JP3660808B2 - 超臨界水を用いた廃光ファイバーケーブルの処理方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は廃光ファイバーケーブルの超臨界水分解方法、超臨界水酸化方法およびそれらの処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報化産業の急速な発展により、高速かつ大量に情報を伝達する媒体として光ファイバーが用いられ、大量に敷設されている。今後劣化した光ファイバーケーブルは交換する予定となっており、廃光ファイバーケーブルの発生量は、これから相当大量になると予想される。
【0003】
光ファイバーケーブルは、鉄等の心材の回りに高純度シリカよりなる多数の光ファイバーを束ね、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂で被覆したものである。廃棄された光ファイバーケーブルは、長さが数Kmにおよび、鉄、ガラス、プラスチック等からなるため、分別して処分することが困難である。
【0004】
現在、廃光ファイバーケーブルは、焼却処理または埋め立て処理により廃棄されている。石油危機以降、焼却設備の近代化が急速に進み、燃焼技術の向上と安定化が進展したが、光ファイバーケーブルを焼却するとダイオキシンが発生する可能性がある。これは燃焼により、光ファイバーケーブルの被覆に用いられる含塩素系ポリマーから発生する塩素と、同じく光ファイバーケーブル中の有機物とが反応してダイオキシンを合成すると考えられる。特に、300℃前後の燃焼温度でダイオキシンが発生する可能性が高い。従って、基本的には、燃焼時に完全な有機物の分解や脱塩素化が実現できれば、ダイオキシンの発生は防止できるはずであるが、現実には一般のごみ焼却によって多くの焼却炉からダイオキシンが発生していることが確認されている。
【0005】
ダイオキシンを発生させない処理方法として、超臨界水を用いた超臨界水分解法あるいは超臨界水酸化法が近年着目されている。超臨界水分解とは水の超臨界条件下(374℃、22MPa以上)、水を分解反応の媒体として利用し、被処理物を回収できる有機物に分解する方法である。一方、超臨界水酸化法とは、水の超臨界条件下で、水を分解反応の媒体として利用することにより、有機物を水と二酸化炭素にまで分解する方法である。超臨界水分解法では熱分解、加水分解が、また超臨界水酸化法では酸化分解が非常に大きな反応速度で進行する。超臨界水分解法および超臨界水酸化法は、元々PCB等の難燃性で有害な有機物の処理技術として開発されたものであり、ダイオキシンも分解されることは既に確認されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この超臨界水酸化に関する基礎技術は、特公平1−38532号公報に開示されている。特公平1−38532号公報には、基本フローが開示されており、分解対象物はフィードポンプで昇圧されたエジェクターで処理後の超臨界水と混合、加熱された後、反応器に導入される。反応器では空気圧縮機からの高圧空気が導入され酸化分解が行われる。処理後の処理流体は、一部をエジェクターに再循環し、残りでタービンを回して、エネルギーを回収する。反応器は、詳細が述べられていないが、管状、円筒状および流動床式のものが採用可能としている。
【0007】
また、特表平3−500264号公報には、反応器の詳細が述べられており、無機塩を含むかあるいは反応後に無機塩を生成する有機廃液を対象にした反応器の型式として、ベッセル反応器が開示されている。
【0008】
上記の発明においては、分解対象物として多くの物質が挙げられており、その中には光ファイバーケーブルを構成する素材も含まれているが、ただ単に分解ができると記載されているのみで、廃光ファイバーケーブルの具体的な処理方法は一切開示されていない。さらにこれらの発明に示されている処理フローは、液体廃棄物を対象に考えられており、廃光ファイバーケーブルのような固体廃棄物を処理する方法は何ら具体的に記載されていない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、廃光ファイバーケーブルから有用物質を回収する分解処理方法およびその装置と、完全に分解処理する方法およびその装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、廃光ファイバーを粉砕し、臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法に関するものである。
【0011】
本発明は、基本的に廃光ファイバーケーブルを粉砕し、臨界温度・圧力以上の水で超臨界水分解または超臨界水酸化することを特徴とするものである。
【0012】
粉砕手段は廃光ファイバーケーブルを反応器へ供給できる程度の粒径(例えば1〜2mm程度)以下に粉砕できる手段であれば特に限定されないが、例えばジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャーや、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミルなどのミル式粉砕機、二軸型粉砕機、竪形粉砕機等の乾式粉砕、または例えば歯付ロール、バンミル、攪拌摩砕ミル等の湿式粉砕を挙げることができる。
【0013】
乾式粉砕の場合は、一定粒径以下に粉砕した後、水またはオイルでスラリー化し反応器へ圧入すればよい。湿式粉砕の場合は、湿式粉砕で得られた水スラリーを反応器へ圧入すればよい。
【0014】
粉砕は、一段で処理してもよいが、予め粗粉砕した後、微粉砕する工程を加えてもよい。微粉砕する手段は特に限定されないが、例えばミール式粉砕機等を挙げることができる。
【0015】
本発明方法の超臨界水分解または超臨界水酸化に用いられる反応器は、高圧ガス対象設備となるが、パイプ型でもベッセル型でもよく、ベッセル型においてより効果的に使用される。本発明における超臨界水分解または超臨界水酸化の反応条件は、反応温度が一般的に400℃以上、好ましくは600−650℃前後であり、反応圧力は22−50MPa、好ましくは22−25MPaである。反応時間は、1秒〜1時間、好ましくは1〜2分である。
【0016】
廃光ファイバーケーブルを超臨界水分解により処理する場合は、ケーブルを被覆しているプラスチックが加水分解反応等により分解され、モノマーや、油状の分解物等を回収することができる。
【0017】
超臨界水酸化を行う場合は、酸化剤の存在下に廃光ファイバーケーブルを酸化反応すればよい。酸化剤としては、空気、酸素、過酸化水素等を使用することができる。超臨界水酸化により、廃光ファイバーケーブルを被覆している外被プラスチック等の可燃物であるポリエチレン等のオレフィン系高分子は、二酸化炭素と水へと完全に分解される。また、塩化ビニル等の含塩素ポリマーは、二酸化炭素と水の他に塩素が分解により生成するので、超臨界水酸化反応にアルカリを添加することにより、塩素を無機塩とすることができる。また、ナイロンのような含窒素ポリマーは、二酸化炭素、水、窒素へと完全分解される。
【0018】
請求項1に記載の発明は、廃光ファイバーを粉砕し、超臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行う廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法であって、廃光ファイバーを粉砕した後、金属、ファイバーガラスを除去することを特徴とするものである。
【0019】
廃光ファイバーケーブルを粉砕したものはスラリー状態で、そのまま超臨界水分解または超臨界水酸化の反応器へそのまま圧入してもよいが、粉砕した廃光ファイバーケーブルから、超臨界水分解または超臨界水酸化の対象とならない廃光ファイバーケーブル中の不燃物、すなわち鉄、アルミニウム等の心材金属、およびファイバーガラスを事前に除去することが、反応器の必要容積を最小限に抑えることができるため好ましい。さらに、この不燃物の除去は、超臨界水分解装置または超臨界水酸化装置における閉塞トラブル、装置の摩耗問題を回避するうえで、好ましい。
【0020】
金属を除去する手段としては、例えば、比重分離または磁気選別等の手段を挙げることができる。
【0021】
また、ファイバーガラスを除去する手段としては、例えば、比重分離または風力選別等の手段を挙げることができる。
【0022】
心材金属やファイバーグラス等の不燃物を除去した後、さらに微粉砕処理してもよい。
【0023】
請求項2に記載の発明は、廃光ファイバーケーブルから、心材金属を除去した後、粉砕し超臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法である。
【0024】
廃光ファイバーケーブルは、数Kmの長さに及ぶものであり、粉砕処理する前に、心材の金属を予め除去することにより、その後の処理を容易にすることができる。
【0025】
廃光ファイバーケーブルから心材金属を除去する手段としては、外被のプラスチックを連続的に剥く方法、心材金属に電流を流し加熱し心材金属を引き抜く方法、圧延ロールで廃光ファイバーケーブルを圧延して、心材金属と外被のプラスチックを分離する方法等が挙げられる。
【0026】
廃光ファイバーケーブルから心材金属を除去した後、粉砕し、超臨界水分解または超臨界水酸化すればよい。
【0027】
粉砕手段は、上記した乾式破砕でも、湿式破砕でもよく、また粗粉砕した後に微粉砕してもよい。
【0028】
請求項3に記載の発明は、廃光ファイバーから、心材金属を除去した後、粉砕し超臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行う廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法であって、粉砕後にガラスファイバーを除去することを特徴とするものである。
【0029】
ファイバーガラスを除去する手段としては、比重分離または風力選別等の手段を挙げることができる。
【0030】
ファイバーガラスを除去することにより、反応器の必要容積を最小限に抑えることができでき、さらに、超臨界水分解装置または超臨界水酸化装置における閉塞トラブル、装置の摩耗問題を回避するうえで、好ましい前処理といえる。
【0031】
請求項4に記載の発明は、廃光ファイバーを超臨界水分解する装置に関するものであり、粉砕処理された廃光ファイバーケーブルからファイバーガラスを除去しスラリー化する水スラリー化手段と、水スラリーを超臨界水分解反応器へ圧入する手段からなる供給系と、超臨界水分解反応器と、超臨界水分解された後の処理流体の排出系と、超臨界水分解物を回収する回収系を備えたことを特徴とするものである。
【0032】
廃光ファイバーケーブルを粉砕処理する方法は、請求項1ないし請求項3で説明した方法により行うことができる。すなわち、廃光ファイバーケーブルを乾式粉砕または湿式粉砕により水スラリー化が可能な一定粒径以下に粉砕すればよい。また、粉砕物からファイバーガラスや心材金属を除去することがより好ましい。さらに、粉砕する前に廃光ファイバーケーブルから心材金属を除去した後、粉砕処理をしてもよい。
【0033】
粉砕された廃光ファイバーケーブルを水スラリー化するには、乾式粉砕された廃光ファイバーケーブルの場合は水を加えて強力に攪拌すればよく、湿式粉砕された廃光ファイバーケーブルの場合は、既に水が存在しているので、そのまま強力に攪拌すればよい。廃光ファイバーケーブルは超臨界水分解反応により、モノマーや油状物に分解されるので、超臨界水分解反応後の処理流体から分解物を回収する回収系を設ける必要がある。
【0034】
請求項5に記載の発明は、廃光ファイバーケーブルを超臨界水酸化する装置に関するものであり、粉砕処理された廃光ファイバーケーブルからファイバーガラスを除去しスラリー化する水スラリー化手段と、水スラリーおよび酸化剤を超臨界水酸化反応器へ圧入する手段からなる供給系と、超臨界水酸化反応器と、超臨界水酸化された後の処理流体の排出系とを備えたことを特徴とするものである。
【0035】
廃光ファイバーケーブルを粉砕し、水スラリーとする手段は請求項7と同じであるので説明を省略する。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、請求項4に係る廃光ファイバーケーブルの超臨界水分解装置の概要を模式図で表したものである。
【0037】
処理対象となる廃光ファイバーケーブルは不図示の手段により粉砕処理され、、水スラリー化装置1により水スラリーとする。図示しない加圧手段により水の臨界圧に加圧された状態で、水スラリー供給ポンプ2により供給配管21を介して超臨界水分解反応器6に該水スラリーを供給するように接続されている。水スラリーは、予熱器4および図に示していない加熱器により水の臨界温度まで加熱され、供給配管5を介して超臨界水分解反応器6へ供給される。以上により供給系が構成される。
【0038】
超臨界水分解反応器6は、既知のベッセル型と称される縦筒型の反応器であっても、パイプ式と称される管状型の反応器であってもよいが、図1に示したのはベッセル型反応器である。
【0039】
超臨界水分解反応器6に導入(供給)された上記廃光ファイバーケーブル粉砕物の水スラリーの水は、超臨界状態となり、分解反応が進行して、超臨界水分解反応を起こす。廃光ファイバーケーブルから心材金属やファイバーガラス等の不燃物を除去した粉砕物の場合は、廃光ファイバーケーブルを構成する外被のプラスッチクが分解処理され、モノマーや油状物等の分解物が生成する。廃光ファイバーケーブルをただ単に粉砕処理し、心材金属やファイバーガラスが含まれている場合は、粉砕物のうち外被プラスチックは上記のように分解され、心材金属やファイバーガラス等の不燃物は、ベッセル型反応器の下部へ落下するので、排出すればよい。
【0040】
超臨界水分解反応器6から、排出系を構成する排出管7を通して排出された処理流体は、例えば熱交換型の冷却器8で冷却され、図示しない減圧装置などを含んで構成される気液分離器11で気体と液体に分離され、気体は排ガス排出管12を介して大気に放出される。水と油状分解物を含む液体は例えば分液装置等の油状分解物回収装置14へ送られ、油状分解物は油状分解物排出管15を介して回収され、水は水排出管13により排出される。これらにより排出系が構成される。
【0041】
なお、熱交換型の冷却器8で加熱され温められた冷却水は配管10を介して予熱器4へ送ることにより、廃熱を有効に利用することができる。
【0042】
このような装置により、廃光ファイバーケーブルを構成する外被のプラスッチクからモノマーや、油状分解物を回収してリサイクルすることができる。
【0043】
(第2実施形態)
図2は、請求項5に係る廃光ファイバーケーブルの超臨界水酸化装置の概要を模式図で表したものである。
【0044】
図2において、図1の超臨界水分解装置と同一の構成要素には同一の符号を付した。
【0045】
処理対象となる廃光ファイバーケーブルは不図示の手段により粉砕処理され、水スラリー化装置1により水スラリーとする。図示しない加圧手段により水の臨界圧に加圧された状態で、水スラリー供給ポンプ2により供給配管21を介して超臨界水酸化反応器6’に該水スラリーを供給するように接続されていると共に、その供給経路の途中で、同じく図示されていない加圧手段により水の臨界圧に加圧された状態の酸化剤が次のように混合されるようになっている。
【0046】
酸化剤は、酸化剤供給ポンプ3により配管31を介して上記水スラリーの供給配管21と合流混合するように接続されている。これらの各成分は、合流管32を介して予熱器4へ接続している。水スラリーと酸化剤は、予熱器4により水の臨界温度まで加熱され、供給配管5を介して超臨界水酸化反応器6’へ供給される。以上により供給系が構成される。
【0047】
超臨界水酸化反応器6’は、既知のベッセル型と称される縦筒型の反応器であっても、パイプ式と称される管状型の反応器であってもよいが、図2に示したのはベッセル型反応器である。
【0048】
超臨界水酸化反応器6’に導入(供給)された上記廃光ファイバーケーブル粉砕物の水スラリーの水は、超臨界状態となり、酸化剤の存在下で酸化反応が進行して自燃・発熱し、超臨界水酸化反応を起こす。廃光ファイバーケーブルから心材金属やファイバーガラス等の不燃物を除去した粉砕物の場合は、廃光ファイバーケーブルを構成する外被のプラスチックが酸化処理される。外被プラスチックのうちポリエチレン等のオレフィン系ポリマーは、二酸化炭素と水に分解される。塩化ビニル等の塩素含有ポリマーは、アルカリを加えて超臨界水酸化することにより酸化分解により発生した塩素がアルカリと反応して無機塩を形成するため、分解生成物は二酸化炭素、水および無機塩となり、ダイオキシンが発生することはない。廃光ファイバーケーブルをただ単に粉砕処理し、心材金属やファイバーガラスが含まれている場合は、粉砕物のうち外被プラスチックは完全に酸化分解され、心材金属やファイバーガラス等の不燃物は、ベッセル型反応器の下部へ落下するので、排出すればよい。
【0049】
超臨界水酸化反応器6 'から、排出系を構成する排出管7を通して排出された処理流体は、例えば熱交換型の冷却器8で冷却され、図示しない減圧装置などを含んで構成される気液分離器11で気体と液体に分離され、二酸化炭素を主とする排ガス排出管12を介して大気に放出され、液体(水)は水排出管13を介して排出される。これらにより排出系が構成される。
【0050】
なお、熱交換型の冷却器8で加熱され温められた冷却水は配管10を介して予熱器4へ送ることにより、廃熱を有効に利用することができる。
【0051】
この実施形態の超臨界水酸化装置により廃光ファイバーケーブルを処理することにより、ダイオキシンを発生させずに、安全な二酸化炭素と水に分解処理することができる。
【0052】
(第3実施形態)
図3は、請求項2に係る廃光ファイバーケーブルの超臨界水分解方法に用いる装置の概要を模式図で表したものである。
【0053】
処理対象となる廃光ファイバーケーブルは、圧延ロール式の心材金属除去装置16によって、心材金属が除かれ、外被のプラスチックとファイバーガラスを粉砕装置17によって粉砕処理される。以降の処理は図1と同様なので説明を省略する。
【0054】
図3の実施態様によれば、あらかじめ心材金属を除去した後に超臨界水分解を行なうので、粉砕装置17の負担を軽減できる他、超臨界水分解装置に不燃物質の金属が供給されないので、弁や配管に金属が閉塞するおそれがない、かつ弁、配管、超臨界水分解装置の摩耗を防止することができる他、超臨界水分解装置の容積を低減することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば廃光ファイバーケーブルを構成する外被等のプラスチックを超臨界水分解処理することにより、モノマーや油状分解物等を回収して再利用することができる。さらに廃光ファイバーケーブルを効率よく超臨界水酸化処理することが可能となり、近年、社会問題となっているダイオキシンの発生を全く起こさず、廃光ファイバーケーブルの完全な酸化分解処理が可能となる。
【0056】
また、本発明では、排ガス中に窒素酸化物、硫黄酸化物および煤塵等が含まれないため、基本的には脱硫装置等の排ガス処理設備を必要とせず、コスト的に有利になる。
【0057】
また、廃光ファイバーケーブルから心材金属やファイバーガラス等の不燃物を除去して超臨界水処理することにより、超臨界水反応器の容積を低減することができ、装置の閉塞を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するために用いられる第1の実施形態の超臨界水分解装置を説明するためのフロー図。
【図2】 本発明の方法を実施するために用いられる第2の実施形態の超臨界水酸化装置を説明するためのフロー図。
【図3】 本発明の方法を実施するために用いられる第3の実施形態の超臨界水分解装置を説明するためのフロー図。
【符号の説明】
1:水スラリー化装置
2:水スラリー供給ポンプ
21:配管
3:酸化剤供給ポンプ
31:配管
32:合流管
4:予熱器
5:供給配管
6:超臨界水分解反応器
6’:超臨界水酸化反応器
7:排出管
8:熱交換型冷却器
9:冷却水供給管
10:排冷却水配管
11:気液分離器
12:排ガス排出管
13:水排出管
14:分解物回収装置
15:分解物排出管
16:心材金属除去装置
17:粉砕機
Claims (5)
- 廃光ファイバーを粉砕し、超臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法であって、廃光ファイバーを粉砕した後、ファイバーガラスを分離除去し超臨界水分解または超臨界水酸化することを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法。
- 廃光ファイバーから、心材金属を除去した後、粉砕し超臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法の超臨界水処理方法。
- 請求項2において、粉砕後、ファイバーガラスを分離除去し超臨界水分解または超臨界水酸化することを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法の超臨界水処理方法。
- 粉砕処理された廃光ファイバーケーブルからファイバーガラスを除去しスラリー化する水スラリー化手段と、該水スラリーを超臨界水分解反応器へ圧入する手段からなる供給系と、超臨界水分解反応器と、超臨界水分解された後の処理流体の排出系と、超臨界水分解物を回収する回収系を備えたことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水分解装置。
- 粉砕処理された廃光ファイバーケーブルからファイバーガラスを除去しスラリー化する水スラリー化手段と、該水スラリーおよび酸化剤を超臨界水酸化反応器へ圧入する手段からなる供給系と、超臨界水酸化反応器と、超臨界水酸化された後の処理流体の排出系を備えたことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水酸化装置。
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