JP3658143B2 - 記録または再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録または再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に、記録または再生装置の例を説明する。
図7は、従来の記録または再生装置を説明するための側面図である。同図において21は記録媒体としてのテープを収容するカセット、22はカセット21が装填されるカセットホルダである。23,24はリンクを構成する一対のレバーであり、軸25により回動自在に連結されている。レバー23の一端は軸23aによりカセットホルダ22に支持され、他端は軸23bによりスライドシャーシ26の長孔26aに係合している。レバー24の一端は軸24aにより後述のスライドシャーシに支持され、他端は長孔24bによりカセットホルダ22の軸22aにスライド自在に係合されている。
【0003】
26はスライドシャーシ、27はメインシャーシであり、図示しないテープ走行系部品を配置している。スライドシャーシ26はメインシャーシ27上をスライド可能に支持されている。28はカセットホルダカバー、29はシャーシホルダである。シャーシホルダ29はメインシャーシ27を保持するためのものであり、図示されていない部分で装置の外装キャビネットに強固に固定されている。29aはメインシャーシ保持部であり、ビス等によって固定される。
【0004】
図8および図9は、上述した記録または再生装置の動作を説明するための図である。図7の状態でカセット21をカセットホルダ22に装填し、その後カセットホルダ22を矢印F方向に移動させると図8の状態となる。この位置でカセットホルダ22とスライドシャーシ26は、ロックされるようになっている。カセットホルダ22がロックされると自動的に、スライドシャーシ26は図中、右方向にスライドして図9の状態となる。この状態でカセット21内のテープが走行することで、回転ヘッド等(図示せず)によってそのテープに対する記録または再生が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では以下のような点で問題となっていた。
メインシャーシ27にはテープ走行系部品が配置されているため、メインシャーシ保持部29aで強固に固定するとメインシャーシ27にストレスが加わる。すると、記録あるいは再生の性能に悪影響がでる。また、テープ走行系や回転ヘッド等の振動がメインシャーシ保持部29aを伝わって、これが騒音発生の原因となる。
【0006】
このためメインシャーシ保持部29aにおいてメインシャーシ27を弾性的に保持することが好ましい。ところが、図7の状態でカセットホルダ22を矢印F方向に移動させる場合、そのときの荷重でメインシャーシ27が動かないようにメインシャーシ保持部29aによって強固に固定する必要がある。このように相反する条件を同時に満足させるのは実際上、難しかった。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑み、部材相互間に適切な剛弾性を付与し、装置の適正かつ円滑作動を実現する記録または再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の記録または再生装置は、テープ走行系部品を配置したメインシャーシと、前記メインシャーシ上でスライド可能に支持されるスライドシャーシと、リンク機構を介して前記スライドシャーシに対して上下動可能に支持されるカセットホルダと、前記メインシャーシを支持するシャーシホルダとを備えた記録または再生装置であって、記録または再生時には、前記メインシャーシは第1の保持部材によって前記シャーシホルダに対して弾性的に保持され、カセット装填時には、前記スライドシャーシは第2の保持部材によって前記シャーシホルダに対して剛性的に保持されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の記録または再生装置において、カセット装填時に前記カセットホルダに加えられる力によるスライドシャーシの動きを、少なくとも力の加えられる方向に対して規制するスライドシャーシ受け部であることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、カセット装填装置においてメインシャーシに対するストレスがなくなり、記録および再生の性能に悪影響がでることがない。また、メインシャーシが弾性的に保持されることで、テープ走行系や回転ヘッド等の振動がメインシャーシ保持部を伝わり騒音が発生するのを防ぐことができる。
【0011】
また、カセット装填時、スライドシャーシが第2の保持部材、すなわちスライドシャーシ受け部によって剛性的に保持されることで、カセット装填時の操作性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明による記録または再生装置の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の特徴を最も良く表わす記録または再生装置の側面図である。同図において1はカセット、2はカセット1が装填されるカセットホルダである。3,4はリンクを構成する一対のレバーであり、軸5により回動自在に連結されている。レバー3の一端は軸3aによりカセットホルダ2に支持されており、他端は軸3bによりスライドシャーシ6の長孔6aに係合されている。レバー4の一端は軸4aによりスライドシャーシ6に支持されており、他端は長孔4bによりカセットホルダ2の軸2aにスライド自在に係合されている。
【0013】
6はスライドシャーシ、7はメインシャーシであり、図示しないテープ走行系部品を配置している。スライドシャーシ6はメインシャーシ7上をスライド可能に支持されている。8はカセットホルダカバー、9はシャーシホルダである。シャーシホルダ9はメインシャーシ7を保持するためのものであり、図示されていない部分で装置の外装キャビネットに強固に固定されている。9aはメインシャーシ保持部であり、ゴムまたは板バネ等から形成され、シャーシホルダ9上の3ヶ所に取り付けられている。したがって、メインシャーシ7はメインシャーシ保持部9aを介して弾性的にシャーシホルダ9に固定されることになる。9bは矢印Fの力をスライドシャーシ6の底面で受けるためのスライドシャーシ受け部である。このスライドシャーシ受け部9bは、シャーシホルダ9の曲げて形成した端部にエンボス加工等により一体形成される。
【0014】
ここで、本発明に係る記録または再生装置の全体構成例を説明する。
記録または再生装置は、回転ヘッドを有する回転シリンダ装置を備えている。この回転シリンダ装置はメインシャーシ7の所定位置に配置され、一方、メインシャーシ7に対してスライド可能に構成されたスライドシャーシ6にはテープリール等が配置される。つまり、メインシャーシ7およびスライドシャーシ6を別体構造とし、スライドシャーシ6(カセット載置部材)に装着したカセット1を回転シリンダ装置に対して進退させる構成となっている。
【0015】
また、記録または再生装置は、キャプスタン、キャプスタンモータ、回転シリンダ装置に対するテープ進入側におけるテープ引出用のテープガイド部材および回転シリンダ装置に対するテープ出側におけるテープ引出用のテープガイド部材等を備えているものとする。
【0016】
記録または再生装置におけるテープローディング時、スライドシャーシ6にテープカセット1が装填された後、テープガイド部材によってカセット1の開口部から磁気テープが引き出されていくと同時に、スライドシャーシ6が回転シリンダ装置に向かってスライド移動する。そして、回転シリンダ装置が相対的に開口部内に配置されると共に、テープガイド部材によってテープが回転シリンダ装置の周面に巻き付けられる。かくして、この記録または再生装置によれば、テープを所定のテープパスに沿って走行させることにより、記録および再生を行うことができる。
【0017】
つぎに図2および図3は、記録または再生装置の動作を説明するための図である。
図1の状態でカセット1をカセットホルダ2に装填し、その後カセットホルダ2を矢印F方向に移動させると図2の状態である。この位置でカセットホルダ2とスライドシャーシ5はロックされるようになっている。カセットホルダ2がロックされると自動的に、スライドシャーシ5は図中、右方向にスライドし図3の状態となる。この状態でカセット1内のテープが走行することで、回転ヘッド等(図示せず)によってテープに対する記録または再生が行われる。
【0018】
図3の状態では、メインシャーシ7がメインシャーシ保持部9aで弾性的に支持して固定されているため、メインシャーシ7に対するストレスがなくなり、記録および再生の性能にも悪影響がでない。また、テープ走行系や回転ヘッド等の振動がメインシャーシ保持部9aを伝わり騒音が発生する問題も解決される。
【0019】
また図1の状態では、カセットホルダ2を矢印F方向に移動させる場合、スライドシャーシ受け部9bにより、F方向の力でメインシャーシ7が動かないようになっている。さらにスライドシャーシ受け部9bを紙面奥行き方向に2カ所設定するか、幅を広く設定することにより安定度を増すことができる。
【0020】
なお、実施形態では、スライドシャーシ受け部9bがシャーシホルダ9の一部として形成されている例を説明したが、シャーシホルダ9に取り付けられた部品や、外装キャビネットの一部あるいは外装の蓋などの部品の一部でもよい。
【0021】
つぎに、本発明の第2の実施形態を説明する。
図4は本発明の第2の実施形態を表わす記録または再生装置の側面図である。全体構成は第1の実施形態の場合と実質的に同じである。図において特に19bはスライドシャーシ16の底面とシャーシホルダ19を固定するためのスライドシャーシ受け部である。
【0022】
図5はスライドシャーシ受け部19bを矢印A方向から見た斜視図である。図のように段のついたピン形状をしている。それに対して、スライドシャーシ16の底面にはU字形状の溝16bがあり、スライドシャーシ16が移動することにより両者が嵌合し固定される。
【0023】
図6は両者が嵌合し固定された状態の記録または再生装置の側面図である。スライドシャーシ受け部19bのピン形状により、紙面上下方向にスライドシャーシ16が固定され、さらにカセット装填時の安定性が増す。
【0024】
本実施形態では、スライドシャーシ受け部19bはシャーシホルダ19の一部として形成されている例を説明したが、外装キャビネットの一部あるいは外装の蓋などの部品の一部でもよい。また、その形状もスライドシャーシ16とスライドシャーシ受け部19bとが嵌合し固定される形状であればよい。
また、嵌合部分が1か所の場合の例を説明したが、複数か所であれば、さらに記録または再生装置の安定性が増す。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、メインシャーシのストレスがなくなり、良好な記録および再生性能を得ることができる。またテープ走行系や回転ヘッド等の振動がメインシャーシ保持部を伝わり騒音が発生する問題も解決される。さらにカセット装填時、スライドシャーシ受け部によってスライドシャーシが剛性的に保持され、カセット挿入時の力でメインシャーシが動かないようにすることでカセット装填時の操作性が向上する。従って操作性、使い勝手に優れた記録または再生装置を実現すると共に、結果的に記録および再生性能を向上させることができる等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録または再生装置の第1の実施形態における側面図である。
【図2】本発明による記録または再生装置の第1の実施形態における動作を説明する側面図である。
【図3】本発明による記録または再生装置の第1の実施形態における動作を説明する側面図である。
【図4】本発明による記録または再生装置の第2の実施形態における側面図である。
【図5】図5のA矢視図である。
【図6】本発明による記録または再生装置の第2の実施形態における動作を説明する側面図である。
【図7】従来の記録または再生装置の側面図である。
【図8】従来の記録または再生装置における動作を説明する側面図である。
【図9】従来の記録または再生装置における動作を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 カセット
2 カセットホルダ
3,4 リンク
5 軸
6 スライドシャーシ
7 メインシャーシ
8 カセットホルダカバー
9 シャーシホルダ
9a メインシャーシ保持部
9b スライドシャーシ受け部
11 カセット
12 カセットホルダ
13,14 リンク
15 軸
16 スライドシャーシ
16b U字形状の溝
17 メインシャーシ
18 カセットホルダカバー
19 シャーシホルダ
19b スライドシャーシ受け部

Claims (2)

  1. テープ走行系部品を配置したメインシャーシと、前記メインシャーシ上でスライド可能に支持されるスライドシャーシと、リンク機構を介して前記スライドシャーシに対して上下動可能に支持されるカセットホルダと、前記メインシャーシを支持するシャーシホルダとを備えた記録または再生装置であって、
    記録または再生時には、前記メインシャーシは第1の保持部材によって前記シャーシホルダに対して弾性的に保持され、
    カセット装填時には、前記スライドシャーシは第2の保持部材によって前記シャーシホルダに対して剛性的に保持されることを特徴とする記録または再生装置。
  2. 前記第2の保持部材は、カセット装填時に前記カセットホルダに加えられる力によるスライドシャーシの動きを、少なくとも力の加えられる方向に対して規制するスライドシャーシ受け部であることを特徴とする請求項1に記載の記録または再生装置。
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