JP3239782B2 - 芝生の管理方法および管理装置 - Google Patents
芝生の管理方法および管理装置Info
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- Y02W10/30—Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
- Y02W10/37—Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy
Landscapes
- Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Sewage (AREA)
Description
促進するための管理方法および管理装置に関し、特に運
動競技場などに敷設した芝生の管理方法および管理装置
に関する。
ー、ラグビー等のスポーツを行う運動競技場やゴルフ場
などがある。近時、そうした施設では維持・管理が容易
であるため、人工芝を敷設することが多いが、競技上の
必要性や安全性、また使用時の感触などを考慮すると、
やはり天然の芝生が優れている。
めの給水および排水などの管理が難しい。このため、従
来から管理方法および管理装置が各種提案されており、
例えば、サンドグリーンからの応用で排水に重点を置い
た図10に示す謂わゆるカリフォルニア大学方式および
図11に示す謂わゆるUSGA方式があり、また、防水
シートを全面に敷き、水を溜めた状態で機械により給,
排水するようになった図12に示す謂わゆるPAT方式
および図13に示すCELL方式等がある。
は、芝生育成面1下の土中に所定深さの砂層2を形成
し、該砂層2の底部に礫層収納溝3を設けると共に、該
礫層収納溝3内に排水管4を埋設し、地上散布した水は
砂層2を通って排水管4から系外に排出されるようにな
っている。また、図11のUSGA方式は、芝生育成面
1下に形成した砂層2の下層に砂利層5を形成し、該砂
利層5の下部に形成した溝部6内に排水管4を埋設し、
地上散布した水は砂層2および砂利層5を通って排水管
4から系外に排出されるようになっている。
1下に形成した砂層2の底部全体に不透水性のシート7
を敷設し、砂層2下部に給排水管8を埋設してあり、か
つ、該給排水管8を外部に設けた図外の給水用ポンプお
よび排水用ポンプに接続すると共に、湿度等のセンサー
を床土内に設置してある。また、図13のCELL方式
は、上記PAT方式と同様に砂層2の底部全体に不透水
性シート7を敷設すると共に、砂層2下部に給排水管8
を埋設してあり、特に該CELL方式では床土内を数ブ
ロックに仕切り、かつ、外部に設けた給,排水用のピッ
ト9に給排水管8を接続すると共に、給水をポンプで加
圧して行うようになっている。
従来の芝生の管理方法であって、図10,図11に示す
カリフォルニア大学方式およびUSGA方式では、地盤
の上に直接砂層2を形成してあるため、散布した水は排
水管4で排水される以外に地中に多くが浸透される。こ
のため、排水性は改善されるが水の保有性が著しく低下
されるため、特に夏期の乾燥時期では散水量が著しく多
くなり、かつ、これに伴って頻繁に施肥を行う必要があ
り、膨大な作業手間が必要となる。
よびCELL方式では、不透水性シート7を敷設して砂
層2に常時溜水してあるため、芝生の根圏が過湿,高
温,嫌気状態になり易い。また、ポンプを用いて加圧給
水および負圧排水を実施するため、給水,排水時に水が
通過する経路が偏ってしまい、芝生の成育状態にムラが
生じてしまうという各種課題があった。
て、自然な状態でムラなく給水できると共に、排水も自
然に近い状態で行なえ、かつ、芝生の根圏の環境を良好
に維持できる芝生の管理方法および管理装置を提供する
ことを目的とする。
め本発明の請求項1に示す芝生の管理方法は、芝生育成
面下の土中に育成土層を形成すると共に、該育成土層の
底部に互いに間隔を隔てて礫層収納溝を形成し、さらに
互いに間隔を隔てて各礫層収納溝の底面から該礫層収納
溝近傍の上記育成土層の底部に跨がって防水層を配設
し、上記礫層収納溝内に上記育成土層内を重力の作用で
流下する重力水を回収する排水系を埋設し、主として該
排水系から重力水を排水すると共に、該重力水の残りを
上記防水層間に露出する地中から浸透させる。
方法は、前記排水系が、前記育成土層から前記礫層収納
溝に亘って水位調整可能な水位調整手段を備える。
方法は、前記育成土層中に給水を拡散させる給水系を埋
設すると共に、該給水系に給水貯槽を接続し、該給水貯
槽の水位で上記育成土層への給水を調節する。
方法は、上記育成土層に透水壁を介して給水貯槽を併設
し、該透水壁を介して該給水貯槽内の水を上記育成土層
中に拡散すると共に、該給水貯槽の水位で上記育成土層
への給水を調節する。
管理方法は、上記育成土層に給水貯槽を併設し、該給水
貯槽に上記排水系を接続して該排水系によって給水貯槽
内の水を育成土層中に給水しかつ育成土層中の重力水を
回収するようにするとともに、上記給水貯槽の水位で上
記育成土層への給,排水を調節する。
装置は、芝生育成面下の土中に形成した育成土層と、該
育成土層の底面に互いに間隔を隔てて形成した礫層収納
溝と、互いに間隔を隔てて各礫層収納溝の底面から該礫
層収納溝近傍の上記育成土層の底面に跨がって配設した
防水層と、上記礫層収納溝内に埋設され上記育成土層内
を重力の作用で流下する重力水を回収する排水系とを備
えた構成とする。
装置は、前記排水系が、前記育成土層から前記礫層収納
溝に亘って水位調整可能な水位調整手段を備える構成と
する。
管理装置は、上記礫層収納溝の上側に、該礫層収納溝内
の礫層と上記育成土層とを画成する透水層を設けた構成
とする。
よび管理装置の作用を述べる。即ち、請求項1の芝生の
管理方法の作用は、育成土層を重力により通過した重力
水は底面に防水層を設けた礫層収納溝内に溜まり、該礫
層収納溝内に溜まった重力水は排水系から排出すること
ができ、殊に、上記防水層はそれぞれ互いに間隔を隔て
て配設されるため、これら防水層間の間隔部分は育成土
層が直接地盤に接触することになり、上記育成土層を通
過した重力水は上記排水系から排水されるのみならず、
育成土層が直接接触する地盤からも自然に浸透して排水
されることになる。このため、育成土層は自然状態で水
が徐々に緩やかに移動するため、育成土層全般に亘って
むらのない給水を可能とし、塩基障害,嫌気障害および
過温障害を大幅に低減することができる。
水系に育成土層から礫層収納溝に亘って水位調整可能な
水位調整手段を備えるようにしているので、この水位調
整手段で排水系からの排水量を調節することにより、礫
層収納溝内に保有される水量を適宜変化させることがで
きる。従って、常時は礫層収納溝内に保有した水位が育
成土層の下面より下方となるように保持することによ
り、毛管現象が生じないようにして育成土層に水が吸い
上げられるのを停止することができる。一方、芝生に給
水するときは礫層収納溝内に保有した水位を育成土層の
下面より上方に設定することにより、育成土層の毛管現
象により芝生の育成面まで水を吸い上げさせて施水する
ことができる。
育成土層中に給水を拡散させる給水系を埋設すると共
に、該給水系に給水貯槽を接続し、該給水貯槽の水位で
上記育成土層への給水を調節するようにしたので、給水
時には育成土層と給水貯槽とが給水系で接続されるた
め、重力の作用の下、連通管作用(サイホン作用)によ
り給水貯槽からその水頭圧で育成土層へと自然給水する
ことができる。このように連通管作用や重力の作用を利
用した低水圧の自然な給水によるため、強制的な給・排
水の場合と異なり、育成土層への給水の浸潤が極めて自
然であって良好に給水することができる。
育成土層に透水壁を介して給水貯槽を併設し、該透水壁
を介して該給水貯槽内の水を上記育成土層中に拡散させ
ると共に、該給水貯槽の水位で上記育成土層への給水を
調節するようにしたので、芝生への給水は、給水貯槽か
ら透水壁を介して芝生育成面下の育成土層内へ水を拡散
させることにより行われる。そして、該給水は育成土層
と給水貯槽との間の水頭圧の差及び重力の作用の下、連
通管作用(サイホン作用)を利用して行うことができ
る。すなわち、育成土槽と給水貯槽との間では両者の水
頭圧が等しくなるように水が移動するため、例えば、育
成土層の水頭圧が給水貯槽内の水位よりも下回ったとき
には、その差圧程度の低水圧で徐々に自然に給水が行わ
れることになる。
上記育成土層に給水貯槽を併設し、該給水貯槽に上記排
水系を接続して該排水系によって給水貯槽内の水を育成
土層中に給水しかつ育成土層中の重力水を回収するよう
にするとともに、上記給水貯槽の水位で上記育成土層へ
の給,排水を調節するようにしたので、給水貯槽内に溜
められた水の水位を高くすることにより、この給水貯槽
内の水を水頭圧の差をもって礫層収納溝内に供給するこ
とができ、更には給水貯槽内の水位を更に高くすること
によって、育成土層内へも給水することができる。勿
論、上記排水管から排水する場合は、給水貯槽内の水位
を育成土層内の水位より低くすることにより行われる。
土層の底面に互いに間隔を隔てて礫層収納溝を形成し、
さらに互いに間隔を隔てて各礫層収納溝の底面から該礫
層収納溝近傍の上記育成土層の底面に跨がって防水層を
配設し、上記礫層収納溝内に排水系を埋設したので、上
記請求項1に示す芝生の管理方法と同様に、育成土層を
通過した重力水は底面に防水層を設けた礫層収納溝内に
溜まり、該礫層収納溝内に溜まった重力水は排水系から
排出することができ、該排水系からの排出量を調節する
ことにより、礫層収納溝内に保有される水量を適宜変化
させることができる。また、上記育成土層を通過した重
力水は上記排水系から排水されるのみならず、育成土層
が直接接触する地盤からも自然に浸透させて排水するこ
とができる。
水系に育成土層から礫層収納溝に亘って水位調整可能な
水位調整手段を備えたので、上記請求項2に示す芝生の
管理方法と同様に、この水位調整手段で排水系からの排
水量を調節して礫層収納溝内に保有される水量を適宜変
化させることができ、この礫層収納溝から育成土層へと
水を吸い上げさせたり、これを停止させたりすることが
できる。
礫層収納溝の上側に、該礫層収納溝内の礫層と上記育成
土層とを画成する透水層を設けたので、該透水層は重力
水を育成土層から礫層収納溝内に移動するのを許容する
が、この重力水と一緒に育成土層の土が礫層収納溝の礫
層内に侵入するのを防止することができる。従って、礫
層に土が混入して礫層の本来の機能、つまり、重力水を
礫層収納溝内に溜めておく機能が損なわれるのを防止す
ることができる。
面を参照して説明する。図1〜図6は本発明の芝生の管
理方法および管理装置の一実施形態を示し、図1は芝生
の床構造の横断面図、図2は芝生の床構造の平面図、図
3は図2中A−A線断面図、図4は図2中B−B線断面
図、図5は芝生の管理装置の構成図、図6は芝生の床構
造の給水系を含めた縦断面図である。
0を用いて、運動競技場に適用した場合を例にとって説
明する。この芝生の管理装置10は、芝生育成面12の
近隣に給水貯槽としての溝14を配設し、芝生の成育状
態に関わるデータに応じてその溝14への給水水位、す
なわち溝14内の水位を調節するようになっている。そ
して、溝14に多孔管で形成される給水系としての給水
管16を接続し、この給水管16を育成土層18内に埋
設して、この給水管16によって重力の作用の下、連通
管作用を利用して該育成土層18内の土中へ給水を拡散
させると共に、土中に浸潤した給水はさらに毛管現象で
浸透されるようになっている。
芝生育成面12下の土中に所定深さをもって形成され、
本実施形態では育成土として砂,ボラ(火山礫),現地
黒土を40:40:20の割合で混合した緑化用倍土が
用いられる。上記育成土層18の底部18aには、図
2,図3にも示すように所定間隔aをもって礫層収納溝
20,20…が形成される。上記礫層収納溝20は断面
が逆台形状となるように掘削された溝で、この内部に礫
を堆積させた礫層22が形成される。
層としての防水シート24が敷設され、該防水シート2
4によって礫層収納溝20内に溜められた水が地盤Gに
浸透されるのを防止し、該礫層収納溝20はいわゆるプ
ールのような状態にされる。上記防水シート24は図2
中斜線部分に示すように礫層収納溝20近傍の上記育成
土層18の底部18aに跨がって配設され、それぞれ隣
設する防水シート24,24…間に所定の間隔bが設け
られる。従って、上記防水シート24,24…間の間隔
b部分で、育成土層18は直接地盤Gに接触されること
になる。また、上記礫層収納溝20の上端には礫層22
と育成土層18を画成するように透水シート26が敷設
される。
に示すように該礫層収納溝20の長さ方向に一定の傾き
をもって外方へ向かって順次低く傾斜され、この傾斜面
に沿って礫層収納溝20の礫層22内に多孔管で形成さ
れる排水系としての排水管28が埋設される。排水管2
8は図5に示したように上記給水管16の下方にこれと
直交する方向に埋設してあり、給水管16とは独立して
排水専用に用いられる。
は、図2,図4に示したように芝生育成面12に隣設し
て設けられるマンホール30に集合して接続され、この
マンホール30内には集合した排水管28の主開閉弁3
2が設けられる。上記マンホール30には排水管28の
出口位置と同レベル部分に排水放出口30aが設けら
れ、排出管28からの排水はこの排水放出口30aから
溢水される。
閉弁32の上流側には、高さの異なる第1,第2オーバ
ーフロー管34,36が開閉弁34a,36aを介して
並列に接続される。第1オーバーフロー管34は第2オ
ーバーフロー管36より低く形成され、この第1オーバ
ーフロー管34は礫層収納溝20の上端より若干低レベ
ルに設定される一方、第2オーバーフロー管36は礫層
収納溝20の上端より高レベルに設定される。
と排水管28からの戻し水とを循環利用する構成とされ
ている。つまり、図5に示したように一次タンク38に
は直接雨水が溜められるようになっていると共に、上記
マンホール30の排水放出口30aから取り出した排水
が該一次タンク38へと戻されるようになっている。該
一次タンク38には、オーバーフローパイプ38aが設
けられており、該オーバーフローパイプ38aは、一次
タンク38が満水になると溢水させるようになってい
る。従って、該オーバーフローパイプ38aからの溢水
により一次タンク38内の水は逐次希釈され、障害の発
生しにくい水質へと自動的に改質調整されるようになっ
ている。
るためポンプ40によってフィルタ42へ送られ、清浄
化された水が二次タンク44に蓄えられる。該二次タン
ク44には、当該二次タンク44内の水を加温するため
の加温システム46が接続されている。該加温システム
46は、熱源46aと、該熱源46aで温められた水な
どの熱媒を送り出すポンプ46bとから主に構成されて
いる。そして熱源46aからポンプ46bで熱媒を二次
タンク44へと供給して、給水直前の二次タンク44内
の水を適宜に暖めることができるようになっている。こ
のように給水を暖めることで水温を調節でき、芝生の生
育状態を制御することができる。熱源46aとしては、
自然エネルギによるものや、余剰熱を採用することがで
き、例えば、産業の廃熱や地熱、温泉熱、太陽熱、化石
燃料やごみ焼却熱など、好ましくは廃棄されたり、未回
収の熱エネルギを利用することが好ましい。
に送られて防虫剤,改良剤,液肥などの薬剤が添加さ
れ、この後、流量調整弁などの流量制御機構52を介し
て溝14へと送られる。本実施形態にあっては、二次タ
ンク44と薬剤調合機構50との間は、3つの配管で接
続されている。2つの配管にはそれぞれポンプ54が備
えられているとともに、残りの1つの配管は二次タンク
44と薬剤調合機構50とを単に連結している。二次タ
ンク44内の水頭圧で以降の系に給水できる場合にはポ
ンプは不要である一方で、それ以外の場合の給水を円滑
に行うために2つの配管に2基のポンプ54が設備され
ている。
0、上記流量制御機構52、上記ポンプ40,54、上
記加温システム46が接続され、これらは制御装置56
により適宜制御されるようになっている。該制御装置5
6には、上記溝14内に設けられてその水位を検出する
水位センサ58や、土中環境因子としての湿度や温度を
検出する湿度センサ60および温度センサ62が接続さ
れている。両センサ60,62は芝生育成面12下の育
成土層18中に埋設され、これにより芝生の成育状態に
関わるデータが得られるようになっている。また、必要
に応じて酸素センサを埋設して、これを制御装置56に
接続するようにしてもよい。更に、制御装置56には、
気象状態のデータとして大気温度、大気湿度、日射量、
雨量、季節ごとの気候データなどの気象データを検出し
蓄積させ、短期的・長期的な気候状態を解析させて、こ
れを制御に取り込めるように構成してもよい。
びこの管理装置10を用いた芝生の管理方法にあって
は、溝14内に溜められた水は重力の作用の下、連通管
作用(サイホン作用)によって、その水頭圧で給水管1
6から育成土層18内へと自然給水が行われる。そし
て、育成土層18へ給水された水は一部が毛管現象によ
り育成土層18内に保有されるが、大部分は重力により
重力水として自然に下方に移動して、防水シート24が
底面20aに敷設された礫層収納溝20内にプール状態
で溜められる。
た重力水は排水管28から排出することができるが、本
実施形態ではこの排水管28のマンホール30内に設け
られた主開閉弁32を通常時は閉弁した状態で、各オー
バーフロー管34,36の開閉弁34a,36aは常開
としておく。また、主開閉弁32については、必要に応
じて不定期に開弁される。他方、低水位用の第1オーバ
ーフロー管34の開閉弁34aを開弁したり、若しくは
この低水位用の開閉弁34aを閉弁しておいて高水位用
の第2オーバーフロー管36の開閉弁36aを開弁する
ことにより、礫層収納溝20内の水位を順次上昇させる
ことができる。即ち、開閉弁34aを開弁することによ
り第1オーバーフロー管34が連通状態となり、該第1
オーバーフロー管34から排水が溢水されるため、礫層
収納溝20内の水位は該第1オーバーフロー管34の上
端レベルに設定される。一方、開閉弁34aを閉弁して
開閉弁36aを開弁することにより第2オーバーフロー
管36が連通状態となり、該第2オーバーフロー管36
から排水が溢水されるため、礫層収納溝20内の水位は
該第2オーバーフロー管36の上端レベルに設定され
る。そしてこれらの操作を繰り返すことにより水位を調
整することができる。
水を溢水させた場合は、礫層収納溝20内の水位は該礫
層収納溝20の上端より下方位置に設定され、溜水が育
成土層18に接触することはない。従って、この状態で
は礫層収納溝20内の溜水が育成土層18に供給される
ことはなく、給水管16からの給水を停止した状態で
は、育成土層18を自然乾燥させることができ、通常は
この状態が維持されることになる。そしてまた、大雨の
時であっても、オーバーフロー管34,36の開閉弁3
4a,36aを開けておくと良好な排水性を確保するこ
とができ、育成土層18中に水が異常に溜まることを防
止することができる。さらにまた、播種後に地表近くま
で水を貯めたいときには、両オーバーフロー管34,3
6の開閉弁34a,36a双方を閉じることでこれを確
保することができる。要するに、排水性を重視しつつ貯
水調整も可能として、日本のような高温多湿な環境での
芝生育成を好適化できるようになっている。
16から給水しつつ第2オーバーフロー管36から排水
を溢水させる状態にすることにより、給水管16からの
給水を停止した後も、礫層収納溝20内の水位は該礫層
収納溝20の上端より上方位置に設定され、溜水が育成
土層18に接触されることになる。すると、溜水は育成
土層18の毛管現象により吸い上げられて、芝生育成面
12まで達して芝生の根圏に十分な水分を供給すること
ができる。
管28から主に排水されるが、礫層収納溝20の底面2
0aに敷設した防水シート24は、該礫層収納溝20の
底面20aから該礫層収納溝20近傍の上記育成土層1
8の底部18aに跨がって配置され、それぞれ隣設され
る防水シート24,24…間に所定の間隔bが設けられ
ているため、これら防水シート24,24…間の間隔b
部分は、育成土層18が直接地盤Gに接触することにな
る。このため、上記育成土層18を重力により下方に通
過した水は、上記排水管28から排水されるのみなら
ず、育成土層18が直接接触する地盤Gからも自然に浸
透して排水されることになる。
24…間の地盤Gから水が浸透することにより、育成土
層18中に含まれる水は自然状態で徐々に緩やかに移動
するため、育成土層18全般に亘ってむらのない給水を
行うことができ、水が滞った場合に発生し易い塩基障
害,嫌気障害および過温障害を大幅に低減することがで
きる。また、このとき上記地盤Gからの浸透量は給水管
16から供給される水量に比較して僅かであるため、上
記礫層収納溝20内には新たな給水と排水管28からの
排水との兼ね合いで常時必要な水位を保つことができ
る。
の上側に、該礫層収納溝20の礫層22と上記育成土層
18とを画成する透水シート26を設けたので、該透水
シート26は水を育成土層18から礫層収納溝20内に
移動するのを許容するが、この水と一緒に育成土層18
の土が礫層収納溝20の礫層22内に侵入するのを遮断
することができる。このように、育成土層18の土が礫
層22内に侵入するのを防止できることにより、礫層2
2に土が混入して本来の礫層22の機能、つまり、水を
礫層収納溝20内に溜めておく機能が損なわれるのを防
止することができる。即ち、礫層22内に育成土層18
の土が混入すると、この土を介して常時毛管現象が作用
して、礫層収納溝20内の水が育成土層18に給水され
て過剰給水状態となるが、上記透水シート26によりこ
のような過剰給水状態を防止することができる。
ては、これを上記マンホール30で共用して構成しても
よい。
施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明
を省略して述べる。図7は芝生の管理装置の構成図、図
8は芝生の床構造の給水系を含めた縦断面図である。
は、給水貯槽としての溝14を育成土層18に臨ませて
配設すると共に、この溝14と育成土層18とを透水壁
70を介して連通し、溝14内の水を該透水壁70を介
して上記育成土層18中に拡散させるようになってい
る。
よび管理装置10aでは、芝生への給水は、溝14から
透水壁70を介して芝生育成面12下の育成土層18内
へ水を拡散させることにより行われる。そして、このと
きの給水は育成土層18と溝14との間の水頭圧の差及
び重力の作用の下、連通管作用(サイホン作用)を利用
して行うことができる。すなわち、育成土層18と溝1
4との間では両者の水頭圧が等しくなるように水が移動
するため、例えば、育成土層18の水頭圧が溝14内に
溜まった水の水位よりも下回ったときには、その差圧程
度の低水圧で徐々に自然に給水が行われることになる。
18への給水は重力により下方に移動して、礫層収納溝
20内に溜められると共に、一部の水は防水シート2
4,24…間に設けられる間隔b部分から地盤Gに浸透
されることになる。
態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省
略して述べる。図9は芝生の管理装置の構成図である。
は、給水貯槽としての溝14に排水管28を接続し、該
排水管28によって溝14内の水を育成土層18中に給
水しかつ育成土層18中の重力水を回収するようにする
とともに、上記溝14内に溜まった水の水位で上記育成
土層18への給,排水を調節するようにしてある。この
実施形態では図4に示したマンホール30を上記溝14
で代替させて構成することができる。
よび管理装置10bでは、排水管28を排水のみならず
給水用としても用いるようにしていて、溝14内に溜め
られた水の水位を高くすることにより、この溝14内の
水を水頭圧の差をもって礫層収納溝20内に供給するこ
とができ、更には溝14内の水位を更に高くすることに
より、育成土層18内へも給水することができる。勿
論、上記排水管28から排水する場合は、育成土層18
よりも低い水位にすることにより行われる。
示す芝生の管理方法にあっては、育成土層の底部に形成
した礫層収納溝の底面に防水層を設けて、育成土層を重
力により通過した重力水が該礫層収納溝内に溜まるよう
になっており、特に礫層収納溝の底面に設けた上記防水
層は、それぞれ隣設する間に所定の間隔が設けられるた
め、これら防水層間の間隔部分は育成土層が直接地盤に
接触して、上記育成土層を通過した重力水の一部を育成
土層が直接接触する地盤から自然に浸透させて排水する
ことができる。このため、育成土層は自然状態で水が常
に徐々に緩やかに移動するため、育成土層全般に亘って
むらのない給水を行うことができ、塩基障害,嫌気障害
および過温障害を大幅に低減することができる。
方法は、水位調整手段で排水系からの排水量を調節する
ことにより、該礫層収納溝内に溜まった重力水の水量を
排水系からの排出量の調節により適宜変化させて、水位
を育成土層の下面より上方または下方に設定することに
より、育成土層の毛管現象により芝生の育成面まで水を
吸い上げて施水したり、施水を中断したりすることがで
きる。
方法は、上記育成土層中に給水を拡散させる給水系を埋
設すると共に、該給水系に給水貯槽を接続し、該給水貯
槽の水位で上記育成土層への給水を調節するようにした
ので、給水時には育成土層と給水貯槽とが給水系で接続
されて、重力の作用の下、連通管作用(サイホン作用)
により給水貯槽からその水頭圧で育成土層へと自然給水
することができる。このように連通管作用や重力の作用
を利用した低水圧の自然な給水によるため、強制的な給
・排水の場合と異なり、育成土層への給水の浸潤が極め
て自然であって良好に給水することができる。
方法は、上記育成土層に透水壁を介して給水貯槽を併設
し、該透水壁を介して該給水貯槽内の水を上記育成土層
中に拡散させると共に、該給水貯槽の水位で上記育成土
層への給水を調節するようにしたので、芝生への給水
を、給水貯槽から透水壁を介して芝生育成面下の育成土
層内へ水を拡散させることにより行うことができる。ま
た、該給水は育成土層と給水貯槽との間の水頭圧の差及
び重力の作用の下、連通管作用(サイホン作用)を利用
して自然な給水を行うことができる。
管理方法は、上記育成土層に給水貯槽を併設し、該給水
貯槽に上記排水系を接続して該排水系によって給水貯槽
内の水を育成土層中に給水しかつ育成土層中の重力水を
回収するようにするとともに、上記給水貯槽の水位で上
記育成土層への給,排水を調節することにより、給水貯
槽内に溜められた水の水位を高くすることにより、この
給水貯槽内の水を水頭圧の差をもって礫層収納溝内に供
給することができ、更には給水貯槽内の水位を更に高く
することによって、育成土層内へも給水することができ
る。
装置は、育成土層の底面に互いに間隔を隔てて礫層収納
溝を形成し、さらに互いに間隔を隔てて各礫層収納溝の
底面から該礫層収納溝近傍の上記育成土層の底面に跨が
って防水層を配設し、上記礫層収納溝内に排水系を埋設
したので、上記請求項1に示す芝生の管理方法による効
果と同様に、育成土層を通過した重力水を礫層収納溝内
に溜めることができ、かつ、該排水系からの排出量を調
節することにより、礫層収納溝内に保有される水量を適
宜変化させることができる。また、上記育成土層を通過
した重力水は上記排水系から排水されるのみならず、隣
設する防水層間の間隔部分で育成土層が直接接触する地
盤からも自然に浸透させて排水することができる。
装置は、上記請求項2に示す芝生の管理方法と同様に、
水位調整手段で排水系からの排水量を調節して礫層収納
溝内に保有される水量を適宜変化させることができ、こ
の礫層収納溝から育成土層へと水を吸い上げさせたり、
これを停止させたりすることができる。
装置は、上記礫層収納溝の上側に、該礫層収納溝内の礫
層と上記育成土層とを画成する透水層を設けたので、該
透水層は重力水を育成土層から礫層収納溝内に移動する
のを許容するが、この重力水と一緒に育成土層の土が礫
層収納溝の礫層内に侵入するのを防止することができ
る。従って、礫層に土が混入して礫層の本来の機能、つ
まり、重力水を礫層収納溝内に溜めておく機能が損なわ
れるのを防止することができるという各種優れた効果を
奏する。
成する床構造の横断面図である。
成する床構造の平面図である。
図である。
図である。
成図である。
系を含めた縦断面図である。
構成図である。
水系を含めた縦断面図である。
置の構成図である。
床構造の断面図である。
面図である。
斜視図である。
面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 芝生育成面下の土中に育成土層を形成す
ると共に、該育成土層の底部に互いに間隔を隔てて礫層
収納溝を形成し、さらに互いに間隔を隔てて各礫層収納
溝の底面から該礫層収納溝近傍の上記育成土層の底部に
跨がって防水層を配設し、上記礫層収納溝内に上記育成
土層内を重力の作用で流下する重力水を回収する排水系
を埋設し、主として該排水系から重力水を排水すると共
に、該重力水の残りを上記防水層間に露出する地中から
浸透させることを特徴とする芝生の管理方法。 - 【請求項2】 前記排水系が、前記育成土層から前記礫
層収納溝に亘って水位調整可能な水位調整手段を備えて
いることを特徴とする請求項1に記載の芝生の管理方
法。 - 【請求項3】 上記育成土層中に給水を拡散させる給水
系を埋設すると共に、該給水系に給水貯槽を接続し、該
給水貯槽の水位で上記育成土層への給水を調節すること
を特徴とする請求項1または2に記載の芝生の管理方
法。 - 【請求項4】 上記育成土層に透水壁を介して給水貯槽
を併設し、該透水壁を介して該給水貯槽内の水を上記育
成土層中に拡散すると共に、該給水貯槽の水位で上記育
成土層への給水を調節することを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の芝生の管理方法。 - 【請求項5】 上記育成土層に給水貯槽を併設し、該給
水貯槽に上記排水系を接続して該排水系によって給水貯
槽内の水を育成土層中に給水しかつ育成土層中の重力水
を回収するようにするとともに、上記給水貯槽の水位で
上記育成土層への給,排水を調節することを特徴とする
請求項1または2に記載の芝生の管理方法。 - 【請求項6】 芝生育成面下の土中に形成した育成土層
と、該育成土層の底面に互いに間隔を隔てて形成した礫
層収納溝と、互いに間隔を隔てて各礫層収納溝の底面か
ら該礫層収納溝近傍の上記育成土層の底面に跨がって配
設した防水層と、上記礫層収納溝内に埋設され上記育成
土層内を重力の作用で流下する重力水を回収する排水系
とを備えたことを特徴とする芝生の管理装置。 - 【請求項7】 前記排水系が、前記育成土層から前記礫
層収納溝に亘って水位調整可能な水位調整手段を備えて
いることを特徴とする請求項6に記載の芝生の管理装
置。 - 【請求項8】 上記礫層収納溝の上側に、該礫層収納溝
内の礫層と上記育成土層とを画成する透水層を設けたこ
とを特徴とする請求項6または7に記載の芝生の管理装
置。
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