JP3654272B2 - 車両用モータの配線接続装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用モータの配線接続装置に関し、特に、モータ内外の電線の端部を相互に接続する配線接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータのパワーラインは、モータケース内のモータコイルとモータケース外のモータドライバとを連結するものであり、途中で必ずモータケースを貫通して配索されるため、従来、車両用モータの配線接続装置においては、モータケースを貫通する部位近傍のケース内側又は外側にケーブルコネクタを配し、それを介してモータ内外部の電線ケーブルが相互に接続されている。
【0003】
ところで、モータケース内部の配線は、距離も短く、収容スペースも狭いため、ケース内側でモータ内外の電線をコネクタ接続するには、構造及び連結方法にかなりの工夫を要する。他方、モータケース内への雨水や埃の浸入は防がなければならず、加えて、モータケース内にオイルが封入されている場合、ケーブル内の導線間を伝ってオイルがモータケース外へ流れ出す所謂オイル上がりを防止する必要があり、通常のコネクタによる接続でこれらに対処するには、コネクタ部と電線ケーブルのケース壁貫通部双方にシールを施さなければならない。このような構成は、ケーブル接続部の大形化を招く。
【0004】
一方、ポンプ運転に使用する誘導モータであって、巻線を冷却する液体を回転電機フレーム内に封入した液封回転電機の口出し構造において、口出し線のフレーム貫通部のシール構造として、従来、特閲昭59−21247号公報に記載の口出し構造がある。この従来技術構造では、絶縁被覆とその外周に鍔状に配したシールリングを一体化モールドした絶縁導体をフレームの開口部に挿通させ、該絶縁導体をシールリングと導体にねじ込んだナットとでフレームに圧接することで、フレームに対して抜止めし、かつ開口部に対して漏止めしたシール構造が採られている。
【0005】
また、電動機枠内に冷却水が流通し、固定子巻線が水浸状態にある水中電動機において、電動機巻線を水中より外部に引出す中継用端子を電動機枠に設けた構造として、従来、実願昭56−160006号(実開昭58−66856号)のマイクロフィルムに記載の構造がある。この従来技術では、軸線方向の一部にフランジを張出させ、フランジも含めて絶縁部材で被覆した棒状の導体を、電動機枠の貫通孔に挿通させ、前記導体をフランジと導体にねじ込んだナットとで電動機枠に圧接することで、電動機枠に対して抜止めし、かつ貫通孔に対して漏止めしたシール構造が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記両従来技術の配線接続装置では、いずれも導体側に設けた張出し部(シールリング、フランジ)と導体にねじ込んだナットとで、導体をモータケース(フレームや電動機枠)に軸方向の締結力で締付け固定している。しかしながら、これら従来技術のように、導体を軸方向の荷重負荷により固定する構造では、車両用モータのように駆動負荷変動の極めて大きいものでは、駆動負荷変動に伴って熱負荷変動(モータから導体やモータケースに伝わる熱及び導体内を流れる電流の変化による導体自体の発熱量の変化)も極めて大きくなるため、通常物性の異なる材料で構成される導体とモータケースの熱膨張率の違いから、ナット締めによる軸力が過剰になったり弱くなったりすることが考えられる。そのため、こうした構造の配線接続装置は、モータケースへの固定が緩みあるいは応力が過剰となることで、電気的な接触不良や断線の可能性がある。また、これらの配線接続装置におけるシール構造も前記の軸方向力による密着に依存するため、同様の理由で密着が緩むことによって、モータケース内の液が偏れ出すことになる。
【0007】
このような事情に鑑み、本発明は、軸方向の締結力によらずにモータケース壁に絶縁且つ密封状態に固定して、しかもオイル上がりや雨水、埃等の浸入を防ぎながら、モータ内外の電線の端部を格別な配置スペースを要することなく相互に接続する車両用モータの配線接続装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両用モータの配線接続装置においては、ケース壁を貫通する通孔が形成されたモータケースと、前記通孔に嵌挿されて前記ケース壁に抜け止め固定された電気絶縁性のブッシュと、該ブッシュの内孔に嵌挿され、前記モータケース内外の電線の端部と接続するための接続手段を備えた導電性のアダプタ端子とを有する。
そして、前記通孔の内周面とブッシュの外周面との間、及びブッシュの内周面とアダプタ端子の外周面との間はOリングによって密封される。また、前記各接続手段にそれぞれ前記モータケース内外の電線の端部が接続される。そして、前記ブッシュは回り止め孔を備え、前記アダプタ端子は前記回り止め孔に嵌合される外周面を備える。
【0009】
本発明の他の車両用モータの配線接続装置においては、さらに、前記ブッシュは、モータケースに固定するための径方向に張り出す固定手段を備える。そして、該固定手段のモータケースに対する接合面は、ブッシュの軸方向に対して垂直に指向する。
本発明の更に他の車両用モータの配線接続装置においては、さらに、前記モータケースは、ブッシュが嵌挿する通孔の近傍に、ブッシュの固定手段と対向する接合部を備える。
【0010】
【発明の作用及び効果】
本発明によれば、前記のように車両用モータの配線接続装置においては、ケース壁を貫通する通孔が形成されたモータケースと、前記通孔に嵌挿されて前記ケース壁に抜け止め固定された電気絶縁性のブッシュと、該ブッシュの内孔に嵌挿され、前記モータケース内外の電線の端部と接続するための接続手段を備えた導電性のアダプタ端子とを有する。
そして、前記通孔の内周面とブッシュの外周面との間、及びブッシュの内周面とアダプタ端子の外周面との間はOリングによって密封される。また、前記各接続手段にそれぞれ前記モータケース内外の電線の端部が接続される。そして、前記ブッシュは回り止め孔を備え、前記アダプタ端子は前記回り止め孔に嵌合される外周面を備える。
【0011】
この場合、前記通孔の内周面とブッシュの外周面との間、及びブッシュの内周面とアダプタ端子の外周面との間がOリングによって密封されるので、オイル上がりが発生するのを防止したり、雨水、埃等が進入したりするのを防止することができる。
【0012】
本発明の他の車両用モータの配線接続装置においては、さらに、前記ブッシュは、モータケースに固定するための径方向に張り出す固定手段を備える。そして、該固定手段のモータケースに対する接合面は、ブッシュの軸方向に対して垂直に指向する。
この場合、前記ブッシュは、固定手段によってモータケースに固定され、しかも、固定手段のモータケースに対する接合面は、ブッシュの軸方向に対して垂直に指向するので、ブッシュ全体及びアダプタ端子に、固定のための軸線方向の応力が加わらない。
すなわち、ブッシュは、軸方向の力が負荷となることなくモータケースに固定され、内部に導電材として嵌挿されたアダプタ端子のモータケースに対する電気絶縁材及び支持部材として機能する。
したがって、これら部材の応力負荷状態において熱膨張と収縮とが繰り返されることにより、クラックが発生するのを防止することができるだけでなく、モータケースに対する固定の緩みによって電気的な接触不良、断線等が発生するのを防止することができる。また、固定手段のモータケースに対する接合面がブッシュの軸線方向に対して垂直になるように配設されるので、通孔にブッシュを嵌挿するだけで、モータケースに対する固定手段の位置合せを行うことができ、組付け性を向上させることができる。
さらに、前記Oリングは、軸方向の締付力に依存することなく、かつ、軸線方向の熱膨張・収縮の影響を受けない周面シールとして、前記通孔の内周面とブッシュの外周面との間、及びブッシュの内周面とアダプタ端子の外周面との間を密封する機能を有する。
【0013】
本発明の更に他の車両用モータの配線接続装置においては、さらに、前記モータケースは、ブッシュが嵌挿する通孔の近傍に、ブッシュの固定手段と対向する接合部を備える。
この場合、ブッシュの固定手段と対向するように接合部がモータケースに形成されるので、ブッシュをモータケースに嵌挿するだけで、固定手段と接合部とが当接することになる。したがって、モータケースに対するブッシュの軸方向の位置合わせを容易に行うことができ、組付け性を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用モータの配線接続装置を図面に示す実施例に基づき説明する。図1は第1実施例の軸方向断面、図2は図1のII方向視端面、図3は図1のIII方向視端面を示しており、この装置は、ケース31壁を貫通する通孔38を形成されたモータケース3と、通孔38に嵌挿してケース31壁に締結ボルト29で抜け止め固定された電気絶縁性のブッシュ2と、その内孔21に嵌挿され、モータケース3内外の電線(具体的には、後記する電線ケーブル)61,65の端部(同じく端子金具及び導線束)62,66を接続する接続手段(同じくネジ孔及びアイ)41,42を有する導電性のアダプタ端子4とから成る。そして、ブッシュ2の固定手段22のモータケース3に対する接合面は、図1に示すようにブッシュ2の軸方向に対して垂直に指向する。また、モータケース3は、ブッシュ2が嵌挿される通孔38の近傍に、ブッシュ2の固定手段22に対向するケース31壁からなる接合部を有する。更に、通孔38の内周面とブッシュ2の外周面との間及びブッシュ2の内周面とアダプタ端子4の外周面との間はOリング28,44で密封され、アダプタ端子4の接続手段41,42にそれぞれモータケース3内外の電線61,65の端部62,66が接続されている。
【0015】
さらに各部の詳細について説明する。図4〜図6は、上記ブッシュ2とアダプタ端子4を取り出してそれらの詳細を示すもので、ブッシュ2は、筒状の本体の筒壁中間部から径方向一側に突出する抜け止め固定手段としてのフランジ22を有し、フランジ22にはボルト挿通孔23が形成されている。筒壁の中央部にはシールリング溝24が形成され、その中にOリング28が嵌挿されている。筒壁の両端には前記電線ケーブル61,65の端部に被せるシールキャップ63,67(図1〜図3参照)に係合する抜け止め突条25,26が形成されている。ブッシュ2の内孔21は、その軸長のほぼ半分が6角形状内周面の回り止め孔21aとされ、他の半分は円筒内周面とされている。
【0016】
一方、アダプタ端子4は、中実の軸状とされ、軸の外側ほぼ半分は、前記回り止め孔21a嵌合する6角形状の外周面を有し、内側半分は、円筒外周面とされている。アダプタ端子4の外端には、ケース外電線ケーブル65の端部の導線束66を挿入すべく、軸部と一体のアイ42が突出形成されている。アダプタ端子4の円筒形の軸部には、ケース内電線ケーブル61の端部を接続すべく、その内端から軸方向に延びるネジ孔41が形成され、軸部の外周には、シールリング溝43が形成され、その中にOリング44が嵌挿されている。
【0017】
このように構成された配線接続装置は、次の手順で組立てられる。先ず、アダプタ端子4のアイ42に電線ケーブル65の被覆から露出した導線束66を挿入して銅溶接で接続する一方、シールリング溝43にOリング44を嵌める。こうして電線ケーブル65と連結一体化されたアダプタ端子4をブッシュ2の内孔21に嵌挿すると共に、ブッシュ2のシールリング溝24にOリング28を嵌める。次に、接続部周囲に樹脂接着材68を流し、固結しないうちにシールキャップ67を被せる。そして、ブッシュ2をモータケース3の通孔38にケース外側から嵌め込み、ケース3側のネジ孔37とブッシュ2側のボルト挿通孔23とを合わせてボルト29締めし、ケース31壁に抜け止め固定する。その後に、ケース内電線ケーブル61の被覆から露出する導線束にかしめ止めされた端子金具62のボルト通し孔(図示せず)とアダプタ端子4のネジ孔41とを合わせ、ボルト64で締結する。このとき、ネジ締めによるアダプタ端子4の連れ回りは、その六角形状の外周面とブッシュ2の回り止め孔21aとの係合で阻止される。
【0018】
このように構成された配線接続装置では、ブッシュ2は、その内部に嵌挿された導電材としてのアダプタ端子4のモータケース3に対する電気絶縁材兼支持部材として機能し、アダプタ端子4は、両電線ケーブル61,65内の導線間を伝った流体の漏洩を遮断する機能を果たす。したがって、この配線接続装置によれば、油・水密性を要する通孔38部は、ケース31に対してボルト29で抜け止めされて不動のブッシュ2の周面、特にOリング28で密封され、導線束間を伝わるオイル上がりは、アダプタ端子4により遮断されるため、モータケース3を貫く接続装置部からのオイル漏れや雨水の浸入を有効に防ぐことができ、しかも、アダプタ端子4への両電線ケーブル61,65の接続を溶接又はボルト止めしているので、極めて小型の配線接続装置とすることができる。
【0019】
次に、図7〜図9は、前記アダプタ端子の形状を変更した第2実施例を示すもので、この例では、アダプタ端子4Aは、ケース内電線ケーブルの端部を固定する接続手段としての端子40Aとそれに被さる鞘状の本体49Aとから成る別体構成とされている。そして、端子40Aの内端から突出する半円筒形の突起45Aとケース外電線ケーブル65A端部の導線66Aとが相互に直接溶接接続され、接続部周囲がエポキシ樹脂シール材69Aで固めて密封されている。なお、端子40Aの内端側と本体49Aの内端側は、六角周面同士の嵌合で回り止めされており、本体49Aの外周には六角形状の回り止め溝46Aとシールリング溝43Aが形成され、該溝内にOリング44Aが嵌挿されている。端子40Aには、前例と同様にネジ孔41Aから成る接続手段が設けられている。また、本体49Aの外端には外周溝47Aが形成され、ケース外電線ケーブル65Aの外周から外周溝47Aにわたりシールキャップ69Aが被せられている。
【0020】
この実施例の配線接続装置は、ケース外電線ケーブル65Aの引出し部を接続部と同軸方向に指向させる場合に特に有効なものである。
【0021】
以下、このように構成された配線接続装置が適用されるドライブユニットについて詳説する。図10は、モータケース3内にディファレンシャル装置5を挟んで実質上左右対称にモータ本体と減速装置とを組み込んで、車両のホイールと同軸に搭載可能としたドライブユニットの片側のみの軸方向断面を示す。したがって、以下の説明及び図面において、左右を特に区別する場合のみ添字英符号を付記し、以下図に示すそれらのうちの何れか一方の説明をもって両者の説明に代える。
【0022】
このドライブユニットは、左右一対のモータ本体1と、それらの回転を減速してトルク増幅する左右一対の減速装置7と、モータの回転トルクを図示しない車両の左右両輪に分配して伝達すべく両モータ本体1と両減速装置7とに連結して両減速装置7と同軸上に配設されたディファレンシャル装置5とを備えている。
【0023】
モータ本体1は、ロータドラム11の外周にマグネット12を配設したロータ10と、電機子鉄心16に界磁コイル17を巻いたステータ15とから成る。ディファレンシャル装置5は、ロータ10の回転トルクを図示しない車両の左右両輪に分配して伝達すべく、ロータ10と減速装置7の入力要素とに連結してそれらと同軸上に配設されている。減速装置7は、ロータ10の回転を減速してトルク増幅すべく、サンギヤS、リングギヤR及びキャリヤCRから成るプラネタリギヤセットを有する。これらモータ本体1、ディファレンシャル装置5及び減速装置7は、モータケース3に収容支持されている。
【0024】
モータケース3は、それぞれ両端が開いた円筒状の一対のセンタケース31を有し、それらの互いに対向する端面を合わせてボルト締め結合されている。両センタケース31の非結合側開口部にはそれぞれカップ状のサイドケース32がインロー接合されてボルト締めされている。両センタケース31にはそれらの周壁から中心方向に延びる隔壁33が形成され、これら隔壁の間にディファレンシャル装置室30が画定され、そこにディファレンシャル装置5が収容されている。
【0025】
隔壁33とサイドケース32の径方向壁34との間には電動機室35が画定され、その中にモータ本体1が収容されている。モータ本体1のステータ15は、センタケース31の内周壁に固定されている。すなわち、ステータ15の電機子鉄心16は、センタケース31の内周壁に形成された段部36に内端(以下、両センタケース31の合わせ部を内側として内外関係を説明する)を当接させてセンタケース31の周壁内側に回り止め嵌合支持されている。
【0026】
特に、この電機子鉄心16のモータケース3に対する心だしには工夫がこらされており、図11及び図12に示すように、センタケース31のステータ圧入円筒部には数カ所(本例において、ケースの中心軸線を挟んで対向する一対)、センタケース31の外端から内方に向かって応力逃がし溝37が形成され、電機子鉄心16とセンタケース31の熱膨張の違いによるセンタケース31への応力負荷を緩和している。このように構成することで、圧入代を大きく設定しながら、寒冷時のケース割れを防ぎ、しかも広い温度範囲にわたりモータケース3とステータ15との間の熱膨張時のクリアランス量を最小限に押さえることができるため、ステータ15とロータ10の同軸精度が向上し、それらの間のギャップの均一化により、モータ性能の向上が図られている。
【0027】
一方、モータ本体1のロータ10は、そのロータドラム11をディファレンシャル装置5に支持されている。ディファレンシャル装置5は、十分な剛性を有する材料で形成されて互いにボルト締め一体化された一対のディファレンシャルケース51、それらの合わせ部に配設されたピニオンシャフト50、ピニオンシャフト50に対して回転自在に配設されたピニオン52、ピニオン52と噛合する一対のサイドギヤ53から成っている。サイドギヤ53は、ディファレンシャルケース51にロータ10から伝達される回転を差動して、それぞれ車両の左右方向に延びる駆動軸54に伝達すべく、駆動軸54端にスプライン嵌合している。そして、ディファレンシャルケース51は、それらの本体部55から駆動軸54を包囲して延びる筒状部56を有しており、筒状部56によってロータドラム11を支持している。
【0028】
筒状部56の外周面とロータドラム11の内周面はスプライン嵌合し、また、筒状部56の根元部分の外周面と隔壁33間にはベアリング91が配設され、それらにディファレンシャル装置5が回転自在に支持されて軸方向位置決めされている。そして、筒状部56と駆動軸54は、その内外周間に適宜量のクリアランスを保って相対回転自在とされている。したがって、ディファレンシャル装置5が差動回転する際には、筒状部56に対して駆動軸54が相対回転する。なお、一方のディファレンシャルケース51bの本体部55b外周には、パーキングギヤ57bが形成されている。
【0029】
駆動軸54の外端近傍には、スラストカラー58が軸方向移動不能に嵌合され、それと筒状部56間にスラストベアリング92が配設され、駆動軸54の外端は、スラストベアリング93を介して後記する伝動軸71の内端に当接している。したがって、駆動軸54は、内方への移動をディファレンシャルケース51を介してベアリング91で阻止され、外方への移動を伝動軸71を介して、後記するベアリング94により阻止されて位置決めされる。
【0030】
また、スラストカラー58の外側即ちホイール側には、減速装置7のプラネタリギヤセットが配設されている。プラネタリギヤセットは、サンギヤS、サンギヤSと噛合するピニオンP、ピニオンPを支持するキャリヤCR、ピニオンPと噛合するリングギヤRから成り、サンギヤSが駆動軸54と一体形成され、リングギヤRがサイドケース32にフランジ59を介してボルト止めされている。このプラネタリギヤセットにおいては、駆動軸54からサンギヤSに回転が入力され、キャリヤCRから伝動軸71及びホイールシャフト8に減速された回転が出力される。
【0031】
そして、キャリヤCRの軸方向外側には、伝動軸71が連設され、伝動軸71の外周には、サイドケース32にベアリング94を介して回転自在に支持され、動力をモータケース3外に取り出すヨークフランジ8がスプライン嵌合され、伝動軸71とヨークフランジ8とはナット締めによりベアリング94のインナレースを挟持してサイドケース32に軸方向位置決めされている。かくして、キャリヤCRは、それと一体の伝動軸71、該軸の外周に嵌合するヨークフランジ8を介して、結果的にベアリング94のインナレースに支持されている。
【0032】
一方、リングギヤRの軸方向外側には、フランジ59がその外周のスプライン部をリングギヤRの内周歯に噛合させ、スナップリング止めされて係合している。このフランジ59の内径は、ベアリング94のアウタレースの外径に密に嵌合する径とされ、内端で径方向内側に突出する鍔がアウタレースの外周最内端の切り欠き周溝に嵌合している。かくして、アウタレースは、その軸方向外側への移動をサイドケース32により、また、内方への移動をフランジ59により阻止される。そして、リングギヤRは、その軸方向外方への移動を内周歯外端により阻止され、内方への移動をスナップリングにより阻止され、フランジ59を介してアウタレースに心だし支持されている。
【0033】
このドライブユニットには、機構各部を潤滑し、且つモータ本体1の界磁コイル17を冷却すべく潤滑装置が設けられており、その油圧発生源としてのオイルポンプが、ドライブユニットの軸方向中央部に配設されている。ポンプから吐出するオイルは、各機構部分に順次供給され、各部の潤滑を行なうほか、油路39からモータ本体1の界磁コイル17にも供給され、それを冷却し、それぞれ最終的に、センタケース31下方のオイル溜めに回収される。したがって、モータケース3内はオイル封入状態にある。
【0034】
以上のように構成されたドライブユニットでは、両モータ本体1の何れか一方又は双方がモータドライバの制御下で作動すると、ロータ10の回転がそれらにスプライン係合するディファレンシャルケース51に伝わり、この回転がディファレンシャル装置5において差動させられて、それぞれサイドギヤ53を介して駆動軸54に伝達される。そして、この回転は、両プラネタリギヤセットのサンギヤSに入力され、そこで減速されて、キャリヤCRから出力される。キャリヤCRの出力回転は、伝動軸71からヨークフランジ8を経てそれらに連結される図示しないホイールに伝達される。このようなホイールの回転によって車両が走行する。
【0035】
以上、本発明を2つの実施例に基づき詳説したが、本発明は、特許請求の範囲の記載内で適宜各部の具体的構成を変更して実施可能なものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の配線接続装置を示す軸方向断面図である。
【図2】図1のII方向視端面図である。
【図3】図1のIII方向視端面図である。
【図4】配線接続装置主要部品の軸方向断面図である。
【図5】配線接続装置主要部品の内側端面図である。
【図6】配線接続装置主要部の外側端面図である。
【図7】本発明の第2実施例の配線接続装置主要部品を示す軸方向断面図である。
【図8】図7のIIX方向視端面図である。
【図9】図7のIX方向視端面図である。
【図10】本発明を適用したドライブユニットの軸方向断面図である。
【図11】図11のXI方向視端面図である。
【図12】図11のXII方向視部分側面図である。
【符号の説明】
2 ブッシュ
3 モータケース
4 アダプタ端子
21 内孔
22 フランジ(固定手段)
28 Oリング
31 センタケース
38 通孔
41 ネジ孔(接続手段)
42 アイ(接続手段)
44,44A Oリング
61 モータケース内電線ケーブル(電線)
65 モータケース外電線ケーブル(電線)
Claims (3)
- ケース壁を貫通する通孔が形成されたモータケースと、前記通孔に嵌挿されて前記ケース壁に抜け止め固定された電気絶縁性のブッシュと、該ブッシュの内孔に嵌挿され、前記モータケース内外の電線の端部と接続するための接続手段を備えた導電性のアダプタ端子とを有するとともに、前記通孔の内周面とブッシュの外周面との間、及びブッシュの内周面とアダプタ端子の外周面との間はOリングによって密封され、前記各接続手段にそれぞれ前記モータケース内外の電線の端部が接続され、前記ブッシュは回り止め孔を備え、前記アダプタ端子は前記回り止め孔に嵌合される外周面を備えることを特徴とする車両用モータの配線接続装置。
- 前記ブッシュは、モータケースに固定するための径方向に張り出す固定手段を備え、該固定手段のモータケースに対する接合面は、ブッシュの軸方向に対して垂直に指向する請求項1に記載の車両用モータの配線接続装置。
- 前記モータケースは、ブッシュが嵌挿する通孔の近傍に、ブッシュの固定手段と対向する接合部を備える請求項1又は2に記載の車両用モータの配線接続装置。
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