JP3659237B2 - 燃料電池システムの燃料循環制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に適用される燃料電池システムの燃料循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素を含んだ燃料ガスを燃料極に供給し、酸素を含んだ空気を空気極に供給することにより、水素と酸素を電気化学的に反応させて直接発電するものであり、小規模でも高い発電効率が得られると共に、環境性に優れている。
【0003】
また、近年、電解質として固体高分子イオン交換膜を使用することで、小型高出力化が可能であり、酸水溶液が不要な固体高分子型燃料電池が水素ガスを用いた燃料電池の方式として注目されている。
【0004】
燃料電池において、固体高分子膜を挟んで対向する燃料極と空気極には、水素を含む燃料ガスと酸素を含む空気がそれぞれ供給される。この燃料電池における原燃料ガスの消費量を低減し、並びに水素ガスの利用率を低めて出力特性を改善することを狙いとして、燃料電池の燃料極からの排出ガスを再循環して、外部から新たに供給される水素の濃い燃料ガスと混合させ、燃料電池の燃料極へと供給する再循環方式のものが多く考案されている。
【0005】
燃料電池の発電効率は、再循環させる排出燃料ガス量と、新たに外部から供給される燃料ガス量を、ある一定の比率以上に保つことで向上することが知られている。二つの流れを混合させる循環装置として、供給燃料ガスの流速による負圧と引きずり込みを利用するエゼクタが用いられる。
【0006】
燃料電池システムにおける燃料ガスの循環装置としては、特開2001−266922号公報の[図6]に記載されたように、低負荷用と高負荷用のエゼクタを2つ配置し、各エゼクタの切換えのために、駆動流の分岐路に3方弁を設置した燃料循環装置がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料循環装置においては、各エゼクタの出口路は直接合流しているだけなので、使用していないエゼクタの出口へ流体が逆流して燃料供給の効率が低下するという問題点があった。
【0008】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、複数エゼクタを備えた燃料循環制御装置において、エゼクタ出口に開閉弁を設けることなく、使用していないエゼクタの出口へ燃料ガスが逆流することを防止し、高い燃料供給効率を維持できる燃料電池システムの燃料循環制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明は、上記目的を達成するため、燃料電池から排出された排ガスを供給側へ循環させる燃料電池システムの燃料循環制御装置において、燃料電池に燃料ガスを供給する流路を分岐点から複数の流路に分岐して、分岐された流路の燃料ガスを駆動流として、燃料電池から排出された排ガスを供給側へ循環させるエゼクタを並列に複数有し、前記分岐点よりも上流に圧力調整弁が設置され、前記複数のエゼクタと前記分岐点との間には、開度最小状態でも全閉とはならないバルブを前記エゼクタ毎に配置したことを要旨とする。
【0011】
請求項記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の燃料電池システムの燃料循環制御装置において、前記複数のエゼクタは、ノズルとディフューザとを複数有し一体に形成された一体型エゼクタであることを要旨とする。
【0012】
請求項記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムの燃料循環制御装置において、前記複数のエゼクタが異なる径のノズルを有し、低負荷時においては、前記複数のエゼクタのノズルへ分配する燃料ガス流量を最小径のノズルへ最も多く分配することを要旨とする。
【0013】
請求項記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システムの燃料循環制御装置において、燃料ガス供給源と前記圧力調整弁との間にシャット弁を設けたことを要旨とする。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池の発電時には、複数並列に配置した全てのエゼクタに燃料ガスを供給するので、エゼクタ出口から燃料ガスが逆流することが無くなり、低負荷から高負荷まで全ての負荷領域で高い燃料供給効率を維持することができるという効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る燃料循環制御装置を適用した燃料電池システムの第1実施形態の構成を説明する要部構成図である。図1には、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料系統について示し、酸化剤ガスを供給する酸化剤系統や冷却系統などについては説明を省略する。
【0017】
図1において、燃料電池システムは、燃料ガスとしての水素ガスを高圧で貯蔵する水素ボンベ1と、水素ボンベ1から供給される高圧水素ガスを分岐してそれぞれ圧力調整する圧力調整弁2、3と、水素ガスと図示しない酸化剤系統から空気が供給されて発電する燃料電池スタック4と、圧力調整弁2で圧力調整された水素ガスと燃料電池スタック4から排出された排燃料ガスとを混合して燃料電池スタック4へ供給するエゼクタ5と、圧力調整弁3で圧力調整された水素ガスと燃料電池スタック4から排出された排燃料ガスとを混合して燃料電池スタック4へ供給するエゼクタ6と、燃料電池の出力を検出する出力検出装置8と、圧力調整弁2及び3を制御する圧力調整弁制御装置9と、燃料電池スタック4からの排燃料ガスを外部へ放出するパージ弁10と、燃料電池システム全体を制御する燃料電池制御装置11と、燃料電池スタック4の燃料ガス入口の圧力を検出する圧力センサ13とを備えている。
【0018】
エゼクタ5,6は、燃料電池スタック4に燃料ガスを供給する流路を分岐点から複数の流路に分岐して、分岐された流路の燃料ガスを駆動流として、燃料電池スタック4から排出された排ガスを供給側へ循環させるエゼクタであり、並列に2つ配置されている。
【0019】
各エゼクタ5,6の上流には、それぞれ圧力調整弁2,3が設置され、燃料電池スタック4の発電時には、全てのエゼクタ5,6に燃料ガスを供給するように圧力調整弁制御装置9が圧力調整弁2,3を制御するものである。
【0020】
また、エゼクタ5,6は、互いに異なる径のノズルを有し、エゼクタ5は低負荷用のエゼクタで、相対的にノズル径が小さく設定され、エゼクタ6は高負荷用のエゼクタで、相対的にノズル径が大きく設定されている。そして、圧力調整弁制御装置9は、燃料電池の低負荷時においては、燃料電池スタック4への供給ガス流量を最小径のノズルを有するエゼクタ5へ最も多く分配するように圧力調整弁2,3を制御する。
【0021】
次に上記構成による燃料電池システムの燃料循環制御装置の作用を説明する。車両が起動、或いは燃料電池が起動されると、燃料電池制御装置11により、車両の負荷に応じて燃料電池の出力が決定される。
【0022】
図2は、燃料電池出力と圧力調整弁2,3の圧力制御の様子を示す図である。圧力調整弁2は、アイドル時は、アイドル出力に必要な燃料ガスを供給する開度に設定される。出力が切換点以下の範囲においては、出力が上昇すると圧力調整弁2の下流圧が上昇するように開度を増加させる。バルブの切換点以上の出力においては、全開を維持する。
【0023】
これに対して圧力調整弁3は、アイドルからバルブの切換点の出力までは、アイドルに必要な燃料ガスが供給できる開度が維持される。バルブ切換点より出力が大きい範囲においては、出力が上昇すると圧力調整弁3の下流圧が上昇するように開度を増加させる。
【0024】
ここでアイドル時の各圧力調整弁2,3の開度は、圧力調整弁2と圧力調整弁3の開口面積の合計がアイドル時の燃料ガス流量を流すために必要な開度となるように設定されている。
【0025】
図3は、第1実施形態の燃料循環制御を説明するフローチャートである。燃料電池システムが起動すると、圧力調整弁2と圧力調整弁3とは、ともにアイドル開度に設定されて燃料電池システムの暖機が行われる。暖機が完了すると、まずステップS10において、車両負荷から決定される燃料電池の要求出力が図2の切換点の出力より小さいかどうか判定する。
【0026】
要求出力が小さい場合、S12へ移り、圧力調整弁3はアイドル開度を維持して、S14へ進む。S14では、要求出力から図2のマップを参照して、燃料電池入口圧の指令値を算出する。次いでS16で、この燃料電池入口圧の指令値が圧力センサ13の検出値より大きいか否かを判定する。
【0027】
S16の判定で、指令値の方が大きい場合は、S18へ移り、圧力調整弁2の開度を増加させてリターンする。S16の判定で、指令値が検出値以下の場合はS20へ移り、圧力調整弁2の開度を減少させてリターンする。即ち、要求出力が切換点未満であるときには、圧力調整弁3をアイドル開度とし、燃料電池入口の燃料ガス圧力の指令値と検出値との差が小さくなるように圧力調整弁2の開度を制御する。
【0028】
S10の判定で、燃料電池の要求出力が切換点以上の場合、S22へ移り、圧力調整弁2を全開とする。次いでS24で要求出力から図2のマップを参照して、燃料電池入口圧の指令値を算出する。次いでS26で、この燃料電池入口圧の指令値が圧力センサ13の検出値より大きいか否かを判定する。
【0029】
S26の判定で、指令値の方が大きい場合は、S28へ移り、圧力調整弁3の開度を増加させてリターンする。S26の判定で、指令値が検出値以下の場合はS30へ移り、圧力調整弁3の開度を減少させてリターンする。即ち、要求出力が切換点以上であるときには、圧力調整弁2を最大開度とし、燃料電池入口の燃料ガス圧力の指令値と検出値との差が小さくなるように圧力調整弁3の開度を制御する。
【0030】
以上説明したように本実施形態によれば、燃料電池が発電している状態にある時、エゼクタ5、エゼクタ6の各ノズルからは燃料ガスが流れており、各エゼクタ出口から合流部までの間に開閉バルブが設置されない構成においても、エゼクタ出口路に燃料ガスが逆流することがなくなり、低負荷から高負荷まで全ての負荷領域で高い燃料供給効率を維持することができる。
【0031】
図9は、第1比較例の燃料循環装置の構成を示す構成図である。第1比較例は、2つのエゼクタ5,6と、各エゼクタ5,6の上流にそれぞれ配置した圧力調整弁2,3と、各エゼクタ5,6の出口にそれぞれ配置した開閉弁21,22を備えた燃料循環装置である。そして、負荷状況によりどちらか一方のエゼクタを使用する制御方法を用い、使用していないエゼクタ側の開閉弁21または開閉弁22を閉じることにより、エゼクタ出口への逆流を防止するものである。
【0032】
図10は、第2比較例の燃料循環装置の構成を示す構成図である。第2比較例は、分岐点の上流に圧力調整弁2を1つ配置し、分岐点の下流に2つのエゼクタ5,6を備えている。そしてエゼクタ5の入口と出口には、それぞれ開閉弁21,23,エゼクタ6の入口と出口には、それぞれ開閉弁22,24を備えている。これらの開閉弁21〜24の切り替えにより、どちらか一方のエゼクタを使用するように切換える制御方法を用い、使用していないエゼクタの出口への逆流を防止するものである。
【0033】
上記第1、第2比較例の場合には、圧力調整弁も含めると4〜5の弁が必要となり、システムの容積が増大したり、配管のレイアウト等が制限されてしまう。本実施形態においては、燃料電池作動時には、複数のエゼクタに常に燃料ガスが供給されるようにして、エゼクタを未使用とした場合の逆流を防止するためのバルブの設置を不要にし、システム容積の低減、レイアウト自由度の増大を実現できる。
【0034】
[第2実施形態]
図4は、本発明に係る燃料循環制御装置を適用した燃料電池システムの第2実施形態の構成を説明する要部構成図である。図4には、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料系統について示し、酸化剤ガスを供給する酸化剤系統や冷却系統などについては説明を省略する。
【0035】
第2実施形態は、第1実施形態においてエゼクタが2つ設置されていたものを、一体型のエゼクタ12とし、循環路を共通とした燃料電池システムの燃料循環制御装置である。
【0036】
エゼクタ12は、相対的に小径のノズル12aと、ノズル12aに対応するディフューザ12cと、相対的に大径のノズル12bと、ノズル12bに対応するディフューザ12dとからなる2組のノズル及びディフューザを備えた一体型エゼクタである。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付与して、重複する説明を省略する。
また、2つの圧力調整弁2,3の制御方法は、第1実施形態と同等であるので、説明は省略する。
【0037】
[第3実施形態]
図5は、本発明に係る燃料循環制御装置を適用した燃料電池システムの第3実施形態の構成を説明する要部構成図である。図5には、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料系統について示し、酸化剤ガスを供給する酸化剤系統や冷却系統などについては説明を省略する。
【0038】
第3実施形態は、第2実施形態に対して圧力調整弁2,3の上流に開閉弁7(シャット弁)を追加して設置している。その他の構成は、第2実施形態と同様である。燃料電池が起動して開閉弁7が開いた後の制御に関しては、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0039】
第1実施形態並びに、第2実施形態での圧力調整弁2,3では、燃料ガスを全く流さない状態(全閉)から最大流量の燃料ガスを流せる開度にまで変えられる必要があったが、第3実施形態では圧力調整弁2,3の上流に設けた開閉弁7を全閉にすることにより、燃料ガスを完全に止めることが可能である。このため、各圧力調整弁2,3は、アイドル開度から最大流量までの開度を調整できれば良い。
【0040】
これにより第3実施形態では、第1実施形態並びに、第2実施形態での圧力調整弁よりも必要な圧力調整範囲が狭いので、圧力制御精度を向上させることが出来る。
【0041】
尚、以上の実施形態においては、並列配置したエゼクタの数を2としたが、本発明はこれに限定されず、3以上のエゼクタを並列配置した構成においても圧力調整弁の数をエゼクタの数に合わせて増加させることにより、実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
[第4実施形態]
図6は、本発明に係る燃料循環制御装置を適用した燃料電池システムの第4実施形態の構成を説明する要部構成図である。図6には、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料系統について示し、酸化剤ガスを供給する酸化剤系統や冷却系統などについては説明を省略する。
【0043】
第4実施形態は、分岐点の上流に圧力調整弁2を1つ設置し、各分岐路に開閉弁21,22をそれぞれ設置し、その下流に各エゼクタ5,6を設置している。分岐路の2つの開閉弁21,22は、どちらも全閉の状態でも完全に閉じることは無く、2つのエゼクタ5,6に流れる燃料ガスがアイドル流量となる開度に設定されている。
【0044】
第1実施形態並びに、第2実施形態では開閉弁に比べて高価な圧力調整弁を2つ用いているが、第4実施形態では圧力調整弁はひとつでよいのでコスト面で有利になる。
【0045】
[第5実施形態]
図7は、本発明に係る燃料循環制御装置を適用した燃料電池システムの第4実施形態の構成を説明する要部構成図である。図7には、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料系統について示し、酸化剤ガスを供給する酸化剤系統や冷却系統などについては説明を省略する。
【0046】
図7において、燃料電池システムは、燃料ガスとしての水素ガスを高圧で貯蔵する水素ボンベ1と、水素ボンベ1から供給される高圧水素ガスを開閉する開閉弁7と、開閉弁7の下流で分岐してエゼクタ5へ供給する水素ガスの圧力を調整する圧力調整弁2と、開閉弁7の下流で分岐してエゼクタ6へ供給する水素ガスの圧力及び流量制限するオリフィス15と、水素ガスと図示しない酸化剤系統から空気が供給されて発電する燃料電池スタック4と、圧力調整弁2で圧力調整された水素ガスと燃料電池スタック4から排出された排燃料ガスとを混合して燃料電池スタック4へ供給するエゼクタ5と、オリフィス15で圧力流量が調整された水素ガスと燃料電池スタック4から排出された排燃料ガスとを混合して燃料電池スタック4へ供給するエゼクタ6と、燃料電池の出力を検出する出力検出装置8と、開閉弁7及び圧力調整弁2を制御する圧力調整弁制御装置9と、燃料電池スタック4からの排燃料ガスを外部へ放出するパージ弁10と、燃料電池システム全体を制御する燃料電池制御装置11と、燃料電池スタック4の燃料ガス入口の圧力を検出する圧力センサ13とを備えている。
【0047】
エゼクタ5,6は、燃料電池スタック4に燃料ガスを供給する流路を分岐点から複数の流路に分岐して、分岐された流路の燃料ガスを駆動流として、燃料電池スタック4から排出された排ガスを供給側へ循環させるエゼクタであり、並列に2つ配置されている。
【0048】
エゼクタ5の上流には圧力調整弁2が設置され、エゼクタ6の上流にはオリフィス15が設置され、分岐点の上流には開閉弁7が設けられている。
【0049】
また、エゼクタ5,6は、特に限定されないが本実施形態では、互いに異なる径のノズルを有し、エゼクタ5は高負荷用のエゼクタで、相対的にノズル径が大きく設定され、高流量の燃料ガスを流すことが可能である。エゼクタ6は低負荷用のエゼクタで、相対的にノズル径が小さく設定され、アイドル近傍のみ使用される。
【0050】
圧力調整弁2は、完全に閉じることは無く、アイドル状態では2つのエゼクタ5,6を流れる燃料ガスの合計が、アイドル発電に必要な流量となるように最小開口面積が設定されている。
【0051】
エゼクタ5,6と燃料電池スタック4との間には、圧力を検出するための圧力センサ13と、この圧力センサ13からの圧力値が燃料電池の出力から決定される目標圧力になるように、圧力調整弁2の開度を制御する圧力調整弁制御装置9が設置され、燃料電池スタック4には、その出力を検出する出力検出装置8が設置されている。そして、車両の負荷に応じて、燃料電池スタック4の出力要求、圧力調整弁2の開度指令などを決定する燃料電池制御装置11が設置されている。
【0052】
次に上記構成による燃料電池システムの燃料循環制御装置の作用を説明する。車両が起動、或いは燃料電池が起動されると、車両の負荷に応じて燃料電池の出力が決定される。
【0053】
燃料電池出力と各エゼクタ上流圧の圧力制御を図8に示す。エゼクタ6の上流には、圧力調整弁2の上流圧をオリフィス15により圧力低下した圧力がかかり、所定の燃料ガスが流れる。この所定流量は、固定値である。エゼクタ5には、圧力調整弁2により、アイドル出力に必要な燃料ガスを供給する開度に設定される。
【0054】
ここでアイドル時の圧力調整弁2の開度は、エゼクタ5,6の燃料ガスの合計流量が、アイドル時に必要な流量となる開度となるように設定されている。燃料電池スタック4の出力の増加に対して、圧力調整弁2の開度も増加するように制御される。
【0055】
以上のように、燃料電池が発電している状態にある時、エゼクタ5、エゼクタ6の各ノズルからは燃料ガスが流れており、各エゼクタ出口から合流部までの間に開閉バルブが設置されていない状態においても、エゼクタ出口路に燃料ガスが逆流することが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの燃料循環制御装置の第1実施形態を説明する構成図である。
【図2】第1実施形態における燃料電池出力に対する各圧力調整弁の圧力制御を示す図である。
【図3】第1実施形態における燃料循環制御のフローチャートである。
【図4】本発明に係る燃料電池システムの燃料循環制御装置の第2実施形態を説明する構成図である。
【図5】本発明に係る燃料電池システムの燃料循環制御装置の第3実施形態を説明する構成図である。
【図6】本発明に係る燃料電池システムの燃料循環制御装置の第4実施形態を説明する構成図である。
【図7】本発明に係る燃料電池システムの燃料循環制御装置の第5実施形態を説明する構成図である。
【図8】第5実施形態における燃料電池出力に対する圧力制御を示す図である。
【図9】第1比較例の構成を示す図である。
【図10】第2比較例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…水素ボンベ
2…圧力調整弁
3…圧力調整弁
4…燃料電池スタック
5…エゼクタ(低負荷用)
6…エゼクタ(高負荷用)
8…燃料電池の出力検出装置
9…圧力調整弁制御装置
10…パージ弁
11…燃料電池制御装置
12…エゼクタ(一体型エゼクタ)
13…圧力センサ

Claims (4)

  1. 燃料電池から排出された排ガスを供給側へ循環させる燃料電池システムの燃料循環制御装置において、
    燃料電池に燃料ガスを供給する流路を分岐点から複数の流路に分岐して、
    分岐された流路の燃料ガスを駆動流として、燃料電池から排出された排ガスを供給側へ循環させるエゼクタを並列に複数有し、
    前記分岐点よりも上流に圧力調整弁が設置され、
    前記複数のエゼクタと前記分岐点との間には、開度最小状態でも全閉とはならないバルブを前記エゼクタ毎に配置したことを特徴とする燃料電池システムの燃料循環制御装置。
  2. 前記複数のエゼクタは、ノズルとディフューザとを複数有し一体に形成された一体型エゼクタであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの燃料循環制御装置。
  3. 前記複数のエゼクタが異なる径のノズルを有し、低負荷時においては、前記複数のエゼクタのノズルへ分配する燃料ガス流量を最小径のノズルへ最も多く分配することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムの燃料循環制御装置。
  4. 燃料ガス供給源と前記圧力調整弁との間にシャット弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システムの燃料循環制御装置。
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