JPH10272899A - 熱転写シート及びそれを用いる再転写方法 - Google Patents

熱転写シート及びそれを用いる再転写方法

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JPH10272899A
JPH10272899A JP9080970A JP8097097A JPH10272899A JP H10272899 A JPH10272899 A JP H10272899A JP 9080970 A JP9080970 A JP 9080970A JP 8097097 A JP8097097 A JP 8097097A JP H10272899 A JPH10272899 A JP H10272899A
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thermal transfer
image
transfer sheet
film
pattern
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JP9080970A
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English (en)
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Yasuo Matsumura
泰男 松村
Satoshi Asai
聡 浅井
Yasuko Tonami
靖子 戸波
Kuniaki Fukuhara
邦昭 福原
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Somar Corp
Original Assignee
Somar Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写プリンターでOHPモード並びに紙モ
ードのいずれでもプリントアウトした場合、鮮明な画像
を形成し、被転写体への転写性に優れ、かつ洗濯後の画
像の劣化などを防止しうる熱転写シートを提供する。 【解決手段】 基材フィルムの片面に、剥離性及び保護
膜形成性を有する抗張力150kg/cm2以上のポリ
エチレン系エマルションの塗布層と、(A)ビカット軟
化点45℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体及び
(B)融点が80〜130℃で、かつ溶融開始温度が4
0〜70℃のワックスから成る熱転写層を順次積層す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱によるインクを
付着させる熱転写プリンターで画像を印字後、アイロン
などの熱供給手段により画像を被転写体に転写すること
ができるシート及びそれを用いる再転写方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、自分で撮った写真や、電子媒体で
提供される画像をコンピューターで加工し、プリンター
などの出力装置によりプリントアウトし、ポスターやカ
レンダーなどを容易に作成するようになってきている。
このプリントアウトに用いられるプリンターとしては、
インクジェットプリンター、レーザープリンター、熱転
写プリンターなどが挙げられる。写真などの画像をプリ
ントアウトする場合は、より写真などの原稿に近いもの
が得られることから主に熱転写プリンターが用いられて
いる。
【0003】この熱転写プリンターは前述のとおり、写
真などの画像が原稿と同様な状態でプリントアウトでき
るため、画像を自分で作成し、作成した画像をシャツや
かばんなどにプリントアウトし、オリジナルのシャツや
かばんなどを作成することが試みられている。この場
合、布地に転写する方法としては、直接熱転写プリンタ
ーでプリントする方法や予め転写シートに鏡像にて画像
を形成し、画像を転写したシートから所望の布地に転写
する方法が挙げられるが、従来使用しているプリンター
をそのまま使用できる点から後者の転写シートを用いる
方法がコスト面からも有用である。
【0004】布地の被転写体への転写をする際に用いら
れる転写シートとしては、次のような一般的な特性が要
求される。 (イ)熱転写プリンターで画像が鮮明に形成できるこ
と。 (ロ)形成した画像が熱供給手段、例えばアイロンなど
で被転写体に容易に鮮明な画像を転写できること。 (ハ)被転写体に転写された画像が退色しにくく、か
つ、洗濯などによりひび割れや剥がれなどの劣化を生じ
ないこと。
【0005】このような要求に対し、(1)転写層が溶
融温度60〜250℃の熱可塑性樹脂、又は該熱可塑性
樹脂及び該樹脂100重量部当り100重量部までの接
着性向上剤からなり、かつ基材の溶融温度が転写層の溶
融温度より20℃以上高いもの(特開平2−24969
2号公報)、(2)基材上に設けられた熱可塑性樹脂を
含有する熱転写層が表面中心線粗さ0.05〜0.5μ
mである熱転写シート(特開平4−187495号公
報)、(3)転写層表面粗さが0.1〜2.5μm、転
写層側の平滑度がベック平滑度200秒以上である転写
シート(特開平5−162469号公報)などが提案さ
れている。
【0006】しかしながら、(1)のものでは、被転写
体に転写後の画像の耐洗濯性、画像再現性が低く、
(2)及び(3)のものでは、熱転写により画像を形成
した際の画像の鮮明性、色再現性が低いという問題があ
り、まだ十分に満足しうるものではなかった。
【0007】さらに最近では、プリンター出力能力、並
びに熱転写インクの改良により、熱転写プリンターを用
いてプリントアウトする際、画像を鏡像で転写する場合
に熱転写プリンターによりOHPに最適なプリントが得
られる方式と通常の紙などに最適なプリントが得られる
方式など、使用するシートによりプリント方式(モー
ド)を変更することにより、そのシートで最適なプリン
トアウトが可能になってきた。このため、熱転写シート
に求められる特性として、OHPモード並びに紙モード
のいずれでも鮮明な画像が得られる熱転写シートが求め
られている。
【0008】しかしながら、OHPモードで使用する場
合と紙モードで使用する場合とでは、熱転写印字ヘッド
からインクリボンに供給する熱量や、インクリボンその
ものが異なるため、両モードで出力した場合、熱転写プ
リンターの特徴を満足させうる画像を形成するのは非常
に困難であり、従来の熱転写シートでは前記転写方式の
両方で鮮明で色再現性に優れる画像を得ることができな
かった。
【0009】さらに、熱転写シートを用いて、被転写体
にパターンを再転写する場合、通常熱転写シートのパタ
ーン形成面とは反対面からアイロンなどの熱供給手段に
よって加熱加圧することにより被転写体にパターンを形
成することができるが、この方法では、熱転写シート上
のパターンは被転写体に転写されるが、パターンと被転
写体との密着性が低く、洗濯性、画像鮮明性が低下する
のを免れなかった。これらの欠点を改善するために、離
型処理された紙の表面にエンボス加工を施したものを用
いて被転写体に形成したパターン上に積層し、前記紙の
上から熱供給手段により再加熱したものが提案されてい
るが、このものを用いた場合、被転写体上のパターンが
識別できないため、不要部分に加熱加圧がなされ、パタ
ーン端などを十分加熱加圧できず、パターンが剥離しや
すくなったり、画像が不鮮明になるという欠点があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱転写プリ
ンターでOHPモードならびに紙モードのいずれでもプ
リントアウトした場合、鮮明な画像を形成し、被転写体
への転写性に優れ、かつ洗濯後の画像の劣化を防止し、
シャツやかばんなどの布地に転写した際、鮮明な画像を
与える熱転写シート、及びそれを用いる再転写方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱転写プ
リンターでOHPモード並びに紙モードでプリントアウ
トした際に、鮮明な画像を形成でき、かつアイロンなど
の熱供給手段により布地に再転写可能な熱転写シートに
ついて、鋭意研究を重ねた結果、基材フィルムの片面に
特定の剥離性及び保護膜形成性を有する層と、特定のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体及び特定のワックスから成
る熱転写層を順次積層した熱転写シートは、熱転写プリ
ンターでの画像印字性及び被転写体に転写した場合でも
鮮明な画像を与え、かつ洗濯などにより転写画像に亀裂
や色の退色などの劣化の発生の少ない転写物を与えるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至っ
た。
【0012】すなわち、本発明は、基材フィルムの片面
に、剥離性及び保護膜形成性を有する抗張力150kg
/cm2以上のポリエチレン系エマルションの塗布層
と、(A)ビカット軟化点45℃以下のエチレン−酢酸
ビニル共重合体及び(B)融点が80〜130℃で、か
つ溶融開始温度が40〜70℃のワックスから成る熱転
写層を順次積層したことを特徴とする熱転写シートを提
供するとともに、前記熱転写シートの転写層に、熱転写
プリンターによりパターンを形成したのち、これをその
パターン面が被転写体の転写すべき面に接するようにし
て積層し、次いで、該熱転写シートのパターン形成面と
は反対側の面から加熱加圧したのち、この温度より低い
温度で熱転写シートの基材フィルムを剥離して被転写体
にパターンを転写後、そのパターン面に仕上げ加工用フ
ィルムを加熱圧着させることを特徴とする再転写方法を
提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写シートにおいて用
いられる基材フィルムとしては、例えば、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
スチレン、アクリル樹脂などのプラスチックフィルムを
挙げることができる。これらのフィルムは膜厚10〜2
50μmのものが適当である。
【0014】この基材フィルムは、片面又は両面に微細
凹凸を設けていてもよく、この微細凹凸を設けることに
より、被転写体への転写後の画像の光沢を低減したり、
プリントアウト時において連続印刷を可能にする。ま
た、表裏の判別が容易になり手で触れただけで印字面が
分かり、正確に印字面にプリントアウトすることがで
き、さらにフィルム間のブロッキングの発生を防止す
る。微細凹凸の形成方法としては、ケイ砂などをエアー
やブレードでフィルム面に当てることによりフィルム面
を粗面化するサンドブラスト法、エッチング液などで化
学的にフィルムを粗面化する方法、有機及び無機フィラ
ーを含有する樹脂をフィルム面にコーティングする方法
などが挙げられる。
【0015】本発明の熱転写シートは、前記基材フィル
ムの片面に、剥離性及び保護膜形成性を有する層と熱転
写層とを順次積層して成るものであって、前者の剥離性
及び保護膜形成性を有する層は、抗張力150kg/c
2以上のポリエチレン系エマルションの塗布層であ
る。抗張力がこの範囲より小さい場合は保護膜としての
機能、例えば洗濯後のしわ防止性が低下するし、抗張力
が150kg/cm2以上のポリエチレン系以外の樹脂
を用いた際には、剥離性の問題、すなわち、剥離性に優
れた樹脂では、熱をかけない時においても、塗布層が基
材から剥離するという問題を生じる。また、ポリエチレ
ン系以外の樹脂で、基材との剥離性が小さすぎる場合は
印字画像を被転写体に転写することができない。以上の
ことから、熱転写層との密着性及び再転写後の保護膜形
成性の点からウレタン変性ポリエチレンが特に好まし
い。
【0016】また、この剥離性及び保護膜形成性を有す
る層は前記抗張力の範囲を満たすものであれば、保護膜
の特性を改善する目的のために、ウレタン樹脂、シリコ
ーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂などを添加することができる。この剥離性及び保
護膜形成性を有する層は、前記樹脂エマルションを基材
フィルム上の片面に常法に従い塗布、乾燥することによ
り、形成することができ、この層の厚さは通常1〜15
μm、好ましくは3〜10μmの範囲である。
【0017】本発明シートにおける熱転写層は(A)ビ
カット軟化点45℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合
体及び(B)融点が80〜130℃でかつ溶融開始温度
が40〜70℃のワックスを用いることにより、熱転写
プリンターでプリントアウトする際、OHPモード及び
紙モードにおいて鮮明な画像を形成し、アイロンなどの
熱供給手段を使用して被転写体への転写においても鮮明
な画像を保持し、洗濯後においても被転写体から剥離な
どの発生を少なくさせることができる。
【0018】前記(A)成分としては、ビカット軟化点
が45℃以下の好ましくは透明性を有するエチレン−酢
酸ビニル共重合体が用いられる。ビカット軟化点が45
℃より高いものでは、アイロン転写時において、被転写
体への転写層の含浸が不充分なため、転写画像が被転写
層から剥離する。また、ビカット軟化点が45℃より高
いエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル基の含
有量が少ないため、OHPモードでの発色性、画像の鮮
明性が低下する。
【0019】このエチレン−酢酸ビニル共重合体は単独
で用いてもよいし、前記ビカット軟化点範囲を満たすも
のであれば、2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体
を組み合わせて用いてもよい。
【0020】前記熱転写層に用いるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体は、発色団として機能するエステル基を含有
し、かつ透明性を有し無色なフィルムを提供することが
できる樹脂であり、他の熱可塑性樹脂ではこのような特
徴を有していない。すなわち、発色団を有する典型的な
樹脂として考えられるポリアミド樹脂(例えばダイマー
酸ポリアミド)では、ダイマー酸の色相が悪くフィルム
が着色するという欠点を生じる。また、無色透明なフィ
ルムを与える樹脂としてポリエチレン系樹脂が挙げられ
るが、マトリックス上に官能基が無いため高画像性が要
求されている本発明用途には適していない。
【0021】次に、(B)成分のワックスは、融点80
〜130℃で、かつ溶融開始温度が40〜70℃のもの
が用いられる。融点がこの範囲より小さいと熱転写時に
おいて印字画像の鮮明性が低下し、所望の画像が得られ
ないし、ブロッキングの発生を防止することができな
い。またこの範囲より大きいと被転写体への含浸性が低
下し、転写後の被転写体との剥離が生じやすい。
【0022】溶融開始温度がこの範囲よりも小さいと、
熱転写シートがブロッキングしやすく、かつ印字の際、
インキが載りすぎ、所望の画像をシート上に形成できな
い。またこの範囲より大きくなると、熱転写プリンター
での印字性、特にOHPモードでの印字性が悪くなり、
所望の画像を得ることができない。
【0023】また、(B)成分は融点及び溶融開始温度
の異なる2種以上のワックスを組み合わせることもで
き、特に(A)成分としてビカット軟化点が35℃以下
のエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合低分子量ワックスを用いることに
より、極性の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体と非極
性なワックスとの相容性が増し画像の印字性を高めるこ
とができる。この(B)成分として用いるワックスは転
写シートのブロッキング性及び画像形成性の点から、好
ましくは、融点85〜125℃、溶融開始温度45〜6
5℃のものである。
【0024】本発明において用いることのできるワック
スとしては、マイクロ・クリスタリン・ワックス(日本
精蝋社製ハイミックス2095並びにハイミックス10
80)、合成ワックス(MICRO POWDERS社
製ポリエチレンワックスMP−12、MP−22XF及
びアライド・シグナル社製ポリエチレンワックスC−1
8、D−18)などのポリエチレンワックスやアライド
・シグナル社製AC−400A並びにAC−405など
のエチレン−酢酸ビニル共重合低分子量ワックスが市販
品として入手可能である。(A)成分との相容性を改善
するためアマイドワックスや変性ワックスなども添加す
ることができる。
【0025】前記(A)成分と(B)成分との配合割合
は、重量比で40:60ないし90:10の範囲が好ま
しい。この範囲より(A)成分が多いと印字性、特にO
HPモードでの印字性が低下するし、この範囲より
(A)成分が少ないと洗濯後の転写膜がもろくなり、亀
裂を生じやすい。印字性及び洗濯後の転写膜の性状の点
から(A)成分と(B)成分とのより好ましい配合割合
は、重量比で50:50〜85:15の範囲である。
【0026】この熱転写層は、前記(A)成分を所定の
割合でまずトルエンなどの溶剤に溶解させたのち、
(B)成分をその溶液に分散させ、固形分濃度10〜3
0重量%程度の転写層形成塗工液を調製したのち、基材
フィルム上に設けられた剥離性及び保護膜形成性を有す
る層の上に、常法に従って塗布、乾燥することにより、
形成することができる。この際、前記塗工液には、従来
慣用されている各種添加剤、例えば界面活性剤、潤滑
剤、安定剤、着色剤などを添加することができる。この
熱転写層の厚さは、通常10〜50μm、好ましくは2
0〜40μmの範囲である。
【0027】本発明の再転写方法では、このようにして
得られた熱転写シートを用いて、コンピュータなどから
熱転写プリンターを用いて熱転写シートの熱転写層に画
像を形成し、この画像部が被転写体に接触するようにし
て画像形成面とは反対側の面からアイロンなどの熱供給
手段により加熱加圧後、熱転写シートの基材を室温付近
まで冷やした後、熱転写シートの基材フィルムを除去す
ることにより被転写体に画像を転写することができる。
【0028】次に、転写画像を被転写体にさらに密着さ
せ、転写画像の鮮明性及び洗濯性を向上させるために、
基材フィルムの片面又は両面に特定の表面粗さを有する
微細凹凸を設けた仕上げ加工用フィルムを、その微細凹
凸面が転写画像に接するようにして積層し、その上から
再度熱供給手段により加熱加圧処理を行い、仕上げ加工
用フィルムを圧着する。
【0029】この仕上げ加工用フィルムは、少なくとも
片面に表面粗さ0.5〜2.0μm程度の微細な凹凸
と、好ましくは透明性を有するものが用いられる。この
表面粗さが上記範囲より小さいと光沢の低下が望めず、
被転写体にフィルムを貼り付けた感じが残り、かつ、被
転写体と転写画像の境目が鮮やかに残り、外観が低下す
るおそれがある。また、この範囲より大きい場合には、
転写画像の一部が仕上げフィルムに再転写することが生
じ、転写画像の鮮明さを大きく低下させる場合がある。
【0030】また、前記仕上げ加工用フィルムは被転写
体に転写された転写画像を正確に短時間で仕上げ加工す
るために透明性を有するものが好適である。このフィル
ムが不透明の場合、転写画像の位置が把握できないた
め、的確な仕上げ加工、特に転写画像の端を正確に仕上
げることが困難であるし、熱供給手段からの熱が転写画
像に均一に伝えることができにくいため、転写画像の退
色並びに画像の鮮明さの保持が困難となるほか、洗濯後
にも剥離しやすくなる。
【0031】このような特性を有する仕上げ加工用フィ
ルムは、その基材フィルムとして、透明性を有するフィ
ルム、例えば、ポリエステル、ポリアミド、アラミド樹
脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ア
クリル樹脂などの透明性を有するプラスチックフィルム
が好ましく挙げられ、特に、熱供給手段からの熱に対す
る耐熱性の点からポリエステル、ポリアミド並びにアラ
ミド樹脂が好ましい。これらのフィルムは、通常厚さ5
0〜250μmの範囲のものが用いられる。
【0032】また、この仕上げ加工用フィルムは、少な
くとも片面に表面粗さ0.5〜2.0μmの微細な凹凸
を形成したものが好適である。この微細凹凸の形成方法
としては、前記基材フィルムの片面又は両面にケイ砂な
どをエアーやブレードで当てることによりフィルム面を
粗面化するサンドブラスト法、エッチング液などで化学
的にフィルムの片面又は両面を粗面化する方法、有機及
び無機フィラーを含有する樹脂をフィルムの片面又は両
面にコーティングする方法などが挙げられる。これらの
中で、製造コストの面からサンドブラスト法による微細
凹凸の形成が最も有用である。
【0033】
【発明の効果】本発明の熱転写シートは、熱転写プリン
ターでOHPモードならびに紙モードのいずれでもプリ
ントアウトした際に、鮮明な画像を形成し、被転写体に
熱供給手段により基材フィルム側から加熱・加圧するこ
とにより、鮮明であって、しかも洗濯や時間の経過によ
り画像部にひび割れや剥離などの劣化が少ない転写物を
与えることができる。
【0034】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、熱転写シートの物性は次の方法
に従って評価した。 (1)印字性:OHPモードの印字性を確認するため、
アルプス電気社製MD−2000Jを使用し、OHP用
インクで印字した。紙モードの印字性には、アルプス電
気社製MD−2300Jを使用し、紙用インクで印字
し、印字部を目視により観察して、以下の基準により評
価した。 ◎…画像が非常に鮮明である。 ○…画像が鮮明である。 △…画像が鮮明ではない。 ×…画像が熱転写層上に乗らず、画像に汚れがある。
【0035】(2)被転写体への転写性:上記(1)に
おいて、画像を形成した熱転写シートに市販の白地Tシ
ャツ(綿100%)に画像面がTシャツに接触するよう
にして画像面とは反対面からアイロンを中温(約130
℃)にて20秒間加圧しTシャツに画像を転写した。こ
の転写シートを室温まで冷やしたのち基材フィルムを剥
がし、基材フィルムの剥がれ具合と転写画像についてそ
れぞれ目視により観察し、以下の基準で評価した。 ○…簡単に剥がれ、基材フィルムに画像が残らず鮮明な
画像である。 ×…剥がれにくく、基材フィルムに画像が残り不鮮明な
画像である。
【0036】(3)仕上げ加工:上記(2)で得た転写
画像つきTシャツに、片面にサンドマット加工されたA
4サイズの100μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(仕上げ加工用フィルム)を転写画像上に置き、
約10秒間中温のアイロンで加熱加圧し、仕上げ加工を
施した。仕上げ加工後の転写画像について目視により観
察し、以下の基準で評価した。 ○…転写画像は鮮明性を保ち、良好な画像である。 ×…転写画像が不鮮明である。
【0037】(4)洗濯後の画像 画像の剥離:上記(3)で得た転写画像つきTシャツ
を洗剤(商品名トップ)を用い12分間洗濯し、脱水5
分、すすぎ6分、脱水5分、すすぎ6分、脱水6分を行
ったのち、自然乾燥した。乾燥後の剥離具合を目視で観
察し、以下の基準で評価した。 ○…剥離しない。 △…部分的に剥離が見られる。 ×…大部分に剥離が見られる。 画像の亀裂:上記(3)で得た転写画像つきTシャツ
を洗剤(商品名トップ)を用い12分間洗濯し、脱水5
分、すすぎ6分、脱水5分、すすぎ6分、脱水6分を行
った後、自然乾燥した。乾燥後の画像の状態を目視で観
察し、以下の基準で評価した。 ○…亀裂が見られない。 △…小さな亀裂が見られる。 ×…大きな亀裂が見られる。
【0038】実施例1 抗張力280kg/cm2を有するウレタン変性ポリエ
チレンエマルションを、膜厚5μmになるように厚さ1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布
し乾燥した。さらに、(A)成分のビカット軟化点36
℃を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体70重量部と
(B)成分の融点119℃、溶融開始温度51℃の合成
ワックス30重量部とトルエン900重量部とからなる
塗工液を調製し35μmの転写層が得られるように積層
して塗布・乾燥させ、A4サイズに裁断して熱転写シー
トを得た。このようにして得た熱転写シートの物性を表
2に示す。
【0039】実施例2〜7、比較例1〜4 実施例1における転写層形成塗工液において、各成分の
配合割合を表1に示すように変え、かつ剥離性及び保護
膜形成性を有する層に表1に示すものを用いた以外は、
実施例1と同様にして熱転写シートを作成した。このも
のの物性を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(注) 1)東邦化学社製、ハイテックS−3148 2)東邦化学社製、ハイテックS−3121 3)昭和高分子社製、AD−910 MP:融点、Ms:溶融開始温度
【0042】
【表2】
【0043】表2から、本発明の実施例1〜7は熱転写
プリンターによる印字性、画像再現性に優れ、かつTシ
ャツへの再転写性及び耐洗濯性に優れていることが分か
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/26 F (72)発明者 福原 邦昭 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの片面に、剥離性及び保護
    膜形成性を有する抗張力150kg/cm2以上のポリ
    エチレン系エマルションの塗布層と、(A)ビカット軟
    化点45℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体及び
    (B)融点が80〜130℃で、かつ溶融開始温度が4
    0〜70℃のワックスから成る熱転写層を順次積層した
    ことを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 (A)成分と(B)成分との配合割合が
    重量比で40:60ないし90:10の範囲にある請求
    項1記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱転写シートの転
    写層に、熱転写プリンターによりパターンを形成したの
    ち、これをそのパターン面が被転写体の転写すべき面に
    接するようにして積層し、次いで、該熱転写シートのパ
    ターン形成面とは反対側の面から加熱加圧したのち、こ
    の温度より低い温度で熱転写シートの基材フィルムを剥
    離して被転写体にパターンを転写後、そのパターン面に
    仕上げ加工用フィルムを加熱圧着させることを特徴とす
    る再転写方法。
  4. 【請求項4】 仕上げ加工用フィルムが、少なくとも被
    転写体のパターン面と接する側の面に表面粗さ0.5〜
    2.0μmの微細凹凸を有するものである請求項3記載
    の再転写方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010535647A (ja) * 2007-08-03 2010-11-25 3ディー トランスファー ペーパー デベロップメント カンパニー リミテッド 機能的3次元発泡タイプ転写紙及びその製造方法
JP2010535646A (ja) * 2007-08-03 2010-11-25 3ディー トランスファー ペーパー デベロップメント カンパニー リミテッド 耐久性が向上された3次元発泡タイプ転写紙およびその製造方法

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