JP3656693B2 - 板紙への転写画像形成方法及び転写画像形成板紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼログラフィ方式により、普通紙等の被転写材にトナー画像を静電転写する工程を有する電子写真複写機や、熱転写記録方式により、被転写材に熱溶融性インク、昇華染料等を転写する工程を有するプリンターや、インクジェット方式により水性インクや熱溶融性インクを被転写材に転写する工程を有するプリンタ(以下、複写装置とも略称する)及び、スクリーン印刷、凸版印刷、オフセット印刷、孔版印刷等の印刷装置で形成した転写シート上の画像を、他の基材、特に「坪量120g/m2以上、及び/又は厚さ0.3mm以上の紙」で規定されるいわゆる板紙に転写紙を使用して転写する工程において、特に画像形成板紙の変形(カール)を防止し、かつ鮮明な転写画像を形成する方法及び該方法で作成した転写画像形成板紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の複写装置や印刷装置の普及および発展に伴い、単に普通紙上に画像を形成するという該装置本来の用途の利用にとどまらず、その機能を応用して新しい用途を開拓する試みが盛んに行なわれている。
このような新しい用途の一つとして、複写装置や印刷装置で転写シート上に作成した画像を布、キャンバス、和紙、ボンド紙、プラスチック、木材、皮革、ガラス、陶器、金属等の他の基材(被転写体)に再転写、定着して使用する例がある。
【0003】
このような使用方法は、例えばオーダーメードのTシャツやトレーナー、エプロン、ジャンバー、コップ、皿、タイル、ステンドグラス、パネル、複製絵画のような大量生産しない個人向け、もしくは小ロットの商品の製造方法として有効な手段であり、更に最近では高品質画像が得られるフルカラー乾式電子写真複写機を使用することが可能となったため、より高品質の画像が手軽にプリントできるようになり、更に需要が拡大しつつある。
このような被転写体に画像を転写して転写画像を形成するための転写シートの例としては、特開昭52−82509号公報に開示されている、基質上のシリコン又はフッ素化重合体の粘着物質層上に設けられたトナー像受容性の低温熔融性重合体層よりなり、該低温熔融性重合体層及びトナー像が再転写時に加熱中により布地中に浸透するものがある。
【0004】
しかしながら、これら転写シートを用いて被転写体に画像を転写形成する際、従来は画像形成した転写シートの画像を有する層(転写層)を被転写体に密着させ、加熱加圧により被転写体と転写層を融着させ、転写シートの支持体を剥離する転写画像形成方法が一般的であるが、被転写体として色紙等の板紙を使用した場合、転写形成後、板紙が転写画像面に対し凸状に変形(カール)してしまうという問題点を有していた。
この原因としては、板紙が相当量の厚みを有するため、転写画像面側が転写時の加熱で熱膨張するのに対し、反対面側の熱膨張がそれより小さいためと考えられる。
カラー複写機等各種複写装置や印刷装置で形成した転写シート上の画像を被転写体に転写する方法は既に知られている。しかし、板紙等、特に厚みが大きい紙のような被転写体に変形を起すことなく、鮮明な転写画像を形成する技術はこれまでなかった。
【0005】
【発明が解決しようをする課題】
本発明は上記従来技術に鑑み、各種複写装置及び/又は印刷装置で形成した転写シート上の画像を板紙等、特に厚みが大きい紙のような被転写体に変形を起こすことなく、鮮明な転写画像を形成する方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の転写画像形成方法によれば、画像が形成された熱転写層を有する転写シートを使用し、加熱・加圧により被転写体である板紙に画像転写する際、加熱・加圧による画像転写後、転写画像面に離型性シートをあて、転写画像の反対面から加熱・加圧し、その後、転写画像面から離型性シートを除去することにより、板紙の変形を防止でき、且つ、鮮明な転写画像を形成することができる。なお、転写画像面に離型シートをあてるとは、加熱・加圧により画像転写する際、転写シート支持体(離型性シートの機能を有しているもの)を剥離しないままにした状態のものも含む。
【0007】
したがって本発明によれば、(1)「支持体に画像形成された転写層を有する転写シートの該転写層面を板紙にあて、該転写シートをその支持体側から加熱・加圧することにより板紙に画像を転写する画像形成方法において、転写画像形成後に、画像面に離型性シートをあて、板紙の非画像部側から加熱・加圧することを特徴とする転写画像形成方法」、(2)「離型性シートの除去を室温付近まで冷却後に行なうことを特徴とする前記第(1)項に記載の板紙への転写画像形成方法」、(3)「転写シートが、自己架橋型ポリマーを含有する転写層を有することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の転写画像形成方法」、(4)「転写シートの転写層の自己架橋型ポリマーが自己架橋成分としてメチロール基を有することを特徴とする前記第(3)項に記載の転写画像形成方法」、(5)「転写シートの転写層の自己架橋型ポリマーが自己架橋成分としてメチロール基を有するエチレン−酢ビ−アクリル系共重合樹脂であることを特徴とする前記第(3)項に記載の転写画像形成方法」、(6)「転写シートの転写層の自己架橋型ポリマーとして、ガラス転移温度が0℃以上のものと、0℃以下のものを併用していることを特徴とする前記第(3)項に記載の転写画像形成方法」、(7)「転写シートが支持体と転写層の間に剥離層を有し、その剥離層が常温硬化型シリコーンゴムを含有していることを特徴とする前記第(1)項乃至(6)項のうち何れか1に記載の転写画像形成方法」、(8)「電子写真方式により、像受容体にトナー像を形成する画像形成方法を用いて画像形成した転写シートを使用することを特徴とする前記第(1)項乃至(7)項のうち何れか1に記載の転写画像形成方法」、及び(9)「熱記録方式により、熱溶融性インク層又は熱昇華性染料を受容紙上に転写する画像形成方法を用いて画像形成した転写シートを使用することを特徴とする前記第(1)項乃至(7)項のうち何れか1に記載の転写画像形成方法」が提供される。
【0008】
また本発明によれば、(10)「前記第(1)項に記載の転写画像形成方法により得られるものであって、離型性シートが転写画像面に仮着されていることを特徴とする転写画像形成板紙」、(11)「離型性シートが支持体を有し、その支持体の転写画像面側の表面にシリコーン樹脂を含有する層を設けていることを特徴とする前記第(10)項に記載の転写画像形成板紙」(12)「離型性シートが支持体を有し、その支持体の転写画像面側の表面にシリコーンゴムを含有する層を設けていることを特徴とする前記第(10)項に記載の転写画像形成板紙」、(13)「シリコーンゴムが常温硬化型シリコーンゴムであることを特徴とする前記第(12)項に記載の転写画像形成板紙」、(14)「離型性シートが支持体を有し、その支持体の転写画像面側の表面にシリコーンオイルを含有する層を設けていることを特徴とする前記第(10)項に記載の転写画像形成板紙」、(15)「離型性シートが含フッ素高分子材料を含有することを特徴とする前記第(10)項乃至(14)項のうち何れか1に記載の転写画像形成板紙」、(16)「離型性シートが含フッ素高分子材料の自己支持性フイルム材料であることを特徴とする前記第(15)項に記載の転写画像形成板紙」、(17)「離型性シートにおける離型層が、画像材料等の再転写される層に対しては親和性乃至相溶性があり、離型性シートの支持体からは剥離されるものであることを特徴とする前記第(15)項に記載の転写画像形成板紙」、(18)「電子写真方式により、像受容体にトナー像を形成する画像形成方法を用いて画像形成した転写シートを使用することを特徴とする前記第(10)項乃至(17)項のうち何れか1に記載の転写画像形成板紙」、(19)「熱記録方式により、熱溶融性インク層又は熱昇華性染料を受容紙上に転写する画像形成方法を用いて画像形成した転写シートを使用することを特徴とする前記第(10)項乃至(17)項のうち何れか1に記載の転写画像形成板紙」が提供される。
【0009】
本発明で使用する転写シートとしては、転写画像形成方法で通常用いられている転写シートを使用することができ、その一例としては、例えば、特開昭52−82509号公報に開示されている、基質上のシリコン又はフッ素化重合体からなる粘着物質層上に設けられたトナー像受容性の低温熔融性重合体層よりなる転写層を有するものが挙げられる。
これら転写シートの中でも、特に転写層が自己架橋型ポリマーを含有しているもの、より好ましくは自己架橋型ポリマーが自己架橋成分としてメチロール基を有すること、更に好ましくは自己架橋型ポリマーが自己架橋成分としてメチロール基を有するエチレン−酸ビ−アクリル系共重合樹脂であるものが好ましい。
【0010】
その理由は、板紙上の転写画像の耐熱安定性、定着性の向上のためであり、そのメカニズムは転写層に自己架橋型ポリマーが含有されているため、被転写体上の転写画像を再加熱しても、加熱・加圧転写時に転写しながら架橋が進行しているため、再溶融しにくくなっていること、及び再加熱時の熱そのもので架橋が更に進行するので、再溶融、軟化しにくくなるため、画像の耐熱安定性、定着性が向上するからである。
【0011】
自己架橋成分としてメチロール基であること、及びこの自己架橋成分を有するエチレン−酸ビ−アクリル系共重合樹脂がより好ましいことの理由は、自己架橋速度が転写シートを使用する際の加熱温度、加熱時間等の条件と保管条件に対し適正であるためである。
また、複写装置走行安定性と板紙への接着性を高度に両立させるためには、これら自己架橋型ポリマーとしてガラス転移温度が0℃以上のものと、0℃以下のものを併用するとよい。
【0012】
更に、転写シートの剥離層が常温硬化型シリコーンゴムを含有していることが好ましく、その理由としては、板紙への加熱・加圧による画像転写の際、加熱によって上昇している板紙及び転写シートが熱いうちに転写シート支持体を剥離する必要がなく、冷えてから剥離できるため、転写画像が全面均一に鮮明に形成されるためである。
【0013】
このような効果が得られる理由としては、剥離層に常温硬化型シリコンゴムを使用することにより、剥離層作成時に加熱を必要をせずに充分な架橋密度を確保できるため、転写シートの加熱加圧転写時、転写層材料との熱溶融混合が起こらず、冷却後でも充分剥離層と転写層の界面が初期状態に維持されているため、冷却後の剥離が可能となる。そのため、転写シートが熱いうちに支持体を剥離する必要があるとか、大面積の転写の際、剥離始点と剥離終点での転写シートの温度が変化することにより転写性が異なる結果、均質で高画質の転写画像が得られないなどの欠点がなくなる。
【0014】
次に、本発明に用いられる離型性シートについて説明する。
転写シートを使用し、加熱・加圧により板紙に画像転写後、転写画像の反対面から加熱・加圧する際、より好ましくは転写画像面に離型性シートをあてる理由としては、加熱・加圧の際に一般に使用されるホットプレス機の被転写体を載せる支持台表面に転写形成された画像が直接接触し、加圧されることにより生じるスクラッチ傷を防止するためである。
【0015】
本発明で使用する離型性シートとしては、紙、プラスチックフィルム等の支持体表面にシリコーンオイル、シリコーンゴム及び/又はシリコーン樹脂を含有する層、又はテトラフロロエチレンの(共)重合体のような含フッ素高分子材料を含有するフイルム材料であってよく、特にシリコーンオイル及び/又はシリコーンゴム及び/又はシリコーン樹脂を含有する層を、紙、プラスチックフィルム等の支持体表面に設けているものが好ましい。また、特にシリコーンゴムが常温硬化型シリコーンゴムであることが好ましい。
その理由としては、本発明の離型性シートを使用することにより、転写画像への熱接着性が低いため、画像破壊が起こりにくく、また、画像反対面からの加熱・加圧後、離型性シートを除去する際、冷えてから除去できるため、操作性がよいためである。
更に本発明の離型性シートを使用して画像反対面から加熱・加圧すると、離型性シートと転写画像が容易に剥離できるくらいに軽く仮着された状態となっており、このままの状態で販売、流通等を行なうことができ、購入者の手に渡るまでの間、画像保護を行なわせることも可能となる。また、離型性シートと転写画像が仮着された状態とは、転写シートを使用して加熱・加圧により画像転写する際、転写シート支持体(離型性シートの機能を有するもの)を剥離しないままにした状態のものも含む。
【0016】
離型性シート表面にシリコーンオイル及び/又はシリコーンゴム及び/又はシリコーン樹脂、特に好ましくは、常温硬化型シリコーンゴムを含有する層があることで上記効果が得られる理由は、画像反対面からの加熱・加圧時、画像の熱可塑性樹脂、ワックス、トナー成分等との熱溶融混合がおこりにくく、冷却後でも離型性シート表面と転写画像の界面が維持されているため、冷却後の剥離が可能となるからである。
【0017】
一方、本発明で使用する離型性シートにおける離型層は、再転写画像をさらに保護するため或いは再転写画像に光沢を付与するため、画像材料等の再転写される層に対しては親和性乃至相溶性があり、離型性シートの支持体からは、後程、剥離されるものであってもよく、さらに、熱膨張による凸面形を矯正する程度の熱収縮性を有するものであってもよい。
【0018】
上記転写シートと離型性シート及び被転写体となる板紙を用いて転写画像を形成する方法は、これに限定されないが、例えば以下のとおりである。
すなわちゼログラフィ方式により、普通紙等の被転写材にトナー画像を静電転写する工程を有する電子写真複写機や、熱転写記録方式により、被転写材に熱溶融性インク、昇華染料等を転写する工程を有するプリンタや、インクジェット方式により水性インクや熱溶融性インクを被転写材に転写する工程を有するプリンタ(以下、複写装置とも略称する)及び、スクリーン印刷、凸版印刷、オフセット印刷、孔版印刷等の印刷装置で転写シートの転写層に画像形成し、被転写体となる色紙等の板紙に画像形成済転写層をあて、市販のホットプレス機(熱板が上側にある場合について説明する)等を使用し、加熱・加圧後、転写シートの支持体(紙、フィルム等)を剥離して或いは剥離せず、板紙上に転写画像を形成する。この時点では転写画像形成板紙は転写画像面に対し、凸状に変形(カール)している。
次に、転写シート支持体を剥離した場合は、ホットプレス機の被転写体を載せる支持台表面に本発明で使用する離型性シートをその離型性面を上にして置き、その離型性面に先に作成した転写画像形成板紙の転写画像面をあわせて置き、再度加熱・加圧後、転写画像面から離型性シートを除去する。転写シート支持体を剥離しなかった場合は離型性シートを使用せず、再度加熱・加圧後転写シート支持体を剥離する。
以上の操作により得られた転写画像形成板紙はフラットになっており、転写画像も鮮明に保持されている。
【0019】
転写画像の反対面からの加熱・加圧の際の加熱温度及び/又は加圧力は、転写シートによる転写画像作成時の加熱温度及び/又は加圧力と基本的には同じでよいが、板紙の変形の度合等により適宜変えてよい。また、必要によっては転写画像の反対面からの加熱・加圧及び板紙上に作成済の転写画像面に離型性シートをその離型性面を転写画像面にあわせて置き、転写画像面からの加熱・加圧を複数回行なってもよい。
【0020】
本発明でいう板紙とは、坪量120g/m2以上及び/又は厚さ0.3mm以上の紙であり、紙の種類としては特に限定されるものではないが、例示すれば、キャストコート紙、スーパーアート紙、アート紙、高白色コート紙、コート紙、軽量コート紙、スーパーダルアート紙、ダルアート紙、ダルコート紙、マットコート紙、軽量マットコート紙、微塗工上質紙、上質紙、中質紙、中質軽量コート紙、中質コート紙、上質軽量コート紙、S/C紙、グラビア紙、高級白板紙、上質コート紙、セミ上質紙、色中質紙、再生紙、色紙(しきし)、段ボール紙、中性紙、合成紙、色上質紙等である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
実施例1
支持体として秤量104.7g/m2の上質紙を用い、下記組成よりなる剥離層用塗料(A)を支持体の片面にワイヤーバーで塗布、乾燥して剥離層(乾燥塗布量1.7g/m2)を設けた。
[剥離層用塗料(A)]
常温硬化型シリコンゴムエマルジョン 10部
(SE−1980クリヤー、東レ・ダウコーニング・シリコン社製、
固形分45%)
水 40部
上記で得られた剥離層の上に、下記組成よりなる転写層用塗料(A)をワイヤーバーで塗布、乾燥して転写層(乾燥塗布量30g/m2)を設けて本発明で使用する転写シート(a)を得た。
[転写層用塗料(A)]
メチロール成分含有自己架橋型エチレン−酢ビ−アクリル系
共重合樹脂エマルジョン 10部
(ポリゾールEF−421、Tg=−21℃、昭和高分子社製、
固型分45%、分子量10万〜20万、架橋温度120℃以上)
メチロール成分含有自己架橋型エチレン−酢ビ−アクリル系
共重合樹脂エマルジョン 10部
(ポリゾールEF−250N、Tg=20℃、昭和高分子社製、
固型分50%、分子量10万〜20万、架橋温度120℃以上)
また、上記秤量104.7g/m2の上質紙に、上記剥離層用塗料(A)を乾燥塗布量1.7g/m2となるように塗布、乾燥し、本発明で使用する離型性シート(a)を得た。
上記で得られた転写シート(a)をカラー複写機(リコー製、プリテール550)を使用し、転写層にフルカラー画像を形成した。転写層に形成された画像は鮮明、高画質であり、プリテール550用専用普通紙に形成した場合の画像との差は認められなかった。
【0022】
次に色紙(中村栄幸堂製、大色紙画仙上質紙、厚さ2mm)に上記で得られたフルカラー画像形成済の転写シート(a)の画像面をあて、熱転写プレス機(毎日マーク社製:ロータリープレス)にて160℃、15秒間加熱プレスを行なった。加熱プレス後、一体化した色紙と転写シート(a)を取り出し、室温まで冷却後、転写シート(a)を剥離したところ、画像形成された転写層が完全に色紙に転写し、支持体である上質紙上には画像は全く残らず、良好な転写性を示し、高画質で鮮明な転写画像が色紙上に得られた。
また、上記で得られた転写画像部を綿モードに設定したアイロンでアイロンがけを行なったが、転写画像がほとんど乱れずアイロンに極微量融着、付着するにとどまった。
ただし、この時点では転写画像形成色紙は転写画像面に対し凸状に変形(カール)しており、凸部頂点から色紙各辺までの高低差は20mm(色紙厚さ含まず)であった。
【0023】
次に、熱転写プレス機の被転写体を載せる支持台に上記で得られた離型性シート(a)を、その離型層塗布面(離型性面)を上にして置き、その離型性面に上記で得られた凸状に変形した転写画像形成色紙の転写画像面をあわせて置き、同じ加熱プレス条件で加熱プレスを行なった。
加熱プレス後、一体化した色紙と離型性シート(a)を取り出し、常温まで冷却後、離型性シート(a)を剥離したところ、離型性シート(a)には何も付着しておらず、色紙上の転写画像は高画質で鮮明な状態が保持されていた。
また、この時点では、転写画像形成色紙はほぼフラットとなっており、水平置きにした場合、最も凸となっている部分と色紙各辺までの高低差は1.5mm(色紙厚さ含まず)であった。
【0024】
実施例2
実施例1において、本発明で使用する転写シート(a)の転写層に画像形成する際、カラー複写機を使用するかわりにコダック社製昇華転写リボンを使用し、リコー試作昇華転写プリンタを用いて画像形成した他はすべて実施例1と同様にして色紙上に転写画像を形成した。転写シートによる加熱・加圧後の転写画像形成色紙はカールしており、最大高低差は19mm(色紙厚さ含まず)であったが、得られた最終転写画像形成色紙はほぼフラットで高低差は最大で1.3mm(色紙厚さ含まず)であった。また、色紙上の転写画像は高画質で鮮明な状態が保持されていた。
【0025】
実施例3
実施例1において、色紙のかわりにA4サイズの白板紙(新王子製紙株式会社製、高級白板紙ボンアイボリー、秤量465g/m2)を使用した他はすべて実施例1と同様にして白板紙上に転写画像を形成した。
転写シートによる加熱加圧後の転写画像形成板紙はカールしており、最大高低差は55mm(板紙厚さ含まず)であったが、得られた最終転写画像形成板紙はほぼフラットで高低差は最大で1.0mm(板紙厚さ含まず)であった。また、板紙上の転写画像は高画質で鮮明な状態が保持されていた。
【0026】
実施例4
実施例1において、色紙のかわりにA4サイズの合成紙(王子油化合成紙株式会社製、ユポPII、厚さ950ミクロン)を使用した他はすべて実施例1と同様にして合成紙上に転写画像を形成した。
転写シートによる加熱・加圧後の転写画像形成板紙はカールしており、最大高低差は47mm(板紙厚さ含まず)であったが、得られた最終転写画像形成板紙はほぼフラットで高低差は最大で0.6mm(板紙厚さ含まず)であった。また、板紙上の転写画像は高画質で鮮明な状態が保持されていた。
【0027】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、板紙に転写紙を使用して転写する工程において、特に画像形成板紙の変形(カール)を防止し、かつ鮮明な転写画像を形成する方法及び該方法で作成した転写画像形成板紙が提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
Claims (14)
- 支持体に画像形成された転写層を有する転写シートの該転写層面を板紙にあて、該転写シートをその支持体側から加熱・加圧することにより板紙に画像を転写する画像形成方法において、転写画像形成後に、画像面に離型性シートをあて、板紙の非画像部側から加熱・加圧することを特徴とする転写画像形成方法。
- 離型性シートの除去を室温付近まで冷却後に行なうことを特徴とする請求項1に記載の板紙への転写画像形成方法。
- 転写シートが、自己架橋型ポリマーを含有する転写層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の転写画像形成方法。
- 転写シートの転写層の自己架橋型ポリマーが自己架橋成分としてメチロール基を有することを特徴とする請求項3に記載の転写画像形成方法。
- 転写シートの転写層の自己架橋型ポリマーが自己架橋成分としてメチロール基を有するエチレン−酢ビ−アクリル系共重合樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の転写画像形成方法。
- 転写シートの転写層の自己架橋型ポリマーとして、ガラス転移温度が0℃以上のものと、0℃以下のものを併用していることを特徴とする請求項3に記載の転写画像形成方法。
- 転写シートが支持体と転写層の間に剥離層を有し、その剥離層が常温硬化型シリコーンゴムを含有していることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1に記載の転写画像形成方法。
- 請求項1に記載の転写画像形成方法により得られるものであって、離型性シートが転写画像面に仮着されていることを特徴とする転写画像形成板紙。
- 離型性シートが支持体を有し、その支持体の転写画像面側の表面にシリコーン樹脂を含有する層を設けていることを特徴とする請求項8に記載の転写画像形成板紙。
- 離型性シートが支持体を有し、その支持体の転写画像面側の表面にシリコーンゴムを含有する層を設けていることを特徴とする請求項8に記載の転写画像形成板紙。
- シリコーンゴムが常温硬化型シリコーンゴムであることを特徴とする請求項10に記載の転写画像形成板紙。
- 離型性シートが支持体を有し、その支持体の転写画像面側の表面にシリコーンオイルを含有する層を設けていることを特徴とする請求項8に記載の転写画像形成板紙。
- 電子写真方式により、像受容体にトナー像を形成する画像形成方法を用いて画像形成した転写シートを使用することを特徴とする請求項8乃至12のうち何れか1に記載の転写画像形成板紙。
- 熱記録方式により、熱溶融性インク層又は熱昇華性染料を受容紙上に転写する画像形成方法を用いて画像形成した転写シートを使用することを特徴とする請求項8乃至12のうち何れか1に記載の転写画像形成板紙。
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