JP3652395B2 - 表示色の対応関係決定方法および決定装置 - Google Patents

表示色の対応関係決定方法および決定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は表示色の対応関係決定方法および決定装置、特に、カラープリンタとカラーディスプレイとに、同一画像を表現する画像データを与えて、それぞれ紙面上に印刷画像およびディスプレイ画面上に表示画像を生成した場合に、両画像が同一の表示色として知覚されるように、カラープリンタに与える画像データとカラーディスプレイに与える画像データとの間の対応関係を決定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの発達により、現在では、カラー印刷用のフィルム原版をコンピュータによる画像処理によって作成することが一般的になっている。このように、コンピュータによって作成したカラー画像を確認する方法としては、カラーディスプレイの画面上で確認する方法と、カラープリンタあるいは印刷によって出力した紙面上で確認する方法とがある。通常、オペレータは、ディスプレイを見ながらカラー画像を作成する処理を行い、適宜、このカラー画像をプリンタで出力して確認したり、実際に印刷して確認したりする作業を行うことになる。ところが、コンピュータによって作成した同一の画像データに基いて表示を行わせる場合であっても、ディスプレイとプリンタ(あるいは印刷機)とでは、画像データの形式が異なる。すなわち、ディスプレイに与える画像データは光の3原色であるRGB形式のデータを与えるのに対し、プリンタあるいは印刷機に与える画像データは色の3原色であるCMY形式のデータを与えなければならない。このため、同一の色について、RGB形式のデータとCMY形式のデータとの対応関係を予め定めておき、RGB形式のデータに基いてディスプレイ画面上に表示させた色と、CMY形式のデータに基いて紙面上に表示させた色とが、同一の色として知覚されるようにする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ディスプレイに与えるRGB形式のデータとプリンタや印刷機に与えるCMY形式のデータとの間で、正確な対応関係を決定することは非常に困難である。もともと、画面上に表示される画像の表示色や、紙面上に出力される画像の表示色は、ディスプレイ、プリンタ、印刷機といったハードウエアに固有の色であり、また、照明条件によっても色調が変化するため、RGB形式のデータとCMY形式のデータとの間の普遍的な対応関係を正確に求めることは不可能である。別言すれば、同じRGB形式のデータを用いて画面表示したとしても、ディスプレイが異なれば表示色は異なることになり、同じCMY形式のデータを用いて紙面上に出力したとしても、プリンタが異なれば出力される色は異なることになる。このため、実際には、どのディスプレイとどのプリンタとを組み合わせて用いるか、という個々の具体的なケースごとに、RGB形式のデータとCMY形式のデータとの対応関係を決定する作業が必要になる。
【0004】
このため、従来は、実際にプリンタで出力した紙面上のカラー画像を見ながら、ディスプレイの表示色に合うようにプリンタの色を調整する作業を行っていた。しかしながら、このようなあいまいな色調整作業では、正確な色調整は非常に困難である。色調整が困難な理由は、ディスプレイ上に表示されたカラー画像と、紙面上に出力されたカラー画像とは、そもそも本質的に異なる性質をもった画像であるためである。すなわち、CRTなどを用いた一般的なカラーディスプレイは、自らの発光によって表示を行う装置であり、ディスプレイ画面上に得られる画像は発光画像となるのに対し、カラープリンタや印刷機によって紙面上に出力される画像は、光の反射によって表示を行う反射画像になるためである。このように、反射画像と発光画像とは、画像表示の原理が全く異なるため、人間の目で観察した場合にも、それぞれ異なる表示媒体として認識され、両者で正確な色合わせを行うことが困難なのである。
【0005】
そこで本発明は、反射画像と発光画像とで、知覚される表示色が同一になるように、反射画像を作成するための画像データと発光画像を作成するための画像データとの間の対応関係を正確に決定することができる方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の第1の特徴は、光の反射によって表示を行う反射画像を生成する反射画像生成装置と、自らの発光によって表示を行う発光画像を生成する発光画像生成装置とに、同一画像を表現する画像データを与えてそれぞれ反射画像および発光画像を生成した場合に、これら両画像から肉眼によって知覚される表示色が同一になるように、反射画像生成装置に与える画像データと発光画像生成装置に与える画像データとの間の対応関係を決定する方法において、
反射画像生成装置に所定の画像データを与えることにより、特定の単一色についての被測定用反射画像を生成し、
前面の内側領域に第1の表示面が定義され、この第1の表示面の周囲の外側領域に第2の表示面が定義され、第2の表示面は生成した単一色よりも明度の高い無彩色をなし、第1の表示面は第2の表示面よりも明度の低い無彩色をなす表示用ボードを用意し、この表示用ボードの第1の表示面の中央に被測定用反射画像を提示できるようにし、表示用ボード前面に照明光を照射し、所定の観察位置から観察したときに、第1の表示面および第2の表示面が表示されるとともに、第1の表示面の中央に被測定用反射画像の単一色が表示されるようにし、
発光画像生成装置の表示画面上に、表示用ボードの第1の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第1の枠領域を表示させ、この第1の枠領域の周囲に、表示用ボードの第2の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第2の枠領域を表示させ、かつ、第1の枠領域に囲われた色表示部に、与えられた画像データに基いて所定の単一色を表示させ、
所定の観察位置から観察したときに、第1の表示面の中央に観察される単一色と色表示部から観察される単一色とが同一の表示色と知覚されるまで、発光画像生成装置に対して与える画像データを変化させ、同一の表示色と知覚されたときに発光画像生成装置に対して与えた画像データと、被測定用反射画像を生成したときに反射画像生成装置に与えた画像データと、が対応関係にあると決定するようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の特徴は、上述の第1の特徴に係る表示色の対応関係決定方法において、
表示用ボードの表示面より外側の領域および発光画像生成装置の表示画面上の枠領域より外側の領域については、観察位置から観察したときに光が観察されないように、外光を遮る閉じた環境において観察を行うようにしたものである。
【0010】
(3) 本発明の第3の特徴は、光の反射によって表示を行う反射画像を生成する反射画像生成装置と、自らの発光によって表示を行う発光画像を生成する発光画像生成装置とに、同一画像を表現する画像データを与えてそれぞれ反射画像および発光画像を生成した場合に、これら両画像から肉眼によって知覚される表示色が同一になるように、反射画像生成装置に与える画像データと発光画像生成装置に与える画像データとの間の対応関係を決定する装置において、
反射画像生成装置によって生成された単一色の被測定用反射画像を表示するための開口窓を有し、前面の開口窓の周囲に第1の表示面が定義され、この第1の表示面の周囲に第2の表示面が定義され、第2の表示面は上記単一色よりも明度の高い無彩色をなし、第1の表示面は第2の表示面よりも明度の低い無彩色をなす表示用ボードと、
この表示用ボードの背面に、被測定用反射画像を交換自在に配置し、配置した被測定用反射画像が開口窓を通して表示されるようにする反射画像交換手段と、
表示用ボード前面に照明光を照射する照明手段と、
発光画像生成装置の表示画面上に、表示用ボードの第1の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第1の枠領域を表示し、この第1の枠領域の周囲に、表示用ボードの第2の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第2の枠領域を表示し、かつ、第1の枠領域に囲われた色表示部に、与えられた画像データに基いて所定の単一色を表示するための信号を生成する表示信号生成手段と、
色表示部に表示する単一色を指定する情報を外部から入力し、入力した色指定情報に応じた画像データを表示信号生成手段に与える色指定情報入力手段と、
所定の観察位置から観察したときに、開口窓によって表示された単一色と色表示部に表示された単一色とが同一の表示色であると知覚されたことを示す一致信号を入力する一致信号入力手段と、
一致信号入力手段によって一致信号が入力されたときに、開口窓を通して表示されている被測定用反射画像を生成するために反射画像生成装置に与えた画像データと、色指定情報入力手段が入力した色指定情報に応じた画像データと、が対応関係にあることを示す情報を記録する対応関係記録手段と、
を設けたものである。
【0011】
(4) 本発明の第4の特徴は、上述の第3の特徴に係る表示色の対応関係決定装置において、
発光画像生成装置の白色点が照明光の色温度と同一になるように調節する白色点調節手段を更に設けたものである。
【0012】
(5) 本発明の第5の特徴は、上述の第3または第4に記載の表示色の対応関係決定装置において、
異なる複数の被測定用反射画像を二次元平面上に連続的に配置したサンプル板を、表示用ボードの背面にこの表示用ボードと平行になるように保持しつつ、このサンプル板を表示用ボードに対して平行移動させる機能をもった可動保持部材によって反射画像交換手段を構成したものである。
【0013】
(6) 本発明の第6の特徴は、上述の第3〜第5に記載の表示色の対応関係決定装置において、
表示用ボードと、この表示用ボードの背面に配置された被測定用反射画像と、反射画像交換手段と、照明手段と、を同一の筐体内に収容し、表示用ボードの表示面の内部領域のみが、観察位置から観察されるように、筐体の前面に開口部を形成したものである。
【0014】
(7) 本発明の第7の特徴は、上述の第3〜第6に記載の表示色の対応関係決定装置において、
表示用ボードの表示面の内部領域を観察位置から観察するための第1の開口部と、発光画像生成装置の表示画面を観察位置から観察するための第2の開口部と、を有する遮光板を更に設け、この遮光板の前面を黒色に着色したものである。
【0015】
(8) 本発明の第8の特徴は、上述の第3〜第7に記載の表示色の対応関係決定装置において、
色指定情報入力手段が、色相、彩度、明度なる3つのパラメータによって単一色の指定を行うことができるように、3つのパラメータのいずれか1つを選択するスイッチ手段と、選択したパラメータ値の増加または減少を指示するための増減指示手段と、によって色指定情報入力手段を構成したものである。
【0016】
(9) 本発明の第9の特徴は、上述の第3〜第8に記載の表示色の対応関係決定装置において、
表示信号生成手段が、被測定用反射画像と開口窓との境界部分に生じる陰影を模した画像を、色表示部に表示するための信号を生成するようにしたものである。
【0017】
【作 用】
ディスプレイ画面上に表示された発光画像と紙面上に出力された反射画像とは、本質的に表示原理が異なる画像であるため、人間の目で観察した場合にも、それぞれ異なる表示媒体として違和感をもって観察される。すなわち、ごく一般的な環境において両画像を観察すると、質感の違いが認識され、同一の表示色としての認識が阻害されるのである。ところが、本願発明者は、次のような特殊な環境において両画像の対比を行うと、違和感が払拭されて同じ質感として認識されることを見出だした。すなわち、単一色からなる反射画像と発光画像とを同一形状および同一面積で並べて同時に提示し、かつ、これらの画像の周囲に、上記単一色よりも明度の高い無彩色の縁取りを施すのである。もちろん、反射画像に対しては反射画像による縁取りを行い、発光画像に対しては発光画像による縁取りを行う。具体的には、一方においては、プリンタなどで紙面上に出力した何らかの単一色についての被測定用反射画像を、白色の表示用ボードの中央に提示し、他方においては、ディスプレイの画面上に、何らかの単一色を白色で縁取りして提示するのである。このような特殊な環境では、一方が反射画像、他方が発光画像であるにも拘らず、人間の目には同じ質感で認識され、表示媒体の相違による違和感が払拭されることが確認できた。
【0018】
このような現象は、次のような理由によるものであろうと本願発明者は考えている。まず、ディスプレイ画面上の発光画像と紙面上の反射画像とが、人間の目によって異なる質感の画像として知覚されるのは、前者が自ら光っている画像として認識されるのに対して、後者はそのような認識がなされないためと考えられる。すなわち、ディスプレイ画面上の画像と紙面上の画像とを通常の環境で対比した場合、前者は光っている、別言すれば、周囲の環境よりも明るいと認識されるのである。そこで、本発明では、比較対象となる単一色の発光画像および単一色の反射画像について、この単一色よりも明度の高い縁取りを施して提示することにした。このような縁取りを付加することにより、比較対象となる単一色の部分よりも明るい領域が同じ視野の中に入るようになり、単一色の発光画像の部分が光っていると認識されにくくなる。しかも、この縁取りの部分を無彩色とすることにより、単一色の部分の色の認識が容易になる。人間の目による色の認識は、周囲の色によって大きく影響すると考えられるため、縁取りを無彩色にしておけば、縁取りによって外乱が生じることがない。また、人間の目による色の認識は、形状や大きさによっても影響すると考えられるので、比較対象となる単一色の部分は、その縁取りを含めて、全く同じ形状、全く同じ面積をもった領域となるようにしてある。
【0019】
また、縁取りの部分を内側領域と外側領域との2重にし、外側領域については、中央の単一色よりも明度の高い無彩色をなし、内側領域については、外側領域よりも明度の低い無彩色をなすようにすれば、発光画像と反射画像との間の質感の違いを更に解消し、単一色の部分の色の認識を更に容易にする効果が得られることも確認できた。このため、たとえば白い縁取りの中に更に灰色の縁取りを置き、この灰色の縁取りの中に、比較対象となる単一色を置くようにして、発光画像と反射画像とを比較すれば、両者の質感を全く感じさせない状態で比較を行うことが可能になる。なお、発光画像と反射画像との対比は、それぞれの縁取りより外側の領域からの光が観察されないように、外光を遮る閉じた環境において観察を行うのが好ましい。また、ディスプレイの白色点を、反射画像用の照明光の色温度と同一になるように調節を行えば、白色あるいは灰色の縁取りの部分が、発光画像と反射画像とで同じ表示色として認識されるようになる。
【0020】
このような特殊な環境下によれば、発光画像と反射画像とを同じ条件で対比できるようになるので、所定の観察位置から両画像を観察しながら、ディスプレイに与える画像データを種々変化させてゆき、両画像が同一の表示色として知覚される状態を作り出せばよい。このように、両画像が同一の表示色として知覚されているのであれば、反射画像を出力したときに用いた画像データと、現在、発光画像を表示するために用いられている画像データと、が対応関係にあるものと決定することができる。具体的には、特定のCMY値と特定のRGB値とが対応関係にあるものと決定できる。このような対応関係を、多数の単一色について求めれば、CMY形式の画像データとRGB形式の画像データとの間で相互変換を行うことが可能になり、しかもCMY形式の画像データに基いて出力した紙面上の反射画像と、RGB形式の画像データに基いて表示したディスプレイ画面上の発光画像と、が同一の表示色として知覚されることになる。
【0021】
本発明は、上述した原理に基く表示色の対応関係決定方法を実施するために適した特別な装置をも提供するものである。この装置では、反射画像用の縁取りとして、開口窓をもった表示用ボードが用意され、比較対象となる単一色の被測定用反射画像は、この開口窓を通して提示される。また、被測定用反射画像は、交換自在に配置されるため、多数の単一色についての対比処理を容易に行うことが可能になる。発光画像を生成するためにディスプレイに与える画像データは、オペレータから入力された色指定情報に基いて生成される。また、対比の結果、両者の一致が知覚された場合には、オペレータからの指示が一致信号として入力される。なお、反射画像に対しては、所定の照明を施す必要があるが、この照明光の色温度と、ディスプレイの白色点とが同一になるように、ディスプレイの色調整を行っておくと、照明光が完全な白色光でなくても、両者の縁取りの色合いを揃えるのが簡単になる。
【0022】
更に、異なる複数の被測定用反射画像を二次元平面上に連続的に配置したサンプル板を用いると、このサンプル板を表示用ボードの背面で移動させることにより、多数の単一色についての対比処理を連続的に行うことが可能になる。また、照明装置を含めて、反射画像提示用の構成要素を同一の筐体内に収容した構成とすれば、不要な光を遮った閉じた観察環境を容易に提供することができ、特に、反射画像を提示するための開口部と発光画像を提示するための開口部をもった前面黒色の遮光板を用いるようにすると効果的である。なお、オペレータから入力する色指定情報を、色相、彩度、明度なる3つのパラメータによって構成し、3つのパラメータのいずれか1つを選択するスイッチ手段と、選択したパラメータ値の増加または減少を指示するための増減指示手段と、を設けておけば、オペレータによる色指定操作が非常に能率的になる。また、開口窓を通して反射画像を観察すると周囲に陰影が生じるが、ディスプレイ上にもこの陰影を模した表示を行うようにすれば、両者を対比する上で同等の奥行き感を与えることができ、違和感を低減できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を図示する実施例に基いて説明する。
【0024】
§1. 本発明に係る表示色の対応関係決定方法の適用対象
はじめに、本発明の適用対象となるシステムの一例を図1に示す。この例では、画像処理装置1によって作成された画像は、プリンタ2によって出力されるか、あるいはディスプレイ3によって表示される。すなわち、プリンタ2によって紙面上に印刷画像4として出力することも可能であるし、ディスプレイ3によって画面上に表示画像5として表示することも可能である。画像処理装置1は、具体的には、コンピュータに画像処理用のアプリケーションソフトウエアを組み込んだ装置であり、デジタル画像を作成する機能を有する。通常は、スキャナ装置など、外部からの画像を取り込む装置や、作成した画像データを格納する記憶装置などを含んでいる。オペレータは、ディスプレイ3を見ながらカラー画像を作成する処理を行い、適宜、このカラー画像をプリンタ2で出力して確認することができる。
【0025】
既に述べたように、プリンタ2によって紙面上に出力された印刷画像4と、ディスプレイ3によって画面上に表示された表示画像5とは、画像処理装置1において作成された同一の画像データに基いて提示されたとしても、本質的に異なる性質をもった画像になる。すなわち、ディスプレイ3によって画面上に表示された表示画像5は、自らの発光によって表示を行う発光画像であり、プリンタ2によって紙面上に出力された印刷画像4は、光の反射によって表示を行う反射画像である。本発明は、このような発光画像と反射画像という異なる表示媒体上に表示された画像について、同一の表示色としての知覚を得るための画像データの対応関係を決定するための技術に関するものである。したがって、以下の説明では、プリンタ2をより一般的な反射画像生成装置2として取り扱い、印刷画像4をより一般的な反射画像4として取り扱うことにし、同様に、ディスプレイ3をより一般的な発光画像生成装置3として取り扱い、表示画像5をより一般的な発光画像5として取り扱うことにする。要するに、反射画像生成装置2としては、反射画像4を生成することのできる装置であればどのような装置でもよく(たとえば、印刷機)、発光画像生成装置3としては、発光画像5を生成することのできる装置であればどのような装置でもよい。
【0026】
さて、画像処理装置1で生成された所定の画像データに基いて、反射画像4あるいは発光画像5を生成する場合、それぞれ独自の形式の画像データが必要になる。具体的には、反射画像生成装置2によって反射画像4を生成させるためには、CMY形式の画像データ(以下、CMYデータと呼ぶ)を用い、発光画像生成装置3によって発光画像5を生成させるためには、RGB形式の画像データ(以下、RGBデータと呼ぶ)を用いるのが一般的である。したがって、画像処理装置1内において、RGBデータとして画像生成した場合に、この画像を反射画像生成装置2によって反射画像4として出力するには、このRGBデータをCMYデータに変換する必要がある。逆に、画像処理装置1内において、CMYデータとして画像データを生成した場合に、この画像を発光画像生成装置3によって発光画像5として出力するには、このCMYデータをRGBデータに変換する必要がある。
【0027】
本発明に係る表示色の対応関係決定方法によって、CMYデータとRGBデータとの対応関係を決定するのは、このようなデータ変換を行うための変換規則を得るためである。CMYデータ/RGBデータを相互に変換するための一般的な変換規則は、種々知られているが、実際には、個々の反射画像生成装置2および発光画像生成装置3には、それぞれ固有の特性があるため、正確な変換規則は、個々の装置の組み合わせごとに決定しなければならない。本発明に係る方法を用いれば、任意の反射画像生成装置2と任意の発光画像生成装置3とが与えられたときに、これらの組み合わせについて、正確な変換規則を得ることが可能になる。
【0028】
§2. 本発明に係る表示色の対応関係決定方法の基本原理
本発明の基本原理は、反射画像と発光画像とを、同一の質感をもって知覚できる状態で対比させるために、単一色からなる反射画像と発光画像とを同一形状および同一面積で並べて同時に提示し、かつ、これらの画像の周囲に、上記単一色よりも明度の高い無彩色の縁取りを施すという点にある。このような対比を具体的に行うための手法としては、たとえば、図2に示すようなモデルを考えればよい。図2の左側には表示用ボード10が示されており、右側には表示画面20が示されている。表示用ボード10の中央には、開口窓11があけられており、この開口窓11の周囲の前面部分が表示面12を形成している。また、この表示用ボード10の背面には、被測定用反射画像6が貼り付けられている。
【0029】
ここで、被測定用反射画像6は、反射画像生成装置2によって出力された反射画像4であり、しかも模様などが描かれていない、全面にわたって均一な単一色からなる反射画像である。いわば、プリンタなどから紙面上に出力したある特定の色についての色見本というべきものである。ここでは、反射画像生成装置2に対して、所定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)を与えることにより、被測定用反射画像6が出力されたものとしよう。この被測定用反射画像6は、表示用ボード10の背面に貼り付けられ、開口窓11を通して提示されることになる。表示面12は、この被測定用反射画像6についての縁取りともいうべき部分であるが、重要な点は、表示面12が被測定用反射画像6に表されている単一色よりも明度の高い無彩色をなしている点である。後述するように、被測定用反射画像6は種々の単一色のものを貼り替えることになるので、表示面12は、被測定用反射画像6として用いる予定になっているいずれの単一色よりも明度の高い無彩色にしておく必要がある。したがって、具体的には、表示用ボード10としては、中央部に開口窓11を切り抜いた白色の厚紙などで構成すればよい。このような表示用ボード10に対して所定の照明光を照射すれば、単一色をもった被測定用反射画像6が、無彩色の表示面12を縁取りとして提示されることになり、この縁取りを含めたすべての面が反射画像として提示されることになる。
【0030】
一方、図2の右側に示された表示画面20は、ディスプレイなどの発光画像生成装置3の表示画面上に表示された発光画像であり、図2の左側に示された縁取り付きの被測定用反射画像6をそのまま模した画像である。すなわち、表示画面20の中央部には、開口窓11と同一形状、同一面積の色表示部21が形成され、その周囲の縁取りとして、表示面12と同一形状、同一面積の枠領域22が形成されている。しかも、枠領域22は、表示面12と同一輝度の無彩色で表示されている。もっとも、「表示面12と同一輝度の無彩色」という表示色は、表示用ボード10用の照明光に依存するものであり、ある固有の照明光を固有の条件で照射するという条件においてのみ決定されるものである。ここで、照明光としては、できる限り無彩色の光、すなわち白色光を用いるのが好ましいが、現実的には、完全な白色光源を得ることは困難である。したがって、表示面12が完全に無彩色であったとしても、これを照明光のもとで観察すると、厳密には、完全な無彩色としては観察されないことになる。そこで、表示画面20の白色点が、照明光の色温度と同一になるように、発光画像生成装置3(ディスプレイ)のホワイトバランスを調節しておくことが好ましい。このような調節を行っておけば、発光画像生成装置3に無彩色の表示を行う旨の信号を与えることにより、枠領域22を表示面12と同じ色で表示することが簡単に行える。一般的なカラーディスプレイには、このような白色点の調節機構が備わっているので、照明光の色温度を測定して、このような白色点の調節を行うことは簡単な作業で行うことができる。なお、色表示部21の内部には、とりあえず、被測定用反射画像6上に表示されている単一色に近い近似色を表示しておくようにする。
【0031】
さて、この図2に示すように、表示用ボード10と表示画面20とを、やや距離をおいて並べて置き、これを所定距離離れた観察位置から観察する。すると、同一形状、同一面積、同一輝度の白っぽい縁取りの中に、同一形状、同一面積の単一色が提示された状態で観察されることになる。しかも、表示用ボード10側は全面が反射画像であり、表示画面20側は全面が発光画像であるにも拘らず、表示媒体の相違に基く質感の相違は知覚されない。特に、開口窓11を通して観察される被測定用反射画像6と、色表示部21とは、ほぼ同じ質感で知覚される。これは、この比較対象となる中央部分よりも、その縁取り部分の明度を高く設定したため、いずれも中央部分が光っているようには知覚されないためである。すなわち、実際には、色表示部21は発光しているにも拘らず、被測定用反射画像6と同様の質感として知覚されるのである。また、比較対象となる中央部分は、いずれも無彩色の縁取りをもって表示されているため、両者が同一の表示色として知覚されるか否かの判断を、かなり微妙な精度で行うことができる。なお、ここでいう表示色の同一とは、色相だけでなく、彩度および明度までを含めた同一性を意味しており、このような条件では、かなり細かな彩度や明度の相違まで、肉眼で認識することが可能である。
【0032】
前述したように、色表示部21の内部には、とりあえず、被測定用反射画像6上に表示されている単一色に近い近似色が表示されている。そこで、発光画像生成装置3に与えるRGBデータを種々変えることにより、この色表示部21の内部の表示色のみを変化させてみる。このような作業を、被測定用反射画像6と色表示部21とが全く同じ表示色に見えるようになるまで続けるのである。ここでは、発光画像生成装置3に対して、所定のRGBデータ(Rk,Gk,Bk)を与えたときに、被測定用反射画像6に表示された単一色と色表示部21に表示された単一色とが、全く同一の表示色であると知覚されたものとしよう。この場合、反射画像生成装置2に対して所定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)を与えることによって得られた被測定用反射画像6の表示色と、発光画像生成装置3に対して所定のRGBデータ(Rk,Gk,Bk)を与えたときに、色表示部21に表示された表示色とが、知覚的に同一と判断されたことになる。そこで、CMYデータ(Ck,Mk,Yk)と、RGBデータ(Rk,Gk,Bk)と、が対応関係にあると決定することができる。
【0033】
以上の作業は、ある特定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)に対応するRGBデータを決定するための作業であるが、同様の作業を、多数のCMYデータについて繰り返し実行すれば、それぞれについて対応するRGBデータを決定することができる。たとえば、C,M,Yの各値をそれぞれ8ビット、すなわち0〜255までの256階調で表現する場合であれば、256とおりのCMYデータが存在することになるので、このすべてのCMYデータについて、上述の作業を行って対応するRGBデータを決定し、この対応関係をテーブルにしておけば、どのようなCMYデータであっても、これをRGBデータに変換することが可能になる。もっとも、256とおりものCMYデータのそれぞれについて、上述の作業を繰り返し実行するのは現実的ではないので、実際には、いくつかの代表的なCMYデータについて、対応するRGBデータを決定しておき、それ以外のCMYデータについては、補間法を用いて対応するRGBデータを決定するようにするのが好ましい。後述する実施例では、C,M,Yのそれぞれを0〜100%の網点密度値で表し、0,25,50,75,100%の5段階の網点密度値を代表値として定め、この代表値の組み合わせによって得られる125とおりのCMYデータのそれぞれについて、上述の作業を繰り返し実行し、それぞれ対応するRGBデータを決定し、それ以外のCMYデータについては、補間法を用いて対応するRGBデータを決定している。
【0034】
§3. 本発明に係る表示色の対応関係決定方法の具体的な実施例
上述した§2では、図2を参照しながら、本発明に係る表示色の対応関係決定方法の基本原理を説明した。本発明は、この基本原理に係る方法を更に改良し、より正確な対応関係の決定を可能にしたものである。ここでは、図3を参照しながら、本発明の好ましい実施例を説明する。図3に示す表示用ボード15は、図2に示した表示用ボード10と同一形状、同一面積のボードであるが、表示面を内側領域と外側領域とに分けたものである。すなわち、内側領域には第1の表示面16が定義され、この第1の表示面16の周囲の外側領域に第2の表示面17が定義されている。なお、中央に開口窓11を形成し、この開口窓11を通して、背面に貼り付けた被測定用反射画像6が観察できるようにした点は、図2のモデルと同様である。
【0035】
ここで、第2の表示面17は被測定用反射画像6の単一色よりも明度の高い無彩色をなし、第1の表示面16は第2の表示面17よりも明度の低い無彩色をなしている。よりわかりやすく説明すれば、第1の表示面16は灰色、第2の表示面17は白色をなしていることになる。第1の表示面16と被測定用反射画像6の単一色との間の明度の関係は不問であり、いずれが明るくてもかまわない。第2の表示面17の明度を被測定用反射画像6の単一色よりも高く設定するのは、開口窓11の内部が光って見えないようにするためである。また、明度の異なる2種類の無彩色部(第1の表示面16および第2の表示面17)によって、二重の縁取りを行うようにしたのは、開口窓11内に表示される単一色の色の知覚をより容易にするためである。本願発明者の行った実験によれば、表示色の同一性を知覚する上では、図2に示すモデルよりも、図3に示すモデルの方が、より容易であることが判明した。その理由についての理論的な考察は、いまの段階ではなされていないが、人間の目が対象物の色を認識するときには、その対象物の周囲の影響を多分に受け、図2に示すモデルのように、周囲が明度の高い表示面12であるよりも、いくらか明度の低い第1の表示面16である方が、色の認識が容易になるためではないかと、本願発明者は考えている。
【0036】
もちろん、表示用ボード15の縁取りを二重にしたら、表示画面25も同様に二重の縁取りにする。すなわち、図3に示されているように、表示画面25においては、色表示部21の周囲に第1の枠領域26と第2の枠領域27とを設けることになる。ここで、第1の枠領域26は、第1の表示面16と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の表示領域であり、第2の枠領域27は、第2の表示面17と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の表示領域となる。
【0037】
なお、図2のモデルあるいは図3のモデルのいずれの場合であっても、表示用ボード10,15の表示面より外側の領域および表示画面20,25の枠領域より外側の領域については、観察位置から観察したときに光が観察されないように、外光を遮る閉じた環境において観察を行うことが好ましい。たとえば、図4に示すような遮光板30を設け、この遮光板30の左側に第1の開口部31を形成して表示用ボード15の表示面内を提示できるようにし、右側に第2の開口部32を形成して表示画面25の枠領域内を提示できるようにすればよい。遮光板30の前面は、黒色に塗装しておくのが好ましい。また、観察作業は、外光が入り込まない密室にて行い、観察作業を行うオペレータの目には、表示用ボード15の表示面内および表示画面25の枠領域内のみが観察されるようにするのが好ましい。
【0038】
§4. 本発明に係る表示色の対応関係決定装置の基本構成
以上、本発明に係る表示色の対応関係決定方法の基本原理および具体的な実施例を説明したが、以下、この方法の実施に適した一実施例に係る装置の基本構成を図5のブロック図に基いて説明する。この図5のブロック図において、画像処理装置1、反射画像生成装置2、発光画像生成装置3は、図1に示すシステムにおける各構成要素である。この実施例の装置は、表示用ボード10、反射画像交換手段40、白色点調節手段50、照明手段55、表示信号生成手段60、色指定情報入力手段65、対応関係記録手段70、一致入力手段75によって構成されている。表示用ボード10は、図2に示すモデルで示したものと同一のものであり、中央に開口窓11を有する。表示用ボード10の背面には、被測定用反射画像6が配置される。この被測定用反射画像6は、反射画像生成装置2に対して所定のCMYデータを与えることにより、紙面上に出力されたいわば色見本である。図2のモデルにおける説明では、被測定用反射画像6は、表示用ボード10の背面に貼り付けられているが、この実施例の装置では、被測定用反射画像6は反射画像交換手段40によって、交換自在に表示用ボード10の背面に配置されている。この反射画像交換手段40の具体的な構成例については後述する。なお、図5は、§2で述べた基本原理の方法に対応した装置となっているため、表示用ボード10を用いた例が示されているが、§3で述べた本発明の方法に対応した装置では、表示ボード10の代わりに、図3に示す表示ボード15を用いることになる。
【0039】
白色点調節手段50は、発光画像生成装置3についての白色点を調節する手段である。表示用ボード10に対しては、照明手段55によって照明光が照射されるが、前述したように、この照明光の色温度と同一になるように、発光画像生成装置3の白色点が調節される。一般的なカラーディスプレイには、このような白色点調節手段50は内蔵されているので、照明手段55の色温度を測定することができれば、このような調節は容易に行うことができる。
【0040】
表示信号生成手段60は、発光画像生成装置3に表示画面20を表示させるための表示信号を生成する手段であり、色指定情報入力手段65は、オペレータから与えられた色指定情報を入力し、これを表示信号生成手段60に与えるための手段である。§2で述べた基本原理の方法では、表示画面20は、色表示部21と枠領域22とによって構成されている。ここで、枠領域22には、表示用ボード10の表示面12と同一輝度の無彩色表示が行われるので、常に同じ表示がなされることになる。これに対して、色表示部21には、オペレータが入力した色指定情報に基いて、所定の色表示が行われることになる。表示信号生成手段60は、色指定情報入力手段65から与えられた色指定情報に基いて、色表示部21に所定の色表示を行うためのRGBデータを生成することになる。この表示信号生成手段60は、実際には、コンピュータおよびフレームメモリによって構成されることになる。§3で述べた本発明の方法に対応した装置では、表示ボード10の代わりに、図3に示す表示ボード15を用いることになるため、表示信号生成手段60は、図3に示す表示画面25を表示するための信号生成を行うことになる。
【0041】
対応関係記録手段70は、所定のCMYデータとRGBデータとが対応関係にあることを記録する手段である。すなわち、一致入力手段75から一致信号が与えられた時点において、開口窓11を通して観察されている特定の単一色をもった被測定用反射画像6を生成するために反射画像生成装置2に与えたCMYデータ(Ck,Mk,Yk)と、色表示部21に表示されている特定の単一色を生成するために発光画像生成装置3に与えたRGBデータ(Rk,Rk,Rk)とが対応関係にある旨を記録する機能を有する。この対応関係記録手段70は、実際には、コンピュータおよびこのコンピュータに接続された記憶装置によって構成される。一致入力手段75は、開口窓11を通して観察されている特定の単一色と、色表示部21に表示されている特定の単一色とが、同一の表示色であると知覚されたときに、オペレータがその旨を示す操作入力を行う入力装置である。
【0042】
続いて、この装置の動作を説明する。まず、反射画像生成装置2に対して、特定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)を与え、特定の単一色をもった被測定用反射画像6を紙面上に出力する。こうして出力された被測定用反射画像6は、いわば特定の単一色についての色見本である。次に、この被測定用反射画像6を、反射画像交換手段40によって、表示用ボード10(15)の背面に交換自在に配置し、照明手段55による照明を行うことにより、開口窓11を通してこの単一色が観察できるようにする。一方、表示信号生成手段60によって所定の表示信号を生成し、この表示信号に基いて、発光画像生成装置3に所定の表示画面20(25)を表示させる。既に述べたように、この表示画面20(25)のうち、枠領域22(26,27)には、常に表示面12(16,17)と同一輝度の無彩色表示がなされるが、色表示部21には、色指定情報入力手段65から与えられる色指定情報に基く色表示がなされる。ただし、初期段階においては、色指定情報の入力がオペレータによって行われていないので、色表示部21には、予め設定した所定の色(たとえば、上述した特定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)を、一般的な変換式に基いてRGBデータに変換して得られる近似色)が表示されるようにしておけばよい。
【0043】
オペレータは、所定の観察位置Pから、開口窓11内に表示された単一色と、色表示部21内に表示された単一色とを観察し、両者が同一の表示色として知覚されるか否かを判断する。ここで、「同一の表示色」とは、色相、彩度、明度がいずれも同一と知覚される色であることを示す。そして、同一の表示色として知覚されない場合は、色指定情報入力手段65に対して、所定の色指定情報を入力し、色表示部21内に表示されている色を変更する指示を与える。この実施例では、色指定情報として、色相、彩度、明度の3つのパラメータについて、増減を指示する情報を用いている。たとえば、色表示部21内に表示されている色を、より赤っぽい色に、あるいはより緑っぽい色に変更したい場合には色相を増減する指示を入力すればよいし、より澄んだ色に、あるいはよりくすんだ色に変更したい場合には彩度を増減する指示を入力すればよいし、より明るい色に、あるいはより暗い色に変更したい場合には明度を増減する指示を入力すればよい。こうして、開口窓11内に表示された単一色と、色表示部21内に表示された単一色とが同一の表示色として知覚されると判断した場合には、オペレータは、一致入力手段75に対して、一致を示す入力を行う。これにより、一致入力手段75から対応関係記録手段70に対して一致信号が与えられ、対応関係記録手段70は、その時点において色表示部21内に表示されている色を生成するために発光画像生成装置3に与えられている特定のRGBデータ(Rk,Gk,Bk)を、特定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)に対応するデータとして記録することになる。
【0044】
以上の作業により、特定のCMYデータ(Ck,Mk,Yk)に対する特定のRGBデータ(Rk,Gk,Bk)が決定されたことになる。同様の作業を、他の多数のCMYデータについても繰り返し行えば、各CMYデータについて、対応するRGBデータを決定することができる。こうして決定したCMYデータ/RGBデータの対応関係を、対応関係記録手段70においてテーブルとして記録しておけば、画像処理装置1は、このテーブルを利用して、CMYデータ/RGBデータ相互の変換を自由に行うことができるようになる。したがって、作成した同一の画像データを、一方ではCMYデータとして反射画像生成装置2に与えて反射画像を得て、他方ではRGBデータとして反射画像生成装置2に与えて発光画像を得た場合であっても、両画像は同じ表示色の画像として知覚され、媒体の相違に基く色ずれを解消することができる。
【0045】
もっとも、使用される可能性のあるすべてのCMYデータについて上述の作業を行って、それぞれ対応するRGBデータを決定することは現実的ではない。そこで、実際には、代表的なCMYデータについてのみ対応するRGBデータを決定し、これをテーブルとして記録し、他のCMYデータについては、このテーブルを用いた補間法によって対応するRGBデータを決定するのが好ましい。たとえば、この実施例では、CMYデータを構成する各色成分を、それぞれ0%,25%,50%,75%,100%の5段階の網点密度値で表し、この5段階の網点密度とC,M,Yの3原色との組み合わせによって得られる合計125とおりの代表色についてのみ、上述の作業を行って、それぞれ対応するRGBデータを決定し、それ以外の色については、代表色についての対応関係を利用した補間法によって、対応するRGBデータを決定するようにしている。
【0046】
§5. 本発明に係る表示色の対応関係決定装置の具体的実施例
続いて、本発明に係る表示色の対応関係決定装置のより具体的な実施例を説明する。図6は、このような具体的な実施例の全体構成図である。この装置の主たる構成要素は、筐体100(およびそこに収容されている構成要素)と、ディスプレイ200と、遮光板300と、コンピュータ400と、フレームメモリ410と、キーボード420と、マウス430と、である。筐体100およびディスプレイ200は、遮光板300の背面に配置されている。ディスプレイ200は、白色点調節機能を備えたカラーディスプレイであり、図5に示す白色点調節手段50と発光画像生成装置3とに相当するものである。遮光板300には、第1の開口部310および第2の開口部320が形成されており、第1の開口部310からは、後述するように、筐体100内部に収容された表示用ボード140が観察され、第2の開口部320からは、ディスプレイ200の表示画面25が観察される。フレームメモリ410は、ディスプレイ200に表示する画像データを記憶するメモリである。コンピュータ400は、汎用のワークステーションに所定のアプリケーションソフトウエアを組み込んだものであり、フレームメモリ410に対して所定の画像データを与えるとともに、筐体100の内部に対して所定の制御信号を与える。すなわち、図5に示すブロック図における表示信号生成手段60および対応関係記録手段70の機能を果たすものである。また、キーボード420およびマウス430は、このコンピュータ400に接続された入力機器であり、それぞれ図5に示すブロック図における一致入力手段75および色指定情報入力手段65の機能を果たすものである。この実施例では、マウス430は、3つのボタン431,432,433を有している。
【0047】
図7は、図6に示す装置から遮光板300を除去した状態を示す斜視図である。筐体100の内部には、照明ランプ110、サンプル板120、可動保持部材130が収容されている。サンプル板120には、25枚の被測定用反射画像121が5行5列の配列をなして、平面上に連続的に配置されている。ここで、被測定用反射画像121は、図5のブロック図における被測定用反射画像6に相当するいわば色見本である。可動保持部材130は、サンプル板120を交換自在に保持するとともに、図の矢印XおよびYの方向に平行移動させる機能を有する。このサンプル板120の前面には、図7には図示されていないが、表示用ボード140が配置される。図8に示すように、表示用ボード140は、白色ボード141と中間ボード142とによって構成されている。白色ボード141には、中間ボード142の輪郭よりもやや小さな開口窓143が形成されており、白色ボード141の背面に中間ボード142が貼り付けられている。また、中間ボード142には、被測定用反射画像121の輪郭よりもやや小さな開口窓144が形成されている。したがって、サンプル板120を表示用ボード140に対して適当に位置合わせすると、開口窓144を通して、任意の1枚の被測定用反射画像121のみが表示されるようになる。白色ボード141は、白色の厚紙によって構成されており、中間ボード142は、前面が灰色の厚紙によって構成されている。したがって、この表示用ボード140を前面から観察すると、図3の表示用ボード15と同様に、開口窓144の周囲に二重の縁取りをもったボードになる。当然、ディスプレイ200には、図7に示すように、図3の表示画面25と同様の画像表示がなされることになる。
【0048】
なお、この実施例では、所定の観察位置Pから観察したときに、図3における開口窓11(および色表示部21)が、視野角1.5°の一辺をもった正方形、第1の表示面16(および第1の枠領域26)が、視野角5.7°の一辺をもった正方形、第2の表示面17(および第2の枠領域27)が、視野角10°の一辺をもった正方形となるように寸法設定している。別言すれば、図6において、第1の開口部310および第2の開口部320は、いずれも視野角10°の一辺をもった正方形となっている。また、両開口部310,320の間隔は視野角60°に設定した。
【0049】
このような形態の表示用ボード140が、図7に示すサンプル板120の前面に固定され、その前面は照明ランプ110によって照明される。この実施例では、照明ランプ110として、色温度5000Kの蛍光灯を用いており、できるだけ照明のむらができないように設置位置に配慮を施してある。前述したように、サンプル板120は、可動保持部材130によって、図の矢印XおよびYの方向に移動させることができるので、結局、サンプル板120は表示用ボード140に平行な状態を保ったまま平行移動することができる。可動保持部材130によるこの平行移動操作は、コンピュータ400によって制御される。したがって、コンピュータ400は、サンプル板120上の25枚の被測定用反射画像121のうちの所望の1枚を、表示用ボード140の開口窓144に表示させるような選択を行うことができる。
【0050】
なお、この実施例では、全部で5枚のサンプル板120が用意されており、可動保持部材130に対しては、いずれか1枚が交換自在に取り付けられる。各サンプル板120には、25枚の被測定用反射画像121(すなわち、色見本)が貼り付けられているので、5枚のサンプル板120では合計125枚の色見本が貼り付けられることになる。前述したように、この125枚の色見本は、CMYデータを構成する各色成分を、それぞれ0%,25%,50%,75%,100%の5段階の網点密度値で表し、この5段階の網点密度とC,M,Yの3原色との組み合わせによって得られる合計125とおりの代表色についての色見本である。したがって、予めこのような情報をコンピュータ400に与えておき、かつ、5枚のサンプル板120のうちのどれを可動保持部材130に取り付けているかを示す情報をコンピュータ400に与えるようにすれば、コンピュータ400は、現在、表示用ボード140の開口窓144を通して表示されている被測定用反射画像121(色見本)が、どのようなCMYデータに基いて生成されたものであるかを認識することができる。
【0051】
図6に示すように、筐体100とディスプレイ200の前面には、遮光板300が蓋として配置される。したがって、照明ランプ110の反射光は第1の開口部310を通してのみ前面に漏れ出ることができ、ディスプレイ200の表示光は第2の開口部320を通してのみ前面に漏れ出ることができる。このため、所定の観察位置に対しては、図4に示すように、観察に必要な画像のみが提示され、不要な光は一切漏れ出てこない。なお、遮光板300の前面は黒色に塗装しておくのが好ましい。
【0052】
この装置では、マウス430が色指定情報入力手段65として用いられ、キーボード420が一致入力手段75として用いられる。すなわち、マウス430の3つのボタン431,432,433は、それぞれ色相,彩度,明度の各パラメータに対応づけられ、マウス430の前後移動は、パラメータの増減に対応づけられる。オペレータは、変更対象となるパラメータに対応するマウスボタンを押しながら、マウス430を前後に動かすことにより、パラメータの増減指示を行うことが可能になる。たとえば、表示画面25の色表示部21に表示されている色について、明度を高めるような色指定情報を入力するのであれば、ボタン433を押しながら、マウス430をたとえば前方へ移動させればよい。移動量を増減量に対応づけておけば、増減量を自由に指定することができる。
【0053】
既に述べたように、本発明の装置は、外光を遮蔽した閉じた環境で使用するのが好ましいため、上述のような1つのマウス430の操作によって、3つのパラメータの増減指示を行うことができることは、操作性の上で大きなメリットが得られる。すなわち、オペレータはかなり暗い環境における操作を強いられるため、上述のように、マウス430のみによってすべての色指定情報を入力できるような構成にしておけば、オペレータは手探りの感覚だけで入力作業を行うことができ便利である。
【0054】
オペレータの一致入力は、キーボード420に対して行われる。具体的には、たとえば、キーボード420のスペースキーを押すことで、一致入力が行われ、コンピュータ400に対して一致信号が与えられることになる。コンピュータ400は、このような一致信号を受け取ると、その時点でのCMYデータとRGBデータとの対応関係を記録するとともに、可動保持部材130に対して、サンプル板120を移動させる制御信号を与える。こうして、次の対比対象となる色見本(被測定用反射画像121)が、開口窓144内に表示されるようになり、次の色見本についての作業を自動的に継続して行うことができる。
【0055】
§6. その他の実施例
以上、本発明をいくつかの実施例に基いて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。以下にいくつかの別な実施例を簡単に述べておく。
【0056】
図8に示す実施例では、表示用ボード140は、白色ボード141および中間ボード142を貼り合わせることにより構成されている。これらは厚みをもったボードであり、その断面は図9に示すようになる。ここで、照明ランプ110によって照明を行うことを考えると、所定の観察位置Pから観察した場合に、ボードの厚みに基いて陰影が観察されることがある。このような陰影が観察されると、被測定用反射画像側に奥行き感が生じ、ディスプレイ側の色表示部と対比した場合に、色合わせ上の違和感が生じてしまう。そこで、このような違和感を減じるために、たとえば、図10に示すように、ディスプレイ200の表示画面25上においても、所定の陰影画像データに基づいて、このような陰影を模した表示を行うようにするとよい。図示の例では、色表示部21および第1の枠領域26の右端および下端に、それぞれ陰影28を表示している。このように、ディスプレイ200の表示画面25において陰影28の表示を行えば、ディスプレイ表示画面においても疑似的に奥行き感を生じさせることができ、陰影の影響を排除した対比が可能になる。
【0057】
上述の実施例において、観察位置Pについては特に言及していないが、できれば、オペレータの頭部を固定できるような器具を設置しておくのが好ましい。
【0058】
§7. 測色値との関係
上述の実施例では、CMYデータとRGBデータとの対応関係を記録するようにしているが、測色値を介在させた対応関係を記録してもよい。CMYデータやRGBデータで表現された色は、用いるプリンタや印刷機、あるいはディスプレイの色特性によって左右されるいわば相対的な色である。これに対して、測色値(XYZ)は、人間の目がもっているいわば3種類の光センサによる検出値(3刺激値)として色を表現したものである。
【0059】
これまで、この測色値は普遍的な色の絶対的な基準を示すものであり、同じ測色値を有する色は、人間の目には同一の色として知覚されるものである、と考えられてきたが、本願発明者は、このような測色値で表された色も、人間の知覚の上では、必ずしも普遍的な色にはならないと考えている。すなわち、プリンタや印刷機を用いて紙面上に出力した色と、ディスプレイ画面上に表示された色とは、たとえ同じ測色値をもっていたとしても、人間の目には必ずしも同一の色として知覚されないことが実験により確認できた。これは、ディスプレイ上に表示されたカラー画像が発光画像であるのに対し、プリンタや印刷機によって紙面上に出力される画像は、反射画像であるためと考えられる。反射画像と発光画像とは、画像表示の原理が全く異なるため、人間の目で観察した場合、たとえ両者が同じ測色値をもった色であっても、異なる色として知覚されるのである。
【0060】
そこで、本願発明者は、反射画像上での測色値(XYZ)と発光画像上での測色値(X´Y´Z´)とを区別して取り扱うことにした。すなわち、紙面上の特定色の色見本に対して測色装置を用いて測定した測色値(XYZ)と、ディスプレイ画面上の特定色の色見本に対して測色装置を用いて測定した測色値(X´Y´Z´)とが、たとえ同じ値であったとしても、人間の目には、同一の色としては知覚されないのである。逆に、人間の目には、同一の色として知覚された紙面上の色見本とディスプレイ画面上の色見本とは、それぞれ測色値が異なるのである。
【0061】
測色値は、人間の目に固有の3刺激値に基いた色表現であるが、測色装置を用いて客観的な測定が可能である。たとえば、あるCMYデータに基いて、カラープリンタから色見本を出力させたとすれば、この色見本についての測色値(XYZ)を測定することが可能である。同様に、あるRGBデータに基いて、カラーディスプレイ上に色見本を表示させたとすれば、この色見本についての測色値(X´Y´Z´)を測定することが可能である。したがって、上述の実施例によって求めたCMYデータとRGBデータとの対応関係に基いて、反射画像上での測色値(XYZ)と発光画像上での測色値(X´Y´Z´)との対応関係を得ることが可能になる。このような対応関係は、反射画像と発光画像との一般的な対応関係として、広く利用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る表示色の対応関係決定方法および決定装置によれば、反射画像と発光画像とを、より明度の高い無彩色からなる外側枠とこの外側枠の内側に設けられ外側枠より明度の低い無彩色からなる内側枠とを有する縁取りを付加して対比観察するようにしたため、両画像を生成するための画像データの対応関係を正確に決定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となるシステムの一例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の基本原理に係る表示色の対応関係決定方法の態様を示す図である。
【図3】 本発明に係る表示色の対応関係決定方法の態様を示す図である。
【図4】図3に示す方法に、更に遮光板を用いた態様を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る表示色の対応関係決定装置の基本構成を示すブロック図である。
【図6】本発明のより具体的な実施例に係る表示色の対応関係決定装置の全体構成を示す図である。
【図7】図6に示す装置の一部の構成の詳細を示す斜視図である。
【図8】図6に示す装置の表示用ボード140の構成の詳細を示す斜視図である。
【図9】図8に示す表示用ボード140の側断面図である。
【図10】図6に示す装置における表示画面25の別な実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…画像処理装置
2…反射画像生成装置(プリンタ)
3…発光画像生成装置(ディスプレイ)
4…反射画像(印刷画像)
5…発光画像(ディスプレイ画面上の表示画像)
6…被測定用反射画像(色見本)
10…表示用ボード
11…開口窓
12…表示面
15…表示用ボード
16…第1の表示面
17…第2の表示面
20…表示画面
21…色表示部
22…枠領域
26…第1の枠領域
27…第2の枠領域
28…陰影
30…遮光板
31…第1の開口部
32…第2の開口部
40…反射画像交換手段
50…白色点調節手段
55…照明手段
60…表示信号生成手段
65…色指定情報入力手段
70…対応関係記録手段
75…一致入力手段
100…筐体
110…照明ランプ
120…サンプル板
121…被測定用反射画像(色見本)
130…可動保持部材
140…表示用ボード
141…白色ボード
142…中間ボード
143…開口窓
144…開口窓
200…ディスプレイ
300…遮光板
310…第1の開口部
320…第2の開口部
400…コンピュータ
410…フレームメモリ
420…キーボード
430…マウス
431,432,433…マウスボタン

Claims (9)

  1. 光の反射によって表示を行う反射画像を生成する反射画像生成装置と、自らの発光によって表示を行う発光画像を生成する発光画像生成装置とに、同一画像を表現する画像データを与えてそれぞれ反射画像および発光画像を生成した場合に、これら両画像から肉眼によって知覚される表示色が同一になるように、前記反射画像生成装置に与える画像データと前記発光画像生成装置に与える画像データとの間の対応関係を決定する方法であって、
    前記反射画像生成装置に所定の画像データを与えることにより、特定の単一色についての被測定用反射画像を生成し、
    前面の内側領域に第1の表示面が定義され、この第1の表示面の周囲の外側領域に第2の表示面が定義され、前記第2の表示面は前記単一色よりも明度の高い無彩色をなし、前記第1の表示面は前記第2の表示面よりも明度の低い無彩色をなす表示用ボードを用意し、この表示用ボードの前記第1の表示面の中央に前記被測定用反射画像を提示できるようにし、前記表示用ボード前面に照明光を照射し、所定の観察位置から観察したときに、前記第1の表示面および前記第2の表示面が表示されるとともに、前記第1の表示面の中央に前記単一色が表示されるようにし、
    前記発光画像生成装置の表示画面上に、前記表示用ボードの前記第1の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第1の枠領域を表示させ、この第1の枠領域の周囲に、前記表示用ボードの前記第2の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第2の枠領域を表示させ、かつ、前記第1の枠領域に囲われた色表示部に、与えられた画像データに基いて所定の単一色を表示させ、
    前記観察位置から観察したときに、前記第1の表示面の中央に観察される単一色と前記色表示部から観察される単一色とが同一の表示色と知覚されるまで、前記発光画像生成装置に対して与える画像データを変化させ、同一の表示色と知覚されたときに前記発光画像生成装置に対して与えた画像データと、前記被測定用反射画像を生成したときに前記反射画像生成装置に与えた画像データと、が対応関係にあると決定することを特徴とする表示色の対応関係決定方法。
  2. 請求項に記載の決定方法において、
    表示用ボードの表示面より外側の領域および発光画像生成装置の表示画面上の枠領域より外側の領域については、観察位置から観察したときに光が観察されないように、外光を遮る閉じた環境において観察を行うことを特徴とする表示色の対応関係決定方法。
  3. 光の反射によって表示を行う反射画像を生成する反射画像生成装置と、自らの発光によって表示を行う発光画像を生成する発光画像生成装置とに、同一画像を表現する画像データを与えてそれぞれ反射画像および発光画像を生成した場合に、これら両画像から肉眼によって知覚される表示色が同一になるように、前記反射画像生成装置に与える画像データと前記発光画像生成装置に与える画像データとの間の対応関係を決定する装置であって、
    前記反射画像生成装置によって生成された単一色の被測定用反射画像を表示するための開口窓を有し、前面の前記開口窓の周囲に第1の表示面が定義され、この第1の表示面の周囲に第2の表示面が定義され、前記第2の表示面は前記単一色よりも明度の高い無彩色をなし、前記第1の表示面は前記第2の表示面よりも明度の低い無彩色をなす表示用ボードと、
    この表示用ボードの背面に、前記被測定用反射画像を交換自在に配置し、配置した被測定用反射画像が前記開口窓を通して表示されるようにする反射画像交換手段と、
    前記表示用ボード前面に照明光を照射する照明手段と、
    前記発光画像生成装置の表示画面上に、前記表示用ボードの前記第1の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第1の枠領域を表示し、この第1の枠領域の周囲に、前記表示用ボードの前記第2の表示面と同一形状、同一面積、同一輝度の無彩色の第2の枠領域を表示し、かつ、前記第1の枠領域に囲われた色表示部に、与えられた画像データに基いて所定の単一色を表示するための信号を生成する表示信号生成手段と、
    前記色表示部に表示する単一色を指定する情報を外部から入力し、入力した色指定情報に応じた画像データを前記表示信号生成手段に与える色指定情報入力手段と、
    所定の観察位置から観察したときに、前記開口窓によって表示された単一色と前記色表示部に表示された単一色とが同一の表示色であると知覚されたことを示す一致信号を入力する一致信号入力手段と、
    前記一致信号入力手段によって一致信号が入力されたときに、前記開口窓を通して表示されている被測定用反射画像を生成するために前記反射画像生成装置に与えた画像データと、前記色指定情報入力手段が入力した色指定情報に応じた画像データと、が対応関係にあることを示す情報を記録する対応関係記録手段と、
    を備えることを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
  4. 請求項に記載の決定装置において、
    発光画像生成装置の白色点が照明光の色温度と同一になるように調節する白色点調節手段を更に設けたことを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
  5. 請求項3または4に記載の決定装置において、
    異なる複数の被測定用反射画像を二次元平面上に連続的に配置したサンプル板を、表示用ボードの背面にこの表示用ボードと平行になるように保持しつつ、前記サンプル板を前記表示用ボードに対して平行移動させる機能をもった可動保持部材によって反射画像交換手段を構成したことを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の決定装置において、
    表示用ボードと、この表示用ボードの背面に配置された被測定用反射画像と、反射画像交換手段と、照明手段と、を同一の筐体内に収容し、前記表示用ボードの表示面の内部領域のみが、観察位置から観察されるように、前記筐体の前面に開口部を形成したことを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の決定装置において、
    表示用ボードの表示面の内部領域を観察位置から観察するための第1の開口部と、発光画像生成装置の表示画面を前記観察位置から観察するための第2の開口部と、を有する遮光板を更に備え、この遮光板の前面を黒色に着色したことを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の決定装置において、
    色指定情報入力手段が、色相、彩度、明度なる3つのパラメータによって単一色の指定を行うことができるように、3つのパラメータのいずれか1つを選択するスイッチ手段と、選択したパラメータ値の増加または減少を指示するための増減指示手段と、を備えることを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
  9. 請求項3〜8のいずれかに記載の決定装置において、
    表示信号生成手段が、被測定用反射画像と開口窓との境界部分に生じる陰影を模した画像を、色表示部に表示するための信号を生成する機能を有することを特徴とする表示色の対応関係決定装置。
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