JP3658578B2 - 野菜移植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、苗を畝中へ移植する左右一対の移植爪を備えた野菜移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、移植爪を左右一対有し、該移植爪の上方に苗供給部を配置して、苗を苗供給部のカップ内に挿入して、該苗を挿入したカップを受継部へ搬送して、該受継部においてカップより移植爪内に苗を落下させて投入して、該移植爪を畝中に下降させながら移動して、下端側において移植爪を開いて苗を植えつける野菜移植機が公知となっている。
【0003】
例えば、特開2000−84826の技術である。この技術は、2条植えの植付部を備えたものであり、左右一対の苗供給装置と左右一対の移植爪を有し、苗供給装置は苗供給カップを複数円周上に配置したターンテーブルを左右一対配置して、ターンテーブルに取り付けたラチェットを回動して間欠駆動し、苗供給カップより順に移植爪に落下させて、移植する構成としていた。また、ターンテーブルの代わりに、苗供給カップを弾性体からなるチェーンで互いに連結して、駆動輪と従動輪の間に巻回して苗供給カップを長円状に配置して、間欠駆動して移植するようにしていた。
【0004】
また、苗の畦中への確実な保持を行うためには、植付時の覆土輪による鎮圧のみならず、灌水を行うことが望ましい。したがって、このような野菜移植機には、苗の植付を行うための各種装置部として、前記移植爪を備える植付部、移植爪に苗を供給する苗供給部等が備えられている。また、移植に際して灌水を行う潅水装置を備えた装置も公知である。
潅水装置を備えた野菜移植機の技術としては、例えば、特開昭59−1474号、特開昭60−1168号、特開平5−34811号、特開平5−39227号、特開平10−5683号、特開平11−42005号の技術である。
【0005】
一方、植付時に同時に灌水を行う構成の野菜移植機では、泥の付着等による移植爪の植付性能の低下が予期される。
移植爪の泥落し機構を備えて、前記不具合を防止するようにした野菜移植機が、公知となっている。例えば、特許2857579号の技術や、実公平6−2492号の技術である。
特許2857579号の技術では、移植筒(移植爪)の下部を開閉自在な穿孔用くちばしとし、該くちばしの両側壁に当接するスクレパーを該側壁に沿って移動可能に構成している。該スクレパーは、移植筒の昇降に伴って作動するリンク機構により作動されるものである。
また、実公平6−2492号の技術では、機体フレーム側に揺動自在に設けた土壌除去体(スクレパー)が、移植爪の昇降に伴って、当接・離脱するように構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
苗の植付を行うための各種装置、例えば、移植爪に苗を供給する苗供給部における苗搬送が、移植爪と連動して作動しないなどの不具合があると、植付性が損なわれるものとなってしまう。
【0007】
苗の畦中への確実な保持を行うための泥落し機構を備えた野菜移植機において、前記特許2857579号の技術では、泥落し機構(スクレパ−機構)を、リンク機構を用いて構成している。このため該技術では、部材点数の増加を招くと共に、移植爪の開閉機構が覆い隠されるので、メンテナンス性を損なうものとなっている。
また、前記実公平6−2492号の技術では、機体フレーム側に、揺動するスクレパ−の取付部を設ける必要があり、野菜移植機本体の全長を長くして泥落し機構の設置スペースを確保する必要がある。このため、泥落し機構を備えない従来機に該技術の泥落し機構を設けることは困難であり、シャーシ構成の変更を要するものとなる。
【0008】
本発明は、苗の植付を行うための各種装置の取付け支持や配置構成を改善することで、コストアップを招くことなく、苗の植付性能の向上を実現する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、苗搬送ポット148のポット取付基部140を連結し、長円状を形成する連結体に構成して苗搬送体とし、該苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、該苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗を移植爪151内に投入して、該移植爪151を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機において、前記連結体はポット取付基部140を構成する嵌合環158の両側に連結部を配置して無端状に連結し、シャーシ上の左右両側に配置した駆動スプロケット141及び従動スプロケット142に嵌合環158が当接するように配設し、両スプロケット141・142を支持軸に対して円周方向位置調整可能に構成すると共に、従動スプロケット142を左右幅方向への位置調整を可能に構成したものである。
【0010】
請求項2においては、請求項1記載の野菜移植機において、該移植爪151に泥落し機構301を設け、該泥落し機構301は、移植爪151の爪体に対して上下動自在にガイドする取付ブラケット302を爪体に設け、該取付ブラケット302にロッド303を支持し、該ロッド303と取付ブラケット302との間に付勢部材であるスプリング304を介設するとともに、該ロッド303には爪体の外壁に当接するように弾性部材のスクレパー306を設け、移植爪151の昇降時に弾性部材のスクレパー306が爪体の外壁に摺接するように構成したものである。
【0011】
請求項3においては、請求項1記載の野菜移植機において、左右の移植爪151に灌水を行う灌水ポンプ187と水タンク186とを備え、該左右の移植爪151への伝達軸への中途部に設けたカム機構により、左右の移植爪151に対応する一対の灌水ポンプ187を駆動可能としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の野菜移植機の二つの実施例について説明する。
まず、第一実施例の野菜移植機101について、図1から図21を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例である歩行型野菜移植機101の全体的な構成を示した側面図、
図2は同じく平面図、
図3は機体フレームとミッションケース部分の側面図、
図4は機体フレーム部分の平面図である。
【0014】
図5はトレッド調整機構を示す機体右側の平面図、
図6は苗供給部の平面図、
図7は受継部の後面断面図、
図8は同じく平面図である。
【0015】
図9は従動スプロケット142の左右位置調整部を示す平面図、
図10は移植部の後面図、
図11は同じく側面図、
図12は同じく平面図である。
【0016】
図13は昇降ガイド153およびロータリケース152の支持構造を示す側面図、
図14は灌水ポンプ187を示す側面図、
図15は載置台242を示す二面図である。
【0017】
図16は移植爪151のスクレパー機構を示す平面図、
図17は同じく後面図、
図18は覆土輪支持部の側面図である。
【0018】
図19は同じく平面図、
図20は同じく後面図、
図21は同じく後面図である。
【0019】
第一実施例の野菜移植機101の全体構成から説明する。
図1、図2において、野菜移植機101は、シャーシの前部上にエンジン103を載置し、前後中央部上にミッションケース104を配置し、シャーシ後部上から後方にハンドル部材となるハンドルフレーム106を水平方向に連設して、該ハンドルフレーム106の中途部上に苗供給部107を配置し、ハンドルフレーム106後部を運転操作部109としている。
【0020】
シャーシの前部には左右一対の前輪支持軸110・110を左右水平方向に横架し、各前輪支持軸110の左右両端部に前輪支持アーム・111の一端を取り付け、該前輪支持アーム・111の他端に前輪112・112を支持している。
また、ミッションケース104より後輪駆動軸115を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸115の両側にチェーンケース116・116を連設して、該チェーンケース116・116の後部に後輪117・117を支持している。
【0021】
そして、ミッションケース104の後部であって後述する後フレーム105b・105bの間の苗供給部107の下方に移植部120が配置され、後フレーム105b・105bで保護できるとともに、該移植部120は移植爪151を昇降して、最上位置で苗供給部107より苗126を受け取り、下端位置で移植爪151を開いて畝125中に苗を落下させて、その後方に配置した覆土輪122により苗の根部に土を寄せて覆土して移植する構成としている。
【0022】
野菜移植機101は、シャーシに設けた苗供給部107より苗を移植爪151内に投入して、該移植爪151を畝中へ移動して移植を行う移植機である。苗供給部107には、後述するように、長円状に連結した苗搬送体を連続的に回転駆動する構成を設けている。該苗搬送体は苗搬送ポット148とポット取付基部140より構成される。また、受継部150において、苗が苗搬送体より移植爪151へ投入される。
【0023】
次に各部の構成について説明する。
まず、走行部及び植付け部を支えるシャーシから説明する。図3、図4に示すように、シャーシは、ミッションケース104と、ミッションケース104の前後に設ける前機体フレーム102および後機体フレーム105と、該ミッションケース104と後機体フレーム105とに支持されるハンドルフレーム106から構成され、それぞれを連結固定することにより補強部材を必要とせず補強し合い剛性を高める構成としている。
【0024】
前機体フレーム102の構成について説明する。
前機体フレーム102は、前輪支持軸110と同軸に設けられるパイプフレームと、後輪駆動軸115と同軸に設けられるパイプフレームと、両パイプフレームを連結する連結フレームとから構成される。前輪支持軸110は、前記支持アーム111および前輪112の回動支軸である。以下、詳しく説明する。
【0026】
前記左右の前輪支持軸110には、それぞれ右前輪支持パイプ220Rおよび左前輪支持パイプ220Lが外側に設けられると共に、内側に中央前輪支持パイプ220Mが外側に設けられる。右前輪支持パイプ220Rおよび左前輪支持パイプ220Lは前輪支持軸110に固定され、中央前輪支持パイプ220Mは前輪支持軸110を回動自在に軸支する。
【0026】
また、後輪駆動軸115の左右には、右後輪支持パイプ221Rおよび左後輪支持パイプ221Lが外側に設けられる。右後輪支持パイプ221Rおよび左後輪支持パイプ221Lはミッションケース104に枢支されており、チェーンケース116およびチェーンケース116に設ける後輪117の回動支軸である。
【0027】
前輪支持パイプ220R・220Lにはそれぞれ、取付ブラケット108R・108Lが左右摺動しないように両側に配置したボスにより規制されて回動自在に設けられる。また、後輪支持パイプ221R・221Lの左右にも取付けブラケット109R・109Lが同様に左右位置を規制されて回動自在に設けられる。そして機体の左右で、取付けブラケット108R・109R間および取付ブラケット108L・109L間が、それぞれ連結フレーム222・222により連結される。
また、取付けブラケット109R・109L間は、後輪駆動軸115の前側で、橋架フレーム223により橋架される。
【0028】
前記中央前輪支持パイプ220Mと橋架フレーム223との間には、エンジンフレーム224が橋架される。中央前輪支持パイプ220Mとエンジンフレーム224との間は、エンジンフレーム224の前部に固設した一対の取付ステー224a・224bを介して連結固定される。
エンジンフレーム224はプレート状に構成して、その前部上にエンジン103を載置固定し、後部上にミッションケース104を載置固定している。
以上の各フレームにより、前機体フレーム102が構成される。
【0029】
後機体フレーム105の構成について説明する。
ミッションケース104下部には、後輪駆動軸115の後方で、左右に延出する支持フレーム105aが固設されている。該支持フレーム105aの左右両端には、後方へ延出する後フレーム105b・105bが連結されている。各後フレーム105bの前後中途部上には、ハンドルフレーム106(後述)と連結される中柱105cが立設される。また、支持フレーム105aの左右中央には後方へ延出する後中央フレーム105dが連結されており、該後中央フレーム105dの後部上に、ハンドルフレーム106(後述)と連結される中柱105eが立設される。
以上の各フレームにより、後機体フレーム105が構成される。
【0030】
ハンドルフレーム106の構成について説明する。
図2、図3に示すように、前記後フレーム105bの後部上にハンドルフレーム106の前部が連結され、該ハンドルフレーム106の前部をミッションケース104上部と連結し、前後中途部上に苗供給部107と左右の苗載台131・131を支持し、後部に昇降レバー132や主クラッチレバー133や作業レバーやアクセルレバーやサイドクラッチレバーや高さ調節レバー等の操作レバーを配置している。
【0031】
ハンドルフレーム106は、図2に示すように、平面視「E」状に右フレーム106Rと中フレーム106Mと左フレーム106Lから構成し、右フレーム106Rと中フレーム106Mの前部間にミッションケース104を支持固定し、前後中途部間に連結プレート134を架設して、各連結プレート134の下面に前記後フレーム105b・105b後端上部が固設される。このようにして三者が互いに連結固定されて剛性をアップしている。該連結プレート134下部には苗供給部107の駆動ケースが付設される。
【0032】
右フレーム106Rおよび左フレーム106Lの前部下面には、前記中柱105c・105c上端が連結固定される。また、中フレームMの前部下面には、前記中柱105e上端が連結される。このようにして、ハンドルフレーム106と後機体フレーム105とを連結固定することで剛性をアップしている。
また、右フレーム106Rの前後中途部より苗載台フレーム135が外側方に突設されて苗載台131を取り付け、左フレーム106Lより苗載台フレーム136を外側方に突設して苗載台131を取り付けている。
【0033】
以上で示すように、野菜移植機101のシャーシは、ミッションケース104の前部には前機体フレーム102を取付け、ミッションケース104の後部には後機体フレーム105およびハンドルフレーム106を取付けて構成される。
つまり、ミッションケース104の前後で、シャーシの全体を前機体フレーム102と後機体フレーム105およびハンドルフレーム106とに分割することが可能である。
シャーシを分割構成とすることで、ミッションケース104より左右に延出する後輪駆動軸115と、該後輪駆動軸115を軸支する後輪支持パイプ221L・221Rとのクリアランス調整が容易となる。
また、ミッションケースをシャーシの一部とすることで、シャーシにミッションケースを取付けるための連結部材を不要として、コストダウンとなる。
【0034】
また、前記シャーシは、ミッションケース104の後方で、ハンドルフレーム106とミッションケース104と後機体フレーム105とが互いに連結されて構成される。
このため、ハンドルフレーム106が野菜移植機101のシャーシの一部を構成してシャーシの剛性が強化される。
【0035】
野菜移植機101の機体を昇降可能とする昇降リンク機構について説明する。該昇降リンク機構は、前輪112・112および後輪117・117を上下動させることで、機体を昇降可能としている。
前記エンジンフレーム224の下部内には、前記昇降リンク機構の駆動手段として、油圧シリンダ228が前後方向に配置して後部をエンジンフレーム224に枢支されている。油圧シリンダ228のピストンロッドの前端には、ローラ229が設けられている。
一方、エンジンフレーム224は、図3に示すように、前方を開口した側面視コ状に形成されて、内部に前記ローラ229が前後にスライド自在となるガイド部224cが形成されている。
【0036】
まず、駆動輪である後輪117の昇降機構について説明する。
前記油圧シリンダ228と前記チェーンケース116・116とは、クランク機構を介して連結される。
左右のチェーンケース116・116は、前記左後輪支持パイプ221Lおよび右後輪支持パイプ221Rにそれぞれ固定されて、シャーシに対して回動自在である。前記左後輪支持パイプ221Lおよび右後輪支持パイプ221Rは、シャーシの一構成部材であるミッションケース104に枢支されている。
図3に示すように、機体の左側では、左後輪支持パイプ221Lに、第一ブラケット230が固設され、該第一ブラケット230と前記ローラ229とがリンク231により連結される。リンク231は、第一ブラケット230とローラ229との双方に対して回転自在に設けられる。
【0037】
以上構成により、油圧シリンダ228が駆動してローラ229を前後方向に移動させると、リンク231および第一ブラケット230を介して、左後輪支持パイプ221Lに固設した左側のチェーンケース116が回動する。チェーンケース116の回動により、該チェーンケース116の後部に支持する後輪117が上下動する。機体の右側においても同様の構成である。
このため、簡単な構成で駆動輪の昇降機構が構成される。
【0038】
次に、従動輪である前輪112・112の昇降機構について説明する。
機体の左右で、前輪支持軸110に取付けた左右の前記前輪支持アーム111・111は、シャーシに対して回動自在である。前輪支持アーム111の他端(反前輪支持軸110側)には、前輪112が取り付けられる。
前輪支持軸110に固定される前記左前輪支持パイプ220Lおよび右前輪支持パイプ220Rには、それぞれブラケット233・233が固設される。また、前記左後輪支持パイプ221Lおよび右後輪支持パイプ221Rにも、それぞれ第二ブラケット232・232がそれぞれ固設される。
機体の左右でそれぞれ、第二ブラケット232とブラケット233とが連結リンク234により連結される。連結リンク234は、第二ブラケット232とブラケット233との双方に対して回転自在に設けられる。
【0039】
以上構成により、機体の左側では、チェーンケース116を固定する左後輪支持パイプ221Lの回動に連動して、第二ブラケット232、連結リンク234、ブラケット233を介して、前輪支持アーム111に対して固設の左前輪支持パイプ220Lが回動する。つまり、後輪117を支持するチェーンケース116と、前輪112を支持する前輪支持アーム111とが平行リンク式に構成される。機体の右側においても同様の構成である。そして、前記油圧シリンダ228は後述する畝センサローラ245と制御回路や制御バルブ等を介して接続されて、畝上面の高さに合わせて昇降制御できるようにしている。
このため、前輪112と後輪117とを同期して昇降可能である。
【0040】
以上において、シャーシに備える一つの油圧シリンダ228により、左右の前輪112・112および左右の後輪117・117を同時に昇降可能である。
本実施例では、油圧シリンダ228と駆動輪である後輪117・117とをクランク機構を介して連結し、後輪117を支持するチェーンケース116と前輪112を支持する前輪支持アーム111とを、平行リンク式として連結しているので、機体をほぼ平行に昇降することができるようになる。リンク機構を介して前輪および後輪を同時に昇降可能とする構成は、この本実施例の構成に限定されるものではない。
このため、一つの駆動手段により野菜移植機101が備える全輪を昇降させて、シャーシの昇降が可能となっており、コストダウンに繋がる。
【0041】
機体を支持する車輪のトレッド調節機構について、図5を用いて説明する。
まず、駆動輪である後輪117・117のトレッド調整機構について説明する。左右において、同一の機構が設けられているので、右側についてのみ説明し、左側の説明を省略する。
後輪駆動軸115の外側に設ける前記右後輪支持パイプ221Rは、ミッションケース104に対して回動自在に設けられている。前記チェーンケース116は、前述したように、右後輪支持パイプ221Rに対して固定の構成であるが、直接ではなく間接的に固定される構成である。ここで、右後輪支持パイプ221Rは後輪117の上下回動の支軸であり、六角パイプに構成される。
チェーンケース116には、角パイプである右後輪支持パイプ221Rと嵌合可能なスライドパイプ235が固設されている。チェーンケース116は、後輪117を一端に設け、後輪117を上下回動させる支持アームである。また、スライドパイプ235も右後輪支持パイプ221Rも六角パイプで構成される。
スライドパイプ235の外径は右後輪支持パイプ221Rの内径に対して小であり、右後輪支持パイプ221R内にスライドパイプ235を挿入して嵌合およびスライド可能である。
また、スライドパイプ235の外周には、軸方向(長手方向)に沿って等間隔に取付孔235a・235a・・・が穿設されると共に、右後輪支持パイプ221Rの外周にも取付孔221aが穿設される。そして、スライドパイプ235の左右位置をスライドさせて調整した後、取付孔221aと適宜位置の取付孔235aとに取付ボルト237を挿入して締結し、右後輪支持パイプ221Rに対しスライドパイプ235を固定可能である。
【0042】
以上構成により、シャーシの一部である右後輪支持パイプ221R・左後輪支持パイプ221Lに対し、機体の左右それぞれで、後輪117を支持するチェーンケース116の左右位置を調整可能である。
このため、後輪117・117のトレッドを調整可能である。
なお、本実施例では、六角パイプの嵌合を用いてスライド式のトレッド調整機構を構成としたが、角パイプであれば六角に限定するものではなく、四角、八角等でも良い。
【0043】
次に、前輪のトレッド調整機構について説明する。
左右において、同一の機構が設けられているので、右側についてのみ説明し、左側の説明を省略する。
前記右前輪支持パイプ220Rは、前述したように、前輪支持軸110に対して固定の構成であるが、直接ではなく間接的に固定される構成である。
右前輪支持パイプ220Rの外周には、軸方向(長手方向)に沿って等間隔に取付孔220a・220a・・・が穿設されると共に、前輪支持軸110の外周にも、軸方向(長手方向)に沿って等間隔に取付孔110a・110a・・・が穿設される。そして、右前輪支持パイプ220Rに対して前輪支持軸110の左右位置をスライドさせて調整した後、適宜位置の取付孔110a・220aに取付ピンを挿入して、右後輪支持パイプ221Rと前輪支持軸110とを固定可能である。
以上構成により、前輪112・112のトレッドを調整可能となり、畝幅に合わせて車輪の左右幅を調節できるのである。
【0044】
機体の最前部には、左右一対の畝ガイドローラ218・218が設けられている。
図2、図3に示すように、前記前輪支持軸110と平行に、畝ガイドローラ218・218を支持する支持パイプ225が設けられ、該支持パイプ225は、前記取付ステー224bと、左側の取付ブラケット108Lとにより支持される。
取付ステー224bおよび取付ブラケット108Lは、前輪112の回動支軸である前輪支持軸110・110を回動自在に設ける部材の一部である。また、支持パイプ225は六角軸に構成される。
一方、畝ガイドローラ218を軸支する支持ブラケット226には、支持パイプ225と嵌合可能なスライドパイプ227が軸支されている。スライドパイプ227も六角パイプである。
スライドパイプ227の外径は支持パイプ225の内径に対して小であり、支持パイプ225内にスライドパイプ227を挿入して嵌合およびスライド可能である。また、支持パイプ225およびスライドパイプ227には、軸方向(長手方向)に沿って等間隔に取付孔が穿設されており、スライドパイプ227の左右位置をスライドさせて調整した後、取付ピン236を挿入して、支持パイプ225に対しスライドパイプ227を固定可能である。
【0045】
以上において、角パイプに構成される支持パイプ225により、左右の畝ガイドローラ218・218の支持部が構成される。そして、該支持部に、畝ガイドローラ218・218がそれぞれ左右位置を調節自在に設けられる。
このため、左右の畝ガイドローラ218・218を、シャーシに対してそれぞれ調整可能として、畝幅に応じてガイド幅を調整自在としている。特に、車輪幅(トレッド)に連動しないので、車輪幅と畝ガイド幅とを独立に調整することが可能である。
【0046】
本実施例では、シャーシの前後方向の左右中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側(本実施例では進行方向左側)に偏位して後輪駆動軸115が側方に延設されている。そして、野菜移植機101が畝125を跨いで走行するときに、走行部が左右一側に偏位して走行し、後述するように往路と復路で左右一側二列ずつ(往路で一条目と二条目を、復路で三条目と四条目を)移植できるようにしている。
【0047】
また、本実施例では、機体右側のハンドルフレーム106側部の後輪117後方に主作業者123(図2に図示)が位置し、機体左側のハンドルフレーム106側部の後輪117後方に補助作業者124(図2に図示)が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右側のみ位置し、主作業者123は前記操作レバーを操作するとともに、苗載台131から苗126を取り、苗供給部107の各苗搬送ポット148に一つずつ(あるいは所定本数ずつ)苗を挿入していく。補助作業者124は主作業者123が苗搬送ポット148に挿入できなかった苗搬送ポット148に苗を挿入して補完する。
【0048】
左右一対の前輪112・112は、図2に示すように、平面視で左右角度変更可能に構成されて、前側を内側へ傾斜させることでトーイン式に設けられ、平面視「ハ」字状に配置している。
このため、野菜移植機101の走行直進性が向上している。
【0049】
次に、苗供給部107について図2、図6、図7、図8より説明する。
図2に示すように、ハンドルフレーム106上に苗供給部107が配置されている。つまり、前記左フレーム106Lの中途部より補助作業者124側(機体中心と反対側)へ平面視「コ」字状の支持フレーム137が水平側方へ突設され、該支持フレーム137とハンドルフレーム106の前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成した苗搬送台139が略水平に固設されている。
【0050】
そして、図6に示すように、駆動スプロケット141が左フレーム106Lと中フレーム106Mと右フレーム106Rを連結する連結プレート134上に、従動スプロケット142が左フレーム106Lより側方へ突設した支持フレーム137上にそれぞれ回転自在に支持して配置され、該駆動スプロケット141と従動スプロケット142に無端状に連結したポット取付基部140連が巻回されている。ポット取付基部140にはそれぞれ、一の苗が挿入される苗搬送ポット148が保持される。該駆動スプロケット141へは前記ミッションケース104よりチェーン等の伝動機構を介して動力が伝達される。このようにして苗供給部107が構成される。
【0051】
以上において、ポット取付基部140は、それぞれを連結して長円状を形成する連結体である。また、連結体であるポット取付基部140と、苗搬送ポット148とは、苗搬送手段としての苗搬送体を構成する。後述するが、苗搬送ポット148は、ポット取付基部140(連結体)に対して着脱自在である。
【0052】
前記駆動スプロケット141および従動スプロケット142は、金属、特に、アルミニウムで成型される。また、両スプロケット141・142には、自らの回転中心回りに、それぞれ中抜き部分141a・142aが放射状に多数形成されている。
そして、両スプロケット141・142は、中抜き部分141a・142aの形成により軽量化が図られると共に、金属製(アルミ製)とすることで剛性が保たれている。また、両スプロケット141・142は、アルミ製であるので、成型が容易である。
【0053】
両スプロケット141・142の外周には、該スプロケット141・142の有する歯と歯との間に、それぞれ、ポット取付基部140(連結体)の嵌合環158との当接部141c・142cが形成されている。該当接部141c・142cは嵌合環158と係合するように、円弧状に形成される。
両スプロケット141・142がそれぞれ有する当接部141c・142cの形成数は、本実施例では、16となっている。このため、長円状となるポット取付基部140連の円弧状となる一端部には、両スプロケット141・142の回動位置によらず、8から9のポット取付基部140が位置することとなる。
【0054】
そして、主作業者123は、右側の後輪117の後方を歩行して、長円状となるポット取付基部140連の右端部より苗126をポット取付基部140へ供給する。また、補助作業者124は、左側の後輪117の後方に歩行して、長円状となるポット取付基部140連の右左端部より苗126をポット取付基部140へ供給する。
【0055】
ポット取付基部140連の円弧状となる端部は、作業者123・124による苗供給位置である。両側の苗供給位置はそれぞれ、左右に位置する前記苗載台131・131の近傍に位置する。このため、作業者123・124はそれぞれ、片手の往復運動により、苗載台131から苗供給位置の苗搬送ポット148に苗供給が可能である。
以上において、常時位置するポット取付基部140の数が多ければ多いほど、作業者123・124は、苗搬送ポット148への苗の供給を確実に行うことができると共に、一方の作業者のみにより確実な苗供給を行うことも可能となる。つまり、2条植えにおける苗供給を、一人の作業者により行うことが可能である。
前記スプロケット141・142にそれぞれ、嵌合環158に対する当接部141c・142cを五つ以上形成することで、当接部が四つである十文字形の駆動輪(スプロケット)を用いる場合と比べて、円弧状部を移動する苗搬送ポット148の数が多いので、同じ搬送速度であれば苗を挿入する機会が増加して苗供給を確実に行うことが可能である。
【0056】
また、苗搬送台139が機体中心から偏位した車輪(前輪112・後輪117)側へ延設されることで、苗供給部107が畝125を跨ぐように配設されて、二条植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようになり、畝125の両側に位置する主作業者123と補助作業者124の両者が苗供給部107に対面して苗載台131より苗を取って苗搬送ポット148に苗を供給できるようにしている。
そして、主作業者123が位置する走行部側に駆動スプロケット141を配置して苗供給部107を駆動するようにして、ミッションケース104からの駆動伝達経路が短く、伝達機構をコンパクトに構成できるようにしている。
また、ポット取付基部140連を長円形とすることで前後に左右方向の直線部分(または円弧状の略直線部分)を構成することができて、左右方向の搬送距離を長くして苗を挿入するための時間を長くして苗供給を行なえる時間を長くして挿入抜けがないようにできて、移植するタイミングを従来よりも速くすることで移植効率を上げられるようにしている。
なお、本実施例では苗搬送を長円形としているが、少なくとも直線部分が苗供給部107と後述する受継部150にあればよく、三角形状に構成することも四角形状または多角形状に構成することも可能である。
【0057】
前記ポット取付基部140(連結体)について、図7、図8を用いて説明する。
ポット取付基部140は、苗搬送ポット148を着脱自在とする嵌合環158と、該嵌合環158の両側に形成される第一連結部143aと第二延出部143b・143bとを備える。嵌合環158は、上下を開口した筒体である。また、連結体であるポット取付基部140は、次のようにして無端状に連結される。
水平面内で延出する第一連結部143aと、第二連結部143b・143bとは、嵌合環158の外周面に突設されている。また、第二連結部143b・143bは、それぞれ第一延出部143aの上下に位置する位置関係となる。隣接するポット取付基部140・140間において、一方のポット取付基部140の第一連結部143aと、他方のポット取付基部140の第二連結部143b・143bとは、平面視重複する。
そして、第一連結部143aおよび第二連結部143b・143bが、上方より枢支ピン144を挿入して互いに左右回動自在に枢結されて、ポット取付基部140・140間が連結される。
以上のようにポット取付基部140を構成して、ポット取付基部140・140・・・を無端状に左右揺動自在に連結して無端体を構成し、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
【0058】
そして、該ポット取付基部140の上下中途部側面に前記駆動スプロケット141と従動スプロケット142の外周面とが当接するようにして、本実施例では平面視右回り回動して、補助作業者124側で反転して受継部150側へ苗を搬送するようにしている。
なお、駆動スプロケット141と従動スプロケット142は外周面に多数形成した凹部をポット取付基部140の上下中途部に当接して安定して搬送できるようにしている。但し、チェーンやベルト等の無端体に直接ポット取付基部140を固定し、チェーンまたはベルトを回動駆動する構成とすることも可能である。
【0059】
前記苗搬送ポット148は、図7、図8に示すように、筒体の上部を拡開した形状に構成し、上方より苗を挿入し易い形状としている。
一方、ポット取付基部140の嵌合環158は内部に、苗搬送ポット148を挿入可能に形成されており、苗搬送ポット148の外周面が嵌合環158の内周面に略当接した状態で保持される。この状態の嵌合環158に対する苗搬送ポット148の位置を、苗搬送ポット148の保持位置とする。
以上構成により、苗搬送ポット148はポット取付基部140に対し着脱式に構成される。苗を挿入する苗搬送ポット148と、ポット取付基部140とが別体であるので、苗搬送ポット148の破損時等には苗搬送ポット148のみを交換するだけでよく、メンテナンス性が向上する。また、一条植えや半端な条ができた場合には、一つおきに、つまり、ポット連の奇数または偶数番目の苗搬送ポット148を取り外すことで、間違いなく容易に一条植えができる。また、奇数または偶数番目の苗搬送ポット148の色を他と異なるように構成することで、条毎に別の種類の苗を間違いなく挿入して植えつけることができる。
また、苗搬送ポット148は合成樹脂製であり、下部のポット取付基部140への挿入部がスリガラス状の半透明に形成され、上部が透明体である。一方、ポット取付基部140はアルミ製である。このため、苗搬送ポット148をポット取付基部140に対し着脱式としながら、走行時の振動等により、苗搬送ポット148とポット取付基部140との間で擦れ合って、相互が摩耗したり、異音を発生するなどの不具合が生じない。また、上部が透明であるので、短い苗を挿入した場合でも、挿入ミスがないかも容易に判断できるのである。
【0060】
また、ポット取付基部140と苗搬送ポット148とには、苗搬送ポット148の抜け防止構成が設けられており、互いが嵌合可能に構成されている。
図7に示すように、苗搬送ポット148の外周面上に突起148aが設けられると共に、嵌合環158の内周面には、前記保持位置での突起148aに対応する位置に、嵌合孔158aが形成されている。前記保持位置では、嵌合孔158aに突起148aが嵌合し、ポット取付基部140と苗搬送ポット148との嵌合位置となっている。該両部材の嵌合により、ポット取付基部140からの苗搬送ポット148の抜けが防止される。特に、苗搬送ポット148は前述したように合成樹脂製なので、苗搬送ポット148を撓ませて、嵌合孔158aと突起148aとの係合・離脱を図ることができ、係合・離脱が容易である。
【0061】
このため、走行時の振動あるいは機体を運搬車での積載移動時などの風圧等により、苗搬送ポット148がポット取付基部140から脱落することがない。
なお、本実施例では、苗搬送ポット148の外周面に凸部として突起148aを形成し、嵌合環158の内周面に凹部として嵌合孔158aを形成して、苗搬送ポット148の抜け防止を構成している。
本発明は、この構成に限定されるものではなく、嵌合環158の内周面と、苗搬送ポット148の外周面とに、それぞれ凹部または凸部が形成される構成であれば良い。例えば、凹部としては、貫通孔である嵌合孔158aに代えて、窪みを形成するものとしても良い。また、嵌合環158に凸部を形成し、苗搬送ポット148に凹部を形成する構成としても良い。また、ネジ式のように回転させて嵌合固定することも可能である。
【0062】
ポット取付基部140・140間の連結箇所(第一連結部143aおよび第二連結部143b・143b)の下方には、図7、図8に示すように、シャッター145の回動支点、つまり、シャッター145の支持部が設けられている。
シャッター145は、板状部材の折曲加工により形成された部材であり、平面部145aと、平面部145aの一側に形成される回動支持部145bと、他側に形成されるローラ取付部145cとが備えられる。
回動支持部145bは、シャッター145の搬送方向前側で、前記板状部材が断面視U字状に折曲されて形成された部位である。該回動支持部145bに挿入される支点ピン146を、ポット取付基部140の外周面下部に突設されるシャッター支持部143cに水平方向に固定して、シャッター145がポット取付基部140に対して上下回動自在に係止される。また、U字状とすることで回動支持部145bを組み立てやすく容易に着脱できるようにしている。
そして、平面部145aで前記苗搬送ポット148の下面を蓋する構成としている。また、シャッター145の枢支位置(支点ピン146および回動支持部145b)は、後述するシャッター145の開閉構成のため、シャッター145において搬送方向の前側に設けられている。
ローラ支持部145cは、シャッター145の搬送方向後側の左右一側で、前記板状部材を平面部145aに対して垂直下方に板面が進行方向と平行となるように折曲した部位である。ローラ支持部145cにはローラ147が配置され、該ローラ147は進行方向に対して直角水平方向に支持ピン149を支持して、シャッター145に対し回転自在に枢支される。
【0063】
シャッター145は金属製であり、ローラ支持部145cと平面部145aとはそれぞれ、金属製の一体成型部材(シャッター145)の一部として形成されている。苗搬送ポット148の搬送方向より見て、シャッタ145は「L」字形状である。前記ローラ支持部145cは一端をL字状に折り曲げるだけの構成なので簡単に製作することができる。
このため、ローラ147の取付部材と、苗搬送ポット148の下面を蓋する部材とを別体で構成して、両部材を溶接等の連結方法により連結する場合と比べ、シャッター145の剛性を保つことができる。そして、シャッター145(ローラ支持部145c)の板厚を厚く形成して、錘を付設することなくシャッター145がスムースに回動できるようにしている。
【0064】
シャッター145に設けるローラ147は、苗搬送台139上を転動するようにしている。該ローラ147はポット取付基部140毎に取り付けられるが、搬送方向に対して左右交互にローラ147が配置されている。つまり、一つの苗供給部107において、多数連結したポット取付基部140・140・・・は偶数個とし、それぞれ順に番号を付したときに、奇数に位置するポット取付基部140と偶数に位置するポット取付基部140では搬送方向に対して交互に左右逆側にローラ147・147・・・を配置しているのである。言い換えれば、奇数(または偶数)のローラ147は内周側に、偶数(または奇数)のローラ147は外周側に配置するのである。
【0065】
また、ローラ147は合成樹脂で形成されて、自己潤滑性を有する合成樹脂とすることにより簡単な構成でスムースな回転が得られるようにしている。そして、ローラ147が金属製(アルミ製)の苗搬送台39上を転動する際に、相互が摩耗したり、異音が発生するのを、防止している。
【0066】
そして、前記苗搬送台139は前記ローラ147が転動するレールの役目を果たしている。転動させることでシャッターが摺接する構成に比べて摩擦が小さく摩耗も殆どなく、動力負荷が小さく、騒音も小さくなる。そして、該苗搬送台139の前記ローラ147が転動する経路において、機体上方の苗搬送台139の前部側に開口部(または切欠)139a・139bを左右前後位置をズラせて並設配置している。該開口部139a・139bでローラ147を支えるものがなくなり支点ピン46を中心にシャッター145が下方に回動すると、ポット取付基部140の下方が開口されて、苗が移植部120に落下するようにしている。
つまり、前記受継部150とは、苗搬送台139から移植部120へ苗を受け渡す部位のことである。
【0067】
即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台139の前部右側のポット取付基部140の移動軌跡部に開口部139a・139bを搬送方向に沿って開口し、該開口部139a・139bはポット取付基部140の底面積よりも大きくして苗を落下できるようにするとともに、搬送方向に対しては連結したポット取付基部140の3ピッチまたは5ピッチ離れた位置に開口しており、この間隔は条幅(条間隔)に合わせている。
そして、進行方向に対して一方は左右一側を、他方は左右他側をそれぞれローラ147が落ち込むように位置を合わせて側方に大きく開口し、ローラ147が位置しない側はポット取付基部140の底面よも若干広げる程度で苗は落下する(シャッター145が下方へ回動できる)が、進行方向前後隣接するポット取付基部140に付設されているローラ147は落ち込まないようにしている。つまり、開口部139a・139bはポット取付基部140の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に広げて開口している。
【0068】
そして、開口部139a・139b内における進行方向終端側のローラ147が通過する位置には、徐々に上昇して苗搬送台139のローラ147転動面につながるスロープ(傾斜面)139c・139cがそれぞれ設けられている。スロープ139c・139cの傾斜方向は、搬送方向に対し前高後低であり、ローラ147が引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャッター145が閉じるようにしている。
シャッター145の開閉は、ローラ147の下方に、該ローラ147の当接する苗搬送台139の有無により行われる。特に、シャッター145において、開放から閉鎖に至る際には、スロープ139cにローラ147が案内されることで行われる。シャッター145の開閉構成が以上のようなものであるので、前述したように、シャッター145の枢支位置を搬送方向の前側とすることで、シャッター145がスロープ139cとの当接時に、必ず閉鎖方向に回転するようにしている。
シャッター145の枢支位置を搬送方向の後側に設ける場合は、シャッター145の開放角度やスロープ139cの傾斜角度の大きさによっては、シャッター145のスロープ139cへの当接時に、さらに開放方向へ回動したり、シャッター145がスロープ139cに抵抗したりする可能性がある。
【0069】
このように、苗供給部107は長円状にポット取付基部140・140・・・が配置されて、機体後方の主作業者123と補助作業者124が位置する前を順に通過して、その通過時に苗126を苗搬送ポット148内に挿入し、その前方の移植部120が位置する上方へ回転移動させる。この移植部120上方位置において、3ピッチ離れたローラ147・147が同時に開口部139a・139b内に落ち込み、シャッター145・145を下方に回動して開き、苗を落下させて移植部120の移植爪151・151内に投入するようにしている。この落下させる部分を受継部150とする。つまり、受継部150は駆動スプロケット141が位置する苗供給部107の駆動側に位置し、機体側に位置することによって移植部120と近づけることができて受継が良好となる。
そして、ローラ147・147はスロープ139c・139cに当接して徐々に上昇してシャッター145・145を閉じるのである。従って、一つの移植爪151に対してポット取付基部140から一つおきに供給される。つまり、奇数となるポット取付基部140は左右の開口部の左側(または右側)、偶数となるポット取付基部140は右側(または左側)の開口部で下方のシャッター145が開かれ、奇数と偶数で左右の条(1条と2条または3条と4条)の移植爪151・151に落下することになる。よって、同時2条の植付けが可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのである。
【0070】
前記駆動スプロケット141および従動スプロケット142には、前述したように、連結体であるポット取付基部140連が巻回されている。支持フレーム137上に回転自在に支持される両スプロケット141・142は、シャーシの左右両側に配置されている。
そして、ポット取付基部140の嵌合環158が、両スプロケット141・142と当接するように配置される。スプロケット141・142の外周に形成される歯は、嵌合環158・158間に嵌まり込むと共に、前記歯間の外周は、嵌合環158の外周面と滑らかに接するように、円弧状の凹部に形成されている。そして、両スプロケット141・142と当接して係合するポット取付基部140連は、駆動スプロケット141の駆動により駆動される。
【0071】
駆動スプロケット141の中心部には、自らに巻回するポット取付基部140連との係合位置を調整するための、位置調整部が形成されている。
図6に示すように、駆動スプロケット141と同心に駆動軸182が設けられている。駆動軸182には支持板183が固設されており、該支持板183には、後述のボルト184を締結可能とする一対のボルト孔(不図示)が形成されている。また、駆動スプロケット141には、駆動軸182を挟んで対抗する一対の調整用長孔141b・141bが形成されている。該一対の調整用長孔141b・141bにより、前記位置調整部が構成される。
そして、支持板183に調整用長孔141b・141bを挿通するボルト184・184を締結することで、駆動スプロケット141が駆動軸182に固定される。また、調整用長孔141bの形成長さの範囲内で、駆動軸182(支持板183)に対する駆動スプロケット141の固定位置を調整可能である。調整用長孔141b・141bは、駆動軸182と同心となる円弧に沿って形成されており、ボルト184による締結を緩めた状態で、支持板183に対し駆動スプロケット141を回転移動可能である。
【0072】
このため、前記受継部150において、苗搬送ポット148を備えるポット取付基部140(連結体)から移植部120への苗の受渡しに際し、前記位置調整により、苗供給部107での苗搬送と、移植部120での苗搬送とのタイミング合わせを図ることができる。なお、苗供給部107および移植部120は共に、ミッションケース104から駆動力を得ており、同期して駆動するものであるため、タイミングがズレた場合には、タイミング調整を要する。また、該タイミング合わせは、より詳細には、シャッター145の開放タイミングと、移植部120に設ける移植爪151が自らの移動軌跡の最上位置(苗受取位置)へ到達するタイミングとの調整である。
【0073】
また、従動スプロケット142の中心部にも、自らに巻回するポット取付基部140連との係合位置を調整するための、位置調整部が形成されている。
図6に示すように、従動スプロケット142と同心に支持軸282が設けられている。支持軸282には支持板283が固設されており、該支持板283には、後述のボルト284を締結可能とする一対のボルト孔(不図示)が形成されている。また、従動スプロケット141には、支持軸282を挟んで対抗する一対の調整用長孔251b・251bが形成されている。該一対の調整用長孔251b・251bにより、前記位置調整部が構成される。
【0074】
さらに、従動スプロケット142には、図9に示すように、左右方向への位置調節部が設けられている。
前記支持フレーム137は、支持部250と、該支持部250を支持する一対の基部251・251とを備えている。支持部250は、従動スプロケット142を回動自在に支持すると共に、苗搬送台139の左方に設ける左苗搬送台249を支持する。
基部251は四角パイプ251aを備え、支持部250には、基部251に内嵌される内パイプ250a・250aが一対設けられている。基部251内にはスプリング252と制止板253とが内設されており、該スプリング252は前記内パイプの先端面と制止板253とに当接する。制止板253は後述する左右方向への位置調整部の構成により、反支持部250側への移動は制止されており、支持部250は一対のスプリング252・252により、側方(左方)へ付勢される。そして、前記ポット取付基部140連を駆動に応じて弾力的に支持するようにしている。
【0075】
基部251には、四角パイプ251aの右端を閉鎖する取付部254が固設されている。該取付部254には雌螺子が形成されて、基部251の外側より内部へ挿入される調整ボルト255と、螺合可能である。該調整ボルト255の軸先端が前記制止板253に当接して、該制止板253の反支持部251側(調整ボルト255側)への移動を制止する。
そして、調整ボルト255の基部251内部への挿入長さを調節することにより、支持部250の左右位置が調整される。したがって、支持部250に回動自在に支持される従動スプロケット142の左右位置が調整可能である。なお、一対の基部251・251に対応する一対の調整ボルト255・255を、それぞれ取付部254に対して回動させることで、前記挿入長さは調整される。
以上のように、従動スプロケット142の左右位置調整部が構成され、従動スプロケット142に巻回するポット取付基部140連のテンションを調節可能である。そして、駆動スプロケット141によるポット取付基部(連結体)140連の駆動を良好なものとすることができる。したがって、長円状の軌道に沿って移動するポット取付基部(連結体)140連に、弛み等が発生せず、移植爪151との完全な連動を図ることができ、移植爪151への苗の受け渡しも確実に行われるものとなる。
【0076】
前記苗搬送ポット148の上端位置は、図1で矢視Aに示すように、ハンドルフレーム106の上端位置よりも高くなるように、構成されている。
このため、主作業者123および補助作業者124が、苗搬送ポット148に苗を供給する際に、ハンドルフレーム106が障害とならないので、苗供給が容易なものとなっている。
【0077】
次に、移植部120について図10乃至図13より説明する。
前記後フレーム105b・105bの間の機体中央部におけるミッションケース104の後方に移植部120が配設される。該移植部120は、機体左右対称位置に配置して受継部150から畝125へ搬送する左右一対の移植爪151・151と、各移植爪151の左右一側にそれぞれ配置され駆動ケースとなるロータリケース152・152と、各移植爪151の左右他側に配置してガイド部となる昇降ガイド153・153と、これらを連結するアームやリンク等から構成されている。ロータリケース152・152と昇降ガイド153・153はシャーシに固定され、この間に移植爪151・151が配設され、該移植爪151・151は前記受継部150の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成されている。
【0078】
前記左右のロータリケース152はそれぞれ、図10から図13に示すように、左右の支持台121に固設した左右方向の支持軸154に、回転自在に支持される。右側の支持台121は、後中央フレーム105dと中柱105eとに支持される支持フレーム138に、ボルト締結固定される。また、左側の支持台121は、左側の後フレーム105bと左側の中柱105cとに支持される支持フレーム138に、ボルト締結固定される。
支点軸154はそれぞれ、一端側がロータリケース152に挿入される。支点軸154の他端側では、支点軸154と同軸に、伝動体となるスプロケット155がロータリケース152に固設されている。ミッションケース104からは、図10に示すように、左右方向に植付出力軸104aが延出されており、該植付出力軸104aには、各支点軸154のスプロケット155と左右位置が対応する位置に、スプロケット127・127が設けられている。
そして、左右それぞれで、スプロケット127・155間をチェーン等の伝動手段を介してミッションケース104と連動連結され、該移植部120と前記苗供給部107が同期して駆動するように構成されている。また、支持フレーム138にはボルト締結孔が上下方向の長溝に形成されており、支持フレーム138に対する支持台121(スプロケット155)の締結固定位置を変更して、チェーンのテンションを調整可能である。
なお、スプロケット127・155の代わりに歯車等により伝動する構成とすることもでき限定するものではない。
【0079】
以上のようにして、各移植爪151を左右でそれぞれロータリケース(駆動ケース)152と連結して、それぞれ独立して駆動する構成としている。
左右の移植爪151・151を同時に一つの駆動ケースで駆動する場合には、両移植爪151・151の同期を図るため両移植爪151・151を連結部材を介して連結することとなる。この場合、駆動ケースに対して近い側と遠い側とで作用する駆動力に不均衡が生じ、左右で植付性能が異なったり、駆動時につっぱるなどの抵抗が生じたりする。
以上のように、二つのロータリケース(駆動ケース)152により移植爪151・151を独立して駆動することで、各移植爪151に作用する駆動力の不均衡を無くし、左右で同一の植付性能が発揮されるようにしている。
【0080】
前記ロータリケース152内には三つの歯車が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケース152他側より出力軸156を前記スプロケット155と反対側に突出している。該出力軸156上にアーム157の一端が固設されている。こうして、ロータリケース152が一回転すると同時にアーム157が逆方向に一回転するように前記歯車が設定されている。
前記アーム157の他端には、移植爪支持軸159の一端が固設され、該移植爪支持軸159の他端側には、図11、図12に示すように、左右のプレートより構成される移植爪支持体160の一側(前側)が軸受を介して回転自在に支持されている。また、左右のプレート間の移植爪支持軸159上には、開閉カム161を固設している。
【0081】
移植爪151は、くちばし状となる前後一対の爪体128・129から構成される。
爪体128・129はそれぞれ、土中に貫入する正面視(後面視)三角形状の爪部128a・129aを備えている。爪部128a・129bはそれぞれ、中空の円錐状部材を、中心軸に沿った平面で分割して形成される部材の一方および他方である。
爪体128・129は略同様の構成であるので、爪体128について説明し、その後に爪体129に関しては、爪体128と相違する点について説明する。
爪体128の爪部128aの上端には、平板状の基部128bが設けられる。前後方向(くちばし状による)反開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第一支持部128c・128cが設けられ、開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第二支持部128d・128dが設けられる。
爪体129にも、基部129b、第一支持部129c・129c、第二支持部129d・129dが備えられ、同様の構成であるが、第二支持部129d・129d間の間隔は、爪体128の第二支持部128d・128d間よりも幅広に形成されている。この点が相違している。
そして、支持部129d・129d間に支持部128d・128dが配置され、移植爪151の左右で、支持部128d・129d間がそれぞれ枢支軸164により枢支されて、爪体128・129が開閉可能とされる。
また、平板状の基部128b・129bは、図12に示すように、爪部128a・129aと平面視重複する部位が切除されて、移植爪151の上方から投下された苗126が爪部128a・129aの内部に収納されるようにしている。
【0082】
前記移植爪支持体160の他側(後側)には漏斗状のカップ160aを形成して、前記受継部150よりカップ160aに苗が入り易くし、該カップ160a下部に開閉可能に移植爪151を配置している。
移植爪151の開閉機構は、前記カップ160aの前方と後方に同距離離れた位置に、爪支点軸163・163を一対ずつ左右水平方向に設け、該爪支点軸163に移植爪151の前後一端(前記第一支持部128c・129c)を枢支している。カップ160aの前後には、カップ160aと固設される移植爪支持体160が位置し、カップ160aの前後で、移植爪支持体160および爪体128・129間に爪支点軸163・163が設けられる。
そして、移植爪151は前後略対称に構成したくちばし状の爪部128a・129aを合わせた状態で苗を収納支持し、開いた状態で苗を落下させるようにしている。
また、前記枢支軸164・164とカップ160a上部との間にバネ169・169を介装し、枢支軸164・164を持ち上げるようにして、移植爪151を閉じるように付勢している。
【0083】
平面視において、爪部128a・129aの上端部により形成される円の中心は、カップ160aの中心に対し、左右方向にズラした位置となるように、移植爪151は構成されている。爪部128a・129aの上端の円内部に、カップ160a下端円が納まるように、該上端円は前記下端円よりも大きく形成されるので、前記上端円と前記下端円の中心がズレていても、受継部150における苗の受渡しは確実に行われる。
爪体128・129において、爪部128a・129aはそれぞれ、基部128b・128bの左右中心よりも左右方向にズラした位置に設けられている。前述したように、爪体128・129は略同様の構成であり、前後位置を置換して、移植部120に設けることが可能である。爪体128・129の前後位置を置換すると、爪部128a・129aの基部128b・128bに対する左右位置が逆転することとなる。
このため、移植爪151・151の取付間隔を調整することで、苗の植付幅を調節することができる。図10に示す移植爪151・151は、植付幅が広く取られた場合の配置である。図10に示す状態より、爪体128・129の取付位置の置換を行うことで、植付幅を狭くした配置とすることが可能である。
【0084】
前記開閉カム161側に位置する爪体129の爪支点軸163上には当接アーム165の一端が枢支され、該当接アーム165の他端にローラ166を設けて前記開閉カム161の外周に当接するように構成している。該当接アーム165と爪体129の第一支持部129c・129cとの間には、爪開閉量調節機構167が設けられており、該爪開閉量調節機構167は両者間にボルト168を螺装して、該ボルト168を回動することにより両者の間隔を調節して、爪体129の回動量を調節できるようにしている。
なお、爪体129と爪体128の取付位置を置換した場合には、爪開閉量調節機構167は、当接アーム165と爪体128の第一支持部129c・129c間に位置する。そして、前記と同様にして、爪体128の回動量を調節可能である。
【0085】
つまり、前記バネ169により爪体128・129は閉じるように付勢され、支点軸163に対して反対側に位置する当接アーム165の先端は開閉カム161に当接されて回動が規制されている。即ち、開閉カム161の外周形状によって爪体129が回動して移植爪151が開閉されることになるのである。このように構成することによって、常に移植爪151は閉じ方向に付勢され、開閉カム161により強制的に開くように制御されるため、開き位置でロックするような構成では、十分な開きが得られないとロックできずに苗を落とすことができない場合があったが、本実施例のように構成することで確実に開いて苗を落下させることができるのである。
【0086】
また、前記ロータリケース152と左右反対側に位置する移植爪支持体160の前部で、移植爪支持体160より支持軸170が昇降ガイド153側の側方に突出され、該支持軸170の端部にローラ171を設けて上下方向に配置した昇降ガイド153に嵌入して、移植爪151の昇降をガイドするようにしている。
【0087】
一対の昇降ガイド153・153は、図10、図12に示すように、ハンドルフレーム106と後機体フレーム105との間に架設されている。
より詳細には、左側の昇降ガイド153は、図12、図13に示すように、前記中フレーム106Mと前記支持フレーム138とに支持されている。なお、該昇降ガイド153は、支持フレーム138の左側に固定され、ロータリケース152を回動自在に設ける前記支持台121は、支持フレーム138の左側に固定される。
また、右側の昇降ガイド153は、前記右フレーム106Rと右側の前記後フレーム105bとに支持されている。
昇降ガイド153・153はそれぞれ、移植爪151に対し、ロータリケース152の反対側(左右他側)に配置されており、ロータリケース152の移動軌跡と交わることがなく、駆動の障害とならない。
【0088】
このような構成において、移植爪151が上昇端に位置して爪体128・129は閉じて、受継部150において、苗供給部107より苗が投入されると、ミッションケース104からの動力によりロータリケース152が回動され、アーム157も同時に回動されて、左右の一対の移植爪151・151は同時に、昇降ガイド153に沿って下降し、移植爪151は略楕円軌跡を描いて下降する。
そして、下端位置まで下降すると、開閉カム161の回動により、該開閉カム161に当接した当接アーム165が回動されて(開閉カム161の小径部に当接する)、爪支点軸163・163を中心に爪体129が回動されて、移植爪151・151が開かれ、畝125中の下端位置で苗が落下放出されるのである。更に回動すると、移植爪151・151が上昇されて、上昇位置で開閉カム161の回転により左右一対の移植爪151・151が同時に閉じられるのである。
【0089】
畝高さを検出するための畝センサローラ245は、図1に示すように、前後方向では、ミッションケース104と移植爪151との間に配置されている。左右位置では、左右の移植爪151・151の間となっている。畝センサローラ245と、エンジンフレーム224とは、支持アーム246を介して連結され、支持アーム246はエンジンフレーム224に対して回動自在に設けられる。畝高さの変化に応じて支持アーム246が回動して畝高さが検出されるものとなっており、支持アーム246の先端は油圧シリンダ228への油量を調節する油圧バルブに接続されている。そして、畝高さの変化に応じた支持アーム246の回動により、油圧バルブの切替え操作が行われて、油圧シリンダ228の駆動が制御される。
以上のように、畝センサローラ245を左右の移植爪151・151間に配置することで、移植爪151による植付け作業の障害となることなく、畝高さの検出が可能である。そして、畝高さの検出に基づいて、前記昇降リンク機構により機体の高さを変更して、畝高さによらず植付深さが一定に保たれるようにしている。
【0090】
移植爪151への灌水機構について、図1、図2、図4、図11、図15、図14を用いて説明する。
該灌水機構は、シャーシに設ける水タンク186および灌水ポンプ187と、移植爪151の内部に挿入される灌水管188と、これらの部材間を連結するパイプやホース等の連通部材からなる。
【0091】
一対の水タンク186・186は、図1、図2に示すように、前輪112の回動支軸である前輪支持軸110と、後輪117の回動支軸となる左後輪支持パイプ221Lとの間に形成される空間部に、配置される。該空間部には水タンク186・186の載置台242が設置され、該載置台242上に水タンク186・186が載置される。左右方向では、エンジン103の側方である。
載置台242は、図15に示すように、平面視矩形状の支持フレーム243と、正面視「L」字状で側面視および平面視では矩形状となるガイドフレーム244とを連結して構成される。なお、図15(a)は載置台242の側面図であり、図15(b)は載置台242の平面図である。また、支持フレーム243の長手方向両端部には、それぞれ側面視「コ」字形状の取付部243aと、側面視「L」字形状の取付部243bとが固設されている。取付部243bは「L」字形状であるが、取付部243bと支持フレーム243とで「コ」字形状となって、パイプ等を挿入可能な形状となっている。
そして、取付部243aを前輪支持軸110の外側の左前輪支持フレーム220Lに挿入し、取付部243bを後輪支持軸115の前側に位置する橋架フレーム223に挿入して、載置台242をシャーシに取付可能である。
以上構成により、載置台242は、シャーシに対して着脱自在に設けることが可能となっている。
【0092】
支持フレーム243は側面視では、上方が開放側となる「コ」字形状のフレームであり、支持フレーム243の最下位置は、左前輪支持パイプ220Lおよび橋架フレーム223の下方となっている。このため、支持フレーム243上に載置される左右一対の水タンク186・186は、前後方向に滑ることがない。また、一対の水タンク186・186の右側には、ガイドフレーム244の上方延出部が位置し、左側には、連結フレーム222が位置する。このため、水タンク186・186は、横方向上部位置が支持されて、左右への傾動を制止される。
【0093】
以上のようにして、水タンク186・186は、載置台242および前機体フレーム102により安定的に支持される。
また、シャーシの空きスペースを利用して水タンク186・186の載置部を形成するので、水タンク186・186載置のために、機体の全長や全幅の増加を図る必要がない。
【0094】
水タンク186は、本実施例では半透明の材質で形成されている。透明の材質としても良い。そして、、作業者からの水タンク186内部の視認性が良好としている。このため、水タンク186内の水残量の確認と、灌水が実施されているかどうかの確認とを行うことが可能である。
【0095】
野菜移植機101には、図2に示すように、左右の移植爪151・151に対応して、一対の灌水ポンプ187・187が設けられる。そして、灌水ポンプ187・187は、図14に示すように、支持フレーム105a上に立設した支柱217に支持される。支持フレーム105aへの支柱217の固定は、支柱217の左右でボルト261・261(図14には一方のボルト261のみ図示)の締結固定により行う。
支柱217上には、左右の灌水ポンプ187・187を支持する支持フレーム239が固設される。支持フレーム239の前部には、左右にシリンダ187b・187bが固設される。シリンダ187bには後方に延出するプランジャ187cが挿入されており、プランジャ187cの後端にはローラ187dが回動自在に設けられている。
また、支持フレーム239の後部には、左右のローラ187d・187dと当接するアーム240が枢支されており、アーム240の反枢支側の端部には、ローラ241が回動自在に設けられている。
一方、前記植付出力軸104aにはスプロケット127・127間に、図10に示すように、カム192が固設されており、該カム192はローラ241と当接する。そして、植付出力軸104aの回転により、ローラ241を枢支するアーム240が前後回転し、各ローラ187d・187dを介して各プランジャ187c・187cが進退動されて、左右の灌水ポンプ187・187が駆動する。
以上のように、移植部120を駆動する植付出力軸104aにカム192を設けて、灌水ポンプ187・187の駆動を行っているので、灌水ポンプ187・187からの水送出タイミングと、移植部120における移植爪151・151の植付けタイミングとを、同調させることが可能である。
【0096】
水タンク186・186の載置台242および一対の灌水ポンプ187・187は、前述したように、シャーシに対して着脱自在に設けられている。
載置台242は、左前輪支持フレーム220Lと橋架フレーム223とに取付ける構成であり、一対の灌水ポンプ187・187は、自らを支持する支柱217を支持フレーム105aへ取付ける構成であり、着脱可能である。
以上構成により、必要に応じて灌水機構の取付および取り外しが可能となっている。灌水の要否は、植付の対象となる作物や地域によって異なるものであり、また、植付と同時に灌水を行わない場合もある。着脱機構の着脱を可能とすることで、灌水の要否に対応することが可能である。
【0097】
図2に示すように、水タンク186・186と灌水ポンプ187・187の配設位置は、シャーシの左右において、反移植爪151・151側となっている。ここで、移植爪151・151側には、エンジン103およびミッションケース104や、移植爪151への駆動伝達機構等が配置されている。
水タンク186・186と灌水ポンプ187・187の配設位置を以上のようにすることで、野菜移植機101全体の重量バランスを左右で均等に保つことができ、機体の安定性が確保される。また、シャーシの空きスペースを有効活用できる。
【0098】
特に、水タンク186・186は、図2に示すように、車輪および車輪の回動支軸を除いたシャーシの側端部に配置される。車輪とは、前輪112・112および後輪117・117である。回動支軸とは前側では、前輪支持軸110・110および該前輪支軸110に固設の前輪支持パイプ220R・220Lであり、後側では、後輪支持パイプ221R・221Lのことである。これらを除いたシャーシの両側端にはそれぞれ、連結フレーム222・222が位置する。
水タンク186・186は、図2に示すように、左の連結フレーム222の内側、つまり、前記除いたシャーシにおける左の側端部に配置されている。
このため、水タンク186の機体からの着脱が容易である。したがって、圃場作業の途中における給水も容易に行うことができる。
【0099】
灌水ポンプ187のシリンダ187bには、吸入口と吐出口とが設けられ、吸入口と水タンク186とが灌水ホース198aを介して連結され、吐出口と移植爪151に設ける灌水管188とが同じく灌水ホース198bを介して連結される。
前記水タンク186による給水は、例えば圃場作業の途中において、用水路等から補給することがあるので、灌水ポンプ187の吸入口には、フィルタが装着可能とされている。
【0100】
本実施例では、一対の灌水ポンプ187・187と、一対の水タンク186・186とが設けられて、各移植爪151へそれぞれの灌水ポンプ187および水タンク186が灌水ホース198a・198bを介して繋がっている。水タンク186は必ずしも一対設ける必要はなく、必要水量に応じて一つの水タンクを設けることとしてもよい。
【0101】
灌水管188は前記移植爪支持体160に固設されており、一端が移植爪支持体160の前方に延出して灌水ポンプ187の吐出口と連結され、他端が移植爪151の爪体128・129間に挿入されている。
以上のようにして、灌水ポンプ187の駆動により、水タンク186内の水を灌水ホース198a・198bを介して、移植爪151内に挿入した灌水管188に送水して灌水する構成としている。
このため、苗が土中に安定して保持されると共に、植付直後の給水作業も不要となり活着性が向上する。また、植付時に開口した移植爪151からの苗の滑り出しが良好となる。また、畝中で開口する移植爪151の中に土が付着しても除くことができ、移植爪151内部への土の堆積を防止することができる。
【0102】
移植爪151のスクレパー機構について、図11、図16、図17を用いて説明する。
移植爪151には、前記灌水機構により水が供給される。本スクレパー機構は、植付時に供給される水のため、畝中への貫入時に爪体128・129に付着する泥を除くものである。
前記後フレーム105b・105bの前部下面にはそれぞれ、図11に示すように、支持フレーム201・201が固設されており、各支持フレーム201の下端部に支持アーム202が枢支されて昇降回動自在である。支持アーム202の前後中途部と、後フレーム105bの支持フレーム201後部とには、スプリング203が張設されており、支持アーム202の開放端(反枢支側端部)が常時上方に付勢されている。
【0103】
支持アーム202には、該支持アーム202に沿って移動自在とされる移動体204・204がそれぞれ設けられており、左右の移動体204・204間に一対のスクレパーワイヤー205・205が張設されている。一対であるスクレパーワイヤー205・205は、中央部で交わるように平面視「X」字状に設けられ、スクレパーワイヤー205・205と移動体204・204とによって、二つの空間が生じるようにしている。
スクレパーワイヤー205・205は、移植爪151・151との位置関係では、移植爪151・151の左右外側に張設されており、移植爪151・151の外周に当接するように配置されている。そして、前記空間の一方に、一方の移植爪151の爪体128・129が挿入され、前記空間の他方に、他方の移植爪151の爪体128・129が挿入される。
また、スクレパーワイヤー205・205の一端側(左側)は、それぞれスプリング206を介して移動体204に連結されている。このため、移植爪151の上下動に伴って、スクレパーワイヤー205・205は爪体128・129の外周に当接したまま、前後に伸張および収縮する。
【0104】
このため、ロータリケース152の駆動による移植爪151の上下動に伴って、スクレパーワイヤー205・205により、移植爪151の外周の付着物を除去することができる。特に、移植爪151に灌水する灌水機構を設けた場合には移植爪151の外周に泥が付着するが、スクレパーワイヤー205・205により、該泥を除去可能である。
また、本実施例では、スクレパーワイヤー205・205を交差させる構成としたが、スクレパーワイヤー205・205を左右方向に平行に設けるようにしてもよい。
なお、以上の効果は、スクレパーワイヤー205・205の支持構造を、シャーシ(後フレーム105b・105b)に対し昇降回動自在とした支持アーム202・202に設ける構成に限定されない。スクレパーワイヤー205・205が、移植爪151・151の左右に配置される構成であれば、シャーシに対して固定した状態で張設する構成であっても良い。
【0105】
スクレパーワイヤー205・205は、前述したように、シャーシに対し揺動自在とした支持アーム202・202に設けられており、移植爪151の上下動に伴って上下動する。
図11に示すように、移植爪151が最上位置(苗受取位置)にあるときには、支持アーム202・202も最上位置にあり、移植爪151が下端位置(苗植付位置)にあるときは、最下位置となる。移植爪151が最上位置のとき、爪体128・129の下端部のみが前記空間に挿入され、移植爪151が下端位置のとき、爪体128・129の上部が前記空間内に位置する。また、前記空間は移植爪151の下降に伴って、三角形状(移植爪151の最上位置)から五角形状(図16に図示)に拡張する。
【0106】
以上のように、上下動する移植爪151に対し、スクレパーワイヤー205・205が、移植爪151の上昇時に移植爪151の下端に位置し、下降時に移植爪151の上部に位置するように構成して、移植爪151の上下動にスクレパーワイヤー205・205が連動するようにしている。
このため、移植爪151の上下動によって、移植爪151とスクレパーワイヤー205・205との当接部位に加わる衝撃を和らげて、該当接部位の摩耗の防止と、移植爪151が上下動時に受ける抵抗の軽減とが図られるようにしている。前記衝撃は、支持アーム202を上方に付勢するスプリング203により、吸収されて低減される。
【0107】
前記移動体204は、図17に示すように、機体外側を開放側とする断面視「コ」字状の取付部材207を備え、該取付部材207の開放側(図17中左側)の上下間を連結ピン208・208により連結し、支持アーム202を囲うようにしている。
取付部材207の閉鎖側端面(図17中右側端面)には、機体内側へ延出するプレート219が固設されており、該プレート219には一対の取付孔219a・219aが形成されている。該取付孔219a・219aに、左側の移動体204においては、スクレパーワイヤー205・205の端部に設ける前記スプリング206の一端が取付けられる。
また、右側の移動体では、該取付孔219a・219aに、スクレパーワイヤー205・205の他端(反スプリング206側端)に取り付けた取付板205a・205aが、連結ピン220・220を介して連結される。そして、左右の移動体204・204間で、スクレパーワイヤー205とスプリング206との連結体が一対、張設されるようにしている。
一方、前記連結ピン208・208にはそれぞれ、同軸上にローラ209が設けられており、ローラ209は連結ピン208に対して回動自在である。そして、ローラ209・209は、スプリング206による機体内向きへの付勢力により支持アーム202側面に当接し、支持アーム202に沿って転動可能である。
以上構成により、移動体204・204は、支持アーム202に沿って摺動自在である。
【0108】
以上のようにして、スクレパーワイヤー205・205の両側は、シャーシ(後フレーム105b・105b)に対して昇降回動自在に設けた支持アーム202・202に、移動体204・204を介して、摺動自在に取り付けられている。また、支持アーム202・202は、左右一対設けた移植爪151・151の外側に位置している。
このため、上下に移動する移植爪151の移動軌跡が側面視曲線状となり、移植爪151が上下動に加えて前後動をも行う場合でも、スクレパーワイヤー205・205が移植爪151に追従して前後動でき、スクレパーワイヤー205・205と移植爪151外周との当接が確実に行われる。したがって、移植爪151外周の付着物(泥)の除去作業の効率が向上する。
【0109】
次に、覆土輪122の支持構成について図18乃至図21より説明する。
前記左右の後フレーム105b・105bの前後中途部下面から下方にステー172・172が突設され、該ステー172・172に覆土輪フレーム173の前端が支点軸180により枢支されて枢支部としている。該枢支部近傍に後述するロック部189が設けられている。該覆土輪フレーム173は平面視U字状に構成し、後端部より後方にハンドル174を突出し、左右中央部より上方に支持ステー175を突設し、下方に取付フレーム176を垂設している。
【0110】
前記取付ステー176下端に前後方向に枢支軸190を突設し、該枢支軸190上に覆土輪支持フレーム191の下部を枢支している。該覆土輪支持フレーム191は後面視において、横「E」型に構成して、中央のフレーム下部に前記枢支軸190を枢支し、左右両側のフレームと中央のフレームの下部の間に覆土輪122・122・122・122を左右一対ずつ回転自在に配置している。この一対の覆土輪122・122・・・は前記移植爪151・151の進行方向の線を跨ぐ構成としている。こうして、左右中央下部に枢支軸90を配置して左右の覆土輪122・122・・・を左右傾倒自在に支持して、畝125上面の傾斜に追随して覆土精度を高め、移植後の苗126の根部の両側を押さえる構成としている。
【0111】
覆土輪122・122・・・は、覆土輪支持フレーム191に次のようにして支持されている。
覆土輪支持フレーム191の左右下端部にはそれぞれ、図19、図20に示すように、前後方向に延出する支持フレーム210が固設されており、支持フレーム210の前端部には覆土輪支持フレーム191の内側へ延出する車軸211が突設されている。該車軸211に覆土輪122が回動自在に支持される。覆土輪支持フレーム191の中央下端部にも、前後方向に延出する支持フレーム212が固設されており、支持フレーム210の前端部には左右両側へ延出する車軸211・211が突設されている。該車軸211に覆土輪122が回動自在に支持され、中央の支持フレーム212により二輪の覆土輪122・122が支持される。また、覆土輪支持フレーム191の下部となる該支持フレーム212に、前記枢支軸190が回動自在に設けられている。
【0112】
左右の支持フレーム210・210の後端部にはそれぞれ、図19、図20に示すように、覆土輪支持フレーム191の内側へ延出するスクレパー213が固設されている。スクレパー213は覆土輪122の外周後端に当接し、覆土輪122の外周形状に合わせて切欠きを設けた平面視略矩形状(台形状)に形成される。同じく、中央の支持フレーム212の後端部にも、左右両側へ延出する一対のスクレパー213・213が固設されている。
各スクレパー213はそれぞれ覆土輪122の外周後端に常時当接し、覆土輪122の外周上に付着した泥等の付着物を除去する。このため、前記灌水機構により移植爪151内への灌水を行って畝上に泥が生じても、覆土輪122に付着した泥を除去できる。
【0113】
前記左右で一対ずつ設けられる覆土輪122・122は、両覆土輪122・122間のトレッドを調整可能に構成されている。
前記車軸211には、図20に示すように、該車軸211の延出方向に沿って、外径の異なる二つの部位が形成されている。両部位は、覆土輪122に挿入される枢支部211aと、支持フレーム210・212への固設側の基部211bとである。基部211bは枢支部211aより外径が大きく形成されている。
枢支部211aは、覆土輪122中央部の車軸支持部の左右幅よりも長く形成されており、車軸211上での覆土輪122の取付位置を、枢支部211aに沿って調整可能である。車軸211の先端(反固設側端)に、枢支部211aの外径より幅広とした制止板214を配置し、ボルト215により締結固定して、車軸211から覆土輪122が脱落するのを防止する。また、枢支部211aの同軸上にボス216を設けて、覆土輪122が枢支部211aに沿って摺動することを制止する。
図20において、左端の覆土輪122のように、枢支部211aの後端側にボス216・216を配置することで、該覆土輪122の取付位置を右側(内側)に寄せることができる。該覆土輪122に対向する左から二番目の覆土輪122は、図20においては、枢支部211aの先端側および後端側に一つずつボス216をそれぞれ配置している。該覆土輪122においても、枢支部211aの後端側にボス216・216を配置することで、該覆土輪122の取付位置を左側(外側)に寄せることができる。以上のようにして、対抗する一対の覆土輪122・122間のトレッドを、狭めることが可能である。
対向する覆土輪122・122間において、枢支部211aの先端側にボス216・216を配置すると、両覆土輪122・122間のトレッドは広げられる。
【0114】
以上のように、覆土輪122の車軸211を、外径の異なる二つの部位を有すると共に、短径側の部位である枢支部211aの形成長さを、覆土輪122が摺動自在となる長さとし、ボス216を設けて覆土輪122の摺動を制止する構成とすることで、対向する覆土輪122・122間のトレッドの調整が可能である。ボス216を、覆土輪122に対し、枢支部211aの先端側もしくは後端側に付け替えるだけで覆土輪122の左右取付位置を調整可能であり、調整構造が簡単で耐久性に優れると共に、調整が容易である。
【0115】
前記支持ステー175の上部に左右方向に枢支軸77を設け、該枢支軸177に延設部材となるガイド杆178の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸177の両側のガイド杆178上には付勢部材となるバネ179a・179bが外嵌されている。該ガイド杆178の他端は前記ハンドルフレーム106(中フレーム6M)の後部に支点軸181により回転自在に支持されている。
このように構成することによって、前記覆土輪122は前記バネ179bの付勢力により下方へ押圧するように付勢されている。そして、作業終了時や回行するときに、ハンドル174を持って覆土輪122を上昇させると、枢支軸177が支点軸180・181を結ぶ線上よりも上方に位置すると死点越えとなって、覆土輪122を上昇した位置に維持することができるのである。
【0116】
次に、覆土輪122を上昇させた位置にロックするためのロック部189の構成について、図18、図21を用いて説明する。
前記枢支部近傍にはロック部189が設けられている。該ロック部189は前記覆土輪フレーム173の回動基部側に枢支軸193によりロックアーム94の一端を枢支し、該ロックアーム194の他側には長手方向と上方(支点軸180に対して半径方向)に延びるL字状の長孔194aが形成され、一方、シャーシ(後フレーム105b)の前記ステー172よりも上方位置に係止ピン195を突出して、該係止ピン195を前記長孔194aに挿入している。
【0117】
更に、前記ロックアーム194の他端(上端)にワイヤー196とバネ197の一端が連結され、該バネ197の他端は前方の後フレーム105bに連結されてロックアーム194を前方へ回動するように付勢し、ワイヤー196の他端は前記昇降レバー132の回動基部設けたアーム199と連結している。該昇降レバー132には更に図示しないワイヤー等を介してエンジン103近傍に設けた油圧操作レバーと連結され、該昇降レバー132の操作により前記油圧シリンダ119を作動させて機体を昇降可能としている。
【0118】
このような構成において、前記ハンドル174を持ち上げて覆土輪122を上昇させると、ロックアーム194も持ち上げられて、係止ピン195が長孔194aに沿って下降し、覆土輪122が上昇位置で前述の如く死点越えによって上昇位置で維持される位置に至ると、係止ピン195が長孔194aの垂直部194bに入り、ロックアーム194はバネ197の引っ張り力により下方へ回動付勢され、係止ピン195が長孔194aの垂直部194bに維持され、覆土輪122が自重等により下方へ回動しようとしても、垂直部194bに係止ピン195が係合されて回動できず、覆土輪122は上昇位置にロックされることになる。
そして、作業開始時や回行後の作業再開時に、昇降レバー132を機体が下降するように、前方へ回動操作すると、ワイヤー196が引っ張られてロックアーム194を後方へ回動し、この回動によって長孔194aの内面が係止ピン195を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ押し、死点越え部分を通過させて覆土輪122を下げるのである。つまり、昇降レバー132の下降操作に連動して覆土輪122を下降することができるのである。このようにして昇降レバー132の下降操作で覆土輪122も同時に下降させて操作性を向上しているのである。
なお、本実施例においては、2条植えとしているが、移植爪及びその駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植えとすることも可能である。また、本実施例では走行部が進行方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成とすることも可能である。
【0119】
次に、第二から第四の実施例の野菜移植機について説明する。
図22は野菜移植機300の構成を示す全体側面図であり、図23は移植爪151が昇降軌跡の下死点に位置する状態を示す苗供給部120の側面図であり、図24は移植爪151が昇降軌跡の中途部に位置する状態を示す苗供給部120の側面図であり、図25は移植爪151が昇降軌跡の上死点に位置する状態を示す苗供給部120の側面図であり、図26は苗供給部120の後面図であり、図27は同じく平面図であり、図28は第二実施例における泥落し機構301Rの側面図であり、図29は第三実施例における泥落し機構401Rの後面図であり、図30は同じく側面図であり、図31は第四実施例における泥落し機構501Rの側面図である。
【0120】
第二から第四の実施例の野菜移植機は、第二実施例の野菜移植機101と移植爪151の泥落し機構の構成が異なるのみであり、他の構成は同一である。したがって、第二から第四実施例の野菜移植機においては、第二実施例と構成の相違する泥落し機構についてのみ説明し、同一の構成部分に関しては同符号を用いると共に、説明を省略する。
【0121】
まず、第二実施例の野菜移植機300に備える泥落し機構301について説明する。
図22に示すように、移植爪151の泥落し機構301は、移植爪151の前側に位置する前側の泥落し機構301Fと、後側の泥落し機構301Rとからなる。前側の泥落し機構301Fは爪体129の泥落しを行い、後側の泥落し機構301Rは爪体128の泥落しを行う。なお、以上における前後は、野菜移植機300の進行方向(苗の植付方向)における前後である。
【0122】
まず、前側の泥落し機構301Fについて、図23乃至図25を用いて説明する。
図23から図25に示すように、シャーシ(後フレーム102b)には、移植爪151に対する前方部位より、移植爪151側へ延出する支持フレーム313が、支持部材等を介して固設されている。支持フレーム313の移植爪151側の先端には、取付部材311を介して、スクレパー312が固設されている。スクレパー312は平板状の弾性部材であり、爪体129(爪部129a)の外壁と全面的に当接するように、該スクレパー312の爪体129側の端面が、平面視円弧状に形成されている。
【0123】
図23に示すように、移植爪151が下死点付近にあって、畝中に挿入して開口している状態のとき、スクレパー312は爪体129の外壁の上部に当接するように、支持フレーム313の取付位置が設定されている。
そして、移植爪151が上昇するにしたがって、後フレーム102bに固設されて上下位置が固定であるスクレパー312が、爪体129に対して相対的に下降して、爪体129の外壁に付着した泥を剥離して除去する。移植爪151が下死点側から上昇して、爪体129の下端がスクレパー312よりも上方に行くと、図24、図25に示すように、スクレパー312の爪体129に対する当接が外れる。
【0124】
移植爪151の昇降軌跡は、側面視長円軌道を描くものとなっている。このため、爪体129は上下方向に移動すると共に前後方向にも移動するものとなっている。なお、スクレパー312と爪体129とが当接するのは、移植爪151が下死点側に位置するときである。したがって、移植爪151の前後動の幅は、図24に示すような昇降軌跡の中途部に位置する場合の前後幅よりは、小さな幅である。
ゴム等の弾性部材を平板状にして形成されるスクレパー312は、爪体129に曲がった状態で当接するようにしている。該スクレパー312は、曲がり状態(図23に図示)から平板状となる自然状態(図24に図示)までの前後幅の分だけは、爪体129が前後動しても、爪体129への当接が外れることがない。
弾性部材であるスクレパー312の硬度や大きさ(長さ・幅・厚さ)を、適当なものに設定することで、移植爪151の上昇時および下降時のどちらにおいても、スクレパー312を爪体129に当接させることができる。
移植爪151の昇降軌跡において、その回転方向は、野菜移植機300による植付方向を前方とした側面視で、左回りとなっている。したがって爪体129は、下死点側において、下降時には上昇時よりも強くスクレパー312に当接する。つまり、スクレパー312は、植付が終了して上昇中の移植爪151に、比較の上で弱く当接して泥を除去すると共に、上死点位置で苗を挿入されて、再び下降してくる移植爪151に、比較の上で強く当接して、完全に爪体129外壁上の泥を除去するようになっている。
【0125】
次に、後側の泥落し機構301Rについて、図23から図28を用いて説明する。
図26から図28に示すように、泥落し機構301Rは、移植爪151の後方で、爪体128に固設されている。以下、詳細に説明する。
図28に示すように、爪体128の外壁面(後面)上には、側面視コ字形状に形成された取付ブラケット302が固設されている。具体的には、取付ブラケット302の両端部が、枢支軸164を支持する支持部128bと、爪部128aの外壁中途部とに、固設される構成である。
コ字形状となる取付ブラケット302は、上下両端側の取付部302a・302bと、取付部302a・302b間を連結する基部302cとから構成される。取付部302aは爪部128aに固設され、取付部302bは支持部128bに固設される。取付部302aには、ロッド303を挿通するための挿通孔302dが形成され、同じく取付部302bにも挿通孔302dが形成されている。そして、取付ブラケット302の挿通孔302c・302dにロッド303を挿通して、ロッド303が爪体128に対して上下動自在としている。
また、取付ブラケット302とロッド303との間には、付勢部材であるスプリング304が介設されている。スプリング304は、取付ブラケット302の上端部となる取付部302bと、ロッド303に挿入されるピン305とを押圧している。なお本実施例では、ロッド303を挿通する円盤部材310を介して、ピン305がスプリング304に押圧される構成としている。そして、スプリング304を介して、爪体128に対して上下動自在であるロッド303が、爪体128に適宜の上下位置で保持される。
移植爪151が昇降軌跡の中途部にあるとき(図24に図示)、または昇降軌跡の下死点側にあるとき(図23に図示)、ロッド303と移植爪151とは一体となって、昇降する。
【0126】
図28に示すように、ロッド303の下端には、爪体128(爪部128a)の外壁に当接する弾性部材として、スクレパー306が取付部材309を介して固設されている。スクレパー306は、爪体128に対して上下動させて、爪部128aの外壁に付着した泥を除去するものである。スクレパー306は平板状の部材であり、爪体128の外壁と全面的に当接するように、該スクレパー306の爪体128側の端面が、平面視円弧状に形成されている。
スクレパー306はロッド303に固設されているので、スプリング304を介して、爪体128に適宜の上下位置で保持されている。具体的には、スクレパー306の取付部材309が、取付ブラケット302の取付部302aの下面に当接した状態が、スクレパー306(ロッド303)の爪体128による保持位置である。スプリング304の付勢力は、少なくとも、取付部材309を取付部302aの下面に当接させるだけの大きさとされている。
【0127】
一方、ロッド303の上端には、回転体であるローラ307が回動自在に設けられている。加えて、シャーシの一部である中フレーム106Mには、移植爪151の昇降軌跡の上死点側に、板状部材308が固設されている。板状部材308の下面308aは、ローラ307が当接する当接面となっている。
図25に示すように、移植爪151が上昇して上死点に近づくと適宜位置でローラ307が下面308aに当接し、さらに移植爪151が上昇するとロッド303は板状部材308により上昇を規制されて、移植爪151のみが上昇する。このとき(移植爪151のみの上昇時)、ローラ307は下面308aに摺接して、前後動する。移植爪151の昇降軌跡は側面視で長円状であって、平面視で前後方向の線分状であり、移植爪151の上死点付近での昇降により、ローラ307が前後動するものである。
【0128】
ローラ307が下面308aに当接した後、移植爪151が上死点に向けて上昇するとき、ロッド303は、移植爪151に対して下降する。つまり、スクレパー306が相対的に爪体128の外壁に沿って下降し、該外壁上の泥を剥離して除去する。
また、移植爪151が上死点より下降すると、ロッド303は、移植爪151に対して上昇する。つまり、スクレパー306が相対的に爪体128の外壁に沿って上昇し、該外壁上の泥を剥離して除去する。移植爪151がさらに下降して、ローラ307の前記下面308aへの当接が外れると、スクレパー306(ロッド303)は、移植爪151と一体となって下降する。
つまり、スクレパー306は、移植爪151が上死点側で上昇および下降する際のどちらの場合にも、爪体128外壁に沿って移動し、該外壁上の泥を除去する。
【0129】
以上においては、移植爪151の上死点側に、シャーシに固設する板状部材308を設け、板状部材308の下面308aを、ロッド303上端に設けたローラ307の当接する当接面としている。ローラ307はロッド303に回転自在に設けられた回転体であり、下面308aに摺接する。
このため、移植爪151が上死点に到達する際に、ローラ307が板状部材308の下面308aに当接して、スクレパー306が移植爪151に対して上下動し、ロッド303に設けたスクレパー306が爪体128の外壁に付着した泥を除去することができる。特に、板状部材308にローラ307が摺接するので、移植爪151に対するロッド303(スクレパー306)の上下動が滑らかに行われ、泥の除去が確実に行われると共に、泥落し機構301Rおよび移植爪151を構成する各部材の耐久性の向上に繋がる。
【0130】
また、取付ブラケット302はコ字状に形成し、該取付ブラケット302の上下両端部である取付部302a・302bを、移植爪151の支持部128bと爪部128aの外壁中途部との二箇所に固設している。支持部128bは、枢支軸164を支持する部位であり、爪体128の上端部となっており、爪部128aの側方(後方)に延出している。
このため、スクレパー306を固設するロッド303を二箇所で支持することにより、安定的に支持することができ、スクレパー306の爪体128外壁への当接が外れることもない。したがって、泥落し機構301Rによる泥落し作業が確実に行われる。
【0131】
ロッド303は各軸(本実施例では六角軸)に形成されると共に、該ロッド303を挿通する取付ブラケット302の取付孔303d・302eも六角孔に形成されている。そして、ロッド303が爪体128に対して軸方向で回転するのを制止して、ローラ307の回転方向が前後方向からズレてしまう(ローラ307の軸方向が左右方からズレてしまう)のを防止している。
本実施例の構成に代えて、丸棒で形成したロッドを並行に取付ブラケットに挿入し、ローラ307を両ロッドに同時に支持する構成としてもよい。この構成でも、ローラ307の回転方向の回り防止が実現される。
【0132】
また、ロッド303の上部には、前記ピン305を挿入する挿入孔303aが、長手方向に沿って複数形成されている。ロッド303と取付ブラケット302との間に介設されるスプリング304は、ロッド303側ではピン305に押圧させる構成である。
前述したように、ローラ307が前記下面308aに当接する場合を除いて、スプリング304の付勢力によりロッド303は爪体128に対して上昇して、取付部材309が取付ブラケット302に当接した状態となっている。
このため、前記挿入孔303aを、ロッド303の長手方向に沿って複数形成し、ピン305をロッド303に挿入する位置を変更することで、スプリング304の付勢力が調整可能となっている。ピン305を、ロッド303に、より下側の挿入位置(挿入孔303a)で挿入することで、スプリング304の付勢力はより強化される。逆に、ピン305を、ロッド303に、より上側の挿入位置(挿入孔303a)で挿入することで、スプリング304の付勢力はより弱化される。
スプリング304の付勢力を強化することで、取付ブラケット302に対してロッド303がより強力に保持され、移植爪51の昇降時におけるロッド303と取付ブラケット302との間で発生する振動が抑止される。また、スプリング304の付勢力を弱化させることで、ローラ307が前記当接面(下面308a)に当接した際に、移植爪151に加わる抵抗を和らげて、移植爪151の上死点側での昇降を滑らかにすることができる。
そして、ピン305の挿入位置(挿入孔303a)を適宜調整することで、前記振動防止と移植爪151への抵抗緩和との双方が最大限実現されるようにすることが可能である。
【0133】
次に、第三実施例の野菜移植機に設ける泥落し機構について、図29、図30を用いて説明する。
第三実施例の野菜移植機は、第二実施例と、ロッド303の下端に設けるスクレパーの構成のみが異なっている。第三実施例では、後側の爪体128の泥落し機構401Rが設けられ、該泥落し機構401Rには、前記泥落し機構301Rに備える平板状としたスクレパー306に代えて、スクレパー406が設けられている。
図29、図30に示すように、スクレパー406は、平板状の支持部材406bの底面に、弾性部材406aを固設して構成される。該弾性部材406aは、図29に示すように、後面視V字状、或いは、逆三角形状に構成されて、上面が支持部材406bの底面形状に合わせて構成し、泥落し機構への取付状態での後面視で、V字状となるように形成されている。なお、スクレパー406前面は前記同様に爪体128の後面形状に合わせて構成し、摺接して昇降するときに隙間ができないようにして、掻き残しがないようにしている。
そして、後面断面視でV字状としたスクレパー406を泥落し機構に設けることで、次の効果がある。植付間隔あるいは植付速度等により、直前に植え付けた苗126の茎126aが、ロッド303の下端に設けたスクレパー406と接触することがある。このとき、スクレパー406の下面をV字形としたことにより、既に植え付けた苗の茎は左右に分離されて、苗がスクレパー406により当接して押さえ付けられたり、折り曲げられたりするなどの不具合が発生しない。
【0134】
次に、第四実施例の野菜移植機に設ける泥落し機構について、図31を用いて説明する。
第四実施例においては、前側の爪体129に対する泥落し機構は、第二実施例における前記泥落し機構301Fと同一であり、後側の爪体128に対する泥落し機構が相違している。
以下で、第四実施例の野菜移植機に備える後側の泥落し機構501Rについて説明する。
【0135】
図31に示すように、爪体128の上下中途部の外壁面(後面)上には、コ字形状に形成された取付ブラケット502が固設されている。取付ブラケット502は、両端側の取付部502a・502bと、取付部502a・502b間を連結する基部502cとから構成される。取付ブラケット502は、取付部502a・502bがそれぞれ爪体128の外壁に固設される。
取付部502aには、ロッド503を挿通するための挿通孔502dが形成され、同じく取付部502bにも挿通孔502dが形成されている。そして、取付ブラケット502の挿通孔502c・502dにロッド503を挿通して、ロッド503が爪体128に対して上下動自在としている。
また、取付ブラケット502とロッド503との間には、付勢部材であるスプリング504が介設されている。スプリング504は、取付ブラケット502の下端部となる取付部502aと、ロッド503の下端に設ける取付部材509とに当接している。
そして、スプリング504を介して、爪体128に対して上下動自在であるロッド503が、爪体128に適宜の上下位置で保持される。
移植爪151が昇降軌跡の中途部にあるとき、または昇降軌跡の上死点側にあるとき、ロッド503と移植爪151とは一体となって、昇降する。
【0136】
ロッド503の下端には、爪体128(爪部128a)の外壁に当接する弾性部材として、スクレパー506が前記取付部材509を介して固設されている。スクレパー506は、爪体1 28に対して上下動させて、爪部1 28aの外壁に付着した泥を除去するものである。スクレパー506は平板状の部材であり、爪体128の外壁と全面的に当接するように、該スクレパー506の爪体128側の端面が、平面視円弧状に形成されている。
スクレパー506はロッド503に固設されているので、スプリング504を介して、爪体128に適宜の上下位置で保持されている。具体的には、前記保持位置は移植爪151の略下端位置である。このとき、ロッド503の上端部に挿入されたピン505と、取付ブラケット502の取付部502b上面とが当接した状態となっている。スプリング504の付勢力は、少なくとも、ピン505を取付部502bの上面に当接させるだけの大きさとされている。
【0137】
畝上面125aは、ロッド503の下端に設けるスクレパー506の下面が当接する当接面とされている。
移植爪151が下降して畝125中に貫入すると、スクレパー506は畝上面125aに当接する。さらに移植爪151が下降すると、スクレパー506は畝上面125aに当たり下降が規制されて、移植爪151のみが下降する。
スクレパー506が畝上面125aに当接した後、移植爪151が下死点に向けて下降するとき、スクレパー506は、移植爪151に対して上昇する。つまり、スクレパー506が相対的に爪体128の外壁に沿って上昇し、該外壁上の泥を剥離して除去する。
また、移植爪151が下死点より上昇すると、スクレパー506は、移植爪151に対して下降する。つまり、スクレパー506が相対的に爪体128の外壁に沿って下降し、該外壁上の泥を剥離して除去する。移植爪151がさらに上昇して、スクレパー506の畝上面125aへの当接が外れると、スクレパー506は、移植爪151と一体となって上昇する。
つまり、スクレパー506は、移植爪151が下死点側で上昇および下降する際のどちらの場合にも、爪体128外壁に沿って移動し、該外壁上の泥を除去する。移植爪151による植付の終了後(下死点からの上昇時)に、まず、爪体128外壁の泥落しを行い、植付の直前時(下死点への下降時)に再び、爪体128外壁の泥落しを行って、一回の植付につき二度泥落しが行われるようにしている。
【0138】
以上構成により、移植爪151が下死点に到達する際に、スクレパー506が畝上面125aに当接して、スクレパー506が移植爪151に対して上下動し、爪体128の外壁に付着した泥を除去することができる。特に、畝上面125aがスクレパー506を支持するロッド503の端部との当接面として作用するので、野菜移植機本体に、ロッド503およびスクレパー506を上下動させるための当接面用の部材を設ける必要がない。したがって、部材点数が削減される。
【0139】
次に、第二実施例における後側の泥落し機構301Rと、第四実施例における泥落し機構501Rとに、共通する要素について説明する。
泥落し機構301R(501R)は、ロッド303(ロッド503)を挿通する挿通孔302d・302e(挿通孔502d・502e)を形成した取付ブラケット302(取付ブラケット502)を爪体128に固設して、ロッド303(ロッド503)を爪体128に対して上下動自在に設けている。
また、ロッド303(ロッド503)と取付ブラケット302(取付ブラケット502)との間に、付勢部材であるスプリング304(スプリング504)を介設し、ロッド303(ロッド503)には爪体128の外壁に摺接するスクレパー306(スクレパー506)を設けている。スクレパー306・506は弾性部材である。
加えて、泥落し機構301Rでは、移植爪151の昇降軌跡の上死点側に、ロッド303の上端が回転体307を介して当接する当接面が、前記下面308aとして形成される。泥落し機構501Rでは、移植爪151の昇降軌跡の下死点側に、ロッド503の下端がスクレパー506を介して当接する当接面が、畝上面となっている。
【0140】
以上構成とすることで、移植爪の上下昇降の中途部では、ロッド303・503はスプリング304・504に支持されて、移植爪151と一体となって上下昇降する。また、移植爪151が上死点もしくは下死点に到達する際には、ロッド303・503が当接面に当接して、ロッド303・503が移植爪151に対して上下動し、ロッド303・503に設けたスクレパー306・506が爪体128の外壁に付着した泥を除去することができる。
【0141】
前記第二から第四のいずれの実施例においても、前側の爪体129に対する泥落し機構として、前記前側の泥落し機構301Fを用いる構成としている。
この構成に代えて、前側の爪体129の泥落し機構として、後側の爪体128の泥落し機構301R・401R・501Rのいずれか一つを用いる構成としてもよい。前側の爪体129と後側の爪体128とで、異なる泥落し機構を備えるようにしても、もちろんよい。
なお、泥落し機構301R・401Rを、前側の爪体129の泥落しに適用する場合には、ロッド303を、枢支軸164を支持する支持部129bの前側には配置できない。図27に示すように、支持部129bの前側には、前記当接アーム165等の移植爪151の支持および駆動機構が配置されるためである。この場合は、ロッド303が支持部129bと平面視重複しないように、枢支軸164の前側で、支持部129bの左右のいずれか一側にズラして配置する。
さらには、支持部129bの両側に、それぞれロッド303・303を設ける構成としてもよい。この場合は当然ながら、上下に一対の挿入孔302d・302eが形成される取付ブラケット302に代えて、上下に二対の挿入孔が形成される取付ブラケットを用いて、爪体129にロッド303・303を上下動自在とするものである。加えて、一対のスプリング304・304が、それぞれのロッド103・103に対応して、設けられる。そして、両ロッド303・303の下端に一つのスクレパー306を設けると共に、該ロッド303・303の上端には、それぞれ当接面たる前記下面308aに当接するローラ307を設けるものである。
【0142】
即ち、苗を畝中へ移植する左右一対の移植爪と、移植爪に灌水を行う灌水ポンプと水タンクとを備え、水タンクの載置台と灌水ポンプとをそれぞれ、シャーシに着脱自在に設けたので、必要に応じて灌水機構の取付および取り外しが可能となっている。灌水の要否は、植付の対象となる作物や地域によって異なるものであり、また、植付と同時に灌水を行わない場合もある。着脱機構の着脱を可能とすることで、灌水の要否に対応することが可能である。
【0143】
また、苗を畝中へ移植する左右一対の移植爪と、移植爪に灌水を行う灌水ポンプと水タンクとを備え、前輪の回動支軸と後輪の回動支軸との間に形成される空間部で、シャーシに水タンクの載置台を設置したので、シャーシの空きスペースを利用して水タンクの載置部を形成するので、水タンク載置のために、機体の全長や全幅の増加を図る必要がない。
【0144】
また、苗を畝中へ移植する左右一対の移植爪と、移植爪に灌水を行う灌水ポンプと水タンクとを備え、水タンクと灌水ポンプの配設位置は、シャーシの左右において、反移植爪配設側としたので、野菜移植機全体の重量バランスを左右で均等に保つことができ、機体の安定性が確保される。また、シャーシの空きスペースを有効活用できる。
【0145】
また、苗を畝中へ移植する左右一対の移植爪と、移植爪に灌水を行う灌水ポンプと水タンクとを備え、水タンクの配設位置は、車輪および車軸を除いた機体の側端部としたので、このため、水タンク186の機体からの着脱が容易である。したがって、圃場作業の途中における給水も容易に行うことができる。
【0146】
また、前記ロッドの下端に前記弾性部材を設け、該弾性部材を畝上面に当接させて摺動するようにしたので、移植爪が下死点に到達する際に、スクレパーが畝上面に当接して、スクレパーが移植爪51に対して上下動し、爪体の外壁に付着した泥を除去することができる。特に、畝上面がスクレパーを支持するロッドの端部との当接面として作用するので、野菜移植機本体に、ロッドおよびスクレパーを上下動させるための当接面用の部材を設ける必要がない。したがって、部材点数が削減される。
【0147】
また、ロッドの上端に回転体を設け、該回転体がシャーシ下面を当接面として摺接する構成としたので、このため、移植爪が上死点に到達する際に、回転体が板状部材の下面に当接して、弾性部材が移植爪に対して上下動し、ロッドに設けた弾性部材が爪体の外壁に付着した泥を除去することができる。特に、板状部材に回転体が摺接するので、移植爪に対するロッド(回転体)の上下動が滑らかに行われ、泥の除去が確実に行われると共に、泥落し機構および移植爪を構成する各部材の耐久性の向上に繋がる。
【0148】
また、前記取付ブラケットをコ字状に形成し、該取付ブラケットの両端部を、移植爪の開閉支点側部と爪体外壁中途部との二箇所に固設したので、このため、弾性部材を固設するロッドを二箇所で支持することにより、安定的に支持することができ、弾性部材の爪体外壁への当接が外れることもない。したがって、泥落し機構による泥落し作業が確実に行われる。
【0149】
また、前記付勢部材は、前記介設に際し、ロッド側では付勢部材の一端をロッドに挿入するピンに当接させる構成とし、ロッドには、ピンを挿入するための挿入孔を長手方向に沿って複数形成したので、付勢部材の付勢力が調整可能となっている。ピンをロッドに、より下側の挿入位置(挿入孔)で挿入することで、付勢部材の付勢力はより強化される。逆に、ピンをロッドに、より上側の挿入位置(挿入孔)で挿入することで、スプリングの付勢力はより弱化される。
スプリングの付勢力を強化することで、取付ブラケットに対してロッドがより強力に保持され、移植爪の昇降時におけるロッドと取付ブラケットとの間で発生する振動が抑止される。また、スプリングの付勢力を弱化させることで、ローラが前記当接面に当接した際に、移植爪に加わる抵抗を和らげて、移植爪の上死点側での昇降を滑らかにすることができる。
そして、ピンの挿入位置を適宜調整することで、前記振動防止と移植爪への抵抗緩和との双方が最大限実現されるようにすることが可能である。
【0150】
また、前記ロッドの下端に前記弾性部材を設けると共に、該弾性部材の下面は、野菜移植機進行方向を正面方向とする断面視でV字状に形成したので、植付間隔あるいは植付速度等により、直前に植え付けた苗の茎が、ロッドの下端に設けた弾性部材と接触することがあっても、該茎が、V字形とした男性部材の下面により、左右に分離されて、苗が弾性部材に当接して折れるなどの不具合が発生しない。
【0151】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏するのである。
請求項1の如く、長円状に連結した苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入して、該移植爪を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機において、前記連結体は嵌合環の両側に連結部を配置して無端状に連結し、シャーシ上の左右両側に配置した駆動スプロケットおよび従動スプロケットに嵌合環が当接するように配設し、両スプロケットを支持軸に対して円周方向位置調整可能に構成すると共に、従動スプロケットを左右幅方向への位置調整を可能に構成したので、自らに巻回する連結体連のテンションを調節可能である。したがって、長円状の軌道に沿って移動する連結体連に、弛み等が発生せず、移植爪との完全な連動を図ることができ、移植爪への苗の受け渡しも確実に行われるものとなる。
【0152】
請求項2の如く、機体フレーム上に設けた苗供給部より苗を移植爪内に投入して、該移植爪を畝上へ移動して移植する野菜移植機の移植爪に泥落し機構を設ける構成であって、ロッドを移植爪の爪体に対して上下動自在にガイドする取付ブラケットを爪体に設け、該ロッドと取付ブラケットとの間に付勢部材を介設するとともに、該ロッドには爪体の外壁に当接するように弾性部材を設け、移植爪の昇降時に弾性部材が爪体の外壁に摺接するように構成したので、移植爪の上下昇降の中途部では、ロッドは付勢部材に支持されて、移植爪と一体となって上下昇降する。また、移植爪が上死点もしくは下死点に到達する際には、ロッドが当接面に当接して、ロッドが移植爪に対して上下動し、ロッドに設けた弾性部材が爪体の外壁に付着した泥を除去することができる。
【0153】
請求項3に示す如く、苗を畝中へ移植する左右一対の移植爪と、移植爪に灌水を行う灌水ポンプと水タンクとを備え、移植爪への伝達軸への中途部に設けたカム機構により、左右の移植爪に対応する一対の灌水ポンプを駆動可能としたので、灌水ポンプからの水送出タイミングと、移植部における移植爪の植付けタイミングとを、同調させることが可能である。したがって、苗が土中に安定して保持されると共に、植付直後の給水作業も不要となり、活着性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例である歩行型野菜移植機101の全体的な構成を示した側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 機体フレームとミッションケース部分の側面図である。
【図4】 機体フレーム部分の平面図である。
【図5】 トレッド調整機構を示す機体右側の平面図である。
【図6】 苗供給部の平面図である。
【図7】 受継部の後面断面図である。
【図8】 同じく平面図である。
【図9】 従動スプロケット142の左右位置調整部を示す平面図である。
【図10】 移植部の後面図である。
【図11】 同じく側面図である。
【図12】 同じく平面図である。
【図13】 昇降ガイド153およびロータリケース152の支持構造を示す側面図である。
【図14】 灌水ポンプ187を示す側面図である。
【図15】 載置台242を示す二面図である。
【図16】 移植爪151のスクレパー機構を示す平面図である。
【図17】 同じく後面図である。
【図18】 覆土輪支持部の側面図である。
【図19】 同じく平面図である。
【図20】 同じく後面図である。
【図21】 同じく後面図である。
【図22】 野菜移植機300の構成を示す全体側面図である。
【図23】 移植爪151が昇降軌跡の下死点に位置する状態を示す苗供給部120の側面図である。
【図24】 移植爪151が昇降軌跡の中途部に位置する状態を示す苗供給部120の側面図である。
【図25】 移植爪151が昇降軌跡の上死点に位置する状態を示す苗供給部120の側面図である。
【図26】 苗供給部120の後面図である。
【図27】 同じく平面図である。
【図28】 第二実施例における泥落し機構301Rの側面図である。
【図29】 第三実施例における泥落し機構401Rの後面図である。
【図30】 同じく側面図である。
【図31】 第四実施例における泥落し機構501Rの側面図である。
【符号の説明】
101・300 野菜移植機
102 機体フレーム
107 苗供給部
110 前輪支持軸(前輪112の回動支軸)
120 植付部
125 畝
126 苗
148 苗搬送ポット
151 移植爪
186 水タンク
187 灌水ポンプ
192 カム
242 載置台
245 畝センサローラ
221R 右後輪支持パイプ(後輪117の回動支軸)
221L 左後輪支持パイプ(後輪117の回動支軸)
301R・401R・501R (後側の)泥落し機構
302 取付ブラケット
302d・302e 挿通孔
303・503 ロッド
303a 挿入孔
304 スプリング(付勢部材)
305 ピン
306 スクレパー(弾性部材)
307 ローラ(回転体)
308 板状部材
308a 下面(当接面)

Claims (3)

  1. 苗搬送ポット148のポット取付基部140を連結し、長円状を形成する連結体に構成して苗搬送体とし、該苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、該苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗を移植爪151内に投入して、該移植爪151を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機において、前記連結体はポット取付基部140を構成する嵌合環158の両側に連結部を配置して無端状に連結し、シャーシ上の左右両側に配置した駆動スプロケット141及び従動スプロケット142に嵌合環158が当接するように配設し、両スプロケット141・142を支持軸に対して円周方向位置調整可能に構成すると共に、従動スプロケット142を左右幅方向への位置調整を可能に構成したことを特徴とする野菜移植機。
  2. 請求項1記載の野菜移植機において、該移植爪151に泥落し機構301を設け、該泥落し機構301は、移植爪151の爪体に対して上下動自在にガイドする取付ブラケット302を爪体に設け、該取付ブラケット302にロッド303を支持し、該ロッド303と取付ブラケット302との間に付勢部材であるスプリング304を介設するとともに、該ロッド303には爪体の外壁に当接するように弾性部材のスクレパー306を設け、移植爪151の昇降時に弾性部材のスクレパー306が爪体の外壁に摺接するように構成したことを特徴とする野菜移植機。
  3. 請求項1記載の野菜移植機において、左右の移植爪151に灌水を行う灌水ポンプ187と水タンク186とを備え、該左右の移植爪151への伝達軸への中途部に設けたカム機構により、左右の移植爪151に対応する一対の灌水ポンプ187を駆動可能としたことを特徴とする野菜移植機。
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