JP3657407B2 - カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラ、特に、撮影条件を設定するカメラのモード切替えに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、カメラ(135フィルムを用いるカメラ,APSフィルムを用いるAPSシステムカメラや,いわゆる中判あるいは大判カメラといわれるブローニーフィルムを用いるカメラ、更にはフィルムホルダやAEファインダがカメラ本体に着脱可能になったシステムカメラといわれるものも含む)には、絞り(AV値),シャッタ速度(TV値),フィルムの感度(ISO感度)等の撮影条件を設定するために、所定の設定ダイヤルあるいは設定ボタンが設けられている。撮影条件は、例えば設定ダイヤルを回動して所望の設定値を選択することにより設定できる。また、設定値はダイヤルに刻印されているものや、液晶(LCD)等の表示装置を備え、該表示装置に設定値を表示するようにしたものもある。
【0003】
ところで、多くのカメラにおいては、AV値やTV値を予め定められた複数の設定値のなかから選択して手動操作で設定する(手動設定モード)だけでなく、カメラの撮影モードを自動露出モードとすることにより、被写体の輝度情報を検出して所定の演算を行って、夫々の設定値を自動的に設定することができる。
【0004】
また、ISO感度の設定も上記同様手動操作で設定するだけでなく、DXコード(135フィルムの場合)やバーコード(APSフィルムカートリッジの場合)を読み取って、コードに含まれている感度情報にしたがって自動的に設定することができる。
【0005】
また、ブローニーフィルムを用いるカメラにおいても、近時フィルムと裏紙を接合するテープ上にISO感度等の各種情報の入ったバーコードが印刷された紙片を貼り付けたバーコードシステムのフィルムが提案され、このバーコードを読み取ることによってISO感度を自動的に設定できるようにしたカメラが提案されている(写真工業;1997年10月号P58〜67参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、自動設定モードと複数の手動設定モードのいずれかを選択するに際しては、例えばISO設定のための設定ダイヤルの所定の回転角の位置に夫々の設定を割り付け、カメラ本体の指標と設定表示とを合わせることにより所望の設定を選択する方法がある(図5(A)参照)。図5(A)に示した例でいえば、同図ダイヤルの左側に示したようにISO値6〜6400までの所定の手動設定モードのISO感度(数値)と、自動設定モード(AUTO)がダイヤルの回動により選択できる。したがって、これによれば、設定ダイヤル1つで全ての設定を選択できるという利点がある。一方、例えばISO値400が設定されているときに自動設定モードを選択しようとしても、800〜6400を経由しなければならず瞬時に自動設定モードを選択することができない。唯一ISO値6400が設定されているときにのみ瞬時に自動設定モードを選択することができるにすぎない。なお、本例ではISO値6からAUTOへ(その逆も同じ)は直接設定することはできないものであるが、たとえISO値6からAUTOへ(その逆も同じ)直接設定できるような場合であっても上記同様に瞬時に自動設定モードを選択することができない。
【0007】
また、上記図5(A)における自動設定モードのみをISO設定ダイヤルとは別のモード設定ダイヤルに割り当て、自動設定モードと手動設定モードとをこのモード設定ダイヤルで選択するようにし、手動設定モードが選択されているときのみ手動設定のISO値が選択できるようにしたものもある(図5(B)参照)。図5(B)に示した例でいえば、ISO値は、フル自動設定(PRGM),絞り手動設定(AV)またはシャッタ手動設定(TV)を選択しているときには自動設定モードとなり、感度手動設定(ISO)を選択しているときには手動設定モードになる。したがって、これによれば、手動ISO設定ダイヤルで手動設定モードにおいて所望のISO値を設定でき、また、モード設定ダイヤルを回動することにより手動のいずれの手動のISO値からも瞬時に自動設定モードに切り替えることができるという利点がある。一方、ISO値の設定に2つの操作ダイヤルを必要とすることから、操作が面倒になるという問題が生じる。
【0008】
また、上記問題は、回動するダイヤルのスイッチ検出に合わせて、表示装置に設定値を順次変更しながら表示させることによって、所望の設定値を選択するようにしたものにおいても同様に生じる。
【0009】
また、ISO値の設定に限らず、シャッタ速度や絞りの設定においても上記ISO値の設定と同様の設定方法を採ることができ、その場合にも上記同様の問題を生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、絞り、シャッタ速度、フィルム感度等の撮影条件を設定するに際し、複数存在する手動設定モードのいずれの設定値からも瞬時に自動設定モードを選択でき、かつ、設定操作を簡易に行えるカメラを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカメラは、複数の異なる撮影条件を定める手動設定モード中の複数の設定値と撮影条件を自動的に定める1つの自動設定モードとを、所定の順序に従って順次切り替えることにより撮影条件を設定する撮影条件設定手段を備えたカメラであって、手動設定モード中の複数の設定値のいずれ設定されているときその設定値に関わらず、撮影条件設定手段が、その時点で設定されている手動設定モードの設定値の隣に自動設定モードが配列されるように順序を定めるものであることを特徴とする。
【0012】
ここで「撮影条件」とあるのは、例えばフィルム感度(ISO感度),絞り値(AV値),シャッタ速度(TV値)等である。
【0013】
【発明の効果】
本発明によるカメラによれば、手動設定値がいずれの値に設定されていても、その時点で設定されている設定値の隣に自動設定モードが配列されるようにした、すなわち複数ある手動設定値の所定の配列順序に中に、その時点で設定されている設定値の隣に浮動の自動設定モードを配列するようにしたので、現在設定されている手動設定値がいずれのものであっても、瞬時にすぐとなりの自動設定モードを選択することができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるカメラの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図3は本発明による実施の形態であるカメラの上面図である。このカメラは、カメラ本体1、カメラ本体1と着脱可能なレンズユニット2およびフィルムホルダ3から成るブローニーフィルムを用いるシステムカメラであり、レンズユニット2はアオリ機構4を介してカメラ本体1にマウントされている。また、カメラ本体1には焦点板(図中矢印X)を覆うように図示しないAEファインダが装着可能になっている。レンズユニット2には絞り値を調整するための絞り調節レバー(図示せず)が設けられている。
【0016】
カメラ本体1の図中右側面には撮影モードを設定するモード切替ダイヤル1aおよびシャッター速度を設定するシャッター設定ダイヤル1bが備えられている。また、フィルムホルダ3の上面には液晶(LCD)からなる表示部3a、アップ/ダウンダイヤル3b、トータルショットボタン31,フレーム番号ボタン32,1コマ目を設定する1stフレームセットボタン33,撮影データ/ISO切替ボタン34,日付ボタン35,LCDライトボタン36からなるボタン部3cが備えられている。
【0017】
表示部3a(図4に示す拡大図を参照)は、フィルム感度の他、AV値,TV値,撮影の日付,撮影の時間,トータルショット数,フレーム番号(コマ番号)を選択的あるいは幾つかのものを組み合わせて表示するブロック10と、フィルム感度が自動設定モードにあることを示すAUTO表示11と、前記ブロック10にフィルム感度が表示されていることを示すISO表示12と、後述する写込みデータの設定の種類を示すブロック13と、撮影されるフィルムのフレーム番号を示すフィルムカウンタ表示14と、フィルムホルダ3に内蔵されている電池の消耗度を示す電池マーク表示15と、フィルムホルダ3に内装されたフォーマットマスク(撮影サイズを変更するマスクであり、例えば、6×7cm判用,6×4.5cm判用等)のサイズを示す画面サイズ表示16、使用されているフィルムの種別(例えば、ブローニー判の120または220フィルムの種別)を示すフィルム種別表示17との各種表示部分とからなっている。
【0018】
表示部3aのブロック10には、絞りやシャッタ速度を設定する際にはその設定値が表示され、また、通常撮影時には設定されているISO値(例えば、100、200、あるいは400等)が常時表示される。なお、このカメラはバーコードシステムのブローニーフィルムに対応しており、バーコードを読み取ってフィルム感度を自動的に設定する感度自動設定モードが選択できる。
【0019】
カメラ本体1およびフィルムホルダ3の夫々には図示しないCPU(マイクロプロセッサ)が備えられており、上述の各種操作ボタンや操作ダイヤル等の押下げあるいは回動を検出し、夫々予め定められたフローにしたがって所定の処理を行う。
【0020】
以下、上記構成のカメラの作用について図1を参照して説明する。なお、図1ではステップ番号を#印をつけて示す。
【0021】
このカメラは、電源投入SWを兼ねたモード切替ダイヤル1aを電源投入位置に回動するとカメラ本体1およびフィルムホルダ3に内蔵された図示しないCPU(マイクロプロセッサ)が撮影シーケンスを開始する。
【0022】
最初に撮影条件の1つであるフィルム感度の設定について説明する。フィルム感度の設定を行う手段は、アップ/ダウンダイヤル3bと撮影データ/ISO切替ボタン34と表示部3cのブロック10とCPUとから構成され、CPUが撮影データ/ISO切替ボタン34の押下げを検出して設定値変更モードに移行させ、アップ/ダウンダイヤル3bの回動の検出に合わせてISO値をブロック10に表示しながら、以下のようにして行われる。
【0023】
電源投入直後は先の撮影時に設定されていたISO値をブロック10に表示する。ISO値がブロック10に表示されているときに、撮影データ/ISO切替ボタン34を所定時間(例えば、2秒程度)押し続けると図1に示すISO値を変更できる設定値変更処理が開始する。
【0024】
設定値変更処理を行うための設定カウンタ値とISO値が、例えばISO値6に対してカウンタ値0,ISO値12に対してカウンタ値1等のように対応づけられている(図2(A)〜(C)の各(a)参照)。
【0025】
最初に、現在設定されているISO値に対応する設定カウンタ値を記憶(待避)し(ステップ1;#1)、そのISO値の表示を点滅させる(#2)。図2(A)(a)ではISO値400が設定されていたものとしている。
【0026】
アップ/ダウンダイヤル3bの回動を検出し(#3、#4)、ダイヤル3bの回動変化がなければステップ5に移行して撮影データ/ISO切替ボタン34の押下げを検出し、ボタン34の押下げがあればISO値の変更処理を終了し通常の表示モードに戻る(#6)。ボタン34の押下げがなければ、まだISO値の変更処理中であるとしてステップ3に戻る。なお、ボタン34の押下げによらず、アップ/ダウンダイヤル3bの回動が所定時間(例えば3秒)以上なければ自動的にISO値の変更処理を終了させるようにしてもよい。
【0027】
一方、アップ/ダウンダイヤル3bの回動変化があればステップ7に移行してその変化方向を判別し、変化方向がプラス(+)であればステップ8に移行して設定カウンタ値を1インクリメントしてからステップ10に移行し、変化方向がマイナス(−)であればステップ9に移行して設定カウンタ値を1デクリメントしてからステップ10に移行する。
【0028】
ステップ10で設定カウンタ値が所定範囲内になるか否かを判定し(本例では、0〜10)、所定範囲内になければ設定カウンタ値をリセットして現在設定カウンタ値(直前のカウンタ値;こちらの方がよい?)に戻してからステップ12に移行し(#11)、設定カウンタ値が所定範囲内であればそのままステップ12に移行する。
【0029】
ステップ12で設定カウンタ値が現在設定カウンタ値マイナス1であるか否かを判定し、設定カウンタ値が現在設定カウンタ値マイナス1であればステップ13に移行してISO設定値をAUTOに設定してステップ15に移行する。一方、設定カウンタ値が現在設定カウンタ値マイナス1以外であればステップ14に移行して、設定カウンタ値が現在設定カウンタ値マイナス1以下であれば、ISO値を設定カウンタ値を1インクリメントしたカウンタ値に対応する値に設定し、それ以外であればそのカウンタ値に対応する値に設定してステップ15に移行する。
【0030】
ステップ15で、ブロック10に点滅表示されている現在設定されているISO設定値を変更されたISO値に変更して表示し、ステップ3へ戻り引き続き次のダイヤル回動検出を行う。
【0031】
したがって、図2(A)(a)に示すように、当初ISO値が400(設定カウンタ値6)であれば、アップ/ダウンダイヤル3bを設定カウンタ値のマイナス方向に回動すると「400→AUTO→200→100→50→25→12→6」という順序に従ってISO値が選択でき、逆にアップ/ダウンダイヤル3bを設定カウンタ値のプラス方向に回動すると「400→800→1600→3200→6400」という順序に従ってISO値が選択できる(図2(A)(b)参照)。
【0032】
ここで、例えば設定カウンタ値8すなわちISO値1600で撮影データ/ISO切替ボタン34を押すとISO値1600が設定されて(#5)、ISO値の変更処理を終了し通常の表示モードに戻る(#6)。
【0033】
次に改めてISO値を変更するには、ISO値(この例では1600)がブロック10に表示されているときに、撮影データ/ISO切替ボタン34を所定時間押し続けることにより上記同様に図1に示すISO値を変更できる設定値変更処理を開始させることができる。したがって、今度はアップ/ダウンダイヤル3bを設定カウンタ値のマイナス方向に回動すると「1600→AUTO→800→400→200→100→50→25→12→6」という順序に従ってISO値が選択でき、逆にアップ/ダウンダイヤル3bを設定カウンタ値のプラス方向に回動すると「1600→3200→6400」という順序に従ってISO値が選択できる(図2(A)(c)参照)。ここで、例えば設定カウンタ値4すなわちISO値100で撮影データ/ISO切替ボタン34を押すとISO値100が設定されて(#5)、ISO値の変更処理を終了し通常の表示モードに戻る(#6)。
【0034】
さらにISO値を変更するには、上記同様ISO値(この例では100)がブロック10に表示されているときに、撮影データ/ISO切替ボタン34を所定時間押し続け、設定値変更処理を開始させる。そうすると今度はアップ/ダウンダイヤル3bを設定カウンタ値のマイナス方向に回動すると「100→AUTO→50→25→12→6」という順序に従ってISO値が選択でき、逆にアップ/ダウンダイヤル3bを設定カウンタ値のプラス方向に回動すると「100→200→400→800→1600→3200→6400」という順序に従ってISO値が選択できる(図2(A)(d)参照)。
【0035】
このように、現在設定されているISO値にかかわらず、現在設定されているISO設定値のマイナス1側に必ず自動設定モード(AUTO)が配列された順序にしたがってISO値の変更操作ができるようになる。
【0036】
なお、上記説明では現在設定されているISO設定値のマイナス1側に自動設定モードが配列された順序となるものについて説明したが、本発明は必ずしもこのようなものに限らず、例えば、ステップ12での判断を現在設定カウンタ値プラス1とし、ステップ14でそれに対応した処理とすることで、現在設定されているISO設定値のプラス1側に自動設定モードが配列された順序とすることができ(図2(B)参照)、また、ステップ12での判断を現在設定カウンタ値プラスマイナス1とし、ステップ14でそれに対応した処理とすることで、現在設定されているISO設定値のプラス1側およびマイナス1側の両方に自動設定モードが配列された順序とすることもできる(図2(C)参照)。
【0037】
このように、上記いずれのものにおいても、ISO値の変更に際して、現在設定されているISO設定値の隣に自動設定モードが配列されるように設定順序を変えることができるから、現在設定されている手動設定モードがいずれの設定値にあっても瞬時に自動設定モードを選択することができる。
【0038】
また、上記説明ではISO値の設定すなわちフィルム感度の設定について説明したが、本発明はISO値の設定に限らず、その他の撮影条件の設定、例えば絞り値(AV値)やシャッタ速度(TV値)の設定にも適用することができる。
【0039】
また、上記説明ではアップ/ダウンダイヤル3bによって所定の設定値を設定するようにしたが、押しボタンスイッチの押圧によって設定するものであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの撮影条件の設定処理を示すフローチャート
【図2】上記処理をフィルム感度の設定に適用した例を示す図(A),(B),(C)
【図3】本発明の実施の形態であるカメラの上面図
【図4】上記カメラの表示部の拡大図
【図5】現状のフィルム感度設定の例を示す図
【符号の説明】
1 カメラ本体
2 レンズユニット
3 フィルムホルダ
4 アオリ機構
1a モード切替ダイヤル
1b シャッタ設定ダイヤル
3a 表示部
3b アップ/ダウンダイヤル
3c ボタン部

Claims (2)

  1. 複数の異なる撮影条件を定める手動設定モードの複数の設定値と前記撮影条件を自動的に定める1つの自動設定モードとを、所定の順序に従って順次切り替えることにより撮影条件を設定する撮影条件設定手段を備えたカメラにおいて、
    前記手動設定モードの複数の設定値のいずれ設定されているとき該設定値に関わらず、前記撮影条件設定手段が、その時点で設定されている手動設定モードの設定値の隣に前記自動設定モードが配列されるように前記順序を定めるものであることを特徴とするカメラ。
  2. 前記手動設定モードの複数の設定値のいずれが設定されているときも、該設定値に関わらず、前記撮影条件設定手段が、その時点で設定されている手動設定モードの設定値の両隣に前記自動設定モードが配列されるように前記順序を定めるものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
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