JP3655769B2 - 製品検査システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は製品を検査する製品検査システムに係わり、特に製品から検査に必要な信号を読み取って該信号に基づいて製品を検査する製品検査システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製造ラインにおいて人によって行なわれてきた製品検査は、技術の進歩により、コンピュータを備えた製品検査システムによって自動的に行なわれるようになっている。
図7は従来のカーステレオにおける製品検査システムの構成を示す図である。51はパーソナルコンピュータ(以下PC)で、接続されている周辺機器を製品検査のために制御したり、検査結果に基づいて製品の良否判定を行なう。52はPC51の拡張汎用スロットに測定項目毎の計測ボードを挿入して構成され、カーステレオより入力された信号に基づいて歪率、S/N等の測定を行なう計測モジュールである。53は検査の対象となるカーステレオ(製品)、54はカーステレオ53のラジオの特性を測定するために必要な周波数を発生するシグナルジェネレータ、55はカーステレオ53より出力される信号(フロント/リア)の切り換えを行なうシグナルセレクタ、56はカーステレオ53をコントロールするための信号をカーステレオ53に入力したりするバスインターフェースである。
【0003】
図8は上述した製品検査システムによって測定、検査される内容を示した図である。測定は項目1から順に実行され、実行時の測定が終了してから次の測定を行ない、全項目についての測定が終了したところで、全項目の測定結果についての総合判定が行なわれる。
例えば、測定項目No.7のラジオのS/N測定において、PC51は、ラジオのS/Nを測定する指示を計測モジュール52、シグナルジェネレータ54、シグナルセレクタ55に送信する。この指示により、カーステレオ53はバスインターフェース56を介してラジオモードになり所定のバンド周波数にセットする。シグナルジェネレータ54は所定の周波数をON/OFFし、計測モジュール52はシグナルセレクタ55を介してカーステレオ53より出力される測定に必要な信号が入力すると、ラジオのS/Nを測定しPC51に測定結果を送信する。PC51はこの測定結果を記憶すると共に次の測定項目No.8のMIX測定を行なう指示を各周辺機器に送信する。
以下同様に各項目についての測定を行ない、測定項目No.10のテープスピードの測定が終了したところで、PC51は全ての測定結果に基づいて製品の良否を判定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図9は、上述した製品検査システムにおける検査の流れを示す図である。この検査の流れ図より従来の製品検査システムは、1つの測定が終了してから次の測定を開始するまでに測定を準備するための時間が生じている。これは1つの測定が完了後、次の測定を行なえるようになるまでに、▲1▼カーステレオ53が測定項目に対するモード(ラジオモード、テープモード等)になって、▲2▼そのモードで動作し、▲3▼測定に必要な安定した信号を計測モジュール52へ出力できる状態になるまで時間が必要で、その状態になってはじめて測定が開始されるからである。このため、従来の製品検査システムは測定準備するための待ち時間が生じてしまい、1システム当たりのコストパフォーマンスが悪いといった問題がある。
以上から本発明の目的は、測定を準備するための待ち時間を利用して他の製品の測定を行なうことで、製品検査システム全体の稼動率を上げコストパフォーマンスの高い製品検査システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明によれば、製品より検査に必要な信号を読み取りAD変換して形成されたデータを送信する複数の検査信号読み取りユニット、前記複数の検査信号読み取りユニットより送られてきた前記データを解析して製品を検査する検査装置、前記複数の検査読み取りユニットと前記検査装置間をデータ送受可能に接続するネットワークを備え、前記検査装置は、前記複数の検査信号読み取りユニットより送られてきた前期データを記憶する記憶手段、該データをアナログ信号に変換するDAコンバータ、該アナログ信号に基づいて製品の特性を測定する計測モジュールを備え、前記データを記憶手段より順次読み取りアナログ信号に変換し、該アナログ信号を該計測モジュールに入力し、該計測モジュールの測定結果に基づいて製品を検査することにより達成される。かかる製品検査システムによれば、複数のユニットから送られてくるデータを記憶し、記憶されているデータを順次処理するため、測定準備の待ち時間をなくすことが可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(a)本発明の製品検査システムの構成
図1は本発明の製品検査システムの構成を説明する図である。1は検査装置、2は検査の対象となるカーステレオ(製品)、3はカーステレオ2より検査に必要な波形信号を取り込みAD変換して送信する計測クライアント(検査信号読み取りユニット)、4はイーサネットにより検査装置1と各計測クライアント3間の通信を行なうためのLAN(Local Area Network)用ケーブル、5はハブであり、LAN用ケーブル4とハブ5等からネットワークが構成されている。検査装置1において、11は各計測クライアント3より送信されてくる波形データを元のアナログ波形信号に変換するDAコンバータ、12は測定項目毎の計測ボートで構成されDAコンバータ11より出力されるアナログ波形信号に基づいて測定を行なう計測モジュールである。13は計測サーバーであり、この計測サーバー13は、LAN用ケーブル4、ハブ5を介して▲1▼各計測クライアント3へ測定開始要求や測定結果を送信すると共に、▲2▼各計測クライアント3より送信されてくる測定に必要なデータ(波形データ)を受信してメモリに記憶し、▲3▼又、メモリに記憶した波形データを読み出しDA変換して計測モジュール12に入力し、▲4▼更に、計測モジュール12より送信されてくる測定結果と規格値を照合し製品良否の判定を行なう。14は各計測クライアント3より送信されてくる波形データを一時格納する計測サーバー13内部のメモリ(記憶手段)である。
【0007】
図2はメモリ14のデータ構造を示す図である。メモリ14は待ち行列(キュー)のデータ構造をもち、各計測クライアント3より送信されてくる波形データは、送られてきた順に随時メモリ14へ格納されていく。メモリ14に格納された波形データは計測サーバー13の指示により格納された順に待ち行列から取り出されDAコンバータ11へ送られる。
【0008】
(b)計測クライアントの内部構成
図3は計測クライアント3の内部構成を示す図である。2は検査の対象となるカーステレオ(製品)、3は計測クライアント本体、6はカーステレオ2と計測クライアント3を接続するケーブルである。計測クライアント3において、21は計測サーバー13とのデータ送受制御や計測データの読み取り制御等を行なうCPU、22は計測サーバー13と通信を行なうためのイーサネット部(LANインターフェース)、23はカーステレオ2より出力される波形信号(フロント/リア)の切り換えを行なうシグナルセレクタ部、24はシグナルセレクタ23部より出力される波形信号をAD変換し波形データとするADコンバータ部、25はADコンバータ部24で変換された波形データを一時記憶するメモリ、26は計測クライアント3内のバスラインである。
【0009】
図4は本発明を適用した製品検査システムにおける検査の流れを示す図である。各計測クライアント3は順次検査に必要な信号を取り込みAD変換して計測サーバー13へ送信する。計測サーバー13は、送信されてきたデータをメモリ14の待ち行列の末尾に接続して格納すると共に、格納されているデータを待ち行列の先頭から順次読み出して測定する。このため、本発明の製品検査システムによれば、従来の製品検査システムのように測定するための準備時間がなくなり、常時製品の測定及び検査を行なうことができる。
【0010】
(c)本発明の処理フロー
(c−1)計測クライアントの処理フロー
図5は本発明の計測クライアント3の処理フローを説明する図である。計測クライアント3は検査の対象となるカーステレオ2(製品)がセットされたか否か確認する(ステップ101)。セットされていなければカーステレオ2がセットされるまで待機する。カーステレオ2がセットされれば計測クライアント3は測定準備が整ったことを示す測定可能通知を計測サーバー13へ送信し(ステップ102)、計測サーバー13より測定開始要求が送信されてくるまで待機する(ステップ103)。計測クライアント3は計測サーバー13より送信されてくる測定開始要求を受信すると、所定の測定項目について測定を開始する(ステップ104)。測定中の計測クライアント3は、測定項目毎にカーステレオ2より出力される波形信号をシグナルセレクタ23でフロント出力/リア出力のどちらかに選択後、ADコンバータ24でディジタル化し送信するまでメモリ25に一時記憶する。ついで、計測クライアント3は、メモリ25に記憶してある測定データをパケット化して計測サーバー13にイーサネット部22を介して送信し(ステップ105)、全測定項目の測定が終了したか否か確認する(ステップ106)。終了しなければステップ104に戻り次の測定項目について測定を開始し、終了すれば計測サーバー13からの総合判定通知が送信されてくるまで待機する(ステップ107)。計測クライアント3は計測サーバー13より送信されてくる総合判定通知を受信すると、検査の結果をディスプレイやランプやブザー等で知らせ、以後次の検査対象となるカーステレオ2がセットされるまで待機する。
【0011】
(c−2)計測サーバーの処理フロー
図6は本発明の計測サーバー13の処理フローを説明する図である。計測サーバー13は各計測クライアント3より送信されてくる測定可能通知を受信したか否か確認する(ステップ201)。受信したら計測サーバー13は測定項目等の情報を含む測定開始要求を計測クライアント3に送信し(ステップ202)、受信しなければステップ203へ移行する。ついで、計測サーバー13は計測クライアント3より送信されてくる測定データを受信したか否か確認する(ステップ203)。受信したら計測サーバー13は、メモリ14の待ち行列に測定データを投入し(図2参照、ステップ204)、受信しなければステップ205へ移行する。次に、計測サーバー13は計測モジュール12からの測定結果を受信したか否か確認する(ステップ205)。受信しなければステップ201へ移行し、受信したら計測サーバー13はメモリ14の先頭にある測定データを待ち行列から取り出して、DAコンバータ11でDA変換後計測モジュール12に入力する(ステップ206)。その後、計測サーバー13は所定クライアントについて、全測定項目に対する測定結果(S/N、歪率、ワウフラッタ等)を計測モジュール12より受信したか否か、すなわち該計測クライアント3について測定が完了したか否かを確認する(ステップ207)。全測定結果を受信しなければステップ201へ移行し、受信したら全測定結果について規格値と照合し製品良否の判定及びその結果を記憶すると共に、計測クライアント3へ検査の判定を送信する(ステップ208)。以後、201へ戻って各計測クライアントから送信されてくる測定可能通知の受信を確認する。
【0012】
以上では、計測クライアント(検査読み取りユニット)において、製品からの信号をAD変換し計測サーバーへ送信する機能のみ説明してきたが、計測クライアントに簡単な測定(信号レベル測定等)機能を持たせ検査することができる。又以上では、計測クライアントから送られてきたデータを計測サーバーにおいてDA変換しアナログ信号に復元してから測定を行なう検査を説明してきたが、検査内容によってはDA変換せずそのままディジタル処理で検査することも可能である。
又以上では、本発明をカーステレオにおける製品検査システムに限って説明してきたが、本発明はかかる製品検査システムに限定されず、いかなる製品検査システムにおいても適用できるものである。
【0013】
【発明の効果】
以上本発明によれば、計測サーバーは、各計測クライアントより送信されてくる製品の項目毎の測定データをメモリに作成した待ち行列の末尾に順次接続する。そして、計測サーバーは所定項目の特性(S/N、歪率、ワウフラッタ等)の測定が終了する毎に、該待ち行列の先頭より次の項目の測定データを取り出して測定及び検査する。以上により測定準備等の待ち時間をなくすことができ、1システム当たりのコストパフォーマンスを高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製品検査システムの構成を示す図である。
【図2】メモリ14のデータ構造を示す図である。
【図3】計測クライアントの内部構成を示す図である。
【図4】本発明の製品検査システムにおける検査の流れを示す図である。
【図5】本発明の計測クライアント3の処理フローを示す図である。
【図6】本発明の計測サーバー13の処理フローを示す図である。
【図7】従来の製品検査システムの構成を示す図である。
【図8】製品検査システムによる測定内容を示す図である。
【図9】従来の製品検査システムにおける検査の流れを示す図である。
【符号の説明】
1・・検査装置
2・・カーステレオ(製品)
3・・計測クライアント
4・・LAN(Local Area Network)
11・・DAコンバータ
12・・計測モジュール
14・・メモリ
Claims (1)
- 製品を検査する製品検査システムにおいて、
製品より検査に必要な信号を読み取りAD変換して形成されたデータを送信する複数の検査信号読み取りユニット、
前記複数の検査信号読み取りユニットより送られてきた前記データを解析して製品を検査する検査装置、
前記複数の検査読み取りユニットと前記検査装置間をデータ送受可能に接続するネットワークを備え、
前記検査装置は、前記複数の検査信号読み取りユニットより送られてきた前記データを記憶する記憶手段、該データをアナログ信号に変換するDAコンバータ、該アナログ信号に基づいて製品の特性を測定する計測モジュールを備え、前記データを記憶手段より順次読み取りアナログ信号に変換し、該アナログ信号を前記計測モジュールに入力し、該計測モジュールの測定結果に基づいて製品を検査することを特徴とする製品検査システム。
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