JP3659072B2 - スタジアム用天然芝の育成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然芝をムラ無く均一に育成するための育成方法に関し、とりわけ観客席等の付随構築物が設けられたスタジアム用天然芝の育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サッカー,ラグビーおよびテニス等の競技ではそのグラウンドに芝生が用いられる。近年ではそのグラウンドの維持・管理が容易となるため人工芝を敷設する場合が見受けられるが、競技上の必要性や安全性、また使用時の感触などを考慮すると、やはり天然の芝生が優れており、観客を動員する競技用のスタジアムの多くに天然芝が用いられている。
【0003】
ところが、天然芝は激しい運動によって傷みやすく、それを育成するための管理が難しく、また、スタジアムでは観客が観戦するためのスタンドが付随しており、このスタンドや屋根部分による陰が生ずる部分で芝の生育に悪影響を与えてしまう。例えば、サッカースタジアムではそれぞれのゴールが南北方向に対向するようにグラウンドが配置され、そして、多くは西側にメインスタンド、東側にサブスタンドが設置される。
【0004】
このため、地面が冷え切っている午前中ではグラウンドの東側がサブスタンドで陰になる一方、地面が暖められた状態にある午後ではグラウンドの西側がメインスタンドで陰になる。従って、グラウンドの東側と西側とは同じように陰部分が生じるが、それぞれの部分の日積算日射量が同じとした場合にも、東側と西側の地温差が大きくなるため、それぞれの陰部分の芝生に生育ムラ(不揃い)が生ずる。勿論、スタンドによる陰が生じない中央部分は、芝生の生育が最も促進される部分となる。このように、グラウンドは東側と西側と中央部とで芝生の生育ムラが発生し、観客が競技を観戦する際にグラウンドの芝面の外観が悪く、また、芝生の生育状態でボールのバウンドや転がりに差が生じたり、さらにはスポーツターフとしての剛健さを提供できなかったりする。
【0005】
そこで、光環境を改善するために、陰となるスタンドに大きな開口部を設けたり、屋根に透光性材料を用いたり、また、大掛かりな反射板を設けたり、補光装置を設けたりすることが考えられるが、この場合は著しく経費が嵩むとともに、その効果も十分に得られる確証が無い。
【0006】
そこで、従来では例えば特開平10−313676号公報に開示されるように、芝生の育成ムラを無くすための育成方法が提案されている。この育成方法は地温を制御することで天然芝の生育をコントロールするようにしたもので、土類中に熱媒体を流通させる管材を配置し、熱媒体の流通時間,流通量および温度等によって芝生の根圏部分の地温を良好に維持するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の芝生の育成方法では、管材を流通する熱媒体によって地温を制御するようになっており、つまりは熱媒体と管材との間で熱交換された後、この管材に生ずる熱を土類中に伝達するようになっており、上記熱媒体はあくまでも管材に温熱を伝達するものとなっている。ところが、天然芝は温度のみならず水分や養分も必要であり、上記管材とは別に給水管を配設する必要がある。このため、天然芝の育成床には温度制御系と給水制御系との両方をそれぞれ独立した装置として設ける必要があり、必然的に全体装置が大掛かりとなって配管作業の複雑化や育成床の施工工事が長期化され、グラウンドの造成経費が大幅に嵩んでしまう。
【0008】
また、このように熱媒体を用いた場合は、土中の熱伝達率が大きく影響して管材から離れるに従って伝達熱量が徐々に低下されるため、管材に近い部分では必要以上に温度上昇して、芝生の根が窒息したり病原菌が繁殖しやすくなる等の弊害が生ずるという課題があった。
【0009】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたもので、天然芝への給水自体を温度制御することにより、温度制御系と給水制御系とを兼用させて装置の簡略化を図るとともに、温度制御した給水が土中に浸潤することにより部分部分の温度差を減少して全体の地温をムラなく均等化させ、天然芝を植生面全体で均一に育成することができるようにしたスタジアム用天然芝の育成方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスタジアム用天然芝の育成方法は、天然芝が植生されたスタジアムの該天然芝の植生面下の土中に遮水層を介して土中槽を区画形成し、該土中槽に、給水を拡散させるための複数の孔を有する給水系を埋設し、該給水系下方に、前記土中槽から外方へ延出させて、土中槽内を重力の作用で流下する重力水を回収する排水系を埋設し、更に、前記給水系に、該給水系に給水するための給水温度の設定が可能な給水貯槽を接続して給水循環システムを構成し、前記天然芝の植生面の日照部分の土中温度を検出し、この検出した土中温度に基づいて前記給水貯槽の給水温度を制御し、この温度制御した給水を前記給水系を介して天然芝の植生面下の土中層の全体に拡散させ、天然芝の育成水及び天然芝の根圏部分の地温の制御用として利用することを特徴とする。
【0011】
この育成方法では、温度制御した天然芝への給水は天然芝の植生面全体に供給されるため、この温度制御した給水は植生面下の土中を浸潤して芝生の育成水として利用されるとともに、芝生の根圏部分の地温の制御用として利用される。従って、この温度制御した給水は土中を浸潤することにより制御温度が隅々まで伝達され、植生面全体を略均一の温度に制御することができる。また、給水と温度制御を給水系を用いて同時に行うことができるため、全体装置の簡略化を達成することができる。
【0012】
そしてまた、天然芝植生面全体の地温を略等しくすることができ、全体に育成ムラが生ずるのを無くしてグラウンドの芝面の外観を良好にできるとともに、ボールのバウンドや転がりを一様にして本来の球技を適正に遂行でき、またスポーツターフとしての剛健さをも保証することができる。
【0014】
この育成方法では、給水については、天然芝の植生面下の土中に遮水層を介して区画形成した土中槽と給水貯槽とを給水系で接続して、重力の作用の下連通管作用(サイホン作用)により、給水貯槽からその水頭圧で土中槽へと給水させるようにしている。このように構成すると、土中槽には、その水位が給水貯槽の水位とほぼ同水位となるように自然に水が移動することとなり、従って、給水貯槽の水位を管理することで、土中槽の水位が所望の水位となるように給水することができる。換言すれば、給水系で接続されたこれら土中槽と給水貯槽とは、両者の水頭圧がバランスするようにコントロールされるもので、土中槽の水頭圧が給水貯槽よりも下回れば、その差圧程度の低水圧で徐々に自然に給水が行われることになる。そしてこの際の給水作用は、自然な重力の作用の下における連通管作用による水頭圧によって得られる。そして土中槽内に供給されて相当の水位にある水は、土中の毛管現象によって更に土中へ浸潤していくこととなり、この段階の給水作用も自然に行われる。他方、排水については、余剰水が重力の作用で自然に流下してくることを利用し、給水系の下方に土中槽から外方へ延出させて埋設した排水系でこの重力水を回収して排水するようになっている。
【0015】
このように連通管作用や重力の作用を利用した、低水圧の自然な給水と排水によるため、強制的な給・排水の場合と異なり、土中への給水の浸潤が極めて自然であって土中の層に良好に給水できるとともに、排水に際しての余剰水の発生とその流下作用も自然であって、給・排水のムラが生じることは殆どなく、従って芝生の根圏への給水を良好に維持・管理できるとともに、給・排水に伴う土中養分の流亡等も防止することができる。
【0016】
そして、土中温度の検出値に基づいて上記給水系の給水温度を制御することにより、この温度制御された給水は極めて自然に土中にムラ無く湿潤されるため、植生面全体の土中温度の均一化をより高い精度で達成することができる。また、給水系で温度制御することにより、温熱が与えられた給水が土中に浸潤していくまでの時間を短くできて、温度制御した給水の温度変動を抑制でき、これにより土中温度を的確に制御することができる。
【0017】
本発明の請求項2に係るスタジアム用天然芝の育成方法は、請求項1に記載のスタジアム用天然芝の育成方法であって、前記天然芝の植生面のうちの加温により徒長が助長される陰部分に、その部分の育成状態が日照部分と同様となるように、天然芝の伸長を抑制する生長調整剤を該天然芝に直接に散布又は前記給水中に添加して供給することを特徴とする。
【0018】
この育成方法では、天然芝の徒長、特に低照度下に晒されるなど、育成環境が比較的良くない部分の天然芝の徒長が、加温により一層助長されるが、生長調整剤を用いることによりこのような徒長を抑制して、陰部分などの芝生であっても、その健全な育成を図ることができる。
【0019】
本発明の請求項3に係るスタジアム用天然芝の育成方法は、請求項1又は2に記載のスタジアム用天然芝の育成方法であって、前記天然芝への給水温度を制御するために検出される前記土中温度が、前記天然芝の植生面における日照部分の最高土中温度であることを特徴とする。
【0020】
天然芝への給水の温度制御を、天然芝の植生面における最高土中温度に基づいて行うようにすると、例えば観客席などの付随構築物を備えたスタジアムにおいて、当該付随構築物によって陰となる植生面の地温は、最高土中温度を示す陰のできない日照部分の地温に従って最適な温度に制御されることになる。このように、最高土中温度を基準とした温度制御を行うことにより、植生面全体の地温が必要以上に高くなるのを防止して、芝生の根腐れ等の生育不良が生ずるのを防止することができる。そして、上記したような陰部分の地温を日照部分の地温と略等しくすることができることにより、育成ムラが生ずるのを防止できる。
【0021】
本発明による請求項4に係るスタジアム用天然芝の育成方法は、請求項1〜3の何れかに記載のスタジアム用天然芝の育成方法であって、前記天然芝の植生面を複数の領域に分割し、それぞれの領域で天然芝への給水温度を制御することを特徴とする。
【0022】
この育成方法では、天然芝の植生面となるグラウンドが広大である場合に、そのグラウンド全体に温度制御された給水を一挙に供給しようとすると、途中で温度低下が生じて部分的な育成ムラが発生するおそれがあるが、複数の領域に分割したそれぞれの植生面で天然芝への給水温度を制御することにより、給水の温度低下を伴うことなく給水できるようになり、芝生の育成ムラの発生をより確実に防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図8は本発明のスタジアム用天然芝の育成方法の一実施形態を示し、図1は天然芝の植生面となるグラウンドを中央に配置したスタジアムの断面図、図2は天然芝の植生面となるグラウンドの平面図、図3は天然芝の育成管理システム全体の構成図、図4は天然芝の植生面の土壌構造を示す断面図、図5は育成管理システムの概略構成を示す側断面図、図6は育成管理システムの配管レイアウトを示す概略平面図、図7は図6中のA−A線断面図、図8は図6中のB−B線断面図である。
【0024】
本実施形態のスタジアム用天然芝の育成方法の基本は、観客席等の付随構築物30,31,32が設けられて天然芝が植生されたスタジアムSにあって、該天然芝の植生面1の土中温度、殊に上記付随構築物30,31,32による陰が生じない日照部分35の土中温度に着目してこれを検出し、この検出値に基づいて天然芝への給水温度を制御し、この温度制御した給水を天然芝の植生面1全体に供給する。また、上記天然芝の植生面1に、芝の徒長を抑制する生長調整剤を必要に応じて用いる。
【0025】
即ち、本実施形態のスタジアム用天然芝の育成方法は、図3に示す育成管理システムPを用いて達成されるようになっており、この育成管理システムPによって、図1,図2に示すスタジアムSのグラウンドGに植生された天然芝をムラ無く育成するようになっている。スタジアムSは中央部にグラウンドGを配置し、その側方に付随構築物としてのメインスタンド30とサブスタンド31とが対向配置される。そして、上記グラウンドGの土中部分に上記育成管理システムPが設置される。
【0026】
上記グラウンドGは本実施形態ではサッカー用として造成されたものを示し、このグラウンドGは太陽の直射光が競技者に影響するのを避けるためにゴールが南北に対向するように配置される。また、上記メインスタンド30はグラウンドGの西側に配置されるとともに、上記サブスタンド31はグラウンドGの東側に配置され、前者のメインスタンド30には屋根32が設けられている。従って、午前中ではサブスタンド31の陰が、そして午後ではメインスタンド30や屋根32の陰がグラウンドGに落とされることになる。このため、グラウンドGの東側にはサブスタンド31による陰部分33が発生し、西側にはメインスタンド30,屋根32による陰部分34が発生し、中央部分は常時太陽光が照射される日照部分35となる。上記東側の陰部分33は気温が最も低くなる午前中に生ずるため、気温が上昇される午後に生ずる西側の陰部分34に比較して地温は低くなり、また、日照部分35は常時太陽光により暖められるため、最も地温が高くなっている。
【0027】
上記育成管理システムPは、図3に示すように天然芝の植生面1の近隣に給水貯槽としての溝2を配設し、芝生の成育状態に関わるデータに応じてその溝2への給水水位、すなわち溝2内の水位を調節するようになっている。そして、溝2に接続した給水管3から、重力の作用の下連通管作用を利用して、土中槽7内の土中へ給水を拡散させるとともに、土中に浸潤した給水は更に毛管現象で浸潤するようになっている。また一方、排水管4は、給水管3の下方にこれと直交する方向に埋設してあり、給水管3とは独立されて排水専用に用いられ、排水を促進する構成とされている。
【0028】
給水は、蓄えた雨水と排水管4からの戻し水とを循環利用する構成とされている。つまり、一次タンク61には直接雨水が溜められるとともに、また排水管4からの排水が、一次タンク61へと戻されるようになっている。この一次タンク61には、オーバーフローパイプ62が設けられており、このオーバーフローパイプ62は、一次タンク61が満水になると溢水させるようになっている。従って、このオーバーフローパイプ62からの溢水により一次タンク61内の水は逐次希釈され、障害の発生しにくい水質へと自動的に改質調整されるようになっている。
【0029】
一次タンク61の水は、その汚れを浄化するためポンプ69によってフィルタ64へ送られ、清浄化された水が二次タンク63に蓄えられる。この二次タンク63には、当該二次タンク63内の水を加温するための加温システム68が接続されている。この加温システム68は、熱源68aと、この熱源68aで温められた水などの熱媒を送り出すポンプ68bとから主に構成されている。そして熱源68aからポンプ68bで熱媒を二次タンク63へと供給して、給水直前の二次タンク63内の水を適宜に暖めることができるようになっている。
【0030】
ここで、本実施形態では上記加温システム68は、上記グラウンドGの日照部分35の土中温度を検出し、この検出値に基づいて給水温度、つまり二次タンク63内の水温を制御するようになっている。上記熱源68aとしては、自然エネルギによるものや、余剰熱を採用することができ、例えば、産業の廃熱や地熱、温泉熱、太陽熱、化石燃料やごみ焼却熱など、好ましくは廃棄されたり、未回収の熱エネルギを利用することが好ましい。
【0031】
二次タンク63の水は、薬剤調合機構65に送られて防虫剤,改良剤,液肥などの薬剤が添加され、この後、流量調整弁などの流量制御機構66を介して溝2へと送られる。本実施例にあっては、二次タンク63と薬剤調合機構65との間は、3つの配管で接続されている。2つの配管にはそれぞれポンプ70が備えられているとともに、残りの1つの配管は二次タンク63と薬剤調合機構65とを単に連結している。二次タンク63内の水頭圧で以降の系に給水できる場合にはポンプは不要である一方で、それ以外の場合の給水を円滑に行うために2つの配管に2基のポンプ70が設備されている。
【0032】
制御装置5には、薬剤調合機構65、流量制御機構66、ポンプ69,70、加温システム68が接続され、これらは制御装置5により適宜制御されるようになっている。この制御装置5には、上記溝2内に設けられてその水位を検出する水位センサ2aや、土中環境因子としての湿度や温度を検出する湿度センサ50および温度センサ51が接続されている。両センサ50,51は天然芝の植生面1下の土中に埋設され、これにより芝生の成育状態に関わるデータが得られるようになっている。また、必要に応じて、酸素センサを埋設してこれを制御装置5に接続するようにしてもよい。更には、制御装置5には、気象状態のデータとしては、大気温度、大気湿度、日射量、雨量、季節ごとの気候データなどの気象データを検出し蓄積させ、短期的・長期的な気候状態を解析させて、これを制御に取り込めるように構成してもよい。
【0033】
給水管3には、給水を土中に拡散させるための孔が多数設けられている。この給水管3は溝2に対して複数本が一方向に並列に接続され、また溝2も天然芝の植生面1を挟んで一対配設されて、天然芝の植生面1全域にムラなく給水できるようになっている。
【0034】
排水管4には、重力の作用で土中を流下してくる重力水を回収するための孔が多数設けられており、複数本のこれら排水管4が給水管3の下方に、給水管3と直交させて一方向に並列に埋設され、これら排水管4は集合管40に集合され、この集合管40が一次タンク61に連結されている。更に、集合管40の途中には、制御装置5で制御される開閉弁41が設けられ、これにより土中槽7からの排水量を調節できるように構成されている。
【0035】
芝生を敷設した土壌は、図4に示すように、床土10、第二層12、第三層13と下方へ順に三層構造とされている。床土10は天然繊維マットに砂を充填して作成されている。第二層12は、火山砂利と砂と土壌改良材とを混合したもので、この第二層12に給水管3が水平に埋設されている。第三層13は単粒砕石からなっている。しかしながら、当該土壌については一般的に言って、上方から下方へ順次、中砂・粗砂・透水シート・砂礫を積層した形態でもよい。透水シートは、土中の細粒分の流亡を防ぎ、砂礫層の排水性を確保する目的で配設される。第三層13の下方には、略U字状の溝部14が排水管4に対応させて並列に複数形成され、この溝部14内に排水管4が所定の排水勾配で配設され、そして排水管4は単粒砕石によって埋められた状態となっている。なお、第三層13および溝部14の下には遮水層として不透水シート15が敷設され、これにより土中槽7が区画形成されるとともに、溝部14に排水用の桝を形成し、高効率に排水が行えるようになっている。
【0036】
また、周辺の土壌構成を概説すると、天然芝の植生面1に隣接する溝2の下方は、上から下に向かって順次、モルタル20、コンクリート21、砕石22が積層された構造となっている。
【0037】
制御装置5は、いわゆるコンピュータであって、水位センサ2aや湿度センサ50および温度センサ51等から送られる検出データを基にして各部を制御するようになっている。特に本実施例にあっては、水位センサ2aで検出した溝2内の水位をモニタしつつ制御装置5によって二次タンク63から溝2へと給水する一方で、この溝2からの土中への給水は、溝2に接続した給水管3から連通管作用、毛管現象などを利用して行われる。給水管3から土中への給水の拡散は、溝2内の水位に応じて行われることとなり、この際、重力の作用などを利用するので、給水を極めて自然に土中へと拡散させることができる。この溝2内の水位設定は、土壌の温度および土壌湿度など芝生の成育状態に関わるデータに応じて好適に調節することができるので、芝生の根に自然に給水することができる。
【0038】
一方、排水については、給水管3の下方に専用の排水管4を埋設していて、排水のための勾配を、現地状況に合わせて最適に設定することができ、自然な流下によって排水することができる。その結果、土中の通気を良好に保つことができて、芝生の根へ酸素を好ましく供給することができ、よって、芝生の根圏の雰囲気環境を良好な状態に維持管理することができる。
【0039】
また、溝2に水位センサ2aを設け、この水位センサ2aの検出信号により制御手段5で溝2の水位調節を行うようにしたので、給水制御を自動化できて芝生管理の自動制御化を達成することができる。
【0040】
更に、一次タンク61の設置個数については、一個であっても、複数個であっても良い。一個の場合には、これと二次タンク63とを接続する配管が単一で簡便である一方で、当該一次タンク61が大型化する点があり、他方多数個の場合には、分散配置できて設置スペースが一箇所に大きくとられてしまうことがなく、かつ雨水等の収率も向上するが、配管が煩雑となる。後者の場合の配管例としては、分散配置した複数個の一次タンク61からいずれかの一次タンク61へとサイホン効果を利用して給水を送給すればよい。
【0041】
また、本装置に対しては、芝生の葉面洗浄や非常時用として地上散水システムを組み合わせてもよい。
【0042】
更に、上記実施例にあっては、制御装置5のみによる制御の場合を説明したが、任意に切り替えて、手動による給水制御を行えるように構成してもよい。
【0043】
そして本実施例にあっては、一次タンク61に集めた雨水の利用と排水のリサイクルとで給水するので、甚大な節水効果を発揮する。
【0044】
また、本実施例では、床土の構成として天然繊維マットに砂を充填するようにしたので、床土の固結を防止できるとともに、剪断抵抗力が増強され、デポットの発生を抑えることができる。このことは、天然芝の植生面1へのエアレーション作業や、芝生の張り替え作業の軽減につながり、芝の根にとって良好な土壌環境を提供できることになる。
【0045】
従って、本実施形態のスタジアム用天然芝の育成方法にあっては、育成管理システムPで行われる給水については、天然芝の植生面1下の土中に遮水層を介して区画形成した土中槽7と給水貯槽としての溝2とを給水系で接続して、重力の作用の下連通管作用(サイホン作用)により、上記溝2からその水頭圧で土中槽7へと給水させるようにしている。このように構成すると、土中槽7には、その水位が溝2の水位とほぼ同水位となるように自然に水が移動することとなり、従って、溝2の水位を管理することで、土中槽7の水位が所望の水位となるように給水することができる。換言すれば、給水系で接続されたこれら土中槽7と溝2とは、両者の水頭圧がバランスするようにコントロールされるもので、土中槽7の水頭圧が溝2よりも下回れば、その差圧程度の低水圧で徐々に自然に給水が行われることになる。そしてこの際の給水作用は、自然な重力の作用の下における連通管作用による水頭圧によって得られる。そして土中槽7内に供給されて相当の水位にある水は、土中の毛管現象によって更に土中へ浸潤していくこととなり、この段階の給水作用も自然に行われる。他方、排水については、余剰水が重力の作用で自然に流下してくることを利用し、給水系の下方に土中槽7から外方へ延出させて埋設した排水系でこの重力水を回収して排水するようになっている。
【0046】
このように連通管作用や重力の作用を利用した、低水圧の自然な給水と排水によるため、強制的な給・排水の場合と異なり、土中への給水の浸潤が極めて自然であって土中の層に良好に給水できるとともに、排水に際しての余剰水の発生とその流下作用も自然であって、給・排水のムラが生じることは殆どなく、従って芝生の根圏への給水を良好に維持・管理できるとともに、給・排水に伴う土中養分の流亡等も防止することができる。また、溝2の水位を上下させると連通管作用により土中槽7の水位も上下することから、この土中槽7の水位を下降させるように溝2の水位を調節すると自然にフイゴ効果が働いて天然芝の植生面1等の地表面から土中槽7への空気の引き込みを生じさせることができ、調整可能な通気作用を得ることができて、芝生の根圏に対し、強制給・排作用によらない自然で良好な通気性を確保することができる。
【0047】
そして、かかる育成管理システムPでは上述したように給水制御は勿論のこと、熱源88aを介して二次タンク63内の温度制御が行われるようになっており、この二次タンク63内の温度制御された給水は、植生面1下の土中を浸潤して芝生の育成水として利用されるとともに、芝生の根圏部分の地温の制御用として利用される。従って、この温度制御した給水は土中に浸潤することにより制御温度が隅々まで伝達され、植生面1全体をほぼ均一の温度に制御することができる。このように、給水と温度制御を給水系を用いて同時に行うことができるため、全体装置の簡略化を達成することができる。
【0048】
また、上記温度制御はグラウンドGの日照部分35の土中温度を温度センサー51で検出して行われるので、陰部分33,34を含めた植生面1全体の地温は、最も地温が高くなる日照部分35に対して最適な温度となるように制御されることにより、この日照部分35の地温が必要以上に高くなるのを防止して、芝生の根腐れ等の生育不良が生ずるのを防止できる。そして、陰部分33,34の地温を日照部分35の地温と等しくすることができ、植生面1全体における温度差を解消して全体に育成ムラが生ずるのを無くすことができる。従って、グラウンドGの芝面の外観を良好にできるとともに、ボールのバウンドや転がりを一様にして本来の球技を適正に遂行でき、またスポーツターフとしての剛健さをも確保することができる。
【0049】
更に、温度制御された給水は、育成管理システムPによって極めて自然に土中にムラ無く湿潤されるため、植生面1全体の土中温度の均一化をより高い精度で達成することができる。また、給水側に配置される二次タンク63で温度制御することにより、温熱が与えられた給水が土中に浸潤していくまでの時間を短くできて、温度制御した給水の温度変動を抑制でき、これにより土中温度を的確に制御することができる。
【0050】
ところで、本実施形態のスタジアム用天然芝の育成方法では、低照度下に晒される陰部分33,34の天然芝は、太陽光の不足により徒長されて細長く生育されるが、これら陰部分33,34の地温は日照部分35に対応して加温されることにより、陰部分33,34の天然芝の徒長がより一層助長されることになる。このため、本実施形態では生長調整剤を用いて無駄な徒長を抑制するようになっている。つまり、加温により助長される天然芝の徒長は、生長調整剤により伸長が抑制されて日照部分35と同様に太く短く生長することになり、健全な芝生を育成することができる。上記生長調整剤は陰部分33,34のみに散布しても良く、また、育成管理システムPの薬剤調合機構65で給水中に添加して、植生面1の全面に供給することもできる。
【0051】
また、本実施形態ではグラウンドGを1基の育成管理システムPによって給水および給水温度制御を行うようになっているが、サッカー競技では広いグラウンドGを必要とし、そのグラウンドG全体に温度制御された給水を供給しようとすると、途中で温度低下が生じて部分的な育成ムラが発生するおそれがある。このため、天然芝の植生面1が広大である場合に、この植生面1を複数の領域、例えば図2中破線に示すようにゴール側の両端部の領域C1,C2と中央部の領域C3とに3分割し、それぞれの領域C1,C2,C3に育成管理システムPを設けて、各領域C1,C2,C3内で給水および給水温度制御を行うことが望ましい。
【0052】
このように、分割されて狭くなった領域C1,C2,C3で独立して給水温度制御を行うことにより、温度制御された給水が大きな温度変化を伴うことなく各領域C1,C2,C3の隅々まで供給されることになり、目的の地温に精度良く制御して天然芝をムラ無く育成することができる。勿論、各領域C1,C2,C3で給水温度を制御するための基準温度は共通したものが用いられ、この共通の基準温度として上述したように日照部分35で検出した土中温度が用いられる。
【0053】
ところで、本実施形態では育成管理システムPを用いて土中給水される方式の給水を温度制御するようにした場合を開示したが、これに限ることなく散水により給水する方式にあっても、この散水温度を制御するようにしても良く、また、土中給水方式と散水方式の両方を兼備する場合にも、両方の給水温度を制御することになる。更に、必要に応じて、土中の温度センサ51の検出データに従って加温システム68を制御するように構成すれば、芝生に対して、冬季には比較的温度の高い給水を行い、他方、夏季には比較的温度の低い給水を行わせることもでき、芝生に対し外気温変化に対応した給水を施すことができる。
【0054】
また、上記育成管理システムPにより温度制御を伴う給水制御により芝生の育成管理を行うのみならず、芝生の植生面1の照度を所定値(30000ルックス以上)に近付ける装置を併用しても良く、また、低照度下で十分に育成できる適正種を採用することもでき、更には、植え替え等による回復および更新を促進してムラを無くすこともできる。
【0055】
更に、本実施形態ではサッカー用のグラウンドGに例をとって説明したが、これに限ることなく他の球技や競技(例えば陸上競技)に用いられるスタジアムSにあっても、天然芝の植生面が設けられる限りにおいて本発明を適用できることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のスタジアム用天然芝の育成方法にあって、天然芝の植生面の日照部分の土中温度を検出し、この検出した土中温度に基づいて天然芝への給水温度を制御し、この温度制御した給水を天然芝の植生面下の土中層の全体に拡散させて、天然芝の育成水及び天然芝の根圏部分の地温の制御用として利用するように構成したので、陰部分を含めた植生面全体の地温は、最も地温が高くなる日照部分に対して最適な温度となるように制御される。従って、日照部分の地温が必要以上に高くなるのを防止でき、芝生の根腐れ等の育成不良が生じるのを防止できる。この結果、陰部分の地温を日照部分の地温と等しくすることができるので、植生面全体における温度差を解消でき、全体に育成ムラが生じるのをなくすことができ、グラウンドの芝面の外観を良好にできるとともに、スポーツターフとしての剛健さも確保することができる。
また、地温制御系と給水制御系とを兼用させることができるので、装置の簡略化を図ることができる。
【0057】
また、給水系と重力水を回収する排水系を設けて自然に給・排水するようにした給水循環システムの給水系を温度制御することにより、より効果的に地温のムラを無くして植生面全体の天然芝を均一に育成することができるとともに、給水系で温熱が与えられた給水が土中に浸潤していくまでの時間を短くできて、給水温度の変動を抑制でき、土中温度を的確に制御することができる。
【0058】
また、温度制御による加温により低照度下において徒長が促進される天然芝は、生長調整剤を用いることにより健全な芝生として育成することができる。
【0059】
さらに天然芝への給水の温度制御を、天然芝の植生面における最高土中温度に基づいて行うようにすると、植生面全体の地温が必要以上に高くなるのを防止して、芝生の根腐れ等の生育不良が生ずるのを防止することができる。
【0060】
更にまた、天然芝の植生面を複数の領域に分割して給水温度制御することにより、植生面となるグラウンドが広大である場合に、温度低下を伴うことなく給水して育成ムラの発生を無くすことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す天然芝の植生面となるスタジアムの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すグラウンドの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す天然芝の育成管理システム全体の構成図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す天然芝の植生面の土壌構造の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す育成管理システムの概略構成の側断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示す育成管理システムの配管レイアウトの概略平面図である。
【図7】図6中のA−A線断面図である。
【図8】図6中のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 天然芝の植生面
2 溝(給水貯槽)
3 給水管
4 排水管
5 制御手段(制御装置)
7 土中槽
30 メインスタンド(付随構築物)
31 サブスタンド(付随構築物)
32 屋根(付随構築物)
33,34 陰部分
35 日照部分
63 二次タンク
68 加温システム
S スタジアム
G グラウンド
P 育成管理システム
Claims (4)
- 天然芝が植生されたスタジアムの該天然芝の植生面下の土中に遮水層を介して土中槽を区画形成し、該土中槽に、給水を拡散させるための複数の孔を有する給水系を埋設し、該給水系下方に、前記土中槽から外方へ延出させて、土中槽内を重力の作用で流下する重力水を回収する排水系を埋設し、更に、前記給水系に、該給水系に給水するための給水温度の設定が可能な給水貯槽を接続して給水循環システムを構成し、前記天然芝の植生面の日照部分の土中温度を検出し、この検出した土中温度に基づいて前記給水貯槽の給水温度を制御し、この温度制御した給水を前記給水系を介して天然芝の植生面下の土中層の全体に拡散させ、天然芝の育成水及び天然芝の根圏部分の地温の制御用として利用することを特徴とするスタジアム用天然芝の育成方法。
- 前記天然芝の植生面のうちの加温により徒長が助長される陰部分に、その部分の育成状態が日照部分と同様となるように、天然芝の伸長を抑制する生長調整剤を該天然芝に直接に散布又は前記給水中に添加して供給することを特徴とする請求項1に記載のスタジアム用天然芝の育成方法。
- 前記天然芝への給水温度を制御するために検出される前記土中温度が、前記天然芝の植生面における日照部分の最高土中温度であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタジアム用天然芝の育成方法。
- 前記天然芝の植生面を複数の領域に分割し、それぞれの領域で天然芝への給水温度を制御することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスタジアム用天然芝の育成方法。
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