JP2009004160A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アノードガスとカソードガスを供給し発電をする燃料電池と、燃料電池に供給されたカソードガスを該燃料電池外に排出するカソードオフガス流路に設置された背圧弁と、背圧弁の弁開度を制御することにより燃料電池内部のカソードガス圧力を調整する圧力制御部と、燃料電池で発電した電力を消費する負荷と、を有する燃料電池システムにおいて、前記負荷が燃料電池に要求する要求出力を検出する要求出力検出部と、前記要求出力検出部により検出された要求出力に応じて背圧弁の最小弁開度を設定する最小弁開度設定部と、をさらに有し、前記圧力制御部は最小弁開度設定部により設定された最小弁開度以下にならないように背圧弁の弁開度を制御する。
【選択図】図2
Description
請求項1に係る発明は、アノードガスとカソードガスを供給し発電をする燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池1)と、前記燃料電池に供給されたカソードガスを該燃料電池外に排出するカソードオフガス流路(例えば、後述する実施例におけるカソードオフガス流路13)に設置された背圧弁(例えば、後述する実施例における背圧弁15)と、前記背圧弁の弁開度を制御することにより燃料電池内部のカソードガス圧力を調整する圧力制御部(例えば、後述する実施例におけるECU70)と、前記燃料電池で発電した電力を消費する負荷(例えば、後述する実施例における走行用モータ43)と、を有する燃料電池システムにおいて、前記負荷が前記燃料電池に要求する要求出力を検出する要求出力検出部(例えば、後述する実施例におけるステップS101)と、前記要求出力検出部により検出された要求出力に応じて前記背圧弁の最小弁開度を設定する最小弁開度設定部(例えば、後述する実施例におけるステップS104)と、をさらに有し、前記圧力制御部は前記最小弁開度設定部により設定された最小弁開度以下にならないように前記背圧弁の弁開度を制御することを特徴とする。
このように構成することにより、負荷の要求出力に応じて背圧弁の最小弁開度が設定されるので、高出力要求によりカソードガス圧力を上昇させるときにも背圧弁が全閉にならないようにすることができ、燃料電池内部でのカソードガスの流れを確保することができる。
このように構成することにより、負荷の要求出力が大きくなり、カソードガスの供給圧力および供給流量の要求が増大しても、負荷の要求出力に応じたカソードガス流量を確保することができる。
このように構成することにより、背圧弁の弁開度をフィードバック制御した場合にも背圧弁の弁開度が最小弁開度以下にならないようにすることができる。
このように構成することにより、フィードバック制御による背圧弁に対する開度指令値が最小弁開度以下になっている間は積分項をキャンセルすることができる。
請求項2に係る発明によれば、負荷の要求出力が大きくなっても、負荷の要求出力に応じたカソードガス流量を確保することができる。
請求項3に係る発明によれば、背圧弁の弁開度をフィードバック制御した場合にも背圧弁の弁開度が最小弁開度以下にならないようにすることができるので、発電性能の低下を防止し、所定の発電性能を確保しつつフィードバック制御による背圧弁の弁開度制御を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、フィードバック制御による背圧弁に対する開度指令値が最小弁開度以下になっている間は積分項をキャンセルすることができるので、この積分項キャンセル期間が終了したとき、すなわち開度指令値が前記最小弁開度を超えたときに、積分項のフィードバック制御によるオーバーシュートを防止することができ、応答性を向上することができる。
燃料電池1は、反応ガスを化学反応させて電力を得るタイプのもので、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体の両側にアノードガス流路3とカソードガス流路5を備えてなるセルを複数積層して構成されており、アノードガス流路3にアノードガスとして水素ガスを供給し、カソードガス流路5にカソードガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。カソード側で生じた生成水の一部は固体高分子電解質膜を透過してアノード側に逆拡散するため、アノード側にも生成水が存在する。なお、図1では、単一のセルのアノードガス流路3とカソードガス流路5を代表して示している。
燃料電池1は、出力電圧と出力電流を検出する電圧計47と電流計49を備え、これらは検出値に応じた出力信号をECU70へ出力する。
さらに、ECU70には、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ35から踏み込み量に応じた出力信号が入力される。
例えば、ECU70は、アクセルペダルセンサ35により検出されたアクセルペダルの踏み込み量に基づいて走行用モータ43の要求出力を算出し、走行用モータ43の要求出力に応じて燃料電池1の要求出力を算出し、さらに燃料電池1の要求出力に応じて燃料電池1内部の目標カソードガス圧力を算出し、圧力センサ37により検出されるカソードオフガス圧力が目標カソードガス圧力となるように、背圧弁15の開度を比例項(P項)、積分項(I項)、微分項(D項)を含むPIDフィードバック制御を行う。
また、ECU70は、燃料電池1を循環するアノードガス中の不純物(水分や窒素等)の濃度が高くなるのを抑制するため、定期的に排出弁31を開いてアノードオフガスを排出する制御を行う。
さらに、ECU70は、走行用モータ43の要求出力に応じてPDU41を制御するとともに、燃料電池1と蓄電装置45の電力分配を制御する。
そこで、この実施例の燃料電池システムでは、燃料電池1に対する要求出力に応じて背圧弁15の最小弁開度を設定し、背圧弁15の弁開度が最小弁開度以下にならないように制御することによって、燃料電池1内でのカソードガスの流れを常に確保し、燃料電池1の高出力運転時にも発電性能が低下しないようにするとともに、燃料電池1の固体高分子電解質膜の劣化を防止するようにしている。
図2のフローチャートに示す背圧弁開度制御ルーチンは、ECU70によって一定時間毎に繰り返し実行される。
初めに、ステップS101において、アクセルペダルセンサ35により検出されたアクセルペダルの踏み込み量に基づいて走行用モータ43に要求される出力(すなわち走行用モータ43の要求出力)を算出し、さらに、走行用モータ43の要求出力に応じた燃料電池1の要求出力を算出する。換言すると、燃料電池1の負荷である走行用モータ43が燃料電池1に要求する要求出力を算出(検出)する。
次に、ステップS103に進み、圧力センサ37により検出されるカソードオフガス圧力がステップS102で算出した目標カソードガス圧力となるようにPIDフィードバック制御を行うときの背圧弁15の弁開度(すなわち、開度指令値)A1を算出する。
ステップS105における判定結果が「NO」(A1≧A2)である場合には、ステップS106に進み、背圧弁15の弁開度をステップS103で算出した弁開度A1とし、本ルーチンの実行を一旦終了する。すなわち、この場合には、PIDフィードバック制御による弁開度A1が、燃料電池1の要求出力に応じた最小弁開度A2を下回っていないので、背圧弁15の開度をPIDフィードバック制御による弁開度A1を背圧弁15の弁開度として採用する。
すなわち、この場合には、背圧弁15の弁開度としてPIDフィードバック制御による弁開度A1を採用すると、燃料電池1の要求出力に応じた最小弁開度A2を下回ってしまうので、最小弁開度A2以下にならないようにするために、背圧弁15の弁開度としては最小弁開度A2を採用する。
この図において、FC電圧は電圧計47により検出される燃料電池1の出力電圧であり、FC電流は電流計49により検出される燃料電池1の出力電流である。また、目標CG圧力は燃料電池1内の目標カソードガス圧力であり、実COG圧力は圧力センサ37により検出されるカソードオフガス圧力である。
そして、PIDフィードバック制御による弁開度A1が最小弁開度A2以下になると、背圧弁15の弁開度は最小弁開度A2とされ、その後、PIDフィードバック制御による弁開度A1が再び最小弁開度A2を超えるまでの間(すなわちI項キャンセル期間)、背圧弁15の弁開度は最小弁開度A2にされる。ただし、このI項キャンセル期間中の最小弁開度A2は燃料電池1の要求出力の変化に応じて変更される。
そして、PIDフィードバック制御による弁開度A1が最小弁開度A2を超えると、背圧弁15の弁開度は再びPIDフィードバック制御による弁開度A1とされる。
このように背圧弁15の弁開度を制御すると、燃料電池1の要求出力が増大した直後における燃料電池1の出力電圧(FC電圧)の低下が従来よりも小さくなることが、図4に示されるFC電圧の推移から明らかである。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、燃料電池1で発電した電力を消費する負荷を走行用モータ43としたが、これはあくまでも一例であって、負荷はこれに限るものではない。例えば、コンプレッサ7やその他の補機も燃料電池1の負荷とすることができる。このように負荷が複数ある場合には、負荷が燃料電池1に要求する要求出力は、個々の負荷が燃料電池1に要求する要求出力の総計とすることができる。
13 カソードオフガス流路
15 背圧弁
37 圧力センサ(カソードガス圧力検出部)
43 走行用モータ(負荷)
70 ECU(圧力制御部)
Claims (4)
- アノードガスとカソードガスを供給し発電をする燃料電池と、
前記燃料電池に供給されたカソードガスを該燃料電池外に排出するカソードオフガス流路に設置された背圧弁と、
前記背圧弁の弁開度を制御することにより燃料電池内部のカソードガス圧力を調整する圧力制御部と、
前記燃料電池で発電した電力を消費する負荷と、
を有する燃料電池システムにおいて、
前記負荷が前記燃料電池に要求する要求出力を検出する要求出力検出部と、
前記要求出力検出部により検出された要求出力に応じて前記背圧弁の最小弁開度を設定する最小弁開度設定部と、
をさらに有し、前記圧力制御部は前記最小弁開度設定部により設定された最小弁開度以下にならないように前記背圧弁の弁開度を制御することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記最小弁開度設定部は、前記負荷の要求出力が大きくなるにしたがって最小弁開度も大きくなるように設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池内部のカソードガス圧力を検出するカソードガス圧力検出部と、
前記要求出力検出部により検出された要求出力に応じて目標カソードガス圧力を算出する目標圧力算出部と、
をさらに有し、
前記圧力制御部は、前記圧力検出部により検出されたカソードガス圧力が前記目標圧力算出部により算出された目標カソードガス圧力となるように前記背圧弁の弁開度をフィードバック制御し、このフィードバック制御による背圧弁に対する開度指令値が前記最小弁開度設定部により設定された最小弁開度以下になる場合は、背圧弁の弁開度が前記最小弁開度以下にならないように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記フィードバック制御は積分項を含み、フィードバック制御による背圧弁に対する開度指令値が前記最小弁開度設定部により設定された最小弁開度以下になる場合は、前記開度指令値が前記最小弁開度を超えるまで、前記積分項をキャンセルすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
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