JP7271888B2 - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
物体表面の質感(光沢感や凹凸感など)を簡易に3次元CGで再現するためには、双方向反射率分布関数(Bidirectional Reflectance Distribution Function:BRDF)を取得し、取得された値にBRDFモデルをフィッティングし、拡散反射係数や鏡面反射係数等のBRDFモデルの係数を決める必要がある。
特開2010-152533号公報
記録媒体に印刷されたカラーチャートのカラーパッチ毎に、各表面への入射光に対する反射光の強度の比(BRDF)を半天球全方位で計測し、計測された結果からBRDFモデルのパラメータを導き出し、印刷データの値とBRDFパラメータの値との対応関係を表すルックアップテーブルを作成する手法では、大量のカラーパッチについてのBRDFの計測に膨大な時間を要する。
本発明は、大量のカラーパッチのBRDFを計測する方法に比べ、短時間かつ簡易な演算で質感に影響を与える情報についての対応関係の取得を可能にすることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、を有し、前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、画像の印刷に使用される材料の種類と量を含む、画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、を有し、前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、当該印刷物の生成に使用する印刷方式を含む画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、を有し、前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、表面加工に関する情報を含む画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、を有し、前記対応関係生成部は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する前記差分画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報とを対応付けたルックアップテーブルを生成する画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記対応関係生成部は、前記見本パターンに対応する前記印刷物の質感に影響を与える情報に前記差分画像又は当該差分画像のグレースケール画像を更に対応付ける、請求項に記載の画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、を有し、前記対応関係生成部は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報と、当該見本パターンに対応する前記差分画像又はグレースケール画像との対応関係を保存する画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、質感に影響を与える情報を含む任意の印刷データ又は画像データ又は加工データに対応する出力結果を表すシミュレーション画像を生成する画像表示制御部と、を有す画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、任意の印刷データ又は画像データ又は加工データの出力結果をシミュレーションした画像を表示し、当該印刷データ又は当該画像データ又は加工データに対する編集を受け付ける画像編集部と、を有す画像処理装置である。
請求項に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、画像の印刷に使用される材料の種類と量を含む、プログラムである。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、当該印刷物の生成に使用する印刷方式を含む、プログラムである。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、表面加工に関する情報を含む、プログラムである。
請求項12に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記対応付ける機能は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する前記差分画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報とを対応付けたルックアップテーブルを生成する、プログラムである。
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記対応付ける機能は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報と、当該見本パターンに対応する前記差分画像又はグレースケール画像との対応関係を保存する、プログラムである。
請求項14に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、質感に影響を与える情報を含む任意の印刷データ又は画像データ又は加工データに対応する出力結果を表すシミュレーション画像を生成する機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項15に記載の発明は、コンピュータに、印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、任意の印刷データ又は画像データ又は加工データの出力結果をシミュレーションした画像を表示し、当該印刷データ又は当該画像データ又は加工データに対する編集を受け付ける機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項1記載の発明によれば、印刷に使用される材料の種類と量の違いに関する対応関係を短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項記載の発明によれば、印刷方式の違いに関する対応関係を短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項記載の発明によれば、表面加工の違いに関する対応関係を短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項記載の発明によれば、印刷物に形成された見本パターンと質感に影響を与える情報とを対応付けたルックアップテーブルを短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項記載の発明によれば、記憶領域が少なくても質感の再現を可能にするデータを生成できる。
請求項記載の発明によれば、記憶領域が少なくても質感の再現を可能にできる。
請求項記載の発明によれば、任意の印刷データ又は画像データ又は加工データに対応する出力結果の質感を容易にシミュレーションできる。
請求項記載の発明によれば、希望の質感が得られるように印刷データ又は画像データ又は加工データを容易に編集できる。
請求項記載の発明によれば、印刷に使用される材料の種類と量の違いに関する対応関係を短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項10記載の発明によれば、印刷方式の違いに関する対応関係を短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項11記載の発明によれば、表面加工の違いに関する対応関係を短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項12記載の発明によれば、印刷物に形成された見本パターンと質感に影響を与える情報とを対応付けたルックアップテーブルを短時間かつ簡易な演算で取得できる。
請求項13記載の発明によれば、記憶領域が少なくても質感の再現を可能にできる。
請求項14記載の発明によれば、任意の印刷データ又は画像データ又は加工データに対応する出力結果の質感を容易にシミュレーションできる。
請求項15記載の発明によれば、希望の質感が得られるように印刷データ又は画像データ又は加工データを容易に編集できる。
実施の形態1で使用する情報処理システムの全体構成例を示す図である。 質感情報取得装置のハードウェア構成の構成例を説明する図である。 質感情報取得装置により取得される反射画像の一例を説明する図である。(a)は拡散反射画像の例であり、(b)は鏡面反射画像の例であり、(c)は拡散反射画像と鏡面反射画像の差分画像の例である。 実施の形態1における質感情報取得部の機能構成例を説明する図である。 実施の形態1の対応関係データベースに記録されるルックアップテーブルの一例を示す図である。 実施の形態1におけるシミュレーション装置の機能構成例を説明する図である。 印刷データ#2としての印刷版データを生成する作業画面の例を説明する図である。 入射角と鏡面反射方向と視線方向のなす角γの関係を説明する図である。 表示制御部によって表示装置に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を仮想の3次元空間内で傾けて示すCG画像の例である。 実施の形態2における質感情報取得部の機能構成例を説明する図である。 実施の形態2において対応関係データベースに記録されるルックアップテーブルの一例を示す図である。 実施の形態2におけるシミュレーション装置の機能構成例を説明する図である。 特色パレットを使用して色指定に用いられる作業画面の例を説明する図である。 表示制御部によって表示装置に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を仮想の3次元空間内で傾けて示すCG画像の例である。 実施の形態3で使用する情報処理システムの全体構成例を示す図である。 実施の形態3における質感情報取得装置の機能構成例を説明する図である。 実施の形態3の対応関係データベースに記録されるルックアップテーブルの一例を示す図である。 実施の形態3におけるシミュレーション装置の機能構成例を説明する図である。 加飾パレットを使用して加飾処理を加える領域の指定に用いられる作業画面の例を説明する図である。 表示制御部によって表示装置に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を仮想の3次元空間内で傾けて示すCG画像の例である。 実施の形態4における質感情報取得部の機能構成例を説明する図である。 偏差画像生成部の内部構成を説明する図である。 実施の形態4の対応関係+偏差画像データベースに記録されるルックアップテーブルと偏差画像の一例を示す図である。 実施の形態4におけるシミュレーション装置の機能構成例を説明する図である。 実施の形態4における変換部の動作例を説明する図である。 表示制御部によって表示装置に表示される3次元モデルを説明する図である。 実施の形態5で使用する情報処理システムの全体構成例を示す図である。 実施の形態5における情報処理装置及び質感情報取得部の機能構成例を説明する図である。 実施の形態5におけるシミュレーション装置の機能構成例を説明する図である。 実施の形態6におけるシミュレーション装置の機能構成例を説明する図である。 実施の形態6における表示制御部によって表示装置に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を立体物に印刷したCG画像の例である。 他の実施の形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1で使用する情報処理システム1の全体構成例を示す図である。
図1における情報処理システム1は、第1の印刷装置10と、画像処理装置30と、第2の印刷装置60とで構成される。
図1における第1の印刷装置10は、第1の印刷データ(以下「印刷データ#1」という)として指定された画像を記録媒体上に印刷した印刷物20を生成する装置である。
印刷データ#1は、画像を構成する各画素の色を指定する情報で与えられる。なお、第2の印刷データ(以下「印刷データ#2」という)も同じ情報で構成される。
記録媒体は、画像が記録される媒体であり、例えば紙、フィルム、木、金属である。例えば各画素の色の情報が同じでも、記録媒体が異なれば印刷物20の表面の光沢の度合いや風合いに違いが生じる。従って、記録媒体の種類を特定する情報は、印刷物20の表面の質感に影響を与える情報の一例である。
本実施の形態の場合、「質感」は、主に視覚を通じて知覚される物体表面の光沢の度合いの意味で使用する。質感は、例えば色成分の組み合わせである柄等の模様によって生じる光沢成分の変化、凹凸などの表面構造によって生じる光沢成分の変化、光輝材による光沢成分の変化、フィルム材による光沢成分の変化、それらの組み合わせ等によって生じる。
記録媒体への画像の印刷に使用される色材には、例えばインク、トナーが含まれる。印刷装置10に設置されるインク又はトナーの色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を基本色とする。
ただし、同じ色でも、種類や量によって、印刷物20の表面の光沢の度合いに変化が生じることがある。従って、印刷に使用される色材も、印刷物20の表面の質感に影響を与える情報の一例である。光沢の度合いへの影響が大きい色には、シルバー、ゴールド、クリア等がある。本実施の形態では、これらの光沢の度合いへの影響が大きい色を基本色と区別して「特色」という。本実施の形態において、特色を印刷に用いるとは、例示した3色のうちのいずれか1つ又は複数を印刷に用いることをいう。
なお、各画素を指定する色の情報が同じでも、印刷方式が異なれば、印刷物20の表面の光沢の度合いに違いが生じることがある。従って、印刷方式を特定する情報も、印刷物20の表面の質感に影響を与える情報の一例である。
本実施の形態では、印刷データ#1として、主に各画素の色を指定する情報の意味で説明するが、前述したように、記録媒体、色材の種類や量、印刷装置10で使用する印刷方式も印刷データ#1に含めてもよい。印刷データ#1は、不図示のコンピュータ端末の操作画面に開かれた印刷設定画面に対するユーザの設定に応じて生成される。
図1における画像処理装置30は、印刷物20の表面に現れる質感情報を光学的に取得し、印刷物20に対応する印刷データ#1と対応関係を生成する質感情報取得装置40と、印刷データ#2に基づく印刷を実行した場合に得られる印刷物の質感をコンピュータグラフィック(以下「CG」という)で再現するシミュレーション装置50とを有している。
ここでの質感情報取得装置40とシミュレーション装置50は、いずれも画像処理装置の一例でもある。
また、シミュレーション装置50は、質感情報取得装置40で取得された対応関係を使用して、印刷データ#2に基づく印刷を実行することで得られる印刷物の光沢等の質感をCG画像として再現する点で画像表示制御部の一例である。
本実施の形態におけるシミュレーション装置50には、任意の印刷データ#2が入力される。もっとも、印刷データ#2は、印刷データ#1と同じでもよい。
第2の印刷装置60は、第1の印刷装置10と物理的に同じでもよいし、印刷方式が同じ別の印刷装置でもよい。
なお、第1の印刷装置10の印刷方式による質感の再現特性と第2の印刷装置60の印刷方式による質感の再現特性との関係が事前に与えられていれば、第2の印刷装置60の印刷方式は、第1の印刷装置10の印刷方式と異なっていてもよい。
前述したように、光沢等の質感は、画像が印刷される記録媒体、画像の記録に用いる色材の色、種類及び量、印刷方式の組み合わせ等によって変化する。
従って、シミュレーション装置50によるシミュレーション結果の精度を高めるには、これらの組み合わせと質感との対応関係が取得されることが望ましい。もっとも、対応関係の全てが取得される必要はない。
また、質感に与える影響の度合いは、組み合わせの要素間で同じではない。従って、組み合わせを与える一部の要素についての対応関係であっても、影響が大きい要素についての組み合わせが与えられれば、実用に耐えるシミュレーション結果を得ることも可能である。任意の組み合わせについて、光沢等の質感に対する影響が大きい1つ又は複数の要素は、例えば再現性が高いシミュレーション結果が得られた場合に高い報酬を与える強化学習の手法で質感への影響が高い要素を機械学習させてもよい。
<質感情報取得装置40のハードウェア構成>
図2は、質感情報取得装置40のハードウェア構成の構成例を説明する図である。以下、質感情報取得装置40を質感スキャナともいう。
質感情報取得装置40は、印刷物20の表面を光学的に読み取り、その読み取り結果として2種類の画像データを取得する。
画像データの1つは、印刷物20の表面で拡散反射された光成分の画像(以下「拡散反射画像」という)であり、別の1つは、印刷物20の表面で鏡面反射された光成分の画像(以下「鏡面反射画像」という)である。
鏡面反射とは、光の入射角と反射角が反射面に対して同じ角度となる反射であり、正反射とも呼ばれる。従って、鏡面反射画像は、正反射画像と同じである。
図2に示す質感情報取得装置40は、印刷物20が配置されるプラテンガラス41と、読み取り用の光学系を内蔵するキャリッジ42と、対応関係生成部43と、対応関係データベース44とを有している。
キャリッジ42は、平板形状のプラテンガラス41の表面に沿うように移動する。図2に示すキャリッジ42には、光源42A、42B、42Cと、結像光学系42Dと、イメージングセンサ42Eが設けられている。キャリッジ42は、不図示の駆動機構によって移動される。不図示の駆動機構やその制御系には、公知の技術を使用する。
ちなみに、プラテンガラス41は、不図示の筐体に取り付けられている。また、不図示の筐体には、キャリッジ42と、対応関係生成部43と、対応関係データベース44が収容されている。
図2に示すキャリッジ42の各部は、紙面に対して垂直な方向に、予め定めた長さを有している。紙面に垂直な方向は、キャリッジ42の主走査方向に当たる。一方、矢印で示す方向は、キャリッジ42の副走査方向に当たる。
印刷物20の表面の情報を読み取る場合、キャリッジ42は、矢印の方向に移動する。以下では、キャリッジ42が移動する方向をフロント(前)側といい、反対側をリア(後ろ)側という。
プラテンガラス41は、印刷物20の表面のうち読み取り対象の面を支持するガラス板である。プラテンガラス41は、透明な部材であればよく、例えばアクリル板でもよい。
印刷物20の表面を光学的に読み取る場合には、遮光性を有するカバー部材により、印刷物20の周囲を覆い、外光がキャリッジ42の内部に入射しないように外光を遮ってもよい。
キャリッジ42は、印刷物20を読み取るとき、予め定めた速度で副走査方向に移動するように駆動される。
光源42Aは、印刷物20の読み取り位置に対してフロント側に配置される光源であり、印刷物20の法線方向に対して例えば45度の角度で光を照射する。光源42Aは、印刷物20の拡散反射画像の読み取りに使用される。
光源42Bは、印刷物20の読み取り位置に対してリア側に配置される光源であり、印刷物20の法線方向に対して例えば45度の角度で光を照射する。光源42Bも、印刷物20の拡散反射画像の読み取りに使用される。
光源42Aと光源42Bはいずれも拡散反射画像の読み取り用であるので、いずれか一方だけであってもよい。
光源42Cは、印刷物20の読み取り位置に対してリア側に配置される光源であり、印刷物20の法線方向にして例えば10度の角度で光を照射する。光源42Cは、その反射光の主光線を遮らない位置に設けられる。もっとも、光源42Cは、印刷物20の読み取り位置に対してフロント側に配置されてもよい。なお、光源42Cから照射された光が印刷物20に入射する角度は例えば5度~10度でもよい。光源42Cは、印刷物20の鏡面反射画像の読み取りに使用される。
光源42Cから印刷物20の表面に照射される光束の幅又は角度は、狭いことが望ましい。従って、光源42Cから射出される光束の幅又は角度が広い場合には、印刷物20の表面を照射する光束の幅又は角度を狭めるように制限する手段を設ける。ここでの手段には、光束の一部を遮光することで光束の幅又は角度を狭めるカバー又は絞り、光束を集光させるレンズ等を用いる。
光源42Cから射出される光は、光源42A、42Bに比して、主走査方向の輝度値が一様かつ連続であることが望ましい。光源42Cから射出される光は、印刷物20の表面の光沢情報の読み取りに使用されるためである。この要件を満たす光源には、例えば蛍光ランプや希ガス蛍光ランプ(キセノン蛍光ランプ等)がある。
なお、光源42Cは、複数の光源の集合体でもよい。例えば光源42Cは、主走査方向に配列される複数の白色LED(Light Emitting Diode)と、読み取り位置の主走査方向における輝度分布が均一になるように複数の白色LEDから射出された光を拡散する拡散板等で構成してもよい。
図2の場合、キャリッジ42に3つの光源42A、42B、42Cを配置しているが、1つの光源から射出された光を複数に分岐し、分岐された光の光路を反射する等して、異なる角度で読み取り位置に入射させてもよい。
キャリッジ42は、結像光学系42Dとイメージングセンサ42Eを有している。
結像光学系42Dは、例えば反射ミラーや結像レンズで構成され、印刷物20の表面から法線方向に反射された拡散反射光の成分と鏡面反射光の成分をイメージングセンサ42Eの受光面に結像する。
イメージングセンサ42Eは、受光面上に結像された拡散反射光及び鏡面反射光の強度を画像信号として出力する。イメージングセンサ42Eには、例えばCCD(Charge Coupled Device)リニアイメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等の受光素子を用いる。
イメージングセンサ42Eの表面には、不図示のカラーフィルタが配置されている。従って、イメージングセンサ42Eは、拡散反射画像及び鏡面反射画像のそれぞれについて、印刷物20の読み取り位置の色を表すカラー画像信号を出力する。カラー画像信号は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の成分値で与えられる。
図3は、質感情報取得装置40(図2参照)により取得される反射画像の一例を説明する図である。(a)は拡散反射画像の例であり、(b)は鏡面反射画像の例であり、(c)は拡散反射画像と鏡面反射画像の差分画像の例である。
図3に示す反射画像は、印刷物20の表面に、色と濃度の組み合わせが異なる16個のカラーパッチ(以下「パッチ」ともいう)をマトリクス状に配置したカラーチャートが印刷されている場合に取得される。カラーチャートを構成するカラーパッチは、見本パターンの一例である。
カラーチャートの横軸は、色相と光沢の組み合わせが異なる4つの色が対応し、縦軸は、印刷物20の印刷時に使用された色材の量に対応するカバレッジに対応する。カバレッジが低いほど、単位面積当たりの色材の量が少なくなり、色の濃度が薄くなる。一方、カバレッジが高いほど、単位面積当たりの色材の量が多くなり、色の濃度が濃くなる。
図3の場合、特色の1つであるシルバーの印刷が可能な印刷装置10(図1参照)を用いて電子写真方式で印刷された印刷物20を想定している。
図3の場合、カラーチャートを構成する4色は、シアンとシルバーの混色(以下「シアン+シルバー色」ともいう)、マゼンタとシルバーの混色(以下「マゼンタ+シルバー色」ともいう)、マゼンタ、シアンである。
図3に示すカラーチャートは、色毎に、カバレッジを4段階で変化させたカラーパッチで構成されている。図3に示すカラーパッチは、いずれも同じ形状である。具体的には、カラーパッチは正方形である。
前述したように、(b)に示す鏡面反射画像は、印刷物20の表面の金属光沢成分を主に取得した画像であるが、拡散成分も含まれている。ここでの金属光沢は、シルバートナーによって表現される金属色に対応する。
(c)は、鏡面反射画像に含まれる金属光沢を表現する差分画像である。差分画像は、拡散反射画像と鏡面反射画像の差分を演算することで生成される。
金属光沢は、基本的にシルバートナーによって生じるので、差分画像では、シルバートナーが含まれるシアン+シルバー色に対応するカラーパッチとマゼンタ+シルバー色に対応するカラーパッチの2列について光沢成分が現れている。また、カバレッジの違いが金属光沢の反射率の違いにも現れている。すなわち、カバレッジが高いほど、カラーパッチは明るく見えている。
図2の説明に戻る。
本実施の形態で使用するキャリッジ42の場合、印刷物20の表面全体で、照射光の入射角とイメージングセンサ42Eで受光される受光角の関係が一定に保たれる。この関係は、撮像カメラ等による撮像では実現できない。
このため、拡散反射の条件(入射角が45度)で取得された拡散反射画像と、鏡面反射の条件(入射角が10度)で取得された鏡面反射画像との差分を演算することにより、金属光沢の情報を正確に抽出することが可能になる。このことは、簡易な差分演算により、金属光沢の領域と反射率(2次元平面の鏡面反射率)を一度に取得できることを意味する。
なお、拡散反射の条件(入射角が45度)と鏡面反射の条件(入射角が10度)は、同一の白色校正板でキャリブレーションされている。
質感情報取得装置40を構成する対応関係生成部43は、拡散反射画像と鏡面反射画像から前述した差分画像を生成すると共に、拡散画像と差分画像の組と印刷データ#1との対応関係を対応関係データベース44に記録する機能部である。
対応関係生成部43は、例えばコンピュータによるプログラムの実行を通じて実現される。コンピュータは、プログラムの実行を通じて各種の管理機能を提供するCPU(Central Processing Unit)と、BIOS(Basic Input Output System)等を格納する記憶領域としてのROM(Read Only Memory)と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(Random Access Memory)とを有する。
また、コンピュータは、後述する対応関係の生成機能を実現するアプリケーションプログラムや対応関係データベース44を記憶するハードディスクその他の記憶装置と、外部との通信に使用される通信インタフェースを有している。もっとも、対応関係生成部43は、対応関係の生成処理に特化した回路デバイスとして構成されてもよい。
また、対応関係生成部43と対応関係データベース44は、プラテンガラス41とキャリッジ42が収容される不図示の筐体とは別の筐体に収容されていてもよい。
<シミュレーション装置50のハードウェア構成>
図1の説明に戻る。
シミュレーション装置50は、例えばコンピュータによって構成される。コンピュータの構成は、対応関係生成部43(図2参照)の構成として説明したので省略する。なお、シミュレーション装置50として使用されるコンピュータには、操作画面やシミュレーション結果を表示する表示装置や操作画面に対する入力装置が接続される。入力装置は、例えばキーボード、マウス、スタイラスペン等である。
シミュレーション装置50としての機能を実現するプログラムは、専用のプログラムでもよいし、デザイン編集用のソフトウェアの機能の一部でもよい。
<画像処理装置30の機能構成>
図4は、実施の形態1における質感情報取得装置40の機能構成例を説明する図である。
図4には、図2との対応部分に対応する符号を付して示している。
図4では、印刷データ#1の具体例として、単一のカラーパッチに対応するパッチデータが与えられるものとして表している。
図4の場合、パッチデータは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、特色の5色で構成されている。もっとも、パッチデータの一部又は付属する又は関連付けられる設定データとして、記録媒体の種類、色材の種類や量、印刷方式等の情報が含まれてもよい。
図4の場合、パッチデータは、色材の成分値だけで構成される。一例として、(C,M,Y,K,特色)=(0,20,0,0,80)を例示している。
特色には、シルバー、ゴールド、クリア等が含まれるが、図4の例では、これらのうちの1色が使用される。例えばゴールドが使用される。
なお、図4の場合、パッチデータは、マゼンタの成分値が20、特色の成分値が80、シアンとイエローとブラックの成分値が0である。
パッチデータを入力した印刷装置10は、ユーザによって指定されている記録媒体にカラーパッチを印刷し、印刷物20として出力する。記録媒体には、例えばコート紙が用いられる。
印刷物20は、印刷面を下にして、プラテンガラス41(図2参照)の上面に配置される。
本実施の形態におけるキャリッジ42は、拡散反射画像取得部42Fと鏡面反射画像取得部42Gとして機能する。ここでの拡散反射画像取得部42Fは第1の画像取得部の一例であり、鏡面反射画像取得部42Gは第2の画像取得部の一例である。
拡散反射画像取得部42Fは、光源42A及び42B(図2参照)から照射された光の反射光をイメージングセンサ42E(図2参照)で受光し、拡散反射画像として出力する。拡散反射画像は色成分に対応する。
鏡面反射画像取得部42Gは、光源42C(図2参照)から照射された光の反射光をイメージングセンサ42Eで受光し、鏡面反射画像として出力する。鏡面反射画像は光沢成分に対応する。
なお、光源42A及び42Bが光を照射する期間と光源42Cが光を照射する期間は切り替え制御される。
対応関係生成部43は、差分画像取得部43A、平均値算出部43B、43C、対応関係記録部43Dとしての機能を有している。
差分画像取得部43Aは、前述したように、画素ごとに拡散反射画像と鏡面反射画像の差分を演算して差分画像を取得する機能である。差分画像を取得する手法には、鏡面反射画像から拡散反射画像を減算することで求める手法と、拡散反射画像から鏡面反射画像を減算することで求める手法の2つがある。差分画像取得部43Aは、いずれか一方の手法又は両方の手法により差分画像を演算する。差分画像取得部43Aは、差分画像生成部の一例である。
平均値算出部43Bは、カラーパッチに対応する拡散反射画像の平均RGB値を算出する。印刷物20にカラーチャートが印刷されている場合、平均値算出部43Bは、カラーパッチ単位で平均RGB値を算出する。図4の場合、平均RGB値は、(R,G,B)=(185,151,95)である。平均RGB値は平均画素値の一例である。
平均値算出部43Cは、カラーパッチに対応する差分画像の平均RGB値を算出する。勿論、印刷物20にカラーチャートが印刷されている場合、平均値算出部43Cは、カラーパッチ単位で平均RGB値を算出する。本実施の形態では、区別のため、差分画像の平均RGB値を平均ΔRΔGΔB値で表す。Δは差分を表す。平均ΔRΔGΔB値は平均画素値の一例である。
図4の場合、平均ΔRΔGΔB値は、(ΔR,ΔG,ΔB)=(69,88,88)で表現される。
対応関係記録部43Dは、印刷データ#1として入力されたパッチデータについて算出された平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値との対応関係を対応関係データベース44に記録する。ここでの対応関係記録部43Dは対応関係生成部の一例である。
図5は、実施の形態1の対応関係データベース44に記録されるルックアップテーブルの一例を示す図である。ルックアップテーブルの左欄はパッチデータであり、右欄はパッチデータに対応するカラーパッチから取得された平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値である。対応関係にあるパッチデータと平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値は、同じ行に配置されている。
図4では、説明の都合のため、1つのパッチデータについて一組の平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値が取得される例を表しているが、印刷データ#1がカラーチャートで与えられる場合、一度に複数の対応関係がルックアップテーブルに記録される。勿論、カラーチャートを構成するカラーパッチの数は4行4列に限らない。
印刷物20にカラーチャートが印刷されている場合、質感情報に関する複数の対応関係が印刷物20の2回のスキャンによって取得される。このことは、BRDFを計測する方法に比べ、質感情報の取得に要する時間を短縮できることを意味する。また、質感情報の取得は差分演算でよく、計算資源に対する負荷も小さく済む。
図6は、実施の形態1におけるシミュレーション装置50の機能構成例を説明する図である。
図6には、図2との対応部分に対応する符号を付して示している。
図6に示すシミュレーション装置50には、印刷データ#2として印刷版データがユーザより与えられている。
図6には、印刷版データの画像例も示している。図6に示す画像例はパッケージ印刷物に関するものである。図6の場合、ユーザは、印刷する画像の各部の色を直接数値で指定する。例えばユーザは、不図示の作業画面上で、パッケージ印刷物部分を指定し、マゼンタの成分値に20、特色の成分値に80、シアンとイエローとブラックの成分値に0を指定する。本実施の形態の場合、特色はゴールドである。
図7は、印刷データ#2としての印刷版データを生成する作業画面71の例を説明する図である。
作業画面71は、表示装置70の表示画面にウィンドウとして表示されている。表示装置70は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
図7に示す作業画面71には、印刷対象である画像72と、3次元(3D)プレビューボタン73と、印刷ボタン74とが配置されている。
図7では、印刷ボタン74がマウスポインタ75でクリック操作されることで開く設定画面76も表されている。図7に示す設定画面76では、さらに、記録媒体が指定され、その詳細設定画面77が開いている。詳細設定画面77では、コート紙が選択されている。なお、記録媒体には普通紙、フィルム等の指定も可能である。また、設定画面76には、色材、印刷方式、加飾等についての設定も可能である。
本実施の形態では、作業画面71上で、印刷対象である画像72の各部の色をユーザが数値で入力する。
図6の説明に戻る。
シミュレーション装置50は、3Dプレビューを実行するか否かを判定する判定部50A、CMYK特色で表現されている印刷版データを、平均RGBと平均ΔRΔGΔBに変換する変換部50B、反射率分布関数を算出する反射率分布関数算出部50C、印刷版データに対応する3次元プレビュー画像を生成するレンダリング部50D、3次元プレビュー画像を表示装置70(図7参照)に表示する表示制御部50Eとしての機能を有している。
判定部50Aは、3次元プレビューなしの場合、印刷版データを印刷装置60に出力する。3次元プレビューなしの場合は、印刷ボタン74(図7参照)が操作された場合である。
この場合、印刷装置60は、ユーザの設定に従って記録媒体に、印刷版データに対応する画像を印刷した印刷出力サンプルを生成する。
判定部50Aは、3次元プレビューありの場合、印刷版データを変換部50Bに与える。3次元プレビューありの場合は、3Dプレビューボタン73(図7参照)が操作された場合である。
この場合、変換部50Bは、印刷版データで指定されたCMYK特色を検索キーとして対応関係データベース44を検索し、指定されたCMYK特色に対応する平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値を読み出す。
対応関係データベース44に、印刷版データで指定されたCMYK特色が記録されていない場合、変換部50Bは、指定されたCMYK特色と類似する色に対応する平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値を読み出してもよい。ここで、類似する色とは、例えば色空間上での距離が一番近い色、予め定めた距離以内の色をいう。
また、変換部50Bは、類似する複数の色について複数組の平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値を読み出し、それらの値から平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値の推定値を計算してもよい。
反射率分布関数算出部50Cは、読み出された値から、印刷時の見え方に相当する反射率分布関数を算出する。例えば反射率分布関数算出部50Cは、Phongの反射モデルに従い、反射率分布関数を次式として算出する。
I=Ii・{w・RGB・cosθ}+Ii・{w・ΔRΔGΔB・cosγ}
ここで、Iは反射光強度である。
右辺第1項のうち{w・RGB・cosθ}は、拡散反射率分布関数である。ここで、wは、拡散反射重み係数であり、RGBは、拡散反射画像の平均RGB値である。θは入射角である。
右辺第2項のうち{w・ΔRΔGΔB・cosγ}は、鏡面反射率分布関数である。ここで、wは、鏡面反射重み係数であり、ΔRΔGΔBは、鏡面反射画像と拡散反射画像の差分画像の平均RGB値である。γは鏡面反射方向と視線方向のなす角であり、nは鏡面反射指数である。
図8は、入射角θと鏡面反射方向と視線方向のなす角γの関係を説明する図である。ここで、ベクトルNは法線ベクトルを示している。ベクトルLは光源方向ベクトルを示し、ベクトルRは反射ベクトルを示す。また、ベクトルVは視線方向ベクトルを示す。
ここでのベクトルRが鏡面反射方向に相当し、ベクトルVが視線方向に相当する。
レンダリング部50Dは、印刷版データに含まれる質感情報を再現したCG画像を生成する。換言すると、レンダリング部50Dは、仮想の3次元空間の仮想のスクリーン上に印刷版データに対応する3次元モデルを配置し、その表面を構成する各画素のRGB値を反射率分布関数算出部50Cで算出された反射率分布関数に基づいて決定する。レンダリング処理は公知であり、例えば相互反射を考慮したラジオシティ法やレイトレーシング法を用いてもよい。
表示制御部50Eは、表示装置70にレンダリングによって生成された3次元モデルの画像を表示する。この3次元モデルは、印刷版データに対応する出力結果のシミュレーション画像の一例である。
図9は、表示制御部50Eによって表示装置70(図7参照)に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を仮想の3次元空間内で傾けて示すCG画像の例である。傾斜角はユーザにより自由に変更される。
(b)に示すように、特色として指定されたゴールド成分による金属光沢が再現される。
<実施の形態2>
本実施の形態の場合も、図1に示す情報処理システム1を想定する。
従って、基本的な装置構成は、実施の形態1と同様である。相違点は、画像処理装置30の機能構成である。
図10は、実施の形態2における質感情報取得装置40の機能構成例を説明する図である。図10には、図4との対応部分に対応する符号を付して示す。
図10に示す質感情報取得装置40は、平均値算出部43B、43Cを設けない点で相違する。すなわち、本実施の形態では、取得された拡散反射画像と鏡面反射画像を平均化せず、そのまま使用する。このため、カラーパッチを印刷した領域内における光沢の微妙な変化の情報も保存される。
図11は、実施の形態2において対応関係データベース44に記録されるルックアップテーブルの一例を示す図である。ルックアップテーブルの左欄はパッチデータであり、右欄はパッチデータに対応するカラーパッチから取得された拡散反射画像(=RGB画像)と差分画像(=ΔRΔGΔB画像)である。対応関係にあるパッチデータと拡散反射画像と差分画像は、同じ行に配置されている。
勿論、印刷データ#1が図3に示すようなカラーチャートで与えられる場合、一度に複数の対応関係がルックアップテーブルに記録される。勿論、カラーチャートを構成するカラーパッチの数は4行4列に限らない。
印刷物20にカラーチャートが印刷されている場合、質感情報に関する複数の対応関係が印刷物20の2回のスキャンによって取得される。このことは、BRDFを計測する方法に比べ、質感情報の取得に要する時間を短縮できることを意味する。また、質感情報の取得は差分演算でよく、計算資源に対する負荷も小さく済む。
図12は、実施の形態2におけるシミュレーション装置50の機能構成例を説明する図である。図12には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
シミュレーション装置50の機能構成は、基本的に実施の形態1と同じである。
ただし、図12の場合には、基本色と特色の組み合わせで定義される色見本を配列したカラーパレット(以下「特色パレット」という)上での選択により印刷版データが生成されている。
図13は、特色パレットを使用して色指定に用いられる作業画面71の例を説明する図である。
図13には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図13では、表示装置70の表示画面のうち作業画面71の右隣に特色パレット78が表示されている。特色パレット78は、単純に色だけの観点から用意されてもよいし、記録媒体、色材、印刷方式、加飾等の組み合わせについて用意されていてもよい。
図13では、特色パレット78が1つだけ表示されているが、複数表示されてもよい。
図13に示す作業画面71の場合、ユーザは、例えば印刷対象とする画像72のうち色を指定したい部分を指定し、その後、特色パレット78を構成する複数の色見本の中から希望の1つを選択する。また例えば、ユーザは、特色パレット78上で選択した色見本(パッチ)をドラッグし、印刷対象とする画像72のうち希望する位置にドロップする。
図13の場合、ユーザは、色を特定する数値を入力せずに済む。なお、図13において選択された色見本には、マゼンタの成分値として20、特色の成分値として80、シアンとイエローとブラックの成分値として0が記録されている。
なお、本実施の形態の場合にも、実施の形態1のように、印刷版データとして各領域の色をユーザが数値で指定してもよい。
図12の説明に戻る。
本実施の形態の場合も、判定部50Aは、3次元プレビューなしの場合、印刷版データを印刷装置60に出力する。3次元プレビューなしの場合は、印刷ボタン74(図7参照)が操作された場合である。
この場合、印刷装置60は、ユーザの設定に従って記録媒体に、印刷版データに対応する画像を印刷した印刷物20を出力する。
一方、判定部50Aは、3次元プレビューありの場合、印刷版データを変換部50Bに与える。3次元プレビューありの場合は、3Dプレビューボタン73(図7参照)が操作された場合である。
変換部50Bは、印刷版データで指定されたCMYK特色を検索キーとして対応関係データベース44を検索し、指定されたCMYK特色に対応する拡散反射画像(=RGB画像)と差分画像(=ΔRΔGΔB画像)を読み出す。対応付けられる情報が平均値ではなくカラーパッチから取得される画像である点が、実施の形態1との違いである。前述したように、拡散反射画像と鏡面反射画像の差分として算出される差分画像には、印刷面内の光沢の変化が保存されており、よりリアルに近い質感の情報が保存されている。
本実施の形態における変換部50Bも、印刷版データで指定されたCMYK特色が記録されていない場合、変換部50Bは、類似する色に対応する拡散反射画像と差分画像を読み出してもよいし、印刷版データで指定されたCMYK特色に対応する拡散反射画像と差分画像を推定してもよい。
本実施の形態における反射率分布関数算出部50Cは、読み出された画像を使用して、印刷時の見え方に相当する反射率分布関数を算出する。例えば反射率分布関数算出部50Cは、Phongの反射モデルに従い、反射率分布関数を次式として算出する。
I(x,y)=Ii・{w・G(x,y)・cosθ}+Ii・{w・{G(x,y)-G(x,y)}・cosγ}
ここで、I(x,y)は2次元平面の反射光強度である。
右辺第1項のうち{w・G(x,y)・cosθ}は、拡散反射率分布関数である。ここで、wは、拡散反射重み係数であり、G(x,y)は、拡散反射画像である。θは入射角である。
右辺第2項のうち{w・{G(x,y)-G(x,y)}・cosγ}は、鏡面反射率分布関数である。ここで、wは、鏡面反射重み係数であり、G(x,y)は、鏡面反射画像である。また、G(x,y)-G(x,y)は、鏡面反射画像と拡散反射画像の差分画像である。γは鏡面反射方向と視線方向のなす角であり、nは鏡面反射指数である。
レンダリング部50Dと表示制御部50Eは、実施の形態1と同様である。ただし、レンダリング部50DによるCG画像の生成には、拡散反射画像と差分画像が反映された2次元平面の反射光強度I(x,y)が使用される。
図14は、表示制御部50Eによって表示装置70(図13参照)に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を仮想の3次元空間内で傾けて示すCG画像の例である。傾斜角はユーザにより自由に変更される。
(b)に示すように、特色として指定されたゴールド成分による金属光沢が再現されるのに加え、表面の一部分を拡大して示すように印刷面の位置の違いによる光沢の変化も表示される。この光沢の変化によりリアルな質感が表現される。
<実施の形態3>
図15は、実施の形態3で使用する情報処理システム1Aの全体構成例を示す図である。図15には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15に示す情報処理システム1Aでは、第1の印刷装置10の代わりに第1の加飾装置80が配置される点、第2の印刷装置60から出力される印刷物20を加工する第2の加飾装置90が配置される点、加飾の種類が加飾パレットの番号で指定される点で相違する。加飾は、表面に装飾を加える表面加工の一例である。
もっとも、第1の印刷装置10が不要という意味ではなく、作図上の成約で第1の印刷装置10を描画していないだけである。
第1の加飾装置80は、不図示の印刷装置から出力される印刷物の表面を処理して加飾付き印刷物20Aを生成する。
この関係は、第2の印刷装置60と第2の加飾装置90の関係と同じである。
本実施の形態では、説明を簡単にするため、光沢の変化は専ら加飾の違いで生じるものとする。
<質感情報取得装置40の機能構成>
図16は、実施の形態3における質感情報取得装置40の機能構成例を説明する図である。図16には、図10との対応部分に対応する符号を付して示している。
従って、本実施の形態における質感情報取得装置40も、対応関係生成部43において、対応関係の一方の情報として拡散反射画像と差分画像を使用する。
本実施の形態の場合、加飾装置80は、与えられた加飾パレット番号に応じた表面加工を印刷物に与え、加飾付き印刷物20Aとして出力する。
図16の例では、加飾の例として金箔などを熱と圧力で印刷物に転写する箔押し加工を想定する。もっとも、箔押し加工に用いる箔には、金箔に限らず、銀箔、顔料箔、白箔、透明箔等がある。また、箔押し加工には、つやあり、つや消し、ホログラム等の種類がある。加飾パレット番号は、これら複数の種類のいずれかを特定する情報である。
なお、加飾には、箔押し加工に限らず、フィルム加工やエンボス加工も含まれる。
本実施の形態における質感情報取得装置40は、加飾付き印刷物20Aをプラテンガラス41(図2参照)に配置した状態でキャリッジ42(図2参照)を一方向にスキャンし、加飾付き印刷物20Aの拡散反射画像と鏡面反射画像を取得する。
取得された拡散反射画像と鏡面反射画像は対応関係生成部43に与えられる。
前述したように、質感情報取得装置40の機能構成は、実施の形態2(図10参照)と基本的に同じである。
ただし、本実施の形態の場合、対応関係記録部43Dは、拡散反射画像(=RGB画像)と差分画像(=ΔRΔGΔB画像)と加飾パレット番号との対応関係を対応関係データベース44に記録する。
図17は、実施の形態3の対応関係データベース44に記録されるルックアップテーブルの一例を示す図である。ルックアップテーブルの左欄は加飾パレット番号であり、右欄は加飾付き印刷物20Aから取得された拡散反射画像と差分画像である。対応関係にある加飾パレット番号と拡散反射画像と差分画像は、同じ行に配置されている。ここでの拡散反射画像と差分画像は、印刷物20の表面に形成された見本パターンの画像に対応する。
図17では、説明の都合のため、1つの加飾パレット番号について拡散反射画像(=RGB値)と差分画像(=ΔRΔGΔB画像)の組を取得する例を表しているが、1つの印刷物の複数の領域に異なる加飾パレット番号が割り当てられている場合には、一度に複数の対応関係がルックアップテーブルに記録される。実施の形態1及び2のカラーチャートと同様の考え方である。
加飾付き印刷物20Aに複数種類の加飾加工が施されている場合、質感情報に関する複数の対応関係が加飾付き印刷物20Aの2回のスキャンによって取得される。このことは、BRDFを計測する方法に比べ、質感情報の取得に要する時間を短縮できることを意味する。また、質感情報の取得は差分演算でよく、計算資源に対する負荷も小さく済む。
図18は、実施の形態3におけるシミュレーション装置50の機能構成例を説明する図である。図18には、図12との対応部分に対応する符号を付して示している。
シミュレーション装置50の機能構成は、基本的に実施の形態2と同じである。
ただし、図18の場合には、加飾の見本を配列した加飾パレット上での選択により加飾パレット番号付きの印刷版データが生成されている。
図19は、加飾パレットを使用して加飾処理を加える領域の指定に用いられる作業画面71の例を説明する図である。
図19には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図19では、表示装置70の表示画面のうち作業画面71の右隣に加飾パレット79が表示されている。加飾パレット79には、複数の加飾見本が配置されている。加飾パレット79は、単純に加飾処理の種類の観点から用意されてもよいし、色、記録媒体、色材、印刷方式等の組み合わせについて用意されていてもよい。
図19では、加飾パレット79が1つだけ表示されているが、複数表示されてもよい。
図19に示す作業画面71の場合、ユーザは、例えば印刷対象とする画像72のうち加飾処理を加えたい領域72Aを指定し、その後、加飾パレット79を構成する複数の加飾見本(パッチ)の中から希望の1つを選択する。また例えば、ユーザは、加飾パレット79上で選択した加飾見本をドラッグし、印刷対象とする画像72のうち加飾処理を加える領域72Aにドロップする。加飾処理を加える領域72Aは独立したパターンとして与えられてもよい。
図19の場合、ユーザは、加飾処理の種類を特定する数値を入力せずに済む。なお、図19において選択された加飾見本には、加飾パレットの番号2が付されている。
図18の説明に戻る。
本実施の形態の場合も、判定部50Aは、3次元プレビューなしの場合、印刷版データを印刷装置60に出力する。3次元プレビューなしの場合は、印刷ボタン74(図7参照)が操作された場合である。
この場合、印刷装置60は、ユーザの設定に従って記録媒体に、印刷版データに対応する画像を印刷した印刷物20を出力する。その後、印刷物20には、加飾装置90によって加飾パレット番号で指定された加飾処理が加えられる。加飾装置90は印刷物20に加飾処理を加えた加飾付き印刷物20Aを出力する。
一方、判定部50Aは、3次元プレビューありの場合、印刷版データと加飾パレット番号を変換部50Bに与える。3次元プレビューありの場合は、3Dプレビューボタン73(図19参照)が操作された場合である。
本実施の形態における変換部50Bは、加飾パレット番号を検索キーとして対応関係データベース44を検索し、指定された加飾パレット番号に対応する拡散反射画像(=RGB画像)と差分画像(=ΔRΔGΔB画像)を読み出す。検索キーとして使用される情報がCMYK特色ではなく加飾パレット番号である点が、実施の形態2との違いである。前述したように、拡散反射画像と鏡面反射画像の差分として算出される差分画像には、加飾処理が加えられている領域内の光沢の変化が保存されており、よりリアルに近い質感の情報が保存されている。
本実施の形態における変換部50Bも、指定された加飾パレット番号が記録されていない場合、変換部50Bは、加飾処理の内容が類似する加飾パレット番号に対応する拡散反射画像と差分画像を読み出してもよいし、指定された加飾パレット番号に対応する拡散反射画像と差分画像を推定してもよい。
本実施の形態における反射率分布関数算出部50Cは、読み出された画像を使用して、印刷時の見え方に相当する反射率分布関数を算出する。例えば反射率分布関数算出部50Cは、Phongの反射モデルに従い、反射率分布関数を次式として算出する。
I(x,y)=Ii・{w・G(x,y)・cosθ}+Ii・{w・{G(x,y)-G(x,y)}・cosγ}
ここで、I(x,y)は2次元平面の反射光強度である。
右辺第1項のうち{w・G(x,y)・cosθ}は、拡散反射率分布関数である。ここで、wは、拡散反射重み係数であり、G(x,y)は、印刷版データに拡散反射画像を重畳した画像である。θは入射角である。
右辺第2項のうち{w・{G(x,y)-G(x,y)}・cosγ}は、鏡面反射率分布関数である。ここで、wは、鏡面反射重み係数であり、G(x,y)は、鏡面反射画像である。また、G(x,y)-G(x,y)は、鏡面反射画像と拡散反射画像の差分画像を印刷版データに重畳した画像である。γは鏡面反射方向と視線方向のなす角であり、nは鏡面反射指数である。
レンダリング部50Dと表示制御部50Eは、実施の形態1と同様である。ただし、レンダリング部50DによるCG画像の生成には、印刷版データと拡散反射画像と差分画像が反映された2次元平面の反射光強度I(x,y)が使用される。
図20は、表示制御部50Eによって表示装置70(図19参照)に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を仮想の3次元空間内で傾けて示すCG画像の例である。傾斜角はユーザにより自由に変更される。
ここでの3次元モデルは、加飾パレット番号に対応する出力結果のシミュレーション画像の一例である。
(b)に示すように、加飾パレット番号で特定される加飾処理によって生じる金属光沢が指定された領域72Aに再現される。この光沢の変化によりリアルな質感が表現される。
<実施の形態4>
前述した実施の形態2及び3に示すシステム構成は、拡散反射画像と差分画像を対応関係データベース44に記録することでシミュレーションによって作成されるCG画像にリアルな質感を与える一方、対応関係データベース44に求められる記憶容量が大きくなる。そこで、本実施の形態では、対応関係データベース44に求められる記憶容量の低減が可能なシステム構成について説明する。
本実施の形態の場合も、図1に示す情報処理システム1を想定する。
従って、基本的な装置構成は、実施の形態1と同様である。相違点は、画像処理装置30の機能構成である。
図21は、実施の形態4における質感情報取得装置40の機能構成例を説明する図である。図21には、図4との対応部分に対応する符号を付して示す。
図21に示す質感情報取得装置40は、偏差画像生成部45を追加する点と、対応関係+偏差画像データベース44Aを用いる点で、実施の形態1と相違する。
図22は、偏差画像生成部45の内部構成を説明する図である。
偏差画像生成部45は、拡散反射画像の画素値からその平均値である平均RGB値を一律に減算した偏差拡散反射画像を生成する偏差拡散反射画像計算部45Aと、差分画像の画素値からその平均値である平均ΔRΔGΔB値を一律に減算した偏差差分画像を生成する偏差差分画像計算部45Bとしての機能を有している。
以下では、偏差拡散反射画像と偏差差分画像を総称して偏差画像という。偏差画像は、平均化に伴い失われる偏差成分であるが、スキャンする色との相関は少ない。このため、本実施の形態における偏差画像生成部45は、カラーパッチ毎に偏差画像を生成するのではなく、いずれか1つのカラーパッチについて生成された一組の偏差拡散反射画像と偏差差分画像を代表値として出力する。
なお、本実施の形態における偏差拡散反射画像と偏差差分画像は、いずれもグレースケール画像として生成される。グレースケール画像のデータ量は、カラー画像よりも少なく済む。
生成された偏差拡散反射画像と偏差差分画像は、実施の形態1における対応関係と共に対応関係+偏差画像データベース44Aに記録される。
図23は、実施の形態4の対応関係+偏差画像データベース44Aに記録されるルックアップテーブルと偏差画像の一例を示す図である。
ルックアップテーブルの左欄はパッチデータであり、右欄はパッチデータに対応するカラーパッチから取得された平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値である。
前述したように、偏差拡散反射画像と偏差差分画像は、色毎に取得される対応関係を記録したルックアップテーブルに対応付けて一組だけ記録される。
本実施の形態の場合には、色毎の対応関係をルックアップテーブルに記録する例であるが、記録媒体毎の対応関係を記録するルックアップテーブルを生成する場合にも、代表的な偏差拡散反射画像と偏差差分画像を一組だけ記録すればよい。色材毎の対応関係を記録するルックアップテーブルを生成する場合も、印刷方式毎の対応関係を記録するルックアップテーブルを生成する場合も同様である。
本実施の形態の場合、ルックアップテーブルに記録される対応関係の数が増えても記録される偏差画像は一組だけであるので、ルックアップテーブルの記憶容量が少なく済む。
図24は、実施の形態4におけるシミュレーション装置50の機能構成例を説明する図である。図24には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
図24に示すシミュレーション装置50には、印刷データ#2として印刷版データがユーザより与えられている。
図24に示すシミュレーション装置50が図6に示すシミュレーション装置50と相違する部分は、データベースとして対応関係+偏差画像データベース44Aを用いる点と、変換部50Bが印刷データとして与えられたCMYK特色に対応するRGBに変換する際に、偏差画像の情報を付加する点である。
図25は、実施の形態4における変換部50Bの動作例を説明する図である。
本実施の形態の場合も、変換部50Bは、印刷版データとして与えられたCMYK特色を検索キーとして対応関係+偏差画像データベース44Aを検索し、指定されたCMYK特色に対応する平均RGB値と平均ΔRΔGΔB値を読み出すが、それぞれに対して偏差画像に応じたRGBを加算して出力する。
例えば基本的な色成分として、変換部50Bは、(R,G,B)=(185,151,95)を読み出すが、更に、偏差拡散反射画像に応じたRGB値を加算して出力する。また、光沢成分として、変換部50Bは、(R,G,B)=(69,88,88)を読み出すが、更に、偏差差分画像に応じたRGB値を加算して出力する。この処理によって、平均化の際に失われていた画素の違いによる偏差成分を再現することが可能になる。
本実施の形態における反射率分布関数算出部50Cは、読み出された画像を使用して、印刷時の見え方に相当する反射率分布関数を算出する。例えば反射率分布関数算出部50Cは、Phongの反射モデルに従い、反射率分布関数を次式として算出する。
I(x,y)
=Ii・{w・{RGB+T(x,y)}・cosθ}+Ii・{w・{ΔRΔGΔB+Ts-d(x,y)}・cosγ}
ここで、I(x,y)は2次元平面の反射光強度である。
右辺第1項のうち{w・{RGB+T(x,y)}・cosθ}は、拡散反射率分布関数である。ここで、wは、拡散反射重み係数であり、RGBは、拡散反射画像の平均RGB値であり、T(x,y)は拡散反射画像の偏差画像である。θは入射角である。
右辺第2項のうち{w・{ΔRΔGΔB+Ts-d(x,y)}・cosγ}は、鏡面反射率分布関数である。ここで、wは、鏡面反射重み係数であり、ΔRΔGΔBは、鏡面反射画像と拡散反射画像の差分画像の平均RGB値であり、Ts-d(x,y)は差分画像の偏差画像である。γは鏡面反射方向と視線方向のなす角であり、nは鏡面反射指数である。
レンダリング部50Dと表示制御部50Eは、実施の形態1と同様である。
図26は、表示制御部50E(図24参照)によって表示装置70(図7参照)に表示される3次元モデルを説明する図である。図26に示すように、実施の形態1の場合には、失われていた印刷面の位置の違いによる光沢の変化が反映されている。このため、実施の形態1に比して、よりリアルな質感が再現される。
<実施の形態5>
前述の実施の形態では、ユーザから与えられる画像データがCMYK特色データである場合を想定しているが、本実施の形態では、ユーザから与えられる画像データがRGBデータの場合を説明する。
図27は、実施の形態5で使用する情報処理システム1Bの全体構成例を示す図である。図27には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図27に示す情報処理システム1Bでは、ユーザから与えられる第1のRGB特色画像データ(以下「RGB特色画像データ#1」という)をCMYK特色形式の印刷データ#1に変換する情報処理装置100を配置する。
本実施の形態では、RGB特色画像データは、赤(R)、緑(G)、青(B)に特色を加えた4色で表される画像データの意味で使用する。情報処理装置100は、例えばコンピュータであり、画像データを印刷データに変換するRGB特色→CMYK特色変換部100Aとして機能する。
また、本実施の形態では、第2のRGB特色画像データ(以下「RGB特色画像データ#2」という)がシミュレーション装置50に与えられ、シミュレーション装置50から印刷装置60にCMYK特色形式の印刷データ#2が出力される。
図28は、実施の形態5における情報処理装置100及び質感情報取得装置40の機能構成例を説明する図である。図28には、図4との対応部分に対応する符号を付して示す。
図28に示す機能構成と図4に示す機能構成の違いは、情報処理装置100の変換機能である。
図28の場合、情報処理装置100には、RGB特色パッチデータが与えられている。この例の場合、RGB特色パッチデータは、(R,G,B,特色)=(225,220,233,80)である。
情報処理装置100のRGB特色→CMYK特色変換部100Aは、既知の色変換プロファイルを使用し、RGB形式のデータをCMYK形式のデータに変換する。なお、特色の変換は不要である。
図28の場合、RGB特色→CMYK特色変換部100Aは、入力されたRGB特色パッチデータを、(C,M,Y,K,特色)=(0,20,0,0,80)で表されるCMYK特色パッチデータに変換する。
以後の処理は、実施の形態1と同じである。
図29は、実施の形態5におけるシミュレーション装置50の機能構成例を説明する図である。図29には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
図29に示すシミュレーション装置50が図6に示すシミュレーション装置50と異なる点は、RGB特色形式の画像データをCMYK特色形式の印刷データに変換するRGB特色→CMYK特色変換部50Fが設けられる点である。
その他の点は、実施の形態1と同じである。
本実施の形態の場合、光の三原色で表現された画像データファイルがユーザ又はユーザが操作しているアプリケーションソフトウェアから与えられる場合でも、光沢が再現されたCG画像が操作画面上に表示される。
<実施の形態6>
前述の実施の形態の場合には、入力される印刷データの画像と印刷装置60から出力される印刷物のいずれもが平面の場合を想定しているが、本実施の形態では、入力された印刷データの画像を立体物を展開した展開図の表面に印刷する場合について説明する。
なお、本実施の形態では、図1に示す情報処理システム1を想定する。また、質感情報取得装置40(図1参照)として図4に示す機能構成を想定する。
図30は、実施の形態6におけるシミュレーション装置50の機能構成例を説明する図である。図30には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
図30に示すシミュレーション装置50が図6に示すシミュレーション装置50と異なる点は、印刷版データに対応する画像を印刷する対象物体の形状情報をレンダリング部50Dに設定する形状情報設定部50Gが設けられる点である。
図30の例は、3Dプレビューの対象とする画像を展開図に印刷する場合の例である。
図31は、実施の形態6における表示制御部50E(図30参照)によって表示装置70(図7参照)に表示される3次元モデルと印刷版データに対応する2次元画像との関係を説明する図である。(a)は印刷版データに対応する2次元画像の例であり、(b)は2次元画像を立体物に印刷したCG画像の例である。立体物の傾きはユーザにより自由に変更される。
本実施の形態の場合、特色として指定されたゴールド成分による金属光沢が再現されたCG画像を実際に使用する立体物に貼り付けた状態で観察することが可能である。このため、立体物に実際に印刷しなくても質感を容易に把握することが可能になる。
また、印刷前に質感の把握が容易になれば、作業画面上で特色を規定する数値を変更したり、指定する見本を変更したりして、印刷版データや画像データの編集も実現できる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。上述の実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
(1)前述の実施の形態では、画像処理装置30(図1参照)と印刷装置60(図1参照)が直接接続されている場合について説明したが、これらはネットワーク経由で接続されていてもよい。
図32は、他の実施の形態に係る情報処理システム200の全体構成例を示す図である。図32に示す装置は、前述した実施の形態で説明した装置である。
図32に示す情報処理システム200の場合、ネットワーク201に対して、印刷装置10又は60と、質感情報取得装置40と、シミュレーション装置50と、加飾装置90と、画像編集装置210が接続されている。ここでの画像編集装置210は画像編集部の一例である。
ここでのネットワーク201は、LAN(Local Area Network)でもよいし、インターネットでもよいし、クラウドネットワークでもよい。
図32の場合、質感情報取得装置40とシミュレーション装置50は独立した装置としてネットワーク201に接続されているが、前述した実施の形態のように画像処理装置30に内蔵されていてもよい。また、質感情報取得装置40は、拡散反射画像と鏡面反射画像を出力するスキャナ装置と、対応関係を生成する対応関係生成部43とに分割し、それぞれをネットワーク201に接続してもよい。
図32に示す画像編集装置210は、作業画面71(図7参照)が表示される表示装置を備える編集用の端末である。画像編集装置210は、コンピュータで構成され、例えばデザイン編集プログラムが実行される。
図32の例では、画像編集装置210に実施の形態5で説明した情報処理装置100の機能が内蔵されている。なお、画像編集装置210は、シミュレーション装置50の機能を内蔵してもよい。
いずれにしても、画像編集装置210は、作業画面71上でCG画像の光沢を確認しながら、質感に影響を与える要素の変更と変更の効果を確認しながら編集作業を行うことが可能である。
(2)前述の実施の形態においては、印刷データや画像データが与えられることを前提に3次元CG画像を生成して表示しているが、加飾パレット番号のみが指定された場合の3次元CG画像を生成してもよいし、特色パレット番号のみが指定された場合の3次元CG画像を生成してもよい。
(3)前述の実施の形態においては、鏡面反射指数nが2次元平面上の各画素で同じ場合について説明したが、各画素に応じて変化しても良い。
例えば、次式で表してもよい。
I(x,y)
=Ii・{w・G(x,y)・cosθ}+Ii・{w・{G(x,y)-G(x,y)}・cosn(x,y)γ}
なお、n(x,y)は、鏡面反射画像と拡散反射画像の差分画像の関数、すなわちf(G(x,y)-G(x,y))と定義してもよい。例えば差分画像の輝度が高くなるほど鏡面反射指数nの値が高くなるように設定してもよい。
(4)前述の実施の形態では、Phongの反射モデルを用いているが、Torrance-Sparrow反射モデル、あるいはCook-Torrance反射モデルを用いてもよい。
(5)前述の実施の形態においては、拡散反射重み係数w、鏡面反射重み係数wを固定値として説明しているが、作業画面上で調整できるようにしてもよい。
(6)前述の実施の形態においては、特色の指定を含む印刷データ(CMYK特色)との対応関係を記録したルックアップテーブルを生成したが、特色の指定を含む画像データ(RGB特色)との対応関係を記録したルックアップテーブルを生成して用いてもよい。
(7)前述の実施の形態においては、印刷装置10と質感情報取得装置40と印刷装置60をそれぞれ別装置として説明したが、印刷装置10と質感情報取得装置40と印刷装置60は1つの装置として構成されてもよいし、印刷装置10と質感情報取得装置40は1つの装置として構成されてもよいし、質感情報取得装置40と印刷装置60は1つの装置として構成されてもよい。
1、1A、1B、200…情報処理システム、10、60…印刷装置、20…印刷物、20A…加飾付き印刷物、30…画像処理装置、40…質感情報取得装置、42F…拡散反射画像取得部、42G…鏡面反射画像取得部、43…対応関係生成部、43A…差分画像取得部、43B、43C…平均値算出部、43D…対応関係記録部、44…対応関係データベース、44A…対応関係+偏差画像データベース、45…偏差画像生成部、45A…偏差拡散反射画像計算部、45B…偏差差分画像計算部、50…シミュレーション装置、73…3Dプレビューボタン、78…特色パレット、79…加飾パレット、80、90…加飾装置、100…情報処理装置、210…画像編集装置

Claims (15)

  1. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    を有し、
    前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、画像の印刷に使用される材料の種類と量を含む画像処理装置。
  2. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    を有し、
    前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、当該印刷物の生成に使用する印刷方式を含む画像処理装置。
  3. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    を有し、
    前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、表面加工に関する情報を含む画像処理装置。
  4. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    を有し、
    前記対応関係生成部は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する前記差分画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報とを対応付けたルックアップテーブルを生成する画像処理装置。
  5. 前記対応関係生成部は、前記見本パターンに対応する前記印刷物の質感に影響を与える情報に前記差分画像又は当該差分画像のグレースケール画像を更に対応付ける、請求項に記載の画像処理装置。
  6. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    を有し、
    前記対応関係生成部は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報と、当該見本パターンに対応する前記差分画像又はグレースケール画像との対応関係を保存する画像処理装置。
  7. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、質感に影響を与える情報を含む任意の印刷データ又は画像データ又は加工データに対応する出力結果を表すシミュレーション画像を生成する画像表示制御部と、
    有す画像処理装置。
  8. 印刷物の表面の拡散反射画像を取得する第1の画像取得部と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する第2の画像取得部と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける対応関係生成部と、
    前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、任意の印刷データ又は画像データ又は加工データの出力結果をシミュレーションした画像を表示し、当該印刷データ又は当該画像データ又は加工データに対する編集を受け付ける画像編集部と、
    有す画像処理装置。
  9. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    実現させるためのプログラムであり、
    前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、画像の印刷に使用される材料の種類と量を含む、プログラム
  10. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    を実現させるためのプログラムであり、
    前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、当該印刷物の生成に使用する印刷方式を含む、プログラム。
  11. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    を実現させるためのプログラムであり、
    前記印刷物の表面の質感に影響を与える情報は、当該印刷物を構成する記録媒体の情報と、表面加工に関する情報を含む、プログラム。
  12. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    を実現させるためのプログラムであり、
    前記対応付ける機能は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する前記差分画像の平均画素値と、当該見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報とを対応付けたルックアップテーブルを生成する、プログラム。
  13. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    を実現させるためのプログラムであり、
    前記対応付ける機能は、前記印刷物に形成された見本パターンに対応する当該印刷物の質感に影響を与える情報と、当該見本パターンに対応する前記差分画像又はグレースケール画像との対応関係を保存する、プログラム。
  14. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、質感に影響を与える情報を含む任意の印刷データ又は画像データ又は加工データに対応する出力結果を表すシミュレーション画像を生成する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
  15. コンピュータに、
    印刷物の表面の拡散反射画像を取得する機能と、
    前記印刷物の表面の正反射画像を取得する機能と、
    前記拡散反射画像と前記正反射画像の差分画像を生成する機能と、
    前記印刷物を形成する際に指定した当該印刷物の表面の質感に影響を与える情報に、前記拡散反射画像の情報と前記差分画像の情報とを対応付ける機能と、
    前記印刷物に形成された見本パターンに対応する前記拡散反射画像と前記差分画像の情報に基づいて、任意の印刷データ又は画像データ又は加工データの出力結果をシミュレーションした画像を表示し、当該印刷データ又は当該画像データ又は加工データに対する編集を受け付ける機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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