されており、さらに、頭部42(脚部43の上端部)の幅は、バランサ35の側壁38a,38bの間に遊嵌しうる幅に、バランサ35の脚部37a〜37bの幅は、アームガイド30のガイド片31a,31bの間に遊嵌しうる幅に形成されている。
【0023】
上記の説明では、アーム41a,41bの脚部43に下面が外側から内側に向って下り斜面44aに形成された第1の係止穴44を設けた場合を示したが、下り斜面44aに代えて、図8に示すように、第1の係止穴44の下面を外側が高く内側が低い階段状44bに形成してもよく、あるいは脚部43と直交した平坦面に形成してもよい。
さらに、例えば従来のスプリンクラヘッドのリンク機構に実施する場合は、アーム41a,41bの脚部を折曲げずに直線状に形成し、この脚部に設けた第1の係止穴44の下面を、外側から内側に向う下り斜面又は外側が高く内側が低い階段状に形成してもよい。
【0024】
アーム支持板46は、直線状の2辺と円弧状の2辺とによりほぼ四角形状に形成され、中心部に貫通穴48を有する本体47と、直線状の2辺から僅かに下方に傾斜して突設され、先端部が斜め下方に折曲げられた係止片49a,49bとからなり、アーム41a,41bの間に配設されて係止片49a,49bがアーム41a,41bの第1の係止穴44に係止される。
【0025】
50はシリンダで、外壁の高さ方向のほぼ中央部にはつば部51が設けられており、下面にはねじ部52が突設されている。そして、このシリンダ50はつば部51が当接するまでアーム支持板46の貫通穴48に挿入され、その位置でアーム支持板46上に載置される。
53はシリンダ50内に収容された例えばコンプレッションはんだからなる可溶合金、54はシリンダ50内に摺動可能に収容された第1のピストンである。
【0026】
55はリンク押え板で、中心部にねじ穴57を有しアーム支持板46の本体47の幅より若干狭い幅の四角形の本体56と、その両側に突設された嵌合片58a,58bからなり、アーム41a,41bの間に配設されて嵌合片58a,58bがアーム41a,41bの第2の係止穴45に遊嵌する。
59は一端に設けたねじ部60がリンク押え板55のねじ穴57に螺入され、他端が第1のピストン54に当接する第2のピストンである。
【0027】
61は感熱板を兼ねたリンク機構40等の保護カバーで、中心部には止めねじ62がかしめつけ等により固定されており、この止めねじ62をシリンダ50のねじ部52に螺合することにより、フレーム10やリンク機構40の下面を覆って固定される。なお、保護カバー61はその上端部をフレーム10の散水口15を覆う高さまで延出させてもよい。
【0028】
次に、上記のような各部からなる本実施例の組立順序の一例を説明する。なお、リンク機構40は、あらかじめ図1に示す状態に組立てられているものとする。
先ず、本体1をねじ部2を下にして直立させ、パッキン22が取付けられアームガイド30に固定された弁体20の弁本体を放水口5内に挿入し、弁体20のフランジ部をパッキン22を介して弁座7に当接させる。ついで、アームガイド30のガイド片31a,31bの間にバランサ35を挿入し、その支点受け凹部39を弁体20の突起部21に当接させる。
【0029】
この状態でアームガイド30のガイド片31a,31bの間にリンク機構40を挿入し、アーム41a,41bの頭部42をバランサ35の下面両端部に当接させる。そして、下方からアームガイド30とリンク機構40を覆うようにフレーム10のめねじ11を本体1の第2のねじ部4に螺入し、両者を一体に結合する。
【0030】
このとき、リンク機構40のアーム41a,41bの頭部42の先端部が、フレーム10の内壁に設けたフランジ部12に係止し、フレーム10の螺入によりその頭部42がバランサ35によって圧下され、結果的にアーム41a,41bはフランジ部12への係止部を支点として外方に開く方向(シリンダ50から離れる方向)の回転力が付与され、この回転力はアーム41a,41bに係止したアーム支持板46により規制されている。なお、このとき、アーム41a,41bに加わる組立荷重は通常90kgf程度になる。
【0031】
また、リンク機構40の下部(ほぼアーム41a,41bの第1の係止穴44から下方)は、フレーム10の底部14に設けた開口部16から外部に露出しており、また、アームガイド30のガイド片31a,31bの下端部は、開口部16の両縁部に摺接し、その切除部33a,33bはシリンダ50に対面している。
最後にシリンダ50のねじ部52に保護カバー61の止めねじ62を螺合して固定すれば、スプリンクラヘッドの組立は完了する。
【0032】
上記のように構成したスプリンクラヘッドは、図9に示すように、天井70に設けた穴71から挿入され、そのねじ部2を給水管72に螺入して接続することにより天井面に装着され、その一部(全長の2分の1程度)が天井面から露出する。このとき、前述のように、バランサ35の中央部には弁体10を介して組立荷重により大きな曲げモーメントが加えられ、両端部にはリンク機構40による上向き荷重が加えられる。
なお、本発明に係るスプリンクラヘッドはフレーム10の外径が小さい(22〜23mm程度)ため、システム天井のTバーの間にも設置することができる。この場合は、例えば、自在継手に接続された給水管72に本体1のねじ部2を螺入し、その後給水管72を動かしてフレーム10の下部又は全部をTバー間から室内に露出させ、給水管72を固定すればよい。
【0033】
いま、火災が発生して感熱板を兼ねた保護カバー61が加熱され、その熱及び周辺からの熱気流により可溶合金53が加熱されて溶融し始めると、溶融した可溶合金53の一部がシリンダ50と第1のピストン54の間から流出するため、シリンダ50及びこれに固定されたアーム支持板46が上昇し、両アーム41a,41b又は少なくとも一方のアーム41a(又は41b)が、フレーム10のフランジ部12との係止部を支点として外方に回動する。この結果、アーム41a,41b又は一方のアーム41a(又は41b)の係止穴44と、アーム支持板46の係止片49a,49b(又はその一方)との係合が外れ、リンク機構40は分解する。
これにより、保護カバー61を含むリンク機構40及びバランサ35は、図9に示すように、フレーム10の底部14に設けた開口部16から外部に落下する。
【0034】
同時に弁体20と一体化されたアームガイド30は、自重と消火水の圧力によりそのガイド片31a,31bがフレーム10の開口部16の両端部に沿って下降し、弁体20のフランジ部がフレーム10の底部14に着座し、開口部16を閉塞する。これにより、放水口5が開口され、消火水は図9に示すように、フレーム10内を通って散水口15から散水される。
【0035】
ところで、弁体20のフランジ部の外径は、フレーム10の開口部16の短軸側の幅Wよりは大きいが、長軸側の長さLよりは小さく形成されているので、弁体20によって開口部16を完全に閉塞することができず、弁体20のフランジ部と開口部16の長軸側の両端部との間には、すき間が存在する。
このため、消火水は、このすき間からも下方に散水され、散水口15からの散水と相俟って、スプリンクラヘッドの四方及び下方にほぼ均一に散水される。したがって、従来のマルチ型スプリンクラヘッドのように長いスリットを設ける必要がなく、フレーム10を従来のものに比べて細径化、小型化することができる。
【0036】
上記のように構成した本実施例においては、リンク機構40のアーム41a,41bの下部を外側に向って傾斜させたので、両アーム41a,41bの間隔を狭くしても脚部43,43の間をシリンダ50を挿入しうる幅に保持することができる。そのため、リンク機構40の幅を狭くすることができ、これが組込まれるフレーム10の外径を小さくすることができる。また、アーム41a,41bにはアーム支持板46とリンク押え板55の係止穴44,45を設けるだけなので、機械的強度が低下することもない。
さらに、アーム支持板46の係止片49a,49bを係止させる第1の係止穴44は、その下面を外側から内側に向う下り斜面に形成したので、火災発生時にアーム支持板46の係止片49a,49bが第1の係止穴44から外れる際の摩擦を少なくすることができ、リンク機構40は円滑にまた確実に分解することができる。
【0037】
また、バランサ35は基板36の両縁部をほぼ直角に折曲げて両側端部にそれぞれ脚部37a〜37bを設けると共に、脚部37a〜37bの間にほぼ逆三角形状の側壁38a,38bを設けたので、すなわち、バランサ35に生じる応力が最大となる中央部を逆三角形の側壁が一番高くなる部分で補強するようにしたので、長さ方向の中央部に加わる曲げモーメントの応力を全長に亘ってほぼ均一にすることができる。このため、強度が大で大きな荷重が加えられても変形するおそれがなく、しかも充分なたわみ量が得られるので、火災発生時に分解したリンク機構40を確実に跳ね出して落下させることができる。
さらに、4本の脚部37a〜37bは下面に当接するリンク機構40のアーム41a,41bのガイドになり、また、アーム41a,41bの回転やがたつきを防止することができる。
【0038】
実施例2
上記の実施例1では、本発明をマルチ型スプリンクラヘッドに実施した場合を示したが、本発明はフラッシュ型スプリンクラヘッドにも実施することができる。
図10は本発明の第2の実施例の縦断面図である。図において、1はねじ部2、リング状のフランジ部3、放水口5等からなる本体で、フランジ部3の内壁にはめねじ4aが設けられている。20は下面に突起部21を有する断面凸字状の弁体、22はパッキンである。30は第1の実施例の場合と同じ構造のアームガイドで、天板の穴34には弁体20の下面に設けたかしめ片が挿入されてかしめられ、両者は一体に結合されている。
【0039】
83は上部に設けたおねじが本体1のフランジ部3のめねじ4aに螺合されて一体に結合された有底の円筒フレームで、側壁のほぼ中央部には対向して円周方向に開口するスリット84a,84bが形成されており、また、底部にはほぼ小判状の開口部85が設けられている。86はストッパリング、87は中央部にほぼ小判状の穴88を有するデフレクタで、両者は連結棒により一体的に連結されている。
【0040】
35は第1の実施例で説明したバランサと同じ構造のバランサ、40は同じくリンク機構で、アーム41a,41bの頭部42はバランサ35の下面両端部に当接し、先端部は円筒フレーム83のスリット84a,84bにそれぞれ係止している。61は感熱板を兼ねた保護カバー、62は止めねじである。
【0041】
上記のようなフラッシュ型スプリンクラにおいて、火災の発生により保護カバー61が加熱されて可溶合金53が溶融すると、第1の実施例の場合と同様にリンク機構40が分解し、リンク機構40及びバランサ35はデフレクタ87の穴88から落下する。同時に弁体20はその自重と消火水の圧力により、アームガイド30のガイド片31a,31bにガイドされてストッパリング86と共に下降し、ストッパリング86が円筒フレーム83の底部に着座し、弁体20を含むアームガイド30はデフレクタ87に着座して穴88を閉塞する。これにより放水口5からの消火水はデフレクタ87を介して周囲に散水する。
【0042】
本実施例においてもリンク機構40のアーム41a,41b間の幅を狭くできるので、これらを組込む円筒フレーム83を小径にすることができ、スプリンクラヘッド全体を小形化することができる。また、バランサ35は第1の実施例の場合と同様の作用効果を有する。
【0043】
実施例3
図11は本発明の第3の実施例の縦断面図で、フレーム型スプリンクラヘッドに本発明を実施したものである。なお、第1,第2の実施例と同一又は類似部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。8は本体1の下部に対向して設けられた複数本(図には1本だけ示してある)のフレームで、下端部は受座9に一体に連結されている。89は受座9に取付けたデフレクタ、90は受座9のねじ穴に螺入された止めねじである。
【0044】
40は第1,第2の実施例で説明したリンク機構とほぼ同じ構造及び作用効果を有するリンク機構であるが、本実施例においては、アーム41a,41bの先端部(図の左方)はほぼ直線状に形成されて凹部63a,63bが設けられており、また、シリンダ50には感熱板61aが取付けられている。
そして、リンク機構40を90°回転してフレーム8,8の間から弁体20と受座9との間に挿入し、アーム41aの凹部63aを止めねじ90に、アーム41bの凹部63bを弁体20の突起部21にそれぞれ嵌合したもので、その組立荷重は止めねじ90によって調整される。
【0045】
このような本実施例においては、火災が発生すると前述の要領によりリンク機構40が分解して落下し、同時に弁体20も落下して放水口5を開放する。これにより消火水が放水口5から放水され、デフレクタ89を介して周囲に散水される。
【0046】
本実施例においてもリンク機構40のアーム41a,41b間の間隔を狭くできるで、これを支持する受座9と弁体20間の距離を短かくすることができ、従来に比べて高さの低いフレーム型スプリンクラヘッドを得ることができる。
【0047】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明を実施するスプリンクラヘッドは上記実施例のものに限定するものではなく、他の構造のスプリンクラヘッドにも実施することができる。
また、リンク機構及びバランサも上記実施例に限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
リンク機構のアームに設けられ、シリンダが固定されたアーム支持板が係止する係止穴の下面を、外側から内側に向う下り斜面又は外側が高く内側が低い階段状に形成したので、火災の発生時にアーム支持板が係止穴から外れる際の摩擦を少なくすることができて、係止穴とアーム支持板との係合が円滑に解除され、リンク機構を確実に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の縦断面図である。
【図2】図1の保護カバーを除いた状態を示す下面図である。
【図3】図1のフレームを示すもので、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は縦断面図である。
【図4】図1のアームガイドを示すもので、(a)は縦断面図、(b)は下面図である。
【図5】図1のバランサを示すもので、(a)は下面図、(b)は断面図である。
【図6】図1のリンク機構の分解斜視図である。
【図7】図1のアームを示すもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図8】アームの他の実施例を示す断面図である。
【図9】第1の実施例の作用説明図である。
【図10】本発明の第2の実施例の断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 ねじ部
5 放水口
8,10 フレーム
15 散水口
20 弁体
21 突起部
22 パッキン
30 アームガイド
35 バランサ
36 基板
37a,37b 脚部
38a,38b 側壁
40 リンク機構
41a,41b アーム
44 第1の係止穴
45 第2の係止穴
46 アーム支持板
49a,49b 係止片
50 シリンダ
53 可溶合金
54 第1のピストン
55 リンク押え板
58a,58b 嵌合片
60 第2のピストン
61 保護カバー
83 円筒フレーム
84 スリット
86 ストッパリング
87,89 デフレクタ
Claims (1)
- 本体の放水口を閉塞する弁体、該弁体を放水口の端部に圧接するリンク機構を有し、該リンク機構が、対向配置された一対のアームと、該アームの脚部に形成した係止穴に係止され、シリンダが配設されるアーム支持板とを備えているスプリンクラヘッドにおいて、
前記アームの係止穴の下面を、外側から内側に向う下り斜面又は外側が高く内側が低い階段状に形成したことを特徴とするスプリンクラヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26566494A JP3661098B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | スプリンクラヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26566494A JP3661098B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | スプリンクラヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08117356A JPH08117356A (ja) | 1996-05-14 |
JP3661098B2 true JP3661098B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=17420282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26566494A Expired - Lifetime JP3661098B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | スプリンクラヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3661098B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-28 JP JP26566494A patent/JP3661098B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08117356A (ja) | 1996-05-14 |
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