JP3656234B2 - 食品素材または食品及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は食品素材または食品及びそれらの製造方法に関する。
更に詳しくは、食品として活用範囲が限られた雑穀を有効的に利用でき、且つ、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させたものに関する。
また、食物繊維に富む雑穀の殻も美味しく一緒に食すことができるものに関する。
更に、アラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぎながら、アラニンとγ−アミノ酪酸をより多く富化させたものに関する。
また更に、粒を大きくして飲みやすくしたものに関する。
【0002】
【従来技術】
近年、健康志向の観点から、アワ、キビ、ヒエ、ハトムギ、ソバ等の各種の雑穀が注目されている。雑穀には、ビタミン・カリウム・タンパク質・鉄・カルシウム等の様々な栄養素が豊富に含まれている。雑穀の食し方としては、少量の雑穀を米に混ぜて一緒に炊き込み、米と共に食す方法が提案されている。
【0003】
ところで、近年、塩分の過剰摂取等から起きる高血圧症が問題なっており、血圧降下作用を有する物質であるγ−アミノ酪酸(GABA(ギャバ)とも称される)が注目されている。γ−アミノ酪酸は、血圧降下作用の他、脳の代謝促進作用も有し、初老期精神障害の改善等にも効果があると言われている。このようなことから、γ−アミノ酪酸を多く含有する食品が検討されており、米の胚芽を水に浸漬させてγ−アミノ酪酸を富化させる方法(特許文献1参照)や、玄米を発芽させてγ−アミノ酪酸を富化させる方法(特許文献2参照)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2590423号公報
【特許文献2】
特許第3137615号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、雑穀には様々な栄養素が豊富に含まれ、健康食品として有用な素材であるが、雑穀には独特の苦みやえぐみがあるため、上記したように、米に混ぜて一緒に食すような極めて限られた利用方法しかなく、他に食品としての有効な活用方法がなかった。
【0006】
そこで本発明者は、健康食品としての付加価値を高めるべく、玄米を発芽させてγ−アミノ酪酸を富化させる方法(特許文献2参照)に着目し、まず代表的な雑穀であるアワのγ−アミノ酪酸の富化について鋭意研究を進めた。その結果、アワを発芽させることによって、玄米と同様にγ−アミノ酪酸を富化させることができ、更に驚くべきことに甘みや旨味成分であるアラニンの含有量までもが高まり、これによってアワ独特の苦みやえぐみが緩和されることを知見した。
【0007】
更に、アワ以外のキビ、ヒエ、ハトムギ、ソバ等の他の雑穀についても検討を進めた結果、同様に発芽させることによって、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることに成功した。
【0008】
また、発芽させた雑穀について更に検討を重ねた結果、発芽させた雑穀を粉末状にして煎るかまたは煎って粉末状にすることで、食物繊維に富む雑穀の殻も美味しく一緒に食すことができることを知見した。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。
【0009】
(発明の目的)
本発明の目的は、食品として活用範囲が限られた雑穀を有効的に利用でき、且つ、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させた食品素材または食品及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、食物繊維に富む雑穀の殻も美味しく一緒に食すことができる食品素材または食品及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、アラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぎながら、アラニンとγ−アミノ酪酸をより多く富化させた食品素材または食品の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、粒を大きくして飲みやすくした食品素材または食品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類を原料とし、それらの殻も一緒に食すことができるようにした食品素材または食品であって、
上記雑穀または穀類は、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化すべく殻がついた状態で栽培液に浸漬して発芽させ、更に富化したアラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐべく芽の長さが2mm以下のときに栽培液から取り出し強制的に乾燥させて発芽を止めたものであり、
更に発芽させた二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類は所要の配合比で混合してあると共に粉末状にして煎られたものであることを特徴とする、
食品素材または食品である。
【0011】
第2の発明にあっては、
二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類を原料とし、それらの殻も一緒に食すことができるようにした食品素材または食品の製造方法であって、
アラニンとγ−アミノ酪酸を富化すべく雑穀または穀類を殻がついた状態で栽培液に浸漬して発芽させる工程と、
富化したアラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐべく芽の長さが2mm以下のときに栽培液から取り出し強制的に乾燥させて発芽を止める工程と、
発芽を止めた二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類を所要の配合比で混合し、粉末状にして煎る工程と、
を含むことを特徴とする、
食品素材または食品の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る食品素材または食品は、雑穀または雑穀を含む穀類を発芽させることで、発芽させていないものに比べ、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させたものである。
【0018】
本明細書で「雑穀」の用語は、米(白米・赤米・黒米(玄米)を含む)と麦(大麦・小麦・ハダカムギ・ライムギ・エンバク・もち麦を含む)以外の穀類(穀物)を指称している。
【0019】
雑穀としては、例えば、アワ(モチアワ等も含む)、キビ(モチキビ等も含む)、ヒエ、ハトムギ、ソバ、アマランサス、キヌア(キノアとも称される)、トウモロコシ、小豆(金時小豆も含む)や大豆等の豆類、ゴマ等を挙げることができる。
【0020】
雑穀または雑穀を含む穀類は、発芽させる前に例えば選別機を使用して小さな石を取り除いたり、ネットなどに入れて水洗いし埃を取り除く処理等の前処理を行っておくことが望ましい。
【0021】
雑穀または雑穀を含む穀類を発芽させる際は、雑穀または雑穀を含む穀類を水等の栽培液に浸漬させる。雑穀または雑穀を含む穀類を発芽させることによって、甘みや旨味を呈するアラニンと、血圧降下作用や脳の代謝促進作用など医学的効果があるγ−アミノ酪酸の含有量が増加する。
【0022】
栽培液としては、水だけを使用することもできるし、水に養分を含ませたものを使用することもできる。
【0023】
発芽は、殻がついたまま行うこともできるし、殻を除いた状態で行うこともできる。ただし、殻を除いた状態で発芽させるよりも、殻をつけたまま発芽させる方が、アラニンとγ−アミノ酪酸をより富化させることができることを確認した。よって、食品素材または食品として殻を除いた状態で使用する場合は、殻をつけたまま雑穀または雑穀を含む穀類を発芽させ、その後、殻を取り除くことが望ましい。
【0024】
富化するアラニンはアミノ酸の一種であり、アラニンを富化させることで、甘みや旨味が増し、雑穀独特の苦みやえぐみが緩和される。これにより、雑穀を使用した食品素材または食品でも、美味しく食すことができる。
【0025】
γ−アミノ酪酸は、動物の脳中に遊離の状態で多く存在しており、神経の主要な抑制性伝達物質と考えられている。γ−アミノ酪酸は、神経抑制作用や精神安定作用などの機能を有しており、血圧降下作用や脳の代謝促進作用の他、動脈硬化の予防(生活習慣病の予防)、二日酔い防止、皮膚の老化防止などの効果もある物質として注目されている。よって、発芽させた雑穀または雑穀を含む穀類を用いることで、製造後の食品素材または食品にγ−アミノ酪酸を多く蓄積でき、結果的に上記したような医学的な効果が期待できる。
【0026】
雑穀または雑穀を含む穀類の浸漬条件としては、アラニンとγ−アミノ酪酸の含有量が最も多くなるような液温、浸漬時間、pHであれば、特に限定するものではない。例えば液温は0〜50℃で、浸漬時間は1〜48時間、pHは2.5〜7.5である。
【0027】
水等の栽培液に浸漬後、アラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量が低下しないように、雑穀または雑穀を含む穀類を乾燥して発芽を止める。発芽の目安は、芽の長さ2mm以下であり、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.1〜0.5mmである。
芽が伸びすぎると、発芽するための成分(エネルギー)として、アラニンとγ−アミノ酪酸が消費され、その含有量が減っていくので好ましくない。
また、アラニンとγ−アミノ酪酸は水溶性であるため、雑穀または雑穀を含む穀類を長時間栽培液に浸漬させておくと、アラニンとγ−アミノ酪酸が栽培液に溶け出し、その含有量が減る恐れがあるので、芽が出たら栽培液から直ちに取り出し乾燥させることが望ましい。
【0028】
本発明に係る食品素材または食品は、雑穀または雑穀を含む穀類の一部または全部に殻がついている上記の食品素材または食品から得られ、粉末状であり、煎られている。
【0029】
本発明に係る食品素材または食品では、上記の通り、雑穀または雑穀を含む穀類の一部または全部に殻がついている食品素材または食品を使用している。即ち、雑穀の一部または全部、あるいは雑穀以外の穀類の一部または全部が殻がついたものも使用することもできる。また、雑穀に殻がついたものを使用しなくても、雑穀以外の穀類に殻がついていれば良く、逆に雑穀以外の穀類に殻がついたものを使用しなくても、雑穀に殻がついていれば良い。
殻には、セルロース、リグニン等の有用な食物繊維が含まれている。よって、本発明に係る食品素材または食品を食せば、現代人の食生活に不足しがちな食物繊維を効果的に摂取できる。
【0030】
雑穀または雑穀を含む穀類を発芽させて得られた食品素材または食品は、粉末状にして煎る(焙煎する)、煎って粉末状にする、または煎って粉末状にし更に煎ることにより、食物繊維に富む雑穀の殻も美味しく一緒に食すことができる食品を得ることができる。
【0031】
上記した食品素材または食品は、発芽処理から例えば以下のような一連の作業手順を経て得られる。
まず、上記したように、雑穀を含む穀類を水等の栽培液に浸漬して発芽させた後、穀類を乾燥させる。
この浸漬直後の乾燥方法としては、アラニンとγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐため、自然乾燥が望ましい。
自然乾燥後、更に強制的な乾燥処理(人工乾燥)により、雑穀または雑穀を含む穀類を比較的短時間で確実に乾燥させる。この強制的な乾燥処理により発芽を確実に止め、アラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐ。また、水分の残存によるカビの発生や腐敗を防止する。
【0032】
強制的に乾燥させる方法としては、雑穀または雑穀を含む穀類を釜などで焙煎したり(煎ったり)、乾燥機を使用したりする方法が挙げられる。
雑穀または雑穀を含む穀類を焙煎して乾燥させる場合は、製品後の殻の苦みが減って、より香ばしくなる。
【0033】
以上のようにして処理した、雑穀または雑穀を含む穀類を所要の配合比で、バランスよく配合する。その後、所要の配合比で得られた雑穀または雑穀を含む穀類を粉砕機等によって粉末状にする。
【0034】
粉末状にした雑穀または雑穀を含む穀類は、釜などで焙煎される。これにより、雑穀または雑穀を含む穀類の内部(胚乳)まで香ばしく煎られる。
焙煎の条件は、特に限定するものではないが、例えば温度が約200℃で、時間が約15〜40分である。
【0035】
焙煎時間の調整により、雑穀または雑穀を含む穀類内の水分含有量を調節することができる。例えば、焙煎時間を長くすることで、製品後の食品素材または食品に含まれる単位重量当たりの水分量を減らすことができる。よって、より少ない量で食品素材または食品の有効成分を摂取することができる。
【0036】
焙煎した粒状の雑穀または雑穀を含む穀類は、飲みやすいように、造粒して粒を大きく(顆粒状)することが望ましい。
【0037】
以上のようにして得られる粉末状の食品素材または食品は、そのまま水や白湯と一緒に食すこともできるし、コーヒーやミルクに混ぜて食すこともできる。また、例えばお好み焼きや天ぷらなどの料理や、パンやクッキーなどのお菓子類に混ぜて食すこともできる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
[実施例1]
発芽させたモチアワ(以下、「発芽モチアワ」という)と、発芽させていないモチアワについて、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を測定した。なお、モチアワは殻をつけたままのものを用いた。
【0040】
以下、その説明をする。
具体的には、殻がついたままのモチアワを水洗い後、定温水槽に移し、水温30℃で2時間保持することで、2mm以下の芽の長さに発芽させた。
【0041】
得られた発芽モチアワを水槽から取り出し、直ちに50℃の乾燥機で乾燥させて発芽を止めた。次いで高速粉砕機(サイクロンミル、UDY社製)で粉砕し、直径0.5mmの微細孔を有するステンレス網を通過させ、粉末を得た。この粉末1gを容積30mLの遠心用ポリエチレン瓶に採取し、蒸留水5mL、16%トリクロロ酢酸5mLを加えて、終濃度8%トリクロロ酢酸溶液とした。
【0042】
これに、超音波発生機(ブランソンB−42S、ブランソン器機社製)で2分間の超音波処理を行った後、冷却遠心機(インバーターマイクロ冷却遠心機、久保田製作所製)により、10000rpmで5分間の遠心処理を行った。
【0043】
更に、その上澄み液をシリンジフィルター(アドバンテック0.45μmフィルター、トーヨーろ紙社製)で濾過して2mLバイアル瓶に移した。これを高速アミノ酸アナライザー(HITACHI L-8500、日立製作所製、生体液分析法、イオン交換カラムNo.855-3503)にセットして、遊離アミノ酸含有量を自動分析した。
【0044】
標準液は、アラニン及びγ−アミノ酪酸を含む濃度既知の40種のアミノ酸混合標準液を用いた。このうち、アラニンは分析開始から約32.2分後のピーク、γ−アミノ酪酸は約62.8分後のピークに検出され、そのピーク面積比で、試料中のアラニン及びγ−アミノ酪酸の含有量を算出した。
【0045】
他方、対照である発芽させていないモチアワについても、上記した方法と同様にして試料を作成し、アラニン及びγ−アミノ酪酸の含有量を分析した。分析条件等も上記と同じである。
【0046】
表1に、発芽させていないモチアワと発芽させたモチアワの分析結果をそれぞれ示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1の結果から明らかなとおり、モチアワを発芽させることにより、甘みや旨味成分であるアラニンと、血圧降下作用や脳の代謝促進作用などに効果があるγ−アミノ酪酸を富化させることができた。
【0049】
[実施例2]
モチアワから殻を取り除いた後、実施例1と同様にして発芽させて発芽モチアワを得た。この発芽モチアワを実施例1と同じ手順で試料にし、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を測定した。
また、殻を取り除いたモチアワを発芽させないで同様に試料にし、同じく、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を測定した。その結果を表2に示す。
なお、後述する実施例3〜実施例6についても、実施例1と同じ方法で発芽させ、アラニンとγ−アミノ酪酸を測定した。
【0050】
【表2】
【0051】
表2の結果から明らかなとおり、殻を取り除いた状態でモチアワを発芽させた場合でも、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができた。ただし、本実施例2と比べ、殻をつけたまま発芽させた実施例1(表1参照)の方がアラニンとγ−アミノ酪酸の増加が著しい。
【0052】
これは、殻を取り除くのと同時に、発芽に必要な胚芽までもが少なからず取り除かれるため、発芽によって増加するアラニンとγ−アミノ酪酸が何らかの影響を受けたものと推察される。このことから、食品素材または食品として殻を取り除く必要がある場合は、発芽させた後に殻を取り除く作業を行うことが望ましい。
【0053】
[実施例3]
発芽させたヒエについて、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を測定した。測定は、殻をつけた状態で発芽させたものと発芽させていないもの、殻を取り除いた状態で発芽させたものと発芽させていないものの、計4種類行った。その結果を表3及び表4に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
表3及び表4の結果から明らかなとおり、ヒエを発芽させることによりアラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができた。
【0057】
なお、表4に示す殻を取り除いた場合においては、実施例2のモチアワ(表2参照)に比べ、アラニンとγ−アミノ酪酸の増加率はそれ程高くない。この理由は定かではないが、モチアワに比べ、ヒエの方が殻を取り除く際に胚芽が取れやすいためだと思われる。
【0058】
[実施例4]
発芽させた大麦について、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を測定した。測定は、殻をつけた状態で発芽させたものと発芽させていないもの、殻を取り除いた状態で発芽させたものと発芽させていないものの、計4種類行った。その結果を表5及び表6に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
表5及び表6の結果から明らかなとおり、大麦を発芽させることにより、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができた。
【0062】
[実施例5]
発芽させたモチキビについて、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を測定した。測定は、殻をつけた状態で発芽させたものと発芽させていないもの、殻を取り除いた状態で発芽させたものと発芽させていないものの、計4種類行った。その結果を表7及び表8に示す。
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
表7及び表8の結果から明らかなとおり、モチキビを発芽させることによりアラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができた。
【0066】
[実施例6]
発芽させたハトムギについて、穀実内に含まれるアラニンとγ−アミノ酪酸の量を以下のように測定した。測定は、殻をつけた状態で発芽させたものと発芽させていないもの、殻を取り除いた状態で発芽させたものと発芽させていないものの、計4種類行った。その結果を表9及び表10に示す。
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
表9及び表10の結果から明らかなとおり、ハトムギについて、発芽させることによりアラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができた。
【0070】
また、ソバ、アマランサス、キヌア、トウモロコシ、小豆、ゴマについても、上記実施例と同様に発芽させてアラニンとγ−アミノ酪酸の測定を行った結果、発芽させることにより、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができた。
【0071】
[実施例7]
モチアワ、ヒエ、モチキビ、トウモロコシ、赤米、ソバ、ハトムギ、大麦の8種類を用い、以下のようにして、米と一緒に炊飯して食せる新規な食品素材を得た。
【0072】
雑穀を含む各穀類は、種類ごとに以下のような前処理を行った。
まず、殻がついた各穀類を選別機に数回かけ、小石やゴミなどを取り除いた。次に、ネットに雑穀を10kgずつ入れ、タンク内で水洗いした。水洗い後、各穀類を水に浸漬し、2mm以下の芽の長さに発芽させた。浸漬条件は、水温が0〜50℃、浸漬時間が約15分〜48時間である。
【0073】
次いで、発芽させた各穀類(以下、「発芽穀類」という)の殻を脱穀機を用いて取り除いた。殻を除いた各発芽穀類を所要の配合比で混合し、目的とする食品素材(実施例7)を得た。
【0074】
また、実施例7と同じ種類の各穀類(雑穀を含む)を、発芽させないで殻を除き、同じ比率で混合して比較例1とした。
【0075】
以上のようにして得られた食品素材(実施例7及び比較例1)をそれぞれ米と一緒に炊飯して官能試験を行い、発芽させたものと発芽させないものとで味覚的な評価にどのような違いが生じるかを検討した。試験条件は以下のとおりである。
【0076】
常法により、米と食品素材をそれぞれ水洗いし、米2合に対し食品素材1合の割合で両者を混ぜ(1合は180.39cm3)、1時間ほど水に浸けておいた。その後所要の水の量で家庭用電気炊飯器にセットし炊飯した。比較例についても同様である。なお、米は大分県産の「ヒノヒカリ」を使用した。
【0077】
成人男子15名、成人女子15名の合計30名からなるパネラーにより、甘みと旨味を含めた全体的なコク味と、雑穀独特の苦みやえぐみの比較で評価した。その結果を表11に示す。
【0078】
【表11】
【0079】
表11の結果から、発芽穀類を含む実施例7の食品素材は、比較用の食品素材(比較例1)に比べ、甘みと旨味を含めたコク味が強められており、雑穀独特の苦みやえぐみが緩和されていることが分かった。
【0080】
[実施例8]
モチアワ、ヒエ、モチキビ、黒米、赤米、ソバ、ハトムギ、大麦の8種類を用い、以下のようにして、粉末状で、且つ、煎られた新規な食品を得た。
【0081】
穀類は、種類ごとに以下のような前処理を行った。
まず、各穀類を選別機に数回かけ、小石やゴミなどを取り除いた。次に、ネットに雑穀を10kgずつ入れ、タンク内で水洗いした。
【0082】
水洗い後、各穀類を水に浸漬し、2mm以下の芽の長さに発芽させた。浸漬条件は、水温が25〜30℃、浸漬時間が約20〜24時間である。
【0083】
浸漬後、各穀類を取り出して脱水し、約10分間自然乾燥した。続いて約200℃の釜で14分間焙煎して発芽を確実に止め、前処理を終えた。
【0084】
以上のような前処理の後、上記8種類の穀類を所要の配合比で混合し、粉砕機によって粉末状にした。
【0085】
続いて、約200℃の釜で15分間焙煎を行った。焙煎後、常法により飲みやすいように粒を大きくて顆粒状とし、目的とする食品(実施例8)を得た。
【0086】
また、実施例8と同じ種類の各穀類(雑穀を含む)を、発芽させないで同様に粉末にして焙煎し、比較例2とした。
【0087】
以上のようにして、発芽穀類から得られた食品(実施例8)と、発芽させていない雑穀から得られた食品(比較例2)とを、それぞれ直接食し、発芽させたものと発芽させないものとで味覚的な評価にどのような違いが生じるかを比較検討した。試験条件は以下のとおりである。
【0088】
成人男子15名、成人女子15名の合計30名からなるパネラーにより、甘みと旨味を含めた全体的なコク味、雑穀独特の苦みやえぐみの比較で評価した。その結果を表12に示す。
【0089】
【表12】
【0090】
表12の結果から、発芽穀類から得られた実施例8の食品は、比較用の食品(比較例2)に比べ、甘みと旨味を含めたコク味が強められており、雑穀独特の苦みやえぐみが緩和されていることが分かった。また、焙煎によって殻の苦さもほとんど無くなり、逆に香ばしさが引き立っておいしく食すことができた。更に、殻も細かく潰されているので、殻特有のざらっとした違和感も無かった。
【0091】
表13に、発芽穀類から得られた食品(実施例8)の100g当たりの成分分析結果を示す。また比較例3として、米と一緒に混ぜて炊くために使用される、未焙煎で殻が取り除かれた雑穀の成分分析結果も合わせて示す。
【0092】
【表13】
【0093】
発芽穀類から得られた食品(実施例8)は、殻がついた穀類をそのまま原料としているので、表13から明らかなように、食物繊維の含有量が高い。よって、食物繊維を多く含んだ健康食品として有用である。
【0094】
また、発芽穀類から得られた食品(実施例8)は、焙煎によって水分が蒸発することにより、比較例3に比べ、水分含有量が低い。そして、水分が少ない代わりに、三大栄養素の一つである炭水化物の含有量が多くなっている。よって、比較例3と比べ、より少ない摂取量で効果的な栄養補給が可能である。
【0095】
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。
【0096】
【発明の効果】
(a)本発明によれば、雑穀または雑穀を含む穀類を発芽させることで、発芽させていないものに比べ、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させることができる。アラニンを富化させることで、甘みや旨味が増し、雑穀独特の苦みやえぐみが緩和される。よって、雑穀を使用した食品素材または食品でも、美味しく食すことができる。このように、本発明によれば、食品として活用範囲が限られた雑穀を有効的に利用でき、且つ、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化させた新規な食品素材または食品を得ることができる。
【0097】
(b)特に発芽した芽の長さを2mm以下としたものは、アラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐことができ、アラニンとγ−アミノ酪酸をより多く食品素材または食品に富化させることができる。
【0098】
(c)雑穀または雑穀を含む穀類の一部または全部に殻がついている食品素材または食品から得られ、粉末状で、且つ、煎られているものは、食物繊維に富む雑穀の殻も美味しく一緒に食すことができる。
【0099】
(d)食品素材または食品の製造工程において、栽培液に浸漬して発芽させた雑穀または雑穀を含む穀類を栽培液から取り出した後、乾燥して発芽を止めることにより、アラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐことができる。
【0100】
(e)また製造過程において、粉末状にして煎った食品素材を顆粒状に形成すれば、粒が大きくなって飲みやすい食品素材または食品を得ることができる。
Claims (2)
- 二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類を原料とし、それらの殻も一緒に食すことができるようにした食品素材または食品であって、
上記雑穀または穀類は、アラニンとγ−アミノ酪酸を富化すべく殻がついた状態で栽培液に浸漬して発芽させ、更に富化したアラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐべく芽の長さが2mm以下のときに栽培液から取り出し強制的に乾燥させて発芽を止めたものであり、
更に発芽させた二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類は所要の配合比で混合してあると共に粉末状にして煎られたものであることを特徴とする、
食品素材または食品。 - 二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類を原料とし、それらの殻も一緒に食すことができるようにした食品素材または食品の製造方法であって、
アラニンとγ−アミノ酪酸を富化すべく雑穀または穀類を殻がついた状態で栽培液に浸漬して発芽させる工程と、
富化したアラニンまたは/及びγ−アミノ酪酸の含有量の低下を防ぐべく芽の長さが2mm以下のときに栽培液から取り出し強制的に乾燥させて発芽を止める工程と、
発芽を止めた二種類以上の雑穀または雑穀を含む穀類を所要の配合比で混合し、粉末状にして煎る工程と、
を含むことを特徴とする、
食品素材または食品の製造方法。
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