JP2017015423A - 道床形状測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】道床の両側の肩部の上方に少なくとも1つずつ設けられ、レーザ光を扇状にスキャンして道床の表面の画像データを取得する測定部11と、測定部11を制御して、所定間隔で画像データを取得させる測定制御部(制御部15)と、測定部11により取得された画像データに基づいて、道床の形状に係る数値データを算出する算出部(制御部15)と、車両の移動距離を検出する位置検出部14と、算出部により算出された数値データと、数値データの元となる画像データが取得されたタイミングで位置検出部14により検出された移動距離と、を関連付けて外部メモリ16に記憶させる記憶制御部(制御部15)と、を備える。
【選択図】図2
Description
そして、道床の「余盛」が適正に隆起しているか確認する手法として、走行する軌道検測車からバラストを盛って形成した道床に向けてレーザスポットを投射して、そのレーザスポットを適当な時間間隔で撮像するとともに、レーザスポットを撮像した画像データと、距離マーク発生部による距離マークとをVTRのテープに並列に収録し、その収録した画像データを解析することによってバラストの形状、特に道床の余盛高さと道床の肩幅(図12参照)を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術では、測定したバラストの形状から算出した尺度が基準値より大きい箇所を不良箇所として判定し、バラストの崩壊部分を検出するようになっている。
バラストが盛られている道床に敷設された軌道上を走行可能な車両に設置され、前記道床の形状を測定する道床形状測定装置であって、
前記道床の両側の肩部の上方に少なくとも1つずつ設けられ、レーザ光を扇状にスキャンして前記道床の表面の画像データを取得する測定部と、
前記測定部を制御して、所定間隔で前記画像データを取得させる測定制御部と、
前記測定部により取得された画像データに基づいて、前記道床の形状に係る数値データを算出する算出部と、
前記車両の移動距離を検出する位置検出部と、
前記算出部により算出された数値データと、前記数値データの元となる画像データが取得されたタイミングで前記位置検出部により検出された移動距離と、を関連付けて外部メモリに記憶させる記憶制御部と、
を備えるように構成した。
前記測定部は、前記道床の両側の肩部の上方に一対ずつ設けられ、
前記一対の測定部は、当該一対の測定部の各々から照射されたレーザ光同士が重なるように配置され、
前記一対の測定部の幅方向の中間位置における重なり部分のレーザ光の高さが、必要となる余盛の高さ以上となっている。
かかる構成によれば、一対の測定部により必要となる余盛の高さ以上の高さにレーザ光を照射することができるので、余盛の高さをより確実に測定することができ、道床に係る基準値の正確性をより確実なものとすることができる。
前記測定部を前記道床の幅方向に移動させる移動部が設けられる。
かかる構成によれば、軌道の種類に応じて必要とされる道床肩幅が異なる場合であっても測定部を適切な位置に位置決めすることができるので、道床の形状に係る数値データをより確実に測定することができる。
前記測定制御部は、所定の第1間隔で前記画像データを取得させ、
前記算出部は、前記測定部により前記所定の第1間隔で取得された画像データに基づいて、前記所定の第1間隔よりも大きい所定の第2間隔で前記数値データを算出する。
かかる構成によれば、道床の形状に係る数値データを所定の第1間隔よりも大きい所定の第2間隔で算出することで、所定の第1間隔で算出する場合と比較してデータ量を低減することができ、解析作業を容易にすることができる。また、道床の表面の画像データを所定の第1間隔で算出することで、所定の第1間隔よりも大きい所定の第2間隔で算出される数値データ間の情報を記録しておくことができるので、道床の形状変化やエラー原因を詳細に解析することができる。
前記測定部の四方を覆うように設けられ、前記測定部に対して入射する外光を遮蔽する遮蔽部を備える。
かかる構成によれば、測定部に対して斜め上方や側方から入射する太陽光等の外光を遮蔽することができるので、外光による測定への影響を排除することができる。
前記道床の不良種類を設定するための操作部を備え、
前記記憶制御部は、前記操作部により設定された不良種類と、当該不良種類が設定されたタイミングで前記位置検出部により検出された移動距離と、を関連付けて記憶させる。
かかる構成によれば、作業者が目視により発見した道床の状態をマーキング情報として容易に入力(記録)することができるので、測定部による測定を補足することができ、測定作業の効率や精度を向上させることができる。
軌道Rは、例えば図1に示すように、バラストが盛られた道床3に枕木2を埋設し、その枕木2上に載置したレール1を所定のレール支持部に締結するなどして敷設されている。
例えば、夏期の晴天時にレール1の温度が著しく上昇して、そのレール1がふく進する際にレール1が座屈してしまう虞がある。従って、道床3に枕木2を埋めることにより、枕木2の横方向の移動に対する抵抗力(道床横抵抗力)を持たせて、レール1が座屈することを防いでいる。特に、道床3の両側の肩部にバラストを隆起させた「余盛」を設けることで、枕木2の道床横抵抗力を増強している。
そこで、この道床3の「余盛」が適正に隆起しているか否かを確認し、バラストの崩壊部分があれば補修するために、定期的に道床形状測定装置10を用いて道床3の形状を測定するようになっている。
軌道車両4は、図1、図3及び図4に示すように、駆動力を発生して軌道R上を走行する2軸4輪の車両である。軌道車両4は、例えば、軌道Rの巡回又は連絡などに使用され、作業者の運転操作により軌道R上を自走する軌道自動車両(レールスクータ)である。軌道車両4は、作業者が2名乗車可能であり、幅方向に一列に2名の作業者が着席する。
軌道車両4の下面には、軌道R上を転動する一対の前輪41A及び一対の後輪41Bが設けられている。前輪41A及び後輪41Bは、軌道Rの頭頂部に対応した形状の凹部を有するローラにより構成されている。
測定部11は、軌道車両4の走行方向前方に走行方向と直交する方向(幅方向)を長手として配置された台座20の幅方向両端部に1枚ずつ取り付けられたスライド板24にそれぞれ一対ずつ計4つ配置されている。即ち、測定部11は、道床3の両側の肩部の上方に一対ずつ設けられている。
4本の角材21は、走行方向前方側の端部側で2本の角材22を支持固定するとともに、走行方向後方側が軌道車両4の底面に取り付けられるようになっている。
2本の角材22は、その中央部が4本の角材21の走行方向前方側の端部側により支持固定されている。また、2本の角材22のうち内側(走行方向後方側)の角材22は、その内側の側面、即ち、軌道車両4の車体との接触面に、ゴム等の弾性部材により構成された緩衝材(図示省略)が設けられている。これにより、軌道車両4に発生した振動を台座20へと伝達させることなく吸収して、測定部11への影響を排除することができるようになっている。また、2本の角材22のうち外側(走行方向前方側)の角材22は、その両端部側がそれぞれ支持部材23により軌道車両4の本体フレームに支持固定されている。支持部材23は、例えば、アルミ等の金属部材により構成されている。これにより、台座20を上下方向に揺動させないような構成となっている。
また、2本の角材22には、スライド板24を固定する固定状態とスライド板24を幅方向に移動可能とする解除状態とを切り替えるためのロックレバー26が設けられている。従って、例えば、必要とされる道床肩幅が異なる場合に、ロックレバー26を操作してスライド板24を適切な位置に位置決めすることで、スライド板24に取り付けられた各測定部11を適切な位置に配置することができるようになっている。例えば、ロングレール区間の場合、必要とされる道床肩幅が600mmであるので、それに合わせて各測定部11が配置されるようにスライド板24を移動させる(図7(A)参照)。また、定尺区間の場合、必要とされる道床肩幅が400mmであるので、それに合わせて各測定部11が配置されるようにスライド板24を移動させる(図7(B)参照)。ここで、ロックレバー26が設けられている位置の近傍に、道床肩幅に対応する目盛りを設けるようにすれば、スライド板24の位置決めを容易に行うことが可能となる。
また、位置決めされたスライド板24の位置に応じて、モニタ12の設定画面上でオフセット値が設定されることとなる。モニタ12の設定画面上で入力されるオフセット値は、例えば、上記の400mmや600mmだけでなく、必要とされる道床肩幅に応じて例えば500mm等任意の値を入力することができる。なお、図7では、説明の便宜上、遮蔽板25の記載を省略している。
即ち、モニタ12は、本発明の操作部として機能する。
この制御部15は、所定の道床形状測定方法に応じた演算処理を行って、測定部11により取得された道床3の表面の画像データに基づき、道床3の形状に係る数値データ(本実施形態では、道床肩幅の長さや余盛の高さ等)を算出する。
まず、作業者は、軌道車両4の走行方向前方に、幅方向を長手として台座20を取り付ける。
次に、作業者は、台座20に取り付けられたスライド板24を、走行する軌道Rにおいて必要とされる道床肩幅に合わせて位置決めし、スライド板24に配置された各測定部11を適切な位置に配置する。そして、スライド板24を位置決めした後、ロックレバー26を操作してスライド板24を固定する。
次に、作業者は、モニタ12を操作して設定画面(図8参照)を表示させ、スタート位置設定部121に測定のスタート位置を入力する。また、オフセット値設定部122にスライド板24(測定部11)のオフセット値を入力する。
以上で道床形状の測定に係る事前準備が完了し、軌道車両4の走行を開始する。
制御部15は、測定部11により0.5mピッチで取得された画像データに基づいて、1.0mピッチで道床3の形状に係る数値データ(図11参照)を算出する。即ち、制御部15は、本発明の算出部として機能する。具体的には、制御部15は、道床3の形状に係る数値データとして、道床肩幅の長さ及び余盛の高さを算出する。算出される道床肩幅の長さL1は、図10に示すように、枕木2の端部から道床3の余盛高さが枕木2の高さh0と同一となる点P1までの長さである。また、算出される余盛の高さh1は、余盛の高さのピークとなる点P2の高さである。
算出された数値データは、外部メモリ16に記憶され、後日解析処理が行われる。具体的には、道床3の形状に係る数値データの基準値を予め設定しておき、当該基準値と算出された数値データとを比較して道床3の過不足を判定することにより、不良箇所を特定することができる。そして、不良箇所として特定された箇所に関しては、必要に応じて画像データの解析処理が行われることとなる。
例えば、測定された道床3の形状に係る数値データを解析した結果、エラーが出力されていた場合には、当該エラーが出力された不良箇所の画像データやその前後の画像データを解析することで、エラーの種類や内容、不良箇所の修繕の必要性等を判断することができる。そして、画像データを解析した結果、不良箇所の修繕が必要と判断された場合は、後日当該不良箇所の修繕が行われることとなる。
従って、本実施形態に係る道床形状測定装置10によれば、余盛の高さをより確実に測定することができるので、道床3に係る基準値の正確性をより確実なものとすることができる。
従って、本実施形態に係る道床形状測定装置10によれば、軌道Rの種類に応じて必要とされる道床肩幅が異なる場合であっても測定部11を適切な位置に位置決めすることができるので、道床3の形状に係る数値データをより確実に測定することができる。
従って、本実施形態に係る道床形状測定装置10によれば、道床3の形状に係る数値データを所定の第1間隔(0.5mピッチ)よりも大きい所定の第2間隔(1.0mピッチ)で算出することで、所定の第1間隔で算出する場合と比較してデータ量を低減することができ、解析作業を容易にすることができる。また、道床3の表面の画像データを所定の第1間隔で算出することで、所定の第1間隔よりも大きい所定の第2間隔で算出される数値データ間の情報を記録しておくことができるので、道床3の形状変化やエラー原因を詳細に解析することができる。
従って、本実施形態に係る道床形状測定装置10によれば、測定部11に対して斜め上方や側方から入射する太陽光等の外光を遮蔽することができるので、外光による測定への影響を排除することができる。
従って、本実施形態に係る道床形状測定装置10によれば、作業者が目視により発見した道床3の状態をマーキング情報として容易に入力(記録)することができるので、測定部11による測定を補足することができ、測定作業の効率や精度を向上させることができる。
1 レール
2 枕木
3 道床
4 軌道車両(車両)
11 測定部
12 モニタ(操作部)
13 電源部
14 位置検出部
15 制御部(測定制御部、算出部、記憶制御部)
16 外部メモリ
20 台座
21、22 角材
23 支持部材
24 スライド板(移動部)
25 遮蔽板(遮蔽部)
26 ロックレバー
Claims (6)
- バラストが盛られている道床に敷設された軌道上を走行可能な車両に設置され、前記道床の形状を測定する道床形状測定装置であって、
前記道床の両側の肩部の上方に少なくとも1つずつ設けられ、レーザ光を扇状にスキャンして前記道床の表面の画像データを取得する測定部と、
前記測定部を制御して、所定間隔で前記画像データを取得させる測定制御部と、
前記測定部により取得された画像データに基づいて、前記道床の形状に係る数値データを算出する算出部と、
前記車両の移動距離を検出する位置検出部と、
前記算出部により算出された数値データと、前記数値データの元となる画像データが取得されたタイミングで前記位置検出部により検出された移動距離と、を関連付けて外部メモリに記憶させる記憶制御部と、
を備えることを特徴とする道床形状測定装置。 - 前記測定部は、前記道床の両側の肩部の上方に一対ずつ設けられ、
前記一対の測定部は、当該一対の測定部の各々から照射されたレーザ光同士が重なるように配置され、
前記一対の測定部の幅方向の中間位置における重なり部分のレーザ光の高さが、必要となる余盛の高さ以上となっていることを特徴とする請求項1に記載の道床形状測定装置。 - 前記測定部を前記道床の幅方向に移動させる移動部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の道床形状測定装置。
- 前記測定制御部は、所定の第1間隔で前記画像データを取得させ、
前記算出部は、前記測定部により前記所定の第1間隔で取得された画像データに基づいて、前記所定の第1間隔よりも大きい所定の第2間隔で前記数値データを算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の道床形状測定装置。 - 前記測定部の四方を覆うように設けられ、前記測定部に対して入射する外光を遮蔽する遮蔽部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の道床形状測定装置。
- 前記道床の不良種類を設定するための操作部を備え、
前記記憶制御部は、前記操作部により設定された不良種類と、当該不良種類が設定されたタイミングで前記位置検出部により検出された移動距離と、を関連付けて記憶させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の道床形状測定装置。
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