JP3653939B2 - 記録装置用ヘッド駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の記録装置用ヘッド駆動装置に係り、特に、ヘッド駆動チャンネルを選択するためのスイッチ回路とこのスイッチ回路へヘッドを駆動する電力を供給する電力増幅器とが配線材により接続された記録装置用ヘッド駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ等の記録装置において、ヘッド駆動チャンネルを選択するためのスイッチ回路とこのスイッチ回路へヘッドを駆動する電力を供給する電力増幅器とが離れた位置で構成されものにあっては、両者間がFPC(フレキシブル・プリンティッド・サーキット板)等の配線材により接続される。図1にその構成を示す。インクを噴射するためのヘッド1とこのヘッド1のチャンネルを選択するためのスイッチ回路(スイッチICという)21とがヘッドユニット3に設けられ、このヘッドユニット3は走査移動されるキャリッジ上に搭載される。このスイッチIC21へ電力を供給する電力増幅器41は装置本体側に設けられ、スイッチIC21と電力増幅器41との間は配線材5により接続される。電力増幅器41は、波形発生器42からの信号を受けて動作する。スイッチIC21には制御信号及び電源が供給される。
【0003】
このような構成においては、スイッチIC21と電力増幅器41との間の配線材5による電圧降下が発生する。このため、ヘッド1に印加されるべき電力が配線材5により消費され、ヘッド1の性能をフルに発揮することができない場合があり、その場合は、インク噴射速度が低下し、印字品位の劣化につながる。この問題を防ぐために、波形の劣化の原因である配線材5での損失を低減するため、配線材5のインピーダンスを下げるように導体幅を増やしたり、電力増幅器41が出力する波形に対して予め配線材5による劣化を補正しておく必要があった。
【0004】
また、スイッチIC21の入力−出力特性が非線形であるために、駆動信号がスイッチICを通り抜けると歪むため、希望する波形がヘッドに印加されないという問題があった。この問題を防ぐために、波形劣化の原因であるスイッチICの非線形分を予め補正しておく必要があった。
このような理由から、装置の小型化を困難としたり、コストの上昇を招いていた。また、波形の補正に関しては、チャンネル数の変化に対して対応するには処理回路の複雑化を招き、コスト高の要因となる。
【0005】
ここで、上記構成の動作原理について説明する。図6に各部の波形を示している。波形発生器42により駆動波形(1)を発生し、この駆動波形(1)を電力増幅器41により増幅し、その出力を配線材5を経由してスイッチIC21に送る。スイッチIC21の入力及び出力波形は図示のように歪む。この出力波形の駆動電圧が、スイッチIC21に入力されている制御信号に基づいて選択されたヘッド1に対して印加される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、電力増幅器41の出力自体、つまりa,b間に希望の駆動波形を発生させることは可能であっても、装置の大型化・コストアップを招くことなく、ヘッドユニット3の入力端c,d間に、希望の駆動波形を得ることは、配線材5による電圧降下の存在により困難であり、従って、スイッチIC21の電源入力端子には希望する波形の電圧を供給することが困難となる。図2に駆動回路の電気的等価回路を示す。配線材5は、R(抵抗成分)とL(インダクタンス成分)を主成分として構成されており、図示では、集中定数的にc〜e/d〜fに、RとLとを各々1個づつしか記していないが、実際には分布定数的に存在する。
【0007】
また、スイッチICとして代表的なCMOSのアナログスイッチの入力電圧に対する抵抗値特性を図3に示す。アナログスイッチは、外部からの制御信号により、入出力間をON/OFFする機能を有しており、その非線形特性は、入力電圧に対しON時の入出力間の抵抗が変化するものである。スイッチIC21の非線形特性により、入力された信号は、さらに歪むことになる。
【0008】
以下に、配線材5の抵抗成分の存在が、ヘッド1に印加される信号に対して、どのような障害を及ぼすかを説明する。ヘッド1がいわゆるPZT(ピエゾ)系である場合、この方式は、インクを飛ばすためにPZTに電圧を印加し、PZTが変形したことによるインク通路内の圧力変化を利用するものである。ヘッド1がPZTの場合の等価回路を図4に示す。PZTは等価的にはコンデンサ12である。このため、数多くのノズルからインクを同時噴射しようとすると、ピーク電流は下式で表されるものとなる。
電流=駆動電圧/配線材抵抗+駆動電圧×同時噴射ノズル数/スイッチング素子のON抵抗
【0009】
1ノズルあたりの電流が20mAピークとしても、チャンネルが128chあると、電流は2.56Aとなる。そして、配線材5の抵抗が1Ωとすると往復線路で2Ωとなり、電圧降下は、5.12Vとなる。これは、電源電圧(例えば24V)に対して相対的に無視できない電圧降下である。図5は配線材5に損失がない場合と、損失が発生した場合の電圧波形を示している。配線材5に損失が発生すると、電圧波形の立ち上がり・立ち下がりが鈍ったものとなり、ヘッド駆動の応答性が低下する。さらに、スイッチICの非線形性の影響により、スイッチICの出力波形は、上述の図6に示したように、歪む。このため、波形発生器42から出力された駆動波形(1)と比較すると、立ち上がり・立ち下がりに著しい相違が発生する。これによって、PZTの変形が期待通りにならないため、インク噴射特性が低下する。
【0010】
そこで、この種の駆動回路においては採用されていない負帰還制御を導入することにより、配線材のインピーダンスやスイッチICの非線形性の影響を回避でき、同時に複数チャンネルを噴射した場合に期待した通りの駆動波形がヘッドに印加されないといった問題を解消し得ると考えられるが、ヘッド駆動回路では、過渡時に負荷静電容量が大幅に変化することから、回路に負帰還を施すには、回路を工夫しなければ、期待通りの動作が得られない。
本発明は、上述した問題に対処するものであり、装置の大型化・複雑化・コストアップを招くことなく、負帰還制御を導入することにより、ヘッド駆動チャンネルを選択するためのスイッチ回路とこのスイッチ回路に電力を供給する電力増幅器との間の配線材による損失及びスイッチ回路の非線形分を補償することができ、そのため、スイッチ回路に期待した通りの適正な波形の電圧を印加することが可能で、ヘッドの性能をフルに発揮することができ、印字品位を確保し得る記録装置用ヘッド駆動装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の記録装置用ヘッド駆動装置は、ヘッド駆動チャンネルを選択するためのスイッチ回路とこのスイッチ回路へヘッドを駆動する電力を供給する電力増幅器とが配線材により接続され、電力増幅器には、配線材による損失及びスイッチ回路の非線形分を補償するための負帰還回路が設けられた記録装置用ヘッド駆動装置であって、電力増幅器の最終段のトランジスタがプッシュプル回路を構成し、同トランジスタのベース抵抗と並列に抵抗とコンデンサを接続したものである。
上記構成においては、負帰還動作により配線材での損失とスイッチ回路の非線形性の影響を回避できると共に、電力増幅器の最終段、つまり配線材を経てスイッチ回路が接続されるトランジスタは、負荷が大容量静電容量であることから、出力波形の過渡域では、スイッチング動作(アナログでない)相当になり、このため、同トランジスタのベース−エミッタ電位を、特にOFF時に速やかに前段出力に追従させる必要がある。同トランジスタがプッシュプル回路をなし、かつ、ベース抵抗と並列に抵抗とコンデンサが接続されていることで、期待した動作が得られる。
【0012】
また、請求項2の発明の記録装置用ヘッド駆動装置は、上記請求項1に記載の構成において、電力増幅器における電圧増幅段の入力トランジスタとして、正の単一電源の場合にPNP型のものを用い、負の単一電源の場合にNPN型のものを用いるものである。
上記構成においては、ヘッドには0ボルト(V)付近で振れる振幅の電圧が印加される方が劣化しにくい(特に、ピエゾ圧電素子の場合、電圧が常時印加されていると分極を起こし易い)という背景から、電圧増幅段の入力トランジスタのコレクタ出力が0ボルト(V)近傍からの出力を必要とするが、コレクタ−GND間の電圧降下を小さくできるので、その要求を満たすことができる。
【0013】
また、請求項3の発明の記録装置用ヘッド駆動装置は、上記請求項1又は請求項2に記載の構成において、電力増幅器における電圧増幅段の入力トランジスタのコレクタ負荷として、定電流源又はカレントミラーを用いるものである。
上記構成においては、入力トランジスタのコレクタ−GND間の電圧降下分が出力電圧となるので、この電圧降下を押さえる必要があり、定電流源又はカレントミラーを用いることで、それに相応することができる。
【0014】
また、請求項4の発明の記録装置用ヘッド駆動装置は、上記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の構成において、電力増幅器は電圧増幅段と電流増幅段とからなり、電流増幅段の第1カットオフ周波数が、電圧増幅段の増幅度が0となる周波数よりも大きくなるように設定したものである。
上記構成においては、電力増幅器の負荷が大容量静電容量であって、その容量が大幅に変化し、インクを同時に噴射するチャンネルが多いと、静電容量が大きくなり、第1カットオフ周波数が小さくなるが、その時でも、第1カットオフ周波数が電圧増幅段の増幅度0となる周波数よりも大きくなるようにしておくことで、電力増幅器に負帰還をかけても安定した動作が得られる。
【0015】
また、請求項5の発明の記録装置用ヘッド駆動装置は、上記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の構成において、電力増幅器の最終段のトランジスタを駆動するトランジスタがプッシュプル回路を構成し、同トランジスタのベース抵抗と並列に抵抗とコンデンサを接続したものである。
上記構成においては、最終段のトランジスタの動作と同様に、それを駆動するトランジスタも応答が速やかで安定した動作が得られる。
【0016】
また、請求項6の発明の記録装置用ヘッド駆動装置は、上記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の構成において、ヘッドは、インク噴射のために圧電素子を用いたインクジェット方式のものである。
上記構成においては、帰還回路によりスイッチ回路による波形歪が補償されるので、ヘッドの圧電素子に含まれるコンデンサ成分に起因する電圧波形の歪発生が抑制され、インクの噴射応答が低下することがなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
図7は、記録装置用ヘッド駆動装置の回路図である。本駆動装置は、インクジェット方式によりインク噴射を行うヘッド1と、このヘッド1の駆動チャンネルを選択するためのスイッチ回路21(スイッチICという)とが設けられたヘッドユニット3と、スイッチIC21に電力を供給する電力増幅器41と、この電力増幅器41に波形信号を供給する波形発生器42とから構成される。ヘッドユニット3は、印字動作のため走査移動されるキャリッジに搭載され、電力増幅器41と波形発生器42は装置本体側に設けられることから、これら両者間はFPC等でなる配線材5により接続される。
【0018】
電力増幅器41は、負帰還回路を有しており、スイッチIC21の一つのスイッチ(通常、非線形のアナログスイッチ)とヘッドの一つのチャンネルを接続した点及びグランド点(後述の図9参照)から電力増幅器41まで負帰還用信号線71,72を導出して、これにより負帰還ループ内にアナログスイッチを挿入している。また、スイッチIC21には、制御信号及び電源が供給される。負帰還用信号線71,72は、配線材5のFPC等の配線を利用すればよい。
【0019】
図8は、電力増幅器41の入力波形(in)と出力波形(out)及び、その場合のスイッチIC21の出力波形を示す。電力増幅器41の出力波形は負帰還がかけられたものとなっていて、スイッチIC21の出力波形は、図6に示したものに比べて歪が補正されたものとなる。
【0020】
図9はスイッチIC21、ヘッド1及び帰還回路の具体的回路を示す。ヘッド1は等価的にはコンデンサ12であり、スイッチIC21のスイッチ22と同等で常時ONとされる一つのスイッチ23とダミーのヘッド13の一つのチャンネルとの接続点からを負帰還用信号線71(D)を導出し、シグナルグランド点から負帰還用信号線72(E)を導出している。これら負帰還用信号線71(D),72(E)は、それぞれ図7に示されるように、電力増幅器41の端子C,Bに接続される。なお、端子F、G(Gはパワーグランド)は、配線材5を介して電力増幅器41の出力端に接続されている。ヘッド13に代えて、等価静電容量のコンデンサでもよい。
【0021】
図10は、電力増幅器41の具体回路例を示し、(a)は非反転増幅回路41aを用いた場合、(b)は反転増幅回路41bを用いた場合である。非反転増幅回路41a及び反転増幅回路41bはいずれも入力波形と出力波形との差がなくなるように動作する(但し、反転増幅では入出力は反転)。この例では、ボルテージ・フォロアを用いている。各増幅回路41a、41bへの負帰還回路には、インピーダンス変換器44が挿入されている。インピーダンス変換器44は出力インピーダンスが低く、入力インピーダンスが高いものを用い、これにより、電力増幅器41の負荷が静電容量と非線形な入出力特性を示すスイッチIC21であるにも拘わらず、負荷に流れるべき電流が負帰還回路に流れないようにしている。なお、図示のA,B,C端はそれぞれ図7の同符号に対応し、グランド、負帰還用信号線72(E),71(D)に接続される。また、各増幅回路41a、41bの出力端子(out)は一方の配線材5に接続され、入力端子(in)には波形発生器42の出力が接続される。
【0022】
上記のように構成されているので、電力増幅器41は、その負帰還回路にスイッチIC21を含むことになり、負帰還制御により、アナログのスイッチIC21の非線形特性による波形歪の発生を防止することができる。すなわち、図8に示したように、スイッチIC21の入力波形に対して、電力増幅器41の出力波形(out)は、スイッチIC21の非線形性を補償するような駆動波形特性となる。これにより、スイッチIC21には歪のない波形の電圧を供給することができ、従って、ヘッド1は適正に動作する。また、これにより、従来のように、波形の劣化の原因であるスイッチICの非線形分を予め補正しておくといった複雑な構成及び処理が不要となる。
【0023】
図11は電力増幅器41の最終段であるバッファ段(電流増幅段)の回路図である。電力増幅器41の最終段のトランジスタQ1,Q2がプッシュプル回路を構成し、同トランジスタQ1のベース抵抗R1と並列に抵抗R2とコンデンサC1を接続し、トランジスタQ2のベース抵抗R3と並列に抵抗R4とコンデンサC2を接続した(B部)。通常のプッシュプル回路では、これら抵抗、コンデンサは使用しない。このトランジスタQ1,Q2の出力は、配線材5を経てスイッチ回路21が接続され、このスイッチ回路21の負荷(ヘッド1)が大容量静電容量であることから、出力波形の過渡域では、スイッチング動作(アナログでない)相当になり、このため、同トランジスタQ1,Q2のベース−エミッタ電位を、特にOFF時に速やかに前段出力に追従させる必要がある。上記回路構成により、トランジスタQ1,Q2のベース抵抗は、定常域では、抵抗R1,R3のみとなり、過渡域では、抵抗R1と抵抗R2の並列抵抗となり、上記の動作が達成できる。
【0024】
トランジスタQ3,Q4及びトランジスタQ5,Q6は、それぞれバッファ最終段のトランジスタQ1及びトランジスタQ2を駆動する回路部である(C部)。これらのトランジスタもプッシュプル回路を構成している。通常は、ダーリントン接続又はエミッタフォロアーで駆動し、プッシュプル駆動はしない。このベース抵抗にも、抵抗とコンデンサを接続する(D部)。プッシュプル駆動する理由及び抵抗とコンデンサを負荷する理由は、上記と同様である。
【0025】
図12及び図13は、いずれも電力増幅器41の入力側の電圧増幅段の2種類の回路図である。電圧増幅段の入力トランジスタQ9,Q10(E部)は差動増幅回路をなし、そのコレクタ負荷として、図12のトランジスタQ11,Q12,Q13から成る定電流源(F部)又は図13のトランジスタQ12,Q13から成るカレントミラー(G部)を用いる。入力トランジスタQ9,Q10のコレクタ−GND間の電圧降下分が出力電圧となるので、この電圧降下を押さえる必要があり、定電流源又はカレントミラーを用いることで、それに相応することができる。
【0026】
電圧増幅段の入力トランジスタQ9,Q10として、正の単一電源の場合には、PNP型のものを用い(図示のもの)、負の単一電源の場合には、NPN型のものを用いる。ヘッド1には0ボルト(V)付近で振れる振幅の電圧が印加される方が劣化しにくい(特に、ピエゾ圧電素子の場合、電圧が常時印加されていると分極を起こし易い)という背景から、電圧増幅段の入力トランジスタQ9,Q10のコレクタ出力が0ボルト(V)近傍からの出力を必要とするが、上記構成により、コレクタ−GND間の電圧降下を小さくできるので、その要求を満たすことができる。
【0027】
図14は、電圧増幅段と電流増幅段の周波数に対する増幅度の関係を示す特性図である。電流増幅段の第1カットオフ周波数fbpが、電圧増幅段の増幅度が0となる周波数f0 よりも大きくなるように設定した。電力増幅器41の負荷が大容量静電容量であって、その容量が大幅に変化し、インク噴射チャンネルが少ない時、つまり負荷としての静電容量が小さい時は、電力増幅器の出力インピーダンスと負荷静電容量で形成されるカットオフ周波数fbpが十分大きいのに対して、インク噴射チャンネルが多い時、つまり負荷としの静電容量が大きい時は、カットオフ周波数fbp’が小さくなり、電圧増幅段の増幅度が0となる周波数f0 に近づくが、その時でも、上記のように構成しておくことで、電力増幅器41に負帰還をかけても安定した動作が得られる。
【0028】
図15はヘッド駆動回路の全体回路図である。上述した通り、電力増幅器41の前半の入力(Vin)側が電圧増幅段であり、後半の出力(Vout)側が電流増幅段(バッファ)である。スイッチIC21から電圧増幅段へ負帰還回路(負帰帰還用信号線71,72等で構成される)が設けられている。
【0029】
また、上記の実施形態において、配線材5は可撓性に富むように、できるだけその導体幅の薄いものが望ましく、そうした場合に、配線材5のインピーダンスが多少大きくなって電圧降下が大きくなったとしても、その電圧降下は補償され、スイッチIC21へは規定電圧が供給されるので、ヘッド1の正常動作に何ら支障がなく印字品位は保証される。なお、スイッチIC21側から電力増幅器41側まで導出される負帰還用信号線71,72に流れる電流は微小であり(電力供給線である配線材5に流れる電流に比べて極めて少ない)、そこでの電圧降下は無視できる。
【0030】
また、ヘッド1が、圧電素子等を用いたインクジェット方式である場合、圧電素子に含まれるコンデンサ成分に起因して電圧波形が鈍り易いが、本発明では、電圧降下分が補償されるので、コンデンサ成分に起因する電圧波形の鈍り発生が抑制され、インクの噴射応答が低下することがなくなる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インクジェット方式のヘッドを示したが、バブルジェット系のヘッド、サーマルヘッド、熱昇華型ヘッドにも同様に適用可能であり、特に、これらのヘッドではヘッドへの通電電流が大きいことから、配線材5での電圧降下が大きくなり、従って、本発明を適用した場合の効果は大きい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明に係る記録装置用ヘッド駆動装置によれば、負帰還動作により配線材での損失とスイッチ回路の非線形性の影響を回避した場合に、電力増幅器の最終段、つまり配線材を経てスイッチ回路が接続されるトランジスタがプッシュプル回路をなし、かつ、ベース抵抗と並列に抵抗とコンデンサが接続されていることで、負荷が大容量静電容量であるために過渡域でスイッチング動作となっていても、その応答が速やかとなり、安定した帰還動作が得られ、記録ヘッドに波形歪のない所期の駆動波形電圧を印加することが可能で、印字品位を保証することができる。
【0033】
また、請求項2の発明に係る記録装置用ヘッド駆動装置によれば、上記の効果に加えて、電力増幅器の電圧増幅段の入力トランジスタの出力として0ボルト近傍での振幅の電圧を得ることが可能で、従って、スイッチICの負荷であるヘッドに常に電圧が印加されることがないようにでき、ヘッドの劣化を防止できる。
【0034】
また、請求項3の発明に係る記録装置用ヘッド駆動装置によれば、電圧増幅段の入力トランジスタの出力となるコレクタ−GND間の電圧降下を小さくすることができる。
【0035】
また、請求項4の発明に係る記録装置用ヘッド駆動装置によれば、電力増幅器の負荷である静電容量が大幅に変化しても安定して負帰還をかけることができ、請求項1と同等の効果が得られる。
【0036】
また、請求項5の発明に係る記録装置用ヘッド駆動装置によれば、電力増幅器の最終段のトランジスタの動作と同様に、それを駆動するトランジスタも応答が速やかで安定した動作が得られる。
【0037】
また、請求項6の発明に係る記録装置用ヘッド駆動装置によれば、スイッチ回路による波形歪のない電圧をヘッドに供給できるので、圧電素子のコンデンサ成分による電圧波形の鈍り発生を抑制することができ、ヘッド駆動の応答性が低下することがなくなり、印字品位を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のヘッド駆動回路の回路図である。
【図2】従来のヘッド駆動回路の電気的等価回路図である。
【図3】スイッチの非線形特性を示す図である。
【図4】ヘッドとスイッチ回路の回路図である。
【図5】圧電系ヘッドの場合の配線材による損失の影響を示す電圧波形図である。
【図6】ヘッド駆動波形を示す図である。
【図7】本発明の実施形態によるヘッド駆動装置におけるヘッド駆動回路の回路図である。
【図8】電力増幅器とスイッチICでの各部波形を示す図である。
【図9】スイッチICと帰還回路の回路図である。
【図10】電力増幅器の概略回路図である。
【図11】電力増幅器における電流増幅段の具体的回路図である。
【図12】電力増幅器における電圧増幅段の具体的回路図である。
【図13】電力増幅器における電圧増幅段の他の例による具体的回路図である。
【図14】電圧増幅段と電流増幅段の周波数に対する増幅度の関係を示す特性図である。
【図15】ヘッド駆動回路の全体回路図である。
【符号の説明】
1 ヘッド
21 スイッチIC(スイッチ回路)
3 ヘッドユニット
41 電力増幅器
42 波形発生器
5 配線材
71,72 負帰還用信号線
Q1,Q2 トランジスタ
R1,R3 ベース抵抗
R2,R4 抵抗
C1,C2 コンデンサ
Q9,Q10 入力トランジスタ

Claims (6)

  1. ヘッド駆動チャンネルを選択するためのスイッチ回路とこのスイッチ回路へヘッドを駆動する電力を供給する電力増幅器とが配線材により接続され、前記電力増幅器には、前記配線材による損失及び前記スイッチ回路の非線形分を補償するための負帰還回路が設けられた記録装置用ヘッド駆動装置であって、
    前記電力増幅器の最終段のトランジスタがプッシュプル回路を構成し、同トランジスタのベース抵抗と並列に抵抗とコンデンサを接続したことを特徴とする記録装置用ヘッド駆動装置。
  2. 前記電力増幅器における電圧増幅段の入力トランジスタとして、正の単一電源の場合にPNP型のものを用い、負の単一電源の場合にNPN型のものを用いることを特徴とする請求項1記載の記録装置用ヘッド駆動装置。
  3. 前記電力増幅器における電圧増幅段の入力トランジスタのコレクタ負荷として、定電流源又はカレントミラーを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置用ヘッド駆動装置。
  4. 前記電力増幅器は電圧増幅段と電流増幅段とからなり、電流増幅段の第1カットオフ周波数が、電圧増幅段の増幅度が0となる周波数よりも大きくなるように設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録装置用ヘッド駆動装置。
  5. 前記電力増幅器の最終段のトランジスタを駆動するトランジスタがプッシュプル回路を構成し、同トランジスタのベース抵抗と並列に抵抗とコンデンサを接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の記録装置用ヘッド駆動装置。
  6. 前記ヘッドは、インク噴射のために圧電素子を用いたインクジェット方式のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の記録装置用ヘッド駆動装置。
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