JP3657579B2 - 冷暖房システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,冷媒の循環による冷暖房システムに関する。さらに詳細には,圧縮比の異なる2系統のサイクルを併用する冷暖房システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より,電気を主なエネルギー源とした冷暖房システムには,水等の熱交換媒体を蓄えている蓄熱槽を有するものがある。夜間の非運転期間にその蓄熱槽内の熱交換媒体に冷熱や温熱を蓄え,昼間の冷暖房の冷熱源や温熱源として利用するものである。例えば,冷房運転時期には,夜間に蓄熱槽の水を冷やして氷を作っておく。そして,昼間の冷房運転時には,冷媒の一部を蓄熱槽の氷と熱交換させるのである。これにより,ピーク時の冷暖房機器の負荷を小さくし,ピーク時エネルギー消費量を減らすことができる。
【0003】
この従来の冷暖房システムにおける冷房運転時の冷媒の循環について簡単に説明する。冷媒は,圧力と温度の関係によってその状態が変化し,その相変化に伴う潜熱を利用するものである。室内機に設けられた熱交換器で室内の熱を奪って蒸発し低圧ガスとなった冷媒は,2つに分けられる。そして,冷媒の一部は,室外機に設けられた熱交換器において室外の空気中に放熱して凝縮液化され,冷媒の他の一部は,蓄熱槽に設けられた熱交換器で冷却されて凝縮液化される。室外機で放熱する部分の冷媒は,30℃以上の外気に放熱して凝縮できる程度に高圧に圧縮される必要がある。一方,0℃近くの蓄熱槽と熱交換する部分の冷媒は,あまり高圧に圧縮される必要はない。そこで,この従来の冷暖房システムでは,圧縮比の異なる2つの圧縮機を備えて,それらを使い分けることにより,2種類の圧縮比を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の冷暖房システムでは,2台の圧縮機を備える必要がある。そのため,構造が複雑となり,製造コストが割高になるという問題点があった。
【0005】
本発明は,前記した従来の冷暖房システムが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明に係る冷暖房システムは,室外機熱交換器と室内機熱交換器とが設けられた環路に圧縮機により冷媒を循環させて冷暖房を行う冷暖房システムであって,環路における室外機熱交換器と室内機熱交換器との間の分岐点と圧縮機とを結ぶ副流路と,副流路に設けられた中間圧熱交換器とを有し,圧縮機は,環路に冷媒を循環させるための高圧吐出口および低圧吸入口の他に,副流路に接続された中間圧抽出入口を有するものであり,冷房時には,室外機熱交換器から室内機熱交換器へ向かう方向に環路の冷媒を循環させるとともに,中間圧抽出入口から副流路へ抽出された冷媒を分岐点で環路の冷媒と合流させ,暖房時には,室内機熱交換器から室外機熱交換器へ向かう方向に環路の冷媒を循環させるとともに,分岐点で環路から副流路へ分流された冷媒を中間圧抽出入口で圧縮機に流入させるものである。
【0007】
すなわち本発明では,室外機熱交換器と室内機熱交換器と圧縮機との間を冷媒が循環されることで,冷暖房が行われる冷暖房システムであり,室外機熱交換器と室内機熱交換器との間に副流路への分岐点が設けられている。この副流路には,中間圧熱交換器が接続され,圧縮機の中間圧抽出入口によって中間圧の冷媒が循環されている。従って,中間圧熱交換器として蓄熱槽や別のシステムの蒸発器等を利用して,主流路のサイクルと併用することができる。これにより,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムとすることができた。この冷暖房システムでは,冷房時には中間圧抽出入口から冷媒を抽出して,中間圧熱交換器から分岐点へと向かわせ,暖房時には分岐点で冷媒を分流して,その一部を中間圧熱交換器から中間圧抽出入口に流入させればよい。これにより,副流路を流れる冷媒は,中間圧熱交換器において室外機熱交換器と同じ方向の熱交換をすることとなり,システム全体としてのエネルギー消費量を減少させることができる。
【0008】
また,本発明では,圧縮機は,低圧吸入口から高圧吐出口に至る圧縮過程に,低圧吸入口と高圧吐出口とのいずれからも遮断された中間圧力部分が存在する構造であり,中間圧抽出入口は,圧縮機の中間圧力部分に連通していることが望ましい。
例えば,マルチベーン式の圧縮機やスクロール式の圧縮機では,圧縮機内部に取り込まれた冷媒が,圧力の異なる複数のブロックに仕切られて次第に圧縮される構造となっている。従って,圧縮機中には,冷媒が低圧の吸入側とも高圧の吐出側とも遮断された中間圧力部分が存在している。中間圧抽出入口が,その中間圧力部分に連通されていれば,吸入側や吐出側の圧力に影響を与えることなく,中間圧状態の冷媒を取り出しあるいは流し込むことが比較的容易にできるからである。
【0009】
また,本発明では,室外機熱交換器と分岐点との間に圧力差を維持しつつ冷媒を通過させる第1差圧手段と,室内機熱交換器と分岐点との間に圧力差を維持しつつ冷媒を通過させる第2差圧手段とを有することが望ましい。
冷房時には,分岐点において,室外機熱交換器から室内機熱交換器へ向かう方向に環路を循環される冷媒と,中間圧抽出入口から副流路へ抽出された冷媒とが合流される必要がある。しかし,室外機熱交換器から流出される冷媒の圧力と副流路から分岐点へ流入される冷媒の圧力とには差がある。第1差圧手段によれば,その圧力差を維持しつつ冷媒が通過されるので,両冷媒がスムーズに合流される。また,暖房時には,分岐点において,室内機熱交換器から室外機熱交換器へ向かう方向に環路を循環される冷媒と,副流路を循環される冷媒とに分流される必要がある。室内機熱交換器から流出される冷媒は高圧となっているが,第2差圧手段によって,室内機熱交換器と分岐点との間の圧力差を維持しつつ冷媒が通過されるので,スムーズに分流される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した一実施の形態について,添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態は,1台のマルチベーン式圧縮機を使用した冷暖房システムに,本発明を具体化したものである。
【0011】
本実施の形態の冷暖房システム1は,図1に示すように,圧縮機2と,3台の熱交換器すなわち室内機熱交換器11,室外機熱交換器12,中間圧熱交換器13とが冷媒配管3によって接続されて構成されている。室内機熱交換器11および室外機熱交換器12は,その内部を通過する冷媒に室内または室外の空気と熱交換させるためのものである。中間圧熱交換器13としては,従来技術で説明した蓄熱槽を使用することもできるが,ここでは,蓄熱せず,他のサイクルを組み合わせて利用することとしている。例えば,冷房運転時にはコージェネレーション排熱等を熱源とした吸収式冷凍機または吸着式冷凍機の蒸発器を使用すればよい。また,暖房運転時にはコージェネレーション排熱または圧縮機2の駆動用のガスエンジンの排熱等を熱源として利用できる。
【0012】
圧縮機2には,低圧ガス状態の冷媒を吸入する吸入口21,高圧ガス状態の冷媒を吐出する吐出口22,中間圧ガス状態の冷媒を流入または流出させる中間圧抽出入口23の3つの冷媒出入り口が形成されている。そして,吐出口22には,四方弁15の入口ポート15aが接続されている。四方弁15は,4つのポートを有し,そのうちの2つずつを互いに連通させる切換弁である。すなわち四方弁15は,入口ポート15aと第1サイドポート15bとが連通するとともに,出口ポート15cと第2サイドポート15dとが連通する第1の状態(図4参照)と,入口ポート15aと第2サイドポート15dとが連通するとともに,出口ポート15cと第1サイドポート15bとが連通する第2の状態(図5参照)とのいずれかの状態をとるものである。四方弁15の出口ポート15cは,低圧用のアキュミュレータ14を介して圧縮機2の吸入口21へと接続されている。アキュミュレータ14は,流入された冷媒から液体部分を分離して,気体部分のみを流出させるためのものである。
【0013】
四方弁15の第1サイドポート15bは室外機熱交換器12に接続され,さらに室外機熱交換器12には2つの減圧弁16a,16bが接続されている。2つの減圧弁16a,16bは,流体の通過方向が逆になるように,互いに並列に接続されている。また,四方弁15の第2サイドポート15dは室内機熱交換器11に接続され,室内機熱交換器11には,膨張弁18と減圧弁19とが接続されている。膨張弁18は減圧弁19よりさらに精密な圧力制御が可能な弁であり,膨張弁18と減圧弁19とは,流体の通過方向が逆になるように並列に接続されている。この室内機熱交換器11と膨張弁18と減圧弁19とが,室内機20に含まれる。さらに室内機20にはレシーバタンク17が接続されている。レシーバタンク17は,流入された冷媒から液体部分のみを流出させるためのものである。
【0014】
また,減圧弁16a,16bとレシーバタンク17とを接続する冷媒配管3の途中には,配管の分岐点4が設けられている。そして,この分岐点4と圧縮機2の中間圧抽出入口23とを結ぶ副流路に,容量制御弁31と中間圧熱交換器13とアキュミュレータ35とが直列に接続されている。
【0015】
ここで,圧縮機2は,図2,図3に示すように,マルチベーン式の圧縮機2である。圧縮機2の内部には,シリンダ24と,シリンダ24の内部で旋回するロータ25とが設けられている。ロータ25には,複数の可動式ベーン29が取り付けられている。この圧縮機2では,吸入口21から吸入された低圧ガス状態の冷媒が,吸入ポート28からシリンダ24とロータ25との間隙に入る。そして,ロータ25の回転によって隣接するベーン29の間の容積が減少することにより,冷媒が圧縮される。その結果,高圧ガス状態となった冷媒が,吐出ポート26から吐出口22へと吐出されるものである。さらに,シリンダ24には,吸入ポート28と吐出ポート26との約中間位置に2つの中間圧ポート27が設けられている。2つの中間圧ポート27は,中間圧抽出入口23に連通されている。
【0016】
この圧縮機2によれば,図3に示すように,吸入ポート28から吸入された冷媒は,複数のベーン29により仕切られた状態で順次圧縮されていく。そして,中間圧ポート27と吐出ポート26との間や,中間圧ポート27と吸入ポート28との間は,必ずベーン29によって仕切られている。従って,中間圧ポート27が連通される部分は,常に中間圧状態であり,吐出ポート26や吸入ポート28とは連通されていない。そのため,中間圧抽出入口23では,吸入側や吐出側の圧力に影響を与えることなく,外部圧力と中間圧ポート27との圧力差によって,冷媒が圧縮機2へ流入したりあるいは流出したりする。
【0017】
次に,この冷暖房システム1における冷媒の流れを,図4(冷房運転時)と,図5(暖房運転時)とを参照して説明する。図4,図5において,冷媒配管3の各所に示した矢印はそれぞれの位置を流れている冷媒の状態とその通過方向を示している。一重矢印が低圧ガス状態,二重矢印が中間圧ガス状態,三重矢印が高圧ガス状態を示し,黒塗り矢印は液状態の冷媒を示している。
【0018】
冷房運転時には,四方弁15は第1の状態とされる。従って,図4に示すように,圧縮機2の吐出口22から吐出された高圧ガス状態の冷媒は,室外機熱交換器12で外気に放熱して凝縮する。さらに,レシーバタンク17でわずかに混じっている気体部分が除かれ,液状態の冷媒だけが膨張弁18に送られそこで膨張される。そして,室内機熱交換器11で室内の熱を奪って気化し,低圧ガス状態となる。さらに,四方弁15の第2サイドポート15dから出口ポート15cへと流され,アキュミュレータ14で液体部分が除かれ,低圧ガス状態の冷媒だけが吸入口21へ吸入される。
【0019】
またこのとき,中間圧抽出入口23の内部側より外部側が低圧となり,中間圧ガス状態の冷媒が圧縮機2から流出されて,中間圧熱交換器13へと送出される。中間圧熱交換器13において低温で凝縮され液化した冷媒は,分岐点4からレシーバタンク17へ流され,前述のように室内機熱交換器11へ送られる。
【0020】
冷房運転の場合,中間圧熱交換器13から流出した中間圧液状態の冷媒と,室外機熱交換器12から流出した高圧液状態の冷媒とがともに,分岐点4へ向かう。そのため,減圧弁16aによって高圧液状態の冷媒を減圧し,中間圧液状態の冷媒と同程度の圧力としてから分岐点4へ流入させるようにしている。これにより,分岐点4では両側から流れ込む液状態の冷媒が,スムーズに混合するのである。あるいは,容量制御弁31により中間圧熱交換器13への冷媒循環量を制御して,分岐点4での混合比を調整することとしてもよい。
【0021】
ここで,中間圧熱交換器13としては,吸収式冷凍機または吸着式冷凍機の蒸発器を利用している。一般的にこれらの蒸発器は,7℃の冷水を取り出す必要から5℃程度の蒸発温度で使用されている。しかし,この冷暖房システム1では,この蒸発器を10〜15℃の範囲の蒸発温度で使用する。蒸発温度を高めに設定したことで,吸収式冷凍機または吸着式冷凍機の効率が約10%高められている。その一方で,この蒸発温度と中間圧熱交換器13へ流入される冷媒の温度との温度差が減少したことになる。これにより,中間圧熱交換器13での熱交換能力は低下しているが,この点は伝熱面積を大きくすることによって補うことができる。
【0022】
次に,暖房運転時について説明する。暖房運転時には,四方弁15は第2の状態とされる。従って,図5に示すように,圧縮機2の吐出口22から吐出された高圧ガス状態の冷媒は,室内機熱交換器11で室内へ放熱して凝縮される。さらに,減圧弁19で減圧され,レシーバタンク17によって気体部分が除かれて,液体状態の冷媒だけが分岐点4に向かう。分岐点4では,液体状態の冷媒が図中左右の流路へと分けられる。冷媒の一部は,室外機熱交換器12で外気の熱を奪って気化し,低圧ガス状態となる。そして,第1サイドポート15bから出口ポート15cへと流れ,圧縮機2の吸入口21へ吸入される。冷媒の他の一部は,容量制御弁31を介して中間圧熱交換器13へ流され,中間圧熱交換器13で加熱されて気化することで中間圧ガス状態となって,アキュミュレータ35へ流される。そして,中間圧抽出入口23へ中間圧ガス状態の冷媒として流入する。ここで,中間圧熱交換器13の熱源としては,コージェネレーション用として設けられるガスタービン等の排熱や圧縮機2の駆動用のガスエンジン排熱を利用すればよい。
【0023】
暖房運転の場合,分岐点4において分流され,中間圧熱交換器13に流入された冷媒を中間圧抽出入口23から圧縮機2に流入させる必要がある。そこで,減圧弁16bによって室外機熱交換器12へ流入させる液状態の冷媒の圧力を調節することで吸入口21へ吸入される低圧ガス状態の冷媒の圧力を調節している。それにより,中間圧抽出入口23の内部側の圧力を調整し,中間圧熱交換器13から流出された中間圧ガス状態の冷媒の圧力の方が高くなるようにするのである。さらに,容量制御弁31により減圧弁16bと協調させて,中間圧熱交換器13への冷媒循環量や冷媒の中間圧を制御することとしてもよい。
【0024】
このような冷暖房システム1とすることで,蓄熱槽や冷温水配管が不要となっているので,イニシャルコストを低減させることができた。また,冷温熱媒体として水を使用していないので,水を嫌う物件にも使用できるようになった。さらに,水を介することなく,ガス同士で直接熱交換できるので,大きな伝熱面積を取ることが可能となった。また,蓄熱槽に氷を形成しても熱移動のロスによるエネルギーの無駄があるが,このシステムであれば排熱をその場で使用できるので,無駄が少ない。従って,他のシステムと組み合わせることで,コージェネレーションシステムとして利用できる。このようなシステムの一例を,図6に示す。この例では,マイクロガスタービンから排出された高温の排ガスを利用して温水焚吸収式冷凍機を運転させる。そして,その吸収式冷凍機の蒸発器や凝縮器を冷暖房システム1の中間圧熱交換器13として利用し,冷媒と熱交換させて冷暖房に利用するものである。
【0025】
以上詳細に説明したように,本実施の形態の冷暖房システム1によれば,マルチベーン式の圧縮機2は,吸入口21,吐出口22,中間圧抽出入口23の3つの冷媒出入り口を有している。また,室内機熱交換器11または室外機熱交換器12への冷媒ガスの通過方向は四方弁15によって切り換えられている。さらに,中間圧抽出入口23には中間圧熱交換器13が接続されているので,中間圧を利用する冷凍サイクルを並行して実行できる。従って,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムとなった。
【0026】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記実施の形態では,圧縮機2としてマルチベーン式圧縮機2を使用しているが,これに代えてスクロール式圧縮機を使用することもできる。スクロール式圧縮機においても,圧縮機中に冷媒が吸入側とも吐出側とも連通していない状態で中間圧となる場所がある。ここに,中間圧ポートを設ければ,マルチベーン式圧縮機2の場合と同様に機能させることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る冷暖房システムの構成を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係るマルチベーン式圧縮機を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係るマルチベーン式圧縮機の圧縮室を示す断面図である。
【図4】本実施の形態に係る冷暖房システムの冷房運転時の冷媒の流れを示す説明図である。
【図5】本実施の形態に係る冷暖房システムの暖房運転時の冷媒の流れを示す説明図である。
【図6】本実施の形態の冷暖房システムを利用したコージェネレーションシステムの例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 冷暖房システム
2 圧縮機
3 冷媒配管
4 分岐点
11 室内機熱交換器
12 室外機熱交換器
13 中間圧熱交換器
16a,16b 減圧弁
19 減圧弁
21 吸入口
22 吐出口
23 中間圧抽出入口
【発明の属する技術分野】
本発明は,冷媒の循環による冷暖房システムに関する。さらに詳細には,圧縮比の異なる2系統のサイクルを併用する冷暖房システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より,電気を主なエネルギー源とした冷暖房システムには,水等の熱交換媒体を蓄えている蓄熱槽を有するものがある。夜間の非運転期間にその蓄熱槽内の熱交換媒体に冷熱や温熱を蓄え,昼間の冷暖房の冷熱源や温熱源として利用するものである。例えば,冷房運転時期には,夜間に蓄熱槽の水を冷やして氷を作っておく。そして,昼間の冷房運転時には,冷媒の一部を蓄熱槽の氷と熱交換させるのである。これにより,ピーク時の冷暖房機器の負荷を小さくし,ピーク時エネルギー消費量を減らすことができる。
【0003】
この従来の冷暖房システムにおける冷房運転時の冷媒の循環について簡単に説明する。冷媒は,圧力と温度の関係によってその状態が変化し,その相変化に伴う潜熱を利用するものである。室内機に設けられた熱交換器で室内の熱を奪って蒸発し低圧ガスとなった冷媒は,2つに分けられる。そして,冷媒の一部は,室外機に設けられた熱交換器において室外の空気中に放熱して凝縮液化され,冷媒の他の一部は,蓄熱槽に設けられた熱交換器で冷却されて凝縮液化される。室外機で放熱する部分の冷媒は,30℃以上の外気に放熱して凝縮できる程度に高圧に圧縮される必要がある。一方,0℃近くの蓄熱槽と熱交換する部分の冷媒は,あまり高圧に圧縮される必要はない。そこで,この従来の冷暖房システムでは,圧縮比の異なる2つの圧縮機を備えて,それらを使い分けることにより,2種類の圧縮比を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の冷暖房システムでは,2台の圧縮機を備える必要がある。そのため,構造が複雑となり,製造コストが割高になるという問題点があった。
【0005】
本発明は,前記した従来の冷暖房システムが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明に係る冷暖房システムは,室外機熱交換器と室内機熱交換器とが設けられた環路に圧縮機により冷媒を循環させて冷暖房を行う冷暖房システムであって,環路における室外機熱交換器と室内機熱交換器との間の分岐点と圧縮機とを結ぶ副流路と,副流路に設けられた中間圧熱交換器とを有し,圧縮機は,環路に冷媒を循環させるための高圧吐出口および低圧吸入口の他に,副流路に接続された中間圧抽出入口を有するものであり,冷房時には,室外機熱交換器から室内機熱交換器へ向かう方向に環路の冷媒を循環させるとともに,中間圧抽出入口から副流路へ抽出された冷媒を分岐点で環路の冷媒と合流させ,暖房時には,室内機熱交換器から室外機熱交換器へ向かう方向に環路の冷媒を循環させるとともに,分岐点で環路から副流路へ分流された冷媒を中間圧抽出入口で圧縮機に流入させるものである。
【0007】
すなわち本発明では,室外機熱交換器と室内機熱交換器と圧縮機との間を冷媒が循環されることで,冷暖房が行われる冷暖房システムであり,室外機熱交換器と室内機熱交換器との間に副流路への分岐点が設けられている。この副流路には,中間圧熱交換器が接続され,圧縮機の中間圧抽出入口によって中間圧の冷媒が循環されている。従って,中間圧熱交換器として蓄熱槽や別のシステムの蒸発器等を利用して,主流路のサイクルと併用することができる。これにより,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムとすることができた。この冷暖房システムでは,冷房時には中間圧抽出入口から冷媒を抽出して,中間圧熱交換器から分岐点へと向かわせ,暖房時には分岐点で冷媒を分流して,その一部を中間圧熱交換器から中間圧抽出入口に流入させればよい。これにより,副流路を流れる冷媒は,中間圧熱交換器において室外機熱交換器と同じ方向の熱交換をすることとなり,システム全体としてのエネルギー消費量を減少させることができる。
【0008】
また,本発明では,圧縮機は,低圧吸入口から高圧吐出口に至る圧縮過程に,低圧吸入口と高圧吐出口とのいずれからも遮断された中間圧力部分が存在する構造であり,中間圧抽出入口は,圧縮機の中間圧力部分に連通していることが望ましい。
例えば,マルチベーン式の圧縮機やスクロール式の圧縮機では,圧縮機内部に取り込まれた冷媒が,圧力の異なる複数のブロックに仕切られて次第に圧縮される構造となっている。従って,圧縮機中には,冷媒が低圧の吸入側とも高圧の吐出側とも遮断された中間圧力部分が存在している。中間圧抽出入口が,その中間圧力部分に連通されていれば,吸入側や吐出側の圧力に影響を与えることなく,中間圧状態の冷媒を取り出しあるいは流し込むことが比較的容易にできるからである。
【0009】
また,本発明では,室外機熱交換器と分岐点との間に圧力差を維持しつつ冷媒を通過させる第1差圧手段と,室内機熱交換器と分岐点との間に圧力差を維持しつつ冷媒を通過させる第2差圧手段とを有することが望ましい。
冷房時には,分岐点において,室外機熱交換器から室内機熱交換器へ向かう方向に環路を循環される冷媒と,中間圧抽出入口から副流路へ抽出された冷媒とが合流される必要がある。しかし,室外機熱交換器から流出される冷媒の圧力と副流路から分岐点へ流入される冷媒の圧力とには差がある。第1差圧手段によれば,その圧力差を維持しつつ冷媒が通過されるので,両冷媒がスムーズに合流される。また,暖房時には,分岐点において,室内機熱交換器から室外機熱交換器へ向かう方向に環路を循環される冷媒と,副流路を循環される冷媒とに分流される必要がある。室内機熱交換器から流出される冷媒は高圧となっているが,第2差圧手段によって,室内機熱交換器と分岐点との間の圧力差を維持しつつ冷媒が通過されるので,スムーズに分流される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した一実施の形態について,添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態は,1台のマルチベーン式圧縮機を使用した冷暖房システムに,本発明を具体化したものである。
【0011】
本実施の形態の冷暖房システム1は,図1に示すように,圧縮機2と,3台の熱交換器すなわち室内機熱交換器11,室外機熱交換器12,中間圧熱交換器13とが冷媒配管3によって接続されて構成されている。室内機熱交換器11および室外機熱交換器12は,その内部を通過する冷媒に室内または室外の空気と熱交換させるためのものである。中間圧熱交換器13としては,従来技術で説明した蓄熱槽を使用することもできるが,ここでは,蓄熱せず,他のサイクルを組み合わせて利用することとしている。例えば,冷房運転時にはコージェネレーション排熱等を熱源とした吸収式冷凍機または吸着式冷凍機の蒸発器を使用すればよい。また,暖房運転時にはコージェネレーション排熱または圧縮機2の駆動用のガスエンジンの排熱等を熱源として利用できる。
【0012】
圧縮機2には,低圧ガス状態の冷媒を吸入する吸入口21,高圧ガス状態の冷媒を吐出する吐出口22,中間圧ガス状態の冷媒を流入または流出させる中間圧抽出入口23の3つの冷媒出入り口が形成されている。そして,吐出口22には,四方弁15の入口ポート15aが接続されている。四方弁15は,4つのポートを有し,そのうちの2つずつを互いに連通させる切換弁である。すなわち四方弁15は,入口ポート15aと第1サイドポート15bとが連通するとともに,出口ポート15cと第2サイドポート15dとが連通する第1の状態(図4参照)と,入口ポート15aと第2サイドポート15dとが連通するとともに,出口ポート15cと第1サイドポート15bとが連通する第2の状態(図5参照)とのいずれかの状態をとるものである。四方弁15の出口ポート15cは,低圧用のアキュミュレータ14を介して圧縮機2の吸入口21へと接続されている。アキュミュレータ14は,流入された冷媒から液体部分を分離して,気体部分のみを流出させるためのものである。
【0013】
四方弁15の第1サイドポート15bは室外機熱交換器12に接続され,さらに室外機熱交換器12には2つの減圧弁16a,16bが接続されている。2つの減圧弁16a,16bは,流体の通過方向が逆になるように,互いに並列に接続されている。また,四方弁15の第2サイドポート15dは室内機熱交換器11に接続され,室内機熱交換器11には,膨張弁18と減圧弁19とが接続されている。膨張弁18は減圧弁19よりさらに精密な圧力制御が可能な弁であり,膨張弁18と減圧弁19とは,流体の通過方向が逆になるように並列に接続されている。この室内機熱交換器11と膨張弁18と減圧弁19とが,室内機20に含まれる。さらに室内機20にはレシーバタンク17が接続されている。レシーバタンク17は,流入された冷媒から液体部分のみを流出させるためのものである。
【0014】
また,減圧弁16a,16bとレシーバタンク17とを接続する冷媒配管3の途中には,配管の分岐点4が設けられている。そして,この分岐点4と圧縮機2の中間圧抽出入口23とを結ぶ副流路に,容量制御弁31と中間圧熱交換器13とアキュミュレータ35とが直列に接続されている。
【0015】
ここで,圧縮機2は,図2,図3に示すように,マルチベーン式の圧縮機2である。圧縮機2の内部には,シリンダ24と,シリンダ24の内部で旋回するロータ25とが設けられている。ロータ25には,複数の可動式ベーン29が取り付けられている。この圧縮機2では,吸入口21から吸入された低圧ガス状態の冷媒が,吸入ポート28からシリンダ24とロータ25との間隙に入る。そして,ロータ25の回転によって隣接するベーン29の間の容積が減少することにより,冷媒が圧縮される。その結果,高圧ガス状態となった冷媒が,吐出ポート26から吐出口22へと吐出されるものである。さらに,シリンダ24には,吸入ポート28と吐出ポート26との約中間位置に2つの中間圧ポート27が設けられている。2つの中間圧ポート27は,中間圧抽出入口23に連通されている。
【0016】
この圧縮機2によれば,図3に示すように,吸入ポート28から吸入された冷媒は,複数のベーン29により仕切られた状態で順次圧縮されていく。そして,中間圧ポート27と吐出ポート26との間や,中間圧ポート27と吸入ポート28との間は,必ずベーン29によって仕切られている。従って,中間圧ポート27が連通される部分は,常に中間圧状態であり,吐出ポート26や吸入ポート28とは連通されていない。そのため,中間圧抽出入口23では,吸入側や吐出側の圧力に影響を与えることなく,外部圧力と中間圧ポート27との圧力差によって,冷媒が圧縮機2へ流入したりあるいは流出したりする。
【0017】
次に,この冷暖房システム1における冷媒の流れを,図4(冷房運転時)と,図5(暖房運転時)とを参照して説明する。図4,図5において,冷媒配管3の各所に示した矢印はそれぞれの位置を流れている冷媒の状態とその通過方向を示している。一重矢印が低圧ガス状態,二重矢印が中間圧ガス状態,三重矢印が高圧ガス状態を示し,黒塗り矢印は液状態の冷媒を示している。
【0018】
冷房運転時には,四方弁15は第1の状態とされる。従って,図4に示すように,圧縮機2の吐出口22から吐出された高圧ガス状態の冷媒は,室外機熱交換器12で外気に放熱して凝縮する。さらに,レシーバタンク17でわずかに混じっている気体部分が除かれ,液状態の冷媒だけが膨張弁18に送られそこで膨張される。そして,室内機熱交換器11で室内の熱を奪って気化し,低圧ガス状態となる。さらに,四方弁15の第2サイドポート15dから出口ポート15cへと流され,アキュミュレータ14で液体部分が除かれ,低圧ガス状態の冷媒だけが吸入口21へ吸入される。
【0019】
またこのとき,中間圧抽出入口23の内部側より外部側が低圧となり,中間圧ガス状態の冷媒が圧縮機2から流出されて,中間圧熱交換器13へと送出される。中間圧熱交換器13において低温で凝縮され液化した冷媒は,分岐点4からレシーバタンク17へ流され,前述のように室内機熱交換器11へ送られる。
【0020】
冷房運転の場合,中間圧熱交換器13から流出した中間圧液状態の冷媒と,室外機熱交換器12から流出した高圧液状態の冷媒とがともに,分岐点4へ向かう。そのため,減圧弁16aによって高圧液状態の冷媒を減圧し,中間圧液状態の冷媒と同程度の圧力としてから分岐点4へ流入させるようにしている。これにより,分岐点4では両側から流れ込む液状態の冷媒が,スムーズに混合するのである。あるいは,容量制御弁31により中間圧熱交換器13への冷媒循環量を制御して,分岐点4での混合比を調整することとしてもよい。
【0021】
ここで,中間圧熱交換器13としては,吸収式冷凍機または吸着式冷凍機の蒸発器を利用している。一般的にこれらの蒸発器は,7℃の冷水を取り出す必要から5℃程度の蒸発温度で使用されている。しかし,この冷暖房システム1では,この蒸発器を10〜15℃の範囲の蒸発温度で使用する。蒸発温度を高めに設定したことで,吸収式冷凍機または吸着式冷凍機の効率が約10%高められている。その一方で,この蒸発温度と中間圧熱交換器13へ流入される冷媒の温度との温度差が減少したことになる。これにより,中間圧熱交換器13での熱交換能力は低下しているが,この点は伝熱面積を大きくすることによって補うことができる。
【0022】
次に,暖房運転時について説明する。暖房運転時には,四方弁15は第2の状態とされる。従って,図5に示すように,圧縮機2の吐出口22から吐出された高圧ガス状態の冷媒は,室内機熱交換器11で室内へ放熱して凝縮される。さらに,減圧弁19で減圧され,レシーバタンク17によって気体部分が除かれて,液体状態の冷媒だけが分岐点4に向かう。分岐点4では,液体状態の冷媒が図中左右の流路へと分けられる。冷媒の一部は,室外機熱交換器12で外気の熱を奪って気化し,低圧ガス状態となる。そして,第1サイドポート15bから出口ポート15cへと流れ,圧縮機2の吸入口21へ吸入される。冷媒の他の一部は,容量制御弁31を介して中間圧熱交換器13へ流され,中間圧熱交換器13で加熱されて気化することで中間圧ガス状態となって,アキュミュレータ35へ流される。そして,中間圧抽出入口23へ中間圧ガス状態の冷媒として流入する。ここで,中間圧熱交換器13の熱源としては,コージェネレーション用として設けられるガスタービン等の排熱や圧縮機2の駆動用のガスエンジン排熱を利用すればよい。
【0023】
暖房運転の場合,分岐点4において分流され,中間圧熱交換器13に流入された冷媒を中間圧抽出入口23から圧縮機2に流入させる必要がある。そこで,減圧弁16bによって室外機熱交換器12へ流入させる液状態の冷媒の圧力を調節することで吸入口21へ吸入される低圧ガス状態の冷媒の圧力を調節している。それにより,中間圧抽出入口23の内部側の圧力を調整し,中間圧熱交換器13から流出された中間圧ガス状態の冷媒の圧力の方が高くなるようにするのである。さらに,容量制御弁31により減圧弁16bと協調させて,中間圧熱交換器13への冷媒循環量や冷媒の中間圧を制御することとしてもよい。
【0024】
このような冷暖房システム1とすることで,蓄熱槽や冷温水配管が不要となっているので,イニシャルコストを低減させることができた。また,冷温熱媒体として水を使用していないので,水を嫌う物件にも使用できるようになった。さらに,水を介することなく,ガス同士で直接熱交換できるので,大きな伝熱面積を取ることが可能となった。また,蓄熱槽に氷を形成しても熱移動のロスによるエネルギーの無駄があるが,このシステムであれば排熱をその場で使用できるので,無駄が少ない。従って,他のシステムと組み合わせることで,コージェネレーションシステムとして利用できる。このようなシステムの一例を,図6に示す。この例では,マイクロガスタービンから排出された高温の排ガスを利用して温水焚吸収式冷凍機を運転させる。そして,その吸収式冷凍機の蒸発器や凝縮器を冷暖房システム1の中間圧熱交換器13として利用し,冷媒と熱交換させて冷暖房に利用するものである。
【0025】
以上詳細に説明したように,本実施の形態の冷暖房システム1によれば,マルチベーン式の圧縮機2は,吸入口21,吐出口22,中間圧抽出入口23の3つの冷媒出入り口を有している。また,室内機熱交換器11または室外機熱交換器12への冷媒ガスの通過方向は四方弁15によって切り換えられている。さらに,中間圧抽出入口23には中間圧熱交換器13が接続されているので,中間圧を利用する冷凍サイクルを並行して実行できる。従って,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムとなった。
【0026】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記実施の形態では,圧縮機2としてマルチベーン式圧縮機2を使用しているが,これに代えてスクロール式圧縮機を使用することもできる。スクロール式圧縮機においても,圧縮機中に冷媒が吸入側とも吐出側とも連通していない状態で中間圧となる場所がある。ここに,中間圧ポートを設ければ,マルチベーン式圧縮機2の場合と同様に機能させることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,1台の圧縮機を使用して2種類のサイクルを併用できる冷暖房システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る冷暖房システムの構成を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係るマルチベーン式圧縮機を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係るマルチベーン式圧縮機の圧縮室を示す断面図である。
【図4】本実施の形態に係る冷暖房システムの冷房運転時の冷媒の流れを示す説明図である。
【図5】本実施の形態に係る冷暖房システムの暖房運転時の冷媒の流れを示す説明図である。
【図6】本実施の形態の冷暖房システムを利用したコージェネレーションシステムの例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 冷暖房システム
2 圧縮機
3 冷媒配管
4 分岐点
11 室内機熱交換器
12 室外機熱交換器
13 中間圧熱交換器
16a,16b 減圧弁
19 減圧弁
21 吸入口
22 吐出口
23 中間圧抽出入口
Claims (3)
- 室外機熱交換器と室内機熱交換器とが設けられた環路に圧縮機により冷媒を循環させて冷暖房を行う冷暖房システムにおいて,
前記環路における前記室外機熱交換器と前記室内機熱交換器との間の分岐点と前記圧縮機とを結ぶ副流路と,
前記副流路に設けられた中間圧熱交換器とを有し,
前記圧縮機は,前記環路に冷媒を循環させるための高圧吐出口および低圧吸入口の他に,前記副流路に接続された中間圧抽出入口を有するものであり,
冷房時には,前記室外機熱交換器から前記室内機熱交換器へ向かう方向に前記環路の冷媒を循環させるとともに,前記中間圧抽出入口から前記副流路へ抽出された冷媒を前記分岐点で前記環路の冷媒と合流させ,
暖房時には,前記室内機熱交換器から前記室外機熱交換器へ向かう方向に前記環路の冷媒を循環させるとともに,前記分岐点で前記環路から前記副流路へ分流された冷媒を前記中間圧抽出入口で前記圧縮機に流入させることを特徴とする冷暖房システム。 - 請求項1に記載する冷暖房システムにおいて,
前記圧縮機は,前記低圧吸入口から前記高圧吐出口に至る圧縮過程に,前記低圧吸入口と前記高圧吐出口とのいずれからも遮断された中間圧力部分が存在する構造であり,
前記中間圧抽出入口は,前記圧縮機の中間圧力部分に連通していることを特徴とする冷暖房システム。 - 請求項1または請求項2に記載する冷暖房システムにおいて,
前記室外機熱交換器と前記分岐点との間に圧力差を維持しつつ冷媒を通過させる第1差圧手段と,
前記室内機熱交換器と前記分岐点との間に圧力差を維持しつつ冷媒を通過させる第2差圧手段とを有することを特徴とする冷暖房システム。
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