JP3653434B2 - 音響・映像コントロールシステム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響信号及び映像信号を含むAV信号を再生することが可能な複数台の音響・映像再生機器(以下、AV再生機器という)が制御装置に接続され、該制御装置に装備された情報入力装置の操作に応じて、複数台の機器の動作が制御される音響・映像コントロールシステム(以下、AVコントロールシステムという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図10に示す様に、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)、LDプレーヤ(33)、モニタ装置(3)等の複数台の機器がマイクロコンピュータなどからなるコントローラ(4)に接続され、該コントローラ(4)のリモートコントロール送信器(40)を用いて、前記複数台の機器を集中的に操作することが可能なAVコントロールシステムが提案されている。
【0003】
上記AVコントロールシステムにおいては、コントローラ(4)にマトリクススイッチャー(2)が接続されており、該マトリクススイッチャー(2)には、各機器のAV入力端子及びAV出力端子を接続するためのAV入力ポート(21)及びAV出力ポート(22)が設けられている。AV入力ポート(21)には、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)が接続されており、マトリクススイッチャー(2)は、コントローラ(4)から供給されるAV入力切換え信号に基づいて、AV入力をVCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)の何れかの機器に切り換える。一方、AV出力ポート(22)には、モニタ装置(3)が接続されており、モニタ装置(3)には、前記何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。
【0004】
該AVコントロールシステムにおいては、ユーザが、リモートコントロール送信器(40)を用いて、所定の機器に所定の動作を実行させるための操作を行なうと、該操作に応じて、コントローラ(4)からマトリクススイッチャー(2)にAV入力切換え信号が供給されると共に、コントローラ(4)から所定の1或いは複数台の機器に対して所定の動作を行なわしめるための制御信号が出力される。これによって、マトリクススイッチャー(2)のAV入力が所定の機器に切り換えられると共に、所定の機器が所定の動作を開始して、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)の何れかの機器から出力されたAV信号が、マトリクススイッチャー(2)を経てモニタ装置(3)に入力されることになる。この結果、前記何れかの機器によって再生された映像がモニタ装置(2)に映し出される。
【0005】
例えば、ユーザがVCR(31)の再生画をモニタ装置(3)に映し出すための操作を行なうと、コントローラ(4)からマトリクススイッチャー(2)に対しAV入力をVCR(31)に切り換えるためのAV入力切換え信号が供給されると共に、所定の機器(VCR、モニタ装置)に対し所定の動作(VCRの電源オン、VCRの通常再生開始、モニタ装置の電源オン等)を行なわしめるための制御信号が出力されて、VCR(31)の再生画がモニタ装置(3)に映し出されることになる。
【0006】
又、上記AVコントロールシステムにおいては、マトリクススイッチャー(2)のAV出力ポート(22)にコントローラ(4)が接続されており、コントローラ(4)には、上記複数台の機器(31)(32)(33)の何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。
コントローラ(4)は、該AV信号の入力が無い場合に、所定の機器の電源が正常にオンとなっていない、或いは記録媒体がセットされていないと判断して、その旨を表示するための画像信号をモニタ装置(3)に供給する。この結果、モニタ装置(3)には、機器が正常にオンとなっていない旨や記録媒体がセットされていない旨の表示が為されることになる。ユーザは、該表示を見ることによって、機器の電源オンの正常/異常、記録媒体のセットの有無等を知ることが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のAVコントロールシステムにおいては、AV信号の入力の有無に基づいて、機器の電源オンの正常/異常や記録媒体のセットの有無が判断されるに過ぎず、ユーザは、自己の操作に応じて所定の機器が所定の動作、例えば、通常再生動作、早送り動作或いは巻戻し動作等を正常に行なっているか否かを知ることが出来ない問題があった。
そこで、本発明の目的は、ユーザが、自己の操作に応じて所定の機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを知ることが出来るAVコントロールシステムを提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るAVコントロールシステムは、制御装置に、情報入力装置が接続されると共に、音響信号及び映像信号を含むAV信号を再生することが可能な複数台の音響・映像再生機器が接続されている。
制御装置には、音響・映像再生機器から出力される映像信号を入力することが可能であって、該制御装置は、
映像信号の信号レベルの変動状態に基づいて、ユーザ操作に応じて所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する動作判断手段と、
何れかの音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっていないと判断されたとき、その旨を表示するための画像信号を出力する信号出力手段
とを具えている。
【0009】
具体的には、制御装置は、更に、
映像信号の信号レベルがゼロであるか否かを判断すると共に、映像信号の信号レベルが変動するか否かを判断するレベル変動判断手段
を具え、前記動作判断手段は、レベル変動判断手段の判断結果に基づいて、各音響・映像再生機器の動作状態を判別し、該判別結果に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する。
【0010】
本発明に係るAVコントロールシステムにおいては、制御装置に接続される複数台の機器に、画像表示機器、例えばモニタ装置が含まれている。或いは、制御装置は、画像表示装置を具えている。
【0011】
AV再生機器の電源がオフの状態では、該AV再生機器から映像信号が出力されないため、制御装置に映像信号が入力されず、映像信号の信号レベルはゼロである。
又、AV再生機器が通常再生動作、或いは、AV信号を再生しつつ早送り又は巻戻しを行なうサーチ再生動作を行なっている状態では、画像表示機器には記録媒体から再生された映像が表示される。このとき、AV再生機器からは記録媒体から再生された映像信号が出力されており、かかる映像信号の信号レベルは変動する。
又、AV再生機器の電源がオンとなった直後、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、画像表示機器には略全域が青色や灰色の一色の画面が表示される。このとき、AV再生機器からは、画像表示機器に略全域が青色や灰色の一色の画面を表示するための映像信号がAV再生機器から出力されており、かかる映像信号の信号レベルは一定である。
【0012】
従って、動作判断手段は、映像信号の信号レベルがゼロであると判断されたときに、AV再生機器は電源がオフの状態、映像信号の信号レベルが変動すると判断されたときに、AV再生機器は通常再生動作、或いはサーチ再生動作を行なっている状態、映像信号の信号レベルが変動しないと判断されたときに、AV再生機器は電源がオンとなった直後の状態、或いはAV再生機器は通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態であると判別し、その動作状態が、ユーザ操作に応じた所定の動作状態であるか否かを判断する。
【0013】
そして、何れかのAV再生機器が、ユーザ操作に応じて正常に所定の動作を行なっていないと判断されたとき、その旨が画像表示機器、或いは画像表示装置に表示される。
ユーザは、該表示を見ることによって、自己の操作に応じて所定の機器が正常に所定の動作を行なっていないことを知ることが出来る。
【0014】
又、具体的には、前記レベル変動判断手段は、
水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で映像信号のサンプリングを行なう垂直サンプリング手段と、
垂直サンプリング手段から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定の範囲を逸脱する大きな変動が間欠的に現れるか否かを判断する変動発生判断手段と、
水平走査周期よりも短い周期で映像信号のサンプリングを行なう水平サンプリング手段と、
水平走査期間毎に複数のサンプリング点の中から信号レベルのピーク点を抽出する抽出手段と、
抽出手段によって抽出された複数のピーク点の信号レベルが一致するか否かを判断するピークレベル判断手段
とを具えている。
【0015】
AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態、或いはサーチ再生動作を行なっている状態では、上述の如く、記録媒体から再生された映像信号がAV再生機器から出力されるが、AV再生機器がサーチ再生動作を行なっている状態では、画像表示機器に表示される映像に、ノイズによる横線が一定の間隔で表われる。ここで、サンプリングは水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で行なわれるので、映像信号は、画像表示機器の画面に沿って垂直方向にサンプリングされることになる。従って、該サンプリングによって得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形には、前記ノイズによる横線に応じて、一定の範囲を逸脱する大きな変動が間欠的に現れることになる。
これに対し、AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態では、画像表示機器に表示される映像に上記ノイズによる横線が表われず、複数のサンプリング点を結ぶ波形には上記大きな変動は現れない。
【0016】
従って、動作判断手段は、上記大きな変動が現れないと判断されたときに、AV再生機器は通常再生動作を行なっている状態、上記大きな変動が間欠的に現れると判断されたときに、AV再生機器はサーチ再生動作を行なっている状態であると判別する。
【0017】
又、AV再生機器の電源がオンとなった直後、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、上述の如く、画像表示機器に略全域が青色や灰色の一色の画面を表示するための映像信号がAV再生機器から出力されるが、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、画像表示機器の画面に早送り動作中又は巻戻し動作中であることを表わす表示が為される。AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、1の水平走査期間において、かかる表示の一定期間だけ上昇し、この一定期間内のサンプリング点が1つのピーク点として抽出されることとなる。従って、このピーク点の信号レベルは、他のピーク点の信号レベルに比べて高くなり、水平走査期間毎に抽出された複数のピーク点の信号レベルは一致しない。
これに対し、AV再生機器の電源がオンとなった直後は、画像表示機器には全域が完全に一色の画面が表示される。このとき、AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、常に一定であり、水平走査期間毎に抽出された複数のピーク点の信号レベルは一致する。
【0018】
従って、動作判断手段は、上記複数のピーク点の信号レベルが一致すると判断されたときに、AV再生機器は電源がオンとなった直後の状態、上記複数のピーク点の信号レベルが一致しないと判断されたときに、AV再生機器は早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態であると判別する。
【0019】
更に具体的には、制御装置には、音響・映像再生機器から出力される映像信号及び音響信号を入力することが可能であって、前記動作判断手段は、映像信号の入力の有無、映像信号の信号レベルの変動状態、及び音響信号の入力の有無に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断するものであり、制御装置は、更に、
映像信号の入力の有無を判断する映像入力判断手段と、
音響信号の入力の有無を判断する音響入力判断手段
とを具え、前記動作判断手段は、映像入力判断手段、レベル変動判断手段及び音響入力判断手段の判断結果に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する。
【0020】
AV再生機器の電源がオフの状態では、AV再生機器から映像信号が出力されず、制御装置には映像信号が入力されない。これに対し、AV再生機器の電源がオンとなった直後、AV再生機器が通常再生動作、サーチ再生動作、通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、AV再生機器から映像信号が出力されて、該映像信号が制御装置に入力される。
又、AV再生機器の電源がオフの状態、AV再生機器の電源がオンとなった直後、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、AV再生機器から音響信号が出力されず、制御装置には音響信号が入力されない。これに対し、AV再生機器が通常再生動作、或いはサーチ再生動作を行なっている状態では、AV再生機器から音響信号が出力される期間と出力されない期間が存在し、制御装置に音響信号が入力される期間と入力されない期間が存在する。
該具体的構成によれば、映像信号の信号レベルの変動状態に加えて、映像信号の入力の有無、及び音響信号の入力の有無に基づいて、AV再生機器の動作状態が判別されるので、判別結果についての信頼性が向上する。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係るAVコントロールシステムによれば、ユーザは、自己の操作に応じて所定の機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを知ることが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るAVコントロールシステムの全体構成は、図1に示す様に、コントローラ(1)の構成を除き、従来のAVコントロールシステムと同一であって、マイクロコンピュータなどからなるコントローラ(1)に、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)、LDプレーヤ(33)、モニタ装置(3)等の複数台の機器が接続されており、コントローラ(1)のリモートコントロール送信器(10)を用いて、これらの複数台の機器を集中的に制御操作することが可能である。
【0023】
上記AVコントロールシステムにおいては、コントローラ(1)にマトリクススイッチャー(2)が接続されており、該マトリクススイッチャー(2)には、各機器のAV入力端子及びAV出力端子を接続するためのAV入力ポート(21)及びAV出力ポート(22)が設けられている。
【0024】
AV入力ポート(21)には、AV再生機器としてのVCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)が接続されており、マトリクススイッチャー(2)は、コントローラ(1)から供給されるAV入力切換え信号に基づいて、AV入力をVCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)の何れかの機器に切り換える。
【0025】
一方、AV出力ポート(22)には、画像表示機器としてのモニタ装置(3)が接続されており、モニタ装置(3)には、前記何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。該モニタ装置(3)は、前記コントローラ(1)に接続されており、コントローラ(1)からモニタ装置(3)に、後述の画像信号が供給される。
又、AV出力ポート(22)には、前記コントローラ(1)が接続され、コントローラ(1)には、上記複数台のAV再生機器(31)(32)(33)の何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。
【0026】
図2は、コントローラ(1)の構成を表わしている。
本発明に係るコントローラ(1)においては、上述の如く何れかのAV再生機器から出力された映像信号は、映像信号検出回路(12)及び映像レベル検出回路(13)に入力される一方、音響信号は、音響信号検出回路(14)に入力される。
これらの検出回路(12)(13)(14)には、制御回路(15)が接続されており、映像信号検出回路(12)からは、映像信号の入力の有無を表わす映像入力コード、映像レベル検出回路(13)からは、映像信号の信号レベルの変動状態を区別するための映像レベルコード、音響信号検出回路(14)からは、音響信号の入力の有無を表わす音響入力コードが制御回路(15)に供給される。
【0027】
制御回路(15)には、後述の動作状態テーブルが格納されたメモリ(16)と、リモートコントロール送信器(10)からのリモートコントロール信号を受信するリモートコントロール受信器(11)が接続されている。
制御回路(15)は、所定の機器に向けて所定の動作を行なわしめるための制御信号を出力すると共に、マトリクススイッチャー(2)に向けてAV入力を所定のAV再生機器に切り換えるためのAV入力切換え信号を出力する。
又、制御回路(15)は、上述の如く供給された映像入力コード、映像レベルコード及び音響入力コードに基づいて、所定のAV再生機器が所定の動作状態であるか否かを判断し、所定の動作状態でないと判断したとき、画像信号を作成して、該画像信号をモニタ装置に出力する。この結果、モニタ装置には、AV再生機器が所定の動作状態にない旨が表示されることになる。
【0028】
映像信号検出回路(12)は、AV再生機器から供給される映像信号の水平同期信号の有無を検出し、水平同期信号が検出されない場合に、映像信号の入力が無いことを表わす映像入力コード“0”を制御回路(15)に供給する一方、水平同期信号が検出された場合に、映像信号の入力が有ることを表わす映像入力コード“1”を制御回路(15)に供給する。
【0029】
映像レベル検出回路(13)は、水平サンプリング回路(131)と垂直サンプリング回路(132)と判定回路(133)とから構成され、AV再生機器からの映像信号は、水平サンプリング回路(131)及び垂直サンプリング回路(132)に供給される。
水平サンプリング回路(131)においては、入力された映像信号が、水平走査周期よりも短い一定の周期でサンプリングされ、そのサンプリング結果が判定回路(133)に入力される。
一方、垂直サンプリング回路(132)においては、入力された映像信号が、水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期でサンプリングされ、そのサンプリング結果が判定回路(133)に入力される。
【0030】
判定回路(133)は、水平サンプリング回路(131)から得られる複数のサンプリング点の中から、水平走査期間毎に信号レベルのピーク点を抽出し、これによって得られる複数のピーク点の内、1つのピーク点の値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判断すると共に、抽出した複数のピーク点の値が一致するか否かを判断する。
又、判定回路(133)は、垂直サンプリング回路(132)から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定の範囲を逸脱する大きな変動が一定の周期で現れるか否かを判断する。
そして判定回路(133)は、これらの判断結果に基づいて、“0”、“1”、“2”、“3”、“4”の何れかの値をとる映像レベルコードを制御回路(15)に供給する。判定回路(133)による具体的な判別手続きについては、後述する。
【0031】
前記音響信号検出回路(14)は、一定の周期で、AV再生機器から供給される音響信号の信号レベルのピーク点を検出し、該ピーク点の値と予め設定された所定の閾値とを比較する動作を行なう。そして音響信号検出回路(14)は、ピーク点が所定の閾値以下である場合に、音響信号の入力が無いと判断して、その旨を表わす音響入力コード“0”を制御回路(15)に供給する一方、ピーク点が所定の閾値よりも大きい場合に、音響信号の入力が有ると判断して、その旨を表わす音響入力コード“1”を制御回路(15)に供給する。
【0032】
AV再生機器の電源がオフの状態では、そのAV再生機器から映像信号が出力されないため、映像レベル検出回路(13)の水平サンプリング回路(131)には映像信号が入力されない。
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、水平サンプリング回路(131)から得られる複数のサンプリング点の中から抽出した1つのピーク点の値が、予め設定された所定の閾値以下であるときに、AV再生機器の電源がオフであると判断する。
【0033】
図3(a)は、AV再生機器が通常再生動作、或いは再生しつつ早送り又は巻戻しを行なうサーチ再生動作を行なっているときにモニタ装置に表示される画面、同図(b)は、AV再生機器の電源がオンとなった直後にモニタ装置に表示される画面、同図(c)は、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっているときにモニタ装置に表示される画面を表わしている。
【0034】
AV再生機器が通常再生動作又はサーチ再生動作を行なっている状態では、モニタ装置には、同図(a)に示す如く、AV再生機器にセットされている記録媒体から再生された映像が表示される。このとき、映像レベル検出回路(13)の水平サンプリング回路(131)には、前記記録媒体から再生された映像信号が入力されており、時刻t1での画面中央部の水平走査期間内における映像信号の信号レベルのピーク点P1の値と、時刻t2での画面中央部の水平走査期間内における映像信号の信号レベルのピーク点P1′の値とは一致しない。
【0035】
又、AV再生機器の電源がオンとなった直後、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、モニタ装置には、同図(b)(c)に示す如く、略全域が青色や灰色の一色の画面が表示される。このとき、映像レベル検出回路(13)の水平サンプリング回路(131)には、モニタ装置に略全域が青色や灰色の一色の画面を表示するための映像信号が入力されており、時刻t1でのピーク点P1の値と時刻t2でのピーク点P1′の値とが一致する。
【0036】
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、時刻t1での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値と、時刻t2での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1′の値とが一致するか否かを判断することによって、AV再生機器が、通常再生動作又はサーチ再生動作を行なっている状態、或いは、電源を投入された直後、又は通常の早送り動作若しくは巻戻し動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別する。
【0037】
AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、モニタ装置には、同図(c)に示す如く、左上部に早送り動作中或いは巻戻し動作中であることを表わす表示が為され、AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、1の水平走査期間内において、かかる表示の一定期間だけ上昇する。従って、時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値は、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値に比べて大きくなり、両ピーク点P0、P1の値は一致しない。
これに対し、AV再生機器の電源がオンとなった直後は、モニタ装置には、同図(b)に示す如く、全域が完全に一色の画面が表示され、AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、常に一定である。従って、時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とが一致する。
【0038】
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とが一致するか否かを判断することによって、AV再生機器が、電源を投入された直後の状態、或いは早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別する。
【0039】
図4は、AV再生機器がサーチ再生動作を行なっているときにモニタ装置に表示される画面を模式的に表わしている。
AV再生機器がサーチ再生動作を行なっている状態では、モニタ装置に表示される映像に、図中に斜線で示す如く、ノイズによる横線が一定の間隔で表われる。
映像レベル検出回路(13)の垂直サンプリング回路(132)は、水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で映像信号のサンプリングを行なう。従って、映像信号は、図中に破線の矢印で示す如く、モニタ装置の画面に沿って垂直方向に一定間隔でサンプリングされることになり、該サンプリングによって得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形には、図5に示す如く、前記ノイズによる横線に応じて、一定の範囲を逸脱する大きな変動が一定の周期で現れることになる。
これに対し、AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態では、モニタ装置に表示される映像に上記ノイズによる横線が表われず、複数のサンプリング点を結ぶ波形には上記大きな変動が一定の周期で現れない。
【0040】
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、垂直サンプリング回路(132)から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定レベル以上の大きな変動が現れるか否かを判断することによって、AV再生機器が、通常再生動作を行なっている状態、或いはサーチ再生動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別する。
【0041】
図6は、上記映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)による判別手続きを表わしている。
図示の如く、先ずステップS1では、水平サンプリング回路(131)から得られる複数のサンプリング点の中から抽出した1つのピーク点Pの値が所定の閾値N以下であるか否かを判断する。ここで、AV再生機器の電源がオフの状態である場合は、イエス(Yes)と判断されてステップS2に移行し、映像レベルコード“0”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
【0042】
ステップS1にてノー(No)と判断された場合は、ステップS3に移行して、図3に示す時刻t1での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値と、時刻t2での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1′の値とが一致するか否かを判断する。
【0043】
AV再生機器が通常再生動作又はサーチ再生動作を行なっている状態である場合は、図6のステップS3にてノーと判断されてステップS4に移行し、垂直サンプリング回路(132)から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、図5に示す一定レベル以上の大きな変動が現れるか否かを判断する。
AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態である場合は、図6のステップS4にてノーと判断されてステップS5に移行し、映像レベルコード“1”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
一方、AV再生機器がサーチ再生動作を行なっている状態である場合は、ステップS4にてイエスと判断されてステップS6に移行し、映像レベルコード“2”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
【0044】
これに対し、AV再生機器が電源を投入された直後の状態、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態である場合は、ステップS3にてイエスと判断されてステップS7に移行し、図3に示す時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とが一致するか否かを判断する。
AV再生機器が電源を投入された直後の状態である場合は、図6のステップS7にてイエスと判断されてステップS8に移行し、映像レベルコード“3”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
一方、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態である場合は、ステップS7にてノーと判断されてステップS9に移行し、映像レベルコード“4”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
上記手続きによって、映像レベル検出回路(13)から制御回路(15)に映像レベルコードが供給されることになる。
【0045】
図7は、コントローラ(1)のメモリ(16)に格納されている動作状態テーブルを表わしている。
該動作状態テーブルには、上述の如く映像信号検出回路(12)から制御回路(15)に供給される映像入力コード(“0”、“1”)、映像レベル検出回路(13)から制御回路(15)に供給される映像レベルコード(“0”〜“4”)、音響信号検出回路(14)から制御回路(15)に供給される音響入力コード(“0”、“1”)、AV再生機器の状態を表わす状態コード(“F0”〜“F4”)が格納されている。
ここで、AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態(状態コード“F1”)、及びサーチ再生動作を行なっている状態(状態コード“F2”)では、記録媒体から再生される内容によっては一時的に音響信号の入力が途切れることがあるため、音響入力コードとして“0”及び“1”の何れの値も格納されている。
【0046】
図8は、システムの電源が投入されたときに、コントローラ(1)の制御回路(15)によって実行される手続きを表わしている。
システムの電源が投入されると、先ずステップS11にて、接続されている全ての機器に向けて、各機器の電源をオンとするための制御信号を送信した後、ステップS12では、マトリクススイッチャー(2)に向けてAV入力切換え信号を送信する。この結果、マトリクススイッチャー(2)のAV入力が、何れかのAV再生機器、即ちVCR(31)、DVDプレーヤ(32)或いはLDプレーヤ(33)に切り替わる。
【0047】
次にステップS13では、図7に示す動作状態テーブルを参照して、映像信号検出回路(12)、映像レベル検出回路(13)及び音響信号検出回路(14)から得られるコードに基づいて状態コードを特定し、該状態コードが、電源オン直後を表わす状態コード“F3”であるか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS15に移行して、モニタ装置(3)に画像信号を供給する。この結果、モニタ装置(3)には、前記AV再生機器の電源がオンとなっていない旨が表示されることになる。
【0048】
一方、ステップS13にてイエスと判断された場合は、ステップS14に移行して、接続されている全てのAV再生機器について、電源がオンとなっているか否かの判断を行なったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS12に戻る。
その後、接続されている全てのAV再生機器について、電源がオンとなっているかの判断が行なわれると、ステップS14にてイエスと判断されて、上記手続きを終了する。
【0049】
図9は、システムの電源がオンの状態で、コントローラ(1)の制御回路(15)によって実行される手続きを表わしている。尚、該手続きは、一定の制御周期で繰り返される。
先ずステップS21にて、ユーザにより、所定の機器に所定の動作を実行させるための操作が行なわれた否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS21にて同じ判断を繰り返す。
一方、ステップS21にてイエスと判断された場合は、ステップS22に移行して、マトリクススイッチャー(2)に向けてAV入力を所定のAV再生機器に切り換えるためのAV入力切換え信号を送信すると共に、所定の機器に向けて所定の動作を行なわしめるための制御信号を送信する。この結果、マトリクススイッチャー(2)のAV入力が所定のAV再生機器に切り替わると共に、所定の機器が所定の動作を開始する。
【0050】
次にステップS23では、図7に示す動作状態テーブルを参照して、映像信号検出回路(12)、映像レベル検出回路(13)及び音響信号検出回路(14)から得られるコードに基づいて状態コードを特定し、該状態コードが、前記ユーザ操作に応じた所定動作を行なっていることを表わす状態コードであるか否かを判断し、イエスと判断された場合は、ステップS21に戻る。
一方、ステップS23にてノーと判断された場合は、ステップS24に移行して、モニタ装置(3)に画像信号を供給する。この結果、モニタ装置(3)には、前記所定のAV再生機器が所定の動作を行なっていない旨が表示されることになる。
【0051】
例えば、ユーザがVCR(31)の再生画をモニタ装置(3)に映し出すための操作を行なって、VCR(31)が正常に通常再生動作を行なっている場合は、ステップS23で、図7に示す状態コード“F1”が特定されて、該状態コードは、ユーザ操作に応じた所定動作を行なっていることを表わす状態コードであると判断される。
これに対し、VCR(31)が正常に通常再生動作を行なっておらず、モニタ装置に青色や灰色の一色の画面が表示されている場合は、ステップS23で、図7に示す状態コード“F3”が特定されて、該状態コードは、ユーザ操作に応じた所定動作を行なっていることを表わす状態コードでないと判断され、ステップS24で、VCR(31)が通常再生動作を行なっていない旨の表示がモニタ装置に為されることになる。
【0052】
本実施例のAVコントロールシステムによれば、ユーザは、所定のAV再生機器が自己の操作に応じた所定の動作状態にあるか否か、即ち、電源がオフの状態、通常再生動作を行なっている状態、サーチ再生動作を行なっている状態、電源が投入された直後の状態、或いは通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態であるか否かを知ることが出来る。
【0053】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、AV再生機器が電源を投入された直後の状態、或いは早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別するに際し、図3(b)(c)の時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とを比較する構成を採用しているが、これに拘わらず、早送り動作中又は巻戻し動作中であることを表わす表示が画面の下部に為される場合は、画面下部の水平走査期間内におけるピーク点の値と、画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点の値とを比較する構成を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAVコントロールシステムの構成を表わすブロック図である。
【図2】本発明に係るコントローラの構成を表わすブロック図である。
【図3】AV再生機器の各種動作状態において、モニタ装置に表示される画面を表わす図である。
【図4】AV再生機器がサーチ再生動作を行なっているときに、モニタ装置に表示される画面を表わす模式図である。
【図5】AV再生機器がサーチ再生動作を行なっているときに、垂直サンプリング回路からの複数のサンプリング点を結んで得られる波形を表わす図である。
【図6】映像レベル検出回路の判定回路による判別手続きを表わすフローチャートである。
【図7】コントローラのメモリに格納されている動作状態テーブルを表わす図である。
【図8】システムの電源を投入したときに、コントローラの制御回路によって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図9】システムの電源がオンの状態で、コントローラの制御回路によって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図10】従来のAVコントロールシステムの構成を表わすブロック図である。
【符号の説明】
(1) コントローラ
(10) リモコン送信器
(2) マトリクススイッチャー
(3) モニタ装置
(31) VCR
(32) DVDプレーヤ
(33) LDプレーヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響信号及び映像信号を含むAV信号を再生することが可能な複数台の音響・映像再生機器(以下、AV再生機器という)が制御装置に接続され、該制御装置に装備された情報入力装置の操作に応じて、複数台の機器の動作が制御される音響・映像コントロールシステム(以下、AVコントロールシステムという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図10に示す様に、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)、LDプレーヤ(33)、モニタ装置(3)等の複数台の機器がマイクロコンピュータなどからなるコントローラ(4)に接続され、該コントローラ(4)のリモートコントロール送信器(40)を用いて、前記複数台の機器を集中的に操作することが可能なAVコントロールシステムが提案されている。
【0003】
上記AVコントロールシステムにおいては、コントローラ(4)にマトリクススイッチャー(2)が接続されており、該マトリクススイッチャー(2)には、各機器のAV入力端子及びAV出力端子を接続するためのAV入力ポート(21)及びAV出力ポート(22)が設けられている。AV入力ポート(21)には、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)が接続されており、マトリクススイッチャー(2)は、コントローラ(4)から供給されるAV入力切換え信号に基づいて、AV入力をVCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)の何れかの機器に切り換える。一方、AV出力ポート(22)には、モニタ装置(3)が接続されており、モニタ装置(3)には、前記何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。
【0004】
該AVコントロールシステムにおいては、ユーザが、リモートコントロール送信器(40)を用いて、所定の機器に所定の動作を実行させるための操作を行なうと、該操作に応じて、コントローラ(4)からマトリクススイッチャー(2)にAV入力切換え信号が供給されると共に、コントローラ(4)から所定の1或いは複数台の機器に対して所定の動作を行なわしめるための制御信号が出力される。これによって、マトリクススイッチャー(2)のAV入力が所定の機器に切り換えられると共に、所定の機器が所定の動作を開始して、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)の何れかの機器から出力されたAV信号が、マトリクススイッチャー(2)を経てモニタ装置(3)に入力されることになる。この結果、前記何れかの機器によって再生された映像がモニタ装置(2)に映し出される。
【0005】
例えば、ユーザがVCR(31)の再生画をモニタ装置(3)に映し出すための操作を行なうと、コントローラ(4)からマトリクススイッチャー(2)に対しAV入力をVCR(31)に切り換えるためのAV入力切換え信号が供給されると共に、所定の機器(VCR、モニタ装置)に対し所定の動作(VCRの電源オン、VCRの通常再生開始、モニタ装置の電源オン等)を行なわしめるための制御信号が出力されて、VCR(31)の再生画がモニタ装置(3)に映し出されることになる。
【0006】
又、上記AVコントロールシステムにおいては、マトリクススイッチャー(2)のAV出力ポート(22)にコントローラ(4)が接続されており、コントローラ(4)には、上記複数台の機器(31)(32)(33)の何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。
コントローラ(4)は、該AV信号の入力が無い場合に、所定の機器の電源が正常にオンとなっていない、或いは記録媒体がセットされていないと判断して、その旨を表示するための画像信号をモニタ装置(3)に供給する。この結果、モニタ装置(3)には、機器が正常にオンとなっていない旨や記録媒体がセットされていない旨の表示が為されることになる。ユーザは、該表示を見ることによって、機器の電源オンの正常/異常、記録媒体のセットの有無等を知ることが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のAVコントロールシステムにおいては、AV信号の入力の有無に基づいて、機器の電源オンの正常/異常や記録媒体のセットの有無が判断されるに過ぎず、ユーザは、自己の操作に応じて所定の機器が所定の動作、例えば、通常再生動作、早送り動作或いは巻戻し動作等を正常に行なっているか否かを知ることが出来ない問題があった。
そこで、本発明の目的は、ユーザが、自己の操作に応じて所定の機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを知ることが出来るAVコントロールシステムを提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るAVコントロールシステムは、制御装置に、情報入力装置が接続されると共に、音響信号及び映像信号を含むAV信号を再生することが可能な複数台の音響・映像再生機器が接続されている。
制御装置には、音響・映像再生機器から出力される映像信号を入力することが可能であって、該制御装置は、
映像信号の信号レベルの変動状態に基づいて、ユーザ操作に応じて所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する動作判断手段と、
何れかの音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっていないと判断されたとき、その旨を表示するための画像信号を出力する信号出力手段
とを具えている。
【0009】
具体的には、制御装置は、更に、
映像信号の信号レベルがゼロであるか否かを判断すると共に、映像信号の信号レベルが変動するか否かを判断するレベル変動判断手段
を具え、前記動作判断手段は、レベル変動判断手段の判断結果に基づいて、各音響・映像再生機器の動作状態を判別し、該判別結果に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する。
【0010】
本発明に係るAVコントロールシステムにおいては、制御装置に接続される複数台の機器に、画像表示機器、例えばモニタ装置が含まれている。或いは、制御装置は、画像表示装置を具えている。
【0011】
AV再生機器の電源がオフの状態では、該AV再生機器から映像信号が出力されないため、制御装置に映像信号が入力されず、映像信号の信号レベルはゼロである。
又、AV再生機器が通常再生動作、或いは、AV信号を再生しつつ早送り又は巻戻しを行なうサーチ再生動作を行なっている状態では、画像表示機器には記録媒体から再生された映像が表示される。このとき、AV再生機器からは記録媒体から再生された映像信号が出力されており、かかる映像信号の信号レベルは変動する。
又、AV再生機器の電源がオンとなった直後、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、画像表示機器には略全域が青色や灰色の一色の画面が表示される。このとき、AV再生機器からは、画像表示機器に略全域が青色や灰色の一色の画面を表示するための映像信号がAV再生機器から出力されており、かかる映像信号の信号レベルは一定である。
【0012】
従って、動作判断手段は、映像信号の信号レベルがゼロであると判断されたときに、AV再生機器は電源がオフの状態、映像信号の信号レベルが変動すると判断されたときに、AV再生機器は通常再生動作、或いはサーチ再生動作を行なっている状態、映像信号の信号レベルが変動しないと判断されたときに、AV再生機器は電源がオンとなった直後の状態、或いはAV再生機器は通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態であると判別し、その動作状態が、ユーザ操作に応じた所定の動作状態であるか否かを判断する。
【0013】
そして、何れかのAV再生機器が、ユーザ操作に応じて正常に所定の動作を行なっていないと判断されたとき、その旨が画像表示機器、或いは画像表示装置に表示される。
ユーザは、該表示を見ることによって、自己の操作に応じて所定の機器が正常に所定の動作を行なっていないことを知ることが出来る。
【0014】
又、具体的には、前記レベル変動判断手段は、
水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で映像信号のサンプリングを行なう垂直サンプリング手段と、
垂直サンプリング手段から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定の範囲を逸脱する大きな変動が間欠的に現れるか否かを判断する変動発生判断手段と、
水平走査周期よりも短い周期で映像信号のサンプリングを行なう水平サンプリング手段と、
水平走査期間毎に複数のサンプリング点の中から信号レベルのピーク点を抽出する抽出手段と、
抽出手段によって抽出された複数のピーク点の信号レベルが一致するか否かを判断するピークレベル判断手段
とを具えている。
【0015】
AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態、或いはサーチ再生動作を行なっている状態では、上述の如く、記録媒体から再生された映像信号がAV再生機器から出力されるが、AV再生機器がサーチ再生動作を行なっている状態では、画像表示機器に表示される映像に、ノイズによる横線が一定の間隔で表われる。ここで、サンプリングは水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で行なわれるので、映像信号は、画像表示機器の画面に沿って垂直方向にサンプリングされることになる。従って、該サンプリングによって得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形には、前記ノイズによる横線に応じて、一定の範囲を逸脱する大きな変動が間欠的に現れることになる。
これに対し、AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態では、画像表示機器に表示される映像に上記ノイズによる横線が表われず、複数のサンプリング点を結ぶ波形には上記大きな変動は現れない。
【0016】
従って、動作判断手段は、上記大きな変動が現れないと判断されたときに、AV再生機器は通常再生動作を行なっている状態、上記大きな変動が間欠的に現れると判断されたときに、AV再生機器はサーチ再生動作を行なっている状態であると判別する。
【0017】
又、AV再生機器の電源がオンとなった直後、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、上述の如く、画像表示機器に略全域が青色や灰色の一色の画面を表示するための映像信号がAV再生機器から出力されるが、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、画像表示機器の画面に早送り動作中又は巻戻し動作中であることを表わす表示が為される。AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、1の水平走査期間において、かかる表示の一定期間だけ上昇し、この一定期間内のサンプリング点が1つのピーク点として抽出されることとなる。従って、このピーク点の信号レベルは、他のピーク点の信号レベルに比べて高くなり、水平走査期間毎に抽出された複数のピーク点の信号レベルは一致しない。
これに対し、AV再生機器の電源がオンとなった直後は、画像表示機器には全域が完全に一色の画面が表示される。このとき、AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、常に一定であり、水平走査期間毎に抽出された複数のピーク点の信号レベルは一致する。
【0018】
従って、動作判断手段は、上記複数のピーク点の信号レベルが一致すると判断されたときに、AV再生機器は電源がオンとなった直後の状態、上記複数のピーク点の信号レベルが一致しないと判断されたときに、AV再生機器は早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態であると判別する。
【0019】
更に具体的には、制御装置には、音響・映像再生機器から出力される映像信号及び音響信号を入力することが可能であって、前記動作判断手段は、映像信号の入力の有無、映像信号の信号レベルの変動状態、及び音響信号の入力の有無に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断するものであり、制御装置は、更に、
映像信号の入力の有無を判断する映像入力判断手段と、
音響信号の入力の有無を判断する音響入力判断手段
とを具え、前記動作判断手段は、映像入力判断手段、レベル変動判断手段及び音響入力判断手段の判断結果に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する。
【0020】
AV再生機器の電源がオフの状態では、AV再生機器から映像信号が出力されず、制御装置には映像信号が入力されない。これに対し、AV再生機器の電源がオンとなった直後、AV再生機器が通常再生動作、サーチ再生動作、通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、AV再生機器から映像信号が出力されて、該映像信号が制御装置に入力される。
又、AV再生機器の電源がオフの状態、AV再生機器の電源がオンとなった直後、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、AV再生機器から音響信号が出力されず、制御装置には音響信号が入力されない。これに対し、AV再生機器が通常再生動作、或いはサーチ再生動作を行なっている状態では、AV再生機器から音響信号が出力される期間と出力されない期間が存在し、制御装置に音響信号が入力される期間と入力されない期間が存在する。
該具体的構成によれば、映像信号の信号レベルの変動状態に加えて、映像信号の入力の有無、及び音響信号の入力の有無に基づいて、AV再生機器の動作状態が判別されるので、判別結果についての信頼性が向上する。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係るAVコントロールシステムによれば、ユーザは、自己の操作に応じて所定の機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを知ることが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るAVコントロールシステムの全体構成は、図1に示す様に、コントローラ(1)の構成を除き、従来のAVコントロールシステムと同一であって、マイクロコンピュータなどからなるコントローラ(1)に、VCR(31)、DVDプレーヤ(32)、LDプレーヤ(33)、モニタ装置(3)等の複数台の機器が接続されており、コントローラ(1)のリモートコントロール送信器(10)を用いて、これらの複数台の機器を集中的に制御操作することが可能である。
【0023】
上記AVコントロールシステムにおいては、コントローラ(1)にマトリクススイッチャー(2)が接続されており、該マトリクススイッチャー(2)には、各機器のAV入力端子及びAV出力端子を接続するためのAV入力ポート(21)及びAV出力ポート(22)が設けられている。
【0024】
AV入力ポート(21)には、AV再生機器としてのVCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)が接続されており、マトリクススイッチャー(2)は、コントローラ(1)から供給されるAV入力切換え信号に基づいて、AV入力をVCR(31)、DVDプレーヤ(32)及びLDプレーヤ(33)の何れかの機器に切り換える。
【0025】
一方、AV出力ポート(22)には、画像表示機器としてのモニタ装置(3)が接続されており、モニタ装置(3)には、前記何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。該モニタ装置(3)は、前記コントローラ(1)に接続されており、コントローラ(1)からモニタ装置(3)に、後述の画像信号が供給される。
又、AV出力ポート(22)には、前記コントローラ(1)が接続され、コントローラ(1)には、上記複数台のAV再生機器(31)(32)(33)の何れかの機器から出力されたAV信号が入力される。
【0026】
図2は、コントローラ(1)の構成を表わしている。
本発明に係るコントローラ(1)においては、上述の如く何れかのAV再生機器から出力された映像信号は、映像信号検出回路(12)及び映像レベル検出回路(13)に入力される一方、音響信号は、音響信号検出回路(14)に入力される。
これらの検出回路(12)(13)(14)には、制御回路(15)が接続されており、映像信号検出回路(12)からは、映像信号の入力の有無を表わす映像入力コード、映像レベル検出回路(13)からは、映像信号の信号レベルの変動状態を区別するための映像レベルコード、音響信号検出回路(14)からは、音響信号の入力の有無を表わす音響入力コードが制御回路(15)に供給される。
【0027】
制御回路(15)には、後述の動作状態テーブルが格納されたメモリ(16)と、リモートコントロール送信器(10)からのリモートコントロール信号を受信するリモートコントロール受信器(11)が接続されている。
制御回路(15)は、所定の機器に向けて所定の動作を行なわしめるための制御信号を出力すると共に、マトリクススイッチャー(2)に向けてAV入力を所定のAV再生機器に切り換えるためのAV入力切換え信号を出力する。
又、制御回路(15)は、上述の如く供給された映像入力コード、映像レベルコード及び音響入力コードに基づいて、所定のAV再生機器が所定の動作状態であるか否かを判断し、所定の動作状態でないと判断したとき、画像信号を作成して、該画像信号をモニタ装置に出力する。この結果、モニタ装置には、AV再生機器が所定の動作状態にない旨が表示されることになる。
【0028】
映像信号検出回路(12)は、AV再生機器から供給される映像信号の水平同期信号の有無を検出し、水平同期信号が検出されない場合に、映像信号の入力が無いことを表わす映像入力コード“0”を制御回路(15)に供給する一方、水平同期信号が検出された場合に、映像信号の入力が有ることを表わす映像入力コード“1”を制御回路(15)に供給する。
【0029】
映像レベル検出回路(13)は、水平サンプリング回路(131)と垂直サンプリング回路(132)と判定回路(133)とから構成され、AV再生機器からの映像信号は、水平サンプリング回路(131)及び垂直サンプリング回路(132)に供給される。
水平サンプリング回路(131)においては、入力された映像信号が、水平走査周期よりも短い一定の周期でサンプリングされ、そのサンプリング結果が判定回路(133)に入力される。
一方、垂直サンプリング回路(132)においては、入力された映像信号が、水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期でサンプリングされ、そのサンプリング結果が判定回路(133)に入力される。
【0030】
判定回路(133)は、水平サンプリング回路(131)から得られる複数のサンプリング点の中から、水平走査期間毎に信号レベルのピーク点を抽出し、これによって得られる複数のピーク点の内、1つのピーク点の値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判断すると共に、抽出した複数のピーク点の値が一致するか否かを判断する。
又、判定回路(133)は、垂直サンプリング回路(132)から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定の範囲を逸脱する大きな変動が一定の周期で現れるか否かを判断する。
そして判定回路(133)は、これらの判断結果に基づいて、“0”、“1”、“2”、“3”、“4”の何れかの値をとる映像レベルコードを制御回路(15)に供給する。判定回路(133)による具体的な判別手続きについては、後述する。
【0031】
前記音響信号検出回路(14)は、一定の周期で、AV再生機器から供給される音響信号の信号レベルのピーク点を検出し、該ピーク点の値と予め設定された所定の閾値とを比較する動作を行なう。そして音響信号検出回路(14)は、ピーク点が所定の閾値以下である場合に、音響信号の入力が無いと判断して、その旨を表わす音響入力コード“0”を制御回路(15)に供給する一方、ピーク点が所定の閾値よりも大きい場合に、音響信号の入力が有ると判断して、その旨を表わす音響入力コード“1”を制御回路(15)に供給する。
【0032】
AV再生機器の電源がオフの状態では、そのAV再生機器から映像信号が出力されないため、映像レベル検出回路(13)の水平サンプリング回路(131)には映像信号が入力されない。
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、水平サンプリング回路(131)から得られる複数のサンプリング点の中から抽出した1つのピーク点の値が、予め設定された所定の閾値以下であるときに、AV再生機器の電源がオフであると判断する。
【0033】
図3(a)は、AV再生機器が通常再生動作、或いは再生しつつ早送り又は巻戻しを行なうサーチ再生動作を行なっているときにモニタ装置に表示される画面、同図(b)は、AV再生機器の電源がオンとなった直後にモニタ装置に表示される画面、同図(c)は、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっているときにモニタ装置に表示される画面を表わしている。
【0034】
AV再生機器が通常再生動作又はサーチ再生動作を行なっている状態では、モニタ装置には、同図(a)に示す如く、AV再生機器にセットされている記録媒体から再生された映像が表示される。このとき、映像レベル検出回路(13)の水平サンプリング回路(131)には、前記記録媒体から再生された映像信号が入力されており、時刻t1での画面中央部の水平走査期間内における映像信号の信号レベルのピーク点P1の値と、時刻t2での画面中央部の水平走査期間内における映像信号の信号レベルのピーク点P1′の値とは一致しない。
【0035】
又、AV再生機器の電源がオンとなった直後、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、モニタ装置には、同図(b)(c)に示す如く、略全域が青色や灰色の一色の画面が表示される。このとき、映像レベル検出回路(13)の水平サンプリング回路(131)には、モニタ装置に略全域が青色や灰色の一色の画面を表示するための映像信号が入力されており、時刻t1でのピーク点P1の値と時刻t2でのピーク点P1′の値とが一致する。
【0036】
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、時刻t1での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値と、時刻t2での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1′の値とが一致するか否かを判断することによって、AV再生機器が、通常再生動作又はサーチ再生動作を行なっている状態、或いは、電源を投入された直後、又は通常の早送り動作若しくは巻戻し動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別する。
【0037】
AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態では、モニタ装置には、同図(c)に示す如く、左上部に早送り動作中或いは巻戻し動作中であることを表わす表示が為され、AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、1の水平走査期間内において、かかる表示の一定期間だけ上昇する。従って、時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値は、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値に比べて大きくなり、両ピーク点P0、P1の値は一致しない。
これに対し、AV再生機器の電源がオンとなった直後は、モニタ装置には、同図(b)に示す如く、全域が完全に一色の画面が表示され、AV再生機器から出力される映像信号の信号レベルは、常に一定である。従って、時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とが一致する。
【0038】
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とが一致するか否かを判断することによって、AV再生機器が、電源を投入された直後の状態、或いは早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別する。
【0039】
図4は、AV再生機器がサーチ再生動作を行なっているときにモニタ装置に表示される画面を模式的に表わしている。
AV再生機器がサーチ再生動作を行なっている状態では、モニタ装置に表示される映像に、図中に斜線で示す如く、ノイズによる横線が一定の間隔で表われる。
映像レベル検出回路(13)の垂直サンプリング回路(132)は、水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で映像信号のサンプリングを行なう。従って、映像信号は、図中に破線の矢印で示す如く、モニタ装置の画面に沿って垂直方向に一定間隔でサンプリングされることになり、該サンプリングによって得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形には、図5に示す如く、前記ノイズによる横線に応じて、一定の範囲を逸脱する大きな変動が一定の周期で現れることになる。
これに対し、AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態では、モニタ装置に表示される映像に上記ノイズによる横線が表われず、複数のサンプリング点を結ぶ波形には上記大きな変動が一定の周期で現れない。
【0040】
従って、映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)は、垂直サンプリング回路(132)から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定レベル以上の大きな変動が現れるか否かを判断することによって、AV再生機器が、通常再生動作を行なっている状態、或いはサーチ再生動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別する。
【0041】
図6は、上記映像レベル検出回路(13)の判定回路(133)による判別手続きを表わしている。
図示の如く、先ずステップS1では、水平サンプリング回路(131)から得られる複数のサンプリング点の中から抽出した1つのピーク点Pの値が所定の閾値N以下であるか否かを判断する。ここで、AV再生機器の電源がオフの状態である場合は、イエス(Yes)と判断されてステップS2に移行し、映像レベルコード“0”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
【0042】
ステップS1にてノー(No)と判断された場合は、ステップS3に移行して、図3に示す時刻t1での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値と、時刻t2での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1′の値とが一致するか否かを判断する。
【0043】
AV再生機器が通常再生動作又はサーチ再生動作を行なっている状態である場合は、図6のステップS3にてノーと判断されてステップS4に移行し、垂直サンプリング回路(132)から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、図5に示す一定レベル以上の大きな変動が現れるか否かを判断する。
AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態である場合は、図6のステップS4にてノーと判断されてステップS5に移行し、映像レベルコード“1”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
一方、AV再生機器がサーチ再生動作を行なっている状態である場合は、ステップS4にてイエスと判断されてステップS6に移行し、映像レベルコード“2”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
【0044】
これに対し、AV再生機器が電源を投入された直後の状態、或いはAV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態である場合は、ステップS3にてイエスと判断されてステップS7に移行し、図3に示す時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とが一致するか否かを判断する。
AV再生機器が電源を投入された直後の状態である場合は、図6のステップS7にてイエスと判断されてステップS8に移行し、映像レベルコード“3”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
一方、AV再生機器が通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態である場合は、ステップS7にてノーと判断されてステップS9に移行し、映像レベルコード“4”を制御回路(15)に出力して、手続きを終了する。
上記手続きによって、映像レベル検出回路(13)から制御回路(15)に映像レベルコードが供給されることになる。
【0045】
図7は、コントローラ(1)のメモリ(16)に格納されている動作状態テーブルを表わしている。
該動作状態テーブルには、上述の如く映像信号検出回路(12)から制御回路(15)に供給される映像入力コード(“0”、“1”)、映像レベル検出回路(13)から制御回路(15)に供給される映像レベルコード(“0”〜“4”)、音響信号検出回路(14)から制御回路(15)に供給される音響入力コード(“0”、“1”)、AV再生機器の状態を表わす状態コード(“F0”〜“F4”)が格納されている。
ここで、AV再生機器が通常再生動作を行なっている状態(状態コード“F1”)、及びサーチ再生動作を行なっている状態(状態コード“F2”)では、記録媒体から再生される内容によっては一時的に音響信号の入力が途切れることがあるため、音響入力コードとして“0”及び“1”の何れの値も格納されている。
【0046】
図8は、システムの電源が投入されたときに、コントローラ(1)の制御回路(15)によって実行される手続きを表わしている。
システムの電源が投入されると、先ずステップS11にて、接続されている全ての機器に向けて、各機器の電源をオンとするための制御信号を送信した後、ステップS12では、マトリクススイッチャー(2)に向けてAV入力切換え信号を送信する。この結果、マトリクススイッチャー(2)のAV入力が、何れかのAV再生機器、即ちVCR(31)、DVDプレーヤ(32)或いはLDプレーヤ(33)に切り替わる。
【0047】
次にステップS13では、図7に示す動作状態テーブルを参照して、映像信号検出回路(12)、映像レベル検出回路(13)及び音響信号検出回路(14)から得られるコードに基づいて状態コードを特定し、該状態コードが、電源オン直後を表わす状態コード“F3”であるか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS15に移行して、モニタ装置(3)に画像信号を供給する。この結果、モニタ装置(3)には、前記AV再生機器の電源がオンとなっていない旨が表示されることになる。
【0048】
一方、ステップS13にてイエスと判断された場合は、ステップS14に移行して、接続されている全てのAV再生機器について、電源がオンとなっているか否かの判断を行なったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS12に戻る。
その後、接続されている全てのAV再生機器について、電源がオンとなっているかの判断が行なわれると、ステップS14にてイエスと判断されて、上記手続きを終了する。
【0049】
図9は、システムの電源がオンの状態で、コントローラ(1)の制御回路(15)によって実行される手続きを表わしている。尚、該手続きは、一定の制御周期で繰り返される。
先ずステップS21にて、ユーザにより、所定の機器に所定の動作を実行させるための操作が行なわれた否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS21にて同じ判断を繰り返す。
一方、ステップS21にてイエスと判断された場合は、ステップS22に移行して、マトリクススイッチャー(2)に向けてAV入力を所定のAV再生機器に切り換えるためのAV入力切換え信号を送信すると共に、所定の機器に向けて所定の動作を行なわしめるための制御信号を送信する。この結果、マトリクススイッチャー(2)のAV入力が所定のAV再生機器に切り替わると共に、所定の機器が所定の動作を開始する。
【0050】
次にステップS23では、図7に示す動作状態テーブルを参照して、映像信号検出回路(12)、映像レベル検出回路(13)及び音響信号検出回路(14)から得られるコードに基づいて状態コードを特定し、該状態コードが、前記ユーザ操作に応じた所定動作を行なっていることを表わす状態コードであるか否かを判断し、イエスと判断された場合は、ステップS21に戻る。
一方、ステップS23にてノーと判断された場合は、ステップS24に移行して、モニタ装置(3)に画像信号を供給する。この結果、モニタ装置(3)には、前記所定のAV再生機器が所定の動作を行なっていない旨が表示されることになる。
【0051】
例えば、ユーザがVCR(31)の再生画をモニタ装置(3)に映し出すための操作を行なって、VCR(31)が正常に通常再生動作を行なっている場合は、ステップS23で、図7に示す状態コード“F1”が特定されて、該状態コードは、ユーザ操作に応じた所定動作を行なっていることを表わす状態コードであると判断される。
これに対し、VCR(31)が正常に通常再生動作を行なっておらず、モニタ装置に青色や灰色の一色の画面が表示されている場合は、ステップS23で、図7に示す状態コード“F3”が特定されて、該状態コードは、ユーザ操作に応じた所定動作を行なっていることを表わす状態コードでないと判断され、ステップS24で、VCR(31)が通常再生動作を行なっていない旨の表示がモニタ装置に為されることになる。
【0052】
本実施例のAVコントロールシステムによれば、ユーザは、所定のAV再生機器が自己の操作に応じた所定の動作状態にあるか否か、即ち、電源がオフの状態、通常再生動作を行なっている状態、サーチ再生動作を行なっている状態、電源が投入された直後の状態、或いは通常の早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態であるか否かを知ることが出来る。
【0053】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、AV再生機器が電源を投入された直後の状態、或いは早送り動作又は巻戻し動作を行なっている状態の何れの状態であるかを判別するに際し、図3(b)(c)の時刻t1での画面上部の水平走査期間内におけるピーク点P0の値と、同時刻での画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点P1の値とを比較する構成を採用しているが、これに拘わらず、早送り動作中又は巻戻し動作中であることを表わす表示が画面の下部に為される場合は、画面下部の水平走査期間内におけるピーク点の値と、画面中央部の水平走査期間内におけるピーク点の値とを比較する構成を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAVコントロールシステムの構成を表わすブロック図である。
【図2】本発明に係るコントローラの構成を表わすブロック図である。
【図3】AV再生機器の各種動作状態において、モニタ装置に表示される画面を表わす図である。
【図4】AV再生機器がサーチ再生動作を行なっているときに、モニタ装置に表示される画面を表わす模式図である。
【図5】AV再生機器がサーチ再生動作を行なっているときに、垂直サンプリング回路からの複数のサンプリング点を結んで得られる波形を表わす図である。
【図6】映像レベル検出回路の判定回路による判別手続きを表わすフローチャートである。
【図7】コントローラのメモリに格納されている動作状態テーブルを表わす図である。
【図8】システムの電源を投入したときに、コントローラの制御回路によって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図9】システムの電源がオンの状態で、コントローラの制御回路によって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図10】従来のAVコントロールシステムの構成を表わすブロック図である。
【符号の説明】
(1) コントローラ
(10) リモコン送信器
(2) マトリクススイッチャー
(3) モニタ装置
(31) VCR
(32) DVDプレーヤ
(33) LDプレーヤ
Claims (6)
- 制御装置に、情報入力装置が接続されると共に、音響信号及び映像信号を含むAV信号を再生することが可能な複数台の音響・映像再生機器が接続され、情報入力装置の操作に応じて、複数台の機器の動作が制御される音響・映像コントロールシステムにおいて、制御装置には、音響・映像再生機器から出力される映像信号を入力することが可能であって、該制御装置は、
映像信号の信号レベルの変動状態に基づいて、ユーザ操作に応じて所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する動作判断手段と、
何れかの音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっていないと判断されたとき、その旨を表示するための画像信号を出力する信号出力手段
とを具えていることを特徴とする音響・映像コントロールシステム。 - 制御装置は、更に、
映像信号の信号レベルがゼロであるか否かを判断すると共に、映像信号の信号レベルが変動するか否かを判断するレベル変動判断手段
を具え、前記動作判断手段は、レベル変動判断手段の判断結果に基づいて、各音響・映像再生機器の動作状態を判別し、該判別結果に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する請求項1に記載の音響・映像コントロールシステム。 - 前記レベル変動判断手段は、
水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で映像信号のサンプリングを行なう垂直サンプリング手段と、
垂直サンプリング手段から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定の範囲を逸脱する大きな変動が間欠的に現れるか否かを判断する変動発生判断手段
とを具えている請求項2に記載の音響・映像コントロールシステム。 - 前記レベル変動判断手段は、
水平走査周期よりも短い周期で映像信号のサンプリングを行なう水平サンプリング手段と、
水平走査期間毎に複数のサンプリング点の中から信号レベルのピーク点を抽出する抽出手段と、
抽出手段によって抽出された複数のピーク点の信号レベルが一致するか否かを判断するピークレベル判断手段
とを具えている請求項2に記載の音響・映像コントロールシステム。 - 前記レベル変動判断手段は、
水平走査周期のn倍(nは1以上の整数)の周期で映像信号のサンプリングを行なう垂直サンプリング手段と、
垂直サンプリング手段から得られる複数のサンプリング点を結ぶ波形に、一定の範囲を逸脱する大きな変動が間欠的に現れるか否かを判断する変動発生判断手段と、
水平走査周期よりも短い周期で映像信号のサンプリングを行なう水平サンプリング手段と、
水平走査期間毎に複数のサンプリング点の中から信号レベルのピーク点を抽出する抽出手段と、
抽出手段によって抽出された複数のピーク点の信号レベルが一致するか否かを判断するピークレベル判断手段
とを具えている請求項2に記載の音響・映像コントロールシステム。 - 制御装置には、音響・映像再生機器から出力される映像信号及び音響信号を入力することが可能であって、前記動作判断手段は、映像信号の入力の有無、映像信号の信号レベルの変動状態、及び音響信号の入力の有無に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断するものであり、制御装置は、更に、
映像信号の入力の有無を判断する映像入力判断手段と、
音響信号の入力の有無を判断する音響入力判断手段
とを具え、前記動作判断手段は、映像入力判断手段、レベル変動判断手段及び音響入力判断手段の判断結果に基づいて、所定の音響・映像再生機器が正常に所定の動作を行なっているか否かを判断する請求項2乃至請求項5の何れかに記載の音響・映像コントロールシステム。
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