JP3659492B2 - ゲームシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゲームシステムに関し、特に、複数プレイヤが共用のRFID通信機の通信エリアにRFIDデータキャリアを備える手持ちのゲーム用駒やゲームカードを配置しながらゲームを楽しむゲームシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、RFID(Radio Frequency IDentification)技術が急速に発展しており、RFIDデータキャリア(RFIDタグ)の小型化により、商品管理や物流管理等の物に取り付ける用途のみならず、社員証や定期券等として人間が携帯する用途にも、その応用範囲が広がってきている。
【0003】
かかるRFID技術のゲームの分野への応用としては、特開平11−244537号公報に開示されているカードゲームシステムがある。このカードゲームシステムでは、トレーディングカードにRFIDデータキャリアを埋設して、オブジェクトに関するデータを記憶するようにして、それをゲームの進行に応じて種々書き換えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記カードゲームシステムは、具体的には、システムが起動するとき、プレイヤが1人ずつ順にデータ読み書き手段にスタック(トレーディングカードの組)を配置すると、そこからデータが読み取られるようになっている。また、1人のプレイヤに係るスタックからデータ読み取りが完了したときには、次のプレイヤに係るスタックからデータを読み取るべく、スタック交換が指示されるようになっている。こうして、データ読み書き手段が2つ存在しなくても、1つで2人分以上のデータを順次読み取ることができるようにしている。
【0005】
しかしながら、このようにスタック交換を指示しながら複数プレイヤに順にデータ読み書き手段にスタックを配置させるようにすると、プレイヤ数やデータ読み取りの機会が増えてくると、データ読み取りが大変に煩わしいものになってくる。例えば、各プレイヤがゲームの局面に応じて任意に一又は複数のRFIDデータキャリアを共用RFID通信機の通信エリアに配置したり、或いは該通信エリアから外したりするゲームでは、ゲーム中に何度もデータ読み取り手段にRFIDデータキャリアを配置する機会が生じ得るが、こうしたケースに上記データ読み取り手順を適用すると、データ読み取りが大変に煩わしいものとなり、ゲームの円滑な進行を阻害するという問題がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲーム中にRFIDデータキャリアから読み取ったデータがどのプレイヤに係るデータであるかを速やかに判断できるようにして、ゲームの円滑な進行を助けるようにしたゲームシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲームシステムは、プレイヤ毎に手持ちのゲーム用駒又はゲームカードを共用RFID通信機の通信エリアに配置するよう案内する手段と、前記案内に応じて前記共用RFID通信機の通信エリアに配置されるゲーム用駒又はゲームカードに備えられたRFIDデータキャリアからID情報を読み出す手段と、読み出されるID情報を各プレイヤに対応づけて記憶する手段と、前記共用RFID通信機の通信エリアにゲーム中に配置されるゲーム用駒又はゲームカードに備えられたRFIDデータキャリアからID情報を読み出す手段と、読み出されるID情報と前記記憶する手段の記憶内容とに基づいて、前記共用RFID通信機の通信エリアにゲーム中に配置される各ゲーム用駒又はゲームカードに対応するプレイヤを判断する手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ゲーム開始前に案内に応じて各プレイヤが手持ちのゲーム用駒又はゲームカードを共用RFID通信機の通信エリアに配置すると、それらゲーム用駒又はゲームカードに備えられたRFIDデータキャリアからID情報が読み出される。読み出されたID情報は各プレイヤに対応づけられて記憶される。そして、ゲーム開始後に共用RFID通信機の通信エリアにゲーム用駒又はゲームカードが配置されると、それらに備えられたRFIDデータキャリアからID情報が読み出される。そして、読み出されたID情報と上記記憶の内容とに基づいて、配置されたゲーム用駒又はゲームカードに対応するプレイヤが判断される。このため、予め各プレイヤが手持ちのゲーム用駒又はゲームカードを共用RFID通信機の通信エリアに配置しておくことにより、ゲーム中は共用RFID通信機の通信エリアにゲーム用駒又はゲームカードを配置するだけで速やかにそれに対応するプレイヤを判断できるようになる。こうして、ゲームの円滑な進行を助けることができる。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記判断する手段による判断結果に基づいてゲーム処理を実行する手段をさらに含む。こうすれば、ゲーム用駒又はゲームカードを共用RFID通信機の通信エリアに配置することにより、プレイヤ毎にゲーム処理に影響を与えることができるようになり、魅力的なゲームシステムとすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの外観を示す図である。同図に示すように、このゲームシステム11は、家庭用ゲーム機10と、家庭用テレビ受像器12と、ゲームコントローラ14A,14Bと、RFIDリーダライタ(RFID通信機)16と、ゲーム用駒18A,18Bと、を含んで構成されている。家庭用ゲーム機10には、ゲームプログラムを格納した情報記憶媒体が装着されている。
【0016】
家庭用ゲーム機10は、従来公知の構成を有するものであり、家庭用テレビ受像器受像器12に表示されるゲーム画面を見たり、家庭用テレビ受像器12に内蔵されるスピーカから出力されるゲーム音楽やゲーム効果音を聞いたりしながら、1人又は2人のプレイヤがゲームコントローラ14A,14Bでゲーム操作入力をして、ゲームを楽しむようになっている。
【0017】
このゲームシステムで特徴的な点は、家庭用ゲーム機10にRFIDリーダライタ16が接続されており、ゲームの局面に応じて、このRFIDリーダライタ16にプレイヤがRFIDデータキャリアを備えたゲーム用駒18A,18Bを載置したり、それを下ろしたりしながらゲームを楽しむようになっている点である。例えば、プレイヤA及びプレイヤBが同ゲームシステム11でゲームを楽しむ場合、プレイヤAはゲームの局面に応じて手持ちのゲーム用駒18Aから1つ又は複数を選択し、それをRFIDリーダライタ16に載置する。また、ゲームの局面に応じて、RFIDリーダライタ16に既に載置されているゲーム用駒18Aから1つ又は複数を選択し、それを該RFIDリーダライタ16から下ろすのである。同様に、プレイヤBはゲームの局面に応じて、手持ちのゲーム用駒18Bから1つ又は複数を選択し、それをRFIDリーダライタ16に載置する。また、ゲームの局面に応じてRFIDリーダライタ16に既に載置されているゲーム用駒18Bから1つ又は複数を選択し、それを該RFIDリーダライタ16から下ろす。
【0018】
ゲーム用駒18A,18Bは、図2に示すように、コイン状のRFIDデータキャリア(タグ)22を備えており、その上にゲームキャラクタ又はゲームアイテムを象ったフィギュア24が取り付けられている。すなわち、RFIDデータキャリア22がフィギュア24の台として利用されている。RFIDデータキャリア22は、自他を識別するID情報とともにゲームデータをそれぞれ格納している。ゲームデータは、フィギュア24に関連するデータであり、例えばゲームキャラクタ又はゲームアイテムの各種属性データ(攻撃力、守備力、使用量、前回使用時刻等)である。ゲームデータには、RFIDリーダライタ16により更新可能な形態でRFIDデータキャリア22に記憶されるが、更新不能な形態(リードオンリ)で記憶されるものを含むようにしてもよい。また、不正防止の為、ID情報は更新不能な形態でRFIDデータキャリア22に記憶されることが望ましい。
【0019】
ここで、RFIDリーダライタ16及びRFIDデータキャリア22は、互いに非接触の状態でRFIDリーダライタ16がRFIDデータキャリア22からデータを読み出し、さらに、逆にRFIDデータキャリア22にデータを書き込めるようにもなったもので、従来公知の基本構成を有する。方式としては、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式、光方式等、種々のものが採用可能であるが、特に、このゲームシステム11で利用されるRFIDリーダライタ16及びRFIDデータキャリア22としては、選択的アクセスが可能なものである必要がある。すなわち、RFIDデータキャリア22は自他を識別するID情報を記憶するようにしており、RFIDリーダライタ16は、ID情報を指定してリードアクセス又はライトアクセスすることにより、該RFIDリーダライタ16に載置されているゲーム用駒18A,18Bのうち特定のゲーム用駒に備えられたRFIDデータキャリア22に対して、データの読み出し又は書き込みができるようになっている必要がある。
【0020】
なお、RFIDリーダライタ16及びRFIDデータキャリア22の方式としては、RFIDデータキャリア22が無電源で動作するものが望ましい。また、RFIDリーダライタ16は、ゲーム用駒18A,18Bを所定数、例えば10個程度を載置できる程度の広さを有する円形ステージ状に形成されており、該ステージの下にRFIDデータキャリア22とデータ通信及び該RFIDデータキャリア22に電力供給をするためのアンテナが内蔵されている。すなわち、RFIDリーダライタ16の上面が通信エリアとして用意されている。
【0021】
以下、本ゲームシステム11の構成の詳細について説明する。
【0022】
図3は、本ゲームシステム11の構成を詳細に示す図である。同図に示すように、ゲームシステム11は、マイクロプロセッサ30、画像処理部32、モニタ34、バス36、RAM38、ROM40、入出力制御部42、ゲームコントローラ14A,14B、音声処理部45、スピーカ44、DVD再生部46、DVD48、RFIDリーダライタ16、RFIDデータキャリア22を含んで構成されている。このうち、モニタ34及びスピーカ44は家庭用テレビ受像器12に含まれるものである。また、マイクロプロセッサ30、画像処理部32、RAM38、ROM40、入出力制御部42、音声処理部45、DVD再生部46は、家庭用ゲーム機10の筐体に内蔵されるものである。また、DVD48は家庭用ゲーム機10の全面パネルに備えられたディスクトレイに収容されるものである。
【0023】
同図に示すように、マイクロプロセッサ30、画像処理部32、RAM38、ROM40、及び入出力制御部42は、バス36により相互データ通信可能に接続されている。また、入出力制御部42には、ゲームコントローラ14A,14B、音声処理部45、DVD再生部46、及びRFIDリーダライタ16が接続されている。
【0024】
マイクロプロセッサ30は、ROM40に格納されるオペレーティングシステムやDVD48から読み出されるゲームプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機10の各部を制御する。バス36はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機10の各部でやり取りするためのものである。また、RAM38には、DVD48から読み取られたゲームプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。また、RAM38にはマイクロプロセッサ30の作業領域も確保される。画像処理部32はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ30から送られる画像データを受け取って同VRAM上にゲーム画面を描画するとともに、その内容をビデオ信号に変換して所定タイミングでモニタ34に出力する。
【0025】
入出力制御部42は、ゲームコントローラ14A,14B、音声処理部45、DVD再生部46、或いはRFIDリーダライタ16と、マイクロプロセッサ30との間でなされるデータ通信を中継するためのインターフェースである。ゲームコントローラ14A,14Bは、プレイヤがゲーム操作をするための入力手段である。入出力制御部42は、一定周期でゲームコントローラ14A,14Bの各種ボタンの操作状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す信号(操作信号)を、バス36を介してマイクロプロセッサ30に渡すようになっている。マイクロプロセッサ30は、その操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。音声処理部45はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD48から読み出されてサウンドバッファに記憶された音楽やゲーム効果音等のデータを再生して、それらをスピーカ44から出力する。DVD再生部46は、マイクロプロセッサ30からの指示に従ってDVD48に記憶されているゲームプログラム及びデータを読み出す。RFIDリーダライタ16は上述した構成を有しており、家庭用ゲーム機10の例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート等に接続される。そして、マイクロプロセッサ30からの指示に従ってRFIDデータキャリア22に記憶されているID情報やゲームデータを読み出す。
【0026】
以下、ゲームシステム11の処理、特にDVD48に格納されたプログラムに基づく家庭用ゲーム機10の処理について説明する。
【0027】
このゲームシステム11においては、ゲームの開始時に、各プレイヤが手持ちのゲーム用駒18A,18Bをデータキャリアリストに登録するようにしている。図4は、データキャリアリスト登録処理を説明するフロー図である。同図に示す処理はDVD48に格納されたゲームプログラムに基づいて家庭用ゲーム機10が実行するものである。この処理では、まずプレイヤ変数にA(1人目プレイヤ)を設定し(S101)、次にプレイヤAに対して手持ちのゲーム用駒18A又は18BをRFIDリーダライタ16の通信エリアに載置するように案内するための案内画面を家庭用テレビ受像器12に表示する(S102)。案内画像は、例えば「1人目プレイヤ(1P)の全ての持ち駒をフィールドに載せてください。」、或いは「2人目プレイヤ(2P)の全ての持ち駒をフィールドに載せてください。」等のメッセージを含むようにすれば好適である。そして、この案内に応じてプレイヤAがRFIDリーダライタ16の通信エリアに手持ちのゲーム用駒18Aを載置すると、そこからID情報を読み出す(S103)。この処理(S103)は、ゲームコントローラ14Aにおいて完了操作が行われるまで続けられる(S104)。すなわち、各プレイヤは手持ちの全てのゲーム用駒18を一度にRFIDリーダライタ16の通信エリアに載せてもよいし、手持ちのゲーム用駒18を載せ下ろししながら、全てのゲーム用駒18が少なくとも一度は載せられるよう、手持ちのゲーム用駒18をRFIDリーダライタ16の通信エリアに順に載置させてもよい。そして、完了操作が行われると、読み出したID情報をデータキャリアリストに登録する(S105)。
【0028】
図5は、データキャリアリストの一例を示している。データキャリアリストは、プレイヤAに対応するID情報群及びプレイヤBに対応するID情報群を区別して記憶するものであり、S105では読み出したID情報を、そのID情報に対応するプレイヤに関連付けて記憶するようにしている。すなわち、プレイヤAに対する案内画面に応じてRFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されたゲーム用駒18Aについては、そこから読み出されたID情報をプレイヤAに対応づけて記憶する。また、プレイヤBに対する案内画面に応じてRFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されたゲーム用駒18Bについては、そこから読み出されたID情報をプレイヤBに対応づけて記憶する。
【0029】
データキャリアリストを登録すると、両プレイヤに対してデータキャリア登録を終えたかを判断し(S106)、終えていなければプレイヤ変数にB(2人目プレイヤ)を設定し(S107)、プレイヤBに関してS102からS105の処理を実行する。そして、両プレイヤに対してデータキャリア登録を終えると(S106)、処理を終了する。
【0030】
以上のようにしてゲーム開始前にデータキャリアリストを予め用意しておけば、ゲーム開始後はRFIDリーダライタ16にゲーム用駒18が載置されると、それがプレイヤAの持ち駒かプレイヤBの持ち駒かを速やかに判断できるようになる。すなわち、家庭用ゲーム機10では、ゲーム開始後にRFIDリーダライタ16にゲーム用駒18が載置されると、そこからID情報を読み出す。そして、その読み出したID情報がデータキャリアリストにおいてプレイヤAとプレイヤBのどちらに対応づけられて記憶されているかを調べることにより、そのゲーム用駒18がプレイヤAの持ち駒かプレイヤBの持ち駒かを速やかに判断するようにしている。こうして、ゲームが円滑に進行するようにしている。
【0031】
次に、データキャリアリスト登録処理の後に実行されるメインゲーム処理について説明する。図6は、メインゲーム処理を説明するフロー図である。同図に示すように、この処理では、まずRFIDリーダライタ16により該RFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されているゲーム用駒18A,18BからID情報及びゲームデータを読み出す(S201)。そして、その読み出したID情報及びゲームデータに基づいてアクティブデータキャリア登録テーブルを生成する(S202)。図7は、このアクティブデータキャリア登録テーブルの一例を示す図である。アクティブデータキャリア登録テーブルは、現在RFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されているゲーム用駒18A,18B(RFIDデータキャリア22)のID情報、ゲームデータ、登録抹消禁止フラグを対応づけて記憶するものである。このアクティブデータキャリア登録テーブルにゲームデータが登録されているゲーム用駒18A,18Bが、その時点におけるゲーム処理に影響を与えるようになっている。同テーブルに記憶されるID情報及びゲームデータはRFIDデータキャリア22から読み出されるものであり、登録抹消禁止フラグは、ゲーム用駒18A,18BがRFIDリーダライタ16の通信エリアから下ろされても、例外的にアクティブデータキャリア登録テーブルから該ゲーム用駒18A,18Bに係るレコードを削除しないようにするためのフラグであり、ゲーム処理の内容に従って設定される。
【0032】
S202において、アクティブデータキャリア登録テーブルを生成すると、次にゲーム処理を実行する(S203)。このゲーム処理は、ゲーム画面を更新したり、ゲーム音楽やゲーム効果音の発音スタート或いは停止を指示したりする処理であり、ゲームコントローラ14A,14Bにより入力される操作信号や、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されるID情報及びゲームデータ等に基づき、実行されるものである。DVD48には、ID情報に対応づけてゲームキャラクタ又はゲームアイテム(フィギュア24)の画像データ、音声データ、各種属性データ等が予め記憶されている。そして、家庭用ゲーム機10は、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されるID情報に対応するデータをDVD48から読み出す。こうして、そのDVD48から読み出したデータ、操作信号、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されるゲームデータ等に基づいてゲーム処理を実行するようにしている。なお、ゲーム処理は、内容的には、例えばトレーディングゲームカードゲームに係るもの、ロールプレイングゲームに係るもの、ドライブゲームに係るもの、各種スポーツゲームに係るもの、音楽ゲームに係るもの等、様々なジャンルのものでよい。また、ゲーム処理において、RFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されているゲーム用駒18がどのプレイヤにより置かれたものであるか(どのプレイヤに対応するものであるか)を判断する必要がある場合、ID情報を上記データキャリアリストに照査して判断する。そして、判断結果に基づいてゲーム処理を実行する。
【0033】
例えば、あるゲームアイテムを象ったフィギュア24を備えたゲーム用駒18がRFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されると、そこから読み出されたID情報がデータキャリアリストにおいてどのプレイヤに対応づけられて記憶されているかを調べることにより、そのゲーム用駒18がどのプレイヤにより置かれたものであるかを判断する。そして、家庭用ゲーム機10では、その判断によりゲーム用駒18を置いたとされるプレイヤに、そのゲームアイテムを使用したことの効果を帰属させるようにする。
【0034】
同様に、あるゲームキャラクタを象ったフィギュア24を備えたゲーム用駒18がRFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されると、それがどのプレイヤにより載置されたものであるかを判断し、そのゲーム用駒18を置いたと判断されるプレイヤの味方として、そのゲームキャラクタをゲーム空間(ゲームフィールド)に登場させる。
【0035】
また、例えば家庭用テレビ受像器12の表示画面にプレイヤ毎に使用ゲームアイテムや味方ゲームキャラクタを表示する領域を用意する場合には、ゲームアイテムやゲームキャラクタを象ったフィギュア24を備えたゲーム用駒18がRFIDリーダライタ16の通信エリアに載置されると、そのゲーム用駒18を載置したと判断されるプレイヤに対応する表示領域に、それらゲームアイテムやゲームキャラクタの画像を表示するようにしてもよい。
【0036】
S203のゲーム処理を一旦終えると、次にその内容に基づいてアクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されているゲームデータを更新するとともに(S204)、登録抹消禁止フラグを更新する(S205)。S203では、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されているID情報に対応したゲームキャラクタ又はゲームアイテムに関連するゲーム処理が実行されるようになっており、必要に応じて、それらゲームキャラクタ又はゲームアイテムに係るゲームデータが更新されるようになっている。また、S203のゲーム処理では、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されているID情報に対応したゲームキャラクタ又はゲームアイテムにつき、以降もゲームに登場し続ける必要があるかを判断するようになっている。そして、以降もゲームに登場し続ける必要があるゲームキャラクタ又はゲームアイテムに係る登録抹消禁止フラグに1、すなわち登録抹消を禁止する旨をセットする(S205)。
【0037】
その後、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されているゲームデータの更新内容をRFIDリーダライタ16によってRFIDデータキャリア22にも反映させる(S206)。また、RFIDリーダライタ16によって現在通信エリアに載置されている全てのゲーム用駒18A,18BのID情報を読み出す(S207)。そして、その読み出したID情報の中に、アクティブデータキャリア登録テーブルに未だ記憶されていないID情報があるかを判断する(S208)。そして、未だアクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されていないID情報がある場合には、そのID情報に係るゲーム用駒18A,18Bからゲームデータを読み出し(S209)、そのID情報及びゲームデータの組をアクティブデータキャリア登録テーブルに記憶させる(S210)。一方、S208において、アクティブデータキャリア登録テーブルに未だ記憶されていないID情報がなければ、S209及びS210の処理をスキップする。
【0038】
次に、家庭用ゲーム機10では、アクティブデータキャリア登録テーブルに記憶されているID情報のうち、S207で読み出したID情報の中には存在しないものがあるかを判断する(S211)。そして、そのようなID情報があれば、そのID情報に係るゲーム用駒18A,18Bは既にRFIDリーダライタ16の通信エリアから下ろされたと判断できるため、そのID情報に対応する登録抹消禁止フラグに1がセットされているかを調べる(S212)。そして、登録抹消禁止フラグに1がセットされていなければ、そのID情報に関するレコードを、アクティブデータキャリア登録テーブルから抹消する(S213)。一方、登録抹消禁止フラグに1がセットされていれば、家庭用テレビ受像器12にゲーム用駒18A,18BをRFIDリーダライタ16の通信エリアに再度載置するように促すメッセージを表示する(S214)。そして、以上のS203からS214までの処理をゲーム終了まで繰り返す(S215)。
【0039】
以上説明したゲームシステム11によれば、RFIDリーダライタ16の通信エリアにゲーム用駒18A,18Bが載置されたか、或いは通信エリアから下ろされたかを監視し、アクティブデータキャリア登録テーブルを随時更新するとともに、同アクティブデータキャリア登録テーブルの登録内容に基づいてゲーム処理を展開するようにしたので、ゲームの局面に応じて一又は複数のゲーム用駒18A,18BをRFIDリーダライタ16の通信エリアに配置したり、或いは該通信エリアから外したりしながら、プレイヤがゲームを楽しむことができる。
【0040】
また、ゲーム開始前にRFIDリーダライタ16に各プレイヤが手持ちの全てのゲーム用駒18A,18Bを載置して、そのID情報をデータキャリアリストに登録するようにして、ゲーム開始後は、RFIDリーダライタ16にゲーム用駒18A,18Bが載置されると、そこから読み出されるID情報をデータキャリアリストに照らし、どのプレイヤにより各ゲーム用駒18A,18Bが載置されたかを判断するようにしている。このため、ゲーム開始後は速やかにどのプレイヤにより各ゲーム用駒18A,18Bが載置されたかを判断でき、ゲームを円滑に進行させることができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0042】
例えば、以上の説明では家庭用ゲーム機10にプログラム(ゲームプログラム)をDVD48から供給するようにしたが、メモリカートリッジ、CD−ROM、光磁気ディスク、フロッピーディスク等のあらゆる情報記憶媒体からプログラムを供給するようにしてもよい。また、インターネットやケーブルテレビネットワーク等のデータ通信ネットワークを介して家庭用ゲーム機10にプログラムを供給するようにしてもよい。この場合、プログラム全体を一括して家庭用ゲーム機10に供給するようにしてもよいし、プログラムの一部ずつを必要に応じて供給する、いわゆるストリーム型配信を採用するようにしてもよい。
【0043】
また、以上の説明では、家庭用ゲーム機10が定期的にRFIDリーダライタ16に載置されているRFIDデータキャリア22からID情報を読み出し、これをアクティブデータキャリア登録テーブルの内容と比較することにより、RFIDリーダライタ16に新しいゲーム用駒18A,18Bが載置されたのか、或いはゲーム用駒18A,18BがRFIDリーダライタ16から下ろされたのか、を直接的に監視するようにしたが、RFIDリーダライタ16に内蔵される制御用プロセッサにて新しいデータキャリア22が載置されたのか、或いはゲーム用駒18A,18BがRFIDリーダライタ16から下ろされたのか、を監視するようにして、それを家庭用ゲーム機10に直ちに報告させるようにしてもよい。このように、家庭用ゲーム機10がRFIDリーダライタ16からの報告に基づいて、RFIDリーダライタ16に新しいゲーム用駒18A,18Bが載置されたか、或いはゲーム用駒18A,18BがRFIDリーダライタ16から下ろされたか、を間接的に監視するようにしても、ゲームの局面に応じて一又は複数のゲーム用駒18A,18BをRFIDリーダライタ16の通信エリアに配置したり、或いは該通信エリアから外したりしながら、プレイヤがゲームを楽しむシステムを実現することができる。あるいは、家庭用ゲーム機10の機能をRFIDリーダライタ16に搭載して、家庭用ゲーム機10無しで、ゲームの局面に応じて一又は複数のゲーム用駒18A,18BをRFIDリーダライタ16の通信エリアに配置したり、或いは該通信エリアから外したりしながら、プレイヤがゲームを楽しむシステムを実現するようにしてもよい。
【0044】
また、以上の説明では、家庭用ゲーム機10を用いてゲームシステム11を構成するようにしたが、図8に示すゲームシステム11Aのように、LCD(液晶表示装置)及びゲームコントローラを一体的に備えるとともに、家庭用ゲーム機10と同等機能を有する携帯ゲーム機20A,20Bを、RFIDリーダライタ16に接続するようにしてもよい。こうすれば、家庭外においても、ゲームの局面に応じて一又は複数のゲーム用駒18A,18BをRFIDリーダライタ16の通信エリアに配置したり、或いは該通信エリアから外したりしながら、プレイヤがゲームを楽しむことができるようになる。
【0045】
また、以上の説明ではゲーム用駒18A,18BにRFIDデータキャリア22を備えるようにしたが、RFIDデータキャリア22をカード状に形成してもよい。こうして出来るゲームカードも、ゲーム用駒18A,18Bと同様、上記システムで利用することができる。
【0046】
さらに、以上の説明では、家庭用ゲーム機10からRFIDリーダライタ16を制御するようにしたが、RFIDリーダライタ16にマイクロプロセッサ、メモリ、ディスプレイやLED等の表示手段等を含むコンピュータを内蔵させて、該コンピュータの制御により、プレイヤ毎に手持ちのゲーム用駒18A,18BRFIDリーダライタ16の通信エリアに配置するよう案内し、その案内に応じて配置されるゲーム用駒18A,18Bに備えられたRFIDデータキャリア22からID情報を読み出すとともに、読み出されるID情報を各プレイヤに対応づけてデータキャリアリストに記憶するようにしてもよい。この場合、RFIDリーダライタ16の通信エリアにゲーム中にゲーム用駒18A,18Bが配置されと、同コンピュータの制御により、そこからID情報を読み出し、それをデータキャリアリストに照査することによって、どのプレイヤによってゲーム用駒18A,18BがRFIDリーダライタ16の通信エリアに配置されたかを判断するようにすればよい。そして、この判断結果を、ゲーム用駒18A,18Bから読み出されるID情報やゲームデータにとともに家庭用ゲーム機10に送信すれば、家庭用ゲーム機10でそれをゲーム処理に反映させることができる。
また、以上の説明では、ゲームシステム11,11Aで2人のプレイヤがゲームを楽しむようにしたが、より多くのプレイヤが同システムでゲームを楽しむようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、予め各プレイヤが手持ちのゲーム用駒又はゲームカードを共用RFID通信機の通信エリアに配置しておくことにより、ゲーム中は共用RFID通信機の通信エリアにゲーム用駒又はゲームカードを配置するだけで速やかにそれに対応するプレイヤを判断でき、ゲームの円滑な進行を助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るゲームシステムの外観を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るゲームシステムで用いられるゲーム用駒を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係るゲームシステムの構成を示す図である。
【図4】 データキャリア登録処理を説明するフロー図である。
【図5】 データキャリアリストの一例を示す図である。
【図6】 メインゲーム処理を説明するフロー図である。
【図7】 アクティブデータキャリア登録テーブルの一例を示す図である。
【図8】 本発明の他の実施の形態に係るゲームシステムの外観を示す図である。
【符号の説明】
10 家庭用ゲーム機、11,11A ゲームシステム、12 家庭用テレビ受像器、14A,14B ゲームコントローラ、16 RFIDリーダライタ(共用RFID通信機)、18A,18B ゲーム用駒、20A,20B 携帯ゲーム機、22 RFIDデータキャリア、24 フィギア、30 マイクロプロセッサ、32 画像処理部、34 モニタ、36 バス、38 RAM、40 ROM、42 入出力制御部、44 スピーカ、45 音声処理部、46 DVD再生部、48 DVD。
Claims (1)
- 共用RFID通信機を備えるゲームシステムにおいて、
ゲーム開始前に、プレイヤ毎に所定メッセージを表示する手段と、
各プレイヤについて前記所定メッセージを表示した後、コントローラにおいて完了操作が行われるまで、前記共用RFID通信機によりゲーム用駒又はゲームカードに備えられたRFIDデータキャリアからID情報を読み出す第1の読み出し手段と、
該第1の読み出し手段により読み出されるID情報を各プレイヤに対応づけて記憶する記憶手段と、
前記共用RFID通信機によりゲーム中にゲーム用駒又はゲームカードに備えられたRFIDデータキャリアからID情報を読み出す第2の読み出し手段と、
該第2の読み出し手段により読み出されるID情報と前記記憶手段に記憶された内容とに基づいて、前記第2の読み出し手段によりID情報が読み出された各ゲーム用駒又はゲームカードに対応するプレイヤを判断する手段と、
前記判断する手段による判断結果に基づいてゲーム処理を実行する手段と、
を含むことを特徴とするゲームシステム。
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