JP3657326B2 - 蚕の飼育方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、人工飼料を用いた蚕の飼育方法や飼育装置あるいは生産設備に関し、特に無菌飼育に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、人工飼料を用いた蚕の飼育方法において、いわゆる下方給餌を行うために網を飼料上に置いて蚕の飼育を行う方法が知られている(例えば特開昭49−117265号公報)。
また、上記のように網を人工飼料上に置いて下方給餌を行う場合において、網を上げて下方の飼育トレイの古い餌と新しい餌とに交換する方法、あるいは古い餌のついた飼育トレイと新しい餌のついた飼育トレイとを差し替える方法により、除沙と給餌を一度に行えることが知られている(例えば特公昭54−8591号公報)。
また、蚕の飼育の工場化を実現するために、蚕の全飼育期間をほぼ等しい期間に数分割し、これら分割された数に等しい数の飼育室で、等分された期間ずつ、順次経過して飼育することが知られている(例えば特公昭57−9771号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蚕の工業生産化に適した飼育方法やそのための設備、あるいは装置については、未だ十分とはいえない。
我国の蚕の生産は、昭和4年当時、約40万トンの生産量があり、当時の全輸出総額の45%を繭糸が占めていた。
しかし、昭和50年には約9万トン、昭和60年には約5万トン、さらに平成3年には約2万トンにまで、蚕の生産量は減少している。これは中国をはじめとする諸外国からの安い生糸や絹製品が大量に輸入されていることによるものであるが、我国の蚕の生産が未だ昔ながらの飼育方法によるところが大きく、人手のかからない、かつ年間を通じた大量生産可能な飼育方法が、十分に実用化されていないことも大きな原因である。
一方、人工飼料についての研究は進んでおり、現在人工飼料だけでの蚕の飼育も可能になっている。
そこで本発明は、この人工飼料のメリットを生かして、人手をかけずに年間を通じた大量生産を行いうる飼育方法や飼育装置、あるいは生産設備を提供することを目的とし、特に、無菌室での蚕の飼育に適した飼育方法などを提供することを目的とする。さらに詳細には、以下の点を目的とする。
まず、本発明は、可能な限り省スペースで大量の蚕の飼育を可能にすることを一つの目的とする。
また本発明は、蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことを一つの目的とする。
また本発明は、蚕の飼育に必要な作業の簡略化を図ることを一つの目的とする。
また本発明は、蚕の成長に適した環境を作ることにより、蚕の発育を促すことを一つの目的とする。
また本発明は、上蔟作業を容易に行うとともに良質の繭形成を行わせることを一つの目的とする。
また本発明は、掃き立て時期の異なる蚕の連続飼育を行うことを一つの目的とする。
また本発明は、雑菌による汚染を可能な限り防止することを一つの目的とする。
また本発明は、飼育室の消毒や除菌を確実に行うことを一つの目的とする。 また本発明は、年間を通じた連続的な蚕の飼育が行えることを一つの目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の手段は、前記目的を達成するべく、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替え工程を、飼育期間中に行うことを特徴とする。
【0005】
また本発明の第2の手段は、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、前記人工飼料を新しい人工飼料に交換する際に、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替えを行うことを特徴とする。
【0006】
また本発明の第3の手段は、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、複数段積み重ねた飼育トレイの間隔を、蚕の発育に合わせて段階的に広げることを特徴とする。
【0007】
また本発明の第4の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの1〜3齢飼育工程と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの4齢飼育工程と、5齢起蚕から上蔟を開始するまでの5齢飼育工程と、前記1〜3齢飼育工程の終わりか前記4齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第1の給餌工程と、前記4齢飼育工程の終わりか前記5齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第2の給餌工程とを有し、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、前記第1の給餌工程及び前記第2の給餌工程では、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替えを行うとともに、前記第2の給餌工程では、飼育トレイの間隔を変更し、前記5齢飼育工程における飼育トレイの間隔を前記4齢飼育工程における飼育トレイの間隔よりも広くすることを特徴とする。
【0008】
また本発明の第5の手段は、さらに前記1〜3齢飼育工程において、飼育トレイの間隔を、掃き立て時の間隔よりも広く、4齢飼育工程時の飼育トレイ間隔以下に変更する飼育トレイの間隔変更工程を設けることが好ましい。
【0009】
また本発明の第6の手段は、さらに前記飼育トレイの間隔変更工程を行う時期を、室の湿度又は人工飼料の湿り度合いを測定し、その測定結果により変更することが好ましい。
【0010】
また本発明の第7の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの1〜3齢飼育工程と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの4齢飼育工程と、5齢起蚕から上蔟を開始するまでの5齢飼育工程と、前記1〜3齢飼育工程の終わりか前記4齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第1の給餌工程と、前記4齢飼育工程の終わりか前記5齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第2の給餌工程とを有し、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、前記1〜3齢飼育工程中に、人工飼料の交換を行う給餌工程を設け、それぞれの給餌工程では、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替えを行い、前記1〜3齢飼育工程中の前記給餌工程の前段階と後段階、前記4齢飼育工程中、及び前記5齢飼育工程中に、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替え工程をさらに設けることを特徴とする。
【0011】
また本発明の第8の手段は、さらに最上段には、蚕を飼育しないトレイ又はふた体を配置することが好ましい。
【0012】
また本発明の第9の手段は、さらに最初に飼育トレイを積み重ねる際、最上段及び最下段には蚕を飼育しない飼育トレイ又はふた体を配置し、前記飼育トレイを積み替える際には、最上段の飼育トレイ又はふた体から順に、別の台車に載せ替えることにより行うことが好ましい。
【0013】
また本発明の第10の手段は、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、上下方向を開口とした繭形成室を多数併設した上蔟装置を、上蔟開始予定時に各飼育トレイ上に配設することを特徴とする。
【0014】
また本発明の第11の手段は、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、繭形成室を多数併設した上蔟装置を各飼育トレイ上に所定期間配設する第1の上蔟工程と、前記第1の上蔟工程の後、前記上蔟装置を各飼育トレイ上から取りはずして営繭するまで上蔟を継続する第2の上蔟工程とを有することを特徴とする。
【0015】
また本発明の第12の手段は、上下方向を開口とした繭形成室を多数併設した蔟器と、前記蔟器を飼育トレイ内底面から所定高さに配設するアングルとより構成することを特徴とする。
【0016】
また本発明の第13の手段は、さらに前記蔟器の上方の開口面を覆う封止材を設けることが好ましい。
【0017】
また本発明の第14の手段は、複数に分割され、それぞれ独自に温湿度の制御が可能な飼育室と、人工飼料の交換を行う作業室とを設け、それぞれの飼育室には、前記作業室に通じる出入口を設け、外部との出入口は、前記作業室にのみ設けるとともに、この外部との出入口にはパスボックスを設けることを特徴とする。
【0018】
また本発明の第15の手段は、それぞれ独自に温湿度の制御が可能な第1〜第3の飼育室と、人工飼料の交換を行う作業室とを設け、前記第1〜第3の飼育室にはそれぞれ前記作業室に通じる出入口を設け、前記第2の飼育室は前記第1の飼育室よりも広く、また前記第3の飼育室は前記第2の飼育室よりも広く構成し、前記第3の飼育室には、上蔟室に通じる出入口を設けることを特徴とする。
【0019】
また本発明の第16の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの飼育を行う1〜3齢用飼育室と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの飼育を行う4齢用飼育室と、5齢起蚕から上蔟準備完了までの飼育を行う5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記4齢用飼育室は、前記1〜3齢用飼育室の1.5倍以上の広さとすることを特徴とする。
【0020】
また本発明の第17の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの飼育を行う1〜3齢用飼育室と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの飼育を行う4齢用飼育室と、5齢起蚕から上蔟準備完了までの飼育を行う5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記5齢用飼育室は、前記1〜3齢用飼育室の3.4倍以上の広さとすることを特徴とする。
【0021】
また本発明の第18の手段は、第1の温度・湿度に設定された1〜3齢用飼育室と、第1の温度・湿度よりもそれぞれ低い第2の温度・湿度に設定された4齢用飼育室と、第2の温度・湿度よりもそれぞれ低い第3の温度・湿度に設定された5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室の1.5倍以上の広さとすることを特徴とする。
【0022】
また本発明の第19の手段は、第1の温度・湿度に設定された1〜3齢用飼育室と、第1の温度・湿度よりもそれぞれ低い第2の温度・湿度に設定された4齢用飼育室と、第2の温度・湿度よりもそれぞれ低い第3の温度・湿度に設定された5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記5齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室の3.4倍以上の広さとすることを特徴とする。
【0023】
また本発明の第20の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの飼育を行う1〜3齢用飼育室と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの飼育を行う4齢用飼育室と、5齢起蚕から上蔟準備完了までの飼育を行う5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記1〜3齢用飼育室は、前記5齢用飼育室の15%以上の広さとすることを特徴とする。
【0024】
また本発明の第21の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの飼育を行う1〜3齢用飼育室と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの飼育を行う4齢用飼育室と、5齢起蚕から上蔟準備完了までの飼育を行う5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記4齢用飼育室は、前記5齢用飼育室の30%以上の広さとすることを特徴とする。
【0025】
また本発明の第22の手段は、第1の温度・湿度に設定された1〜3齢用飼育室と、第1の温度・湿度よりもそれぞれ低い第2の温度・湿度に設定された4齢用飼育室と、第2の温度・湿度よりもそれぞれ低い第3の温度・湿度に設定された5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記1〜3齢用飼育室は、前記5齢用飼育室の15%以上の広さとすることを特徴とする。
【0026】
また本発明の第23の手段は、第1の温度・湿度に設定された1〜3齢用飼育室と、第1の温度・湿度よりもそれぞれ低い第2の温度・湿度に設定された4齢用飼育室と、第2の温度・湿度よりもそれぞれ低い第3の温度・湿度に設定された5齢用飼育室とを備え、前記4齢用飼育室は前記1〜3齢用飼育室よりも広く、また前記5齢用飼育室は前記4齢用飼育室よりも広く構成し、前記4齢用飼育室は、前記5齢用飼育室の30%以上の広さとすることを特徴とする。
【0027】
また本発明の第24の手段は、第1の温度・湿度に設定された1〜3齢用飼育室と、第1の温度・湿度よりもそれぞれ低い第2の温度・湿度に設定された4齢用飼育室と、第2の温度・湿度よりもそれぞれ低い第3の温度・湿度に設定された5齢用飼育室とを備え、前記1〜3齢用飼育室は、少なくとも独立した室を13室有し、前記4齢用飼育室は、少なくとも独立した室を8室有し、前記5齢用飼育室は、少なくとも独立した室を9室有することを特徴とする。
【0028】
また本発明の第25の手段は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの飼育を行う1〜3齢用飼育室と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの飼育を行う4齢用飼育室と、5齢起蚕から上蔟準備完了までの飼育を行う5齢用飼育室とを備え、前記1〜3齢用飼育室は、少なくとも独立した室を13室有し、前記4齢用飼育室は、少なくとも独立した室を8室有し、前記5齢用飼育室は、少なくとも独立した室を9室有することを特徴とする。
【0029】
【作用】
本発明の第1の手段により、上部位置と下部位置との間で生じる環境の違い、特に温度差によって生じる蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。
本発明の第2の手段により、上部位置と下部位置との間で生じる環境の違い、特に温度差によって生じる蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。また、人工飼料の交換とともに行うために作業の簡略化を図ることができる。特に除菌、又は無菌室での飼育においては、外部からの雑菌の侵入、あるいは室内での落下菌による影響が大きいため、このように作業工程を簡略化し、少なくすることが重要である。
本発明の第3の手段により、飼育トレイの間隔を広げることにより各飼育トレイ内の湿度を下げることができる。蚕に適した湿度はその成長に従って下げることが好ましいことが知られているが、この蚕に適した湿度調整を飼育トレイの間隔を変更することにより行うものである。
このように、飼育トレイの間隔を調整して、飼育トレイ内を蚕に適した湿度とすることにより、蚕の飼育トレイからの這い出しを防ぐことができる。
本発明の第4の手段により、上部位置と下部位置との間で生じる環境の違い、特に温度差によって生じる蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。また、第1の給餌工程及び第2の給餌工程とともに行うために作業の簡略化を図ることができる。特に除菌、又は無菌室での飼育においては、外部からの雑菌の侵入、あるいは室内での落下菌による影響が大きいため、このように作業工程を簡略化し、少なくすることが重要である。
また飼育トレイの間隔を広げることにより各飼育トレイ内の湿度を下げることができ、蚕の這い出しを防止することができる。
本発明の第5の手段により、さらにそれぞれの飼育トレイの間隔を、蚕の成長にともなって3段階に変更するために、各飼育トレイ内を蚕に適した環境とすることができる。
本発明の第6の手段により、室の湿度又は人工飼料の湿り度合いによって、それぞれの飼育トレイの間隔を変更する時期を変えるために、各飼育トレイ内をさらに蚕に適した環境とすることができる。
本発明の第7の手段により、飼育トレイの積み替え工程を、蚕の飼育期間中に少なくとも7回設けることになる。すなわちおよそ3日間ごとに飼育トレイの積み替えを行うことになり、上部位置と下部位置との間の温度差によって生じる蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。
本発明の第8の手段により、いちばん上部に積まれた蚕を飼育する飼育トレイの飼育環境を、他の飼育トレイの環境に近づけることができ、蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。
本発明の第9の手段により、飼育トレイを積み替えても、常に最上段には空の飼育トレイ又はふた体が配置されることになる。その結果、いちばん上部に積まれた蚕を飼育する飼育トレイの飼育環境を他の飼育トレイの環境に近づけることができる。また、最下部に位置する飼育トレイも外部(室底部)からの影響を受けやすいが、この位置にも常に空の飼育トレイ又はふた体が配置されることになる。従ってそれぞれの飼育トレイの環境の均一化を図ることができる。
本発明の第10の手段により、上蔟装置を、複数段積み重ねたそれぞれの飼育トレイに配設して、上蔟を行うため、人手によることなく、また別途広い空間を必要とすることもない。特に上蔟装置は上蔟開始予定時にそれぞれの飼育トレイ上に配設するため、飼育トレイ内の環境悪化を防止することができる。
本発明の第11の手段により、第1の上蔟工程を設けているので、上蔟作業の手間をなくし、別途広い空間を必要とすることもなく、さらには、第2の上蔟工程を設けているので、湿度の高い状態での営繭を防止し、良質な繭形成を行わせることができる。
本発明の第12の手段により、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、効率よく上蔟を行わせることができる。
本発明の第13の手段により、飼育トレイ内から、それぞれの飼育トレイに配設された蔟器にはい上がった蚕が、さらにその蔟器の上に積まれた飼育トレイの底面との隙間で上蔟することを防止することができる。
本発明の第14の手段により、独自に温湿度を設定できる複数の飼育室を有しているので、蚕の成長にあわせて飼育室を利用でき、掃き立て時期の異なる蚕の同時飼育が可能である。
また、作業室を別途設け、雑菌の侵入の可能性の高い人工飼料の交換作業をそれぞれの飼育室で行わず、さらに外部との出入口をこの作業室にのみ設け、その出入口にはパスボックスを設けることによって、各飼育室への雑菌侵入を防止できる。
本発明の第15の手段により、上記同様に各飼育室への雑菌侵入を防止できる。また、各飼育室の広さを変えることによって、蚕の発育段階に応じ必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
本発明の第16の手段又は第18の手段により、最も狭い1〜3齢用飼育室を基準として、4齢用飼育室の広さを決定することができる。そして、蚕の発育段階に応じて、必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
本発明の第17の手段又は第19の手段により、最も狭い1〜3齢用飼育室を基準として、5齢用飼育室の広さを決定することができる。そして、蚕の発育段階に応じて、必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
本発明の第20の手段又は第22の手段により、最も広い5齢用飼育室を基準として、1〜3齢用飼育室の広さを決定することができる。そして蚕の発育手段に応じて、必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
本発明の第21の手段又は第23の手段により、最も広い5齢用飼育室を基準として、4齢用飼育室の広さを決定することができる。そして蚕の発育手段に応じて、必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
本発明の第24の手段又は第25の手段により、毎日の連続した掃き立てが可能になり、蚕の年間を通じた連続飼育ができる。特に各飼育室を独立した室に分割しているので、分割された各室ごとの消毒が行え、また除菌も確実に行える。そして万一雑菌が発生しても、他の室へ広がることもなく、除菌を行える。
【0030】
【実施例】
以下本発明の蚕の飼育方法の実施例について説明する。
まず、本発明の蚕の飼育方法に用いる装置について図面を用いて説明する。
図1は1枚の飼育トレイの上面図、図2は飼育トレイの断面図、図3は飼育トレイ及び上蔟装置を示す分解斜視図である。
飼育トレイ1は、底面1aと内周側板1bとにより凹部を形成し、この凹部で蚕の飼育を行う。内周側板1bには、通気性を高めるための開口部1cが多数設けられている。外周側板1dは縁部1eにより内周側板1bと連接されている。外周側板1dと縁部1eは、飼育トレイ1の強度を確保し、飼育トレイ1を移動する場合の底面1aの変形を防止するとともに、飼育トレイ1を重ねて載置することを可能にしている。
【0031】
飼育トレイ1の底面1a上には、人工飼料3が載せられる。
人工飼料3は、内周側板1bと少なくとも5〜10センチメートル隙間を開けて1.8ミリメートル〜7.0ミリメートルの厚さで敷かれる。
このように人工飼料3を内周側板1bと隙間を開けて敷くのは、内周側板1b面で結露した水分が人工飼料3に垂れるのを防止するためである。人工飼料3に結露水が垂れると、稚蚕の時には水没死してしまう危険性があるとともに、人工飼料3の腐敗の危険性がある。
ここで人工飼料3としては、例えばトウフ粕粉末、桑葉粉末及び脱脂大豆粉末を必須成分とした飼料原料に水を加えて練り合わせ、平板状に圧延したものを用いる(例えば特開平4−218343号公報)。
【0032】
人工飼料3上には、飼育ネット4が敷かれている。この飼育ネット4は、その網の目が1センチメートル四角の弾性材料からなる網を用いている。この飼育ネット4は、蚕の脱皮を促すためのものである。すなわち、蚕は脱皮を繰り返して成長するが、この脱皮を行う際には足をしっかり固定させる必要があるためである。また飼育ネット4は、図1に示すように3分割されている。これは蚕の成長に合わせて分箔する必要があり、それぞれの飼育ネット4を分けてそれぞれ新しい飼育トレイ1に1枚ずつ移動することにより行える。この分箔の方法については後述する。図中5は蚕を示す。なお、飼育ネット4は、人工飼料3上を覆う大きさが必要であるが、できればそれぞれの飼育ネット4の間に隙間が生じないようにそれぞれ隣り合う飼育ネット4が重なり合うように敷くことが好ましい。これは分箔時など、蚕の移動を飼育ネット4によって行う場合に、蚕が人工飼料3上に残らないようにするためである。この時、重なり部分は、1センチメートル〜3センチメートル程度が好ましい。重なり部分が多くなりすぎると、それぞれ飼育ネット4間の蚕の頭数が異なってしまい蚕の頭数をバランスよく分箔することができず、一方重なり部分が少なすぎると分箔時に飼育ネット4周辺部にいる蚕が、飼育ネット4を取り除いた後のえさの上に這い出る可能性があるためである。
【0033】
飼育ネット4の重ね方には幾通りかあるが、最も好ましくは、図に示すように中央に位置する飼育ネット4を両サイドの飼育ネット4の上に重なるように載置する方法である。蚕は、中央部より周辺部に多く集まるために、実質的に中央に位置する飼育ネット4の面積を大きくして、均一に分箔するためである。この方法では、後述するように3倍の分箔を行う際に、新しい飼育トレイ1上にあらかじめ新しい2枚の飼育ネット4を両サイドに載置しておき、蚕のいる飼育ネット4を中央に載置できる。従って、蚕のいる飼育ネット4を移動する前に、新しい飼育トレイ1上にあらかじめ新しい飼育ネット4を載置しておくことが可能になるとともに、その後の飼育において、蚕の均一な分散を促すことができる。
また、他の飼育ネット4の重ね方として、魚の鱗状に載置する方法が好ましい。すなわち、飼育トレイ1の一方側から順に飼育ネット4を載置する方法である。この方法では、一方から順に飼育ネット4を載置するので、人工飼料交換装置を用いて機械的に分箔を行う場合に規則的に動作させることができるので、3倍に分箔する場合のほか、3/2倍に分箔する場合にも対応が容易となる。
【0034】
次に図3を用いて上蔟装置2について説明する。
上蔟装置2は、蔟器2aと、この蔟器2aを飼育トレイ1の底面1aから所定高さに配設するアングル2bとより構成されている。蔟器2aは、ダンボールなどに用いられる厚紙によって形成され、上下方向を開口とした繭形成室を多数併設したものである。ただし、ポリプロピレンなどの材料でもよい。本実施例では、6つの蔟器2aをアングル2bに取りはずし可能に載置されている。
アングル2bは、飼育トレイ1の凹部にわずかの隙間をもってはまり込むように枠組みされた側板2cと、この側板2cによって囲まれた空間を3分割するように設けられた仕切板2dによって構成されている。また側板2cの内周面と仕切板2dの側面には、蔟器2aを載置するための段部2eが設けられている。この段部2eは、アングル2bの底面、すなわち飼育トレイ1上に載置される面から2センチメートル程度の位置に設けられている。
このように構成された上蔟装置2は、5齢蚕が上蔟を開始する時期に飼育トレイ1上に設置し、その後一定期間経過後に飼育トレイ1から除去するものである。
ここで、図示しないが、蔟器2aに、その上方の開口面を覆う封止材を設けることが好ましい。封止材としては蔟器2aと同様の材料でもよいが、もっと薄手の紙などを用いてもよい。また、封止材は、蚕が通り抜けできない程度の通気孔を有することがより好ましく、ネット状のものを用いても良い。この封止材は、飼育トレイ内から、それぞれの飼育トレイに配設された蔟器に這い上がった蚕が、さらにその蔟器の上に積まれた飼育トレイの底面との隙間で上蔟することを防止するものである。
なお、上記実施例ではアングル2bを仕切板2dによって3分割し、また蔟器2aを6分割したもので説明したが、必ずしも分割するものに限られるわけではない。
【0035】
次に上記飼育トレイ1を用いた飼育方法について説明する。
図4に示すように、飼育トレイ1を複数段積み重ねて飼育する。図示しないが各飼育トレイ1内には、図1〜図3で説明したように、人工飼料及び飼育ネットとともに蚕が入れられている。なお、最上段の飼育トレイ1は空にすることが好ましい。
これは、最上段の飼育トレイ1の上面は開放されているために他の飼育トレイ1と異なり人工飼料がかわきやすいなどの不都合を生じるためである。従って空の飼育トレイにかえて、ふた体を設置してもよい。
図に示すように飼育トレイ1は、台車5に積み重ねているが、これは後述するように餌交換などの作業を飼育場所と異なる場所で行う必要性がある場合のためである。特に蚕の無菌生産を行う場合には、飼育場所と作業場所を分けることが好ましく、かかる場合の移動に適している。
【0036】
それぞれの飼育トレイ1の間には、スペーサ7が設けられている。このスペーサ7は、蚕の飼育期間中、常に設けるものではなく、またスペースの間隔も、蚕の成長に合わせて変更するものである。詳細については後述する。
なお、このスペーサ7の目的は、飼育トレイ1内の通気性を良くし、過度な湿気などによる悪環境の防止のためである。
なお、ここでは、飼育トレイ1を台車6に直接積み重ねる方法で説明したが、あらかじめ台車6に飼育トレイ1を複数載置できるような棚を設けておいてもよい。そして、この棚の間隔を変更可能に構成することにより、あるいは、棚の間隔の異なる台車を準備しておくことにより、上記実施例のスペーサ7の機能を果たすものであってもよい。
【0037】
次に人工飼料の交換方法について説明する。
図5は上面から見た人工飼料交換装置の構成図、図6は正面から見た同装置の構成図である。
同図にも示すように、人工飼料交換装置は、主には、概略水平方向移動部8と垂直方向移動部9と、飼育トレイや飼育ネットをつかむためのアーム部10とより構成される。アーム部10は垂直方向移動部9とともに上下動するように、また、垂直方向移動部9は垂直方向レール11上を上下に移動するように設けられている。また、この垂直方向移動部9及び垂直方向レール11は、水平方向移動部8とともに水平方向レール12に沿って左右方向に移動するものである。
【0038】
今4台の台車に、それぞれ飼育トレイ1が積まれた状態を示しているが、それぞれ段積部13、飼料供給部14、飼育中台車部15、ストック部16である。飼育中台車部15の飼育トレイ1には、前述のように人工飼料の上に3枚の飼育用ネットが載置され、それぞれの飼育用ネット上には飼育中の蚕が載っている。
【0039】
また、飼料供給部14の飼育トレイ1には、新しい人工飼料と新しい飼育用ネットが載置されている。この時、2齢眠前の飼料交換時及び4齢起蚕時の飼料交換時においては、3倍に分箔するため、2枚の新しい飼育用ネットが、5齢起蚕時の飼料交換時には3/2倍に分箔するため、1枚の新しい飼育用ネットが載置されている。2枚の新しい飼育用ネットを載置しておく場合には、飼育トレイ1の中央部を開けて両サイドの載置しておくことが好ましく、また1枚の新しい飼育用ネットを載置しておく場合には飼育トレイの中央部に載置しておくことが好ましい。段積部13の飼育トレイ1は、新しい人工飼料上に蚕を移動させた後のものである。また、ストック部16の飼育トレイ1は蚕を移動させた後の古い人工飼料が入ったものである。
【0040】
まず、飼育中の飼育トレイ1を積んだ台車を飼育中台車部15に、新しい人工飼料と2枚の新しい飼育用ネットを載置した飼育トレイ1を積んだ台車を飼料供給部14に配置する。また、段積部13及びストック部16には飼育トレイ1を積んでいない空の台車を配置する。
この状態で人工飼料交換装置を動作させる。
まず、水平方向移動部8を飼育中台車部15の位置まで水平方向レール12上をさせる。
次に垂直方向移動部9を所定高さまで降下させ、アーム部10にて、蚕の載った飼育用ネット1枚をつかみ、その後垂直方向移動部9を上昇させる。この状態で、水平方向移動部8を飼料供給部14の位置まで水平方向レール12上を移動させる。そして再度垂直方向移動部9を所定高さまで降下させ、蚕の載った飼育用ネットを飼育用トレイに載置する。
【0041】
3倍に分箔する場合には、これで1つの新たな飼育用トレイ1ができ上がる。また3/2倍に分箔する場合には再度同じ動作を繰り返し、蚕の載った飼育用ネットをさらにもう1枚飼育トレイに載置することにより新たな飼育トレイができ上がる。従ってこの新たな飼育用トレイ1をアーム部10にてつかみ、垂直方向移動部9を上昇後、水平方向移動部8を段積部13の位置まで移動し、垂直方向移動部9を降下後、アーム部10を解除し、段積部13の台車に新たな飼育用トレイ1を載置する。
【0042】
同様にして、飼育中台車部15の飼育トレイ1に残った2枚の飼育用ネットも1枚ずつ飼料供給部14の新しい飼育トレイ1に移動し、蚕を移動した新しい飼育トレイ1はそれぞれ段積部13の台車に積まれる。
このようにして、3枚の飼育用ネットをすべて取り除いた飼育中台車部15上の飼育トレイは、ストック部16に移動される。
飼料供給部14にある飼育トレイがすべて段積部13に移動した時点で作業を中断し、段積部13に載置された新たな飼育トレイを飼育室に移動する。
そして再度新しい人工飼料を入れた飼育トレイを飼料供給部14に配置し、上記同様に飼料の交換作業を行う。
【0043】
本実施例では、上記のように直線上に、段積部13、飼料供給部14、飼育中台車部15、ストック部16とを並べ、飼料供給部14と飼育中台車部15とを隣り合わせて配置させたことにより以下の効果を奏する。
まず、蚕の載った飼育用ネットを最短距離で移動できるために移動中の蚕の落下を最小限に抑えることができる。また移動時間も短いために、残された飼育用ネットから蚕がネット外へはい出すのも最小限に抑えることができる。また、新しい飼育用トレイと使用済のよごれた飼育用トレイを両サイドに離して配置することにより、特に無菌での生産を行う場合にあっては、衛生上好ましい。
さらに、本実施例のように、各飼育トレイを長手方向に並べることにより、新しい飼育トレイと使用済のよごれた飼育用トレイとの距離をさらに離すことができるとともに、水平方向移動部8に加わるモーメント力を少なくすることができ、水平方向レール12を各台車をはさんで2本設けることもなくなる。
【0044】
次に飼育トレイの積み替え方法について説明する。
飼育トレイの積み替えは、人工飼料交換装置を用いて行うことができる。すなわち、人工飼料交換方法においては、段積部13、飼料供給部14、飼育中台車部15、ストック部16の4ヶ所に台車を配置したが、飼育トレイの積み替えにおいては、4ヶ所のうち2ヶ所を用いることにより行うことができる。
例えば飼育中台車部15に現在飼育中の飼育トレイを台車ごと配置し、ストック部16に空き台車を配置する。
そして、人工飼料交換時と同様に水平方向移動部8と垂直方向移動部9を移動させて、飼育中台車部15に積まれた飼育トレイを最上段から順にストック部16の台車に移動する。
この時最上段及び最下段に空きの飼育トレイを積んでおけば飼育トレイを積み替えた後にも常に最上段に空きの飼育トレイが配置されることになる。
このようにして飼育トレイを積み替えることにより、上部の飼育トレイ内の蚕と下部の飼育トレイ内の蚕の成長を均一にすることができる。
【0045】
空調環境を一定にした密閉空間の部屋において、飼育トレイを15段から20段積み、2メートル前後の高さの状態では、2度近い温度差が発生する。なお、この温度差をなくすために、室内空気の強制循環も考えられるが人工飼料の乾燥が早く、人工飼料の交換時期を早めなければならなくなる。特に無菌室での飼育を行う場合には、できるだけ外部との出入りを少なくすることが大切であり、人工飼料の交換時期が早まることは、外部との出入りが多くなり好ましくない。
従って、この飼育トレイの積み替えは無菌室の飼育において蚕の均一的成長を図る上で特に有効な方法である。
なお、上記実施例では最上段から順に移動する方法で説明したが2〜3段ごとまとめて移動する方法であってもよい。
【0046】
また前述の人工飼料の交換方法においても、実質的に飼育トレイの積み替え効果がある。すなわち、前述の人工飼料の交換方法においては、1本の飼育トレイの山が3本の山になるため、厳密には、中間部分の飼育トレイについて見たとき、もとの位置が中間より上であるものが新たに積まれた山の中でも上方に位置することがありうる。しかし、温度差の影響の大きな上部に位置する1又は2段の飼育トレイ、あるいは下部に位置する1又は2段の飼育トレイについては、それぞれ新たな山では、下部、あるいは上部に配置されることになる。
【0047】
次に蚕の無菌飼育に必要な設備及び装置について図7を用いて説明する。
まず蚕の飼育室として、1〜3齢用飼育室20、4齢用飼育室21、5齢用飼育室22を設けている。また、それぞれの飼育室には、出入口20a,21a,22aが設けられている。1〜3齢用飼育室20は、掃き立てから4齢起蚕になる前までの飼育を行うための室であり、温度を28度〜29度前後、湿度を90%前後に保っている。4齢用飼育室21は、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの飼育を行うための室である。この4齢用飼育室21の温度及び湿度は、1〜3齢用飼育室20よりも低く設定してあり、温度は26度前後、湿度は80%前後に保っている。5齢飼育室22は、5齢起蚕から上蔟準備完了までの飼育を行うための室である。ここで上蔟準備完了までとは、蚕が上蔟を開始してからの一定期間(約2日)をいい、未だ完全に繭を形成してはいないが、繭を形成するために上蔟器の中に移動するまでの期間である。
この5齢用飼育室22の温度及び湿度は、4齢用飼育室21よりもさらに低く設定してあり、温度は24度前後、湿度は75%前後に保っている。なお、それぞれの飼育室は、無菌室とすることが最も好ましいが、5齢飼育室22については、通常環境のもとでもさして支障はない。
【0048】
上蔟室23は、上蔟準備完了後、蚕が完全に繭を形成し、繭の中で完全なさなぎとなるまでの蔟中管理を行う場所である。
この上蔟室23は、清潔であれば、必ずしも無菌室とする必要はなく、4月〜9月の間は窓を開放して通常環境で上蔟する。またそれ以外の期間では、石油温風ヒーターや換気扇などを適宜用いる。
【0049】
無菌作業室24は、掃き立て、人工飼料の交換、飼育用トレイの積み替えなど、上蔟前までの蚕の飼育に必要な作業を行う場所である。この無菌作業室24は5齢用飼育室22よりも低い温度・湿度に設定している。また無菌室となっている。
【0050】
無菌作業室24と隣接して通常環境作業室25を設けている。この通常環境作業室25は、人工飼料の原料である粉体と水とを練り合わせて飼料を製造したり、飼育室から搬出した飼育トレイの洗浄などを行う場所である。
その他の設備としては、飼育トレイ保管室26、人工飼料の原材料保管室27、粉体処理室28、事務室29、機械室30などが設けられている。
また無菌室への出入口には、パスボックス31a〜31eが設けられ、外部からの病原菌の侵入を防止している。なお、無菌作業室24に設けられたパスボックス31aは、新しい飼育トレイなどの搬入用のものであり、パスボックス31bは、古い飼育トレイなどの搬出用のものである。図示の通り、パスボックス31aは、各飼育室から離れた場所に、またパスボックス31bは、各飼育室に近いほうに設けられている。これは、外部からの病原菌が各飼育室にまで侵入しにくくするためである。
特に微生物汚染は、人の出入りによって生じる場合が最も多いため、人の出入口となる事務室29とパスボックス31eとの間には、順に更衣室32a、シャワー室32b、エアシャワー室32c、更衣室32dが設けられている。なお無菌作業室24に隣接して蚕種保護室33が設けられている。
なお無菌作業室24内には、図5で説明した人工飼料交換装置40が設けられており、必要に応じて段積部13、飼料供給部14、飼育中台車部15、ストック部16が配置される。そして、特には図示のように順に配置することが好ましい。
【0051】
次に空調装置について簡単に説明する。
機械室30には、除菌装置34及び温湿度制御装置35が設けられており、外気を除菌した後、温湿度を調整している。なお温湿度は、最も温室度の低い無菌作業室24に適合するように設定している。
この除菌された空気は、ダクト36を経由して、各飼育室20、21、22、無菌作業室24及び1〜3齢飼育室20及び4齢飼育室21と無菌作業室24との間に設けられた通路37に導かれる。ただし、各飼育室20、21、22の吹き出しダクトにはそれぞれヒータ38a,38b,38cが設けられており、各飼育室に適合した温度に調整される。また各飼育室20、21、22には、それぞれ過湿器39a,39b,39cが設けられ、各飼育室に適合した湿度に調整される。
【0052】
次にそれぞれの飼育室の広さについて説明する。
4齢飼育室21は、1〜3齢用飼育室20よりも広く、また5齢用飼育室22は、4齢用飼育室21よりも広く構成する。この時、1〜3齢用飼育室20の室の広さを基準とした場合には、4齢用飼育室21は、少なくとも1〜3齢用飼育室20の1.5倍以上の広さとすることが好ましい。また、5齢用飼育室22は、少なくとも1〜3齢用飼育室20の3.4倍以上の広さとすることが好ましい。
なお最も好ましくは、4齢用飼育室21を1〜3齢用飼育室20の2.6倍以上の広さ、5齢用飼育室22を1〜3齢用飼育室20の6.4倍以上の広さとすることである。
一方、5齢用飼育室22の室の広さを基準とした場合には、1〜3齢用飼育室20は、少なくとも5齢用飼育室22の15%以上の広さとすることが好ましい。また、4齢用飼育室21は、少なくとも5齢用飼育室22の30%以上の広さとすることが好ましい。
なお最も好ましくは、1〜3齢用飼育室20を5齢用飼育室22の29%以上の広さ、4齢用飼育室21を5齢用飼育室22の66%以上の広さとすることである。
【0053】
各飼育室の最適な室の広さは、蚕の発育に合わせた分箔によって決まる。しかし蚕の無菌飼育を行う上では外部からの病原菌の持ち込みを極力減らすことが重要である。また人工飼料の種類や量は、蚕の発育に影響をおよぼす。従って、飼料交換時に分箔を行うことが好ましい。
蚕の無菌飼育においては、3回給餌と4回給餌が好ましい。なお、3回給餌又は4回給餌とは、掃き立ての時の給餌を1回と数えたものである。従って、3回給餌とは掃き立て時以外に2回給餌を行う方法である。そして、3回給餌としては、4齢起蚕時と5齢起蚕時に行うのがよい。また4回給餌としては、さらに2齢眠前に行う。従って分箔もこのタイミングで行う。
【0054】
まず、3回給餌の場合、それぞれ3倍ずつ分箔したとする。1〜3齢用飼育室を1とすると、4齢用飼育室は3、5齢用飼育室は9の広さが必要となる。しかし、1〜3齢の飼育期間は、4齢の飼育期間や5齢の飼育期間の約2倍である。そこで4齢用飼育室及び5齢用飼育室をあそばせることなく、可能な限り連続的な使用を考えると、1〜3齢用飼育室は2倍必要となる。
すなわち、1〜3齢用飼育室を2、4齢用飼育室を3、5齢用飼育室を9とすれば、効率よく各飼育室を利用した蚕の飼育が可能となる。
従って、必要最低限の各室の広さは、1〜3齢用飼育室を基準とした時、4齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の1.5倍以上の広さ、5齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の4.5倍以上の広さとすることが好ましい。
一方5齢用飼育室を基準とした時には、1〜3齢用飼育室を5齢用飼育室の17%以上の広さ、4齢用飼育室を5齢用飼育室の33%以上の広さとすることが好ましい。
【0055】
次に3回給餌で、それぞれ3倍ずつに分箔する場合において、毎日掃き立てを行う場合について述べる。
まず飼育日数は、1〜3齢期間が12日間、4齢期間が7日間、5齢期間が上蔟準備期間を含めて8日間である。
従って、1〜3齢用飼育室は、1日分を1とすると13日分で13の広さが必要である。また4齢用飼育室は、1日分が、1〜3齢用飼育室の3倍であるので、8日分で24の広さが必要である。また5齢用飼育室は、1日分が、1〜3齢用飼育室の9倍であるので、9日分で81の広さが必要である。
すなわち、1〜3齢用飼育室を基準とした時、4齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の1.9倍以上の広さ、5齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の6.0倍以上の広さとすることが好ましい。
一方5齢用飼育室を基準とした時には、1〜3齢用飼育室を5齢用飼育室の16%以上の広さ、4齢用飼育室を5齢用飼育室の30%以上の広さとすることが好ましい。
【0056】
なお、無菌状態に保つためには、1回の飼育ごとに消毒を行う必要がある。そして連続的飼育を続けながら、消毒を行うためには、各飼育室内を少なくとも1日分ごとに仕切り、かつ各飼育室ごとに予備の室を1日分は設ける必要がある。従って、各飼育室ごとに1日分の予備の広さを加えると、1〜3齢用飼育室は14、4齢用飼育室は27、5齢用飼育室は90の広さが必要である。
すなわち、1〜3齢用飼育室を基準とした時、4齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の1.9倍以上の広さ、5齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の6.4倍以上の広さとすることが好ましい。
一方5齢用飼育室を基準とした時には、1〜3齢用飼育室を5齢用飼育室の15%以上の広さ、4齢用飼育室を5齢用飼育室の30%以上の広さとすることが好ましい。
【0057】
次に4回給餌の場合について説明する。3回給餌の場合には、2齢眠前と4齢起蚕時に3倍ずつ分箔し、5齢起蚕時には3/2倍に分箔する。
このとき2齢眠前とは、1〜3齢飼育期間の中間時である。
従って、掃き立て時を1の広さとすると、2齢眠前給餌時に3の広さが別途必要になるため、1〜3齢用飼育室の広さは4となる。そして4齢用飼育室は、2齢眠前給餌時の3倍なので9の広さが、さらに5齢用飼育室は4齢飼育室の3/2倍なので27/2の広さが必要となる。
従って、1〜3齢用飼育室を基準とした時、4齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の2.25倍以上の広さ、5齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の3.4倍以上の広さとすることが好ましい。
一方5齢用飼育室を基準とした時には、1〜3齢用飼育室を5齢用飼育室の29%以上の広さ、4齢用飼育室を5齢用飼育室の66%以上の広さとすることが好ましい。
【0058】
次に4回給餌で、3倍、3倍、3/2倍にそれぞれ分箔する場合において、毎日掃き立てを行う場合について述べる。
まず飼育日数は、1〜3齢期間のうち掃き立てから2齢眠前給餌期間が6日間、残りの1〜3齢期間が6日間、4齢期間及び5齢期間については前述の通り、それぞれ7日間と8日間である。
従って、1〜3齢用飼育室は、2齢眠前給餌までの1日分を1とすると、2齢眠前給餌までの7日分の7の広さと、3倍に分箔後の7日分の21の広さの合計である28の広さが必要である。また4齢用飼育室は、1日分が、9で8日分なので72の広さが、5齢用飼育室は、1日分が、9×3/2で9日分なので121.5の広さが必要である。
すなわち、1〜3齢用飼育室を基準とした時、4齢用飼育室は1〜3齢用飼育室の2.6倍以上の広さ、5齢用飼育室は1〜3齢用飼育室の4.3倍以上の広さとすることが好ましい。
一方5齢用飼育室を基準とした時には、1〜3齢用飼育室を5齢用飼育室の23%以上の広さ、4齢用飼育室を5齢用飼育室の60%以上の広さとすることが好ましい。
【0059】
なお、消毒を行うことを考え、各飼育室ごとに1日分の予備の広さを加えると、1〜3齢用飼育室は32、4齢用飼育室は81、5齢用飼育室は135の広さが必要である。
すなわち、1〜3齢用飼育室を基準とした時、4齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の2.5倍以上の広さ、5齢用飼育室を1〜3齢用飼育室の4.2倍以上の広さとすることが好ましい。
一方5齢用飼育室を基準とした時には、1〜3齢用飼育室を5齢用飼育室の23%以上の広さ、4齢用飼育室を5齢用飼育室の60%以上の広さとすることが好ましい。
【0060】
次に蚕の無菌飼育の方法について図7を用いて説明する。
なお、20万頭の蚕を飼育する場合を用いる。
まず、卵を蚕種保護室33から取り出し、無菌作業室24にて卵の消毒を行う。卵の消毒には、アルコール、ホルマリン液又はクライト液などを用いる。 この卵の消毒の4日後に掃き立てを行う。まず掃き立てに先立って1〜2齢用の飼料を製造する。原材料保管室27から人工飼料を運び出し、粉体処理室28にて飼料練合機を用いて加水練合せを行う。この加水練り合された人工飼料を圧延成型機により圧延した後、飼育トレイの長さに合わせて必要な長さに切断する。この時人工飼料の厚さは1.8ミリメートル程度とする。この切断された人工飼料は、通常環境作業室25にて飼育トレイに載せられる。この飼育トレイは、パスボックス31aを通って無菌作業室24に搬入されるが、搬入前に蒸煮滅菌を行い、無菌飼料とする。飼育トレイは20枚準備する。一方飼育用ネットは別途無菌作業室24に搬入しておく。ただし、通常環境作業室25にて、人工飼料を載せた飼育トレイに載せても構わない。1枚の飼育トレイに3枚の飼育ネットを用いるため、飼育ネットは60枚必要である。
【0061】
掃き立ては、無菌作業室24にて行う。1枚の飼育トレイに1万頭の卵を掃き立てる。掃き立てが終了した飼育トレイは台車上に段積みする。この時少なくとも最上段及び最下段には空の飼育トレイを載せておくことが好ましい。このようにして段積みされた飼育トレイは1〜3齢用飼育室20に搬入される。
掃き立てから4日目に飼育トレイの積み替えを行う。この時蚕は1眠入した状態である。飼育トレイの積み替えは、無菌作業室24にて、人工飼料交換装置40を用いて行う。積み替え方法については前述の通りである。なおこの積み替え時に10ミリメートルのスペーサを飼育トレイ間に挿入しておく。
この積み替えの翌日に、スペーサを一旦除去することが好ましい。なお、このスペーサの除去作業も無菌作業室24に飼育トレイを搬入して行う。ただし飼育トレイの積み替えは行わない。なお、この時蚕は2齢起蚕の状態である。
掃き立てから7日目に給餌及び飼育トレイの積み替えを行う。この時の給餌が2齢眠前給餌である。人工飼料の製造や飼育トレイの無菌作業室24への搬入などは掃き立て時と同じであるので説明を省略する。また人工飼料の材料及びその飼料の厚さも同じである。この時の給餌で3倍に分箔するので、新しい飼育トレイを60枚、新しい飼育ネットを120枚準備する必要がある。給餌、分箔、積み替えについては既に説明した通りである。なおこの時飼育トレイの間にはスペーサを用いない。また分箔の後、1枚の飼育トレイ上には平均3,330頭の蚕がいることになる。
【0062】
掃き立てから8日目に蚕は2眠に入る。
掃き立てから9日目に飼育トレイの積み替えを行う。この積み替え作業も当然に無菌作業室24にて行う。なお1〜3齢飼育室20の湿度を検出し、仮に湿度が90%を越えていたら、積み替え時に各飼育トレイ間に10ミリメートルのスペーサを挿入する。湿度が90%以下に保たれていたら、この時にはスペーサを挿入せず、さらに2日後にスペーサの挿入作業を行うものとする。ただし、このとき飼育室内の温度の検出に代えて、人工飼料の湿り度合を検出するものであってもよい。
掃き立てから13日目に給餌及び飼育トレイの積み替えを行う。この時の給餌においても3倍に分箔するため、新たな飼育トレイを180枚、追加する新たな飼育ネットを360枚準備する。
なお、人工飼料の厚さは2.5ミリメートルとする。また積み替えはスペーサを挿入したままで行う。給餌及び積み替えの終わった飼育トレイは4齢用飼育室21に移される。
【0063】
掃き立てから16日目に飼育トレイの積み替えを行う。
スペーサは挿入したままである。積み替え後の飼育トレイは4齢用飼育室21にもどされる。
掃き立てから20日目に給餌及び飼育トレイの積み替えを行う。なお蚕は5齢起蚕の状態である。この時の給餌においては、3/2に分箔する。従って新たな飼育トレイを270枚、追加する新たな飼育ネットを270枚準備する。給餌、分箔及び飼育トレイの積み替えも既に説明した通りである。
なお、この時の人工飼料の厚さは7ミリメートルとするとともに飼育トレイ間に挿入するスペーサを20ミリメートルに変更する。
この給餌により1枚の飼育トレイ上の蚕は740頭である。作業終了後は5齢用飼育室22に移される。
【0064】
掃き立てから23日目に、さらに給餌及び飼育トレイの積み替えさらには発育によって蚕の選別を行うことが好ましい。選別においては、標準を80%、遅口を20%とし、標準用に飼育トレイを400枚、遅口用に飼育トレイを100枚準備し、1枚の飼育トレイに約400頭の蚕となるように分箔する。
追加すべき飼育ネットは690枚である。なおこの時の人工飼料の厚さは7ミリメートルとするとともに飼育トレイ間に挿入するスペーサを30ミリメートルに変更する。
【0065】
掃き立てから26日目に上蔟が開始される。この時に各飼育トレイに上蔟装置を設定する。なお前述のように掃き立てから23日目に給餌などを行う場合においては、その時点で上蔟装置を設定してもよい。
掃き立てから28日目に上蔟装置と各飼育トレイから除去し、上蔟室23に移す。
掃き立てから35日目に収繭される。
【0066】
ところで蚕を標準と遅口に選別した場合には、遅口の蚕は掃き立てから29日目に上蔟を開始する。従ってこの時に上蔟装置を各飼育トレイに設置する。そしてその2日後に上蔟装置を各飼育トレイから除去して上蔟室23に移す。この遅口の蚕については標準より3日遅れで収繭される。
【0067】
【発明の効果】
上記実施例の説明から明らかなように、本発明は、上部位置と下部位置との間で生じる環境の違い、特に温度差によって生じる蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。
また本発明は、トレイの積み替えを人工飼料の交換とともに行うために作業の簡略化を図ることができる。特に除菌、又は無菌室での飼育においては、このように作業工程を簡略化し、少なくすることが重要である。
また本発明は、飼育トレイの間隔を調整して、飼育トレイ内を蚕に適した湿度とすることにより、蚕の飼育トレイからの這い出しを防ぐことができる。
また本発明は、飼育トレイの間隔を広げることにより各飼育トレイ内の湿度を下げることができ、蚕の這い出しを防止することができる。
また本発明は、さらにそれぞれの飼育トレイの間隔を、蚕の成長にともなって3段階に変更するために、各飼育トレイ内を蚕に適した環境とすることができる。
また本発明は、室の湿度又は人工飼料の湿り度合いによって、それぞれの飼育トレイの間隔を変更する時期を変えるために、各飼育トレイ内をさらに蚕に適した環境とすることができる。
また本発明は、およそ3日間ごとに飼育トレイの積み替えを行うことになり、上部位置と下部位置との間の温度差によって生じる蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。
また本発明は、いちばん上部に積まれた蚕を飼育する飼育トレイの飼育環境を、他の飼育トレイの環境に近づけることができ、蚕の発育の差異を少なくし、均一な蚕の成長を促すことができる。
また本発明は、飼育トレイを積み替えても、常に最上段には空の飼育トレイ又はふた体が配置されることになる。その結果、いちばん上部に積まれた蚕を飼育する飼育トレイの飼育環境を他の飼育トレイの環境に近づけることができる。また、最下部に位置する飼育トレイも外部(室底部)からの影響を受けやすいが、この位置にも常に空の飼育トレイ又はふた体が配置されることになる。従ってそれぞれの飼育トレイの環境の均一化を図ることができる。
また本発明は、特に上蔟装置は上蔟開始予定時にそれぞれの飼育トレイ上に配設するため、飼育トレイ内の環境悪化を防止することができる。
また本発明は、第1の上蔟工程を設けているので、上蔟作業の手間をなくし、別途広い空間を必要とすることもなく、さらには、第2の上蔟工程を設けているので、湿度の高い状態での営繭を防止し、良質な繭形成を行わせることができる。
また本発明は、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、効率よく上蔟を行わせることができる。また本発明は、飼育トレイ内から、それぞれの飼育トレイに配設された蔟器にはい上がった蚕が、さらにその蔟器の上に積まれた飼育トレイの底面との隙間で上蔟することを防止することができる。
また本発明は、独自に温湿度を設定できる複数の飼育室を有しているので、蚕の成長にあわせて飼育室を利用でき、掃き立て時期の異なる蚕の同時飼育が可能である。
また本発明は、作業室を別途設け、雑菌の侵入の可能性の高い人工飼料の交換作業をそれぞれの飼育室で行わず、さらに外部との出入口をこの作業室にのみ設け、その出入口にはパスボックスを設けることによって、各飼育室への雑菌侵入を防止できる。
また本発明は、上記同様に各飼育室への雑菌侵入を防止できる。また、各飼育室の広さを変えることによって、蚕の発育段階に応じ必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
また本発明は、最も狭い1〜3齢用飼育室を基準として、4齢用飼育室及び5齢用飼育室の広さを決定することができる。そして、蚕の発育手段に応じて、必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
また本発明は、最も広い5齢用飼育室を基準として、1〜3齢用飼育室及び4齢用飼育室の広さを決定することができる。そして蚕の発育段階に応じて、必要な広さの飼育室を利用でき、蚕の飼育に必要のない空間を減らすことができるため、雑菌防止のための消毒や除菌などが確実に行える。
また本発明は、毎日の連続した掃き立てが可能になり、蚕の年間を通じた連続飼育ができる。特に各飼育室を独立した室に分割しているので、分割された各室ごとの消毒が行え、また除菌も確実に行える。そして万一雑菌が発生しても、他の室へ広がることもなく、除菌を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いる飼育トレイの上面図
【図2】同断面図
【図3】同飼育トレイ及び上蔟装置を示す分解斜視図
【図4】本発明の実施例による飼育状態を示す斜視図
【図5】本発明の実施例に用いる人工飼料交換装置を上面から見た構成図
【図6】同装置を正面から見た構成図
【図7】本発明の実施例による蚕の生産設備を示す構成図
【符号の説明】
1 飼育トレイ
3 人工飼料
4 飼育ネット
7 スペーサ
20 1〜3齢用飼育室
21 4齢用飼育室
22 5齢用飼育室
23 上蔟室
24 無菌作業室

Claims (13)

  1. 人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ね、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替え工程を、飼育期間中に行うことで、上部に位置する飼育トレイで飼育した蚕は前記トレイ積み替え工程後には下部に位置する飼育トレイで飼育し、下部に位置する飼育トレイで飼育した蚕は前記トレイ積み替え工程後には上部に位置する飼育トレイで飼育する飼育方法において、前記飼育トレイは、底面と内周側板とにより凹部を形成し、前記内周側板には、通気性を高めるための開口部を多数設け、外周側板を縁部により前記内周側板と連接し、前記凹部に弾性材料からなる網を用いた飼育ネットを敷き、前記飼育ネット上で蚕の飼育を行うことを特徴とする蚕の飼育方法。
  2. 人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ね、前記人工飼料を新しい人工飼料に交換する際に、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替えを行うことで、上部に位置する飼育トレイで飼育した蚕は前記トレイ積み替え工程後には下部に位置する飼育トレイで飼育し、下部に位置する飼育トレイで飼育した蚕は前記トレイ積み替え工程後には上部に位置する飼育トレイで飼育する飼育方法において、前記飼育トレイは、底面と内周側板とにより凹部を形成し、前記内周側板には、通気性を高めるための開口部を多数設け、外周側板を縁部により前記内周側板と連接し、前記凹部に弾性材料からなる網を用いた飼育ネットを敷き、前記飼育ネット上で蚕の飼育を行うことを特徴とする蚕の飼育方法。
  3. 人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ねて、各飼育トレイ内で蚕を飼育する飼育方法において、複数段積み重ねた飼育トレイの間隔を、蚕の発育に合わせて段階的に広げることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚕の飼育方法。
  4. 掃き立てから4齢起蚕になる前までの1〜3齢飼育工程と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの4齢飼育工程と、5齢起蚕から上蔟を開始するまでの5齢飼育工程と、前記1〜3齢飼育工程の終わりか前記4齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第1の給餌工程と、前記4齢飼育工程の終わりか前記5齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第2の給餌工程とを有し、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ね、前記第1の給餌工程及び前記第2の給餌工程では、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替えを行うとともに、前記第2の給餌工程では、飼育トレイの間隔を変更し、前記5齢飼育工程における飼育トレイの間隔を前記4齢飼育工程における飼育トレイの間隔よりも広くした飼育方法において、前記飼育トレイは、底面と内周側板とにより凹部を形成し、前記内周側板には、通気性を高めるための開口部を多数設け、外周側板を縁部により前記内周側板と連接し、前記凹部に弾性材料からなる網を用いた飼育ネットを敷き、前記飼育ネット上で蚕の飼育を行うことを特徴とする蚕の飼育方法。
  5. 前記1〜3齢飼育工程において、飼育トレイの間隔を、掃き立て時の間隔よりも広く、4齢飼育工程時の飼育トレイ間隔以下に変更する飼育トレイの間隔変更工程を設けたことを特徴とする請求項4記載の蚕の飼育方法。
  6. 前記飼育トレイの間隔変更工程を行う時期を、室の湿度又は人工飼料の湿り度合いを測定し、その測定結果により変更することを特徴とする請求項5記載の蚕の飼育方法。
  7. 掃き立てから4齢起蚕になる前までの1〜3齢飼育工程と、4齢起蚕から5齢起蚕になる前までの4齢飼育工程と、5齢起蚕から上蔟を開始するまでの5齢飼育工程と、前記1〜3齢飼育工程の終わりか前記4齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第1の給餌工程と、前記4齢飼育工程の終わりか前記5齢飼育工程の初めに人工飼料の交換を行う第2の給餌工程とを有し、人工飼料を入れた飼育トレイを複数段積み重ね、前記1〜3齢飼育工程中に、人工飼料の交換を行う給餌工程を設け、それぞれの給餌工程では、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替えを行い、前記1〜3齢飼育工程中の前記給餌工程の前段階と後段階、前記4齢飼育工程中、及び前記5齢飼育工程中に、上部に位置する飼育トレイを下部に、下部に位置する飼育トレイを上部に配置させるトレイ積み替え工程をさらに設けた飼育方法において、前記飼育トレイは、底面と内周側板とにより凹部を形成し、前記内周側板には、通気性を高めるための開口部を多数設け、外周側板を縁部により前記内周側板と連接し、前記凹部に弾性材料からなる網を用いた飼育ネットを敷き、前記飼育ネット上で蚕の飼育を行うことを特徴とする蚕の飼育方法。
  8. 最上段には、蚕を飼育しないトレイ又はふた体を配置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の蚕の飼育方法。
  9. 最初に飼育トレイを積み重ねる際、最上段及び最下段には蚕を飼育しない飼育トレイ又はふた体を配置し、前記飼育トレイを積み替える際には、最上段の飼育トレイ又はふた体から順に、別の台車に載せ替えることにより行うことを特徴とする請求項8記載の蚕の飼育方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載した蚕の飼育方法において、上下方向を開口とした繭形成室を多数併設した上蔟装置を、上蔟開始予定時に各飼育トレイ上に配設することを特徴とする蚕の飼育方法。
  11. 請求項1から請求項9のいずれかに記載した蚕の飼育方法において、繭形成室を多数併設した上蔟装置を各飼育トレイ上に所定期間配設する第1の上蔟工程と、前記第1の上蔟工程の後、前記上蔟装置を各飼育トレイ上から取りはずして営繭するまで上蔟を継続する第2の上蔟工程とを有することを特徴とする蚕の飼育方法。
  12. 請求項1から請求項9のいずれかに記載した蚕の飼育方法において、上下方向を開口とした繭形成室を多数併設した蔟器と、前記蔟器を飼育トレイ内底面から所定高さに配設するアングルとより構成した上蔟装置を用いることを特徴とする蚕の飼育方法。
  13. 前記上蔟装置に、前記蔟器の上方の開口面を覆う封止材を設けたことを特徴とする請求項12記載の蚕の飼育方法。
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