JP3659789B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やアレンジボール遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
【0003】
パチンコ遊技機では、遊技盤が挿通可能な開口部を開設した前面枠を、機枠(外枠)の前面に開閉可能な状態で取り付けてある。この前面枠の裏面下部には、遊技盤を載置するフレームボードを止着してある。また、前面枠の前面下部には、フレームボードを前方から覆うように、上皿を前面側に膨出形成した開閉パネルを開閉可能に取り付けてある。
【0004】
上記したフレームボードは、遊技盤が載置される遊技盤載置部を上面に備え、前面には弾発された遊技球を案内する発射レールを備えている。この発射レールは左側から右側に向けて下り傾斜しており、その傾斜下端部分を遊技球の発射基点(発射位置)として、球供給装置によって供給された遊技球が一旦停止した後に発射装置の発射杵によって弾発されるように構成されている。
【0005】
この発射装置は、発射杵と駆動部とから概略構成してあり、発射杵は駆動部により回動されて発射基点の遊技球を弾発する。そして、この発射装置は、フレームボードの下側に位置する前面枠の裏面下端部分に直接取り付けてある。
従って、安定した発射勢を得るためには、発射基点と発射杵との位置を正確に定める必要があるが、この位置合わせはフレームボードと発射装置とを前面枠に装着した状態で行われる。
【0006】
このため、フレームボードにおける発射基点近傍部分には開口窓部を開設してあり、パチンコ遊技機の前面側から発射基点と発射杵の位置関係を視認可能にしていた。また、この開口窓部を通じて、発射基点と発射杵との位置を調整可能にしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような遊技機では、フレームボードに開口窓部を開設してあるため、遊技盤での球詰まり除去時等において開閉パネルを開放した場合に、こぼれ球が、開口窓部を通じて遊技機の裏面側に流出して回収されてしまう虞があった。ここで、こぼれ球とは、遊技盤を覆う前面ガラスを開放した際に遊技領域から落下し、開閉パネルの上面部分に載ったり、開閉パネルとフレームボードの間の隙間に入り込んだ遊技球のことである。
【0008】
従って、このこぼれ球は、正常な遊技に使用されていない遊技球であるため、そのまま回収されてしまうと遊技者の不利益となる。一方、遊技店からすれば、返却しないと店のイメージダウンになるので、遊技者に還元することが望ましいが、開口窓部に入ってしまうと還元するのが困難であった。
【0009】
また、前面枠の厚さは遊技球の直径よりも厚いため、こぼれ球が前面枠の開口下縁部上に残ってしまうこともあり、このこぼれ球を取り除かないで開閉パネルを閉めてしまった場合には、こぼれ球がフレームボードと開閉パネルの間に挟まってしまう。従って、開閉パネルを正常に閉じることができず、最悪の場合には、フレームボードや開閉パネルを破損してしまう虞があった。
【0010】
また、開閉パネルを開放した際には、開口窓部を通じて発射杵に触ることができるので、開閉パネルの開放時に、不用意に発射杵を摘んだりして発射杵の位置が動かされてしまう虞もあった。
【0011】
そこで、本発明は、こぼれ球を確実に遊技者に還元でき、尚且つ、こぼれ球を前面枠の開口下縁部上に残り難くした遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためのものであり、請求項1に記載のものは、開口部を開設した前面枠と、該前面枠の裏面側に取り付けられ、前面に発射レールを備えると共に該発射レールの傾斜下端近傍に開口窓部を開設したフレームボードと、該フレームボードを前方から覆って前面枠に開閉可能に取り付けられ球送り装置が設けられた開閉パネルとを有する遊技機において、
前記球送り装置には、待機している遊技球を一個ずつ発射レールの発射基点に向けて送出可能な球送り部材を備え、
フレームボードには、発射基点下部に取り付けられて発射杵の回動に連動して球送り部材を動作させる連動部材と、前記開口窓部への遊技球の通過を阻止する状態で取り付けられた球戻し部材とを設け、
前記球戻し部材は、
開口窓部の上部に形成した取付受部に止着される取付部と、
該取付部の前端部分から下方に延在して開口窓部を覆う基部と、
該基部の下端部分に突設した誘導棚部と、
を備え、
前記誘導棚部は、
前方に向かって緩やかに下り傾斜させた板状部分の床部と、
該床部の左端から起立させた壁状部分であって、前記連動部材の球送り部材作動部の動きを妨げないように空間を確保するための左側部と、
を備え、
開口窓部に向かってきた遊技球を球戻し部材に当接させて開口窓部内への通過を阻止すると共に、落下してきた遊技球を球戻し部材の誘導棚部で受けて、前方に誘導可能に構成したことを特徴とする遊技機である。
【0013】
ここで、「開口窓部を覆う」とは、開口窓部の全域を覆わなくてもよいという意味である。即ち、開口窓部への遊技球の通過を阻止できれば、隙間をあけた状態でもよい。
【0014】
また、請求項2に記載のものは、前記発射杵を備えた発射装置を取付可能な発射装置取付部を、フレームボードの右下部を下方に延設して一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここで、図1は代表的な遊技機であるパチンコ遊技機1の正面図、図2は前面枠4、前面カバー部材19及び開閉パネル20を開いた状態におけるパチンコ遊技機1の斜視図、図3は遊技盤収納フレーム5、フレームボード6及び遊技盤3の斜視図、図4は開閉パネル20の背面図である。
【0016】
パチンコ遊技機1は、機枠2により囲われている。そして、額縁状の前面枠4を、開閉可能な状態で機枠2に取り付けてある。
この前面枠4には、後方から遊技盤3を取り付けてある。この遊技盤3は、遊技盤収納フレーム5及びフレームボード6により区画された遊技盤収納空部7内に収納され、遊技盤収納フレーム5における左右の側壁に配設した遊技盤固定金具8…により固定される。
【0017】
この遊技盤3の表面にはガイドレール等の区画部材11を取り付けてあり、この区画部材11により略円形の遊技領域12を区画すると共に発射球通路13を区画する。
遊技領域12内には、液晶ディスプレイ等により構成されてパチンコ遊技に関する各種の表示を行う可変表示装置14や遊技領域12内を流下する遊技球が入賞し得る各種の入賞具15等を設けると共に、遊技球の流下方向を変化させる障害釘16…を多数植設する。そして、発射された遊技球は、発射球通路13を通って遊技領域12内に飛入し、この遊技領域12内を流下する。
【0018】
前面枠4の前面には、開口部を前方から塞ぐようにして前面カバー部材19と開閉パネル20を開閉可能に取り付けてある。この開閉パネル20の下方には、下部パネル21を取り付けてあり、下部パネル21の左右略中央には、下皿22を、その左側には灰皿23を、右側には発射操作部24をそれぞれ設ける。
【0019】
前面カバー部材19は、遊技盤3の遊技領域12よりも大きい開口部を形成した額縁状部材であり、その裏面側では、開口部を塞ぐように、透明部材の一種である前面ガラス25を保持する。そして、前面カバー部材19の閉止状態では、この前面ガラス25を通じて前方側から遊技領域12が視認できる。
【0020】
開閉パネル20は横長の板状部材であり、閉止状態ではフレームボード6を前方から覆う。この開閉パネル20の前面には、遊技に使用する遊技球を一時的に貯留する上皿26を設けてあり、一方、裏面には、球送り部材27を設ける。
【0021】
この球送り部材27は、上皿26から導入した遊技球を1個ずつフレームボード6の前面に取り付けた発射レール38上、より詳しくは、発射レール38に設けた発射基点40(後述)に向けて供給する部材であり、後述する連動部材61と共に球送り装置(球供給装置)33を構成する(図9参照)。
【0022】
本実施形態における球送り部材27は、遊技球を一個保持可能なコ字状の保持溝部28を左右の一側部に、回動支軸29を他側の上端部にそれぞれ備え、底面部分31を下向きの山状に設けたブロック状の部材である。
この球送り部材27は、開閉パネル20の裏面側にてカバー部材32に覆われており、回動支軸29を中心にして回動下側位置から回動上側位置の範囲で上下方向に回動可能に取り付けてある。そして、回動下側位置では、保持溝部28は待機している上皿26からの遊技球を一個保持し、回動上側位置では、保持溝部28が保持した遊技球が転動して球供給口30を通じて発射レール38上に送出する。
【0023】
また、球送り部材27の底面部分31は、カバー部材32の底部に設けた下部開口から下方に突出しており、連動部材61の球送り部材作動部62(後述)が下側から当接する。そして、球送り部材作動部62の上下方向の回動により、球送り部材27も上下方向に回動する。
【0024】
次に、フレームボード6について説明する。
フレームボード6は、図3に示すように、前面枠5の開口部を後方から塞ぐように前面枠4の背面に止着した遊技盤収納フレーム5の下部に取り付けてある。この取付状態においては、図2に示すように、フレームボード6の前面は、前面枠の開口部における下側部分に臨む。
そして、このフレームボード6は、遊技盤3を載置する部材であり、図5に示すように、ボード本体35と、このボード本体35における左側部分を前方から覆い、遊技球通路を形成するカバー部36とから構成してある。
【0025】
ボード本体35の上面には、遊技盤3を載置するための遊技盤載置部37を形成してあり、前面には、発射された遊技球を案内する発射レール38を取り付けてある。
【0026】
発射レール38は、ボード本体35の前面に一体成型した発射レール取付部39に取り付けられる。本実施形態では、左端がボード本体35の上縁における左右略中央付近に位置し、この左端から右斜め下方に向かって下り傾斜した状態で取り付けてある。そして、図2に示すように、発射レール38の傾斜下端部分の少し下側に前面枠4の開口下縁部4aが位置する。
また、図7に示すように、この発射レール38の傾斜下端部分を遊技球の発射基点40としてある。この発射基点40の右斜め上方には、球送り装置33から供給された遊技球を発射基点40で止めるための発射球停止部41を、ボード本体35の前面から前方に突設してある。なお、この発射球停止部41と発射レール38との間には、後述する発射杵45が発射基点40の遊技球を弾発できるように隙間を設けてある。
【0027】
また、ボード本体35の右下部を下方に延設して発射装置取付部42を一体に設けてある。この発射装置取付部42は、発射装置43をフレームボード6に取り付けるための部分である。
【0028】
この発射装置43は、図6に示すように、発射装置取付部42に止着される取付ベース部44と、発射基点40にある遊技球を弾発する発射杵45と、カム46(図9参照)を回転させる駆動源として機能し、発射杵45の一端部45bを発射基点40から離隔する方向に回動させるパルスモータ47と、発射基点40から離隔する方向に回動した発射杵45を戻り回動させるバネ機構48とから概略構成してある。
【0029】
図9に示すように、発射杵45の基端部分には支持軸45aを、自由端部分には弾発部45bをそれぞれ設ける。そして、発射杵45は、支持軸45aを中心に回動して、弾発部45bが遊技球を弾発する。この発射杵45の基端部分には駆動レバー50を止着してある。この駆動レバー50は、発射杵45と一体に回動する部材であり、その先端当接部50aがカム46のカム面と接する。また、発射杵45には、球送り装置33の一部を構成する連動部材61の脚部63(後述)と当接して連動部材61を揺動させる案内部49を設ける。本実施形態における案内部49は、鋼線をコ字状に屈曲させたものであるが、脚部63と当接可能な形状であればよい。なお、これらのパルスモータ47、バネ機構48及びカム46は、発射杵45を回動させる駆動部を構成する。
【0030】
そして、発射杵45、パルスモータ47、バネ機構48及びカム46は、取付ベース部44に取り付けて一体化してある。従って、取付ベース部44を発射装置取付部42に止着することにより、この発射装置43とフレームボード6とは、所定の位置関係となり、遊技球の発射基点40と発射杵45とについても所定の位置関係となる。これにより、発射基点40と発射杵45の位置調整を容易に行うことができる。
【0031】
さらに、パチンコ遊技機1の組立作業時においては、発射装置43を予めフレームボード6に止着し、このフレームボード6を取り付ければよいので、作業性が向上し、組立作業を短時間で行うことができる。これは、発射装置43は、前面枠4に取り付けるよりもフレームボード6に取り付ける方が容易であるためである。
【0032】
また、上記した発射基点40の近傍には前後方向に貫通した空部51を設けてある。この空部51は発射杵45が入り込んで回動可能な空間である。
図7に示すように、この空部51には、発射レール38の傾斜下端部分が突出しており、空部51は、この傾斜下端部分から遊技球の弾発方向の反対側である右側及び下側に存在する。また、この空部51における発射基点40の下側には、球送り装置33の一部を構成する連動部材61(後述)を取り付けてある。
【0033】
また、この空部51の前面には開口窓部52が開口(開放)しており、空部51とフレームボード6の前面側とを連通する。この開口窓部52は、発射杵45の弾発部45bを前方側から視認したり、位置調整を行ったりする等のための開口である。
そして、この開口窓部52には、透明な球戻し部材53を取り付ける。この球戻し部材53は、開口窓部52の上側に形成した取付受部54を介してフレームボード6に止着される。
【0034】
ここで、球戻し部材53について説明する。
この球戻し部材53は、取付受部54に嵌合した状態で止着される取付部55と、この取付部55の前端から下方に延在して開口窓部52に配置されてその殆どを塞ぐ基部56と、基部56の下端部分にて前方に突設した誘導棚部57とを備えており、透明樹脂により一体成型してある。
【0035】
取付部55は、取付受部54とほぼ同形状に形成したブロック状の部分であり、図8に示すように、球戻し部材53をボード本体35に取り付けるための係止片58を備えている。この係止片58は、基部56の背面から後方に突設した板状部分であり、弾性を備えている。そして、この係止片58の先端部分には係止爪部58aを設ける。この係止爪部58aは、先端から基端側に向かって徐々に厚く設けた楔状部分であり、この係止爪部58aの基端に係止段差を形成してある。
【0036】
基部56は、遊技球(即ち、こぼれ球)が開口窓部52を通らないように開口窓部52を覆う板状部分である。なお、本実施形態では、基部56の形状を開口窓部52の形状よりも小さくしてあるが、開口窓部52を遊技球が通過できないようすることができれば、基部56はどのような形状でもよい。
【0037】
誘導棚部57は、図7に示すように、床部57aと左側部57b及び右側部57cとを備えており、上部及び前部が開放した倒コ字状の部分である。床部57aは、基部56の下端から前方に突設すると共に、前方に向かって緩やかに下り傾斜させた板状部分である。左側部57bは床部57aの左端から起立させた壁状部分であり、右側部57cは床部57aの右端から起立させた壁状部分であり、何れも誘導棚部57における遊技球の移動方向を規制する。
【0038】
なお、本実施形態では、左側部57bにおける上側部分を球送り部材作動部62(後述)側に屈曲させてある。これは、球送り部材作動部62の動きを妨げないように空間を確保すると同時に球送り部材作動部62上に遊技球を載り難くくするためである。
また、この球戻し部材53は、空部内に位置する発射杵45を視認し得る程度に透明であればよい。従って、着色が施されていても良い。
【0039】
この球戻し部材53をボード本体35に止着するには、取付受部54に開設した係止口に係止片58の係止爪部58aを挿入する。このとき、係止片58が撓んで係止爪部58aが係止口を通る。そして、係止爪部58aが係止口を通過すると、弾性により係止片58が戻り、図8に示すように、係止爪部58aの後端の係止段差が係止口の縁部に引っ掛かる。これにより、球戻し部材53がボード本体35に取り付けられる。
なお、この球戻し部材53は、フレームボード6に取り付けられた発射レール38と発射装置43との位置関係を調整した後に止着する。
【0040】
このようにして球戻し部材53が取り付けられると、図8に示すように、この球戻し部材53の誘導棚部57は、前面枠4の開口下縁部4aの直上に位置する。そして、この誘導棚部57は前面枠4の前面まで延在しているので、誘導棚部57は開口下縁部4a上における発射位置近傍部分を上方から覆う。従って、遊技球を開口下縁部4a上に残すことなく、パチンコ遊技機1の前面側に誘導することができる。
なお、前面枠4の開口下縁部4aに段差部を形成し、この段差部内に誘導棚部57を嵌合して開口下縁部4aとほぼ同じ高さにしても良い。
【0041】
また、開口窓部52を球戻し部材53で塞いでいるため、遊技球が開口窓部52を通過して空部51内に侵入することを防ぐことができる。さらに、開閉パネル20を開放した際において、パチンコ遊技機1の前面側からは発射杵45に触れることができない。従って、誤って接触し難く、また、不用意に発射杵45を摘むことができない。このため、発射杵45の位置が動かされてしまうことが防止でき、遊技球の発射勢を安定させることができる。
【0042】
そして、この球戻し部材53は、発射杵45が見える程度に透明であるため、球戻し部材53を配設した状態においても、この球戻し部材53を透して空部内の様子、例えば、発射杵45の位置や、発射基点40にある遊技球と発射杵45との当たり具合等を、パチンコ遊技機1の前面側から視認できる。従って、遊技店に設置された後におけるパチンコ遊技機1の点検作業を容易にすることができる。
【0043】
また、この球戻し部材53は、開口窓部52を覆う基部56と、基部56の下端部分から前方に突設した誘導棚部57とを主要な構成としているので、構成が簡単であり、開口窓部52の形状に容易に対応できる。このため、種々のフレームボード6に取り付けることができる。
【0044】
次に、発射基点40の下部に取り付けた連動部材61について説明する。
この連動部材61は、発射杵45の回動に連動して球送り部材27を上下動させる部材であり、球送り部材作動部62、脚部63及び回動軸64から概略構成してある。
球送り部材作動部62は、フレームボード6の前面側に位置し、フレームボード6が取り付けられた状態においては、前面枠5の開口下縁4a上に位置する。そして、球送り部材27の底面部分31に下側から接し、球送り部材27を上下方向に揺動させる。
脚部63は、発射杵45に設けた案内部49と当接する部材であり、発射装置取付部42の後側に位置する。本実施形態では、右に凸の弓形棒状の部分であり、その左側部57bに、発射杵45に設けた案内部49が接する。
回動軸64は、連動部材61の回動中心となる部分であり、球送り部材作動部62と脚部63との連結筒部分内を前後方向に貫くと共に、その基端部分はフレームボード6に接合されている。
【0045】
そして、この連動部材61は、発射杵45の回動に連動して回動軸64を中心に揺動し、球送り部材27を上下方向に回動させて遊技球を発射レール38上に供給させる。
即ち、図9(a)に示すように、カム46と駆動レバー50の先端当接部50aとが接するまでは、発射杵45は、バネ機構48からの左方向への回転力により左側回動位置に位置している。この左側回動位置では、発射杵45の弾発部45bは発射基点40に位置する。このとき、球送り部材27の保持溝部28は、待機している遊技球を一個保持する。
【0046】
パルスモータ47によって回転するカム46が先端当接部50aに当接すると、図9(b)及び(c)に示すように、カム46は、先端当接部50aと当接した状態で回転する。これに伴って、発射杵45は、バネ機構48の付勢力に抗して弾発部45bを発射基点40から離隔する方向である右側に回動する。このとき、連動部材61の脚部63は、発射杵45に設けた案内部49に載って回動軸64を中心に右側に回動し、これに伴い球送り部材作動部62は、球送り部材27を上方に押し上げる。そして、球送り部材27が回動上側位置まで押し上げられると、保持溝部28で保持していた遊技球が、球供給口30を通じて発射レール38上に移る。この遊技球は、発射レール38上を転動して発射基点40で停止する。
【0047】
そして、カム46が所定の回転角度まで回転すると、カム46と駆動レバー50の先端当接部50aとの当接が外れる。これにより、図9(d)に示すように、発射杵45の弾発部45bは、バネ機構48の付勢力により戻り回動、即ち、左側に回動して、発射基点40の遊技球を弾発する。発射杵45が戻り回動すると、連動部材61は、球送り部材27の重み及び自重により戻り回動する。そして、図9(a)の状態に復帰し、球送り部材27の保持溝部28には、待機している次の遊技球が保持される。
【0048】
さらに、カム46が回転して再度駆動レバー50に当接した状態で回転すると、上記した一連の動作が再度なされ、発射杵45の弾発部45bは右側に回動し、その後、カム46が駆動レバー50から外れることにより、この弾発部45bは左側に戻り回動して次の遊技球を弾発する。
【0049】
なお、発射杵45と連動部材61とに関し、発射装置43を発射装置取付部42に取り付けることにより、両者は所定の位置関係となるため、発射杵45の案内部49と連動部材61の脚部63とを確実に当接させることができる。従って、球送り装置33による球送り動作を一層確実に行わせることができる。
【0050】
次に、上記した構成を有するパチンコ遊技機1におけるこぼれ球の処理について説明する。
【0051】
遊技領域12内に植設した障害釘16…の隙間等に遊技球が詰まってしまった場合には前面カバー部材19を開いて球詰まりを除去し、また、発射レール38上に載ってしまった複数の遊技球を取り除く場合等、必要に応じて開閉パネル20を開いて球詰まりを除去する。このとき、詰まっていた遊技球が遊技盤3の前方に落下した場合にはこぼれ球となり、跳ね返る等により進路を変え、例えば、遊技店の床面上や球箱等を載せる島設備の棚部分に落下したり、開閉パネル20の上面に当たってしまったり、開閉パネル20とフレームボード6との隙間に入り込んでしまったりする。
【0052】
そして、図8に示すように、開閉パネル20の開放状態において、跳ね返る等によりこぼれ球が開口窓部52に向かってきた場合には、このこぼれ球は、球戻し部材53に基部56に当接して遊技球の開口窓部52の通過が阻止され、誘導棚部57にて受け止められる。そして、誘導棚部57の床部57a上を下り傾斜に沿って前方に転動し、誘導棚部57を離れるとパチンコ遊技機1の前方側に排出されて、例えば、島設備の棚部分に落下する。
同様に、上方から誘導棚部57上に直接落下してきた遊技球についても、床部57aの下り傾斜により床部57a上を前方に転動した後に、島設備の棚部分の上等に落下する。
【0053】
このように、開口窓部52に向かってきたこぼれ球は、この球戻し部材53に衝突して開口窓部52を通ることができず、また、衝突したこぼれ球は、誘導棚部57により前方に戻される。このため、フレームボード6の前面側、具体的には、前面枠4の開口下縁部4a上であって発射基点(発射位置)40の近傍には、遊技球は残り難い。
【0054】
従って、こぼれ球を確実に遊技者に還元できて遊技者に不利益を与えないし、また、こぼれ球が前面枠4の開口下縁部4a上に残ることに起因する前面カバー部材19や開閉パネル20の破損を防止することもできる。
さらに、開口下縁部4a上における発射基点(発射位置)40の近傍にはこぼれ球が残らないことから、連動部材61(特に、球送り部材作動部62)が、開口下縁部4a上のこぼれ球を挟み込んで動作が妨げられるといった不都合も解消できる。
【0055】
なお、以上は、球送り部材27と連動部材61とを備えた球送り装置33を有するパチンコ遊技機1を例示したが、ソレノイドを動作させて遊技球を発射レール38上に供給する発射装置43を有する遊技機にも、本発明を適用することができる。
一方、球送り部材27と連動部材61とを備えた球送り装置33に本発明を適用した場合には、開口下縁部4a上における発射位置近傍に遊技球が残らないので、連動部材61の動作が妨げられず、球送りを含めた発射関連動作を円滑に行わせることができるという効果を奏する。
【0056】
また、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機1を例に挙げて説明したが、本発明は、アレンジボール遊技機や雀球遊技機等、他の遊技機にも適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果を奏する。
即ち、請求項1記載の発明によれば、前記球送り装置には、待機している遊技球を一個ずつ発射レールの発射基点に向けて送出可能な球送り部材を備え、フレームボードには、発射基点下部に取り付けられて発射杵の回動に連動して球送り部材を動作させる連動部材と、前記開口窓部への遊技球の通過を阻止する状態で取り付けられた球戻し部材とを設けたので、前面枠の開口下縁部における発射基点近傍に遊技球を残り難くして、連動部材が遊技球を挟み込んで動作が妨げられないようにすることができる。したがって、球送り動作を含めた発射関連動作を円滑に行わせることができる。
【0058】
また、前記球戻し部材は、開口窓部の上部に形成した取付受部に止着される取 付部と、該取付部の前端部分から下方に延在して開口窓部を覆う基部と、該基部の下端部分に突設した誘導棚部とを備え、前記誘導棚部は、前方に向かって緩やかに下り傾斜させた板状部分の床部と、該床部の左端から起立させた壁状部分であって、前記連動部材の球送り部材作動部の動きを妨げないように空間を確保するための左側部とを備え、開口窓部に向かってきた遊技球を球戻し部材に当接させて開口窓部内への通過を阻止すると共に、落下してきた遊技球を球戻し部材の誘導棚部で受けて、前方に誘導可能に構成したので、開閉パネルを開放した際において、発射レールの傾斜下端近傍に向かってこぼれ落ちてきた遊技球を確実に遊技者に還元でき、遊技者に不利益を与えないようにすることができるとともに、開閉パネルを閉じた際にフレームボードと開閉パネルとの間に遊技球が挟み込まれないようにして、フレームボードや開閉パネルの破損を防止できる。
【0059】
さらに、開口窓部に球戻し部材を取り付けてあることから、この開口窓部を通じて発射杵に触れることが困難になり、発射杵が動かされてしまうのを防ぐことができる。
【0060】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記発射杵を備えた発射装置を取付可能な発射装置取付部を、フレームボードの右下部を下方に延設して一体に設けたので、この発射装置取付部に取り付けられることにより、発射装置の発射杵と発射基点とは所定の位置関係を形成する。従って、発射基点と発射杵の位置調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】前面枠、前面カバー部材及び開閉パネルを開いた状態におけるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図3】遊技盤収納フレーム、フレームボード及び遊技盤の斜視図である。
【図4】開閉パネルの背面図である。
【図5】フレームボード及び球戻し部材の構成を説明する斜視図である。
【図6】発射装置の構成を説明する斜視図である。
【図7】球戻し部材をフレームボードの開口窓部に取り付けた状態を説明する正面図である。
【図8】図7におけるA−A断面図である。
【図9】発射装置のカムと、発射杵と、球送り装置の球送り部材の動作を説明する模式図であり、(a)はカムと発射杵とが接する直前の状態、(b)はカムと発射杵とが接し、発射杵の一端部が右方向に少し回動した状態、(c)は(b)の状態からさらに発射杵が回動し、球送り部材で保持していた遊技球が発射レール上に供給された状態、(d)はカムと発射杵との接触が外れ、発射杵の一端部が左方向に戻り回動した状態を示す。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
2 機枠
3 遊技盤
4 前面枠
5 遊技盤収納フレーム
6 フレームボード
7 遊技盤収納空部
8 遊技盤固定金具
11 区画部材
12 遊技領域
13 発射球通路
14 可変表示装置
15 入賞具
16 障害釘
19 前面カバー部材
20 開閉パネル
21 下部パネル
22 下皿
23 灰皿
24 発射操作部
25 前面ガラス
26 上皿
27 球送り部材
28 保持溝部
29 回動支軸
30 球供給口
31 底面部分
33 球送り装置
32 カバー部材
35 ボード本体
36 カバー部
37 遊技盤載置部
38 発射レール
39 発射レール取付部
40 発射基点
41 発射球停止部
42 発射装置取付部
43 発射装置
44 取付ベース部
45 発射杵
45b 弾発部
46 カム
47 パルスモータ
48 バネ機構
49 案内部
50 駆動レバー
50a 先端当接部
52 開口窓部
53 球戻し部材
54 取付受部
55 取付部
56 基部
57 誘導棚部
57a 床部
57b 左側部
58 係止片
58a 係止爪部
61 連動部材
62 球送り部材作動部
63 脚部
64 回動軸
Claims (2)
- 開口部を開設した前面枠と、該前面枠の裏面側に取り付けられ、前面に発射レールを備えると共に該発射レールの傾斜下端近傍に開口窓部を開設したフレームボードと、該フレームボードを前方から覆って前面枠に開閉可能に取り付けられ球送り装置が設けられた開閉パネルとを有する遊技機において、 前記球送り装置には、待機している遊技球を一個ずつ発射レールの発射基点に向けて送出可能な球送り部材を備え、
フレームボードには、発射基点下部に取り付けられて発射杵の回動に連動して球送り部材を動作させる連動部材と、前記開口窓部への遊技球の通過を阻止する状態で取り付けられた球戻し部材とを設け、
前記球戻し部材は、
開口窓部の上部に形成した取付受部に止着される取付部と、
該取付部の前端部分から下方に延在して開口窓部を覆う基部と、
該基部の下端部分に突設した誘導棚部と、
を備え、
前記誘導棚部は、
前方に向かって緩やかに下り傾斜させた板状部分の床部と、
該床部の左端から起立させた壁状部分であって、前記連動部材の球送り部材作動部の動きを妨げないように空間を確保するための左側部と、
を備え、
開口窓部に向かってきた遊技球を球戻し部材に当接させて開口窓部内への通過を阻止すると共に、落下してきた遊技球を球戻し部材の誘導棚部で受けて、前方に誘導可能に構成したことを特徴とする遊技機。 - 前記発射杵を備えた発射装置を取付可能な発射装置取付部を、フレームボードの右下部を下方に延設して一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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