JP3658248B2 - 回転塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転力を利用して液状の塗布剤をワークに塗布する回転塗布装置および回転塗布方法に関し、特にワーク両面に塗布剤を塗布する回転塗布装置および回転塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、たとえば半導体素子の製造工程では、大略的に円板状の半導体ウエハ表面にレジスト被膜などを形成するために、回転塗布装置が用いられている。回転塗布装置は、半導体素子の製造工程でのシリコンウエハやガリウムひ素ウエハに対して用いられるばかりではなく、広く、ディスクやセルなどの多くのワークに対して用いられる。このようなワークは、ガラス、セラミックスおよびプラスチックなどの材料から成る。
【0003】
図30は、従来の両面回転塗布装置の回転カップの一部を示す側面図である。回転カップ内には、回転台101が配置される。回転台101の上面には、複数の吸着孔が形成された吸着パット102が設けられ、これによってワーク16の他方表面16bである下面が吸着して保持される。回転台101は、回転モータによって、回転台101の中心を通る回転軸101aを中心に回転し、これによって吸着パット102に吸着されるワーク16が同時に回転する。
【0004】
前記両面回転塗布装置では、1つの回転カップ内で、ワーク16の一方表面16aと他方表面16bとに塗布剤が塗布される。回転カップに収容されるワーク16の一方表面16aの上方には第1塗布剤ノズル104が配置され、他方表面16bの下方には第2塗布剤ノズル103が配置される。第1塗布剤ノズル104および第2塗布剤ノズル103から放出された塗布剤が、ワーク16に供給される。ワーク16に供給された塗布剤は、ワーク16が回転することによって、拡散し塗布される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図31は、塗布剤が塗布されたワーク16の他方表面16bの平面図である。図31では、ワーク16の他方表面16bの塗布剤が塗布されない領域を斜線で示す。前記回転カップでは、吸着パット102が障害となって、ワーク16の他方表面16bの吸着パット102と接する部分に塗布剤を塗布することができない。また、塗布剤をワーク16の下方から供給するので、ワーク16に到達できなかった塗布剤が落下する。さらに前記回転カップではワーク16の下面である他方表面16bに塗布するので、回転中に飛散る塗布剤がワーク上面に塗布する場合に比べて増える。したがって、塗布剤の廃液が増え、廃液を処理するメンテナンスの回数が多くなり、またそれに手間がかかる。
【0006】
回転塗布装置に関する先行技術は、たとえば特開平7−308626号公報、特開平9−57177号公報などに開示されている。しかし、これらの技術による回転塗布装置は、塗布剤がワークの片面だけに塗布される片面回転塗布装置である。
【0007】
両面塗布装置に関する先行技術は、たとえば特開平5−337418号公報、特開平6−41774号公報、特開平7−8891号公報および特開平9−271704号公報などに開示されている。しかし、これらの技術による両面塗布装置が塗布剤を塗布する対象物は、シート状のものに限られる。
【0008】
本発明の目的は、ワークの両面全域に液状の塗布剤を塗布することができる回転塗布装置および回転塗布方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ワークを回転させ、回転中のワーク上に液状の塗布剤を滴下し拡散させて塗布する回転塗布装置において、
カップ状の形状を有し、ワークを収容して保持する状態で、ワークを回転させることが可能な回転カップを備える第1回転カップ部と、
第1回転カップ部の回転カップに収容して保持されるワーク上に塗布剤を滴下して供給する第1塗布剤供給手段と、
第1回転カップ部によって一方表面に塗布剤が塗布されたワークの非塗布面を保持して表裏を反転する反転手段と、
カップ状の形状を有し、反転手段によって表裏が反転されたワークを収容して保持する状態で、ワークを回転させることが可能な回転カップを備える第2回転カップ部と、
第2回転カップ部の回転カップに収容して保持されるワーク上に塗布剤を滴下して供給する第2塗布剤供給手段と
ワークを第1回転カップ部に搬送する第1搬送手段と、
ワークを第1回転カップ部から反転手段に搬送する第2搬送手段と、
ワークを反転手段から第2回転カップ部に搬送する第3搬送手段と、
ワークを第2回転カップ部から排出する第4搬送手段とを含み、
制御手段は、
ワークを第1搬送手段によって第1回転カップ部に搬送させて回転カップに収容し保持させ、該回転カップを回転させながら回転するワーク上に第1塗布剤供給手段によって塗布剤を滴下して供給させ、さらに回転カップを回転させてワーク上に滴下して供給された塗布剤を拡散させ塗布させ、
第1回転カップ部によって一方表面に塗布剤が塗布されたワークを第2搬送手段によって反転手段に搬送させ、搬送されたワークの表裏を反転手段によって反転させ、
表裏が反転されたワークを第3搬送手段によって第2回転カップ部に搬送させて回転カップに収容し保持させ、該回転カップを回転させながら回転するワーク上に第2塗布剤供給手段によって塗布剤を滴下して供給させ、さらに回転カップを回転させてワーク上に滴下して供給された塗布剤を拡散させ塗布させ、
第2回転カップ部によって他方表面に塗布剤が塗布されたワークを第4搬送手段によって排出させるうえ、
前記制御手段は、回転開始時から塗布剤の飛散を低減し得る低速回転にし、ワークに塗布された塗布剤が拡散された後、該塗布剤を均一化すべく高速回転にすることを特徴とする回転塗布装置である。
【0010】
本発明に従えば、第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段によってワークの一方表面に塗布剤が回転塗布され、一方表面に塗布剤が塗布されたワークは反転手段によって非塗布面が保持されて表裏が反転され、表裏が反転されたワークの他方表面に、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段によって塗布剤が回転塗布される。
【0011】
ワークの表裏が反転手段によって反転されるので、第2回転カップ部の回転カップは、塗布剤が塗布された一方表面を保持する。したがって、第2塗布剤供給手段は、ワークの上方から塗布剤を供給し、前記回転カップはワークの他方表面全域に、塗布剤を拡散することができる。つまり、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段は、一方表面に塗布を行う第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段と同様に、他方表面に塗布を行うので、回転塗布装置はワークの両面全域に塗布剤を塗布することができる。
【0012】
ワークの下方から塗布剤を供給すると、重力によって塗布剤の一部がワークに到達できずに落下し、また回転中に飛散る塗布剤が増し、廃液が増加して廃液処理のメンテナンス回数が多くなり、1回のメンテナンスに手間がかかる。本発明では、一方および他方表面ともにワークの上方から塗布剤を供給するので、塗布剤はワークに確実に供給され、廃液が減り、廃液を処理するメンテナンス回数を減らすことができる。また、1回のメンテナンスが容易となる。
【0014】
そしてワークを第1搬送手段によって第1回転カップ部に搬送し、第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段によって一方表面に塗布剤を塗布し、一方表面が塗布されたワークを第2搬送手段によって反転手段に搬送し、反転手段によって表裏を反転し、表裏が反転されたワークを第3搬送手段によって第2回転カップ部に搬送し、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段によって他方表面に塗布剤を塗布し、両面が塗布されたワークを第4搬送手段によって取出す。このように、回転塗布装置は、ワークの両面に塗布剤を回転塗布することができる。
【0015】
御手段は、ワークを第1搬送手段によって第1回転カップ部に搬送させて回転カップに収容し保持させ、該回転カップを回転させながら回転するワーク上に第1塗布剤供給手段によって塗布剤を滴下して供給させ、さらに回転カップを回転させてワーク上に滴下して供給された塗布剤を拡散させ塗布させ、第1回転カップ部によって一方表面に塗布剤が塗布されたワークを第2搬送手段によって反転手段に搬送させ、搬送されたワークの表裏を反転手段によって反転させ、表裏が反転されたワークを第3搬送手段によって第2回転カップ部に搬送させて回転カップに収容し保持させ、該回転カップを回転させながら回転するワーク上に第2塗布剤供給手段によって塗布剤を滴下して供給させ、さらに回転カップを回転させてワーク上に滴下して供給された塗布剤を拡散させ塗布させ、第2回転カップ部によって他方表面に塗布剤が塗布されたワークを第4搬送手段によって排出させるので、回転塗布装置は、前工程から供給されたワークを自動的に搬送し回転塗布することができる。
【0017】
また、このように制御された回転塗布装置では、ワークの表裏が反転手段によって反転されるので、第2回転カップ部の回転カップは、塗布剤が塗布された一方表面を保持する。したがって、第2塗布剤供給手段は、ワークの上方から塗布剤を供給し、前記回転カップはワークの他方表面全域に、塗布剤を拡散することができる。つまり、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段は、一方表面に塗布を行う第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段と同様に、他方表面に塗布を行うので、回転塗布装置はワークの両面全域に塗布剤を塗布することができる。
【0018】
また、ワークの上方から塗布剤を供給するので、下方から塗布剤を供給する場合に比べて、塗布剤はワークに確実に供給され、廃液が減り、廃液を処理するメンテナンス回数を減らすことができ、また1回のメンテナンスを容易とすることができる。そして制御手段は、回転開始時から塗布剤の飛散を低減し得る低速回転にし、ワークに塗布された塗布剤が拡散された後、該塗布剤を均一化すべく高速回転にするので、制御手段が回転速度を低速から高速に切替えると、低速回転によって拡散された塗布剤がさらに拡散され、塗布剤を均一に塗布することができ、塗布剤の乾燥するまでの時間も短くすることができる。また、始め回転速度を低速にするので、液状の塗布剤がワークの回転によって飛散ることを低減することができる。制御手段がこのように回転速度を制御することによって、塗布剤の飛散りが少なく、かつ塗布剤を均一に塗布できる回転塗布装置が得られる。塗布剤の飛散りを低減できると、塗布剤の廃液が減り、廃液を処理するメンテナンス回数を減らすことができ、また1回のメンテナンスを容易とすることができる。
【0019】
また本発明は、前記制御手段は、ワーク上に滴下して供給された塗布剤の塗布時において、回転カップの回転速度を低速から高速に切替えることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、制御手段が、回転カップの回転速度を、回転開始時から塗布剤がワークの上面ほぼ全域に拡散されるまでの間、低速に保ち、塗布剤が拡散されると低速から高速に切替える。
【0021】
制御手段が回転速度を低速から高速に切替えると、低速回転によって拡散された塗布剤がさらに拡散され、塗布剤を均一に塗布することができ、塗布剤の乾燥するまでの時間も短くすることができる。また、始め回転速度を低速にするのは、液状の塗布剤がワークの回転によって飛散ることを低減するためである。制御手段がこのように回転速度を制御することによって、塗布剤の飛散りが少なく、かつ塗布剤を均一に塗布できる回転塗布装置が得られる。塗布剤の飛散りを低減できると、塗布剤の廃液が減り、廃液を処理するメンテナンス回数を減らすことができ、また1回のメンテナンスを容易とすることができる。
【0022】
また本発明は、前記第1および第2回転カップ部はそれぞれ回転カップを複数備え、ワークは複数の回転カップに振り分けて与えられることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、第1回転カップ部および第2回転カップ部が複数の回転カップを備えるので、複数のワークに対する処理を分散して同時に行うことができる。
【0024】
たとえば、第1回転カップ部が回転カップを2つ備え、第2回転カップ部が回転カップを2つ備える回転塗布装置について説明する。第1ワークが前工程の装置から供給されると、第1ワークは第1搬送手段によって第1回転カップ部の一方の回転カップに搬送され、一方の回転カップにおいて回転塗布処理が行われる。第1ワークの次に前工程から供給された第2ワークは、第1搬送手段によって第1回転カップ部の他方の回転カップに搬送され、他方の回転カップにおいて回転塗布処理が行われる。
【0025】
このように、第1および第2回転カップ部の回転カップを複数備える場合、第1回転カップ部のある回転カップにおいてワークが回転塗布されている時に、次のワークが供給されても、前記回転カップの回転塗布処理が終わるまで待機することなく、ワークを第1回転カップ部の別の回転カップに搬送し、回転塗布処理を行うことができる。このことは、ワークの他方表面に塗布を行う第2回転カップ部についても同様である。したがって、塗布剤拡散のために長時間を要する場合には、回転塗布装置は第1回転カップ部および第2回転カップ部の回転カップを複数備えることによって、ワークを各回転カップに振り分け回転塗布処理を行うことができ、塗布処理の効率が高くなり、生産性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である回転塗布装置1の概略的な構成を示す平面図であり、図2はその側面図である。図3は、回転塗布装置1のブロック図である。
【0033】
図1、図2および図3に示すように、回転塗布装置1は、第1位置決め機構23を有する第1位置決め部4、第1モータ部7の昇降モータ7bおよび旋回モータ7aによって上下および往復旋回運動可能な第1搬送部8、第2モータ部14の昇降モータ14bおよび回転モータ14aによって上下および回転運動可能な第1回転カップ部10、第3モータ部22の昇降モータ22bおよび旋回モータ22aによって上下および往復旋回運動可能な、第1塗布剤供給機構17を有する第1塗布剤供給部18、第4モータ部28の旋回モータ28aによって往復旋回運動可能な第2搬送部25、第5モータ部35の旋回モータ35aによって旋回運動可能な反転部32、第6モータ部42の昇降モータ42bおよび直線モータ42aによって上下運動および水平方向に真っすぐ往復運動することが可能な中間移載部39、第2位置決め機構24を有する第2位置決め部45、第7モータ部52の昇降モータ52bおよび旋回モータ52aによって上下および往復旋回運動可能な第3搬送部50、第8モータ部61の昇降モータ61bおよび回転モータ61aによって上下および回転運動可能な第2回転カップ部57、第9モータ部69の昇降モータ69bおよび旋回モータ69aによって上下および往復旋回運動可能な、第2塗布剤供給機構64を有する第2塗布剤供給部65、ならびに第10モータ部75の旋回モータ75aによって往復旋回運動可能な第4搬送部72によって構成される。
【0034】
第1位置決め部4、第1搬送部8、第1回転カップ部10、第1塗布剤供給部18、第2搬送部25、反転部32、中間移載部39、第2位置決め部45、第3搬送部50、第2回転カップ部57、第2塗布剤供給部65および第4搬送部72の各形状および各配置は、ワーク16を図1および図2に示す受け渡し位置w1,w2,w3,w4,w5,w6に停止させて、ワーク16の受け渡しができ、かつワーク16への塗布剤供給が行えるように構成される。図1および図2に示す矢印は前述の各部4,8,10,18,25,32,39,45,50,57,65,72の運動方向を示している。図1および図2では、各部4,8,10,18,25,32,39,45,50,57,65,72の予め定められる待機位置でのワーク16の供給を待機している状態を示す。
【0035】
各部4,8,10,18,25,32,39,45,50,57,65,72のなかでワーク16を保持する部4,8,10,25,32,39,45,50,57,72には、該部毎に対応して、ワーク16を吸着するための吸着パットと真空吸着ポンプとが備えられる。吸着パットには複数の吸着孔が形成され、真空吸着ポンプをONにすると吸着孔から空気が吸い上げられて吸着パットに接するワーク16が吸着され、真空吸着ポンプをOFFにするとワーク16の吸着が解除される。
【0036】
図3に示すように回転塗布装置1の制御部38によって、第1〜第10真空吸着ポンプP1〜P10、第1〜第10モータ部7,14,22,28,35,42,52,61,69,75、第1塗布剤供給機構17、第2塗布剤供給機構64、第1位置決め機構23および第2位置決め機構24の動作が制御される。第1回転カップ部10および第2回転カップ部57の塗布剤およびワーク16の種類によって異なる回転速度と回転時間とは、ワーク16を供給する前に回転数および回転時間記憶部44に記憶される。制御部38は、第1回転カップ部10あるいは第2回転カップ部57の回転時間が変わっても、搬送動作および塗布動作を滞りなく行うことができるよう、記憶された回転時間に応じて、第1〜第10真空吸着ポンプP1〜P10、第1〜第10モータ部7,14,22,28,35,42,52,61,69,75、第1塗布剤供給機構17、第2塗布剤供給機構64、第1位置決め機構23および第2位置決め機構24の動作を制御する。
【0037】
図4は、回転塗布装置1の一連の回転塗布工程を概略的に示すフローチャートである。図1、図2および図4に示すように、ステップaでは、第1位置決め部4に供給されたワーク16を、第1搬送部8が第1位置決め部4から第1回転カップ部10へ搬送する。ステップbでは、第1回転カップ部10においてワーク16の一方表面16aの塗布処理が行われる。このとき、ワーク16には第1塗布剤供給部18から塗布剤が供給される。ステップcでは、一方表面16aの塗布が終了したワーク16を、第2搬送部25が反転部32に搬送する。ステップdでは、反転部32が、ワーク16の表裏を反転し、塗布された一方表面16aが下方を向く状態となったワーク16を中間移載部39に載置し、中間移載部39がワーク16を第2位置決め部45に供給する。ステップeでは、他方表面16bが上方を向いた状態で第2位置決め部45に供給されたワーク16を、第3搬送部50が第2回転カップ部57に搬送する。ステップfでは、第2回転カップ部57においてワーク16の他方表面16bの塗布処理が行われる。このとき、ワーク16には第2塗布剤供給部65から塗布剤が供給される。ステップgでは、両面塗布が終了したワーク16を、第4搬送部72が取出す。次に各部の構成および各工程について詳しく説明する。
【0038】
図5は、ワーク16を、第1搬送部8が第1回転カップ部10に搬送する動作を説明するための平面図であり、図6は、その側面図である。
【0039】
第1位置決め部4は、第1位置決め機構23、第1位置決めテーブル2、第1吸着パット3、第1真空吸着ポンプP1を含んで構成される。
【0040】
第1位置決めテーブル2は、形状が円筒形状であり、たとえば回転塗布装置1内の所定の位置に固定的に設けられ、またその上面を覆って円板状の第1吸着パット3が取付けられる。ワーク16が第1吸着パット3上に載置されるときに第1真空吸着ポンプP1をONにすると、ワーク16の他方表面16bである下面が第1吸着パット3に吸着される。受け渡し位置w1は、第1位置決め部4の載置面の中央部に設定される。第1位置決め機構23は、ワーク16を、受け渡し位置w1に位置決めする。このとき、ワーク16は第1吸着パット3に吸着されているので、位置ずれすることなく確実に受け渡し位置w1に載置される。
【0041】
第1搬送部8は、第1アーム支持部材6、前述の第1モータ部7、第1アーム5、吸着パット支持部9a、第2吸着パット9、第2真空吸着ポンプP2を含んで構成され、ワーク16を前記受け渡し位置w1から後述する受け渡し位置w2まで搬送する。
【0042】
第1アーム支持部材6には、第1アーム5が取付けられる。第1アーム支持部材6は、旋回モータ7aの回転によって、その回転軸6aを中心に回転し、第1アーム5を旋回させる。また昇降モータ7bは、第1アーム5を上昇および下降させる。
【0043】
第1アーム5の先端には、吸着パット支持部9aを介して、第2吸着パット9が取付けられる。第2吸着パット9は、形状が円板状であり、吸着面が下を向いている。該吸着面とワーク16が接するときに、第2真空吸着ポンプP2をONにすると、ワーク16の一方表面16aである上面が第2吸着パット9に吸着される。
【0044】
第1回転カップ部10は回転カップ10aを備える。回転カップ10aは、第1回転台12、第1カップ11、前述の第2モータ部14、第3吸着パット15、第3真空吸着ポンプP3を含んで構成される。
【0045】
第1回転台12には、上面を覆って第3吸着パット15が取付けられる。ワーク16が第3吸着パット15上に載置されるとき第3真空吸着ポンプP3をONにすると、第3吸着パット15にワーク16の他方表面16bである下面が吸着される。
【0046】
また、第1回転台12は、回転モータ14aによって、第1回転台12の中心を通る回転軸12aを中心に回転し、これによって第1回転台12上の第3吸着パット15に吸着されるワーク16が同時に回転する。このとき、ワーク16は第3吸着パット15に吸着されているので、第3吸着パット15から離れないで回転することができる。昇降モータ14bは、第1回転台12を、上昇および下降させる。
【0047】
第1回転台12の周囲には、余剰塗布剤の飛散りを防ぐ第1カップ11が設けられ、第1カップ11の上壁には、開口部30が設けられる。受け渡し位置w2は、回転カップ10aの中央部の上方であり、第1カップ11外に設定される。開口部30を設けることによって、回転カップ10aは、ワーク16を第1カップ11外の受け渡し位置w2から第1カップ11内の回転塗布が行われる位置まで移動させることができ、さらに第1塗布剤供給部18が第1カップ11に収容されるワーク16に接近し、塗布剤を供給することが可能になる。なお、第1塗布剤供給部18については後に詳しく説明する。
【0048】
図7は、ワーク16を第1回転カップ部10に搬送する工程を示すフローチャートである。ステップa1では、第1位置決め部4の第1吸着パット3上にワーク16が供給される。ステップa2では、第1真空吸着ポンプP1がONになり、ワーク16の他方表面16bである下面が第1吸着パット3に吸着される。ステップa3では、第1位置決め機構23がワーク16を受け渡し位置w1に位置決めする。
【0049】
ステップa4では、旋回モータ7aが正方向に回転し、これによって第1アーム5が待機位置から第1位置決め部4側に旋回し始める。ステップa5では、旋回モータ7aが停止し、受け渡し位置w1の上方で第1搬送部8の第2吸着パット9が停止する。その後、昇降モータ7bが負方向に回転し、これによって第1アーム5が垂直下方に下降する。ステップa6では、昇降モータ7bが停止し、第1搬送部8の第2吸着パット9がワーク16に接する位置で停止する。その後第1真空吸着ポンプP1がOFFになり、ほぼ同時に第2真空吸着ポンプP2がONになり、ワーク16の一方表面16aである上面が第2吸着パット9に吸着される。
【0050】
ステップa7では、昇降モータ7bが正方向に回転し、これによってワーク16を吸着する第1搬送部8の第1アーム5が、垂直上方に上昇する。ステップa8では、昇降モータ7bが停止し、第1アーム5が、所定の位置で停止する。その後、旋回モータ7aが負方向に回転し、これによって第1アーム5は、第1回転カップ部10側に向かって旋回し始める。
【0051】
ステップa9では、昇降モータ14bが正方向に回転し、これによって回転カップ10aの第1回転台12が垂直上方に上昇する。その後昇降モータ14bが停止し、これによって第1回転台12が第1カップ11外の所定の位で停止する。ステップa10では、第1搬送部8が、ワーク16を受け渡し位置w2の上方まで搬送すると、旋回モータ7aが停止し、昇降モータ7bが負方向に回転する。これによって第1アーム5が一旦停止し、その後垂直下方に下降し、ワーク16が回転カップ10aの第3吸着パット15上に載置される。ステップa11では、昇降モータ7bが停止し、これによって第1アーム5が停止する。その後第2真空吸着ポンプP2がOFFになり、ほぼ同時に回転カップ10aの第3真空吸着ポンプP3がONになり、受け渡し位置w2に置かれたワーク16の他方表面16bである下面が、第3吸着パット15に吸着される。
【0052】
ステップa12では、昇降モータ7bが正方向に回転し、これによってワーク16を渡し終えた第1搬送部8の第1アーム5が、所定の位置まで垂直上方に上昇する。ステップa13では、昇降モータ7bが停止し、第1アーム5が所定の位置で停止すると、旋回モータ7aが正方向に回転し、これによって第1アーム5が、第1位置決め部4側に旋回する。その後第1アーム5が待機位置まで旋回すると、旋回モータ7aが停止し、第1搬送部8は、待機状態に戻る。
【0053】
ステップa14では、昇降モータ14bが負方向に回転し、これによってワーク16を吸着保持する回転カップ10aの第1回転台12が垂直下方に下降し始める。次に、第1回転カップ部10での塗布処理を説明する。
【0054】
図8は、第1回転カップ部10および第1塗布剤供給部18による回転塗布処理を説明するための平面図であり、図9はその側面図である。
【0055】
第1塗布剤供給部18は、第2アーム支持部材21、第2アーム20、前述の第3モータ部22、第1塗布剤ノズル19、第1塗布剤供給機構17を含んで構成される。
【0056】
第2アーム支持部材21には、第2アーム20が取付けられる。第2アーム支持部材21はその回転軸21aを中心に、旋回モータ22aの回転によって回転し、第2アーム20を旋回させる。昇降モータ22bは、第2アーム20を上昇および下降させる。
【0057】
第2アーム20の先端には、第1塗布剤ノズル19が設けられる。第1塗布剤ノズル19は第1塗布剤供給機構17とつながっている。したがって、第1塗布剤供給機構17が、液状の適量の塗布剤を送り出すと、第1塗布剤ノズル19がその塗布剤をワーク16に滴下する。なお、第1塗布剤供給機構17は、制御部38によって塗布剤の送出量および送出時間が制御される。
【0058】
図10は、第1回転塗布カップ部10での塗布処理工程を示すフローチャートである。図11は、回転塗布装置1における回転カップ10a,57aの回転時間と回転数との関係を示したグラフである。
【0059】
図10のステップb1では、昇降モータ14bが停止し、これによって第1回転台12が回転塗布を行う所定の位置で停止し、ワーク16が第1カップ11内に収容される。ステップb2では、旋回モータ22aが正方向に回転し、これによって第2アーム20が、第2アーム支持部材21の回転軸21aを支点に、待機位置から回転カップ10a側に旋回し始める。ステップb3では、旋回モータ22aが停止し、第1塗布剤ノズル19がワーク16の上方で停止する。その後、昇降モータ22bが負方向に回転し、これによって第2アーム20が、垂直下方に下降し始める。
【0060】
ステップb4では、回転モータ14aが回転し、これによって第1回転台12が回転し始める。ステップb5では、回転モータ14aが低速で回転し続け、第1回転台12が低速で回転し続ける。ステップb6では、第1回転台12の回転が低速に保たれ、かつ第1塗布剤ノズル19が、塗布剤を供給できる位置に到達すると、昇降モータ22bが停止し、これによって第2アーム20が停止し、第1塗布剤供給機構17が塗布剤を送り出し、第1塗布剤ノズル19からワーク16は、塗布剤が滴下される。図11に示すように塗布剤の滴下は、第1回転台12が回転数の少ない低速回転に保たれているときに行われる。
【0061】
ステップb7では、ワーク16に塗布された塗布剤が、第1回転台12の回転によって拡散される。回転カップ10aでは、回転モータ14aの回転速度をしばらく低速に保つことによって、塗布剤の飛び散りを防ぐことができる。
【0062】
ステップb8では、低速で回転することによってワーク16の一方表面16a上面のほぼ全域に塗布剤が拡散すると、回転モータ14aの回転速度が低速から高速になり、第1回転台12は回転数を増して、回転数の多い高速で回転し始める。ステップb9では、回転モータ14aが高速で回転し続け、第1回転台12が高速で回転し続ける。これによって、ワーク16の一方表面16a上の塗布剤が、さらに拡散し均一な厚みの膜になり、乾燥する。ステップb10では、ワーク16の一方表面16aに塗られた塗布剤が完全に乾燥すると、回転モータ14aの回転が停止し、これによって第1回転台12の回転が停止する。
【0063】
第1回転台12の回転中に、塗布剤を滴下し終えた第1塗布剤供給部18は、昇降モータ22bが正方向に回転し、これによって第2アーム20が上昇する。その後昇降モータ22bが停止し、第2アーム20が所定の位置で停止し、旋回モータ22aが負方向に回転し、これによって第2アーム20が旋回する。その後旋回モータ22aが停止し、第1塗布剤供給部18は、待機状態へ戻る。
【0064】
図10のステップb1〜ステップb10のように第1回転カップ部10では、ワーク16の一方表面16aの塗布処理が行われる。次にワーク16を第2搬送部25が、第1回転カップ部10から反転部32に搬送する工程を説明する。
【0065】
図12は、ワーク16を第2搬送部25が、第1回転カップ部10から反転部32に搬送する動作を説明するための平面図であり、図13は、その側面図である。
【0066】
第2搬送部25は、第3アーム支持部材27、第3アーム26、前述の第4モータ部28、第4吸着パット29、吸着パット支持部29a、第4真空吸着ポンプP4を含んで構成され、ワーク16を前記受け渡し位置w2から後述する受け渡し位置w3まで搬送する。
【0067】
第3アーム支持部材27には、第3アーム26が取付けられる。第3アーム支持部材27は、その回転軸27aを中心に、旋回モータ28aによって回転し第3アーム26を旋回させる。
【0068】
第3アーム26の先端には、吸着パット支持部29aを介して第4吸着パット29が取付けられる。第4吸着パット29は、吸着面が上方を向いている。ワーク16と該吸着面とが接するときに、第4真空吸着ポンプP4をONにすると、第4吸着パット29にワーク16の他方表面16bである下面が吸着される。
【0069】
第4吸着パット29および吸着パット支持部29aの上方から見た形状は、L字型形状である。このような形状にするのは、後述するワーク16の受け渡しをする際に、第4吸着パット29および吸着パット支持部29aが、回転カップ10aに接触することを防ぎ、さらに第4吸着パット29および吸着パット支持部29aが、反転部32に接触することを防ぐためである。
【0070】
図14は、ワーク16を第1回転カップ部10から反転部32まで搬送する工程を示すフローチャートである。ステップc1では、昇降モータ14bが正方向に回転し、これによってワーク16の一方表面16aである上面の回転塗布を終えた第1回転台12が、垂直上方に上昇する。その後昇降モータ14bが停止し、ワーク16が受け渡し位置w2で停止する。
【0071】
ステップc2では、旋回モータ28aが正方向に回転し、これによって第3アーム26が第1回転カップ部10側に向かって旋回し始める。ステップc3では、第3アーム26の旋回運動によって、第3吸着パット29が受け渡し位置w2にあるワーク16の他方表面16bである下面を支える位置まで到達すると、旋回モータ28aが停止し、第2アーム26が停止する。その後第4真空吸着ポンプP4がONになり、回転カップ10aの第3真空吸着ポンプP3がOFFになり、受け渡し位置w2に置かれたワーク16の他方表面16bである下面が第4吸着パット29に吸着される。このように、第2搬送部25は、ワーク16を受け取るときに、第1回転台12に近づき、ワーク16の他方表面16bを支え、ワーク16を吸着する。このとき第1回転台12上の第3吸着パット15にワーク16の他方表面16bの中央部が吸着されているので、第4吸着パット29および吸着パット支持部29aは、形状をたとえばL字型にすると、第1回転台12に接触しないでワーク16の他方表面16bを支えることができる。
【0072】
ステップc4では、昇降モータ14bが負方向に回転し、これによって第1回転台12が垂直下方に下降する。その後、昇降モータ14bが停止し、第1回転台12が第1カップ11内の待機位置に戻る。ステップc5では、旋回モータ28aが負方向に回転し、これによって第3アーム26が、第3アーム支持部材27の回転軸27aを支点に、反転部32側に向かって旋回し始める。次に反転部32がワーク16を反転し、中間移載部39が第2位置決め部45に載置する工程を説明する。
【0073】
図15は、反転部32がワーク16を反転し、中間移載部39が第2位置決め部45にワーク16を載置する動作を説明するための平面図であり、図16はその側面図である。
【0074】
反転部32は、第4アーム支持部材33、第4アーム36、前述の第5モータ部35、第5吸着パット34、第5真空吸着ポンプP5を含んで構成される。
【0075】
第4アーム支持部材33には、連結部37を介して第4アーム36が取付けられる。第4アーム支持部材33は、回転軸33aを中心に旋回モータ35aによって回転し、第4アーム36を垂直方向の円を描くように旋回させる。
【0076】
第4アーム36の先端には、第5吸着パット34が取付けられる。第5吸着パット34は、形状が円板形状であり、吸着面が待機位置において上方を向いている。該吸着面とワーク16が接するとき第5真空吸着ポンプP5をONにすると、第5吸着パット34にワーク16の他方表面16bである下面が吸着される。なお、第4アーム36の旋回運動によって、反転部32に吸着されるワーク16は上面と下面とが反転され、第2搬送部25から中間移載部39まで搬送される。
【0077】
中間移載部39は、第5アーム支持部材43、第5アーム41、前述の第6モータ部42、第6吸着パット40、吸着パット支持部40a、第6真空吸着ポンプP6を含んで構成され、ワーク16を反転部32から第2位置決め部45まで搬送する。
【0078】
第5アーム支持部材43には、第5アーム41が取付けられる。第5アーム41は、直線モータ42aによって第5アーム支持部43の水平で真っすぐな支軸43aに沿って往復移動する。また昇降モータ42aは、第5アーム支持部材43を上昇および下降させる。
【0079】
第5アーム41の先端には、吸着パット支持部40aを介して第6吸着パット40が取付けられる。第6吸着パット40は、吸着面が上方を向いている。該吸着面上にワーク16が載置されるとき、第6真空吸着ポンプP6をONにすると、第6吸着パット40にワーク16の一方表面16aである下面が吸着される。
【0080】
第6吸着パット40および吸着パット支持部40aの上方から見た形状は、コの字型形状である。このような形状にするのは、中間移載部39がワーク16を第2位置決め部45に渡す際に、第6吸着パット40および吸着パット支持部40aが第2位置決め部45に接触することを防止するためである。なお、中間移載部39から第2位置決め部45へのワーク16の受け渡しについては、後に詳しく説明する。
【0081】
図17は、ワーク16を反転し、第2位置決め部45に載置する工程を示したフローチャートである。ステップd1では、第2搬送部25の旋回運動によって、受け渡し位置w3にワーク16が到達すると、旋回モータ28aが停止し、反転部32の旋回モータ35aが回転し、第4アーム36が旋回する。その後旋回モータ35aが停止し、第4アーム36の先端部に取付けられた第5吸着パット34が、ワーク16に接する位置で停止し、第2搬送部25の第4真空吸着ポンプP4がOFFになり、ほぼ同時に反転部32の第5真空吸着ポンプP5がONになり、ワーク16の他方表面16bである下面が反転部32の第5吸着パット34に吸着される。第2搬送部25の第4吸着パット29および吸着パット支持部29aは、形状を前述のようにL字型にすると、下からワーク16を支え垂直方向に旋回する反転部32との接触を防ぐことができる。
【0082】
ステップd2では、ワーク16を吸着した反転部32の旋回モータ35aが再び回転し、第4アーム支持部33がその回転軸33aを中心に回転し、第4アーム36を旋回させる。これによってワーク16は、上面と下面とが反転され、同時に受け渡し位置w4に運ばれる。したがって、今後の動作では、ワーク16は、他方表面16bが上面である。
【0083】
ステップd3では、旋回モータ35aの回転が停止し、第4アーム36の旋回運動が停止し、中間移載部39上の受け渡し位置w4にワーク16が載置される。その後、中間移載部39の第6真空吸着ポンプP6がONになり、ほぼ同時に反転部32の第5真空吸着ポンプP5がOFFになり、第6吸着パット40にワーク16の一方表面16aである下面が吸着される。
【0084】
ステップd4では、中間移載部39の直線モータ42aが正方向に回転し、これによって第5アーム41が第2位置決め部45に向かって水平方向に真っすぐ移動する。一方、反転部32は旋回モータ35aが再び回転し、待機状態に戻る。
【0085】
ステップd5では、ワーク16が第2位置決め部45上方に到達すると、直線モータ42aが停止し、これによって第5アーム41が停止する。その後昇降モータ42bが負方向に回転し、これによって第5アーム支持部材43が垂直下方に下降する。このとき第2位置決め部45の第7真空吸着ポンプP7がONになり、ほぼ同時に中間移載部39の第6真空吸着ポンプP6がOFFになり、ワーク16が第2位置決め部45に吸着される。ステップd6では、ワーク16を第2位置決め部45へ載置し終えた中間移載部39の昇降モータ42が停止し、第5アーム支持部材43が所定の位置で停止する。その後直線モータ42aが負方向に回転し、第5アーム41が水平方向に真っすぐ待機位置下方に向かって移動する。その後、直線モータ42aが停止し、第5アーム41が待機位置下方で停止し、昇降モータ42bが正方向に回転し、これによって第5アーム支持部材43が待機位置下方から垂直上方に上昇する。その後、昇降モータ42bが停止し、中間移載部39は待機状態に戻る。
【0086】
ステップd3〜ステップd6に示すように、中間移載部39は、反転部32から第2位置決め部45にワーク16を搬送する。中間移載部39を設けないで反転部32から第2位置決め部45へ直接ワークを載置するには、反転部32および第2位置決め部45の構成に反転部32と第2位置決め部45との接触を防ぐための工夫をしなければならないが、中間移載部39を設けることによって、反転部32を上述のように簡単な構成にすることができ、後述するように第2位置決め部45を第1位置決め部4と同様に構成することができる。
【0087】
また、中間移載部39は、ステップd5に示すようにワーク16を渡す際に、ワーク16を第2位置決め部45上方まで搬送し、その後下降する。これによってワーク16の一方表面16aの中央部が第2位置決め部45に支えられる。このとき第6吸着パット40および吸着パット支持部40aの形状をたとえばコの字型にすると、中間移載部39は、第2位置決め部45に接触しないで、ワーク16を渡すことができる。
【0088】
図5〜図17の動作に続いて、ワーク16は、一方表面16aと同様に他方表面16bに塗布剤が塗布される。
【0089】
図18は、ワーク16を第3搬送部50が、第2位置決め部45から第2回転カップ部57に搬送する動作を説明するための平面図であり、図19は、その側面図である。
【0090】
第2位置決め部45は、第2位置決め機構24、第2位置決めテーブル46、第7吸着パット47、第7真空吸着ポンプP7を含んで構成される。
【0091】
第2位置決めテーブル46は、形状が円筒形状であり、たとえば回転塗布装置1内の所定の位置に固定的に設けられ、その上面を覆って円板状の第7吸着パット47が取付けられる。第7吸着パット47上にワーク16が載置されるときに第7真空吸着ポンプP7をONにすると、ワーク16の一方表面16aである下面が第7吸着パット47に吸着される。受け渡し位置w5は、第2位置決め部45の載置面の中央部に設定される。第2位置決め機構24は、中間移載部39から供給されたワーク16を、受け渡し位置w5に位置決めする。
【0092】
第3搬送部50は、第6アーム支持部材53、第6アーム51、前述の第7モータ部52、吸着パット支持部54a、第8吸着パット54、第8真空吸着ポンプP8を含んで構成され、ワーク16を受け渡し位置w5から受け渡し位置w6まで搬送する。
【0093】
第6アーム支持部材53には、第6アーム51が取付けられる。第6アーム支持部材53は、旋回モータ52aの回転によって、その回転軸53aを中心に回転し、第6アーム51を旋回させる。また昇降モータ52bは、第6アーム51を上昇および下降させる。
【0094】
第6アーム51の先端には、吸着パット支持部54aを介して、第8吸着パット54が取付けられる。第8吸着パット54は、形状が円板状であり、吸着面が下を向いている。該吸着面とワーク16が接するときに第8真空吸着ポンプP8をONにすると、第8吸着パット54にワーク16の他方表面16bである上面が吸着される。
【0095】
第2回転カップ部57は回転カップ57aを備える。回転カップ57aは、第2回転台59、第2カップ58、前述の第8モータ部61、第9吸着パット62、第9真空吸着ポンプP9を含んで構成される。
【0096】
第2回転台59には、上面を覆って第9吸着パット62が設けられる。第9吸着パット62上にワーク16が載置されるときに第9真空吸着ポンプP9をONにすると、第9吸着パット62にワーク16の一方表面16aである下面が吸着される。
【0097】
また、回転カップ57aの第2回転台59は、回転モータ61aによって、第2回転台59の中心を通る回転軸59aを中心に回転し、これによって第2回転台59上の第9吸着パット62に吸着されるワーク16が同時に回転する。昇降モータ61bは、第2回転台59を、上昇および下降させる。
【0098】
第2回転台59の周囲には、余剰塗布剤の飛散りを防ぐ第2カップ58が設けられ、第2カップ58の上壁には、開口部31が設けられる。受け渡し位置w6は、回転カップ57aの中央部の上方であり、第2カップ58外に設定される。開口部31を設けることによって、回転カップ57aはワーク16を第2カップ58外の受け渡し位置w6から第2カップ58内の回転塗布が行われる位置まで移動させることができ、さらに第2塗布剤供給部65が第2カップ58に収容されるワーク16に接近し、塗布剤を供給することが可能になる。なお、第2塗布剤供給部65については、後に詳しく説明する。
【0099】
このように、第2位置決め部45は、第1位置決め部4と同様に構成され、第3搬送部50は、第1搬送部8と同様に構成され、第2回転カップ部57は、第1回転カップ部10と同様に構成される。
【0100】
図20は、ワーク16を第3搬送部50が第2位置決め部45から第2回転カップ部57に搬送する工程を示すフローチャートである。ステップe1〜ステップe12に示すこの工程は、前述のワーク16を第1搬送部8が第1位置決め部4から第1回転カップ部10に搬送する図7のステップa3〜ステップa14に示す工程と同様である。
【0101】
図21は、第2回転カップ部57および第2塗布剤供給部65による回転塗布処理を説明する平面図であり、図22は、その側面図である。
【0102】
第2塗布剤供給部65は、第7アーム支持部材68、第7アーム67、前述の第9モータ部69、第2塗布剤ノズル66、第2塗布剤供給機構64を含んで構成される。
【0103】
第7アーム支持部材68には、第7アーム67が取付けられる。第7アーム支持部材68は、その回転軸68aを中心に旋回モータ69aの回転によって回転し、第7アーム67を旋回させる。また昇降モータ69bは、第7アーム67を上昇および下降させる。
【0104】
第7アーム67の先端には、第2塗布剤ノズル66が設けられる。第2塗布剤ノズル66は、第2塗布剤供給機構64とつながっている。したがって、第2塗布剤供給機構64が液状の適量の塗布剤を送り出すと、第2塗布剤ノズル66がその塗布剤をワーク16に滴下する。なお第2塗布剤供給機構64は、制御部38によって塗布剤の送出量および送出時間が制御される。このように、第2塗布剤供給部65は、第1塗布剤供給部18と同様に構成される。
【0105】
図23は、第2回転カップ部57での回転塗布工程を示すフローチャートである。第2回転カップ部57でのステップf1〜ステップf10に示す回転塗布工程は、第1回転カップ部10での図10のステップb1〜ステップb10に示す回転塗布工程と同様である。ただし第2回転カップ部57では、ワーク16の他方表面16bに回転塗布処理を行う。
【0106】
図24は、両面16a,16bに塗布剤が塗布されたワーク16を第4搬送部72が、第2回転カップ部57から取出す動作を説明する平面図であり、図25は、その側面図である。
【0107】
第4搬送部72は、第8アーム支持部材74、第8アーム73、前述の第10モータ部75、第10吸着パット76、第10真空吸着ポンプP10、吸着パット支持部76aを含んで構成され、ワーク16を第2回転カップ部57から取出す。
【0108】
第8アーム支持部材74には、第8アーム73が取付けられる。第8アーム支持部材74は、その回転軸74aを中心に、旋回モータ75aによって回転し第8アーム73を旋回させる。
【0109】
第8アーム73の先端には、吸着パット支持部76aを介して第10吸着パット76が取付けられる。第10吸着パット76は、吸着面が上方を向いている。ワーク16を該吸着面が支えるときに第10真空吸着ポンプP10をONにすると、第10吸着パット76にワーク16の一方表面16aである下面が吸着される。
【0110】
第10吸着パット76および吸着パット支持部76aの形状は、L字型形状である。このような形状にするのは、ワーク16の受け渡しをする際に、第2回転台59との接触を防ぐためである。
【0111】
図26は、ワーク16を第4搬送部72が、第2回転カップ部57から取出す工程を示すフローチャートである。ステップg1〜ステップg5に示す工程は、前述の第2搬送部25が第1回転カップ部10からワーク16を取出し、反転部32へワーク16を搬送する図14のステップc1〜ステップc5に示す工程と同様である。
【0112】
図1〜図26に示すように回転塗布装置1は構成され、ワーク16の両面16a,16bに塗布剤を塗布する。
【0113】
図27は、回転カップ57aの一部分を概略的に示す側面図である。図28は、回転カップ57aにおいて回転塗布処理されたワーク16の他方表面16bの平面図である。前述のように回転カップ57aの第9吸着パット62に、ワーク16は他方表面16bが上向きで吸着され、ワーク16の上方に配置される第2塗布剤ノズル66から塗布剤が供給される。したがって、図28に示すように、ワーク16の他方表面16bの全域に塗布剤は拡散される。以上のように回転塗布装置1は、ワーク16の両面16a,16b全域に塗布剤を塗布することができる。
【0114】
また回転塗布装置1では、ワーク16が第1位置決め部4に供給されるとすぐに次のワークBが第1位置決め部4に供給される。以下にワーク16およびワークBが第1回転カップ部10に搬送される工程について簡単に説明する。まずワーク16が第1位置決め部4に供給され、第1位置決め部4によって位置決めされる。次に第1搬送部8が、位置決めされたワーク16を吸着し、第1位置決め部4から取出す。次にワーク16が取出された第1位置決め部4にワークBが供給され、ワークBは第1位置決め部4によって受け渡し位置W1に位置決めされ始める。ワークBが受け渡し位置w1に位置決めされている間、第1搬送部8はワーク16を第1回転カップ部10へ搬送し、搬送後待機状態へ戻る。ワーク16が第1回転カップ部10から取出され、ワークBが受け渡し位置W1に載置されると、第1搬送部8は、ワークBを、第1回転カップ部10へ搬送する。
【0115】
この後の工程においても回転塗布装置1はワークBに対してワーク16と同様な動作を行う。またワークBの後にも次々とワークが供給され、それらのワークに対してもワーク16と同様な動作を繰り返す。このように、回転塗布装置1は、塗布処理効率を上げるために次々と供給されるワークの回転塗布処理を行う。
【0116】
回転塗布装置1では、第1位置決め部4および第2位置決め部45が、ワークを受け渡し位置w1,w5に移動させるために時間を要するので、装置全体の処理時間を短縮するには、第2位置決め部45がワークを持たずに待機する時間を短くする必要がある。このため、中間移載部39は、第2位置決め部45がワーク16を受け渡し位置W5に位置決めしている間に、反転部32から供給されるワークBを第2位置決め部45付近まで搬送し、第2位置決め部45からワーク16が取出されるとすぐにワークBを第2位置決め部45に供給する。こうすることによって、第2位置決め部45がワークを持たずに待機する時間を短くすることができ、回転塗布装置1の塗布処理効率を向上することができる。
【0117】
図29は、本発明の実施のさらに他の形態である回転塗布装置80の概略的な構成を示す平面図である。回転塗布装置80において、回転塗布装置1に対応する部分には同一の参照符を付す。回転塗布装置80は、第1位置決め部4、第1搬送部8、第1回転カップ部10、第1塗布剤供給部18、第2搬送部25、反転部32、中間移載部39、第2位置決め部45、第3搬送部50、第2回転カップ部57、第2塗布剤供給部65、第4搬送部72から構成される。第1位置決め部4、第2位置決め部45および中間移載部39は、回転塗布装置1と同様に構成される。図29に示す矢印は、各部4,8,10,18,25,32,39,45,50,57,65,72の動作方向を示している。
【0118】
第1回転カップ部10は、2つの回転カップ10a,10bを備え、第2回転カップ部57は、2つの回転カップ57a,57bを備える。4つの回転カップ10a,10b,57a,57bは同様に構成される。第1位置決め部4および第2位置決め部45の中心を通る回転塗布装置80の中心線80aを挟んで、回転カップ10aと対称となる位置に回転カップ10bを配置し、回転塗布装置80の中心線80aを挟んで、回転カップ57aと対称となる位置に回転カップ57bを配置する。第1回転カップ部10では、ワークの一方表面の塗布が行われ、第2回転カップ部57では、ワークの他方表面の塗布が行われる。
【0119】
第1搬送部8は、第1アーム5と同様に構成される2つのアーム83a,83bを備える。一方アーム83aは、第1位置決め部4から回転カップ部10aまでワークを搬送する。他方アーム83bは、第1位置決め部4から回転カップ10bまでワークを搬送する。第2搬送部25は、第3アーム26と同様に構成される2つのアーム85a,85bを備える。一方アーム85aは、回転カップ10aから反転部32までワークを搬送する。他方アーム85bは、回転カップ10bから反転部32までワークを搬送する。反転部32は、第4アーム36と同様に構成される2つのアーム86a,86bを備える。第3搬送部50は、第6アーム51と同様に構成される2つのアーム87a,87bを備える。一方アーム87aは、第2位置決め部45から回転カップ部57aまでワークを搬送する。他方アーム87bは、第2位置決め部45から回転カップ57bまでワークを搬送する。第4搬送部72は、第8アーム73と同様に構成される2つのアーム89a,89bを備える。一方アーム89aは、回転カップ57aからワークを取出す。他方アーム89bは、回転カップ57bからワークを取出す。
【0120】
第1塗布剤供給部18の第2アーム84が回転カップ10a側および回転カップ10b側に旋回することができるので、第1塗布剤供給部18は時間をずらして両回転カップ10a,10bに収容されるワークに塗布剤を供給することができる。また第2塗布剤供給部65の第7アーム88が回転カップ57a側および回転カップ57b側に旋回することができるので、第2塗布剤供給部65は時間をずらして両回転カップ57a,57bに収容されるワークに塗布剤を供給することができる。次に回転塗布装置80の一連の回転塗布工程を簡単に説明する。
【0121】
第1位置決め部4に供給されたワークAは、位置決めされ、第1搬送部8の一方アーム83aによって第1回転カップ部10の回転カップ10aに搬送される。次にワークAは、回転カップ10aに収容され、第1塗布剤供給部18から塗布剤の供給を受け回転塗布処理が行われる。一方、ワークAの次に第1位置決め部4に供給されたワークBは、位置決めされ、第1搬送部8の他方アーム83bによって第1位置決め部4から第1回転カップ部10の回転カップ10bに搬送される。次にワークBは、回転カップ10bに収容され、ワークAへの塗布剤の供給を終えた第1塗布剤供給部18から塗布剤の供給を受け、回転塗布処理が行われる。その間、一方表面の回転塗布が終了したワークAは、第2搬送部25の一方アーム85aによって回転カップ10aから反転部32の一方アーム86aまで搬送される。
【0122】
ワークAが回転カップ10aから取出されると、ワークBの次に第1位置決め部4に供給されるワークCは、ワークAと同様に回転カップ10aに搬送され、回転カップ10aにおいて塗布処理が行われる。ワークCは、塗布処理後の工程でも、ワークAと同様な処理がワークAに続いて行われる。ワークCの供給後も次々とワークは供給され、各ワークは、交互に回転カップ10aまたは回転カップ10bに振り分けられ塗布処理および搬送処理が行われる。
【0123】
反転部32に搬送されたワークAは、反転部32によって表裏が反転され、中間移載部39に載置される。中間移載部39は、ワークAを第2位置決め部45へ搬送し、待機位置に戻り、ワークBの供給を待つ。一方、一方表面の回転塗布が終了したワークBは、第2搬送部25の他方アーム85bによって回転カップ10bから反転部32の他方アーム86bまで搬送される。反転部32によってワークBは、表裏が反転され、中間移載部39に載置される。
【0124】
一方、第2位置決め部45に搬送されたワークAは、第2位置決め部45によって位置決めされ、第3搬送部50の一方アーム87aによって第2回転カップ部57の回転カップ57aに搬送される。次にワークAは、回転カップ57aに収容され、第2塗布剤供給部65から塗布剤の供給を受け、回転塗布処理が行われる。一方、ワークBはワークAの次に中間移載部39によって第2位置決め部45に搬送され、第2位置決め部45によって位置決めされ、第3搬送部50の他方アーム87bによって第2位置決め部45から第2回転カップ部57の回転カップ57bに搬送される。次にワークBは、回転カップ57bに収容され、ワークAへの塗布剤の供給を終えた第2塗布剤供給部65から塗布剤の供給を受け、回転塗布処理が行われる。
【0125】
他方表面の回転塗布が終了したワークAは、第4搬送部72の一方アーム89aによって回転カップ57aから取出される。その後他方表面の回転塗布が終了したワークBは、第4搬送部72の他方アーム89bによって回転カップ57bから取出される。
【0126】
以上のように、第1搬送部8、第2搬送部25、第3搬送部50、第4搬送部72、反転部32がそれぞれ2つのアームを備えることによって、一方アーム83a,85a,86a,87a,89aがワークを搬送しているときでも、他方アーム83b,85b,86b,87b,89bが他のワークを搬送することができる。さらに、一方表面を塗布する第1回転カップ部10が2つの回転カップ10a,10bを設け、他方表面を塗布する第2回転カップ部57が2つの回転カップ57a,57bを設けることによって、第1搬送部8、第3搬送部50のアーム83a,83b,87a,87bが、それぞれの回転カップ部10a,10b,57a,57bにワークを振り分けて与えることができる。たとえば、第1回転カップ部10がワークを1つ収容しているとき、回転塗布装置1であれば、回転カップ10aの回転が停止し、ワークが取出されるまで、次のワークは第1回転カップ部10に供給できないが、回転塗布装置80では、第1回転カップ部10の回転カップ10aおよび回転カップ10bに振り分けて供給することができる。したがって、塗布剤の拡散および乾燥のために長時間を要する場合には、ワークの回転塗布処理効率が高くなり、ワークの生産性が向上する。
【0127】
回転塗布装置80では、第1回転カップ部10および第2回転カップ部57の回転カップをそれぞれ2つ設けているが、塗布剤の拡散および乾燥のためにさらに長時間を要する場合には、回転カップをさらに増やすことによって、処理効率を高めることができ、生産性を向上することが可能である。
【0128】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ワークの表裏が反転手段によって非塗布面が保持されて反転されるので、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段は、一方表面に塗布を行う第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段と同様に、他方表面に塗布を行うので、回転塗布装置はワークの両面全域に塗布剤を塗布することができる。回転塗布装置は、ワークを第1搬送手段によって第1回転カップ部に搬送し、第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段によって一方表面に塗布剤を塗布し、一方表面が塗布されたワークを第2搬送手段によって反転手段に搬送し、反転手段によって表裏を反転し、表裏が反転されたワークを第3搬送手段によって第2回転カップ部に搬送し、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段によって他方表面に塗布剤を塗布し、両面が塗布されたワークを第4搬送手段によって取出すことができる。制御手段によって制御された回転塗布装置は、前工程から供給されたワークを自動的に搬送し回転塗布することができる。前記回転塗布装置では、ワークの表裏が反転手段によって反転されるので、第2回転カップ部および第2塗布剤供給手段は、一方表面に塗布を行う第1回転カップ部および第1塗布剤供給手段と同様に、他方表面に塗布を行うことができ、ワークの両面全域に塗布剤を塗布することができる。そして制御手段は、回転開始時から塗布剤の飛散を低減し得る低速回転にし、ワークに塗布された塗布剤が拡散された後、該塗布剤を均一化すべく高速回転にするので、制御手段が回転速度を低速から高速に切替えると、低速回転によって拡散された塗布剤がさらに拡散され、塗布剤を均一に塗布することができ、塗布剤の乾燥するまでの時間も短くすることができる。また、始め回転速度を低速にするので、液状の塗布剤がワークの回転によって飛散ることを低減することができる。制御手段がこのように回転速度を制御することによって、塗布剤の飛散りが少なく、かつ塗布剤を均一に塗布できる回転塗布装置が得られる。塗布剤の飛散りを低減できると、塗布剤の廃液が減り、廃液を処理するメンテナンス回数を減らすことができ、また1回のメンテナンスを容易とすることができる。
【0131】
また本発明によれば、制御手段が回転速度を低速から高速に切替えると、低速回転によって拡散された塗布剤がさらに拡散され、塗布剤を均一に塗布することができ、塗布剤の乾燥するまでの時間も短くすることができる。また、始め回転速度を低速にするのは、液状の塗布剤がワークの回転によって飛散ることを低減するためである。制御手段がこのように回転速度を制御することによって、塗布剤の飛散りが少なく、かつ塗布剤を均一に塗布できる回転塗布装置が得られる。
【0132】
また本発明によれば、第1回転カップ部および第2回転カップ部が複数の回転カップを備えるので、複数のワークに対する処理を分散して同時に行うことができる。したがって、塗布剤拡散のために長時間を要する場合には、回転塗布装置は第1回転カップ部および第2回転カップ部が複数の回転カップを備えることによって、ワークを各回転カップに振り分け回転塗布処理を行うことができ、塗布処理の効率が高くなり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である回転塗布装置1の概略的な構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の一形態である回転塗布装置1の概略的な構成を示す側面図である。
【図3】回転塗布装置1のブロック図である。
【図4】回転塗布装置1の一連の回転塗布工程を概略的に示すフローチャートである。
【図5】ワーク16を、第1搬送部8が第1回転カップ部10に搬送する動作を説明するための平面図である。
【図6】ワーク16を、第1搬送部8が第1回転カップ部10に搬送する動作を説明するための側面図である。
【図7】ワーク16を第1回転カップ部10に搬送する工程を示すフローチャートである。
【図8】第1回転カップ部10および第1塗布剤供給部18による回転塗布処理を説明するための平面図である。
【図9】第1回転カップ部10および第1塗布剤供給部18による回転塗布処理を説明するための側面図である。
【図10】第1回転塗布カップ部10での塗布処理工程を示すフローチャートである。
【図11】回転塗布装置1における回転カップ10a,57aの回転時間と回転数との関係を示したグラフである。
【図12】ワーク16を第2搬送部25が、第1回転カップ部10から反転部32に搬送する動作を説明するための平面図である。
【図13】ワーク16を第2搬送部25が、第1回転カップ部10から反転部32に搬送する動作を説明するための側面図である。
【図14】ワーク16を第1回転カップ部10から反転部32まで搬送する工程を示すフローチャートである。
【図15】反転部32がワーク16を反転し、中間移載部39が第2位置決め部45にワーク16を載置する動作を説明するための平面図である。
【図16】反転部32がワーク16を反転し、中間移載部39が第2位置決め部45にワーク16を載置する動作を説明するための側面図である。
【図17】ワーク16を反転し、第2位置決め部45に載置する工程を示したフローチャートである。
【図18】ワーク16を第3搬送部50が、第2位置決め部45から第2回転カップ部57に搬送する動作を説明するための平面図である。
【図19】ワーク16を第3搬送部50が、第2位置決め部45から第2回転カップ部57に搬送する動作を説明するための側面図である。
【図20】ワーク16を第3搬送部50が第2位置決め部45から第2回転カップ部57に搬送する工程を示すフローチャートである。
【図21】第2回転カップ部57および第2塗布剤供給部65による回転塗布処理を説明する平面図である。
【図22】第2回転カップ部57および第2塗布剤供給部65による回転塗布処理を説明する側面図である。
【図23】第2回転カップ部57での回転塗布工程を示すフローチャートである。
【図24】両面16a,16bに塗布剤が塗布されたワーク16を第4搬送部72が、第2回転カップ部57から取出す動作を説明する平面図である。
【図25】両面16a,16bに塗布剤が塗布されたワーク16を第4搬送部72が、第2回転カップ部57から取出す動作を説明する側面図である。
【図26】ワーク16を第4搬送部72が、第2回転カップ部57から取出す工程を示すフローチャートである。
【図27】回転カップ57aの一部分を概略的に示す側面図である。
【図28】回転カップ57aにおいて回転塗布処理されたワーク16の他方表面16bの平面図である。
【図29】本発明の実施のさらに他の形態である回転塗布装置80の概略的な構成を示す平面図である。
【図30】従来の両面回転塗布装置の回転カップの一部を示す側面図である。
【図31】塗布剤が塗布されたワーク16の他方表面16bの平面図である。
【符号の説明】
1,80 回転塗布装置
4 第1位置決め部
8 第1搬送部
10 第1回転カップ部
10a 回転カップ
10b 回転カップ
16 ワーク
16a ワークの一方表面
16b ワークの他方表面
18 第1塗布剤供給部
17 第1塗布剤供給機構
25 第2搬送部
32 反転部
38 制御部
39 中間移載部
44 回転数および回転時間記憶部
50 第3搬送部
57 第2回転カップ部
57a 回転カップ
57b 回転カップ
64 第2塗布剤供給機構
65 第2塗布剤供給部
72 第4搬送部

Claims (3)

  1. ワークを回転させ、回転中のワーク上に液状の塗布剤を滴下し拡散させて塗布する回転塗布装置において、
    カップ状の形状を有し、ワークを収容して保持する状態で、ワークを回転させることが可能な回転カップを備える第1回転カップ部と、
    第1回転カップ部の回転カップに収容して保持されるワーク上に塗布剤を滴下して供給する第1塗布剤供給手段と、
    第1回転カップ部によって一方表面に塗布剤が塗布されたワークの非塗布面を保持して表裏を反転する反転手段と、
    カップ状の形状を有し、反転手段によって表裏が反転されたワークを収容して保持する状態で、ワークを回転させることが可能な回転カップを備える第2回転カップ部と、
    第2回転カップ部の回転カップに収容して保持されるワーク上に塗布剤を滴下して供給する第2塗布剤供給手段と、
    ワークを第1回転カップ部に搬送する第1搬送手段と、
    ワークを第1回転カップ部から反転手段に搬送する第2搬送手段と、
    ワークを反転手段から第2回転カップ部に搬送する第3搬送手段と、
    ワークを第2回転カップ部から排出する第4搬送手段とを含み、
    制御手段は、
    ワークを第1搬送手段によって第1回転カップ部に搬送させて回転カップに収容し保持させ、該回転カップを回転させながら回転するワーク上に第1塗布剤供給手段によって塗布剤を滴下して供給させ、さらに回転カップを回転させてワーク上に滴下して供給された塗布剤を拡散させ塗布させ、
    第1回転カップ部によって一方表面に塗布剤が塗布されたワークを第2搬送手段によって反転手段に搬送させ、搬送されたワークの表裏を反転手段によって反転させ、
    表裏が反転されたワークを第3搬送手段によって第2回転カップ部に搬送させて回転カップに収容し保持させ、該回転カップを回転させながら回転するワーク上に第2塗布剤供給手段によって塗布剤を滴下して供給させ、さらに回転カップを回転させてワーク上に滴下して供給された塗布剤を拡散させ塗布させ、
    第2回転カップ部によって他方表面に塗布剤が塗布されたワークを第4搬送手段によって排出させるうえ、
    前記制御手段は、回転開始時から塗布剤の飛散を低減し得る低速回転にし、ワークに塗布された塗布剤が拡散された後、該塗布剤を均一化すべく高速回転にすることを特徴とする回転塗布装置。
  2. 前記制御手段は、ワーク上に滴下して供給された塗布剤の塗布時において、回転カップの回転速度を低速から高速に切替えることを特徴とする請求項1記載の回転塗布装置。
  3. 前記第1および第2回転カップ部はそれぞれ回転カップを複数備え、ワークは複数の回転カップに振り分けて与えられることを特徴とする請求項1記載の回転塗布装置。
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