JP2000070899A - 超臨界水を用いた廃光ファイバーケーブルの処理方法およびその装置 - Google Patents

超臨界水を用いた廃光ファイバーケーブルの処理方法およびその装置

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JP2000070899A JP24679198A JP24679198A JP2000070899A JP 2000070899 A JP2000070899 A JP 2000070899A JP 24679198 A JP24679198 A JP 24679198A JP 24679198 A JP24679198 A JP 24679198A JP 2000070899 A JP2000070899 A JP 2000070899A
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃光ファイバーケーブルから有用物質を回収
する分解処理方法を提供する。 【解決手段】 廃光ファイバーを粉砕し、超臨界温度・
圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に
超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを
特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃光ファイバーケー
ブルの超臨界水分解方法、超臨界水酸化方法およびそれ
らの処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化産業の急速な発展により、高速か
つ大量に情報を伝達する媒体として光ファイバーが用い
られ、大量に敷設されている。今後劣化した光ファイバ
ーケーブルは交換する予定となっており、廃光ファイバ
ーケーブルの発生量は、これから相当大量になると予想
される。
【0003】光ファイバーケーブルは、鉄等の心材の回
りに高純度シリカよりなる多数の光ファイバーを束ね、
ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の
合成樹脂で被覆したものである。廃棄された光ファイバ
ーケーブルは、長さが数Kmにおよび、鉄、ガラス、プ
ラスチック等からなるため、分別して処分することが困
難である。
【0004】現在、廃光ファイバーケーブルは、焼却処
理または埋め立て処理により廃棄されている。石油危機
以降、焼却設備の近代化が急速に進み、燃焼技術の向上
と安定化が進展したが、光ファイバーケーブルを焼却す
るとダイオキシンが発生する可能性がある。これは燃焼
により、光ファイバーケーブルの被覆に用いられる含塩
素系ポリマーから発生する塩素と、同じく光ファイバー
ケーブル中の有機物とが反応してダイオキシンを合成す
ると考えられる。特に、300℃前後の燃焼温度でダイ
オキシンが発生する可能性が高い。従って、基本的に
は、燃焼時に完全な有機物の分解や脱塩素化が実現でき
れば、ダイオキシンの発生は防止できるはずであるが、
現実には一般のごみ焼却によって多くの焼却炉からダイ
オキシンが発生していることが確認されている。
【0005】ダイオキシンを発生させない処理方法とし
て、超臨界水を用いた超臨界水分解法あるいは超臨界水
酸化法が近年着目されている。超臨界水分解とは水の超
臨界条件下(374℃、22MPa以上)、水を分解反
応の媒体として利用し、被処理物を回収できる有機物に
分解する方法である。一方、超臨界水酸化法とは、水の
超臨界条件下で、水を分解反応の媒体として利用するこ
とにより、有機物を水と二酸化炭素にまで分解する方法
である。超臨界水分解法では熱分解、加水分解が、また
超臨界水酸化法では酸化分解が非常に大きな反応速度で
進行する。超臨界水分解法および超臨界水酸化法は、元
々PCB等の難燃性で有害な有機物の処理技術として開
発されたものであり、ダイオキシンも分解されることは
既に確認されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この超臨界水酸化に関
する基礎技術は、特公平1−38532号公報に開示さ
れている。特公平1−38532号公報には、基本フロ
ーが開示されており、分解対象物はフィードポンプで昇
圧されたエジェクターで処理後の超臨界水と混合、加熱
された後、反応器に導入される。反応器では空気圧縮機
からの高圧空気が導入され酸化分解が行われる。処理後
の処理流体は、一部をエジェクターに再循環し、残りで
タービンを回して、エネルギーを回収する。反応器は、
詳細が述べられていないが、管状、円筒状および流動床
式のものが採用可能としている。
【0007】また、特表平3−500264号公報に
は、反応器の詳細が述べられており、無機塩を含むかあ
るいは反応後に無機塩を生成する有機廃液を対象にした
反応器の型式として、ベッセル反応器が開示されてい
る。
【0008】上記の発明においては、分解対象物として
多くの物質が挙げられており、その中には光ファイバー
ケーブルを構成する素材も含まれているが、ただ単に分
解ができると記載されているのみで、廃光ファイバーケ
ーブルの具体的な処理方法は一切開示されていない。さ
らにこれらの発明に示されている処理フローは、液体廃
棄物を対象に考えられており、廃光ファイバーケーブル
のような固体廃棄物を処理する方法は何ら具体的に記載
されていない。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、廃光フ
ァイバーケーブルから有用物質を回収する分解処理方法
およびその装置と、完全に分解処理する方法およびその
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、廃光ファイバーを粉砕し、超臨界温度・圧
力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超
臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを特
徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法に
関するものである。
【0011】本発明は、基本的に廃光ファイバーケーブ
ルを粉砕し、超臨界温度・圧力以上の水で超臨界水分解
または超臨界水酸化することを特徴とするものである。
【0012】粉砕手段は廃光ファイバーケーブルを反応
器へ供給できる程度の粒径(例えば1〜2mm程度)以
下に粉砕できる手段であれば特に限定されないが、例え
ばジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、
コーンクラッシャーや、ロッドミル、ボールミル、振動
ロッドミルなどのミル式粉砕機、二軸型粉砕機、竪形粉
砕機等の乾式粉砕、または例えば歯付ロール、バンミ
ル、攪拌摩砕ミル等の湿式粉砕を挙げることができる。
【0013】乾式粉砕の場合は、一定粒径以下に粉砕し
た後、水またはオイルでスラリー化し反応器へ圧入すれ
ばよい。湿式粉砕の場合は、湿式粉砕で得られた水スラ
リーを反応器へ圧入すればよい。
【0014】粉砕は、一段で処理してもよいが、予め粗
粉砕した後、微粉砕する工程を加えてもよい。微粉砕す
る手段は特に限定されないが、例えばミール式粉砕機等
を挙げることができる。
【0015】本発明方法の超臨界水分解または超臨界水
酸化に用いられる反応器は、高圧ガス対象設備となる
が、パイプ型でもベッセル型でもよく、ベッセル型にお
いてより効果的に使用される。本発明における超臨界水
分解または超臨界水酸化の反応条件は、反応温度が一般
的に400℃以上、好ましくは600−650℃前後で
あり、反応圧力は22−50MPa、好ましくは22−
25MPaである。反応時間は、1秒〜1時間、好まし
くは1〜2分である。
【0016】廃光ファイバーケーブルを超臨界水分解に
より処理する場合は、ケーブルを被覆しているプラスチ
ックが加水分解反応等により分解され、モノマーや、油
状の分解物等を回収することができる。
【0017】超臨界水酸化を行う場合は、酸化剤の存在
下に廃光ファイバーケーブルを酸化反応すればよい。酸
化剤としては、空気、酸素、過酸化水素等を使用するこ
とができる。超臨界水酸化により、廃光ファイバーケー
ブルを被覆している外被プラスチック等の可燃物である
ポリエチレン等のオレフィン系高分子は、二酸化炭素と
水へと完全に分解される。また、塩化ビニル等の含塩素
ポリマーは、二酸化炭素と水の他に塩素が分解により生
成するので、超臨界水酸化反応にアルカリを添加するこ
とにより、塩素を無機塩とすることができる。また、ナ
イロンのような含窒素ポリマーは、二酸化炭素、水、窒
素へと完全分解される。
【0018】請求項3および請求項4に記載の発明は、
廃光ファイバーを粉砕し、超臨界温度・圧力以上の水と
酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反
応または超臨界水酸化反応を行う廃光ファイバーケーブ
ルの超臨界水処理方法であって、廃光ファイバーを粉砕
した後、金属、ファイバーガラスを除去することを特徴
とするものである。
【0019】廃光ファイバーケーブルを粉砕したものは
スラリー状態で、そのまま超臨界水分解または超臨界水
酸化の反応器へそのまま圧入してもよいが、粉砕した廃
光ファイバーケーブルから、超臨界水分解または超臨界
水酸化の対象とならない廃光ファイバーケーブル中の不
燃物、すなわち鉄、アルミニウム等の心材金属、および
ファイバーガラスを事前に除去することが、反応器の必
要容積を最小限に抑えることができるため好ましい。さ
らに、この不燃物の除去は、超臨界水分解装置または超
臨界水酸化装置における閉塞トラブル、装置の摩耗問題
を回避するうえで、好ましい。
【0020】金属を除去する手段としては、例えば、比
重分離または磁気選別等の手段を挙げることができる。
【0021】また、ファイバーガラスを除去する手段と
しては、例えば、比重分離または風力選別等の手段を挙
げることができる。
【0022】心材金属やファイバーグラス等の不燃物を
除去した後、さらに微粉砕処理してもよい。
【0023】請求項5に記載の発明は、廃光ファイバー
ケーブルから、心材金属を除去した後、粉砕し超臨界温
度・圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在
下に超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うこ
とを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理
方法である。
【0024】廃光ファイバーケーブルは、数Kmの長さ
に及ぶものであり、粉砕処理する前に、心材の金属を予
め除去することにより、その後の処理を容易にすること
ができる。
【0025】廃光ファイバーケーブルから心材金属を除
去する手段としては、外被のプラスチックを連続的に剥
く方法、心材金属に電流を流し加熱し心材金属を引き抜
く方法、圧延ロールで廃光ファイバーケーブルを圧延し
て、心材金属と外被のプラスチックを分離する方法等が
挙げられる。
【0026】廃光ファイバーケーブルから心材金属を除
去した後、粉砕し、超臨界水分解または超臨界水酸化す
ればよい。
【0027】粉砕手段は、上記した乾式破砕でも、湿式
破砕でもよく、また粗粉砕した後に微粉砕してもよい。
【0028】請求項6に記載の発明は、廃光ファイバー
から、心材金属を除去した後、粉砕し超臨界温度・圧力
以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に超臨
界水分解反応または超臨界水酸化反応を行う廃光ファイ
バーケーブルの超臨界水処理方法であって、粉砕後にガ
ラスファイバーを除去することを特徴とするものであ
る。
【0029】ファイバーガラスを除去する手段として
は、比重分離または風力選別等の手段を挙げることがで
きる。
【0030】ファイバーガラスを除去することにより、
反応器の必要容積を最小限に抑えることができでき、さ
らに、超臨界水分解装置または超臨界水酸化装置におけ
る閉塞トラブル、装置の摩耗問題を回避するうえで、好
ましい前処理といえる。
【0031】請求項7に記載の発明は、廃光ファイバー
を超臨界水分解する装置に関するものであり、粉砕処理
された廃光ファイバーケーブルをスラリー化する水スラ
リー化手段と、水スラリーを超臨界水分解反応器へ圧入
する手段からなる供給系と、超臨界水分解反応器と、超
臨界水分解された後の処理流体の排出系と、超臨界水分
解物を回収する回収系を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0032】廃光ファイバーケーブルを粉砕処理する方
法は、請求項1ないし請求項6で説明した方法により行
うことができる。すなわち、廃光ファイバーケーブルを
乾式粉砕または湿式粉砕により水スラリー化が可能な一
定粒径以下に粉砕すればよい。また、粉砕物からファイ
バーガラスや心材金属を除去することがより好ましい。
さらに、粉砕する前に廃光ファイバーケーブルから心材
金属を除去した後、粉砕処理をしてもよい。
【0033】粉砕された廃光ファイバーケーブルを水ス
ラリー化するには、乾式粉砕された廃光ファイバーケー
ブルの場合は水を加えて強力に攪拌すればよく、湿式粉
砕された廃光ファイバーケーブルの場合は、既に水が存
在しているので、そのまま強力に攪拌すればよい。廃光
ファイバーケーブルは超臨界水分解反応により、モノマ
ーや油状物に分解されるので、超臨界水分解反応後の処
理流体から分解物を回収する回収系を設ける必要があ
る。
【0034】請求項8に記載の発明は、廃光ファイバー
ケーブルを超臨界水酸化する装置に関するものであり、
粉砕処理された廃光ファイバーケーブルをスラリー化す
る水スラリー化手段と、水スラリーおよび酸化剤を超臨
界水酸化反応器へ圧入する手段からなる供給系と、超臨
界水酸化反応器と、超臨界水酸化された後の処理流体の
排出系とを備えたことを特徴とするものである。
【0035】廃光ファイバーケーブルを粉砕し、水スラ
リーとする手段は請求項7と同じであるので説明を省略
する。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、請求項
7に係る廃光ファイバーケーブルの超臨界水分解装置の
概要を模式図で表したものである。
【0037】処理対象となる廃光ファイバーケーブルは
不図示の手段により粉砕処理され、、水スラリー化装置
1により水スラリーとする。図示しない加圧手段により
水の臨界圧に加圧された状態で、水スラリー供給ポンプ
2により供給配管21を介して超臨界水分解反応器6に
該水スラリーを供給するように接続されている。水スラ
リーは、予熱器4および図に示していない加熱器により
水の臨界温度まで加熱され、供給配管5を介して超臨界
水分解反応器6へ供給される。以上により供給系が構成
される。
【0038】超臨界水分解反応器6は、既知のベッセル
型と称される縦筒型の反応器であっても、パイプ式と称
される管状型の反応器であってもよいが、図1に示した
のはベッセル型反応器である。
【0039】超臨界水分解反応器6に導入(供給)され
た上記廃光ファイバーケーブル粉砕物の水スラリーの水
は、超臨界状態となり、分解反応が進行して、超臨界水
分解反応を起こす。廃光ファイバーケーブルから心材金
属やファイバーガラス等の不燃物を除去した粉砕物の場
合は、廃光ファイバーケーブルを構成する外被のプラス
ッチクが分解処理され、モノマーや油状物等の分解物が
生成する。廃光ファイバーケーブルをただ単に粉砕処理
し、心材金属やファイバーガラスが含まれている場合
は、粉砕物のうち外被プラスチックは上記のように分解
され、心材金属やファイバーガラス等の不燃物は、ベッ
セル型反応器の下部へ落下するので、排出すればよい。
【0040】超臨界水分解反応器6から、排出系を構成
する排出管7を通して排出された処理流体は、例えば熱
交換型の冷却器8で冷却され、図示しない減圧装置など
を含んで構成される気液分離器11で気体と液体に分離
され、排ガス排出管12を介して大気に放出される。水
と油状分解物を含む液体は例えば分液装置等の油状分解
物回収装置14へ送られ、油状分解物は油状分解物排出
管15を介して回収され、水は水排出管13により排出
される。これらにより排出系が構成される。
【0041】なお、熱交換型の冷却器8で加熱され温め
られた冷却水は配管10を介して予熱器4へ送ることに
より、廃熱を有効に利用することができる。
【0042】このような装置により、廃光ファイバーケ
ーブルを構成する外被のプラスッチクからモノマーや、
油状分解物を回収してリサイクルすることができる。
【0043】(第2実施形態)図2は、請求項8に係る
廃光ファイバーケーブルの超臨界水酸化装置の概要を模
式図で表したものである。
【0044】図2において、図1の超臨界水分解装置と
同一の構成要素には同一の符号を付した。
【0045】処理対象となる廃光ファイバーケーブルは
不図示の手段により粉砕処理され、水スラリー化装置1
により水スラリーとする。図示しない加圧手段により水
の臨界圧に加圧された状態で、水スラリー供給ポンプ2
により供給配管21を介して超臨界水酸化反応器6’に
該水スラリーを供給するように接続されていると共に、
その供給経路の途中で、同じく図示されていない加圧手
段により水の臨界圧に加圧された状態の酸化剤が次のよ
うに混合されるようになっている。
【0046】酸化剤は、酸化剤供給ポンプ3により配管
31を介して上記水スラリーの供給配管21と合流混合
するように接続されている。これらの各成分は、合流管
32を介して予熱器4へ接続している。水スラリーと酸
化剤は、予熱器4により水の臨界温度まで加熱され、供
給配管5を介して超臨界水酸化反応器6’へ供給され
る。以上により供給系が構成される。
【0047】超臨界水酸化反応器6’は、既知のベッセ
ル型と称される縦筒型の反応器であっても、パイプ式と
称される管状型の反応器であってもよいが、図2に示し
たのはベッセル型反応器である。
【0048】超臨界水酸化反応器6’に導入(供給)さ
れた上記廃光ファイバーケーブル粉砕物の水スラリーの
水は、超臨界状態となり、酸化剤の存在下で酸化反応が
進行して自燃・発熱し、超臨界水酸化反応を起こす。廃
光ファイバーケーブルから心材金属やファイバーガラス
等の不燃物を除去した粉砕物の場合は、廃光ファイバー
ケーブルを構成する外被のプラスチックが酸化処理され
る。外被プラスチックのうちポリエチレン等のオレフィ
ン系ポリマーは、二酸化炭素と水に分解される。塩化ビ
ニル等の塩素含有ポリマーは、アルカリを加えて超臨界
水酸化することにより酸化分解により発生した塩素がア
ルカリと反応して無機塩を形成するため、分解生成物は
二酸化炭素、水および無機塩となり、ダイオキシンが発
生することはない。廃光ファイバーケーブルをただ単に
粉砕処理し、心材金属やファイバーガラスが含まれてい
る場合は、粉砕物のうち外被プラスチックは完全に酸化
分解され、心材金属やファイバーガラス等の不燃物は、
ベッセル型反応器の下部へ落下するので、排出すればよ
い。
【0049】超臨界水酸化反応器6から、排出系を構成
する排出管7を通して排出された処理流体は、例えば熱
交換型の冷却器8で冷却され、図示しない減圧装置など
を含んで構成される気液分離器11で気体と液体に分離
され、二酸化炭素を主とする排ガス排出管12を介して
大気に放出され、液体(水)は水排出管13を介して排
出される。これらにより排出系が構成される。
【0050】なお、熱交換型の冷却器8で加熱され温め
られた冷却水は配管10を介して予熱器4へ送ることに
より、廃熱を有効に利用することができる。
【0051】この実施形態の超臨界水酸化装置により廃
光ファイバーケーブルを処理することにより、ダイオキ
シンを発生させずに、安全な二酸化炭素と水に分解処理
することができる。
【0052】(第3実施形態)図3は、請求項5に係る
廃光ファイバーケーブルの超臨界水分解方法に用いる装
置の概要を模式図で表したものである。
【0053】処理対象となる廃光ファイバーケーブル
は、圧延ロール式の心材金属除去装置16によって、心
材金属が除かれ、外被のプラスチックとファイバーガラ
スを粉砕装置7によって粉砕処理される。以降の処理は
図1と同様なので説明を省略する。
【0054】図3の実施態様によれば、あらかじめ心材
金属を除去した後に超臨界水分解を行なうので、粉砕装
置17の負担を軽減できる他、超臨界水分会装置に不燃
物質の金属が供給されないので、弁や配管に金属が閉塞
するおそれがない、かつ弁、配管、超臨界水分解装置の
摩耗を防止することができる他、超臨界水分解装置の容
積を低減することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば廃
光ファイバーケーブルを構成する外被等のプラスチック
を超臨界水分解処理することにより、モノマーや油状分
解物等を回収して再利用することができる。さらに廃光
ファイバーケーブルを効率よく超臨界水酸化処理するこ
とが可能となり、近年、社会問題となっているダイオキ
シンの発生を全く起こさず、廃光ファイバーケーブルの
完全な酸化分解処理が可能となる。
【0056】また、本発明では、排ガス中に窒素酸化
物、硫黄酸化物および煤塵等が含まれないため、基本的
には脱硫装置等の排ガス処理設備を必要とせず、コスト
的に有利になる。
【0057】また、廃光ファイバーケーブルから心材金
属やファイバーガラス等の不燃物を除去して超臨界水処
理することにより、超臨界水反応器の容積を低減するこ
とができ、装置の閉塞を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するために用いられる第
1の実施形態の超臨界水分解装置を説明するためのフロ
ー図。
【図2】 本発明の方法を実施するために用いられる第
2の実施形態の超臨界水酸化装置を説明するためのフロ
ー図。
【図3】 本発明の方法を実施するために用いられる第
3の実施形態の超臨界水分解装置を説明するためのフロ
ー図。
【符号の説明】
1:水スラリー化装置 2:水スラリー供給ポンプ 21:配管 3:酸化剤供給ポンプ 31:配管 32:合流管 4:予熱器 5:供給配管 6:超臨界水分解反応器 6’:超臨界水酸化反応器 7:排出管 8:熱交換型冷却器 9:冷却水供給管 10:排冷却水配管 11:気液分離器 12:排ガス排出管 13:水排出管 14:分解物回収装置 15:分解物排出管 16:心材金属除去装置 17:粉砕機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩森 智之 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 川崎 慎一朗 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 西 史郎 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 佐藤 芳之 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 竹下 幸俊 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 鶴見 重行 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 4F201 AA04 AA15 AD03 AD04 AD05 AD15 AD16 AH77 BA04 BA05 BC01 BC02 BC12 BC17 BC25 BC37 BN29 BN44 BP08 BP11 BP19 4F301 AA12 AA17 AB02 AC08 AD01 AD02 BA01 BA03 BA21 BA29 BE30 BE31 BE44 BF06 BF12 BF19 BF23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃光ファイバーを粉砕し、超臨界温度・
    圧力以上の水と酸化剤の不存在または酸化剤の存在下に
    超臨界水分解反応または超臨界水酸化反応を行うことを
    特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方
    法。
  2. 【請求項2】 酸化剤が、空気、酸素および過酸化水素
    からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1に記載の廃光ファイバーケーブルの超
    臨界水処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、廃光ファイバーを粉
    砕した後、金属を除去し超臨界水分解または超臨界水酸
    化することを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨
    界水処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項3において、廃光
    ファイバーを粉砕した後、ファイバーガラスを分離除去
    し超臨界水分解または超臨界水酸化することを特徴とす
    る廃光ファイバーケーブルの超臨界水処理方法。
  5. 【請求項5】 廃光ファイバーから、心材金属を除去し
    た後、粉砕し超臨界温度・圧力以上の水と酸化剤の不存
    在または酸化剤の存在下に超臨界水分解反応または超臨
    界水酸化反応を行うことを特徴とする廃光ファイバーケ
    ーブルの超臨界水処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、粉砕後、ファイバー
    ガラスを分離除去し超臨界水分解または超臨界水酸化す
    ることを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水
    処理方法。
  7. 【請求項7】 粉砕処理された廃光ファイバーケーブル
    をスラリー化する水スラリー化手段と、該水スラリーを
    超臨界水分解反応器へ圧入する手段からなる供給系と、
    超臨界水分解反応器と、超臨界水分解された後の処理流
    体の排出系と、超臨界水分解物を回収する回収系を備え
    たことを特徴とする廃光ファイバーケーブルの超臨界水
    分解装置。
  8. 【請求項8】 粉砕処理された廃光ファイバーケーブル
    をスラリー化する水スラリー化手段と、該水スラリーお
    よび酸化剤を超臨界水酸化反応器へ圧入する手段からな
    る供給系と、超臨界水酸化反応器と、超臨界水酸化され
    た後の処理流体の排出系を備えたことを特徴とする廃光
    ファイバーケーブルの超臨界水酸化装置。
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