JP3657556B2 - 温度および電子ゲインについての色補正 - Google Patents

温度および電子ゲインについての色補正 Download PDF

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Description

【0001】
<発明の分野>
本発明は、少なくとも二つの分析対象物を、少なくとも二つの蛍光検出体を用いて同時に分析する方法に関する。より詳細には、本発明は、蛍光プローブの温度依存性のスペクトル重複を修正することによって、遺伝子型を、二以上の核酸遺伝子座で同定するための、蛍光標識されたハイブリダイゼーションプローブの使用に関する。
【0002】
<発明の背景および概要>
新しい遺伝子の継続的な発見が、遺伝子型と疾患との相関を研究するための遺伝子材料資源を提供している。Kononen,J.ら(1998)Nat.Med.4,844〜847を参照。遺伝子疾患の大部分は、一ないし数個の遺伝子の複数の部位に見出され得る一塩基の変異(single base alteration)によって引き起こされる。Cooper,D.N.とKrawczak,M.(1990)Hum.Genet.85,55〜74;Neufeld,E.J.(1998)Hematol.Oncol.Clin.North Am.12,1193〜1209を参照。このため、核酸解析技法は、しばしば、複数の座(locus)や配列変異の解析を必要とする。便利さを考えると、この解析は一反応で行えるのが望ましい。
【0003】
核酸試料から得られる情報量を増やすため、色の異なる複数の蛍光色素がよく用いられる。Mansfield,E.S.ら(1997)J.Chromatogr.A.781,295〜305;Samiotaki,M.ら(1997)Anal.Biochem.253,156〜161。これらの色素は、プライマーまたはプローブに結合でき、その生成物はPCR増幅の途中で、あるいは増幅後検出法(post-amplification detection method)で解析できる。Pritham,G.H.とWittwer,C.T.(1998)J.Clin.Lig.Assay.21,1〜9。増幅後解析によって評価分析時間が延びるとはいえ、この増幅後解析によって二次レベルでの研究が可能となり評価分析能力が倍増する。例えば、多色蛍光検出法を、生成物のサイズ測定と組み合わせることにより、短いタンデムリピートを用いた特性タイピング、ミニシーケンシングによる一塩基変化の遺伝子型判定、競合プライミングによる遺伝子型判定に成功してきた。Mansfield,E.S.ら(1997)J.Chromatogr.A.781,295〜305;Pritham,G.H.とWittwer,C.T.(1998)J.Clin.Lig.Assay.21,1〜9;Pastinen,T.ら(1996)Clin.Chem.42,1391〜1397。
【0004】
ハイブリダイゼーションプローブは、均質な(homogenous)PCR増幅および遺伝子型判定のための洗練されたシステムを提供する。Lay,M.J.とWittwer,C.T.(1997)Clin.Chem.43,2262〜2267;Bernard,P.S.ら(1998)Anal.Biochem.255,101〜107;Bernard,P.S.ら(1998)Am.J.Pathol.153,1055〜1061を参照。そのようなシステムの或るものにおいては、一DNA配列中の隣接した領域にハイブリダイズする二つのオリゴヌクレオチドプローブを用いる。各々のオリゴヌクレオチドプローブは、蛍光エネルギー遷移対の対応するメンバーによりそれぞれ標識される。このシステムでは、前記DNA配列中の隣接する領域にプローブがハイブリダイズする際などのように、ドナー蛍光色素とアクセプター蛍光色素とが互いに近傍にあれば、ドナー蛍光色素は励起され、エネルギーがアクセプター蛍光色素に転移される。増幅後の融解曲線解析によってハイブリダイゼーションプローブの単一対を用いて少なくとも二つのアリルを同定することができる。これは、DNA配列中に存在する変異がプローブとの間でミスマッチを生じ、特徴的なTmシフトを生じるからである。このシフトはゆっくりと加熱する際に蛍光共鳴エネルギー遷移の変化を監視して測定される。
【0005】
様々なアリルとの間で異なるTmを有するプローブを、この技法の能力増強のために、併せて多重化使用する(multiplexed)ことができる(Bernard,P.S.ら(1998)Am.J.Pathol.153,1055〜1061)。しかしながら、プローブの多重化は、最終的には、それらプローブの融解温度の範囲に亘って互いに区別され得るTmの数によって制限を受ける。本発明は、一度に異なるアリルについて遺伝子型判定を行うための、Tmと色とを用いたハイブリダイゼーションプローブ多重化の能力を拡張することに関する。異なるアクセプター色素を有する複数のプローブを採用する。アクセプター色素は異なる波長で発光するため、そのような多色解析は、一度に調査できるアリルの数を増やすことに用いることができる。
【0006】
単一の融解曲線から得られる情報量を増加させるために多色解析が用いられるとはいえ、多色解析には、チャンネル間での蛍光の重複を修正するための各種クロストーク補正技法(crosstalk compensation technique)を用いる必要がある。これらの技法は、元々、フローサイトメトリーを使用する、細胞の多パラメーター蛍光監視において開発されたものである。Bagwell,C.B.とAdams,E.G.(1993)Ann.N.Y.Acad.Sci.677,167〜184。これらの技法の有用性が確認された一方、フローサイトメトリーでは温度は一定に保たれているため、これらの技法は温度依存性クロスオーバー効果(crossover effects)の変化に関する修正がなされていない。融解曲線解析においては、温度は40℃から95℃に亘るため、温度依存性クロスオーバー効果を修正しなければ顕著な誤差が起こり得る。ハイブリダイゼーションプローブを用いて多色解析を適用するためには、様々なゲイン設定に対して、また、チャンネル間での蛍光オーバーラップに及ぼす温度の影響に対して、アルゴリズムを手当てすることが必要である。
【0007】
本アプローチは、各蛍光物質の温度依存性を明確にするために、温度勾配(temperature ramp)の際において較正ランを行うものである。この温度依存性は、次いで3次多項式を用いて近似される。次に、後続のテストランにおける蛍光値獲得(acquisition)のためには、獲得時の温度を、その温度での蛍光較正係数に補間するために用いる。この修正を行わなければ、温度依存性のスペクトル重複によって蛍光値は不正確となるだろう。
【0008】
さらに、実験ランは様々なゲインでなされるであろうため、増幅器ゲインに対する修正もまた行われることが望ましい。較正ランを全てのゲインの組み合わせにおいて行うことは実際的ではないため、どのようなゲイン設定下で得られた実験ランについても、補正ファイルが作動しなければならない。ゲインの修正は、各チャンネルについて、較正ゲインに対するランゲインの比を蛍光較正曲線に乗算して達成できる。
【0009】
このように、本発明の一態様は、対応する分析対象物について特異的な、少なくとも二つの蛍光検出体を用いて、少なくとも二つの分析対象物の存在を決定する方法に関するものである。蛍光検出体は、適切な波長の光によって励起される。蛍光は、少なくとも二つのスペクトルチャンネルにおいて決定される。そして、蛍光値は、スペクトルの重複と蛍光値の温度依存性とに関して修正される。
【0010】
本発明の他の実施形態においては、分析対象物は核酸遺伝子座であり、蛍光検出体は対応する座に特異的である。蛍光検出体は、適切な波長の光で励起される。蛍光は、ある温度範囲に亘って測定される。そして、シグナル値は、温度依存性に鑑みて補正される。好ましい実施形態においては、蛍光検出体は、対応する遺伝子座に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドに固定される。このオリゴヌクレオチドは、前記遺伝子座にアニーリングされ、測定ステップは、対応する遺伝子座からオリゴヌクレオチドを融解するための加熱時の蛍光の監視を含む。
【0011】
アポリポタンパク質(“ApoE”)遺伝子は本発明のモデルシステムを提供する。ApoE遺伝子のコドン112および158内にある一塩基変異が、3つの共通アリル(ε2、ε3およびε4)と、6つのApoEの表現型の原因となる。Mahley,R.W.(1988)Science 240、622〜630。ApoEアリルの隣接するハイブリダイゼーションプローブ遺伝子型解析を提供するためにオリゴヌクレオチドの標的が合成された。人工の鋳型を用いることにより、増幅技法とは無関係に、標的濃度、相補ストランド競合、プローブ濃度、Mg++濃度、および融解曲線解析前のアニーリング条件の効果について、組織的に研究することができる。よって、本発明の更なる実施形態は、標的濃度およびアニーリング条件を最適化し、相補ストランド競合を減少させることによって最適化された補正蛍光測定を提供することを含む。
【0012】
本発明のその他の特徴は、現段階で認識されている本発明の最良の実施態様を示す以下に記述する好ましい実施形態の詳細な説明を考察することにより、当業者に明白となるであろう。
【0013】
<発明の詳細な説明>
本発明を記述しクレームするにあたり、以下に記載する定義に従って各用語を用いるものとする。
【0014】
本明細書においては、「核酸」、「DNA」およびこれに類する術語は、核酸類似体、即ち、ホスホジエステル骨格以外の骨格を有する類似体を含む。例えば、いわゆる「ペプチド核酸」は当技術分野において公知のものであるが、これはホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を骨格に有するものであって、本発明の範囲内のものと考えられたい。
【0015】
本明細書においては、「蛍光共鳴エネルギー遷移対」または「FRET対」は、ドナー蛍光体とアクセプター蛍光体とを含む蛍光体の対を意味し、ドナー蛍光体は共鳴エネルギーをアクセプター蛍光体に移動させることができる。言い換えれば、ドナー蛍光体の発光スペクトルはアクセプター蛍光体の吸収スペクトルと重複する。好ましい蛍光共鳴エネルギー遷移対においては、ドナー蛍光体の吸収スペクトルが実質的にアクセプター蛍光体の吸収スペクトルに重複することはない。
【0016】
本明細書においては、「ドナーオリゴヌクレオチドプローブ」とは蛍光共鳴エネルギー遷移対のドナー蛍光体で標識されたオリゴヌクレオチドを意味する。
【0017】
本明細書においては、「アクセプターオリゴヌクレオチドプローブ」とは蛍光共鳴エネルギー遷移対のアクセプター蛍光体で標識されたオリゴヌクレオチドを意味する。
【0018】
本明細書においては、「FRETオリゴヌクレオチド対」とはドナーオリゴヌクレオチドプローブとアクセプターオリゴヌクレオチドプローブとを、共にそれらの相補的標的核酸配列にハイブリダイズしたときに、蛍光共鳴エネルギー遷移の関係を形成するようなドナーオリゴヌクレオチドプローブとアクセプターオリゴヌクレオチドプローブとの対を意味する。
【0019】
本発明は、少なくとも二つの分析対象物の存在を決定するために、少なくとも二つの蛍光検出体を用いる方法に係るものである。この技法は、様々な用途に応用できるとはいえ、この発明における好ましい実施形態は、突然変異または多型の存在について、核酸配列の複数の遺伝子座をスクリーニングする方法である。より詳細には、本発明は、個々の生命体から調製したゲノムDNA試料の複数の遺伝子座に関して突然変異や多型を検出するための、単一反応容器内においてその全体を行うことのできる、急速処理を許容するものである。適切なものでありさえすればいかなる核酸試料についても本発明方法を適用できる。一方、この方法は、PCR増幅産物上で行うことができ、PCR増幅について用いた同じ単一反応容器内で行うことができる。本発明の好ましい方法は、二対以上のFRETオリゴヌクレオチド対と、核酸配列を含む生物学的試料とを組み合わせるステップと、適切な波長で前記生物学的試料に照光するステップと、加熱時の温度の関数として蛍光を監視するステップと、蛍光値を補正するステップとからなる。
【0020】
DNAを検出し監視するために用いる蛍光プローブは、二重鎖DNAに特異的な色素と、配列に特異的なプローブとを含む。図1は、隣接した二個のプローブ上の蛍光体間における共鳴エネルギー遷移に基づくハイブリダイゼーションの概略を示す。表1で詳しく定義したように、この方法は配列特異的であり、融解曲線による解析が可能である。二個の標識プローブが同一の鋳型ストランドにハイブリダイズすると、FRET対の二個のメンバーが近接され、エネルギー遷移が起こり得る(図1A)。一つのアリルと、一つのオリゴヌクレオチドプローブとの間のミスマッチのため、このアリルについては融解がより低温度で起こり、その結果、このFRET対のメンバーを分離する。上記ミスマッチを含むアリルは、プローブにマッチしているアリルに比べ、特徴的なより低いTmを示すであろう(図1B〜D)。
【0021】
遺伝子型判定について、蛍光融解曲線を多重化するために、複数の異なるアリルに特異的であり、且つ異なるアクセプター色で標識された複数のハイブリダイゼーションプローブを同時に用いることができる。各々がある一つの遺伝子座に特異的で、且つ、各々が異なるアクセプター色素を有するような二つの別々のFRETオリゴヌクレオチド対を同時に用いることができる。蛍光共鳴エネルギー遷移対として用いることのできる蛍光体対は、当業者にはよく知られており、フルオレセイン/ローダミン、フィコエリスリン/Cy7、フルオレセイン/Cy5、フルオレセイン/Cy5.5、フルオレセイン/LC Red 640、およびフルオレセイン/LC Red 705を含むが、これらに限定されるものではない。
【0022】
解析対象のヌクレオチド試料は、米国特許第5,455,175号に記載の迅速サイクリング技法を用いて提供されるPCR増幅産物であることができる。迅速温度サイクリングは、従来の温度サイクリングとは対照的であり、30サイクルの増幅を15分間で完了することができ、結果として得られるPCR産物がかなり少ない副産物を含むことが示されている。このように、迅速サイクリングを用いれば、増幅に必要とする時間がほぼ10分の1に短縮され、特異性も改善される。
【0023】
徐加熱時の融解曲線のリアルタイム監視は、蛍光色素と蛍光標識プローブとを用いて行うことができる。核酸反応のリアルタイム蛍光監視の使用は、1995年10月3日発行の米国特許第5,455,175号、および、共に1997年6月4日に出願された米国特許出願第08/869,275号および第08/869,276号に記載されている。
【0024】
蛍光融解曲線解析は、遺伝子型判定に対して迅速で効果的な方法である。例えば、Lay,M.J.とWittwer,C.T.(1997)Clin.Chem.43,2262〜2267;Bernard,P.S.ら(1998)Anal.Biochem.255,101〜107;Bernard,P.S.ら(1998)Am.J.Pathol.153,1055〜1061;Lyon,E.ら(1998)Mol.Diag.3,203〜210を参照。迅速サイクルPCRおよび一塩基遺伝子型判定は、途中に挿入されるステップを介することなく、40分間以内に一本の試験管の中で行なうことができる。本発明のアルゴリズムおよび方法によって、LightCyclerTM等の蛍光可能な温度サイクラー(temperature cycler)を用いて、溶液の色の多重化が可能であることが示された。Wetmur J.G.(1995)、Molecular Biology and Biotechnology(Meyers,R.A.,ed)、pp.605608,VCH Publishers,Inc.、ニューヨーク州、ニューヨークを参照。この多重化技術はまた、競合PCRのための内部コントロールを用いた方法等の定量方法にも応用できるものである。Sidhu,M.K.ら(1998)、Gene Quantification(Ferre,F.編)、pp.265〜276、バークハウザー、ボストン、 マサチューセッツ州。
【0025】
ApoE遺伝子は、本発明におけるモデルシステムを提供する。ApoE遺伝子のコドン112および158内にある一塩基変異が、3個の共通アリル(ε2、ε3とε4)と6個のApoEの表現型との原因となる。Mahley,R.W.(1988)Science 240,622〜630。オリゴヌクレオチド標的を合成し、ApoEアリルの隣接ハイブリダイゼーションプローブ遺伝子型解析を提供する。用いるFRET対はフルオレセイン/LC Red 640、およびフルオレセイン/LC Red 705である。それらの配列を下の表Iに示す。蛍光色素の温度依存性に関して補正を行うほか、標的濃度、相補ストランド競合、プローブ濃度、Mg++濃度、および融解曲線解析前のアニーリング条件の影響を調べ、これらの最適化をおこなった。
【0026】
【表1】
Figure 0003657556
【0027】
オリゴヌクレオチドプローブ/標的のハイブリダイゼーション速度は、単一の核凝集ステップで決定することができるが、プローブ/標的のハイブリダイゼーションは、塩濃度、温度、および二次構造によって影響される。Wetmur,J.G.(1995)、Molecular Biology and biotechnology (Meyers,R.A.編)、pp.605〜608、VCH Publishers,Inc.、ニューヨーク、ニューヨーク州。これらと同じ条件が、プローブ/標的の融解時の遺伝子型判定の質に影響を与えると考えられている。例えば、一のヘテロ接合体試料における等価な蛍光融解ピーク領域は、融解に先立ち、同濃度に近いプローブを各標的にアニーリングすることを必要とするであろう。このように、遺伝子型判定にあたっては、プローブ/標的のハイブリダイゼーションの速度を最適化するために、アニーリング温度が選択される。実験では、プローブ/標的のハイブリダイゼーションの最高速度は、二本鎖のTmから5〜10℃下で起った。現在のところ、二本鎖のTmからほぼ8℃下の温度が標的温度として用いられている。
【0028】
各部位に特異的な標的アニーリング温度を用いると、融解前の緩やかな遷移速度が最も良い遺伝子型判定を提供した(図2C)。加えて、MgCl濃度と標的濃度とが各部位において遺伝子型判定の質に影響を与える。MgCl濃度が高いと、コドン112におけるヘテロ接合体の遺伝子型判定においてピーク分離が良くないが、低い標的濃度の存在下ではコドン158において最適な遺伝子型判定が可能である。コドン158における遺伝子型判定は、ミスマッチ二本鎖をより良く表現するための低い標的濃度に依存する。この理由としては、プローブ対標的の比をより大きくすることにより、融解前における両標的ストランドの飽和がより確実となることが考えられる。
【0029】
異なる鋳型濃度によって部位が最適化されるという発見は、どのサイクルで増幅を止めて、配列の調査を開始するかが重要であるということを示唆している。融解曲線解析は、普通、増幅がプラトー相に達した後に開始される。Bernard,P.S.ら(1998)Anal.Biochem.255,101〜107;Bernard,P.S.ら(1998)Am.J.Pathol.153,1055〜1061を参照。しかし、コドン158等の部位における遺伝子型判定の最適化には、この時点では遅すぎるかもしれない。別法として、最適化された遺伝子型判定を提供するために、融解曲線解析をどのサイクルからでも始められるようにプログラムすることができる。
【0030】
ハイブリダイゼーションプローブを色によって多重化するために、単一の塩濃度および標的濃度を選択した。コドン112には低い塩濃度を選択し、コドン158には低い鋳型濃度を選択した。より低いMgCl濃度により、コドン158におけるミスマッチのピーク領域が縮小された。しかし、この問題は、多重化のためのアニーリング温度を、最初に選択した温度であるTmから8℃下よりさらに落とすことによっても部分的に改善された。多重化に用いたより低いアニーリング温度は、コドン158における単一部位の分析には必要ではなかった。なぜなら、より高いMgCl濃度によって等価なヘテロ接合体ピークが得られうるからである。一般に、低いMgCl濃度においてプローブ/標的のアニーリングを増大させるためには、Tmより8℃以上低いアニーリング温度を用いる必要があろう。
【0031】
増幅のプラトー相は、かなりの程度が、プライマーのアニーリング部位に対して競合する相補産物ストランドが蓄積することによってもたらされる。Wittwer,C.T.ら(1997)BioTechniques 22,130〜138。これは、遺伝子型判定の際に観察された、標的に対する相補ストランドとハイブリダイゼーションプローブとの間の競合と整合しているように思われる。この競合は、細胞系突然変異の融解曲線解析を妨げないとはいえ、野生株産物のバックグラウンド中の体細胞突然変異の検出感度に限界を与える可能性がある。解析中に起こる非標的ストランドからの競合を回避するために、様々な技法が開発されてきた。例えば、ペプチド核酸(PNA)プローブは、標的との間に非常に安定な二本鎖を形成することによって、相補ストランドに対して効果的に拮抗する。Egholm,M.ら(1993)Nature 365,566〜568。別法では、標的を固体支持体に結合して、次に競合ストランドが除去される。Pastinen,T.ら(1996)Clin.Chem.42,1391〜1397。融解曲線遺伝子型判定に先立って行われる非対称PCR増幅は、均質な評価分析を維持する一方、競合を減少させるであろう。また、核酸配列に基づく増幅(NASBA)やローリングサイクル増幅など、他の技法では、一本鎖産物が直接的に産生される。Reitsma,P.H.ら(1996)Blood Coagul.Fibrinolysis 7,659〜663;Lizardi,P.M.ら(1998)Nat.Technol.19,225〜232。
【0032】
フローサイトメトリーのために開発された従来技術の色補正アルゴリズムでは、シグナルゲインの変化や、温度依存性のクロスオーバー効果についての補正はなされていない。温度によるクロスオーバー係数の変化は、温度が一定に保たれる場合は問題ではない。しかし、融解曲線解析では、温度は40℃〜95℃に亘るため、クロスオーバー係数を算出するために用いた較正データが、評価されるデータと異なる温度で得られた場合は、顕著な誤差が生じる。本発明のアプローチは、緩やかな温度勾配に亘って較正ランを獲得(acquire)して、3次多項式の補間によって各温度点において温度特異的なクロスオーバー係数を計算することである。すなわち、温度特異的クロスオーバー行列が、評価されるべき各データポイントの温度について計算される。同様に、較正ランに対するデータポイントのゲイン比が乗算されるような蛍光値から、新たな行列を計算してゲイン修正を行うことが可能である。電子的シグナルゲインが正確である限り、この新たなクロスオーバー係数行列は実験データに合致する。
【0033】
蛍光色素のスペクトル重複についての色補正は、フローサイトメトリー技法から改変されてきた。Bagwell,C.B.とAdams,E.G.(1993)Ann.N.Y.Acad.Sci.677,167〜184を参照。LabView(National Instruments、Austin、TX)において、カスタム解析ソフトウェアが制作された。概略を述べると、先ず純粋な蛍光オリゴヌクレオチドの各々と自己蛍光コントロールとの較正ランを得る。ここで、各チャンネルにおいて蛍光値が獲得される。これらの値からシグナルクロスオーバー定数を計算し、行列代数により、観察された蛍光値(o)を実際のシグナル蛍光値(s)へと変換する。
【0034】
遺伝子型判定データに用いるためには、フローサイトメトリーのために開発された色補正アルゴリズムに幾つかの変更を加える必要があった。本明細書の一部を構成するものとしてここに援用するBagwell,C.B.とAdams,E.G.(1993)Ann.N.Y.Acad.Sci.677,167〜184によって与えられた表記に従い、クロスオーバー定数は、(フローサイトメトリーに関連するが、溶液蛍光法には関連しない)複数の事象の獲得を排除して、次式で表される。
【0035】
【数1】
Figure 0003657556
式中、k(i,j)=チャンネルj内の色素iのクロスオーバーシグナル
o(i,j)=チャンネルj内の色素iの観察されたシグナル
a(j) =チャンネルj内の自己蛍光
n =チャンネル指標
N =最大チャンネル
である。
【0036】
予備実験によって、いくつかの色素の蛍光および幾つかの色素/チャンネルの組み合わせのクロスオーバー定数が、解析の望ましい範囲(40℃〜95℃)に亘って温度依存的であることが判明した。従って、較正ランを、40℃から95℃までの0.2℃/秒の温度勾配の間、蛍光値を継続的に獲得することによって得た。温度に対する蛍光の曲線は、ほぼ直線状であったが、3次多項式によってより良く近似できた。色素/チャンネルの各組み合わせごとの温度に対する蛍光曲線および各チャンネルの自己蛍光コントロールの3次多項式係数を、温度補間のために蓄積した。
【0037】
蛍光データの色補正を行うため、各獲得が行われた温度を用いて、較正曲線から温度特異的な蛍光を補間した。次に、これらの値を、以下のように、較正ランとデータランとの間のすべての電子ゲインの変化について調整した。
【0038】
o(i,j)=[w(i,j)T+x(i,j)T+y(i,j)T+z(i,j)][G(j)/G(j)]
a(j) =[m(j)T+n(j)T+p(j)T+q(j)][G(j)/G(j)]
ここで:
w(i,j)、x(i,j)、y(i,j)、z(i,j)は、色素i、チャンネルjの温度対蛍光の曲線についての3次多項式係数であり、m(j)、n(j)、p(j)、q(j)はチャンネルjの自己蛍光曲線の温度対蛍光についての3次多項式係数である。
【0039】
T=獲得温度
(j)=データランの際のチャンネルjのゲイン
(j)=較正ランの際のチャンネルjのゲイン
各色素の実際のシグナル蛍光は次の行列式によって計算される。
S=K−1[O−A]
ここで、S=各色素の実際のシグナル蛍光
K=各色素の各チャンネルにおけるクロスオーバー定数
O=各チャンネルにおける観察された蛍光
A=各チャンネルにおける観察された自己蛍光
【0040】
温度修正を色補正とあわせて行うことが望ましい場合は、上記の処理によって較正データについて色補正を行い、温度に対する実際のシグナル蛍光の曲線およびを、3次多項式および蓄積された温度補間係数に適用する。データランの色補正を行い、各獲得の際の各色素の蛍光を以下のように温度修正する。
【0041】
TC=s[s(T)/s(T)]
ここで、sTC=温度修正されたシグナル蛍光
s=シグナル蛍光
(T)=(使用者によって選択された)標準温度における較正ランから補間されたシグナル蛍光
(T)=データ獲得温度における較正ランから補間されたシグナル蛍光
色補正および温度修正された結果の例を図5に示す。
【0042】
==実施例1==
オリゴヌクレオチドの調製
ヒトアポリポタンパク質E遺伝子配列(GenBank accession K00396)を、非標識標的ストランド、非標識競合(相補)ストランド、および蛍光標識プローブの設計に用いた。配列を上記表1に示す。全てのオリゴヌクレオチドは標準ホスホアミダイト法によって合成した(Pharmacia Biotech Gene Assembler Plus,Piscataway,NJ)。5’−標識LC Red 640(LightCycler Red 640)とLC Red 705(LightCycler Red 705)アクセプタープローブを、それぞれ、C6dTアミノ修飾剤(Glen Research,Sterling,VA)と、LC Red 705ホスホアミダイト(Roche Molecular Biochemicals)とを用いて合成した。LC Red 640 N−ヒドロキシサクシンイミドエステル(Roche Molecular Biochemicals)を、0.1Mホウ酸緩衝液、pH9.0中で等モル濃度のオリゴヌクレオチドに手動で結合した。インキュベーションを暗条件下で2時間行った。両方のアクセプタープローブを化学リン酸化試薬(Glen Research)を用いて3’末端に合成した。3’−フルオレセイン標識プローブをフルオレセイン調節細孔グラスカセット(BioGenex,San Ramon,CA)上で合成した。
【0043】
5’−トリチル基は、合成の間、オリゴヌクレオチド標的および競合ストランド、予め結合されたLC Red 640プローブ、ならびにフルオレセイン標識プローブ上に保持された。全てのオリゴヌクレオチドおよびプローブに関し、完全長配列を、3.5μウォーターシンメトリーカラム 4.6×150mm(Waters,Milford,MA)を用いて、逆相C18高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製した。移動相は、0.1mol/Lのトリエチルアンモニウム酢酸、pH7.0、および10ないし30%(フルオレセインプローブ)または10ないし80%(非標識オリゴヌクレオチドおよびLC Red 705プローブ)のアセトニトリルの勾配(1ml/秒)からなる。溶出物は、タンデム型の吸収および蛍光検出器(Waters 486と474、Milford,MA)によって監視した。プローブについては、一致したA260および蛍光ピークを有する留分を採取した。最後の脱トリチル化は、Polypackカラム(Glen Research、Sterling,VA)上で実施し、生成物は50%アセトニトリルで溶出させた。
【0044】
オリゴヌクレオチドおよびプローブは真空乾燥し、1mMトリス−HCl、0.1mM EDTAにpH8.0にて再懸濁し、定量した。非標識オリゴヌクレオチドはA260/A280値が1.6から1.8の間にあるものを用いた。蛍光体対オリゴヌクレオチドの濃度比は各プローブについて算出した。比が0.9ないし1.1の範囲外にあるプローブは、さらに、7M尿素を含む変性15%ポリアクリルアミドゲル上で精製し、引き続いてHPLCにて尿素を除去した。
【0045】
各コドンにおいて3’−フルオレセイン標識17merプローブを遺伝子型判定のために用いた。これらのプローブは、配列が異なるとはいえ、非相補的標的に対してハイブリダイズすると(表1)、共に、C:G対と並ぶ一つのA:Cミスマッチを形成した。両二本鎖のミスマッチの位置は、プローブの3’末端から5塩基対内側であった。
【0046】
融解曲線解析に先立ち、各部位における遺伝子型判定の最適化を、試薬濃度およびアニーリング条件について行った(以下の実施例2および3を参照)。MgCl、標的ストランド、競合ストランドおよびフルオレセインプローブの濃度を変化させた。MgCl濃度は1から5mMまで変化させた。標的オリゴヌクレオチド濃度は0.05から0.2μMまで変化させ、競合オリゴヌクレオチドは標的ストランドと等モル濃度とした。フルオレセイン標識プローブは0.1〜0.2μMにて変化させた。各10μLの反応はまた、50mMトリス、pH8.5(25℃)、250μg/mlウシ血清アルブミンおよび0.2μMアクセプタープローブ(LC Red 640またはLC Red 705)を含むものであった。図2は、遺伝子型判定に先行してプローブのアニーリングに用いた、異なる温度条件を示す。遺伝子型判定に最適な条件を決定するために、ヘテロ接合体試料を用い、同様の形状のガウス曲線および等価なピーク領域を評価した。
【0047】
多重化された遺伝子型判定については、一つの温度プロトコルと、共通の試薬とが必要であった。用いた試薬は、1mM MgCl、各部位について0.05μMの標的オリゴヌクレオチド、各部位について0.2μMアクセプタープローブ、コドン112に亘る0.1μMフルオレセイン標識プローブ、およびコドン158に亘る0.2μMフルオレセイン標識プローブである。多重化遺伝子型判定の温度プロトコルを図2Cに示す。
【0048】
試料は、複合プラスチック/ガラスのキャピラリーキュベットに装填して、栓を閉じ、短時間遠心して、3色蛍光監視能を有する熱サイクラー(LightCyclerTM,Roche Molecular Biochemicals)の32試料用カルーセルに装填した。融解曲線解析のそれぞれのランは、12の試料を含むものであった。遺伝子型判定プロトコルの徐加熱時(0.1℃/秒)の相において、蛍光を100msのアクイジション(acquisition)で連続的に監視した。フルオレセイン、LC Red 640、およびLC Red 705の蛍光値を、二色性帯域フィルターの線形配列を用いて、厳密に時間を一致させて得た。Wittwer,C.T.ら(1997)、BioTechniques 22,176〜181を参照。データは、図1Cおよび1Dに示すように、蛍光(F)対温度(T)および蛍光微分(−dF/dT)対温度プロットとして表示した。
【0049】
==実施例2==
アニーリング条件の最適化
融解曲線解析の質は、融解プロトコルにだけ依存するのではなく、融解曲線を得る前のアニーリング条件にも依存する。図2は、遅く漸減的な温度アニーリングプロトコルが、単一の迅速温度遷移を用いたアニーリングよりも、より対称なヘテロ接合の融解ピークをもたらすことを示している。この結果は、総アニーリング時間がほぼ同様である場合でさえ観察された(図2A、BおよびCと比較されたい)。このことは、各二本鎖のTmに亘る直線的な冷却が、各二本鎖の等しい形成にとって好都合であることを示唆している。
【0050】
表IIは、異なるMgCl濃度を用いた場合に、二つの部位における同じミスマッチがもたらすTmシフトの比較である。ミスマッチは、各部位においてほぼ同じ量だけプローブ/標的の二本鎖を不安定化する。さらに、マッチした二本鎖とミスマッチ二本鎖との間のΔTmは、より高いMgCl濃度について増大した。一方、フルオレセインプローブ濃度を上げると、ΔTmに影響を与えることなく両方の二本鎖のTmを増加させた(データは示していない)。
【0051】
【表2】
Figure 0003657556
【0052】
(82%のGCプローブによりスパンされた)コドン112におけるヘテロ接合体の明らかな分解能は、低いMgCl濃度に依存していた(図3A対3B)。対照的に、(59%のGCプローブによりスパンされた)コドン158におけるヘテロ接合体の遺伝子型判定は、より高いMgCl濃度および低い標的濃度を用いた場合、より対称性が良くなった(図3C対3D)。
【0053】
二重ストランド産物の遺伝子型判定(即ち、標的および相補ストランドの濃度が等しい)を図4に図示する。競合物(相補ストランド)の存在下で、遺伝子型判定は図3に示したように同じパラメーターに対して最適化されたが、各部位において蛍光シグナルはおよそ60%減少した。
【0054】
==実施例3==
色補正および温度修正
図5は、較正ランと、ApoE遺伝子座の色多重化とに適用される色補正および温度修正の効果を示す。LC Red 705は相当に温度依存性であり、一方、LC Red 640蛍光は温度に対してほぼ一定である(図5A)。期待した通りに、LC Red 705較正試料のみが、色補正後の蛍光を示し(図5B)、温度依存性は温度修正後には除去される(図5C)。LC Red 705チャンネル(コドン112)について行なわれた初期の蛍光対温度トレースは複雑で、LC Red 640からの蛍光重複があるため解読不能である(図5D)。しかし、色補正後には単一温度遷移が識別される(図5E)。温度修正後(図5F)、融解遷移領域の外側の基本線傾斜は増加される。
【0055】
色およびTmによる多重化は、単一試験管内において10分間以内にコドン112および158における変異の同時的同定を提供する。図6は、コドン112の遺伝子型判定についての非補正(A)および補正(B)蛍光融解ピークを示している。補正を行わない場合、LC Red 640アクセプター色素から、LC Red 705アクセプター色素を監視するチャンネルへの顕著な浸出が存在する(図6A)。これは、Tmが55℃および62℃であるような見かけの産物をもたらす結果となる。しかし、これらの付加的なピークは、補正後には消滅し、コドン112における真のヘテロ接合遺伝子型が現れる。6つの天然発生のApoEタンパク質イソフォームについての全ての遺伝子型判定は、この方法を用いて識別することができた。さらに、ヒト集団には通常見られないその他3つの可能な遺伝子型を合成鋳型を用いて構築し、これらも正しく解析された(データは示していない)。
【0056】
多重化された遺伝子型判定は、標的およびMgCl両者の低い濃度を用いた場合に最適となる。コドン158の遺伝子型判定に対してより低いMgCl濃度を用いた場合、ミスマッチ二本鎖のピーク領域が減少された。それにも関わらず、ヘテロ接合体のピークにもたらされた非対称性は、融解前に、アニーリング標的温度を(48℃から42℃へ)下げることによって部分的に補正することができた(図7)。
【0057】
本発明を好ましい実施態様に基づいて詳細に述べてきたが、以下のクレームに記載して定義する本発明の範囲および精神には、変形や修正が含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、遺伝子型判定のための蛍光融解曲線解析の概略を示すものである。
図1Aは、マッチした二本鎖およびミスマッチの二本鎖それぞれのTmにおけるアニーリングと融解との間の平衡を示している。
図1Bは、反応の融解相の過程での温度に対する時間のプロットを示す。
図1Cは、LC Red 640プローブについての温度に対する蛍光のプロットを示す。
図1Dは、図1C時間に対する蛍光の負の導関数のプロットを示す。
【図2】 図2は、ApoE遺伝子のコドン158に関してヘテロ接合な試料についての微分融解曲線のピーク対称に対する、各種アニーリングプロトコルの効果を示す。
図2Aは、ミスマッチの二本鎖のTmから8℃下の温度まで急速冷却(20℃/秒)を行ったプロトコルを例示している。
図2Bは、マッチした二本鎖、ついでミスマッチの二本鎖について、急速冷却プロトコルを、Tmの8℃下の温度における20秒間の保持によって中断したものを例示している。
図2Cは、より遅い温度遷移速度(1℃/秒)でミスマッチ二本鎖のTmより8℃下の温度まで冷却したものを例示している。
図2D〜Fは、それぞれ、図2A〜Cのアニーリングプロトコルに対する融解曲線(0.1℃/秒)の負の導関数(dF/dT)のグラフである。
【図3】 図3は、図2Cのアニーリングプロトコルを用い、ApoE遺伝子のコドン112および158の遺伝子型判定のための、標的オリゴヌクレオチドおよびMg++濃度の最適化を示す。
図3Aは、1mM MgClにおけるLC Red 705(コドン112)で測定した−dF/dTグラフである。
図3Bは、3mM MgClにおけるLC Red 705(コドン112)を示す。
図3Cは、1mM MgClにおけるLC Red 640(コドン158)を示す。
図3Dは、3mM MgClにおけるLC Red 640(コドン158)を示す。標的濃度は0.05μM(−)または0.2μM(−−)、蛍光プローブは0.1μM、アクセプタープローブは0.2μMであり、競合ストランドは非存在である。
【図4】 図4は、相補ストランド存在下でApoE標的の遺伝子型判定を行っている間の競合について、図2Cのアニーリングプロトコルを用いて、温度に対する蛍光導関数(−dF/dT)としてプロットしたものを示す。
図4Aは、ε3/ε4アリル(コドン112)についてのヘテロ接合体融解ピークを示す。
図4Bは、ε2/ε3アリル(コドン158)についてのヘテロ接合体融解ピークを、競合ストランドの存在下(−)と非存在下(−−)で示す。各々の反応は、0.1μMの蛍光標識プローブ、0.2μMのアクセプタープローブ、0.05μMの競合ストランドの存在下または非存在下の0.05μMのヘテロ接合体標的、そして1mM MgCl(コドン112)または3mM MgCl(コドン158)を含む。
【図5】 図5は、LC Red 640がLC Red 705チャンネルへ溢出(spillout)した特別なケースの補正により、スペクトル重複の色補正についての較正および応用を示す。装置ゲインは、それぞれ、フルオレセイン、LC Red 640、LC Red 705チャンネルに対して1、30および50であった。標識プローブ濃度は、50mMトリス、pH8.5(25℃)、1mM MgClおよび250μM/mlウシ血清アルブミン中、0.1μMフルオレセイン(−○−)、2μM LC Red 640(−X−)、および2μM LC Red 705(−)であり、プローブを含まない緩衝液含有サンプル(−△−)をブランクとして含む。
図5Aは、初期の色較正データを示す。
図5Bは、色補正を行った後の較正データを示す。
そして図5Cは、色補正後の50℃までの温度修正を示す。補正および修正アルゴリズムを、次に、多重化色評価分析においてLC Red 705チャンネルに適用した。温度に対する蛍光曲線を図5D〜Fに示した。示した遺伝子型は、ホモ接合体ε4/ホモ接合体ε3(・・・)、ホモ接合体ε3/ホモ接合体ε3(−−)、およびホモ接合体ε3/ヘテロ接合体ε2/ε3(−)である。
【図6】 図6は、図2Cのアニーリングプロトコルを用いた、競合ストランド非存在下でのコドン112および158の多重化色遺伝子型判定を示す。コドン112の解析について用いられたLC Red 705チャンネルについての非補正(図6A)および補正(図6B)の微分融解曲線(−dF/dT対温度)を示す。
図6Aは、LC Red 640からの浸出(bleed over)を示す。
図6Bは、コドン112における遺伝子型のみを示す。示した遺伝子型は、ホモ接合体ε4/ホモ接合体ε3(・・・)、ホモ接合体ε3/ホモ接合体ε3(−−)、ホモ接合体ε3/ヘテロ接合体ε2/ε3(−)である。
【図7】 図7は、ヘテロ接合体ε2/ε3試料の遺伝子型判定においてミスマッチしたε3に関して、より低いアニーリング温度のピーク領域への効果を示す。
図7Aは、図6の多重化に用いた温度である42℃まで1℃/秒で冷却した後の遺伝子型判定を示す。
図7Bは、コドン158において遺伝子型判定の最適化に用いた温度である48℃まで1℃/秒で冷却した後の遺伝子型判定を示す。

Claims (18)

  1. 試料中の少なくとも二つの分析対象物の存在を決定する方法であって、
    少なくとも二つの蛍光検出体を提供することと、
    ここで前記検出体の各々は、他のいかなる検出体の蛍光標識とも異なる蛍光標識を含み、且つ、前記検出体の各々は、対応するそれぞれの分析対象物と特異的に結合可能であり、
    上記試料を上記検出体と接触させて上記分析対象物と上記検出体とを特異的に結合させることと、
    適切な波長を有する光をもって前記標識の各々を励起させて蛍光を誘発させることと、
    少なくとも二つの異なるスペクトルチャンネルにおいて、上記標識の蛍光の値を決定することと、
    前記値を、スペクトル重複について補正をおこなうことと
    を含む方法において、
    上記補正をおこなうステップは、前記蛍光値の温度依存について修正をおこなうことを含む方法。
  2. 請求項1の方法において、前記決定するステップは、ある温度範囲に亘って行われる方法。
  3. 請求項2の方法において、温度依存についての修正は、温度特異性の重複係数の算出を通じて行われる方法。
  4. 請求項1の方法において、上記分析対象物は核酸増幅産物である方法。
  5. 請求項4の方法において、更に、上記核酸増幅産物の各々の遺伝子型を決定するステップを含む方法。
  6. 請求項1の方法において、更に、増幅器ゲインに関して前記値を補正するステップを含む方法。
  7. 核酸配列の複数の遺伝子座の遺伝子型を分析する方法であって、
    第一の遺伝子座と第二の遺伝子座とを有する核酸試料を提供するステップと、
    第一の検出体を提供するステップと、
    第二の検出体を提供するステップと、
    上記核酸試料を上記第一および第二の検出体に接触させるステップと、
    上記第一および第二の蛍光標識の蛍光を誘発せしめるために、適切な波長を有する光をもって上記第一および第二の検出体を励起させるステップと、
    ある温度範囲に亘って、第一のスペクトルチャンネルにおける上記第一の検出体の第一の蛍光シグナルと、第二のスペクトルチャンネルにおける上記第二の検出体の第二の蛍光シグナルとを測定するステップと、
    上記第一および第二のシグナルの値を、スペクトル重複について補正をおこなうステップと、
    を含み、
    当該第一の検出体は、第一の蛍光標識を有すると共に、第一の遺伝子座に対する特異性を有するものであり、
    当該第二の検出体は、第二の蛍光標識を有すると共に、第二の遺伝子座に対する特異性を有するものであり、
    上記補正をおこなうステップは、上記蛍光シグナルの温度依存性について修正をおこなうことを含むものである方法。
  8. 請求項7の方法において、上記補正するステップは、温度依存性の係数の算出を通じて行われる方法。
  9. 請求項8の方法において、更に、増幅器ゲインに関して補正を行うステップを含む方法。
  10. 請求項7の方法において、上記第一の検出体は、上記第一の遺伝子座の少なくとも一部に対して相補的な核酸配列を更に含み、上記第二の検出体は、上記第二の遺伝子座の少なくとも一部に対して相補的な核酸配列を更に含む方法。
  11. 請求項10の方法において、上記接触させるステップは、上記第一および第二の検出体を、対応するそれぞれの遺伝子座にアニーリングすることを含み、
    前記測定するステップは、上記検出体を対応するそれぞれの遺伝子座から融解させるための加熱の間に、上記スペクトルチャンネルにおける蛍光シグナルを監視することを含む方法。
  12. 請求項11の方法において、前記接触させるステップは、温度を1℃/s下げることによって行われる方法。
  13. 請求項7の方法において、上記第一の蛍光標識は、第一のドナー色素と、第一のアクセプター色素と、第一のオリゴヌクレオチド対とを含み、ここで各オリゴヌクレオチドは、上記色素の一方に結合しており、且つ、各オリゴヌクレオチドは、上記第一の遺伝子座の隣接する領域(neighboring region)に対して実質的に相補的である方法。
  14. 請求項13の方法において、上記第二の蛍光標識は、第二のドナー色素と、第二のアクセプター色素と、第二のオリゴヌクレオチド対とを含み、ここで各オリゴヌクレオチドは、上記色素の一方に結合しており、且つ、各オリゴヌクレオチドは、上記第二の遺伝子座の隣接する領域に対して実質的に相補的である方法。
  15. 請求項14の方法において、上記第一のドナー色素はフルオレセインであり、上記第一のアクセプター色素はLC Red 705である方法。
  16. 請求項15の方法において、上記第二のドナー色素はフルオレセインであり、上記第二のアクセプター色素はLC Red 640である方法。
  17. 請求項13の方法において、上記第一の遺伝子座は複数のアリルを有し、
    Mg++濃度は、上記補正されたシグナル値を−dF/dT対温度としてプロットしたときに、上記アリルについて比較的均等(even)な融解ピークを生じさせるために最適化されるものである方法。
  18. 請求項13の方法において、上記第一の遺伝子座は、複数のアリルを有し、
    上記第一の遺伝子座を含む前記核酸の濃度は、上記補正されたシグナル値を−dF/dT対温度としてプロットしたときに、上記アリルについて比較的均等な融解ピークを生じさせるために最適化されるものである方法。
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