JP3655843B2 - 折りたたみ扉の取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折りたたみ扉を壁面等に設けた扉開口に開閉自在に取付ける折りたたみ扉の取付構造に関する発明であり、詳しくは、扉開口に配置したレール部材に走行自在にした折りたたみ扉のランナを上記レール部材の適所に位置決め固定する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、扉開口に折りたたみ扉を開閉自在に取付けた折りたたみ扉の取付構造としては、折りたたみ扉のランナ3を扉開口に配設したレール部材2に走行自在に装着すると共に、折りたたみ扉の幅方向の一端に配置したランナ3を上記レール部材2の長手方向の一端に枢支したものがあり、上記ランナ3を上記レール部材2に枢支させる構造としては、図8に示すように、レール部材2の長手方向の一端に近傍にストッパ1’を装着し、折りたたみ扉のランナ3のランナ軸3aや折りたたみ扉のピポット軸(図示せず)をレール部材2の長手方向の一端とストッパ1’との間に位置させたものがある。
【0003】
このストッパ1’のレール部材2への装着作業としては、まず、図9(a)に示すようにストッパ1’のストッパ板4から突設した挿入ブロック16をレール部材2内に挿入する作業を行う。ここで、ストッパ1’の挿入ブロック16には、長辺をレール部材2の開口幅よりも長くすると共に、短辺をレール部材2の開口幅よりも短くして形成した矩形状の固定板(図示せず)が上下移動可能に配置されている。なお、この挿入ブロック16をレール部材2内に挿入する際には、上記固定板の1対の短辺をレール部材2の開口幅方向に合わせると共に、1対の長辺をレール部材2の長手方向に合わせて行わせている。
【0004】
次に、上記レール部材2に配置したストッパ1’を挿入ブロック16を中心とするように1/4回転させる作業を行う。このとき、固定板もストッパ1’と共に回転されるものであり、固定板の長辺がレール部材2の開口の幅方向に亘るように位置されるものである。
【0005】
最後に、ストッパ板4を貫挿した止めねじ6を回転させる作業を行う。ここで、上記止めねじ6はその先端に上記固定板を螺合しており、止めねじ6を締めつけ方向に回転させることで固定板がストッパ板4に近接するようになっている。こうして、レール部材2の開口の両縁のリップ片14を上記固定板とストッパ板4とで上下に挟持し、ストッパ1’をレール部材2に装着するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このストッパ1’のレール部材2への装着作業では、ストッパ1’の挿入ブロック16のレール部材2内への挿入、ストッパ1’の回転、止めねじ6の回転、といった3段階の作業で行われるものである。これは、作業工程数が多く作業の煩雑さを招き、また、ストッパ1’そのものを回転させてひねった状態にある一方の手で上記ストッパ1’を保持して他の手で止めねじ6の締め付けを行うといった作業を上記作業を行う施工者に課するものであって、上記施工者に負担がかかる作業であって、特に、ストッパ1’を上レール部材2aに装着するといった高い位置での作業においてはその負担は大きくなるものであった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ストッパのレール部材への装着作業の施工性を向上させ、ひいては、折りたたみ扉のランナをレール部材に枢支させる施工作業の施工性を向上させる折たたみ扉の取付構造を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る折りたたみ扉の取付構造は、折りたたみ扉のランナ3を走行自在に支持するレール部材2の開口の両縁にリップ片14を突設し、折りたたみ扉のランナ3の走行を止めるストッパ1のストッパ板4を両リップ片14間に亘るようにレール部材2の外面に当接し、レール部材2内に固定板7を配置すると共にストッパ板4に回転自在に挿通した止めねじ6を上記固定板7に螺合し、上記固定板7の回転位置により固定板7を両リップ片14間に挿通し得る幅の部分を有すると共に両リップ片14に係止する係止部を有し、固定板7へ止めねじ6の螺合を止めねじ6と固定板7が供廻りする螺合状態とし、止めねじ6の回転により固定板7の係止部がリップ片14に係止し得る位置まで固定板7が供廻りしたときに固定板7の回転を止める阻止部8をストッパ板4に設けてなることを特徴とする。これにより、固定板7にはレール部材2の両リップ片14間に挿通し得る幅の部分を備えていることから、ストッパ板4をレール部材2の両リップ片14間に亘るようにレール部材2の外面に当接させると共にレール部材2内に上記固定板7を配置させることができ、また、ストッパ板4に回転自在に挿通させた止めねじ6が固定板7に螺合し、上記螺合が止めねじ6と固定板7が供廻りする螺合状態であり、止めねじ6の回転により固定板7の係止部がリップ片14に係止し得る位置まで固定板7が供廻りしたときに固定板7の回転を止める阻止部8をストッパ板4に設けたことから、止めねじ6を回転させると、止めねじ6の回転に供廻りした固定板7が固定板7の係止部をリップ片14に係止させ得る位置で阻止部8によって位置規制されると共にストッパ板4と固定板7とが近接するものであり、固定板7の係止部とストッパ板4との間で上下にリップ片14を挟み込むことができ、ストッパ板4をレール部材2の両リップ片14間に亘るようにレール部材2の外面に当接させた状態でストッパ1をレール部材2に固定することができるものである。このように、ストッパ1をレール部材2に装着する施工作業は、レール部材2の所定位置にストッパ1を配置し、止めねじ6を回転させる、といった2段階の作業で行わせることができ、また、従来技術では施工者の負担になっていたストッパ1’そのものを回転させてひねった状態にある手でストッパ1’を保持して止めねじ6を回転させるといった作業が省かれるものであるから、ストッパ1をレール部材2に装着する施工作業の施工性が向上するものである。
また、ストッパ板4に設けた1対の阻止部8を両リップ片14間に配置し、上記阻止部8から突設した係止突部12を両リップ片14に係止したことを特徴とする。これにより、ストッパ1をレール部材2の所定位置に配置した際に、ストッパ板4の1対の阻止部8に設けた係止突部12が両リップ片14に係止することから、ストッパ1を扉開口の上部のレール部材2である上レール部材2aに装着した際にもストッパ1は上レール部材2aに仮保持されて落下しないものであり、ストッパ1をレール部材2に装着する施工作業の施工性が向上するものである。
【0009】
また、請求項2に係る折りたたみ扉の取付構造は、請求項1において、レール部材2を走行するランナ3のランナ軸3aをスライド挿入させて枢支する枢支部5をストッパ板4に設けると共に、上記枢支部5をレール部材2の開口に重ねて配置したことを特徴とする。これにより、レール部材2にスライド自在に配置した折りたたみ扉をレール部材2に装着したストッパ1に向ってスライドさせると、上記折りたたみ扉のランナ3のランナ軸3aが上記ストッパ1の枢支部5に挿入されると共に枢支されることから、折りたたみ扉のランナ3をレール部材2に回転自在に枢支させる施工作業の施工性が向上するものである。
【0011】
また、請求項に係る折りたたみ扉の取付構造は、請求項1において、ストッパ板4をレール部材2の所定位置に配置したときにリップ片14の端縁部が当接してストッパ板4の回転が阻止される回転阻止手段をストッパ板4に設けたことを特徴とする。これにより、上記ストッパ板4にはリップ片14の端縁部が当接してストッパ板4の回転が阻止される回転阻止手段が設けられているから、レール部材2の所定位置にストッパ1を配置した状態で止めねじ6を回転させた際にもストッパ1は供廻りしないものであり、つまり、ストッパ1を保持しないでも止めねじ6だけを回転させることができるものであり、ストッパ1をレール部材2に装着する施工作業の施工性が向上するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0013】
図1乃至図7に本発明の実施の形態の例を示す。本例は、壁面や家具等の設けた扉開口の上下にレール部材2を配置し、上記レール部材2に折りたたみ扉のランナ3を走行自在に支持させ、折りたたみ扉のランナ3のうち折りたたみ扉の幅方向の一端に設けたランナ3を上記レール部材2に回転自在に枢支させ、上記折りたたみ扉を構成する複数枚の扉体を連結するヒンジの屈曲動作で扉開口に開閉自在に折りたたみ扉を取り付けて構成した折りたたみ扉の取付構造である(図8参照)。そして、折りたたみ扉のランナ3をレール部材2に枢支させるのに、レール部材2に装着したストッパ1を介して行わせている。
【0014】
このストッパ1は、折りたたみ扉のランナ3の走行を止めるものであり、図1乃至図2に示すように、ランナ3のランナ軸3aをスライド挿入させて枢支する枢支部5を長手方向の一端部に形成したストッパ板4と、上記ストッパ板4を上下に挿通した止めねじ6と、上記止めねじ6の先端に螺合した固定板7と、上記固定板7を間に位置させるようにストッパ板4から上方に突設した1対の阻止部8とから構成されるものである。以下、詳述する。
【0015】
枢支部5は、ストッパ板4の長手方向の一端の幅中央から内方に切り欠いて、ストッパ板4の長手方向の一端に開口した軸挿入孔9を形成すると共に、ストッパ板4の長手方向の一端の幅両端から延出した1対の弾接片10を対向配置して構成されたものである。ここで、軸挿入孔9の直径はランナ3のランナ軸3aの軸径と略同様径かそれ以上の長さの径を有するものであり、また、軸挿入孔9の開口9aは軸挿入孔9の直径に比べて短い開口幅を有するものであり、また、軸挿入孔9の開口9aに対向する部分には軸挿入孔9に連続してスリット9bが切り込まれている。
【0016】
固定板7は、上面視平行四辺形状の金属板材であって、その中央部でストッパ板4に回転自在に貫挿した止めねじ6により螺合され、ストッパ板4に配置されている。ストッパ板4に配置した固定板7は、止めねじ6の回転に供廻りするものであるが、上面視で上記固定板7を挟み込むような位置のストッパ板4から上方突設させた1対の阻止部8によって回転規制を受けるものである。1対の阻止部8はストッパ板4の、上記固定板7の回転範囲内の位置で、且つ、止めねじ6の挿通部分に対称な位置に配置されており、本例では、図2(b)の鎖線で示した固定板7のように、固定板7の1対の対向する長辺7aをストッパ板4の幅方向(図2中矢印A)に平行にした際に、固定板7の長辺7aと短辺7bとのなす鈍角部7cが位置する部分に1対の阻止部8は配置されている。なお、ストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8の外端面間の長さ[図2(b)中L]は、レール部材2の開口幅と略同様かそれ以下の長さに設定されている。
【0017】
1対の阻止部8により回転規制された固定板7は、図2(b)の鎖線で示した固定板7と図2(b)の実線で示した固定板7との間の範囲を、回転可能範囲としている。
【0018】
詳述すると、止めねじ6を締め付ける方向に回転させると、止めねじ6に供廻りした固定板7は図2(b)の鎖線で示した状態、つまり、固定板7の長辺7aと短辺7bとのなす鋭角部7dをストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8より外方位置に突出させた状態で1対の阻止部8により回転規制を受けるものである。そして、更に止めねじ6を締め付ける方向に回転させると、固定板7は、1対の阻止部8による回転規制を受け続けながらストッパ板4に近接していくものである。
【0019】
また、止めねじ6を緩める方向に回転させると、止めねじ6に供廻りした固定板7は図2(b)の実線で示した状態、つまり、固定板7をストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8の間に収納させた状態で1対の阻止部8により回転規制を受けるものである。そして、更に止めねじ6を緩める方向に回転させると、固定板7は、1対の阻止部8による回転規制を受け続けながらストッパ板4から離れていくものである。
【0020】
なお、1対の阻止部8の上端は阻止部連結桟11によって連結してある。この阻止部連結桟11によると、1対の阻止部8の間に配置した固定板7の抜け止めが為されるものである。また、上記1対の阻止部8のストッパ板4の幅方向(矢印A)における外端面には係止突部12がそれぞれ突設してある。また、上記1対の阻止部8の根元部分には、つまり、阻止部8とストッパ板4との間には、ストッパ板4の長手方向(矢印B)に長く形成した突条部13が突設してある。
【0021】
上述したように構成したストッパ1はレール部材2に装着されるが、このストッパ1のレール部材2への装着作業は、以下に示すように行われる。
【0022】
まず、図3に示すように、レール部材2の長手方向とストッパ板4の長手方向とを合わせて、レール部材2の開口からレール部材2内に阻止部8及び固定板7を挿入し、ストッパ板4をレール部材2の開口の両縁に対向突設した1対のリップ片14の間に亘るようにレール部材2の外面に当接させる。このとき、固定板7は、上述した止めねじ6を緩める方向に回転させた状態、つまり、ストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8の間に収納された状態でレール部材2内に挿入される。なお、レール部材2のリップ片14の対向する端縁部には、図6に示すように凹条部15がレール部材2の長手方向に亘ってそれぞれ形成されているが、上述したようにレール部材2にストッパ板4を配置させた際には、この凹条部15とストッパ1の突条部13とが嵌まり合い、また、レール部材2のリップ片14の対向する端縁部が、ストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8の外端面に当接すると共に、係止突部12に係止されるものである。つまり、レール部材2内に固定板7及び阻止部8を挿入すると共にストッパ板4をレール部材2の外面に当接させてストッパ1をレール部材2に配置させた状態では、ストッパ板4の突条部13とリップ片14の端縁部の凹条部15との嵌まり合いにより、ストッパ板4がレール部材2に対して回転規制されて配置されると共に、阻止部8の係止突部12のリップ片14の端縁部への係止により、ストッパ1がレール部材2に仮保持されるものである。このストッパ1のレール部材2への仮保持は、特に、扉開口の上端に配置した上レール部材2aにストッパ1を配置する際に、ストッパ1が上レール部材2aから落下しないようにさせるものであって、有効である。
【0023】
つぎに、図4に示すように、止めねじ6を締め付ける方向に回転させ、ストッパ1をレール部材2に固着させる。上述したように、止めねじ6を締め付ける方向に回転させると、固定板7は1対の阻止部8に回転規制されて、鋭角部7dをストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8の外方の位置に位置させた状態にし、上記状態の固定板7とストッパ板4とが近接していくものである。ここで、ストッパ板4の幅方向(矢印A)における1対の阻止部8の外端面にはレール部材2のリップ片14の端縁部が当接しているものであるから、図5(b)に示すように固定板7の鋭角部7dとストッパ板4との間には上記レール部材2のリップ片14の端縁部が位置するものであるから、止めねじ6を締め付ける方向に回転させて固定板7の鋭角部7dとストッパ板4とを近接させることで、固定板7の鋭角部7dとレール板4とがレール部材2のリップ片14の端縁部を上下に挟持し、ストッパ1がレール部材2に固着されるのである。
【0024】
このように、本例のストッパ1のレール部材2への装着作業は、レール部材2の所定位置にストッパ1を配置し、止めねじ6を回転させる、といった2段階の作業で行わせることができるものである。これは、従来技術と比較して、ストッパ1’そのものを回転させる作業が省かれていて作業工程数を少なくしているものであり、ストッパ1のレール部材2への装着作業の簡略化が図られているものである。このストッパ1’そのものを回転させる作業の後の止めねじ6の回転作業においては、施工者の実際の作業は、ストッパ1’を回転させてひねった状態にある手でストッパ1’を保持して止めねじ6を回転させるといった作業であって、これは施工者にとっては負担となるものであったが、本例ではこのストッパ1’そのものを回転させる作業が省かれていることで、ひねった状態の手でストッパ1を保持するようなことはなく、施工者の負担を軽減することができるものであり、この意味においても、施工性の向上が図られているのである。
【0025】
さて、本例のストッパ1を用いて行う折りたたみ扉を扉開口に取り付ける全体の取付施工作業は、まず、扉開口にレール部材2を取り付ける。次に、レール部材2に折りたたみ扉のランナ3を走行自在に装着して折りたたみ扉を扉開口にスライド自在に配置する。次に、レール部材2の適所、つまり、レール部材2の長手方向の一端にストッパ1を装着する。このとき、折りたたみ扉はレール部材2の長手方向の中央付近にスライド移動させておき、ストッパ1の枢支部5をレール部材2の開口に配置すると共に、枢支部5の軸挿入孔9の開口9aをレール部材2の長手方向の中央方向を向けてストッパ1をレール部材2に配置する。最後に、ストッパ1の枢支部5の軸挿入孔9に折りたたみ扉の幅方向の一端のランナ3のランナ軸3aを枢支させる。これは、上述したレール部材2の長手方向の中央付近に位置させた折りたたみ扉をストッパ1に向ってスライド移動させ、折りたたみ扉の幅方向の一端のランナ3のランナ軸3aを軸挿入孔9の開口9aに挿入し、上記ランナ3のランナ軸3aを軸挿入孔9に配置するものである。
【0026】
ここで、上記軸挿入孔9の開口9aは1対の弾接片10の先端部間に形成されたものであり、上記1対の弾接片10の根元部分、つまり、軸挿入孔9の開口9aに対向する部分にはスリット9bが設けられていることから、上記開口9aに上記ランナ軸3aを押圧して挿入すると、1対の弾接片10は開口9aの開口幅を広げるように弾性変形し、ランナ軸3aは開口9aを通り抜けできるものである。そして、ランナ軸3aを通した後の開口9aは再び通常の幅長さを有する開口幅になり、ランナ軸3aは軸挿入孔9に枢支されるのである。なお、ランナ軸3aとは、ランナ3の一部を構成するもので、レール部材2内に走行自在に配置したランナ走行部(図示せず)と折りたたみ扉とを連結させる中実円軸である。
【0027】
このように、本例のストッパ1には枢支部5を備えていることから、折りたたみ扉のランナ3をレール部材2の適所に枢支させる施工作業を、折りたたみ扉をレール部材2にスライドさせることだけで行わせることができるものであり、折りたたみ扉のランナ3をレール部材2に枢支させる施工作業の施工性が向上しているものであり、ひいては、折りたたみ扉の扉開口への取付施工の施工性が向上しているものである。
【0028】
なお、図示はしないが、ストッパ1の枢支部5を使用しないで、または、枢支部5をストッパ板4に設けないで、従来技術のストッパ1’が折りたたみ扉のランナ3を枢支したような構造、つまり、ストッパ1をレール部材2の長手方向の一端近傍位置に装着し、上記レール部材2に装着したストッパ1とレール部材2の長手方向の一端との間に折りたたみ扉のランナ3を配置した構造で、折りたたみ扉のランナ3をレール部材2に枢支させることも好ましい。この例では、先の実施の形態の例と比較して、折りたたみ扉の幅方向の一端に設けたランナ3をレール部材2の長手方向の一端に位置させた後に、ストッパ1をレール部材2の長手方向の一端近傍に装着するという施工の順番が相違するも、先の実施の形態の例と同様にストッパ1のレール部材2への装着作業は簡略化されており、折りたたみ扉の取付施工の施工性は向上しているものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、叙述したように、固定板にはレール部材の両リップ片間に挿通し得る幅の部分を備えていることから、ストッパ板をレール部材の両リップ片間に亘るようにレール部材の外面に当接させると共にレール部材内に上記固定板を配置させることができ、また、ストッパ板に回転自在に挿通させた止めねじが固定板に螺合し、上記螺合が止めねじと固定板が供廻りする螺合状態であって、止めねじの回転により固定板の係止部がリップ片に係止し得る位置まで固定板が供廻りしたときに固定板の回転を止める阻止部をストッパ板に設けたことから、止めねじを締めつけ方向に回転させると、止めねじの回転に供廻りした固定板が固定板の係止部をリップ片に係止させ得る位置で阻止部によって位置規制されると共にストッパ板と固定板とが近接するものであり、上記固定板の係止部とストッパ板との間で上下にリップ片を挟み込むことができ、ストッパ板をレール部材の両リップ片間に亘るようにレール部材の外面に当接させた状態でストッパをレール部材に固定させることができるものである。このように、ストッパをレール部材に装着する施工作業は、レール部材の所定位置にストッパを配置し、止めねじを回転させる、といった2段階の作業で行わせることができ、また、ストッパそのものを回転させてひねった状態にある手でストッパを保持して止めねじを回転させるといった施工者の負担になっていた作業が省かれるものであるから、ストッパをレール部材に装着する施工作業の施工性の向上が図られ、ひいては、折りたたみ扉の扉開口への取付施工の施工性を向上させることができるものである。
また、ストッパ板に設けた1対の阻止部を両リップ片間に配置し、上記阻止部から突設した係止突部を両リップ片に係止したので、ストッパをレール部材の所定位置に配置した際に、ストッパ板の1対の阻止部に設けた係止突部が両リップ片に係止し、ストッパを扉開口の上部のレール部材である上レール部材に装着した際にもストッパは上レール部材に仮保持されて落下しないものであり、ストッパをレール部材に装着する施工作業の施工性の向上が図られるものである。
【0030】
また、本発明の請求項2記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、レール部材を走行するランナのランナ軸をスライド挿入させて枢支する枢支部をストッパ板に設けると共に、上記枢支部をレール部材の開口に重ねて配置したので、レール部材にスライド自在に配置した折りたたみ扉をレール部材に装着したストッパに向ってスライドさせると、上記折りたたみ扉のランナのランナ軸が上記ストッパの枢支部に挿入されると共に枢支されることから、折りたたみ扉のランナをレール部材に枢支させる施工作業の施工性の向上が図られ、ひいては、折りたたみ扉の扉開口への取付施工の施工性を向上させることができるものである。
【0032】
また、本発明の請求項記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、ストッパ板をレール部材の所定位置に配置したときにリップ片の端縁部が当接してストッパ板の回転が阻止される回転阻止手段をストッパ板に設けたので、レール部材の所定位置にストッパを配置した状態では、上記回転阻止手段によって、止めねじを回転させた際にもストッパは供廻りしないものであり、つまり、ストッパを回転規制するように保持しないでも止めねじだけを回転させることができるものであり、ストッパをレール部材に装着する施工作業の施工性の向上が図られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例のストッパの斜視図である。
【図2】同上のストッパの(a)は側面図であり、(b)は上面図である。
【図3】同上のストッパをレール部材に装着する施工を説明する説明図であり、ストッパをレール部材の所定位置に配置する状態を示す斜視図である。
【図4】同上のストッパをレール部材に装着する施工を説明する説明図であり、レール部材に配置したストッパの止めねじを回転する状態を示す斜視図である。
【図5】同上のレール部材にストッパを配置した状態の縦断面を示すもので、(a)はストッパをレール部材に挿入した状態の縦断面図であり、(b)はストッパをレール部材に装着した状態の縦断面図である。
【図6】同上のレール部材にストッパを配置した状態のレール部材の凹条部とストッパの突条部との嵌まり合いを示す部分断面図である。
【図7】同上の下レール部材にストッパを配置した状態を示す斜視図である。
【図8】従来の技術を示すものであり、扉開口に配置した折りたたみ扉を示す全体斜視図である。
【図9】同上のレール部材にストッパを装着する施工を説明する説明図であり、(a)はストッパをレール部材の所定位置に配置した状態の斜視図であり、(b)はストッパそのものを回転させた後に止めねじを回転させる状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ストッパ
2 レール部材
3 ランナ
3a ランナ軸
4 ストッパ板
5 枢支部
6 止めねじ
7 固定板
8 阻止部
9 軸挿入孔
10 弾接片
12 係止突部
13 突条部
14 リップ片
15 凹条部

Claims (3)

  1. 折りたたみ扉のランナを走行自在に支持するレール部材の開口の両縁にリップ片を突設し、折りたたみ扉のランナの走行を止めるストッパのストッパ板を両リップ片間に亘るようにレール部材の外面に当接し、レール部材内に固定板を配置すると共にストッパ板に回転自在に挿通した止めねじを上記固定板に螺合し、上記固定板の回転位置により固定板を両リップ片間に挿通し得る幅の部分を有すると共に両リップ片に係止する係止部を有し、固定板へ止めねじの螺合を止めねじと固定板が供廻りする螺合状態とし、止めねじの回転により固定板の係止部がリップ片に係止し得る位置まで固定板が供廻りしたときに固定板の回転を止める1対の阻止部をストッパ板に設けると共に、上記阻止部を両リップ片間に配置し、上記阻止部から突設した係止突部を両リップ片に係止してなることを特徴とする折りたたみ扉の取付構造。
  2. レール部材を走行するランナのランナ軸をスライド挿入させて枢支する枢支部をストッパ板に設けると共に、上記枢支部をレール部材の開口に重ねて配置したことを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ扉の取付構造。
  3. ストッパ板をレール部材の所定位置に配置したときにリップ片の端縁部が当接してストッパ板の回転が阻止される回転阻止手段をストッパ板に設けたことを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ扉の取付構造。
JP2001157991A 2001-05-28 2001-05-28 折りたたみ扉の取付構造 Expired - Lifetime JP3655843B2 (ja)

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