JP3658534B2 - 建築限界測定器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駅のホーム上で列車の建築限界を測定するための建築限界測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車が線路上を支障なく走行するためには、線路上に、車両の大きさに加えて相当の余裕を持った空間が必要となる。この空間の限界を建築限界という。建築限界は、車両走行時の車体、輪軸の横移動、台車バネの変位、軌道狂いによる偏りなどを見込んで定められる。そして、どのような構造物もこの建築限界を侵してはならない。
【0003】
ところで、駅のホームにおいて、この建築限界を測定するに当たっては、例えば市販のレーザ距離計を利用し、作業者が線路上にて構造物の端部までの距離を測定することが考えられる。しかし、線路上での作業は列車退避等が必要となることから作業上問題がある。
【0004】
このため、現状では、駅のホーム上で測定作業が行えるように、図10に示すような測定器100を用いて建築限界の測定を行っている。この測定器100を用いて測定を行う場合には、まず、下方土台部材101を一対のレールR,Rに係合して所定姿勢になるようにセットし、次いで、上方垂直部材102を上方水平部材103に沿ってスライドさせつつ、上方垂直部材102に挿入された棒部材104を上下方向にスライドさせて、棒部材104の先端を測定点に接触させる。そして、この時点で上方水平部材103に付された目盛及び棒部材104に付された目盛から、定点(レール間の中心線上であって上方水平部材の高さの点)からの水平距離と上方水平部材からの垂直距離とを読む。つまり、接触型距離計を用いている。その後、この水平距離と垂直距離から三平方の定理により定点から測定点までの距離を算出し、測定点が建築限界を侵していないか否かを確認する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の測定器100を用いた場合には、上方水平部材103に付された目盛や棒部材104に付された目盛を読み取るため、作業に時間がかかるうえ、読み間違いが生じることもある。このため、作業性や信頼性が十分得られないという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決することを課題とするものであり、駅のホーム上で安全且つ短時間に作業できるうえ、建築限界を侵しているか否かの判断の信頼性が高い建築限界測定器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、本発明は、駅のホーム上で列車の建築限界を測定するための建築限界測定器であって、
一対のレールに係合されて所定姿勢になるようにセットされる下方土台部材と、
前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、ホームよりも高い所定位置にて前記レールと直交し且つ水平な状態で支持される上方水平部材と、
前記上方水平部材に設けられ、前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、前記レール間の中心線上に位置決めされる照射用プレートと、
前記上方水平部材にて水平方向にスライド可能に設けられ、前記照射プレートまでの距離を測定する第1姿勢及び上方に存在する物体までの距離を測定する第2姿勢のいずれかにセットされる光照射型距離計と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の建築限界測定器では、まず、光照射型距離計(例えば超音波距離計、レーザ距離計など)を第2姿勢にセットし、次いで、下方土台部材を一対のレールに係合して所定姿勢になるようにセットする。このとき、上方水平部材は、ホームよりも高い所定位置にてレールと直交し且つ水平な状態で支持される。また、照射用プレートは、レール間の中心線上に位置決めされる。
【0009】
この状態で、光照射型距離計の光が測定点を照射する位置まで、光照射型距離計を水平方向にスライドし、そのときの測定点までの距離(便宜上、距離Lyという)を測定する。例えば、第2姿勢が鉛直上向きの姿勢の場合には、距離Lyは測定点までの垂直距離になる。その後、光照射型距離計をスライドさせることなくその位置のままで第1姿勢にセットし直し、そのときの照射プレートまでの距離、即ち、レール間の中心線までの距離(便宜上、距離Lxという)を測定する。そして、これらの距離Lx,Lyに基づいて、建築限界と測定点との離隔距離を算出し、測定点が建築限界を侵しているか否かを判断する。
【0010】
なお、距離Lx,Lyは、光照射型距離計に表示される数値を作業者が読み取ってもよいが、光照射型距離計からパーソナル・コンピュータ等の演算装置にケーブル又はコネクタを介して伝送するようにし、直接データを演算装置に送り、その演算装置にて建築限界と測定点との離隔距離を算出するようにしてもよい。
【0011】
以上の建築限界測定器によれば、駅のホーム上で光照射型距離計(非接触型距離計)を用いて測定するため、従来のように接触型距離計を用いて目盛を読み取る場合に比べて、作業時間が短くなるうえ、測定点が建築限界を侵しているか否かの判断の信頼性が高くなるという効果が得られる。また、駅のホーム上で測定作業を実施できるため、線路上で測定作業を実施する場合に比べて安全性が高くなるという効果も得られる。
【0012】
ところで、光照射型距離計の第2姿勢として鉛直上向きの姿勢のみを採用してもよいが、その場合には、例えば測定作業者がこの建築限界測定器を支持して立っている位置(以下、測定作業位置という)よりも線路側にある測定点からホーム側にある測定点までのすべてを光照射型距離計で照射しようとすると、光照射型距離計を水平方向にスライドさせる範囲を大きくする必要があり、装置全体が大型化してしまうという問題が生じる。
【0013】
この問題を解消するには、本発明の建築限界測定器において、光照射型距離計の第2姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ傾いた姿勢を選択可能なように構成することが好ましい。この場合、例えば測定作業位置よりも線路側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけ線路側に傾いた姿勢に光照射型距離計をセットすることにより、光照射型距離計のスライド量が小さくても、光照射型距離計はその測定点を照射可能となるため、装置がコンパクトになる。
【0014】
特に、光照射型距離計は、第2姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ線路側又はホーム側に傾いた姿勢を選択可能なように構成することが好ましい。この場合、測定作業位置よりも線路側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけ線路側に傾いた姿勢を第2姿勢として選択し、測定作業位置よりもホーム側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけホーム側に傾いた姿勢を第2姿勢として選択すれば、光照射型距離計のスライド量を一段と小さくすることができ、装置が一層コンパクトになる。
【0015】
また、本発明の建築限界測定器を構成する下方土台部材、上方水平部材およびこれらを接続する接続部材は、どのような材料で作製してもよいが、アルミニウムを主原料とする金属で作製されていることが、剛性・耐久性が高いうえ軽量であるという点で好ましい。
【0016】
更に、本発明の建築限界測定器において、下方土台部材はレール間に相当する長さとし、上方水平部材はレール間の中心線からホーム側に所定の長さとし、接続部材は下方土台部材から斜め上向きに延び出して上方水平部材を支持する形状にすることが好ましい。この場合、建築限界測定器を必要最小限の大きさにすることができるため、軽量化が図られる。
【0017】
更にまた、本発明の建築限界測定器において、下方土台部材は、電気的に絶縁された状態でレールと接触することが好ましい。この場合、レール同士が下方土台部材によって電気的に短絡するおそれがないため、列車運行上好ましい。具体的には、レール同士が短絡すると信号機が赤になるように設定されている場合があるが、このような場合に建築限界の測定を行ったとしても、誤って信号機が赤に変わることはなく、列車運行上好ましい。
【0018】
そしてまた、本発明の建築限界測定器であって、少なくとも上方水平部材と接続部材は2つ以上に分割可能な構成にすることが好ましい。この場合、建築限界測定器を運搬する際に、上方水平部材と接続部材を分割して小さくまとめることができるため、容易に運搬できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の建築限界測定器の正面図、図2は平面図、図3は図1のA−A断面図、図4は図1の部分拡大図(二点鎖線で囲った部分)である。
【0020】
本実施形態の建築限界測定器1は、主として、下方土台部材としての第1本体ビーム10と、接続部材としての第2本体ビーム20と、上方水平部材としての第3本体ビーム30と、照射用プレートとしてのターゲットバー40と、第3本体ビーム30をスライド可能なスライダ50(図3参照)と、光照射型距離計としてのレーザ距離計60とを備えている。
【0021】
第1本体ビーム10は、アルミニウム製の中空で四角柱形状のビームであり、その両端に電気絶縁性の樹脂からなる断面L字型のレール係合部11,11を有している。この第1本体ビーム10は、一対のレールR,Rの上方からレール間にはめ込まれ、両側のレール係合部11,11がレールR,Rと係合することにより、レールR,Rに直交する姿勢になるようにセットされる。このため、第1本体ビーム10の長さは、レール間の長さとほぼ一致するように設計されている。また、第1本体ビーム10の上面には、斜め上方向に延び出した取付部材12が立設され、この取付部材12は同じく第1本体ビーム10の上面に立設された支持部材13によって支持されている。
【0022】
第2本体ビーム20は、アルミニウム製の中空で四角柱形状の2つの分割ビーム21,21を長手方向に並べて突き合わせた状態で、その両側から添え板22,22をあてがい、添え板22,22を介してボルトナットで両分割ビーム21,21を締結したものである。
【0023】
第3本体ビーム30は、アルミニウム製の板状ビーム31と、アルミニウム製の四角柱形状の柱状ビーム32とを、一部重なり合うようにして長手方向に並べ、その重なり合った部分でネジ止めすることにより、一体化されている。板状ビーム31の先端には、ターゲットバー40が取り付けられている。一方、柱状ビーム32の下面には、斜め下向きに延び出した取付部材33が立設され、この取付部材33は同じく柱状ビーム32の下面に立設された支持部材34によって支持されている。また、柱状ビーム32の上面には、図3に示すように、長手方向に沿ってガイド溝35,35が設けられている。このガイド溝35,35には、スライダ50が長手方向に沿ってスライドするように取り付けられている。
【0024】
第1〜第3本体ビーム10,20,30は、第1本体ビーム10の取付部材12と第2本体ビーム20の下端側とが長ネジおよび蝶ナットにより連結され、第3本体ビーム30の取付部材33と第2本体ビーム20の上端側とが同じく長ネジおよび蝶ナットにより連結されることにより、一体化されている。このように一体化された状態では、第1本体ビーム10と第3本体ビーム30は平行であり、第2本体ビーム20は第1本体ビーム10から斜め上向きに延び出して第3本体ビーム30を支持している。また、第1本体ビーム10の中心線上(つまりレール間の中心線上)にターゲットバー40が位置している。
【0025】
スライダ50は、図3に示すように、アルミニウム製の板材を断面逆U字になるように折り曲げた形状を呈し、柱状ビーム32の上面を覆うスライダ本体51と、このスライダ本体51から柱状ビーム32の一方の側面へ折り返されたスライド調整部53と、スライダ本体51から柱状ビーム32の他方の側面へ折り返された距離計設置部55とを備えている。
【0026】
このスライダ50のうち、スライダ本体51の裏面には、ガイド溝35に摺動自在にはめ込まれるガイド部52が設けられている。また、スライド調整部53には、ネジ穴53aに蝶ネジ54が螺合されている。そして、この蝶ネジ54を締めると、蝶ネジ54の先端が柱状ビーム32の側面に押し付けられるため、スライダ50はスライド不能な状態つまりロック状態となる。一方、この蝶ネジ54を緩めると、蝶ネジ54の先端が柱状ビーム32の側面から離れるため、スライダ50はスライド可能な状態となる。
【0027】
更に、スライダ50の距離計設置部55には、距離計マウント70をはめ込むための姿勢選択溝56が設けられている。図5はスライダ50の説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図であるが、姿勢選択溝56は、この図5(a)に示すように、縦の辺が垂直方向と一致する第1の正方形SQ1と、縦の辺が垂直方向から線路側に所定角度(ここでは15°)傾斜した第2の正方形SQ2と、縦の辺が垂直方向からホーム側に所定角度(ここでは15°)傾斜した第3の正方形SQ3の3つの正方形SQ1〜SQ3を、それぞれ中心が一致するように配置して重ね合わせ形状を呈している。また、この姿勢選択溝56は窪み状に形成されており、この窪みの底部には距離計マウント70のボルト74を遊嵌するための貫通孔57が設けられている。なお、図5(a)における二点鎖線は説明の便宜上引いた仮想線である。
【0028】
ここで、距離計マウント70は、図3に示すように、板部材71の一方の面にレーザ距離計60を着脱自在に取り付けるための一対の取付溝72,72を備え、板部材71の他方の面の中央に四角柱状の凸部73を備え、その凸部73の中央にボルト74を備えている。この凸部73は距離計設置部55の表側から姿勢選択溝56の正方形SQ1〜SQ3のいずれかにはめ込まれて合致するものである。
【0029】
そして、このように姿勢選択溝56に凸部73がはめ込まれた距離計マウント70は、貫通孔57を介して裏側に貫通したボルト74にスプリング75が外挿された状態でナット76が螺合されている。この結果、スプリング75は圧縮されて距離計設置部55からナット76を離間させる方向に付勢するため、この付勢力により距離計マウント70の板部材71は距離計設置部55に密着される。なお、図6は距離計マウント70の説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【0030】
レーザ距離計60は、図示しない測定ボタンを押すと赤色のレーザ光が照射されて測定を行うものであり、レーザ照射位置は赤色の点として表れるため、屋内であれ屋外であれ、どこを照射しているか容易に確認できる。このレーザ距離計60は、液晶表示部61を備えており、測定距離(レーザ照射位置までの距離)がこの液晶表示部61に表示される。また、レーザ距離計60は、裏面に設けられた取付金具62(図3参照)が距離計マウント70の一対の取付溝72,72に着脱自在にはめ込まれ、距離計マウント70と一体化されている。なお、レーザ距離計60としては、例えば株式会社ソキア製のMiNiMeterMM30等が利用可能である。
【0031】
次に、本実施形態の建築限界測定器1を用いて駅のホーム周辺の構造物が建築限界を侵しているか否かを検査する場合について説明する。
最初に、レーザ距離計60を水平横向きの姿勢(第1姿勢、図4参照)から、上向きの姿勢(第2姿勢、図8参照)に変更する操作について説明する。図7はレーザ距離計の姿勢を変更する際の説明図、図8はレーザ距離計が各種の姿勢をとったときの説明図であり、(a)は鉛直上向きの姿勢、(b)は鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢、(c)は鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢である。なお、所定角度は前述の通り、本実施形態では15°である。
【0032】
作業者は、スプリング75の付勢力に抗して、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離す。すると、図7に示すように、距離計マウント70の凸部73が距離計設置部55の姿勢選択溝56から外れ、レーザ距離計60は距離計マウント70と共にボルト74を中心として回動自在となる。つまり、レーザ距離計60は自由な姿勢をとることができるフリーな状態になる。
【0033】
この状態でレーザ距離計60を鉛直上向きの姿勢になるようにしてから、再び凸部73を姿勢選択溝56にはめ込むと、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ1(図5(a)参照)にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる(図8(a)参照)。
【0034】
あるいは、フリーな状態のレーザ距離計60を鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢になるようにしてから、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込むと、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ2(図5(a)参照)にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる(図8(b)参照)。
【0035】
あるいは、フリーな状態のレーザ距離計60を鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢になるようにしてから、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込むと、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ3(図5(a)参照)にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる(図8(c)参照)。
【0036】
次に、第1〜第3測定点A〜Cを測定する場合について、図9に基づいて説明する。図9は、建築限界測定器の使用状態を表す説明図である。
まず、第1測定点Aのように、作業者が建築限界測定器1を支持している位置(つまり測定作業位置)のほぼ真上に存在する構造物を測定するには、レーザ距離計60を鉛直上向きの姿勢(図8(a)参照)にセットする。
【0037】
続いて、作業者は、第1本体ビーム10のレール係合部11,11をレールR,Rに係合させ、第1本体ビーム10をレールR,Rに直交する姿勢となるようにセットする。また、第3本体ビーム30を、ホームよりも高い所定位置(第2本体ビーム20の長さによって決まる)にてレールR,Rと直交し且つ水平な状態となるように支持する。
【0038】
続いて、スライダ50の蝶ネジ54を緩め、レーザ距離計60を第3本体ビーム30に沿ってスライドさせ、第1測定点Aの真下で停止させる。そして、蝶ネジ54を締めてスライダ50をロックする。これにより、レーザ距離計60は第1測定点Aの真下に位置決めされる。なお、レーザ距離計60が第1測定点Aの真下に位置しているか否かは、レーザ距離計60の測定ボタンを押して赤色のレーザ光の点が第1測定点A上に表れたか否かによって容易に確認できる。
【0039】
その後、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光を第1測定点Aに照射し、そのときのレーザ距離計60の液晶表示部61に表示された数値を第1測定点Aまでの距離(距離Ly)として記録する。
引き続き、レーザ距離計60を第1測定点Aの真下に位置決めした状態で、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離す。すると、図7に示すように、距離計マウント70の凸部73が距離計設置部55の姿勢選択溝56から外れ、レーザ距離計60は距離計マウント70と共に自由な姿勢をとることができるフリーな状態になる。この状態でレーザ距離計60を鉛直上向きの姿勢から90°回転させて水平横向きの姿勢をとるようにし、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込む(図4参照)。このとき、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ1にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる。そして、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光をターゲットバー40に照射し、そのときの液晶表示部61に表示された数値をレール間の中心までの距離(距離Lx)として記録する。
【0040】
そして、得られた距離Lx、Lyに基づいて、建築限界と第1測定点Aとの離隔距離Dを下記数1式(θ=90°)によって算出し、第1測定点Aが建築限界を侵しているか否かを判断する。
【0041】
【数1】
次に、第2測定点Bを測定する場合について説明する。第2測定点Bのように、作業者が建築限界測定器1を支持している位置よりも線路側に存在する構造物を測定するには、レーザ距離計60を鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢(図8(b)参照)にセットする。
【0042】
続いて、作業者は、第1本体ビーム10のレール係合部11,11をレールR,Rに係合させ、第1本体ビーム10をレールR,Rに直交する姿勢となるようにセットする。また、第3本体ビーム30を、ホームよりも高い所定位置にてレールR,Rと直交し且つ水平な状態となるように支持する。
【0043】
続いて、スライダ50の蝶ネジ54を緩め、レーザ距離計60を第3本体ビーム30に沿ってスライドさせ、レーザ距離計60が第2測定点Bを照射できる位置で停止させ、蝶ネジ54を締めてスライダ50をロックし、レーザ距離計60を位置決めする。なお、レーザ距離計60が第2測定点Bを照射できる位置か否かは、レーザ距離計60の測定ボタンを押して赤色のレーザ光の点が第2測定点B上に表れたか否かによって容易に確認できる。
【0044】
その後、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光を第2測定点Bに照射し、そのときのレーザ距離計60の液晶表示部61に表示された数値を第2測定点Bまでの距離(距離Ly)として記録する。
引き続き、レーザ距離計60を位置決めしたままの状態で、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離し、レーザ距離計60を水平横向きの姿勢をとるようにし、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込む(図4参照)。そして、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光をターゲットバー40に照射し、そのときの液晶表示部61に表示された数値をレール間の中心までの距離(距離Lx)として記録する。
【0045】
そして、得られた距離LX、LYに基づいて、建築限界と第2測定点Bとの離隔距離Dを前述の数1式(θ=75°)によって算出し、第2測定点Bが建築限界を侵しているか否かを判断する。
次に、第3測定点Cを測定する場合について説明する。第3測定点Cのように、作業者が建築限界測定器1を支持している位置よりもホーム側に存在する構造物を測定するには、レーザ距離計60を鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢(図8(c)参照)にセットする。
【0046】
続いて、作業者は、第1本体ビーム10のレール係合部11,11をレールR,Rに係合させ、第1本体ビーム10をレールR,Rに直交する姿勢となるようにセットする。また、第3本体ビーム30を、ホームよりも高い所定位置にてレールR,Rと直交し且つ水平な状態となるように支持する。
【0047】
続いて、スライダ50の蝶ネジ54を緩め、レーザ距離計60を第3本体ビーム30に沿ってスライドさせ、レーザ距離計60が第3測定点Cを照射できる位置で停止させ、蝶ネジ54を締めてスライダ50をロックし、レーザ距離計60を位置決めする。なお、レーザ距離計60が第3測定点Cを照射できる位置か否かは、レーザ距離計60の測定ボタンを押して赤色のレーザ光の点が第3測定点C上に表れたか否かによって容易に確認できる。
【0048】
その後、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光を第3測定点Cに照射し、そのときのレーザ距離計60の液晶表示部61に表示された数値を第3測定点Cまでの距離(距離Ly)として記録する。
引き続き、レーザ距離計60を位置決めしたままの状態で、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離し、レーザ距離計60を水平横向きの姿勢をとるようにし、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込む(図4参照)。そして、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光をターゲットバー40に照射し、そのときの液晶表示部61に表示された数値をレール間の中心までの距離(距離Lx)として記録する。
【0049】
そして、得られた距離Lx、Lyに基づいて、建築限界と第3測定点Cとの離隔距離Dを前述の数1式(θ=105°)によって算出し、第3測定点Cが建築限界を侵しているか否かを判断する。
以上の詳述したように、本実施形態の建築限界測定器1によれば、以下の効果が得られる。
【0050】
▲1▼駅のホーム上でレーザ距離計60を用いて測定するため、従来のように目盛を読み取る場合に比べて、作業時間が短くなるうえ、測定点が建築限界を侵しているか否かの判断の信頼性が高くなる。
▲2▼駅のホーム上で測定作業を実施できるため、線路上で測定作業を実施する場合に比べて安全性が高くなる。
【0051】
▲3▼レーザ距離計60は、上方に存在する物体までの距離を測定する姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ線路側又はホーム側に傾いた姿勢(図8参照)を選択可能なように構成されている。このため、第2測定点Bのように測定作業位置よりも線路側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけ線路側に傾いた姿勢を選択し、第3測定点Cのように測定作業位置よりもホーム側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけホーム側に傾いた姿勢を選択すれば、レーザ距離計60のスライド量を小さくすることができ、ひいては第3本体ビーム30の長さを短くでき、装置全体がコンパクトになる。
【0052】
▲4▼第1〜第3本体ビーム10〜30はアルミニウム製のため、剛性・耐久性が高いうえ軽量化も図られる。
▲5▼第1本体ビーム10はレール間に相当する長さに設計され、第3本体ビーム30はレール間の中心線からホーム側に所定の長さに設計され、第2本体ビーム20は第1本体ビーム10から斜め上向きに延び出して第3本体ビーム30を支持する形状に設計されているため、建築限界測定器1を必要最小限の大きさにすることができ、軽量化が図られる。
【0053】
▲6▼第1本体ビーム10は、絶縁樹脂からなるレール係合部11,11を介してレールR,Rに接触しているため、レールR,R同士が第1本体ビーム10によって電気的に短絡するおそれがない。このため、レールR,R同士が短絡すると信号機が赤になるように設定されている場合に建築限界の測定を行ったとしても、誤って信号機が赤に変わることはなく、列車運行上好ましい。
【0054】
▲7▼第1本体ビーム10はレール間に相当する長さであり、第2本体ビーム20は2つの分割ビーム21,21に分割可能であり、第3本体ビーム30も板状ビーム31と柱状ビーム32に分割可能であることから、建築限界測定器1を運搬する際には、分割して一つのビームを1m強にすることができるため、容易に運搬できる。
【0055】
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、レーザ距離計60に表示される数値(距離Lx、Ly)を作業者が読み取るようにしたが、レーザ距離計60に演算装置としてのノートパソコンをケーブル又はコネクタを介して接続し、直接データを伝送するようにしてもよい。この場合、作業者が読み取る作業が不要なため作業性が一層向上し、作業者を介さずにデータを処理するため信頼性が一層向上する。
【0056】
また、上記実施形態では、上方に存在する物体までの距離を測定するときのレーザ距離計60の姿勢として、3つの姿勢を選択可能としたが、4つ以上の姿勢を選択可能としてもよい。例えば、姿勢選択溝56の形状につき、正方形SQ1〜SQ3を重ね合わせた形状としたが、これを4つ以上の正方形を重ね合わせた形状とすればよい。なお、本実施形態と異なる構成により姿勢を選択可能としてもよい。
【0057】
更に、第3本体ビーム30のホーム側の端部に取っ手を設けて、作業者が作業し易いようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の建築限界測定器の正面図である。
【図2】 本実施形態の建築限界測定器の平面図である。
【図3】 図1のA−A断面図である。
【図4】 図1の部分拡大図(二点鎖線で囲った部分)である。
【図5】 スライダの説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図6】 距離計マウントの説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図7】 レーザ距離計の姿勢を変更する際の説明図である。
【図8】 レーザ距離計が各種の姿勢をとったときの説明図であり、(a)は鉛直上向きの姿勢、(b)は鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢、(c)は鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢である。
【図9】 本実施形態の建築限界測定器の使用状態を表す説明図である。
【図10】 従来の建築限界測定器の使用状態を表す説明図である。
【符号の説明】
1・・・建築限界測定器、10・・・第1本体ビーム、11・・・レール係合部、20・・・第2本体ビーム、21・・・分割ビーム、30・・・第3本体ビーム、31・・・板状ビーム、32・・・柱状ビーム、35・・・ガイド溝、40・・・ターゲットバー、50・・・スライダ、56・・・姿勢選択溝、57・・・貫通孔、60・・・レーザ距離計、61・・・液晶表示部、70・・・距離計マウント、73・・・凸部、74・・・ボルト、75・・・スプリング、76・・・ナット、A・・・第1測定点、B・・・第2測定点、C・・・第3測定点。
【発明の属する技術分野】
本発明は、駅のホーム上で列車の建築限界を測定するための建築限界測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車が線路上を支障なく走行するためには、線路上に、車両の大きさに加えて相当の余裕を持った空間が必要となる。この空間の限界を建築限界という。建築限界は、車両走行時の車体、輪軸の横移動、台車バネの変位、軌道狂いによる偏りなどを見込んで定められる。そして、どのような構造物もこの建築限界を侵してはならない。
【0003】
ところで、駅のホームにおいて、この建築限界を測定するに当たっては、例えば市販のレーザ距離計を利用し、作業者が線路上にて構造物の端部までの距離を測定することが考えられる。しかし、線路上での作業は列車退避等が必要となることから作業上問題がある。
【0004】
このため、現状では、駅のホーム上で測定作業が行えるように、図10に示すような測定器100を用いて建築限界の測定を行っている。この測定器100を用いて測定を行う場合には、まず、下方土台部材101を一対のレールR,Rに係合して所定姿勢になるようにセットし、次いで、上方垂直部材102を上方水平部材103に沿ってスライドさせつつ、上方垂直部材102に挿入された棒部材104を上下方向にスライドさせて、棒部材104の先端を測定点に接触させる。そして、この時点で上方水平部材103に付された目盛及び棒部材104に付された目盛から、定点(レール間の中心線上であって上方水平部材の高さの点)からの水平距離と上方水平部材からの垂直距離とを読む。つまり、接触型距離計を用いている。その後、この水平距離と垂直距離から三平方の定理により定点から測定点までの距離を算出し、測定点が建築限界を侵していないか否かを確認する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の測定器100を用いた場合には、上方水平部材103に付された目盛や棒部材104に付された目盛を読み取るため、作業に時間がかかるうえ、読み間違いが生じることもある。このため、作業性や信頼性が十分得られないという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決することを課題とするものであり、駅のホーム上で安全且つ短時間に作業できるうえ、建築限界を侵しているか否かの判断の信頼性が高い建築限界測定器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、本発明は、駅のホーム上で列車の建築限界を測定するための建築限界測定器であって、
一対のレールに係合されて所定姿勢になるようにセットされる下方土台部材と、
前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、ホームよりも高い所定位置にて前記レールと直交し且つ水平な状態で支持される上方水平部材と、
前記上方水平部材に設けられ、前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、前記レール間の中心線上に位置決めされる照射用プレートと、
前記上方水平部材にて水平方向にスライド可能に設けられ、前記照射プレートまでの距離を測定する第1姿勢及び上方に存在する物体までの距離を測定する第2姿勢のいずれかにセットされる光照射型距離計と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の建築限界測定器では、まず、光照射型距離計(例えば超音波距離計、レーザ距離計など)を第2姿勢にセットし、次いで、下方土台部材を一対のレールに係合して所定姿勢になるようにセットする。このとき、上方水平部材は、ホームよりも高い所定位置にてレールと直交し且つ水平な状態で支持される。また、照射用プレートは、レール間の中心線上に位置決めされる。
【0009】
この状態で、光照射型距離計の光が測定点を照射する位置まで、光照射型距離計を水平方向にスライドし、そのときの測定点までの距離(便宜上、距離Lyという)を測定する。例えば、第2姿勢が鉛直上向きの姿勢の場合には、距離Lyは測定点までの垂直距離になる。その後、光照射型距離計をスライドさせることなくその位置のままで第1姿勢にセットし直し、そのときの照射プレートまでの距離、即ち、レール間の中心線までの距離(便宜上、距離Lxという)を測定する。そして、これらの距離Lx,Lyに基づいて、建築限界と測定点との離隔距離を算出し、測定点が建築限界を侵しているか否かを判断する。
【0010】
なお、距離Lx,Lyは、光照射型距離計に表示される数値を作業者が読み取ってもよいが、光照射型距離計からパーソナル・コンピュータ等の演算装置にケーブル又はコネクタを介して伝送するようにし、直接データを演算装置に送り、その演算装置にて建築限界と測定点との離隔距離を算出するようにしてもよい。
【0011】
以上の建築限界測定器によれば、駅のホーム上で光照射型距離計(非接触型距離計)を用いて測定するため、従来のように接触型距離計を用いて目盛を読み取る場合に比べて、作業時間が短くなるうえ、測定点が建築限界を侵しているか否かの判断の信頼性が高くなるという効果が得られる。また、駅のホーム上で測定作業を実施できるため、線路上で測定作業を実施する場合に比べて安全性が高くなるという効果も得られる。
【0012】
ところで、光照射型距離計の第2姿勢として鉛直上向きの姿勢のみを採用してもよいが、その場合には、例えば測定作業者がこの建築限界測定器を支持して立っている位置(以下、測定作業位置という)よりも線路側にある測定点からホーム側にある測定点までのすべてを光照射型距離計で照射しようとすると、光照射型距離計を水平方向にスライドさせる範囲を大きくする必要があり、装置全体が大型化してしまうという問題が生じる。
【0013】
この問題を解消するには、本発明の建築限界測定器において、光照射型距離計の第2姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ傾いた姿勢を選択可能なように構成することが好ましい。この場合、例えば測定作業位置よりも線路側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけ線路側に傾いた姿勢に光照射型距離計をセットすることにより、光照射型距離計のスライド量が小さくても、光照射型距離計はその測定点を照射可能となるため、装置がコンパクトになる。
【0014】
特に、光照射型距離計は、第2姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ線路側又はホーム側に傾いた姿勢を選択可能なように構成することが好ましい。この場合、測定作業位置よりも線路側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけ線路側に傾いた姿勢を第2姿勢として選択し、測定作業位置よりもホーム側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけホーム側に傾いた姿勢を第2姿勢として選択すれば、光照射型距離計のスライド量を一段と小さくすることができ、装置が一層コンパクトになる。
【0015】
また、本発明の建築限界測定器を構成する下方土台部材、上方水平部材およびこれらを接続する接続部材は、どのような材料で作製してもよいが、アルミニウムを主原料とする金属で作製されていることが、剛性・耐久性が高いうえ軽量であるという点で好ましい。
【0016】
更に、本発明の建築限界測定器において、下方土台部材はレール間に相当する長さとし、上方水平部材はレール間の中心線からホーム側に所定の長さとし、接続部材は下方土台部材から斜め上向きに延び出して上方水平部材を支持する形状にすることが好ましい。この場合、建築限界測定器を必要最小限の大きさにすることができるため、軽量化が図られる。
【0017】
更にまた、本発明の建築限界測定器において、下方土台部材は、電気的に絶縁された状態でレールと接触することが好ましい。この場合、レール同士が下方土台部材によって電気的に短絡するおそれがないため、列車運行上好ましい。具体的には、レール同士が短絡すると信号機が赤になるように設定されている場合があるが、このような場合に建築限界の測定を行ったとしても、誤って信号機が赤に変わることはなく、列車運行上好ましい。
【0018】
そしてまた、本発明の建築限界測定器であって、少なくとも上方水平部材と接続部材は2つ以上に分割可能な構成にすることが好ましい。この場合、建築限界測定器を運搬する際に、上方水平部材と接続部材を分割して小さくまとめることができるため、容易に運搬できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の建築限界測定器の正面図、図2は平面図、図3は図1のA−A断面図、図4は図1の部分拡大図(二点鎖線で囲った部分)である。
【0020】
本実施形態の建築限界測定器1は、主として、下方土台部材としての第1本体ビーム10と、接続部材としての第2本体ビーム20と、上方水平部材としての第3本体ビーム30と、照射用プレートとしてのターゲットバー40と、第3本体ビーム30をスライド可能なスライダ50(図3参照)と、光照射型距離計としてのレーザ距離計60とを備えている。
【0021】
第1本体ビーム10は、アルミニウム製の中空で四角柱形状のビームであり、その両端に電気絶縁性の樹脂からなる断面L字型のレール係合部11,11を有している。この第1本体ビーム10は、一対のレールR,Rの上方からレール間にはめ込まれ、両側のレール係合部11,11がレールR,Rと係合することにより、レールR,Rに直交する姿勢になるようにセットされる。このため、第1本体ビーム10の長さは、レール間の長さとほぼ一致するように設計されている。また、第1本体ビーム10の上面には、斜め上方向に延び出した取付部材12が立設され、この取付部材12は同じく第1本体ビーム10の上面に立設された支持部材13によって支持されている。
【0022】
第2本体ビーム20は、アルミニウム製の中空で四角柱形状の2つの分割ビーム21,21を長手方向に並べて突き合わせた状態で、その両側から添え板22,22をあてがい、添え板22,22を介してボルトナットで両分割ビーム21,21を締結したものである。
【0023】
第3本体ビーム30は、アルミニウム製の板状ビーム31と、アルミニウム製の四角柱形状の柱状ビーム32とを、一部重なり合うようにして長手方向に並べ、その重なり合った部分でネジ止めすることにより、一体化されている。板状ビーム31の先端には、ターゲットバー40が取り付けられている。一方、柱状ビーム32の下面には、斜め下向きに延び出した取付部材33が立設され、この取付部材33は同じく柱状ビーム32の下面に立設された支持部材34によって支持されている。また、柱状ビーム32の上面には、図3に示すように、長手方向に沿ってガイド溝35,35が設けられている。このガイド溝35,35には、スライダ50が長手方向に沿ってスライドするように取り付けられている。
【0024】
第1〜第3本体ビーム10,20,30は、第1本体ビーム10の取付部材12と第2本体ビーム20の下端側とが長ネジおよび蝶ナットにより連結され、第3本体ビーム30の取付部材33と第2本体ビーム20の上端側とが同じく長ネジおよび蝶ナットにより連結されることにより、一体化されている。このように一体化された状態では、第1本体ビーム10と第3本体ビーム30は平行であり、第2本体ビーム20は第1本体ビーム10から斜め上向きに延び出して第3本体ビーム30を支持している。また、第1本体ビーム10の中心線上(つまりレール間の中心線上)にターゲットバー40が位置している。
【0025】
スライダ50は、図3に示すように、アルミニウム製の板材を断面逆U字になるように折り曲げた形状を呈し、柱状ビーム32の上面を覆うスライダ本体51と、このスライダ本体51から柱状ビーム32の一方の側面へ折り返されたスライド調整部53と、スライダ本体51から柱状ビーム32の他方の側面へ折り返された距離計設置部55とを備えている。
【0026】
このスライダ50のうち、スライダ本体51の裏面には、ガイド溝35に摺動自在にはめ込まれるガイド部52が設けられている。また、スライド調整部53には、ネジ穴53aに蝶ネジ54が螺合されている。そして、この蝶ネジ54を締めると、蝶ネジ54の先端が柱状ビーム32の側面に押し付けられるため、スライダ50はスライド不能な状態つまりロック状態となる。一方、この蝶ネジ54を緩めると、蝶ネジ54の先端が柱状ビーム32の側面から離れるため、スライダ50はスライド可能な状態となる。
【0027】
更に、スライダ50の距離計設置部55には、距離計マウント70をはめ込むための姿勢選択溝56が設けられている。図5はスライダ50の説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図であるが、姿勢選択溝56は、この図5(a)に示すように、縦の辺が垂直方向と一致する第1の正方形SQ1と、縦の辺が垂直方向から線路側に所定角度(ここでは15°)傾斜した第2の正方形SQ2と、縦の辺が垂直方向からホーム側に所定角度(ここでは15°)傾斜した第3の正方形SQ3の3つの正方形SQ1〜SQ3を、それぞれ中心が一致するように配置して重ね合わせ形状を呈している。また、この姿勢選択溝56は窪み状に形成されており、この窪みの底部には距離計マウント70のボルト74を遊嵌するための貫通孔57が設けられている。なお、図5(a)における二点鎖線は説明の便宜上引いた仮想線である。
【0028】
ここで、距離計マウント70は、図3に示すように、板部材71の一方の面にレーザ距離計60を着脱自在に取り付けるための一対の取付溝72,72を備え、板部材71の他方の面の中央に四角柱状の凸部73を備え、その凸部73の中央にボルト74を備えている。この凸部73は距離計設置部55の表側から姿勢選択溝56の正方形SQ1〜SQ3のいずれかにはめ込まれて合致するものである。
【0029】
そして、このように姿勢選択溝56に凸部73がはめ込まれた距離計マウント70は、貫通孔57を介して裏側に貫通したボルト74にスプリング75が外挿された状態でナット76が螺合されている。この結果、スプリング75は圧縮されて距離計設置部55からナット76を離間させる方向に付勢するため、この付勢力により距離計マウント70の板部材71は距離計設置部55に密着される。なお、図6は距離計マウント70の説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【0030】
レーザ距離計60は、図示しない測定ボタンを押すと赤色のレーザ光が照射されて測定を行うものであり、レーザ照射位置は赤色の点として表れるため、屋内であれ屋外であれ、どこを照射しているか容易に確認できる。このレーザ距離計60は、液晶表示部61を備えており、測定距離(レーザ照射位置までの距離)がこの液晶表示部61に表示される。また、レーザ距離計60は、裏面に設けられた取付金具62(図3参照)が距離計マウント70の一対の取付溝72,72に着脱自在にはめ込まれ、距離計マウント70と一体化されている。なお、レーザ距離計60としては、例えば株式会社ソキア製のMiNiMeterMM30等が利用可能である。
【0031】
次に、本実施形態の建築限界測定器1を用いて駅のホーム周辺の構造物が建築限界を侵しているか否かを検査する場合について説明する。
最初に、レーザ距離計60を水平横向きの姿勢(第1姿勢、図4参照)から、上向きの姿勢(第2姿勢、図8参照)に変更する操作について説明する。図7はレーザ距離計の姿勢を変更する際の説明図、図8はレーザ距離計が各種の姿勢をとったときの説明図であり、(a)は鉛直上向きの姿勢、(b)は鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢、(c)は鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢である。なお、所定角度は前述の通り、本実施形態では15°である。
【0032】
作業者は、スプリング75の付勢力に抗して、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離す。すると、図7に示すように、距離計マウント70の凸部73が距離計設置部55の姿勢選択溝56から外れ、レーザ距離計60は距離計マウント70と共にボルト74を中心として回動自在となる。つまり、レーザ距離計60は自由な姿勢をとることができるフリーな状態になる。
【0033】
この状態でレーザ距離計60を鉛直上向きの姿勢になるようにしてから、再び凸部73を姿勢選択溝56にはめ込むと、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ1(図5(a)参照)にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる(図8(a)参照)。
【0034】
あるいは、フリーな状態のレーザ距離計60を鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢になるようにしてから、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込むと、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ2(図5(a)参照)にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる(図8(b)参照)。
【0035】
あるいは、フリーな状態のレーザ距離計60を鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢になるようにしてから、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込むと、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ3(図5(a)参照)にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる(図8(c)参照)。
【0036】
次に、第1〜第3測定点A〜Cを測定する場合について、図9に基づいて説明する。図9は、建築限界測定器の使用状態を表す説明図である。
まず、第1測定点Aのように、作業者が建築限界測定器1を支持している位置(つまり測定作業位置)のほぼ真上に存在する構造物を測定するには、レーザ距離計60を鉛直上向きの姿勢(図8(a)参照)にセットする。
【0037】
続いて、作業者は、第1本体ビーム10のレール係合部11,11をレールR,Rに係合させ、第1本体ビーム10をレールR,Rに直交する姿勢となるようにセットする。また、第3本体ビーム30を、ホームよりも高い所定位置(第2本体ビーム20の長さによって決まる)にてレールR,Rと直交し且つ水平な状態となるように支持する。
【0038】
続いて、スライダ50の蝶ネジ54を緩め、レーザ距離計60を第3本体ビーム30に沿ってスライドさせ、第1測定点Aの真下で停止させる。そして、蝶ネジ54を締めてスライダ50をロックする。これにより、レーザ距離計60は第1測定点Aの真下に位置決めされる。なお、レーザ距離計60が第1測定点Aの真下に位置しているか否かは、レーザ距離計60の測定ボタンを押して赤色のレーザ光の点が第1測定点A上に表れたか否かによって容易に確認できる。
【0039】
その後、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光を第1測定点Aに照射し、そのときのレーザ距離計60の液晶表示部61に表示された数値を第1測定点Aまでの距離(距離Ly)として記録する。
引き続き、レーザ距離計60を第1測定点Aの真下に位置決めした状態で、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離す。すると、図7に示すように、距離計マウント70の凸部73が距離計設置部55の姿勢選択溝56から外れ、レーザ距離計60は距離計マウント70と共に自由な姿勢をとることができるフリーな状態になる。この状態でレーザ距離計60を鉛直上向きの姿勢から90°回転させて水平横向きの姿勢をとるようにし、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込む(図4参照)。このとき、凸部73は姿勢選択溝56のうち正方形SQ1にはめ込まれ、スプリング75の付勢力によりその姿勢にセットされる。そして、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光をターゲットバー40に照射し、そのときの液晶表示部61に表示された数値をレール間の中心までの距離(距離Lx)として記録する。
【0040】
そして、得られた距離Lx、Lyに基づいて、建築限界と第1測定点Aとの離隔距離Dを下記数1式(θ=90°)によって算出し、第1測定点Aが建築限界を侵しているか否かを判断する。
【0041】
【数1】
次に、第2測定点Bを測定する場合について説明する。第2測定点Bのように、作業者が建築限界測定器1を支持している位置よりも線路側に存在する構造物を測定するには、レーザ距離計60を鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢(図8(b)参照)にセットする。
【0042】
続いて、作業者は、第1本体ビーム10のレール係合部11,11をレールR,Rに係合させ、第1本体ビーム10をレールR,Rに直交する姿勢となるようにセットする。また、第3本体ビーム30を、ホームよりも高い所定位置にてレールR,Rと直交し且つ水平な状態となるように支持する。
【0043】
続いて、スライダ50の蝶ネジ54を緩め、レーザ距離計60を第3本体ビーム30に沿ってスライドさせ、レーザ距離計60が第2測定点Bを照射できる位置で停止させ、蝶ネジ54を締めてスライダ50をロックし、レーザ距離計60を位置決めする。なお、レーザ距離計60が第2測定点Bを照射できる位置か否かは、レーザ距離計60の測定ボタンを押して赤色のレーザ光の点が第2測定点B上に表れたか否かによって容易に確認できる。
【0044】
その後、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光を第2測定点Bに照射し、そのときのレーザ距離計60の液晶表示部61に表示された数値を第2測定点Bまでの距離(距離Ly)として記録する。
引き続き、レーザ距離計60を位置決めしたままの状態で、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離し、レーザ距離計60を水平横向きの姿勢をとるようにし、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込む(図4参照)。そして、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光をターゲットバー40に照射し、そのときの液晶表示部61に表示された数値をレール間の中心までの距離(距離Lx)として記録する。
【0045】
そして、得られた距離LX、LYに基づいて、建築限界と第2測定点Bとの離隔距離Dを前述の数1式(θ=75°)によって算出し、第2測定点Bが建築限界を侵しているか否かを判断する。
次に、第3測定点Cを測定する場合について説明する。第3測定点Cのように、作業者が建築限界測定器1を支持している位置よりもホーム側に存在する構造物を測定するには、レーザ距離計60を鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢(図8(c)参照)にセットする。
【0046】
続いて、作業者は、第1本体ビーム10のレール係合部11,11をレールR,Rに係合させ、第1本体ビーム10をレールR,Rに直交する姿勢となるようにセットする。また、第3本体ビーム30を、ホームよりも高い所定位置にてレールR,Rと直交し且つ水平な状態となるように支持する。
【0047】
続いて、スライダ50の蝶ネジ54を緩め、レーザ距離計60を第3本体ビーム30に沿ってスライドさせ、レーザ距離計60が第3測定点Cを照射できる位置で停止させ、蝶ネジ54を締めてスライダ50をロックし、レーザ距離計60を位置決めする。なお、レーザ距離計60が第3測定点Cを照射できる位置か否かは、レーザ距離計60の測定ボタンを押して赤色のレーザ光の点が第3測定点C上に表れたか否かによって容易に確認できる。
【0048】
その後、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光を第3測定点Cに照射し、そのときのレーザ距離計60の液晶表示部61に表示された数値を第3測定点Cまでの距離(距離Ly)として記録する。
引き続き、レーザ距離計60を位置決めしたままの状態で、レーザ距離計60を距離計マウント70と共にスライダ50の距離計設置部55から引き離し、レーザ距離計60を水平横向きの姿勢をとるようにし、凸部73を姿勢選択溝56にはめ込む(図4参照)。そして、レーザ距離計60の図示しない測定ボタンを押してレーザ光をターゲットバー40に照射し、そのときの液晶表示部61に表示された数値をレール間の中心までの距離(距離Lx)として記録する。
【0049】
そして、得られた距離Lx、Lyに基づいて、建築限界と第3測定点Cとの離隔距離Dを前述の数1式(θ=105°)によって算出し、第3測定点Cが建築限界を侵しているか否かを判断する。
以上の詳述したように、本実施形態の建築限界測定器1によれば、以下の効果が得られる。
【0050】
▲1▼駅のホーム上でレーザ距離計60を用いて測定するため、従来のように目盛を読み取る場合に比べて、作業時間が短くなるうえ、測定点が建築限界を侵しているか否かの判断の信頼性が高くなる。
▲2▼駅のホーム上で測定作業を実施できるため、線路上で測定作業を実施する場合に比べて安全性が高くなる。
【0051】
▲3▼レーザ距離計60は、上方に存在する物体までの距離を測定する姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ線路側又はホーム側に傾いた姿勢(図8参照)を選択可能なように構成されている。このため、第2測定点Bのように測定作業位置よりも線路側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけ線路側に傾いた姿勢を選択し、第3測定点Cのように測定作業位置よりもホーム側にある測定点に対しては、鉛直上向きから所定角度だけホーム側に傾いた姿勢を選択すれば、レーザ距離計60のスライド量を小さくすることができ、ひいては第3本体ビーム30の長さを短くでき、装置全体がコンパクトになる。
【0052】
▲4▼第1〜第3本体ビーム10〜30はアルミニウム製のため、剛性・耐久性が高いうえ軽量化も図られる。
▲5▼第1本体ビーム10はレール間に相当する長さに設計され、第3本体ビーム30はレール間の中心線からホーム側に所定の長さに設計され、第2本体ビーム20は第1本体ビーム10から斜め上向きに延び出して第3本体ビーム30を支持する形状に設計されているため、建築限界測定器1を必要最小限の大きさにすることができ、軽量化が図られる。
【0053】
▲6▼第1本体ビーム10は、絶縁樹脂からなるレール係合部11,11を介してレールR,Rに接触しているため、レールR,R同士が第1本体ビーム10によって電気的に短絡するおそれがない。このため、レールR,R同士が短絡すると信号機が赤になるように設定されている場合に建築限界の測定を行ったとしても、誤って信号機が赤に変わることはなく、列車運行上好ましい。
【0054】
▲7▼第1本体ビーム10はレール間に相当する長さであり、第2本体ビーム20は2つの分割ビーム21,21に分割可能であり、第3本体ビーム30も板状ビーム31と柱状ビーム32に分割可能であることから、建築限界測定器1を運搬する際には、分割して一つのビームを1m強にすることができるため、容易に運搬できる。
【0055】
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、レーザ距離計60に表示される数値(距離Lx、Ly)を作業者が読み取るようにしたが、レーザ距離計60に演算装置としてのノートパソコンをケーブル又はコネクタを介して接続し、直接データを伝送するようにしてもよい。この場合、作業者が読み取る作業が不要なため作業性が一層向上し、作業者を介さずにデータを処理するため信頼性が一層向上する。
【0056】
また、上記実施形態では、上方に存在する物体までの距離を測定するときのレーザ距離計60の姿勢として、3つの姿勢を選択可能としたが、4つ以上の姿勢を選択可能としてもよい。例えば、姿勢選択溝56の形状につき、正方形SQ1〜SQ3を重ね合わせた形状としたが、これを4つ以上の正方形を重ね合わせた形状とすればよい。なお、本実施形態と異なる構成により姿勢を選択可能としてもよい。
【0057】
更に、第3本体ビーム30のホーム側の端部に取っ手を設けて、作業者が作業し易いようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の建築限界測定器の正面図である。
【図2】 本実施形態の建築限界測定器の平面図である。
【図3】 図1のA−A断面図である。
【図4】 図1の部分拡大図(二点鎖線で囲った部分)である。
【図5】 スライダの説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図6】 距離計マウントの説明図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図7】 レーザ距離計の姿勢を変更する際の説明図である。
【図8】 レーザ距離計が各種の姿勢をとったときの説明図であり、(a)は鉛直上向きの姿勢、(b)は鉛直方向から線路側に所定角度傾いた姿勢、(c)は鉛直方向からホーム側に所定角度傾いた姿勢である。
【図9】 本実施形態の建築限界測定器の使用状態を表す説明図である。
【図10】 従来の建築限界測定器の使用状態を表す説明図である。
【符号の説明】
1・・・建築限界測定器、10・・・第1本体ビーム、11・・・レール係合部、20・・・第2本体ビーム、21・・・分割ビーム、30・・・第3本体ビーム、31・・・板状ビーム、32・・・柱状ビーム、35・・・ガイド溝、40・・・ターゲットバー、50・・・スライダ、56・・・姿勢選択溝、57・・・貫通孔、60・・・レーザ距離計、61・・・液晶表示部、70・・・距離計マウント、73・・・凸部、74・・・ボルト、75・・・スプリング、76・・・ナット、A・・・第1測定点、B・・・第2測定点、C・・・第3測定点。
Claims (7)
- 駅のホーム上で列車の建築限界を測定するための建築限界測定器であって、
一対のレールに係合されて所定姿勢になるようにセットされる下方土台部材と、
前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、ホームよりも高い所定位置にて前記レールと直交し且つ水平な状態で支持される上方水平部材と、
前記上方水平部材に設けられ、前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、前記レール間の中心線上に位置決めされる照射用プレートと、
前記上方水平部材にて水平方向にスライド可能に設けられ、前記照射プレートまでの距離を測定する第1姿勢及び上方に存在する物体までの距離を測定する第2姿勢のいずれかにセットされる光照射型距離計と
を備えたことを特徴とする建築限界測定器。 - 請求項1記載の建築限界測定器において、
前記光照射型距離計は、前記第2姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ傾いた姿勢を選択可能なことを特徴とする建築限界測定器。 - 請求項1記載の建築限界測定器において、
前記光照射型距離計は、前記第2姿勢として、鉛直上向きの姿勢のほか、鉛直上向きから所定角度だけ線路側又はホーム側に傾いた姿勢を選択可能なことを特徴とする建築限界測定器。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の建築限界測定器であって、
前記下方土台部材と前記上方水平部材とを接続し、前記下方土台部材が前記所定姿勢にセットされたとき、前記上方水平部材を前記所定位置にて前記レールと直交し且つ水平な状態で支持する接続部材を備え、
前記下方土台部材、前記上方水平部材及び前記接続部材は、いずれもアルミニウムを主原料とする金属で作製されていることを特徴とする建築限界測定器。 - 請求項4記載の建築限界測定器であって、
前記下方土台部材は前記レール間に相当する長さとし、前記上方水平部材は前記レール間の中心線からホーム側に向かって所定の長さとし、前記接続部材は前記下方土台部材から斜め上向きに延び出して前記上方水平部材を支持する形状とすることを特徴とする建築限界測定器。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の建築限界測定器であって、
前記下方土台部材は、電気的に絶縁された状態でレールと接触することを特徴とする建築限界測定器。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の建築限界測定器であって、
少なくとも前記上方水平部材と前記接続部材は2つ以上に分割可能なことを特徴とする建築限界測定器。
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