JP5550060B2 - そうか病病原菌種のpcr定量用試薬キット - Google Patents
そうか病病原菌種のpcr定量用試薬キット Download PDFInfo
- Publication number
- JP5550060B2 JP5550060B2 JP2008258256A JP2008258256A JP5550060B2 JP 5550060 B2 JP5550060 B2 JP 5550060B2 JP 2008258256 A JP2008258256 A JP 2008258256A JP 2008258256 A JP2008258256 A JP 2008258256A JP 5550060 B2 JP5550060 B2 JP 5550060B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- species
- quantitative pcr
- competitor
- sequence
- pcr
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
ジャガイモそうか病の病原菌種は、Streptomyces属に属する複数細菌種であり、S. scabiei、S. acidiscabiei、S. turgidiscabieiが主要な病原菌種として世界中で広く知られている。本病原菌種が土壌中で肥大過程にあるジャガイモの塊茎に接触・感染することで、塊茎表面に病斑組織が形成されると考えられている。また、収穫後のジャガイモ塊茎の病斑組織には高密度の病原菌種が存在することが知られており、ジャガイモ塊茎表面において病原菌種が増殖していることが予見される。このようなジャガイモ栽培畑土壌や病斑組織における病原菌種の生態(存在量、分布、感染経路)を把握することは、本病害の防除ならびにリスク管理を考える上で極めて重要ある。
そこで本発明の課題は、そうか病の主要病原菌種であるS. scabiei、S. acidiscabiei、S. turgidiscabieiの種特異的な定量手法、ならびにそうか病のリスク管理ならびに防除に適用可能な根幹技術を提供することである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(a)配列番号1及び2、配列番号3及び4、並びに配列番号5及び6で示される塩基配列を有するプライマー対
(b)配列番号7〜9で示される塩基配列を有し、5’末端が蛍光色素で修飾されたプローブ
(c)配列番号32、34及び36で示される塩基配列を有するコンペティター
(2)リアルタイム定量PCR法、競合的定量PCR法、エンドポイント定量PCR法あるいはマルチプレックス定量PCR法に用いることを特徴とする、上記(1)に記載の試薬キット。
(3)そうか病原菌種がStreptomyces scabiei、Streptomyces acidiscabiei、またはStreptomyces turgidiscabieiであることを特徴とする、上記請求項1または2に記載の試薬キット。
特に、マルチプレックス定量PCR法の場合、複数のテンプレートDNA、プライマー、プローブの混合状態で増幅反応を行うため、高精度の定量を行うためには、目的の塩基配列にのみ特異的にハイブリダイズするプライマー、プローブの設計が鍵となる。特に、本発明の目的菌種であるS. scabiei、S. acidiscabiei、S. turgidiscabieiは、系統分類学的に近縁な種であり、ターゲットとなるDNAの塩基配列の相同性が高いため、該定量法を適切に実施しうる種特異的なプライマー、プローブの設計は極めて困難である。本発明においては、考えられうるプライマー、プローブの組み合わせを幾通りも試み、最適条件を設定するに至った。
これらの本発明のDNA試薬キット中、プライマー、プローブは、リアルタイム定量PCR法、エンドポイント定量PCR法、競合的定量PCR法、及びマルチプレックス定量PCR法に共通して使用できる。また、コンペティターは、競合的定量PCR法、エンドポイント定量PCR法及びマルチプレックス定量PCR法に共通して使用できる。
リアルタイム定量PCR法とは、PCR法において、各増幅サイクルにおける増幅産物量をリアルタイムで測定し、特定の増幅量が観測できたPCRサイクルと既知の初期核酸量の対応関係から、試料中の初期核酸量を算出する方法である。
マルチプレックス定量PCR法は、複数のプライマー対を用いて、複数のターゲットを同時に増幅可能なマルチプレックスPCR法を用いて定量を行うものである。このためには、1つの増幅反応において、同時に用いることができるプライマー及びプローブが必要となる。特に、この目的で用いる複数のQProbeは、異なる励起・蛍光波長を持つ蛍光色素で修飾されている必要性がある。
本発明のプライマーは、それぞれ上記3種の主要そうか病原菌種の16S rRNA遺伝子、又は16S rRNA遺伝子から16S-23S ITS領域に対応する配列を有し、これらの種特異的塩基配列を含む領域を増幅する。
なお、配列番号28は、S. scabiei(Accession No. AB026199)の1421-1672塩基、配列番号29はS. acidiscabiei(Accession No. AB026220)の172-639塩基、配列番号30は、S. turgidiscabiei(Accession No. AB026221)の978-1700塩基に対応する、種特異的配列を含む領域の塩基配列を示す。
本発明のプライマーを設計する際には、塩基配列データベース上で相同性検索を行いその特異性を確認した。さらに、全てのプライマーがほぼ同様のTm値を持つよう設計したため、マルチプレックスPCRに適用可能である。
そうか病原菌種の定量法に用いるプローブは、増幅された塩基配列中のターゲット配列にハイブリダイズし、標識された蛍光色素により、反応の前後で蛍光値の変化が確認できることが必要である。本発明で使用する蛍光色素は、上記プローブが各主要そうか病原菌種の上記特異的塩基配列にアニーリングしたとき、蛍光が消光する蛍光色素が望ましい。このような蛍光色素で標識されたプローブを以下QProbeという場合がある。
具体的な蛍光色素としては、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TMR(テトラメチルローダミン)、6-jeo、ボデピー(BODIPY)FL/C3(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)FL/C6(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)が好適なものとして挙げられる。また、このような蛍光色素を、オリゴヌクレオチドの5’末端に修飾した状態で販売されているQProbe-5BP、QProbe-5GP、QProbe-5YP、QProbe-5RP(J-Bio21社製、日本)もまた利便性が高くより好適である。
また、QProbeにおいては、プローブがターゲット配列にハイブリダイズすることにより、蛍光色素とターゲット配列中のグアニンと近接したときのみ消光させるため、ターゲット配列となる領域内にシトシン塩基とグアニン塩基のペアが存在すること及びそのシトシン・グアニン塩基ペアから二塩基以内(シトシン・グアニン塩基ペアを一塩基目と数える)に他のグアニン塩基が存在しないことが最適な領域の条件である。
一方、本発明のQProbeを競合的定量PCR法で用いる場合、QProbeはターゲット配列及びコンペティター配列とそれぞれ同様な結合力で結合することが好ましい。
すなわち、プローブ末端の蛍光色素が修飾されたシトシンがターゲット配列中のグアニンと結合するのに比較して、コンペティター配列の対応部位にはプローブと結合する塩基(グアニン)でないように設計するため、コンペティター配列とプローブの結合力が弱くなる、これを補うためコンペティター配列における、プローブの蛍光色素修飾末端と反対側の末端塩基と対応する部位の塩基をグアニンとし、プローブの蛍光色素修飾末端と反対側の末端塩基もシトシンとする。なお、ターゲット配列においては、プローブの蛍光色素修飾末端と反対側の末端塩基と対応する部位の塩基はグアニン以外の塩基となる領域が選定されている。これにより、プローブとターゲット配列及びコンペティター配列とはそれぞれほぼ同様の結合力で結合するようになる。
また、QProbeのTm値は、当該そうか病原菌種の種特異的プライマー対のTm値よりも5℃程度高いものが理想的である。
一方、マルチプレックス定量PCR法を実施するためには、プローブに修飾される蛍光色素は励起・蛍光波長が異なる必要がある。励起・蛍光波長が他の蛍光色素のものと重なり干渉しあう場合には、各色素間の干渉を補正することが望ましい。上記のQProbe-5GP、QProbe-5YP、QProbe-5RP(J-Bio21社製、日本)をLightcycler 480(Roche)にて用いた場合の励起・蛍光波長はそれぞれ483 nmと533 nm、523 nmと568 nm、558 nmと610 nmである。
コンペティターは、上記したように競合的定量PCR法、エンドポイント定量PCR法及びマルチプレックス定量PCR法に用いられる。本発明のコンペティター配列は、上記プローブとハイブリダイズ可能で、かつ、上記選定された各主要そうか病原菌種のターゲット配列とそれぞれ類似する塩基配列からなり、プローブとハイブリダイズする部分の両端の塩基は、上記ターゲット配列中のプローブとハイブリダイズ部分の塩基とそれぞれ異なるように設計する。
すなわち、ターゲット配列中のプローブとハイブリダイズする部分の一方端はグアニンであるのに対し、コンペティターにおける、このグアニンと対応する部位の塩基はグアニン以外の塩基とし、また、ターゲット配列中のプローブとハイブリダイズする部分の他方端は、グアニン塩基以外の塩基であるのに対し、この部位に対応するコンペティターの塩基はグアニンとする。これにより、上記したようにプローブに対するターゲット配列及びコンペティター配列の結合力は同様のものとなり、PCR増幅により増幅されるターゲット配列とコンペティター配列の比率は、当初の試料中のターゲット配列とコンペティター配列の比率を反映したものとなり、測定される蛍光強度を測定することにより、当初使用したコンペティターの量からターゲット配列、すなわち上記そうか病原菌種の存在量を定量することができる。
コンペティターDNAの塩基配列はプラスミドにクローニングした状態で保存することが望ましい。このようなプラスミドは、一般的なDNAのクローニング技術等を用いて調整できる。
リアルタイム定量PCR法では、上記のプライマー及びプローブを用いて、試料中の標的塩基配列を増幅し、PCRのアニーリングステップにおける蛍光強度を測定することにより、増幅産物量を算出する。増幅産物量から初期遺伝子量への換算の際には、同様のプライマー及びプローブと、既知濃度の遺伝子を用いてあらかじめ作製した検量線を用いる。検量線の作成方法は、特定の増幅量が見られたサイクル数、すなわちCt値を縦軸にとり、初期遺伝子量の対数を横軸にとると、直線に近似可能な検量線を作製可能である。初期遺伝子量は1.0 × 101 copies/wellから1.0 × 107 copies/wellまでの濃度範囲を持つよう、ターゲットプラスミドを適当な濃度で用いればよい。
マルチプレックス定量PCR法は、上記エンドポイント定量PCR法にて、3種のそうか病原菌種毎に個別に行っていた反応を、1つの反応系で行う方法である。そのため、1つの反応系に個々のプライマー、プローブ、コンペティターを混合し、PCR増幅反応を行う。種特異的プライマー対により増幅された産物は、励起−蛍光波長がお互いに異なる、3種の蛍光プローブにより個別に定量可能である。上記エンドポイントPCR定量法での検量線作製方法と同様に、増幅反応後のプローブ解離ステップ、及びアニーリングステップの蛍光強度と、ターゲットとコンペティターの量比の関係から、それぞれのそうか病原菌種に対応する検量線を作製する。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例には特に限定されない。
〔そうか病原菌種の種特異的プライマー対〕
そうか病原菌種の種特異的プライマー対は上記特許文献2を参照し、S. turgidiscabieiに関しては、当該プライマー対に微調整を加え利用した(表1)。
上記の[発明を実施するための最良の形態]に示す特徴を持つQProbeの合成は株式会社J-Bio21(茨城県つくば市)に依頼した(表2)。
本発明において競合的定量PCR法を実施するため、各そうか病原菌種の増幅部位を含むコンペティター配列を構築した。コンペティター配列はターゲット配列と比較して、QProbeがハイブリダイズするべき塩基配列の両末端の塩基同士を交換した塩基配列を持つことを特徴とする。このような塩基配列を得るためには、ターゲット配列から二塩基の塩基置換が必要であり、非特許文献(Morono, Y. et al.,: Appl. Environ. Microbiol. (2007), 73, pp. 4915-4921.)に記載の部位特異的塩基置換法を用いて目的の塩基置換を行った。
各そうか病原菌種のターゲット配列、及びコンペティター配列の一部を以下に示す。{ } に囲まれる塩基はターゲットとコンペティターで異なる塩基であり、QProbeのハイブリダイズする両末端の塩基である。
5’-CCGGT{T}CGTCGGGCCGGAGGCT{G}TGAGT-3’ (配列番号10)
S. scabieiコンペティター配列の一部
5’-CCGGT{G}CGTCGGGCCGGAGGCT{T}TGAGT-3’ (配列番号11)
S. acidiscabieiターゲット配列の一部
5’-GCGTG{A}GGGATGACGGCCTTCGGGTT{G}TAAAC-3’ (配列番号12)
S. acidiscabieiコンペティター配列の一部
5’-GCGTG{G}GGGATGACGGCCTTCGGGTT{A}TAAAC-3’ (配列番号13)
S. turgidiscabieiターゲット配列の一部
5’-TTATT{C}GGCACTCTTGATCGTCTTCTCCTTCCA{G}TACTG-3’ (配列番号14)
S. turgidiscabieiコンペティター配列の一部
5’-TTATT{G}GGCACTCTTGATCGTCTTCTCCTTCCA{C}TACTG-3’ (配列番号15)
上記のS. scabieiと同様に、S. acidiscabieiとS. turgidiscabieiのコンペティター配列はS. acidiscabiei JCM7913T、S. turgidiscabiei JCM10429TのゲノムDNAをテンプレートとし、表3に示すプライマーによる増幅産物をクローニングすることにより作製した後、塩基配列を確認した。
S. scabiei、S. acidiscabiei及びS. turgidiscabieiの定量用コンペティターの塩基配列は、それぞれ順に配列番号32、34及び36に示される。
S. scabieiのターゲット配列はS. scabiei JCM7914TのゲノムDNAをテンプレートとして、表3に示すSca-OS-FとSca-OS-Rプライマーによる増幅産物を、上記のコンペティター塩基配列作製方法と同様にクローニングを行い、塩基配列を確認した。S. acidiscabiei、S. turgidiscabieiのターゲット配列の作製もS. scabieiと同様に行った。S. scabiei、S. acidiscabiei、及びS. turgidiscabieiのターゲット塩基配列は、それぞれ順に配列番号31、33及び35に示される。
3種のそうか病原菌種のターゲット及びコンペティター配列を含むプラスミドは、ベクタープラスミドとインサートの長さより、S. scabieiの配列を含むプラスミドは3346 bp、S. acidiscabieiの配列を含むプラスミドは3397 bp、S. turgidiscabieiの配列を含むプラスミドは3797 bpである。各プラスミドDNA濃度はQubit(Invitrogen)を用いて測定し、換算式(y (pmol of dsDNA ) = x μg (of dsDNA) × 1515 / N bp)を基にモル数に換算した。換算されたモル数(コピー数)からプラスミドDNA溶液の1 × 100 〜 1 × 108 copies/μlの段階的希釈溶液を調整し、-20℃に保存した。
〔PCR反応・蛍光測定条件及び解析方法〕
実施例1において調製した、ターゲット配列を含むプラスミドDNA溶液をテンプレートDNAとしてPCR反応を行い、リアルタイムPCR法及びエンドポイントPCR法による検量線の作製を行った。リアルタイム定量PCR法の反応溶液及び反応条件を表4、表5に示す。またエンドポイント定量PCR法の反応溶液及び反応条件を表6、表7に示す。
PCR反応溶液にはLightCycler 480 Genotyping Master (Roche)、LightCycler Uracil-DNA Glycosylase (Roche)を用いた。PCR反応及び蛍光測定にはLightcycler 480(Roche)を使用した。蛍光測定時の励起波長と蛍光波長の組み合わせはそれぞれ、483 - 533 nm、523 - 568 nm、558 - 610 nmと3波長測定した。リアルタイムPCR法では各サイクルの変性ステップ(95℃)とアニーリングステップ(64℃)で蛍光測定を行った。一方エンドポイントPCR法では、PCR反応後に120秒間、95℃の変性ステップの後、95℃で8秒に1回の間隔で計15回、及び90秒間、64℃のアニーリングステップの後、64℃で8秒に1回の間隔で計15回の蛍光測定を行った。
リアルタイム定量PCR法による結果の解析は、公知の手法を用いて解析可能である。ここで、段階希釈したターゲットDNAを用いて検量線の作製を行った。使用した初期遺伝子量はS. scabieiとS. acidiscabieiで2.5 × 100 copies/wellから2.5 × 107 copies/wellの間であり、S. turgidiscabieiは1.0 × 101 copies/wellから1.0 × 107 copies/wellである。測定は各濃度で3ラン行い、それらの平均値を使用した。その結果、蛍光消光率5%をスレッシュホールドとした場合のCt値と初期ターゲットコピー数間には負の相関がみられた(図1)。相関の強さはS. scabieiの場合、R2 = 1.00、S. acidiscabieiの場合R2 = 1.00、S. turgidiscabieiの場合R2 = 1.00であり、十分な濃度範囲と精度を持つ検量線を得ることができた。
エンドポイント定量PCR法において得られた蛍光測定データは、変性ステップの平均値F95及びアニーリングステップの平均値F64と表すこととする。また、ターゲットDNAコピー数をT、コンペティターDNAコピー数をCと表すと、横軸のT/C値に対して、縦軸にF64/F95の値をプロットすると直角双曲線が描ける(特開2001−286300、特開2002−000275、特開2002−119291、特開2002−191372、特開2002−355084、特開2003−334078、特開2004−000203、特開2004−248678、特開2004−267215、特開2004−305219、特開2007−143547、Tani, H. et al.,: J. Agric. Food Chem. (2005), 53, pp. 2535-2540.、Tani, H. et al.,: Anal. Chem. (2007), 79, pp. 974-979.)。
上記のエンドポイント定量PCR法と同様に、表8に示す反応溶液組成と表9に示す反応条件でマルチプレックス定量PCR法のための検量線を作製した(図4)。マルチプレックス定量PCR法の場合には、プライマーやQProbe濃度、アニーリング温度などを適度に調節し、各蛍光色素間の干渉を補正することにより検量線を作製することに成功した。
ジャガイモ栽培畑土壌試料及び、病斑組織試料を対象として上記開発手法を適用した。土壌試料からのDNA抽出には、FastDNA Kit for soil(Qbiogene)を用いた。Montage PCR(Millipore)により精製した後、Qubit(Invitrogen)を用いてDNA濃度を測定した。病斑部試料からのDNA抽出の際にもFastDNA Kit for soilを用いた。抽出DNAは、病斑部試料重量1 mgあたり5 μlの蒸留水に溶解させた。土壌試料のDNA試料には2.5 × 102 copies/wellのコンペティターを添加し、病斑部組織のDNA試料には2.5 × 104 copies/wellのコンペティターを添加し、エンドポイント定量PCR法により初期遺伝子量の定量を行った。
その結果、栽培畑土壌中のそうか病原菌総量(3種のそうか病原菌量の合計値)はサンプリング地点におけるジャガイモそうか病発病率と正の相関を示した(図5)。また、病斑組織中のそうか病原菌種別存在割合を確認したところ、長崎の病斑組織ではS. scabieiの割合が高く、北海道の病斑組織中ではS. turgidiscabieiの割合が高い傾向が確認できた(図6)。これらの結果から本手法が環境サンプルへの適用可能であることが明らかとなった。
Claims (2)
- 以下に示す、プライマー対及びプローブからなるか、あるいはさらにコンペティターを含むことを特徴とする、そうか病原菌種、Streptomyces scabiei、Streptomyces acidiscabiei、またはStreptomyces turgidiscabieiのPCR定量用試薬キット。
(a)配列番号1及び2、配列番号3及び4、もしくは配列番号5及び6で示される塩基配列を有する、3種類のプライマー対
(b)配列番号7、8または9で示される塩基配列を有し、5’末端が蛍光色素で修飾された、3種類のプローブ
(c)配列番号32、34または36で示される塩基配列を有する、3種類のコンペティター - リアルタイム定量PCR法、エンドポイント定量PCR法、競合的定量PCR法あるいはマルチプレックス定量PCR法に用いることを特徴とする、請求項1に記載の試薬キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008258256A JP5550060B2 (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | そうか病病原菌種のpcr定量用試薬キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008258256A JP5550060B2 (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | そうか病病原菌種のpcr定量用試薬キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010088304A JP2010088304A (ja) | 2010-04-22 |
JP5550060B2 true JP5550060B2 (ja) | 2014-07-16 |
Family
ID=42251687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008258256A Expired - Fee Related JP5550060B2 (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | そうか病病原菌種のpcr定量用試薬キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5550060B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012173274A1 (ja) * | 2011-06-16 | 2012-12-20 | 日鉄環境エンジニアリング株式会社 | 核酸測定用の核酸プローブ |
JP6570319B2 (ja) * | 2015-05-29 | 2019-09-04 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | ジャガイモ作物体の生育状態診断方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6197520B1 (en) * | 1999-08-13 | 2001-03-06 | University Of Utah Research Foundation | Solution-based color compensation adjusted for temperature and electronic gains |
DE602004026111D1 (de) * | 2003-12-19 | 2010-04-29 | Nat Inst Of Advanced Ind Scien | Verfahren zum testen von nukleinsäuren unter verwendung davon sowie dafür zu verwendende nukleinsäuresonde |
ATE550440T1 (de) * | 2004-11-05 | 2012-04-15 | Genomic Health Inc | Molekulare indikatoren für brustkrebsprognose und vorhersage des ansprechens auf eine behandlung |
CN101151379A (zh) * | 2005-01-14 | 2008-03-26 | 密执安州立大学董事会 | 检测生物样品中的人乳头瘤病毒的系统、方法和组合物 |
JP4648023B2 (ja) * | 2005-02-08 | 2011-03-09 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ジャガイモそうか病原因菌種の16SrRNA遺伝子若しくは16SrRNA遺伝子からITS領域間を増幅するための新規プライマー対、及びそれらを用いたジャガイモそうか病原因菌種の検出・識別方法 |
EP2019136B1 (en) * | 2006-05-15 | 2013-12-18 | Nisshin Seifun Group Inc. | Method for detecting or quantifying wheat endogenous dna and method for determining contamination rate of genetically modified wheat in test sample |
ES2403587T3 (es) * | 2006-12-29 | 2013-05-20 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Métodos de detección de S. aureus resistente a meticilina, así como cebadores, sondas y kits para los mismos |
AU2008213742A1 (en) * | 2007-02-08 | 2008-08-14 | Powmri Limited | Method of diagnosing a neurodegenerative disease |
-
2008
- 2008-10-03 JP JP2008258256A patent/JP5550060B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010088304A (ja) | 2010-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Palacio Bielsa et al. | Detection and identification methods and new tests as developed and used in the framework of COST 873 for bacteria pathogenic to stone fruits and nuts | |
Strayer et al. | A multiplex real-time PCR assay differentiates four Xanthomonas species associated with bacterial spot of tomato | |
Salm et al. | Real‐time PCR for detection and quantification of Erwinia amylovora, the causal agent of fireblight | |
Viswanathan et al. | Genetic diversity of sugarcane grassy shoot (SCGS)-phytoplasmas causing grassy shoot disease in India | |
Yuan et al. | Development of the saltatory rolling circle amplification assay for rapid and visual detection of Alicyclobacillus acidoterrestris in apple juice | |
Pimentel et al. | Estimating toxic cyanobacteria in a Brazilian reservoir by quantitative real-time PCR, based on the microcystin synthetase D gene | |
Ramachandran et al. | Characterization and identification of Burkholderia glumae as the causal pathogen of bacterial panicle blight of rice (Oryza sativa L.) in Malaysian rice granaries | |
Larrea-Sarmiento et al. | Synergetic effect of non-complementary 5’AT-rich sequences on the development of a multiplex TaqMan real-time PCR for specific and robust detection of Clavibacter michiganensis and C. michiganensis subsp. nebraskensis | |
Loconsole et al. | Rapid differentiation of citrus Hop stunt viroid variants by real-time RT-PCR and high resolution melting analysis | |
Ma et al. | Identification of Pectobacterium versatile causing blackleg of potato in New York State | |
Kiran et al. | Development of multiplex PCR assay for detection of Alternaria brassicae, A. brassicicola and Xanthomonas campestris pv. campestris in crucifers | |
AU2009254097B2 (en) | Nucleic acids and methods for detecting turfgrass pathogenic fungi | |
JP5550060B2 (ja) | そうか病病原菌種のpcr定量用試薬キット | |
Bosmans et al. | Development of a qPCR assay for detection and quantification of rhizogenic Agrobacterium biovar 1 strains | |
Lin et al. | Acquisition of uncharacterized sequences from Candidatus Liberibacter, an unculturable bacterium, using an improved genomic walking method | |
Khan et al. | Development of an RAPD-based SCAR marker for smut disease resistance in commercial sugarcane cultivars of Pakistan | |
Villela et al. | Detection of Xanthomonas citri pv. viticola on grapevine by real-time PCR and BIO-PCR using primers designed from pathogenicity and xanthomonadin gene sequences | |
Shymanovich et al. | Disease progress and detection of a California resistance-breaking strain of tomato spotted wilt virus in tomato with LAMP and CRISPR-Cas12a assays | |
CN109680087B (zh) | 一种甘蔗白叶病植原体和白条黄单胞菌的双重pcr检测方法及其引物组 | |
JP5741894B2 (ja) | イチゴ葉縁退緑病の病原体CandidatusPhlomobacterfragariaeの検出方法 | |
Yuan et al. | Development of a PCR-based diagnostic tool specific to wheat dwarf bunt, caused by Tilletia controversa | |
Patel et al. | Identification, Characterization, Isolation, and Pathogenicity Study of Ralstonia solanacearum: Foundation for Development of a Highly Selective DNA-Biosensing Platform | |
JP2014003946A (ja) | サーモアスカス属真菌の検出方法 | |
Shi et al. | Molecular detection and quantification of Xanthomonas albilineans in juice from symptomless sugarcane stalks using a real-time quantitative PCR assay | |
Stulberg et al. | Identification of a DNA region associated with the cool virulence of Ralstonia solancearum strain UW551 and its utilization for specific detection of the bacterium’s race 3 biovar 2 strains |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130625 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131008 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131226 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140213 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20140218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140403 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140513 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140514 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5550060 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |