JP3660202B2 - 遊技場設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊戯者の心身状態に合わせて対応する新規な遊技機(例えば、パチンコ球を使用したパチンコ遊技機または回胴式の絵柄合わせ部を有する回胴式遊技機、これはスロットマシンまたはパチスロとも言われる)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にパチンコ球を使用して遊技をするパチンコ遊技機がひろく普及し、いたるところにパチンコホールが営業しており、ひろく庶民の娯楽として親しまれている。
パチンコ遊技とは遊技者が借入したパチンコ球をパチンコ遊技機の発射装置から発射し、遊技盤面上に設置された入賞口に入賞することにより、賞品球が払い戻されるものである。近年のパチンコ遊技機の発射装置は電気機械的に連続発射でき、遊技者はただ発射装置のハンドルを操作するだけであるため、単調な遊技となる傾向がある。そのため、遊技者の興味を増進させ、かつ多量の賞品球を誰でも公平に得ることができるように、パチンコ遊技のなかに、ゲームの要素を取り入れたゲーム装置を具備するパチンコ遊技機が開発され、実際に使用されている。
【0003】
このゲーム装置を備えたパチンコ遊技機は、所定の条件が揃った場合にゲーム装置を作動させ、このゲーム装置の状況により、パチンコ遊技のとる対応を決定し、遊技者により有利な遊技状態を提供するものであり、遊技者の熟練の度合いに関係なく、より多くの賞品球を得る機械が得られるため、人気を集めている。
【0004】
このような最近のパチンコ装置は、エレクトロニクス技術の進歩により多数のCPU制御機構を有している。すなわち、パチンコ遊技機に備えられたゲーム装置のほとんどはエレクトロニクス技術により動作させられており、この動作を制御ならびに決定しているのはCPU装置、いわゆるマイクロプロセッサーあるいはコンピューターである。このようなコンピューターの役割は、パチンコ遊技機ならびにパチンコ遊技機に設けられたゲーム装置から得られる各種の情報を演算し予め定められた手順(プログラム)に従い、特定の動作指示をパチンコ遊技機に与えるものである。しかしながらこれらは、装置側本位の電子化であり、遊技者はただコンピューターの下す判断を待つのみしか仕方がない。
【0005】
また、最近パチンコ遊技機とならんで、回胴式の絵合わせ部を有する回胴式遊技機(一般にはスロットマシンあるいはパチスロと呼ばれている)がパチンコ遊技と同様に娯楽として親しまれてきている。この回胴式遊技機はコインを入れ、スタートボタンを押し、回胴式の絵柄を回転させて、その絵柄の組み合わせにより賞品コインを獲得する遊技である。
【0006】
この遊技機もパチンコ遊技と同様にエレクトロニクス技術の進歩により多数のコンピューター制御機構を有している。すなわち、この回胴式の絵柄合わせ部のほとんどはエレクトロニクス技術により動作させられており、この動作を制御ならびに決定しているのはコンピューター装置、いわゆるマイクロプロセッサーである。このようなマイクロプロセッサーの役割は、遊技機並びに絵柄合わせ部から得られる各種の情報を演算し予め定められた手順(プログラム)に従い、特定の動作指示を遊技機に与えるものであり、パチンコ遊技機と同様に遊技が単調化する傾向がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような、エレクトロニクス化されたパチンコ遊技機、回胴式遊技機の場合、従来の同様の遊技機に比較すると格段に遊技内容は変化に富んだ内容となっている。しかしながら、従来の場合と同様にしばらく遊技しているうちに、あきが生じるようになってくる。これは機械側の対応が予め定められた、手順またはプログラムにしたがって、画一的になるためである。一方、遊技者は人間であるので、感情、感覚、健康状態ならびに心身の状態がその時々で変化する。そのため、機械側の対応がたえず同じであるとあきが生じていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題に対する一つの解決案として、本発明ではパチンコ機械あるいは回胴式遊技機の対応の仕方を決定する条件の一つに遊技者の心身の状態並びに感情を加えることにより、より変化に富んだ対応ができる遊技機を提案するものである。
【0009】
〔第1の発明〕
遊技者より採取した情報を数値処理して得たカオスアトラクターと、前記カオスアトラクターがカオスの定義条件に適合する程度を示す指数を利用することにより、遊技者の心身の状態を把握し、遊技者の心理状態に合わせて、対応を変化させることを特徴とする遊技機。
【0010】
〔第2の発明〕
遊技者より情報を取り込むセンサー部、
前記センサーで取り込んだデータを数値処理してカオスアトラクターを算出するカオスアトラクター生成部、
前記カオスアトラクターがカオスの定義条件に適合する程度を示す指数を算出するリアプノフ数生成部
を有する心身状態把握システム部と。
前記システム部より提供された遊技者の心身の状態を示す情報に従い、遊技機のとる対応を変化させる変化手段を具備することを特徴とする遊技機。
【0011】
〔第3の発明〕
遊技者より情報を取り込むセンサー部、
前記センサーで取り込んだデータを数値処理してカオスアトラクターを算出するカオスアトラクター生成部、
前記カオスアトラクターがカオスの定義条件に適合する程度を示す指数を算出するリアプノフ指数生成部
を有する心身状態把握システム部を具備する遊技機を設置し、前記パチンコ遊技からの遊技者の心身状態に関する情報をもとに、店内に流す音楽の種類、音量、音質、照明の程度、照明の色調等遊技者の環境あるいは遊技機の設置環境を変化させる変化手段を具備することを特徴とする遊技場設備。
【0012】
〔第4の発明〕
遊技者より採取した前記遊技者自身の情報を利用して、前記遊技者の状況を事前に設定している複数のレベルに振り分け、このレベルに合わせて、対応を変化させることを特徴とする遊技機。
【0013】
以上のように、本発明では、遊技者より採取した情報を数値処理して得た遊技者固有のカオスアトラクターと、このカオスアトラクターデーターが既に知られ、一定の類別がなされているカオスの定義条件との比較により、その時の遊技者の心身の状態を把握することにより、遊技者の心理状態に合わせてパチンコ遊技機のとる対応を変化させることを特徴とするものであり、これにより、遊技の単調化もしくは単調と感じることを防止しようとするものである。
【0014】
さらにまた、現在遊技を行っている遊技者の状況に応じて、遊技環境に変化あるいは最適な遊技環境に調整することで、より快適な遊技あるいは疲労感を感じない遊技場を提供するものである。
【0015】
加えて、カオス的な考えが成り立たないような、情報であっても、現在遊技を行っている遊技者の状況を遊技者から得た情報を基に、あらかじめ設定している複数のレベルに振り分け、このレベルに従って、対応を変化させる遊技機を提供するものである。
【0016】
【作用】
まず、カオスとは何かを説明することにする。自然界や人工の世界では、予測可能な現象が多く見られる。ハレー彗星や人工衛星の位置を予測し、対応することもできる。原因と結果の関係が明瞭である決定論的予測可能性こそ、科学の偉大成る力の一つである様に思われる。
しかし、天気予報は、物理の法則に従う大気の運動の様に考えられるがしばしばはずれる。このような原因と結果が不明瞭にみえる現象は、乱雑な要素をもつといわれ、基本的には、系を記述する完全なパラメータが明らかであれば、言い換えれば、系についての情報を十分収集可能であれば、正確な予測が可能であると信じられていた。
【0017】
すなわち、乱雑性は、多自由度系に対する情報不足のために生ずると考えられていたのである。しかしながら、少数の自由度(3次元以上)しか持たない簡単な系ですら、乱雑な挙動を示す事があるという発見により、決定論的でありながら乱雑さが本質であるものが存在することが見出された。このような乱雑さをカオスと呼ぶ様になった。
【0018】
しかし、カオスの概念は、未だ統一されているわけではない。進化論と同様にその定義は、広域にわたり、対象によってその概念は一人歩きしている感さえある。そのため、本明細書においては、あえて次のようにまとめる。
カオスとは、決定論的な規則をもつ系であるにもかかわらず、非常に複雑な振舞が非線型として表れる結果、本質的にランダムになる現象を意味する。そして、一見、規則性、予測性のない乱雑な無秩序に見える現象の背後にも複雑な秩序や法則性が存在することを示している。
【0019】
また、カオスの挙動を特徴づけるトポロジーをカオスアトラクターと呼び、これはカオスを生成するシステムの挙動が収束する数学的構造体である。
これらの観点から、身体より検出される脈波は、カオス的振る舞いをすることが知られており、学会等においては、この分野における第一人者によって指尖脈波が示すカオスの心身情報として報告され、同時に同一人によりこのカオスを利用した医療診断方法が特許出願されている。(特開平4−208136)
【0020】
本発明は、身体より採取した脈波及び、心拍、或いは、体温を数値処理して得たカオスアトラクターと、このデーターがカオスの定義条件に適合する程度を示すリアプノフ数とが、身体の心身情報との相関があることを積極的に利用した応用装置である。また、遊技者の心身の状態と相関のとれるものであれば、その他の情報であっても利用することができる。
【0021】
この事に基づいて、遊技者より採取した脈波及び、心拍、或いは、温度を数値処理して得たカオスアトラクターを生成することにより遊技者情報を得る。このデーターがカオスの定義条件に適合する程度を示す数値であるリアプノフ数とから遊技者の心身の状態を把握することが可能となる。 この指尖脈波を得る手段の一例として赤外線発光ダイオードとフォトセンサーとを組み合わせたセンサーや半導体圧力センサーを利用したものがある。
【0022】
心身状態と指尖脈波のカオスアトラクターの関係は次のようである。
▲1▼指尖脈波のカオスアトラクターは精神心理状態を敏感に反映し、特有のトポロジーを示す。
▲2▼脈波から得られるカオスアトラクターは人に共通の基本構造の上に、個人特有の構造を持ち、更に精神心理状態や病気によって変化する。
▲3▼一般に精神心理状態や、生理状態が不安定になったり、病気になると、アトラクターの全体構造が単純化、無構造化し、小さくなる。また、リズムには機械的で単調な周期構造が現れる。すなわち、よりカオス的ではなくなる。
▲4▼健康状態では、全体構造は複雑でダイナミック、局所構造も巻き込み、ねじれ、スクリュー構造などの複雑な構造を示す。そして、リズムは脱周期的になる。即ち、健康な生態はカオスであり、カオスで満ちている。
▲5▼意識を集中するとカオスアトラクターは複雑になり、巻き込み、ねじれなどの局所構造が現れ、或る域値以上のストレスがかかり、疲労すると構造は単純になり、局所構造が消失する。
【0023】
以上のような考え方により、遊技者の現在の状態を数種類に場合分けし、その場合わけに従って、パチンコ遊技機あるいは回胴式遊技機の対応を異ならせることにより、より複雑な遊技内容とすることが可能となる。また、遊技者の状態はその時々によって変化するため、その変化にしたがって、パチンコ遊技機あるいは回胴式遊技機の対応も変化することにより、よりいっそう遊技者の興趣を誘うことができるようになる。
【0024】
この遊技者の心身の情報を得る部分としては、現在実用に供されている遊技機の形態からして、指先、掌あるいは手からの情報によってカオスアトラクターを得ることが最も簡単で、好ましい部分であるが、特にこの部分に限定する必要は本発明の場合はなく他の部分、例えば、遊技者の頭部、尻、あるいは皮膚表面等あらゆる部分を利用できる。
【0025】
同様に遊技機に備えるセンサーの位置もパチンコ球の発射装置のハンドル部分、発射球待ち受け皿付近、遊技機枠あるいは遊技者の座る椅子等、様々な位置に設置することができるが、現在の遊技機を改良する意味では、発射装置のハンドル部または遊技機枠部に設置するのがもっとも簡便で安価なものとなる。このような位置へ前述のフォトカプラーや半導体圧力センサーを設置することで容易に遊技者の情報を得ることができる。
【0026】
こうして得た遊技者の情報を数値演算処理し、既に設定してあるレベルに見合うかどうかを判断を行い、その程度に合わせてリアプノフ指数を算出する。この数値演算処理ならびにリアプノフ指数の算出にはコンピュータ処理を必要とするが、この処理法ならびに処理後のカオスアトラクターの表現は特に算出式、処理手続が固定されているわけではなく、任意に表現処理することができる。
【0027】
また、リアプノフ指数を算出するために既に設定しているレベルはカオスアトラクターの分類整理の仕方によりいくとおりにも設定することができる。例えば『興奮状態』と『それ以外』と言う設定を行えば2段階であるが、この2段階に加えて『意識集中』と『意識散漫』を加えると合計4段階となり、この段階に対して遊技の対応を変化させるのでより複雑、より変化に富んだ遊技内容とすることができる。
【0028】
このような遊技者からの情報を基にして、遊技機がとる対応とは、例えばパチンコ遊技機の場合、大当たり条件満足後の大入賞口の開度調節、大当たり条件の変更あるいは大入賞口の開閉間隔の変化等いわゆる賞品球の出方に関する対応、遊技中にパチンコ遊技機より流れる音楽の種類、遊技盤面上の表示の変化あるいは遊技盤面上の照明の変化等の遊技者に対する遊技環境の対応あるいは発射球の初速の変化、連続発射の間隔あるいは発射ハンドルの開度の変化等発射装置の対応変化あるいは遊技機の設置環境の変化等幅広い変化が考えられる。また、上記以外のさまざまな対応も本発明の範囲内として適用可能である。
遊技者が賞品球を得る確率を不利にしない範囲でのこのようなパチンコ遊技機の対応の変化により遊技者は現在の心身の状態に適応した遊技内容の変化を楽しむことができる。
【0029】
以上は遊技機単体に対するカオスの考え方の適用を説明したが、カオスの考えは単体の装置のみではなく、このような装置を複数台揃えた遊技場全体に対しても適応することは可能である。
すなわち、複数のパチンコ遊技機あるいは回胴式遊技機を使用している複数の遊技者の現在の心身の状態を情報として、収集し、その状態にあわせて、遊技場に流す音楽の種類、音量、音質あるいは、ホール内の照明の明るさ、色調等をホール全体、あるいは、特定の心身の状態にある遊技者の分布に合わせて、部分的に変化させることができる。
このようにすることにより、遊技者の遊技に対する興趣を増進させることができ、より快適な環境下で遊技を行うことができる特徴を持つ。
【0030】
また、上記は主としてカオスの考え方が適用できる遊技者からの情報に対して説明を行ってきたが、遊技者から得ることができる情報がカオスの考え方に当てはまらない場合でも、事前に設定したレベルに現在遊技を行っている遊技者を振り分け、そのレベルに対応して、遊技機を対応を変化させることで、遊技をより複雑にでき、遊技者の興味を引きつけることができる。
【0031】
具体的には、温度センサーを利用して、遊技者の現在の体温を測定し、その体温をあらかじめ設定されているレベルに振り分ける。すなわち、36℃以下、36℃を越え36.5℃以下、36.5℃を越え37℃以下ならびに37℃以上の四つのレベルを設定しておき、現在の遊技者がこの四つのレベルのどれに属するかで、遊技機のとる対応を変化させるものである。
遊技者からの情報としては、上記体温以外に脈拍、呼吸数、顔面の表面温度あるいは体重等さまざまなものを利用でき、これらがカオスの考えに適応できても出来なくても、利用することができる。
以下に実施例により、本発明の説明を行う。
【0032】
【実施例】
『実施例1』
本実施例では本発明のカオスの考え方をパチンコ遊技機に適用した場合を説明する。図1に本実施例のパチンコ遊技機の概略図を示す。
1はパチンコ球発射ハンドル、2は遊技盤面であり、この盤面2場に入賞口46、7、8、ゲーム装置の表示盤5、ゲーム装置の始動チャッカー機能を持つ入賞口3および大入賞口9が設けられている。発射装置から発射されたパチンコ球は遊技盤面場に設けられた釘によって、様々な方向にはねて盤面2上を下方向へ移動して行く。
【0033】
この時、入賞口3、4、6、7、8にパチンコ球がはいった場合には賞品球が遊技者のパチンコ球受皿部12に払いだされる。特に入賞口3にパチンコ球が入った場合には賞品球の払出し以外にゲーム装置が始動する。この装置はゲーム装置表示部5の三桁の表示を変化させて、所定の時間経過後にこの表示の変化を停止、停止した際の特定の表示の組み合わせの際に、大入賞口9の開閉弁の開閉を行うように指令する。これにより、特定の条件の際には大当たりとして、パチンコ遊技機は大入賞口9の開閉弁を開けて、パチンコ球が入り易くなるような遊技者の有利な状況を提供する。
この図で示しているように外見は特に大きな変化は無く従来より使用されているパチンコ遊技機とほぼ同じである。
【0034】
図4に本発明のカオス的な考え方をパチンコ遊技機に適用する際のフロチャートを示す。遊技者からの情報を収集するセンサー部40から取り込まれた脈波データは数値演算処理部41にて、カオストラクターに変換される。次にこの変換算出されたカオスアトラクターを既に定められているカオスの定義条件とを比較し、その条件との適合の程度を表すリアプノフ指数を同算出部42より算出された指数をパチンコ遊技機を制御するコンピューター43に送り、このコンピューター43の指示あるいは情報が、遊技の内容に変化を与える変化手段44に届き、遊技内容がその時の遊技者の状況に対応して変化する。
【0035】
このコンピューター部43にはその他の情報として、遊技機自身からの情報が入力されることもある、例えば、入賞口へのパチンコ球の入賞情報、ゲーム装置の大当たり情報あるいは、大入賞口9の開閉弁の状況等がそれらの情報の一例としてあげられる。このコンピューター部ではこれらの複数の情報を処理して、様々な対応の変化の指示あるいは情報を変化手段44に送ることで、パチンコ遊技機は変化に富んだ対応をすることが可能となる。
【0036】
本実施例では遊技者の脈波によって得られるカオスアトラクターを利用して、パチンコ遊技機の対応に変化を持たせるものであり、遊技者の心身の状態を得るために、本実施例ではパチンコ球の発射装置ハンドル1部分に遊技者の指先の脈波を測定する脈波センサーが備えられている。
このハンドル部分の概略拡大図を図2に示す。このハンドル1は回転しパチンコ球の発射およびその発射強弱の指示を与える、この回転動作を助ける機能を持つ凸部20がハンドル1の外径部に設けられている。
【0037】
通常は右に回転して、パチンコ球を発射させるため、この凸部の21側(図では下側)に遊技者は指先をあてがいハンドルの操作を行う。このため、この指先22が凸部20の21側にあたる部分に脈波センサー25を設置している。
本実施例における脈波センサーは赤外線発光ダイオードとフォトセンサーで構成されるもので、ダイオードから発せられた赤外線の反射をフォトセンサーで感知して、遊技者の脈波の情報を得るものである。
【0038】
前述の位置以外にセンサーを設ける例としては、ハンドルの外径部に指先を差し込む部分24を設けこの内側に脈波センサー25を設ける図3のような別の実施態様がある。この図3のような場合、センサが指先と完全に密着できるため、より確実に遊技者からの脈波を得ることができるようになる。
また、上記以外にパチンコ球の発射ハンドルの遊技者が握る部分の少なくとも一部に脈波センサーを設ける構成でも可能である。また、使用するセンサーもフォトカプラーを使用した物以外に圧力センサーを利用したものも同様に使用可能である。
【0039】
このようにして得られた遊技者からの脈波情報は遊技盤2の裏側に設けられた演算処理手段にて、カオスアトラクターに変換され、現在遊技している者の現在の心身の状態を示すカオスアトラクター情報として認識される。次にこの認識されたカオスアトラクターと既に分類分けして登録されているカオスアトラクターとを比較し、予め設定していたレベルに対応するリアプノフ数をこの演算処理手段より得て、この数値に対応して、パチンコ遊技機の取る対応を変化させる。
以下、具体的にパチンコ遊技とパチンコ遊技機の対応の変化を記載する。
【0040】
例えば、現在の遊技者の心身の状態が、『興奮していない』状況にあるとき、この状況を前述のセンサから得たデータを演算処理して、装置あるいは演算処理部が認識した場合、通常のゲーム装置始動チャッカー入賞口3ではない他の入賞口、例えば入賞口6を同時にゲーム装置始動チャッカーに設定する。そして、パチンコ球がこの入賞口6にはいった時ゲーム装置を始動させる。その後の対応は通常の状態とし、特定の表示が揃った場合は大当たりとし、揃わなかった場合は所定の賞品球を払いだす。
【0041】
このように、発射装置に備えられた、センサー部から得た遊技者の心身の状況を演算処理した後、一定の条件のレベルに遊技をわりあて、この場合では『興奮していない』と言うレベルにわりあて、この時には通常のパチンコ遊技機とは異なる対応をとるように指示を出し、遊技者が意図していない時にゲーム装置を始動させて、遊技者の興味を引きつけることができる。
本実施例の場合は、遊技者が予期していなかったことをパチンコ遊技機が行い、通常のパチンコ遊技とは異なった変化をもたらすことができ、遊技の変化をつけることができる。
【0042】
以上の例では、パチンコ遊技の対応を遊技の内容において変化をさせたが、特に遊技内容のみに限定されることはなく、遊技者の環境、例えば空調、照明、音楽等その他様々な対応に変化をもたらすことができ、これにより、遊技者があきることを防止することができる。
【0043】
『実施例2』 本実施例では、本発明のカオスの考え方を回胴式の遊技機に適用する場合を説明する。
例えば、現在の遊技者の心身の状態が、『興奮している』状況にあるとき、この状況を前述のセンサから得たデータを演算処理して、装置あるいは演算処理部が認識した場合、回胴式ゲーム装置の回転速度を速くし、遊技者の興奮を覚めさせないように、遊技に熱中させる工夫ができる。また、回転しているゲーム装置の表示の停止までの時間を通常より短くし、ゲームの結果が速く判るようにする等遊技の内容に変化を持たせることができる。
【0044】
『実施例3』 本実施例では、本発明のカオスの考え方を遊技機を複数台備えた遊技場の設備に適用する場合を説明する。
遊技場には通常多数の遊技機がブロック状あるいは行列状に設置されている。この設置されている遊技機全てあるいはその一部を遊技者の現在の心身の状態を把握できる遊技機として、この遊技機からの情報を遊技場に設けられた別のコンピューターにてこれらの情報を処理し、特定の心身の状況にある遊技の分布の様子を把握する。
【0045】
例えば、『興奮していない』遊技者の分布の状況を把握し、その分布の状況に応じて、遊技場に流す音楽の種類を変化させて、遊技者が『興奮する』あるいは『わくわくする』ような心身の状態になるように環境を変化させる。 この変化のさせ方は遊技場全体あるいは特定の状態にある遊技者の分布に合わせて部分的に変更することで、より一層現在の遊技者の状況に適切に合わせることができる。
【0046】
以上3つの実施例においては、いずれもカオスの考えを適用させたが、特にこれに限定されることはなく、カオスの考えが適用出来ないものであっても、事前に特定の条件レベルを設定し、そのレベルに遊技者を振り分けることで、カオスの考えを適用した場合と少し似た対応の変化を遊技機に与えることができる。この場合は事前のレベル設定および、遊技者からの情報の種類を変化させることで様々な対応を実現することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明の構成をとることにより、現在の遊技者の心身の状況に合った遊技内容、環境を提供できるようになった。また、遊技者の状況に合わせて遊技内容、遊技の対応、遊技環境を変化させることができるので、遊技者があきることなく、遊技に対する興味を長時間持続させることができるようになった。
遊技内容を一つのパターンではなく、遊技者の心身の状況あるいは遊技者が事前に設定したレベルのどのレベルかに対応して変化できるので、遊技者を中心とした新しい、遊技を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパチンコ遊技の概略図を示す。
【図2】本発明のパチンコ遊技機のパチンコ球発射装置のハンドル部の概略図を示す。
【図3】本発明のパチンコ遊技機のパチンコ球発射装置のハンドル部の概略図を示す。
【図4】本発明をパチンコ遊技機に適用した際のブロック図を示す。
Claims (4)
- 遊技者の身体より採取した情報をもとに、前記遊技者の心身状態を把握する複数の遊技機と、
前記複数の遊技機でそれぞれ把握した遊技者の心身状態の情報を処理し、特定の心身状態にある遊技者の分布の状況を把握するコンピュータと、
前記コンピュータで把握した特定の心身状態にある遊技者の分布の状況に応じて、遊技場内の空調、音楽の種類、音量、音質、照明の明るさまたは照明の色調を変化させる変化手段と、
を有することを特徴とする遊技場設備。 - 遊技者の身体より採取した脈波、心拍、呼吸数のいずれかの情報をもとに、前記遊技者の心身状態を把握する複数の遊技機と、
前記複数の遊技機でそれぞれ把握した遊技者の心身状態の情報を処理し、特定の心身状態にある遊技者の分布の状況を把握するコンピュータと、
前記コンピュータで把握した特定の心身状態にある遊技者の分布の状況に応じて、遊技場内の空調、音楽の種類、音量、音質、照明の明るさまたは照明の色調を変化させる変化手段と、
を有することを特徴とする遊技場設備。 - 請求項2において、前記遊技者の身体より採取する脈波、心拍、呼吸数のいずれかの情報は、フォトカプラー、または半導体圧力センサーによって取り込まれることを特徴とする遊技場設備。
- 請求項1乃至3のいずれか一項において、前記遊技場設備は、前記コンピュータで把握した特定の心身状態にある遊技者の分布の状況に応じて、遊技場内の一部分の空調、音楽の種類、音量、音質、照明の明るさまたは照明の色調を変化させる変化手段を有することを特徴とする遊技場設備。
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