JP3652794B2 - ミシンにおける布押え装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はミシンにおける布押え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の布押え装置としては、パルスモータの往復作動により複数のリンクを介して布押え部を上下に作動させるようにしたものがある(例えば特開平7−231991号公報の図1参照)。
【0003】
この布押え装置にあっては、布押え部を縫製用の上昇位置と縫製用の下降位置との間で上下動させて所定の布押え作用をさせることが出来る。又、パルスモータの往復動範囲の一方の端の位置を変えることによって、布押え部の縫製用の下降位置を布厚に応じて上下に変えることが出来、種々の厚みの布に対しそれを傷めることなく適正な布押え作用をさせることが出来る。更に、パルスモータを上記往復動範囲の他方の端を越えて大きく動かすことにより、布押え部を退避位置まで大きく上昇させることが出来、布押え部の下方位置での布の取り替え作業を容易化出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のミシンにおける布押え装置では縫製の高速化の為にパルスモータの往復動を高速化させようとすると、上記複数のリンクの慣性がパルスモータの駆動力に勝ってパルスモータが脱調し布押え部の動きが不正となる為、高速作動には対応し難い問題点があった。
【0005】
上記高速作動への対応を可能にするものとして、ミシンの駆動用の主軸に針棒駆動用カムとは別にもう一つのカムを取付け、そのカムで布押え装置の駆動を行うようにしたものがある(例えば特開平7−231991号公報の図21参照)。
【0006】
この布押え装置にあっては、大きな力を有する駆動用主軸から上記カムという機械的な連繋手段を通して駆動力を得るので、パルスモータでは対応が出来ぬ高速作動にも対応できる特長がある。
【0007】
しかし駆動用主軸の回動によって一定の動きをするカムと上記布押え部とは機械的に繋がっている為、布押え部の下降位置は一定となり布厚に対する対応が困難であるという問題点があった。
【0008】
本件出願のミシンにおける布押え装置は上記従来技術の問題点を解決する為に提供するもので、その目的は、布押え部の下降位置を上下に可変出来るようにすることにより、種々の布厚に対応させて適正な布押え作用が行い得るようにすることである。
又布押え部を退避位置まで大きく上昇させて、布押え部の下方位置での布の取り替え作業を容易化出来るようにすることである。
更に、上記のように布押え部の下降位置の上下可変及び布押え部の大きな上昇を可能にするものであっても、その駆動力はミシンにおける駆動用の主軸から機械的な連繋手段を介して得るようにして、高速作動にも対応できるようにすることである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本願発明におけるミシンにおける布押え装置は、上下動自在の布押え基部と、上部は布押え基部に連なり下部にはベッド上面近くで上下動するようにした布押え部を有する布押え体と、主軸の回転運動を往復上下運動に変換して布押え基部に伝える為の伝動機構とを備えるミシンにおける布押え装置において、上記伝動機構中には、一端は主軸側の上下動する部材に枢着され、他端は布押え基部側の上下動する部材に枢着され、中間部に屈曲自在の関節を備えている関節連動杆を介設し、一方、案内条と案内条に沿って移動する案内子とから成る案内機構を備え、上記関節連動杆の関節と上記案内機構の案内子とは、案内子が案内条に沿って動くことにより、関節連動杆が屈曲してその一端と他端との間隔が伸縮するように連結し、上記案内条は、上記関節連動杆における一端の上昇位置に対し、その他端を上記布押え部の退避位置と対応する退避用上昇位置にもたらす為の退避操作位置と、上記一端の下降位置に対し上記他端を上記布押え部の厚布用浮上阻止位置と対応する厚布用下降位置にもたらす為の厚布操作位置と、上記一端の下降位置に対し上記他端を上記布押え部の薄布用浮上阻止位置と対応する薄布用下降位置にもたらす為の薄布操作位置との間の位置替えを可能にしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本願発明の実施の形態を示す図面について説明する。図1及び図2はミシン例えば多頭刺繍ミシンにおける1頭のミシンの要部を示すものである。図において、1は縫製される布を受けるための面であるベッドの上面を示し、例えば針板2の上面である。3は針棒で、ミシンのヘッドにおける図示外の基枠に上下動自在に装着されており、下端には縫製用の針4を備える。5はミシンにおける駆動用の原動軸である主軸で、図示外のモータにより回動されるようになっている。6は主軸5の回動によって針棒3を上下動させるようにした針棒昇降機構を示す。7は上記針4による縫製の際に布の浮き上がりを防止する為の布押え装置を示す。
【0011】
上記針棒3及び針棒昇降機構6はこの種のミシンにおいて種々知られた構成のうちの一例を示すもので以下に説明する。9は針棒昇降機構6からの駆動力を受ける為の被動子で、該機構6との連繋用の嵌合部10を有し、針棒3の上端に取付けてある。11は針棒3の上昇を所定位置で停止させる為のストッパである。次に針棒昇降機構6において、12は案内杆で、上記針棒3と平行状態に備えられ、前記図示外の基枠によって支えられている。13は駆動用昇降体で、嵌合部10と嵌合して被動子9に駆動力を及ぼすための駆動子13aを備えており、案内杆12に上下動自在に装着してある。14は主軸5の回転運動を上下運動に変換して上記昇降体13に伝えそれを上下動させる為の昇降体駆動機構で、周知の梃子クランク機構を例示する。該機構は、主軸5に取付けた偏心輪15と、その偏心輪の回動により上下動するようにしたクランクロッド16と、一端を枢着部材18によって前記基枠に枢着し、中間部に上記クランクロッド16を軸体19でもって枢着した昇降レバー17と、その昇降レバー17の自由端部と上記昇降体13とを連結するリンク20とから構成され、主軸5が回動するとレバー17が上下に揺動し、昇降体13を案内杆12に沿って上下動させるようにしてある。
【0012】
次に布押え装置7について説明する。23は布押え体を上下動自在に支える為の布押え基部で、布押え体の上下動を自在にする為に上下動自在にしてある。例えば針棒3の上下動と平行な上下動が出来るよう案内杆12に上下動自在に装着している。24は布押え体で、布押え基部23の上下動に連動して上下動するようその上部24aは布押え基部23に連結しており、下部にはベッド上面1近くで上下動するようにした布押え部26を有する。上記上部24aの連結は布押え基部23と布押え体24とが一体的に上下動するように堅く連結しても良いが、この例では布押え部26が布をベッド上面1に過度に強く押し付けてその布を傷めたりすることを防止する為に、サスペンション機構25を介して弾力的に連結している。即ち上部24aを布押え基部23における布押え体支持部27に上下動自在に取付け、布押え基部23に取付けた付勢用のばね28でもって下方に向けて付勢してある。
【0013】
次に29は主軸5の回転運動を往復上下運動に変換して布押え基部23に伝える為の伝動機構を示す。該伝動機構29は上記針棒昇降機構6とは独立した機構として構成しても良いが、この例では構造を簡素化する為に、針棒昇降機構6における駆動機構14を利用し、それと関節連動杆30とでもって構成している。駆動機構14と関節連動杆30とは力の伝達順に連ねてあって、関節連動杆30は上記伝動機構29中に介設された構造となっている。関節連動杆30は布押え体24の上下動のストロークを針棒3のストロークよりも小さくする為の機構であり、中間部に屈曲自在の関節33を備えている。例えば上下二つのリンク31,32を相互に枢着して構成し、その枢着部が屈曲自在の関節33となっている。30aは関節連動杆30の一端を示し、主軸5の回動に伴って上下動する部材例えば駆動用昇降体13に枢着している。30bは他端を示し、布押え基部23に枢着している。
【0014】
次に35は上記関節33の動きを案内するようにした案内機構を示す。該案内機構35は、布押え体24の上下動のストロークを針棒3のストロークよりも小さくすると共に、上下動の速度を布押え部26がベッド上面1に近接する近辺において緩やかにする為のものであり、案内条37を備える案内カム36と案内条37に沿って移動する案内子39とから成る。案内条37及び案内子39は前者によって後者の移動軌跡を案内するようにしたもので、本例では案内条37を溝状に形成し、案内子39がその溝に嵌まった状態で該溝に沿って移動するようにしているが、案内条37を凸形状の筋状に形成し、案内子39がそれに沿って移動するようにしたものであっても良い。上記案内条37は布押え体24の上下動の速度を布押え部26がベッド上面1に近接する近辺において緩やかにする為に、図2に示す如くその下部ほど、部材13に対する関節連動杆30の上部30aの枢着点と布押え基部23に対する下部30bの枢着点とを結ぶ仮想的ラインから遠ざかるように傾斜させている。上記関節連動杆30の関節33と上記案内機構35の案内子39とは、案内子39が案内条37に沿って動くことにより、関節連動杆30が屈曲してその一端30aと他端30bとの間隔L1が伸縮するように連結している。例えば案内子39を、リンク31とリンク32とを枢着するピンに止着することにより、案内子39が案内条37に沿って動くと関節33が上記仮想的ラインに対して遠近移動して関節33が屈曲し上記間隔L1が伸縮するようにしている。
【0015】
上記案内条37は、図7に示される位置である退避操作位置Pd1と、図6に示される位置である厚布操作位置Pd2と、図5に示される位置である薄布操作位置Pd3との間の位置替えを手動又は制御手段42によって可能にしている。例えば上記案内カム36の下部を枢着部材として例示するピン38でもって前記基枠に枢着し、その枢着点を中心に傾動できるようにしている。上記退避操作位置Pd1とは、関節連動杆30の一端30aの上昇位置Paに対し、他端30bを布押え部26の退避位置P1と対応する退避用上昇位置Pc1(図7の位置参照)にもたらす為の位置である。上記厚布操作位置Pd2とは、上記一端30aの下降位置Pbに対し、他端30bを布押え部26の厚布用浮上阻止位置P2と対応する厚布用下降位置Pc2(図6の位置参照)にもたらす為の位置である。上記薄布操作位置Pd3とは、上記一端30aの下降位置Pbに対し、他端30bを布押え部26の薄布用浮上阻止位置P3と対応する薄布用下降位置Pc3(図5の位置参照)にもたらす為の位置である。上記布押え部26の退避位置P1とは、図7に示す如く、縫製される布56を保持する為の枠体57を布押え部26の下側を通して移動させることが可能となる布押え部26の上昇位置PUを示し、例えばベッド上面1から布押え部26の下面までの距離L2が29.5mm程度の位置である。上記布押え部26の厚布用浮上阻止位置P2とは、図6に示す如く、縫製予定の布のうち最も厚い布55の上面に近接する位置まで布押え部26が下降してその布の浮き上がりの阻止が可能となる布押え部26の下降位置PLを示し、例えばベッド上面1から布押え部26の下面までの距離L3が4.4mm程度の位置である。上記布押え部26の薄布用浮上阻止位置P3とは、図5に示す如く、縫製予定の布のうち最も薄い布54の上面に近接する位置まで布押え部26が下降してその布の浮き上がりの阻止が可能となる布押え部26の下降位置PLを示し、例えばベッド上面1から布押え部26の下面までの距離L4が0.7mm程度の位置である。
【0016】
次に42は上記案内カム36における上記案内条37を上記退避操作位置Pd1と、厚布操作位置Pd2と、薄布操作位置Pd3との3位置の間において位置替えさせる為の制御手段を示す。43は該制御手段42における駆動装置で、それの往復回動自在の駆動軸44に駆動レバー45を取付け、駆動レバー45の先端はリンク46を介して案内カム36に連結して、駆動軸44の一方及び他方への回動により案内カム36をその枢着部材38を中心に図5、図6、図7に示すように傾動させ得るようにしている。上記駆動装置43としては、例えばロータリーソレノイド或いはパルスモータ又は手動回転摘みを用いることが出来る。上記案内カム36は上記3位置にて夫々停止するように上記駆動装置43の側で電気的に、又は上記案内カム36の停止位置に係合離脱自在の弾性的な位置決めストッパーを配置する。47は案内条37を厚布操作位置Pd2や薄布操作位置Pd3及びそれらの中間の位置に位置決する為の位置決部材で、軸体48に取付けた偏心カムを例示する。49は上記位置決部材47を変位させる為の手段で、例えば手動による上記軸体48の回動操作を可能にする為の摘みを示す。該変位の為の手段は、軸体48を設定位置まで回動させるパルスモータであっても良い。50は上記位置決部材47による位置決の位置を設定する為の目盛りで、摘み49に備えさせた例を示す。該目盛は例えばベッド上面1から布押え部26の下面までの距離で目盛られている。51は上記目盛50を指し示す為の指針であり、前記基枠に取付けている。
【0017】
上記構成のものにあっては、縫製の場合、主軸5の回動により駆動機構14によって昇降体13が図2の状態から図3の状態を経て図4の状態のように下降されたりその反対に上昇されると、駆動子13aから被動子9への力の伝達により針棒3が図示の如く下降及び上昇される。その針棒3の動きと連動して布押え装置7は所定の布押え作用を行う。所定の布押え作用とは、針4が布53に刺さっていない状態では布53の横移動を可能にする為に布押え部26を布53から離反した状態にし、布53に刺さっている針4を布53から引き抜こうとするときには、その引き抜きを円滑に行い得るようにする為に、布53を押えて布53が針4に引き連られて上昇しようとすることを阻止する作用である。
【0018】
駆動用昇降体13が図2に示す縫製用上昇位置にある状態即ち関節連動杆30の一端30aが上昇位置Paにある状態から昇降体13が下降すると、関節連動杆30を介して布押え基部23が下降し、図3の如く針4がベッド上面1上の被縫製布53に到達する直前の位置まで下降したときには、布押え部26もその下降位置PL即ち布53の上面に接する位置乃至そのすぐ上の位置まで下降する(ベッド上面1から布押え部26の下面までの距離L5は例えば18.5mm程度であり、距離L6は2.5mm程度である)。この下降の過程において案内子39は案内条37に沿って移動し、関節連動杆30は図3の如く屈曲状態となる。その後駆動用昇降体13の更なる下降により針4は布53に刺さり図4の如く下死点に至るが、その過程では、関節連動杆30の屈曲の度合いが更に進行するのみで、布押え基部23は下降せず、布押え部26は上記下降位置PLに留まる。即ち、案内条37の下部37aの形状が円弧形状となっており、しかも布押え基部23に対する他端30bの枢着点が上記下部37aの円弧形状のほぼ中心に位置する状態となるようにしてあるので、駆動用昇降体13が下降して案内子39が案内条37に沿って移動しても布押え基部23は上下動を行わず、従って布押え部26は上記下降位置PLに留まる。このような動作の結果、布押え部26が布53をベッド上面1上に強く押さえ付けて布53を傷めたりする事故の発生が防止される。
【0019】
次に駆動用昇降体13が図4の状態から図3の状態を経て図2のように上昇する過程では、布押え装置7は上記とは反対の経過で動作する。即ち駆動用昇降体13が図4の状態から図3の状態まで上昇する過程では、布押え部26は上記下降位置PLに留まり、針4の上昇と共に布53が浮き上がることを阻止する。駆動用昇降体13が図3の状態から図2の状態まで上昇する過程では、駆動用昇降体13の上昇に伴い布押え基部23が上昇し、布押え部26は図2に示す縫製用上昇位置PUまで上昇する。上記のような動作が繰り返されて、布53に対する縫製が行われる。
【0020】
次に図5に示す如く薄い布54に対する縫製を行う場合には、前記摘み49の操作により位置決部材47が駆動レバー45を図示の如き位置で受止めて、案内カム36の案内条37が図5の薄布操作位置Pd3に位置する状態にする。この状態で上記と同様の動作を行わせると、布押え部26の下降は図示の如き薄布用浮上阻止位置P3まで行われる。
【0021】
次に図6に示す如く厚い布55に対する縫製を行う場合には、前記摘み49の操作により位置決部材47が駆動レバー45を図示の如き位置で受止めて、案内条37が図6の厚布操作位置Pd2に位置する状態にする。この状態で上記と同様の動作を行わせると、布押え部26の下降は図示の如き厚布用浮上阻止位置P2まで行われる。
【0022】
上記布押え部26の下降位置PLを薄布用浮上阻止位置P3にしたり厚布用浮上阻止位置P2にしたりする操作は、主軸5から布押え基部23までの力の伝達には直接的な関与をしない案内カム36の移動によって行うようにしている。従って、布押え体24が昇降動作を繰り返し行っている縫製途中においても、布における縫製部分の厚みの変化に応じて上記布押え部26の下降位置PLの変更を行うことが出来る。
【0023】
次に図7に示す如く、布56(例えばくつ下生地)の取り替えを行う為に布の保持枠57(例えばくつ下枠)を、布押え部26の下を通して移動させたい場合には、針棒3を上死点乃至上死点近くの位置で停止させた状態において、前記駆動装置43を作動させて、案内条37が図7の退避操作位置Pd1に位置する状態にする。すると関節連動杆30の他端30bは図示の如く退避用上昇位置Pc1に持ち上げられ、布押え基部23が図示の如く持ち上げられる。その結果、布押え部26は図示の如く退避位置P1に至り、保持枠57は布押え部26の下を自由に通過させ得る状態となり、保持枠57に対する布56の着脱作業を針4や布押え部26の下を避けた場所で容易に行うことが可能となる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本願発明にあっては、案内機構35における案内条37を厚布操作位置Pd2と薄布操作位置Pd3との間で位置替えすることにより、布押え部26の下降位置PLを厚布用浮上阻止位置P2と薄布用浮上阻止位置P3との間で変更出来るので、縫製の場合、布に対する適正な布押え作用を種々の厚さの布に対応させて行わせ得る効果がある。
又上記案内条37を退避操作位置Pd1に位置替えさせることにより、布押え部26をベッド上面1から退避位置P1まで大きく上昇させることが出来、布押え部26の下方位置での布の取り替え作業を容易に行いうる効果がある。
しかも上記のように布押え部26の下降位置PLの変更及び退避位置P1までの上昇を行い得るようにしたものであっても、布押え部26の駆動は主軸5から伝動機構29を介して行い、その伝動機構29中の関節連動杆30を案内機構35によって制御することにより上記変更を行うようにしているので、布押え部26の駆動は主軸5の有する大きな力によって行うことが出来、従って主軸5の高速作動に追従させて布押え部26を高速作動させられる効果もある。
また上記案内条37を上記退避操作位置Pd1と、厚布操作位置Pd2と、薄布操作位置Pd3との3位置の間において位置替えさせる為の制御手段42を備えさせることによりその位置替え操作を簡易化させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミシンにおける縫製用の要部及び布押え装置を示す斜視図。
【図2】布押えが縫製用の上昇位置にある状態を示す図。
【図3】布押えが布の浮上阻止位置にある状態を示す図。
【図4】布押えが浮上阻止位置にあって針が下死点に下降した状態を示す図。
【図5】薄い生地を縫製する場合における図4と同様の状態を示す図。
【図6】厚い生地を縫製する場合における図4と同様の状態を示す図。
【図7】布押えが退避位置にある状態を示す図。
【符号の説明】
1 ベッド上面
23 布押え基部
24 布押え体
30 関節連動機構
33 関節
35 案内機構
37 案内条
39 案内子
Claims (2)
- 上下動自在の布押え基部と、
上部は布押え基部に連なり下部にはベッド上面近くで上下動するようにした布押え部を有する布押え体と、
主軸の回転運動を往復上下運動に変換して布押え基部に伝える為の伝動機構
とを備えるミシンにおける布押え装置において、
上記伝動機構中には、
一端は主軸側の上下動する部材に枢着され、他端は布押え基部側の上下動する部材に枢着され、中間部に屈曲自在の関節を備えている関節連動杆を介設し、
一方、案内条と案内条に沿って移動する案内子とから成る案内機構を備え、
上記関節連動杆の関節と上記案内機構の案内子とは、
案内子が案内条に沿って動くことにより、関節連動杆が屈曲してその一端と他端との間隔が伸縮するように連結し、
上記案内条は、
上記関節連動杆における一端の上昇位置に対し、その他端を上記布押え部の退避位置と対応する退避用上昇位置にもたらす為の退避操作位置と、
上記一端の下降位置に対し上記他端を上記布押え部の厚布用浮上阻止位置と対応する厚布用下降位置にもたらす為の厚布操作位置と、
上記一端の下降位置に対し上記他端を上記布押え部の薄布用浮上阻止位置と対応する薄布用下降位置にもたらす為の薄布操作位置
との間の位置替えを可能にしたことを特徴とするミシンにおける布押え装置。 - 上記案内条を上記退避操作位置と、厚布操作位置と、薄布操作位置との3位置の間において位置替えさせる為の制御手段を備えることを特徴とする請求項1のミシンにおける布押え装置。
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