JP3652973B2 - 灰溶融炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば、都市ごみなどを焼却した際に生じる灰(焼却灰および飛灰からなる)を溶融する灰溶融炉に係り、特に、未溶融灰の流出を確実に防止することができる灰溶融炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
灰溶融炉は、一般に、灰溶融炉本体と、出滓口とから構成されている。この灰溶融炉は、灰の体積を減少させ、かつ、灰に含まれる重金属類を不溶化無害化するために、灰を前記灰溶融炉本体中において高温で溶融して溶融スラグとなし、その溶融スラグを前記出滓口から前記灰溶融炉本体の外部に排出して処理するものである。
【0003】
前記灰溶融炉においては、一方では、灰を溶融するために、前記灰溶融炉本体中の温度を高温、たとえば、約1300°C付近にすることが必要であり、他方では、炉壁の損傷を最小限とするために、前記灰溶融炉本体中の温度を炉壁の耐熱温度、たとえば、約1300゜C以上とならないように制御することが重要である。
【0004】
この種の灰溶融炉としては、たとえば、WO98/54514公報に記載のものがある。この従来の灰溶融炉は、約1300゜C以上の高温領域の範囲を監視して、灰溶融炉本体中の温度を制御するものである。
【0005】
また、前記灰溶融炉においては、未溶融灰が前記灰溶融炉本体から流出されないようにすることが重要事項である。すなわち、未溶融灰が前記灰溶融炉本体から流出されるということは、灰に含まれる重金属類の不溶化無害化の阻害となるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の灰溶融炉は、約1300゜C以上の高温領域の範囲を監視して、灰溶融炉本体中の温度を制御するものであって、未溶融灰を監視して、その未溶融灰が灰溶融炉本体から流出されないように、灰溶融炉本体中の温度を制御するものではない。このために、前記従来の灰溶融炉では、未溶融灰が流出されるという可能性がある。
【0007】
また、前記従来の灰溶融炉は、テレビカメラにより、灰溶融炉本体中を監視するものである。しかしながら、灰溶融炉本体中は、灰塵埃が充満している。このために、テレビカメラでは、灰塵埃が充満している灰溶融炉本体中の状況を監視することが困難である。この結果、前記従来の灰溶融炉では、未溶融灰が流出されるという可能性がある。
【0008】
この発明は、未溶融灰の流出を確実に防止することができる灰溶融炉を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、灰溶融炉本体を覆う覆い部の一部に、長波長赤外光が透過する監視窓が設けられており、その監視窓に、灰溶融炉本体中の状況を長波長赤外光により監視する監視撮像装置が配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
この結果、請求項1にかかる発明は、上記の構成により、灰溶融炉本体中が灰塵埃により充満されていても、監視撮像装置の長波長赤外光が灰塵埃中を透過することが可能である。このために、灰塵埃が充満している灰溶融炉本体中の状況、特に、未溶融灰を長波長赤外光の監視撮像装置により監視することが可能となる。これにより、長波長赤外光の監視撮像装置の監視で未溶融灰を確認した時点で、その未溶融灰の流出を防止する手段を講じることが可能であり、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0011】
また、請求項2にかかる発明は、監視窓および監視撮像装置が灰溶融炉本体の出滓口に対向して配置されている、ことを特徴とする。
【0012】
この結果、請求項2にかかる発明は、灰溶融炉本体の出口である出滓口を監視するものであるから、未溶融灰が出滓口に迫った状況を監視することができる。このために、未溶融灰が出滓口に迫った時点で、その未溶融灰の流出を防止する手段を迅速に講じることが可能であり、未溶融灰の流出をさらに確実に防止することができる。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、出滓口を監視するものであるから、その出滓口の侵食状況をも監視することができる。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、監視撮像装置に、灰溶融炉本体中の温度を制御する手段が接続されている、ことを特徴とする。
【0015】
この結果、請求項3にかかる発明は、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、温度制御手段により灰溶融炉本体中の温度を制御することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、灰溶融炉本体中の温度が低いと判断し、灰溶融炉本体中の温度を上げることにより、未溶融灰を溶融することができる。以上から、未溶融灰を確実に溶融することができ、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0016】
また、請求項4にかかる発明は、監視撮像装置に、灰溶融炉本体中への灰の供給量を制御する手段が接続されている、ことを特徴とする。
【0017】
この結果、請求項4にかかる発明は、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、灰供給量制御手段により灰溶融炉本体中への灰の供給量を制御することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、灰の供給量が多いと判断し、灰の供給量を減らすことにより、未溶融灰の量が減り、その量の減った未溶融灰を溶融することができる。以上から、灰の溶融処理量が多少減少するものの、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0018】
また、請求項5にかかる発明は、灰溶融炉本体が傾動可能に保持されているものであって、監視撮像装置に、灰溶融炉本体を傾動制御する手段が接続されている、ことを特徴とする。
【0019】
この結果、請求項5にかかる発明は、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、傾動制御手段により灰溶融炉本体の傾動を制御することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、未溶融灰が出滓口から流出すると判断し、灰溶融炉本体を未溶融灰が出滓口から排出されないように傾動させることにより、未溶融灰が出滓口側から戻され、その戻された未溶融灰を溶融することができる。以上から、溶融スラグの排出処理量が多少減少するものの、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0020】
また、請求項6にかかる発明は、監視撮像装置に、未溶融灰が灰溶融炉本体から流出されるのを機械的に阻止する手段が接続されている、ことを特徴とする。
【0021】
この結果、請求項6にかかる発明は、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、未溶融灰流出阻止手段により未溶融灰が流出されるのを機械的に阻止することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、未溶融灰が出滓口から流出すると判断し、未溶融灰流出阻止手段を作動させることにより、未溶融灰が出滓口から流出するのを機械的に阻止することができる。以上から、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0022】
また、請求項7にかかる発明は、未溶融灰流出阻止手段が未溶融灰を崩す出滓口クリーナである、ことを特徴とする。
【0023】
この結果、請求項7にかかる発明は、出滓口クリーナにより、出滓口に迫った未溶融灰を崩すことができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、この出滓口クリーナは、灰溶融炉に装備されているので、新たに未溶融灰流出阻止手段を設置する必要が無いので、その分、設備構造やコストなどが既存の灰溶融炉と変わらない。
【0024】
また、請求項8にかかる発明は、未溶融灰流出阻止手段が未溶融灰を押し戻す圧縮ガス噴射手段である、ことを特徴とする。
【0025】
この結果、請求項8にかかる発明は、圧縮ガス噴射手段から噴射された圧縮ガスにより、未溶融灰を押し戻すことができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0026】
また、請求項9にかかる発明は、未溶融灰流出阻止手段が未溶融灰を衝撃波で粉砕するパルスレーザ発射手段である、ことを特徴とする。
【0027】
この結果、請求項9にかかる発明は、パルスレーザ発射手段から発射されたパルスレーザの衝撃波により、未溶融灰を粉砕することができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、このパルスレーザ発射手段の波長を監視撮像装置の波長に合わせ、かつ、このパルスレーザ発射手段を監視撮像装置に併設し、パルスレーザを監視窓を透過させて発射させることにより、新たなレーザ用窓を設置することなく監視撮像装置で監視された目標の未溶融灰をさらに確実に粉砕することができる。
【0028】
また、請求項10にかかる発明は、灰溶融炉本体の炉壁に、溶融スラグ液面上に浮遊する未溶融灰が出滓口側に進行するのを堰き止める突起物が設けられており、前記突起物の底面は、前記溶融スラグ液面よりも上に位置する、ことを特徴とする。
【0029】
この結果、請求項10にかかる発明は、突起物により、未溶融灰が出滓口側に進行するのを堰き止めることができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、突起物の底面が溶融スラブの液面よりも上に位置するので、突起物が溶融スラグにより侵食されるのを防止できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態のうちの5例を添付図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの灰溶融炉が限定されるものではない。
【0031】
(実施の形態1の構成)
図1〜図3は、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態1を示す。図において、1は灰溶融炉本体である。この灰溶融炉本体1の炉壁の内側には、耐火レンガなどの耐火物2が張設されている。一方、この灰溶融炉本体1の炉壁の外側には、水冷ジャケット3が設けられている。また、この灰溶融炉本体1の内部の底面4は、強度向上のため湾曲している。さらに、この灰溶融炉本体1には、作動ガス(N2 ガス)供給手段(図示せず)が接続されている。
【0032】
前記灰溶融炉本体1の上部中央には、中空カーボン製の−の主電極5がスリーブ24を介して貫通して設けられている。一方、前記灰溶融炉本体1の底部中央には、同じく、カーボン製の+の電極6が設けられている。この−の主電極5と+の電極6とは、電源(図示せず)に接続されている。
【0033】
前記灰溶融炉本体1の一側には、灰投入口7が設けられている。一方、前記灰溶融炉本体1の他側には、出滓口8および出滓樋9が設けられている。なお、この出滓樋9は、耐火レンガなどの耐火物や水冷銅ブロックなどから構成されている。
【0034】
前記灰溶融炉本体1の底部は、床10に、ヒンジ機構11およびシリンダ12を介して、前記灰投入口7側から前記出滓口8および出滓樋9側にかけて傾動可能に保持されている。なお、図示の例は、ヒンジ機構11が前記出滓口8および出滓樋9側に、一方、シリンダ12が灰投入口7側に配置されているが、その逆に、シリンダ12が前記出滓口8および出滓樋9側に、一方、ヒンジ機構11が灰投入口7側に配置されていても良い。
【0035】
前記灰溶融炉本体1の灰投入口7には、灰供給手段13が接続されている。この灰供給手段13は、ホッパ14とスクリューフィダー15とから構成されている。この灰供給手段13は、ホッパ14とスクリューフィダー15とにより、灰16を前記灰溶融炉本体1中に所定量連続的に供給するものである。
【0036】
前記灰供給手段13には、灰供給量制御手段(図示せず)が接続されている。この灰供給制量御手段により、前記灰供給手段13から前記灰溶融炉本体1中への灰16の供給量が制御される。
【0037】
前記灰16は、前処理系において、都市ごみなどを焼却炉(図示せず)で焼却した際に生じる焼却灰(なお、選別機により選別された焼却灰の場合もある)および飛灰からなる。この灰16は、たとえば、約25mm角以下の砂状をなし、前処理系から前記ホッパ14に計量供給される。
【0038】
前記灰溶融炉本体1の出滓口8および出滓樋9側には、スラグ排出系のスラグ排出手段17が配置されている。このスラグ排出手段17は、モールドコンベアである。なお、図面では、モールドが1個しか図示されていないが、このモールドが多数個コンベア上に連続して設けられている。このモールドは、縦×横がたとえば、500mm×500mmの鋳物製からなるものである。
【0039】
前記灰溶融炉本体1から排出された溶融スラグ18は、前記スラグ排出手段17により、スラグ排出系に排出され、このスラグ排出系において、固化、粒子化(約5mm角以下の砂状)されて(もしくはそのまま)有効再利用される。
【0040】
なお、前記スラグ排出系としては、前記モールドコンベアのスラグ排出手段17以外に、水砕槽(図示せず)のスラグ排出手段がある。この水砕槽のスラグ排出手段は、前記灰溶融炉本体1から排出された溶融スラグ18を水砕槽中に落下させて固化、粉砕し、その粉砕されたスラグを排出コンベアでスラグ排出系に排出するものである。このスラグ排出系に排出されたスラグは、前記モールドコンベア式と同様に、有効再利用される。
【0041】
前記灰溶融炉本体1の出滓口8および出滓樋9側には、排ガス処理系(図示せず)が配置されている。この排ガス処理系は、前記灰溶融炉本体1中において、灰16を溶融した際に生成されるガス(すなわち、燃焼ガスであって、主に、CO、H2 など)を二次燃焼させ、また、冷却し、さらに、無害化(消石灰、活性炭、バグフィルタ、湿式洗煙などを介して無害化)して大気に排出するものである。
【0042】
そして、前記灰溶融炉本体1を覆う覆い部、この例では、水冷ジャケットであって、コンベアカバー19の一部には、長波長赤外光が透過する監視窓20が設けられている。その監視窓20には、前記灰溶融炉本体1中の状況を長波長赤外光により監視する監視撮像装置21が配置されている。
【0043】
前記監視窓20は、ZnSe製である。前記監視撮像装置21は、長波長(約8〜14μm)赤外カメラである。この監視窓20と監視撮像装置21により、灰塵埃(図示せず)で充満された前記灰溶融炉本体1中の状況、たとえば、前記電極5、6の状況、プラズマアーク22の状況、後述する未溶融灰26の状況、溶融スラグ18の流動状況などを監視することができる。
【0044】
前記監視窓20と監視撮像装置21による監視は、連続的にまたは周期的に行う。また、この監視は、画像処理による電気的な監視およびまたは目視による監視などがある。
【0045】
(実施の形態1の作用)
この実施の形態1における灰溶融炉は、以上の如き構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0046】
まず、灰供給手段13のホッパ14およびスクリューフィダー15から所定量の灰16が灰投入口8から灰溶融炉本体1中に投入されると共に、電極5、6に電流が供給される。すると、主電極5から灰16にプラズマアーク22が放電され、灰16が加熱され、約1250°Cの温度で、灰16は溶融する。
【0047】
灰溶融炉本体1中の温度は、灰16を溶融するために、かつ、灰溶融炉本体1の炉壁の損傷を最小限とするために、約1300°C付近にし、かつ、約1300゜C以上とならないように制御されている。なお、灰溶融炉本体1の耐久性などを考慮して、約1400°C〜1500°Cで運転する場合もある。
【0048】
また、灰溶融炉本体1中の雰囲気は、作動ガス(N2 ガス)供給手段により、作動ガス(N2 ガス)が供給されているので、還元雰囲気にある。
【0049】
灰16が溶融すると、溶融スラグ18と重金属類の溶融メタル23となる。溶融メタル23は、溶融スラグ18よりも重量が重いので、溶融スラグ18より下方に灰溶融炉本体1の底面4側に溜まる。一方、溶融スラグ18は、溶融メタル23よりも重量が軽いので、溶融メタル23よりも上方に溜まる。
【0050】
溶融スラグ18が溜まると、オーバーフローにより、灰溶融炉本体1の出滓口8から出滓樋9を経てスラグ排出手段17のモールドコンベア(このモールドに剥離剤が塗布される場合がある)に排出される。このスラグ排出手段17のモールドコンベアに排出されたスラグ18は、前記の通り、溶融スラグ排出系において、スプレーにより固化、粒子化されて(もしくはそのまま)有効再利用される。
【0051】
また、灰16の溶融に伴なって生成されたガスは、前記の通り、灰溶融炉本体1中から出滓口8および出滓樋9を経て排ガス処理系において、二次燃焼、冷却、無害化されて大気に排出される。
【0052】
灰16の溶融が進み、溶融メタル23の堆積量が増し、溶融スラグ18の堆積量が減少すると、スラグ抵抗が低下する。そこで、灰16の供給および電流供給を一旦停止し、シリンダ12を伸長させて灰溶融炉本体1を傾動させ、灰溶融炉本体1中の残留溶融スラグ18および溶融メタル23を出滓口8および出滓樋9から灰溶融炉本体1の外に排出させる。排出された残留溶融スラグ18は、前記の通り、有効再利用され、また、溶融メタル23も同様に有効再利用される。
【0053】
灰溶融炉本体1中の残留溶融スラグ18および溶融メタル23の排出が完了した時点で、シリンダ12を収縮させて灰溶融炉本体1を傾動させて元の状態に復帰させる。そして、灰16の供給および電流供給を開始することにより、灰16の溶融が再開される。
【0054】
ここで、灰溶融炉においては、未溶融の灰16が灰溶融炉本体1から流出されないようにすることが重要事項である。この未溶融の灰16が灰溶融炉本体1から流出するのは、図2に示すように、溶融スラグ18の液面上に浮かぶ灰16の団塊25から離れ、溶融スラグ18の液面上を浮遊する浮島26として灰投入口7から出滓口8および出滓樋9へと流出する。
【0055】
この未溶融の灰16の浮島(以下、単に、未溶融灰と称する)26は、灰供給手段13から灰溶融炉本体1中に供給された灰16の供給量のばらつきにより、発生する。すなわち、溶融された溶融スラグ18の液面上に浮かぶ灰16の団塊25においては、厚い部分と薄い部分とがあり、その薄い部分が溶融されて厚い部分が浮島26となる。
【0056】
そして、この実施の形態1における灰溶融炉は、監視撮像装置21により、監視窓20を介して灰溶融炉本体1中の状況、たとえば、前記電極5、6の状況、プラズマアーク22の状況、未溶融灰26の状況、溶融スラグ18の流動状況などを監視することができる。
【0057】
すなわち、灰溶融炉本体1中が灰塵埃により充満されていても、長波長(8〜14μm)赤外カメラの監視撮像装置21の長波長赤外光がZnSe製の監視窓20を経て灰塵埃中を透過することが可能である。このために、灰塵埃が充満している灰溶融炉本体1中の、特に、未溶融灰26の状況を監視撮像装置21により監視することが可能となる。
【0058】
これにより、監視撮像装置21の監視で未溶融灰26を確認した時点で、その未溶融灰26の流出を防止する手段を講じることが可能であり、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。
【0059】
(未溶融灰の流出防止手段の説明)
未溶融灰26の流出を防止する手段としては、
1−監視撮像装置21に接続された灰溶融炉本体1中の温度を制御する手段(図示せず)、
2−監視撮像装置21に接続された灰溶融炉本体1中への灰16の供給量を制御する手段(図示せず)、
3−監視撮像装置21に接続された灰溶融炉本体1を傾動制御する手段(図示せず)、
などがある。
【0060】
前記1−の温度制御手段によると、監視撮像装置21により未溶融灰26を監視し、その監視撮像装置21の監視結果に基づいて、灰溶融炉本体1中の温度を制御する。この結果、未溶融灰26を確実に溶融することができ、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。
【0061】
たとえば、未溶融灰26が出滓口8に迫ったところで、灰溶融炉本体1中の温度が低いと判断し、電極5、6への電流供給量を上げ、灰溶融炉本体1中の温度を上げる。これにより、未溶融灰26が溶融し、灰溶融炉本体1中から流出するのを防ぐことができる。なお、未溶融灰26が溶融したとこで、電極5、6への電流供給量を元の状態に戻し、灰溶融炉本体1中の温度を元に戻すことにより、電気消費を抑制することができる。
【0062】
また、前記2−の灰供給量制御手段によると、監視撮像装置21により未溶融灰26を監視し、その監視撮像装置21の監視結果に基づいて、灰供給手段13から灰溶融炉本体1中への灰16の供給量を制御する。この結果、灰16の溶融処理量が多少減少するものの、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。
【0063】
たとえば、未溶融灰26が出滓口8に迫ったところで、灰溶融炉本体1中への灰16の供給量が多いと判断し、灰供給手段13から灰溶融炉本体1中への灰16の供給量を減らす。これにより、未溶融灰26の量が減り、その量の減った未溶融灰26が溶融して灰溶融炉本体1中から流出するのを防ぐことができる。なお、量の減った未溶融灰26が溶融したとこで、灰供給手段13から灰溶融炉本体1中への灰16の供給量を元の状態に戻すことにより、灰16の溶融処理量が元の状態に戻ることができる。
【0064】
さらに、前記3−の傾動制御手段によると、監視撮像装置21により未溶融灰26を監視し、その監視撮像装置21の監視結果に基づいて、シリンダ12を介して灰溶融炉本体1の傾動を制御する。この結果、溶融スラグ18の排出処理量が多少減少するものの、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。
【0065】
たとえば、未溶融灰26が出滓口8に迫ったところで、未溶融灰26が出滓口8から流出すると判断し、シリンダ12を収縮させて灰溶融炉本体1を出滓口8が灰投入口7よりも高くなるように傾動させる。すなわち、図1において、灰溶融炉本体1をヒンジ機構11を中心として反時計方向に傾動させる。これにより、未溶融灰26が出滓口8側から灰投入口7側に戻され、その戻された未溶融灰26が溶融して灰溶融炉本体1中から流出するのを防ぐことができる。なお、戻された未溶融灰26が溶融したとこで、シリンダ12を伸長させ、灰溶融炉本体1をヒンジ機構11を中心として時計方向に傾動させてもどの状態に戻すことにより、溶融スラグ18の排出処理量が元の状態に戻ることができる。
【0066】
前記温度制御手段、前記灰供給量制御手段、前記傾動制御手段は、単独で使用しても良いし、適宜に組み合わせても良い。
【0067】
(実施の形態1の効果)
特に、この実施の形態1における灰溶融炉は、監視窓20および監視撮像装置21が灰溶融炉本体1の出滓口8および出滓樋9に対向して配置されている。この結果、灰溶融炉本体1の出口である出滓口8を監視するものであるから、未溶融灰26が出滓口8に迫った状況を監視することができる。このために、未溶融灰26が出滓口8に迫った時点で、その未溶融灰26の流出を防止する手段(前記温度制御手段、前記灰供給量制御手段、前記傾動制御手段)を迅速に講じることが可能であり、未溶融灰26の流出をさらに確実に防止することができる。
【0068】
また、この実施の形態1における灰溶融炉は、出滓口8および出滓樋9を監視するものであるから、その出滓口8および出滓樋9の侵食状況をも監視することができる。たとえば、図3に示すように、溶融された溶融スラグ18の液面27が実線に示す状態から二点鎖線に示す状態になるということは、出滓口8および出滓樋9の底面28が実線に示す状態から二点鎖線に示す状態に侵食されたということとなる。
【0069】
(実施の形態2)
図4〜図6は、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態2を示す。図中、図1〜図3と同符号は同一のものを示す。図において、29は未溶融灰26が灰溶融炉本体1から流出されるのを機械的に阻止する手段としての出滓口クリーナである。この出滓口クリーナ29は、監視撮像装置21に接続されている。
【0070】
前記出滓口クリーナ29は、固定部材30に矢印A方向に移動可能に取り付けられた移動部材31と、その移動部材31に矢印B方向に移動可能に取り付けられた駆動部材32と、その駆動部材32に取り付けられたクリーナ33と、駆動部材32の駆動により回転するクリーナ33の先端34とから構成されている。
【0071】
つぎに、この出滓口クリーナ29の作用について説明する。監視撮像装置21の監視により、未溶融灰26が出滓口8に迫った時点で、クリーナ33を矢印B方向に伸長させてクリーナ33の先端34を出滓口8に迫った未溶融灰26に位置させる。駆動部材32を駆動させてクリーナ33の先端34を回転させることにより、未溶融灰26は崩されて溶融する。この結果、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。なお、移動部材31を固定部材30に対して矢印A方向に移動させることにより、未溶融灰26を出滓口8において矢印A方向の広い範囲に亘って崩すことができる。
【0072】
この出滓口クリーナ29は、出滓口8に溶融スラグ18や溶融メタル23が固化した時点で駆動して、その固化した溶融スラグ18や溶融メタル23を崩して出滓口8のクリーナを行うものである。すなわち、この出滓口クリーナ29は、灰溶融炉にもともと装備されているので、新たに未溶融灰流出阻止手段を設置する必要が無いので、その分、設備構造やコストなどが既存の灰溶融炉と変わらない。
【0073】
(実施の形態3)
図7は、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態3を示す。図中、図1〜図6と同符号は同一のものを示す。図において、35は未溶融灰26が灰溶融炉本体1から流出されるのを機械的に阻止する手段としての圧縮ガス噴射手段である。この圧縮ガス噴射手段35は、監視撮像装置21に接続されている。
【0074】
前記圧縮ガス噴射手段35は、噴射口が出滓口8に対抗して配置されたノズル36と、そのノズル36と接続された圧縮ガス供給源(図示せず)とから構成されている。
【0075】
つぎに、この圧縮ガス噴射手段35の作用について説明する。監視撮像装置21の監視により、未溶融灰26が出滓口8に迫った時点で、圧縮ガス供給源を駆動させて圧縮ガス、たとえば、N2 ガスをノズル36の先端から出滓口8に迫った未溶融灰26に向けて噴射させる(図7中の実線矢印を参照)ことにより、未溶融灰26は、出滓口8から灰溶融炉本体1中の奥に押し戻される。この結果、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。
【0076】
また、この圧縮ガス噴射手段35のノズル36から噴射された圧縮ガス(N2 ガス)により、灰溶融炉本体1中の灰塵埃を飛散させることができるので、その灰塵埃を飛散させた個所の監視撮像装置21による監視能力が向上される。
【0077】
(実施の形態4)
図8は、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態4を示す。図中、図1〜図7と同符号は同一のものを示す。図において、37は未溶融灰26が灰溶融炉本体1から流出されるのを機械的に阻止する手段としてのパルスレーザ発射手段である。このパルスレーザ発射手段37は、監視撮像装置21に接続されている。
【0078】
前記パルスレーザ発射手段37は、未溶融灰26を衝撃波38で粉砕するものである。このパルスレーザ発射手段37において使用するレーザは、CO2 レーザであって、波長が監視撮像装置21の長波長(約8〜14μm)に合わせた長波長(約10μm)で、灰塵埃中を透過し易いレーザである。また、このパルスレーザ発射手段37に使用されるレーザのパルス幅は、約1〜100μsecで、1パルス当たりのエネルギーは、約10〜50Jである。
【0079】
なお、パルスレーザ発射手段37としては、TEA型(横方向励起型)を使用することが好ましいが、この発明においては、パルスレーザ発射手段の型を特に限定しない。
【0080】
つぎに、このパルスレーザ発射手段37の作用について説明する。監視撮像装置21の監視により、未溶融灰26が出滓口8に迫った時点で、パルスレーザ発射手段37を駆動させてパルスレーザ39を監視窓20を経て出滓口8に迫った未溶融灰26に向けて発射させることにより、未溶融灰26は、パルスレーザ39の衝撃波38により、粉砕される。この結果、未溶融灰26の流出を確実に防止することができる。
【0081】
また、この実施の形態4においては、パルスレーザ発射手段37の波長(約10μm)を監視撮像装置21の長波長(約8〜14μm)に合わせ、かつ、このパルスレーザ発射手段37を監視撮像装置21に併設したものである。この結果、パルスレーザ39を監視窓20を透過させて発射させることにより、監視撮像装置21で監視された目標の未溶融灰26をさらに確実に粉砕することができる。
【0082】
なお、監視撮像装置21により未溶融灰26を監視し、その監視撮像装置21の監視結果に基づいて、未溶融灰26が流出されるのを機械的に阻止する手段としては、前記出滓口クリーナ29、圧縮ガス噴射手段35、パルスレーザ発射手段37以外の機械的未溶融灰流出阻止手段であっても良い。
【0083】
(実施の形態5)
図9および図10は、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態5を示す。図中、図1〜図8と同符号は同一のものを示す。図において、40は未溶融灰26の出滓口8側への進行を堰き止める突起物である。
【0084】
前記突起物40は、灰溶融炉本体1の炉壁の耐火物2に設けられている。この突起物40は、平面から見て、出滓口8に対して左右に2個設けられている。この2個の突起物40を設ける個所は、灰溶融炉本体1中の未溶融灰16の団塊25と溶融された溶融スラグ18との境界に設けることが好ましい。たとえば、この2個の突起物40と出滓口8との間の角度θが約60°となる個所に、2個の突起物40を設ける。
【0085】
この実施の形態5における灰溶融炉は、以上の如き構成からなるので、灰投入口7から供給された灰16のうち、未溶融灰が出滓口8側に進行するのを、突起物40により、堰き止めることができる。この結果、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0086】
また、この実施の形態5における灰溶融炉は、図10に示すように、この2個の突起物40の底面41を溶融されたスラブ18の液面27よりも若干上方に位置させる。これにより、突起物40が溶融された溶融スラグ18により侵食されるのを防止できる。
【0087】
(実施の形態5の変形例)
図11は、この発明にかかる灰溶融炉の実施の形態5の変形例を示す。図中、図1〜図10と同符号は同一のものを示す。この変形例は、灰溶融炉本体1の炉壁の耐火物2に突起物42が、出滓口8を覆うように設けられている。この突起物42には、灰溶融炉本体1中に生成されるガスが流通する透孔43が設けられている。
【0088】
この変形例における灰溶融炉は、以上の如き構成からなるので、前記実施の形態5における灰溶融炉と、ほぼ同様の作用効果を達成することができる。すなわち、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0089】
また、この変形例における灰溶融炉は、突起物42により出滓口8が閉塞されるものであるが、その突起物42に設けられた透孔43により、灰溶融炉本体1中に生成されるガスが灰溶融炉本体1中から出滓口8および出滓樋9を経て排ガス処理系に排出されるの、何ら支障を来すことがない。なお、この変形例において、前記突起物42および透孔43の代わりに、メッシュなどの未溶融灰流出防止手段および通気手段であっても良い。
【0090】
(実施の形態5およびその実施の形態5の変形例の他の例)
前記実施の形態5およびその実施の形態5の変形例においては、監視窓20および監視撮像装置21は特に必要がない。
【0091】
(実施の形態1、2、3、4、5および実施の形態5の変形例以外の例)
なお、前記実施の形態1、2、3、4、5および実施の形態5の変形例において、溶融メタル23の排出手段としては、灰溶融炉本体1傾動式のものが開示されている。すなわち、灰溶融炉本体1を傾動させて溶融メタル23を出滓口8および出滓樋9から排出するものが開示されている。ところが、この発明においては、溶融メタル23の排出手段として、ゲート式のものであっても良い。すなわち、灰溶融炉本体は固定式であって、出滓口にゲートが開閉可能に設けられたものであっても良い。
【0092】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる灰溶融炉(請求項1)によれば、灰溶融炉本体中が灰塵埃により充満されていても、監視撮像装置の長波長赤外光が灰塵埃中を透過することが可能である。このために、灰塵埃が充満している灰溶融炉本体中の状況、特に、未溶融灰を長波長赤外光の監視撮像装置により監視することが可能となる。これにより、長波長赤外光の監視撮像装置の監視で未溶融灰を確認した時点で、その未溶融灰の流出を防止する手段を講じることが可能であり、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0093】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項2)によれば、灰溶融炉本体の出口である出滓口を監視するものであるから、未溶融灰が出滓口に迫った状況を監視することができる。このために、未溶融灰が出滓口に迫った時点で、その未溶融灰の流出を防止する手段を迅速に講じることが可能であり、未溶融灰の流出をさらに確実に防止することができる。
【0094】
しかも、この発明にかかる灰溶融炉(請求項2)によれば、出滓口を監視するものであるから、その出滓口の侵食状況をも監視することができる。
【0095】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項3)によれば、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、温度制御手段により灰溶融炉本体中の温度を制御することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、灰溶融炉本体中の温度が低いと判断し、灰溶融炉本体中の温度を上げることにより、未溶融灰を溶融することができる。以上から、未溶融灰を確実に溶融することができ、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0096】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項4)によれば、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、灰供給量制御手段により灰溶融炉本体中への灰の供給量を制御することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、灰の供給量が多いと判断し、灰の供給量を減らすことにより、未溶融灰の量が減り、その量の減った未溶融灰を溶融することができる。以上から、灰の溶融処理量が多少減少するものの、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0097】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項5)によれば、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、傾動制御手段により灰溶融炉本体の傾動を制御することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、未溶融灰が出滓口から流出すると判断し、灰溶融炉本体を未溶融灰が出滓口から排出されないように傾動させることにより、未溶融灰が出滓口側から戻され、その戻された未溶融灰を溶融することができる。以上から、溶融スラグの排出処理量が多少減少するものの、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0098】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項6)によれば、監視撮像装置により未溶融灰を監視し、その監視撮像装置の監視結果に基づいて、未溶融灰流出阻止手段により未溶融灰が流出されるのを機械的に阻止することができる。たとえば、未溶融灰が出滓口に迫ったところで、未溶融灰が出滓口から流出すると判断し、未溶融灰流出阻止手段を作動させることにより、未溶融灰が出滓口から流出するのを機械的に阻止することができる。以上から、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。
【0099】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項7)によれば、出滓口クリーナにより、出滓口に迫った未溶融灰を崩すことができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、この出滓口クリーナは、灰溶融炉に装備されているので、新たに未溶融灰流出阻止手段を設置する必要が無いので、その分、設備構造やコストなどが既存の灰溶融炉と変わらない。
【0100】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項8)によれば、圧縮ガス噴射手段から噴射された圧縮ガスにより、未溶融灰を押し戻すことができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、この圧縮ガス噴射手段から噴射された圧縮ガスにより、灰溶融炉本体中の灰塵埃を飛散させることができるので、その灰塵埃を飛散させた個所の監視撮像装置による監視能力が向上される。
【0101】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項9)によれば、パルスレーザ発射手段から発射されたパルスレーザの衝撃波により、未溶融灰を粉砕することができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、このパルスレーザ発射手段の波長を監視撮像装置の波長に合わせ、かつ、このパルスレーザ発射手段を監視撮像装置に併設し、パルスレーザを監視窓を透過させて発射させることにより、監視撮像装置で監視された目標の未溶融灰をさらに確実に粉砕することができる。
【0102】
また、この発明にかかる灰溶融炉(請求項10)によれば、突起物により、未溶融灰が出滓口側に進行するのを堰き止めることができるので、未溶融灰の流出を確実に防止することができる。また、突起物の底面が溶融スラブの液面よりも上に位置するので、突起物が溶融スラグにより侵食されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の灰溶融炉の実施の形態1を示す一部縦断面図である。
【図2】同じく、一部横断面図である。
【図3】同じく、監視撮像装置により監視された状態を示す説明図である。
【図4】この発明の灰溶融炉の実施の形態2を示す一部縦断面図である。
【図5】出滓口および出滓口クリーナを示した一部側面図である。
【図6】(A)は出滓口クリーナの平面図、(B)は出滓口クリーナの側面図である。
【図7】この発明の灰溶融炉の実施の形態3を示す一部縦断面図である。
【図8】この発明の灰溶融炉の実施の形態4を示す一部縦断面図である。
【図9】この発明の灰溶融炉の実施の形態5を示す一部横断面図である。
【図10】図9におけるX−X線断面図である。
【図11】この発明の灰溶融炉の実施の形態5の変形例を示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
1 灰溶融炉本体
2 耐火物
3 水冷ジャケット
4 底面
5 −の主電極
6 +の電極
7 灰投入口
8 出滓口
9 出滓樋
10 床
11 ヒンジ機構
12 シリンダ
13 灰供給手段
14 ホッパ
15 スクリューフィダー
16 灰
17 スラグ排出手段
18 溶融スラグ
19 コンベアカバー
20 監視窓
21 監視撮像装置
22 プラズマアーク
23 溶融メタル
24 スリーブ
25 灰の団塊
26 未溶融灰の浮島
27 溶融スラグの液面
28 出滓口および出滓樋の底面
29 出滓口クリーナ
30 固定部材
31 移動部材
32 駆動部材
33 クリーナ
34 先端
35 圧縮ガス噴射手段
36 ノズル
37 パルスレーザ発射手段
38 衝撃波
39 パルスレーザ
40 突起物
41 突起物の底面
42 突起物
43 透孔

Claims (10)

  1. 灰を溶融して溶融スラグとなす灰溶融炉本体と、前記灰溶融炉本体に設けられ、前記溶融スラグを前記灰溶融炉本体から排出して処理する出滓口とを有する灰溶融炉において、
    前記灰溶融炉本体を覆う覆い部の一部に設けられ、長波長赤外光が透過する監視窓と、
    前記監視窓に設置され、前記灰溶融炉本体中の状況を長波長赤外光により監視する監視撮像装置と、
    を備えたことを特徴とする灰溶融炉。
  2. 前記監視窓および前記監視撮像装置は、前記灰溶融炉本体の出滓口に対向して配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の灰溶融炉。
  3. 前記監視撮像装置には、前記灰溶融炉本体中の温度を制御する手段が接続されており、前記監視撮像装置は、前記溶融スラグ液面上に浮遊する未溶融灰を監視し、前記温度制御手段は、前記監視撮像装置の監視結果に基づいて前記灰溶融炉本体中の温度を制御する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融炉。
  4. 前記監視撮像装置には、前記灰溶融炉本体中への灰の供給量を制御する手段が接続されており、前記監視撮像装置は、前記溶融スラグ液面上に浮遊する未溶融灰を監視し、前記灰供給量制御手段は、前記監視撮像装置の監視結果に基づいて前記灰溶融炉本体中への前記灰の供給量を制御する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融炉。
  5. 前記灰溶融炉本体は、傾動可能に保持されており、前記監視撮像装置には、前記灰溶融炉本体を傾動制御する手段が接続されており、前記監視撮像装置は、前記溶融スラグ液面上に浮遊する未溶融灰を監視し、前記傾動制御手段は、前記監視撮像装置の監視結果に基づいて前記灰溶融炉本体の傾動を制御する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融炉。
  6. 前記監視撮像装置には、未溶融灰が前記灰溶融炉本体から流出されるのを機械的に阻止する手段が接続されており、前記監視撮像装置は、前記溶融スラグ液面上に浮遊する未溶融灰を監視し、前記未溶融灰流出阻止手段は、前記監視撮像装置の監視結果に基づいて前記未溶融灰が前記灰溶融炉本体から流出されるのを機械的に阻止する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融炉。
  7. 前記未溶融灰流出阻止手段は、前記未溶融灰を崩す出滓口クリーナである、ことを特徴とする請求項6に記載の灰溶融炉。
  8. 前記未溶融灰流出阻止手段は、前記未溶融灰を押し戻す圧縮ガス噴射手段である、ことを特徴とする請求項6に記載の灰溶融炉。
  9. 前記未溶融灰流出阻止手段は、前記未溶融灰を衝撃波で粉砕するパルスレーザ発射手段である、ことを特徴とする請求項6に記載の灰溶融炉。
  10. 灰を溶融して溶融スラグとなす灰溶融炉本体と、前記灰溶融炉本体に設けられ、前記溶融スラグを前記灰溶融炉本体から排出して処理する出滓口とを有する灰溶融炉において、
    灰溶融炉本体の炉壁には、前記溶融スラグ液面上に浮遊する未溶融灰が前記出滓口側に進行するのを堰き止める突起物が設けられており、前記突起物の底面は、前記溶融スラグ液面よりも上に位置する、ことを特徴とする灰溶融炉。
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