JP3656594B2 - 粉体、液体等の混合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容成分を異にする複数種類の粉体や液体等を混合するための混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学、食品、医薬品等の広い産業分野においては、内容成分を異にする複数種類の粉体や液体等を混合することが行われている。例えば、樹脂粉に安定剤などの配合剤や顔料等を分散混合する場合、無機物と樹脂粉(あるいは樹脂粉や繊維)を分散混合する場合、小麦粉に油脂や香料などを分散混合する場合、ペースト状の樹脂に繊維や無機物を混合混練する場合等々のように各種の粉体相互や液体相互あるいは粉体と液体とを混合することにより製品化のための材料(混合物)を生産している。
【0003】
従来、粉体や液体等の混合のためには、上面を開口した円筒状の混合用ミキサー内に混合すべき粉体や液体等を所定量ずつ入れ、攪拌羽根で攪拌する混合装置が提供されている。
図3は、従来の混合装置の一例を示すものであり、Aは上面を開口した円筒状の混合容器(ミキサー)、Bは攪拌駆動部である。混合容器Aは、攪拌駆動部Bの上方に複数の支持棒や支持板、あるいは円筒体からなる支持部材Cを介して水平に設置した固定台D上に載せ、ボルトやクランプ等の固定具Eを使用して両者を固定してある。
【0004】
攪拌駆動部B上に軸受Fを介して回転可能に立設した攪拌駆動軸Gは、固定台Dと混合容器Aを貫通して混合容器A内に達しており、混合容器A内において駆動軸Gには複数枚の攪拌羽根Hが取り付けてある。尚、固定台Cや混合容器Aと駆動軸Gとの間はシール部材Iによって密封してある。
【0005】
上記の構成において、混合容器A内に混合すべき粉体や液体等を所定量入れ、攪拌羽根Hを回転させて所定の時間混合する。混合容器Aの側面下部には、図4に示すように、排出口Jが形成してあり、常態では排出口Jは開閉弁Kで閉じられている。この開閉弁KはシリンダLに連結してあり、シリンダL操作により開閉弁Jを左右に水平移動させることにより排出口Jは開閉される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように混合容器A内で材料の攪拌、混合が終了すると、混合物は開放した排出口Jを通して図示しない適当な容器に移し替えられる。
混合容器Aは、次の混合作業に備えるために内部を洗浄する必要がある。しかし、混合容器Aは固定台D上に固定してあるので、混合物を排出した後に混合容器A内に付着している残りかすを洗浄する際には、攪拌羽根Hを取り外して混合容器A内に作業員が入り、スクレッパーを使用して残りかすを掻き落とし、ウエスで洗浄していた。しかし、このような人手による洗浄作業では時間を要し、生産プロセス上の問題および作業環境等に問題を有していた。
【0007】
また、混合容器A内を完全に洗浄するためには、混合容器Aを固定台Dから分離し、別の場所で洗浄をすればよいが、シール部材Iは固定台Dを介して混合容器Aの底板と固定してあるので、混合容器Aを固定台Dから外すにはシール部材Iを分解する必要がある。また、洗浄後の混合容器Aを固定台Dに設置するにはシール部材Iを組み込まなければならず、大変な手間と時間を要するものであった。
【0008】
更には、混合容器Aの底板は平面状となっているので、混合物を排出口Jから排出する時、混合物が底板上に多く残り、これを外部に取り出すのは容易ではなく、排出作業に時間を要し、また、残留物による経済的な損失があった。
しかも、混合容器Aと混合物を受け入れる容器は、異なるものであるため兼用することはできなかった。
【0009】
本発明は、上記する従来の粉体や液体等の混合装置の種々の問題点に鑑み、混合容器は固定部に容易に着脱でき、しかも、混合容器には収容容器を連結して反転することにより混合物の移し替えを行って残留混合物を無くし、混合容器や収容容器の清掃を簡単に行うことのできる混合装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記する目的を達成するために本発明混合装置は、容器内に収容した内容成分を異にする種々の粉体や液体等を攪拌羽根により攪拌、混合する混合装置において、混合容器4に収容容器5を着脱可能とした混合部1と攪拌駆動部2とは、反転可能な連結部材14を介して対称に設置するとともに混合部1を構成する混合容器4は連結部材14に設置した固定部19に着脱可能としたものである。
そして、混合部1を構成する混合容器4は、連結部材14に設置した固定部19に対して着脱可能としてある。
また、セラミックス製とした混合容器4と収容容器5とは、片側を開口6、7し、底板8に挿通孔9を形成した円筒体の外周両端に固定片10、11を環状に突設した形状であり、兼用可能としたものである。
更に、混合部1と攪拌駆動部2とは自動的にあるいは手動的に上下反転可能としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明混合装置の全体を示すものであり、この装置は、混合部1と攪拌駆動部2と反転駆動部3とから構成されている。
【0012】
混合部1は、図2に詳細を示すように、粉体や液体を混合処理するための混合容器4と、混合した後の材料(混合物)を受け入れる収容容器5とからなっており、混合容器4と収容容器5とはセラミックスからなっている。
両容器4、5は、片側面を開口6、7した円筒体であり、底板8には挿通孔9を形成するとともに外周両端には固定片10、11を環状に突設した同じ大きさ、同じ形状としたものである。そして、両容器4、5は、混合容器4と収容容器5とに兼用して使用することができ、収容容器5として使用する場合には、前記の挿通孔9には密封用蓋体12を密に嵌め込んで閉じるようにしてある。
【0013】
攪拌駆動部2は、公知のモータを駆動源とするものであり、混合容器4内に設置した攪拌羽根13を回転させ、混合容器4内に入れた内容成分を異にする種々の粉体や液体等を攪拌、混合するものである。
【0014】
混合部1と攪拌駆動部2とは、連結部材14を介して対称位置に設置してある。そして、連結部材14は、前記の反転駆動部3によって反転可能となっている。反転駆動部3は、減速機15と逆転可能なモータ16とからなっており、軸受17に水平に支持した反転軸18はモータ16および減速機15を介して軸心を中心にして左右いずれかに180°反転させられる。
【0015】
前記の連結部材14は反転軸18の先端に固定してあるので、反転軸18とともに反転可能である。従って、図1のように混合作業中(あるいは作業停止中)は連結部材14の上方に位置している混合部1は、混合が終了した後は上下反転して連結部材14の下方に位置することになる。
【0016】
混合部1は連結部材14の上方において固定部19を介して設置してある。この固定部19は、複数の支持棒や支持板、あにいは円筒体からなる固定部材20に固定、分解可能な公知の環状のクランプ21を取り付けたものであり、混合容器1の固定片11はクランプ21間に嵌め入れて固定するようになっている。
【0017】
そして、前記の攪拌駆動部2に直結する攪拌用駆動軸22は混合容器4内に突出させ、この突出した駆動軸22には前記した攪拌羽根13を差し込み、駆動軸22の先端にボルト23を締め付けて攪拌羽根13を固定してある。尚、混合容器4の挿通孔9と駆動軸22との間にはメカニカルシールのような公知のシール部材が設けてあり、このシール部材はクランプ21側に固定してある。
【0018】
本発明は上記の構成であり、次に、粉体や液体等の混合について説明する。
連結部材14上でクランプ21に固定した混合容器4は、上に向けた開口部6を開放し、混合すべき種々の粉体や液体等を適宜の手段により所定量投入しておく。そして、収容容器5の開口部7を下向きにして混合容器4上に載せ、開口部6、7を合わせた状態で公知の環状のクランプ24を使用して上下に相対する固定片10を締め付け、両容器4、5を一体的に固定する。
【0019】
攪拌駆動部2を作動させて駆動軸22を回転させれば、攪拌羽根13によって収容した粉体や液体等は攪拌、混合される。所定の時間経過して充分に混練した後、攪拌を停止し、反転駆動部3のモータ16および減速機15を作動させて混合部1と攪拌駆動部2との上下位置関係を反転させる。
【0020】
この反転操作によって混合容器4内で混合された材料(混合物)は、反転途中から徐々に収容容器5内に流れ込み、必要な時間、収容容器5が最も下方に位置した状態を維持すれば全ての混合物は収容容器5内に移し替えられる。尚、収容容器5の挿通孔9に嵌め込んだ密封用蓋板12は、きつく締めこんであるので、混合物の重さで抜けることはない。
【0021】
混合作業中の攪拌駆動部2(混合後の反転した収容容器5)の下方には、上下に伸縮可能とした支持台25が設置してあるので、この支持台25を上昇させて収容容器5を下方から支持し、クランプ24を外して収容容器5を支持台25上に残して支持台25を下降させ、混合容器4は上方に反転させる。
【0022】
その後、ボルト23を外して攪拌羽根13を駆動軸22から抜き取り、クランプ21を解除して混合容器4を取り外し、混合容器4は清掃のために他の場所へ移せばよい。そして、クランプ21にはすでに清掃してある新しい混合容器4を設置し、また、混合容器4には清掃した収容容器5を連結して次の混合作業に備えればよい。
【0023】
攪拌駆動部2の作動、停止、反転駆動部3の作動、停止等の一連の作業は、図示しない制御部によって制御することにより自動的に処理することができる。しかし、混合部1と攪拌駆動部2との反転操作は、反転駆動部3により機械的に行う必要はなく、減速機15やモータ16を使用することなく、反転軸18に反転用アームを突設し、このアームを手動によって回動させて混合部1と攪拌駆動部2とを反転するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明した本発明によれば、混合部1は同じ形状の容器を使用して混合容器4と収容容器5とし、常態では混合容器4の上方に収容容器5を分解可能に連結し、下部の攪拌駆動部2によって攪拌羽根13を回転させて混合容器4内の粉体や液体等を攪拌、混合することにより内容成分を異にする複数種類の粉体や液体等の混合が可能である。そして、混合容器4と収容容器5とはセラミックス製とすることにより、例えば、腐食製を有する粉体や液体等の混合処理をするのに最適である。
【0025】
混合部1と攪拌駆動部2とは反転駆動部3によって上下反転可能であるから、混合作業が終了した後、反転させることにより収容容器5と混合容器4とは徐々に上下を逆転するので、混合容器4内の混合物は収容容器5内に自然に流れ落ち、収容容器5が最も下方に位置した時、全ての混合物は収容容器5内に移し替えられることになる。従って、混合容器4内には僅かの量が残るので、収容容器5を混合容器4から取り外し、例えば、混合容器4内の残り分をヘラで掻き落として収容容器5内に入れ、その後、収容容器5のみを混合物の処理場に移送すればよい。
【0026】
攪拌羽根13を駆動軸22から抜き取り、クランプ21を解除することにより混合容器4は固定部19から取り外すことができるので、混合容器4の固定、取り外しを簡単に行うことができる。そして、混合容器4内には材料の残りかすが少ないので、内部の洗浄作業も短時間で容易に行うことができる。
【0027】
しかも、混合のための容器4と、混合物を受け入れるための容器5とは同じ大きさ、同じ形状としてあるために相互に兼用することができ、混合容器4と収容容器5と分けて使用する必要がないので、管理が容易であり、また、混合容器4、収容容器5としての組み立てを簡単に行うことができる。更に、混合中、混合容器4の開口部6は収容容器5によって閉じられた状態であるので、混合中の材料が外部に飛び散ることがなく、材料を無駄にすることがない。
また、混合容器4と収容容器5とを簡単に分解できるので、内部全体の洗浄を完全に行うことができ、内容成分の汚れや汚滓等の付着を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明混合装置の一実施形態を示す全体の正面図である。
【図2】混合部の詳細を拡大して示す正面から見た断面図である。
【図3】従来の混合装置の一例を示す要部の断面図である。
【図4】従来の混合装置において使用する混合物の排出口の断面図である。
【符号の説明】
1 混合部
2 攪拌駆動部
3 反転駆動部
4 混合容器
5 収容容器
6 開口部
7 開口部
8 底板
9 挿通孔
10 固定片
11 固定片
12 密封用蓋体
13 攪拌羽根
14 連結部材
15 減速機
16 モータ
17 軸受
18 反転軸
19 固定部
20 支持部材
21 クランプ
22 駆動軸
23 ボルト
24 クランプ
25 支持台
Claims (5)
- 容器内に収容した内容成分を異にする種々の粉体や液体等を攪拌羽根により攪拌、混合する混合装置において、混合容器4に収容容器5を着脱可能とした混合部1と攪拌駆動部2とは、反転可能な連結部材14を介して対称に設置するとともに混合部1を構成する混合容器4は連結部材14に設置した固定部19に着脱可能としたことを特徴とする粉体、液体等の混合装置。
- 混合容器4と収容容器5とは、片側を開口6、7し、底板8に挿通孔9を形成した円筒体の外周両端に固定片10、11を環状に突設した形状であり、兼用可能としたことを特徴とする請求項1に記載する粉体、液体等の混合装置。
- 混合容器4と収容容器5とはセラミックス製としたことを特徴とする請求項1、2に記載する粉体、液体等の混合装置。
- 混合部1と攪拌駆動部2とは自動的に上下反転可能としたことを特徴とする請求項1、2に記載する粉体、液体等の混合装置。
- 混合部1と攪拌駆動部2とは手動的に上下反転可能としたことを特徴とする請求項1、2に記載する粉体、液体等の混合装置。
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