JP3652292B2 - スイベル継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機器に対してパイプや各種ホースを接続するためのスイベル継手に関し、更に詳しくは、ニップル軸のガタツキや回動が原因で生じるシール漏れを防ぐようにしたスイベル継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属ホース、油圧ホース、合成樹脂ホースなどの各種ホースやパイプ(以下、ホース等という)を各種機器に接続するのにスイベル継手が用いられている。このようなスイベル継手は、図3に示すように、ニップル軸31の一端側外周に、機器Mの取付部M1に螺合するネジ部32を外周面に有するナット体33を回動自在に嵌合した構成になっている。ニップル軸31の他端側には、ホース等が固定されるようになっている。
【0003】
上記のようなスイベル継手は、機器Mに取り付けられるナット体33がニップル軸31に回動自在であるため、ホースなどを捩じれることなく機器Mに装着することができるという利点がある。しかし、その反面、ナット体33とニップル軸31との間にナット体33の回動を許容するためのクリアランスが存在するため、振動を伴うような機器に接続すると、その振動によりガタツキが発生するので、ナット体33の内周面側に配置したOリング34のシール作用が阻害され、シール漏れを招くという問題があった。
【0004】
また、動きのある配管に用いられたホース等を接続した場合には、ニップル軸31が頻繁に回動するため、Oリング34が早期に磨耗してシール漏れを起こすという問題があった。更に、ニップル軸31にそれと交差する方向に延びるホース等を接続する、所謂エルボ配管のような場合には、ニップル軸31が機器Mに固定されたナット体33に対して回動してしまうため、接続されたホース等が固定できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ニップル軸のガタツキや回動に起因するシール漏れを防止することができ、かつエルボ配管におけるホース等の固定が可能なスイベル継手を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、筒状のニップル軸の一端側外周に、機器の取付部に螺合するネジ部を外周面に有するナット体を回動自在に嵌合し、該ナット体と前記ニップル軸との間に環状のシール部材を配置したスイベル継手において、前記ナット体より他端側の前記ニップル軸の外周面にネジ部を形成し、該ネジ部に前記ナット体を押圧可能な止めナットを螺合し、該ナット体を押圧する止めナットを介して前記ニップル軸を前記ナット体に固定可能にし、前記止めナットを介して前記ニップル軸を前記ナット体に固定することにより、前記回動を阻止可能にしたことを特徴とする。
【0007】
このようにニップル軸外周面のネジ部にナット体を押圧する止めナットを螺合したので、機器の取付部にナット体を取り付けた後、止めナットをナット体を押圧するように螺子込むことで、ナット体に止めナットを固定させ、それによりニップル軸を止めナットを介してナット体に固定することができる。
【0008】
その結果、ニップル軸とナット体の間にナット体の回動を許容するためのクリアランスがあっても、ニップル軸は止めナットを介してナット体に固定されるので、振動を伴うような機器と接続してもニップル軸にガタツキを招くことがない。また、動きのある配管に用いられたホース等を接続した場合であっても、ニップル軸がナット体に固定されているので回動することがない。従って、ニップル軸のガタツキや回動が原因で生じるシール部材のシール漏れの防止が可能になる。また、エルボ配管におけるホース等の固定も可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明のスイベル継手の一例を示し、1はホース等Hを接続するニップル軸、2はスイベル継手を機器Mの取付部M1に装着するためのナット体、3はニップル軸1とナット体2とを固定状態にするための止めナットである。
【0011】
ニップル軸1は、円筒状に形成され、内周側が流体の通路4になっている。ニップル軸1の外周面は、一端側から他端側に向けて階段状に拡径する構造になっており、外径が最も小さい一端側部5の外周側にナット体2が取り付けられている。一端側部5の外周面5aの更に一端側には、ナット体2の離脱を防止する止めリング20を着脱自在に装着するための環状溝21が、外周面5aの周方向に沿って設けられている。
【0012】
一端側部5に続く中間部6は、一端側部5より外径が大きく、その外周面6aにネジ部19が形成され、そのネジ部19に止めナット3が取り付けられている。
【0013】
中間部6より他端側の他端側部7は、その外径が中間部6の外径より更に大きくなっている。その外周面7aは多角形状(図では6角形状)に形成され、工具で把持するのを容易にしている。他端側部7の内周側にホース等Hが溶接などにより固着されるようになっている。
【0014】
ナット体2は、機器Mの取付部M1に螺合するネジ部9を外周面に有する円筒部10と、その他端側に一体的に連接されて外周側に突出する環状の鍔部11とから構成され、ニップル軸1の一端側部5に回動自在に嵌合している。弾性を有するC字状の止めリング20が環状溝21に装着され、ナット体2は一端側部5に係止されている。鍔部11の外周面11aは多角形状(図では6角形状)に形成され、工具で把持するのを容易にしている。
【0015】
ナット体2の内周面2aには、周方向に沿って環状溝22が形成され、その環状溝22にナット体2とニップル軸1との間をシールする環状のシール部材23を配設している。円筒部10の他端側外周面には、周方向に沿って環状溝24が形成され、その環状溝24にナット体2と機器Mとの間をシールする環状のシール部材25が設けられている。
【0016】
止めナット3は、ナット体2より他端側に隣接する中間部6のネジ部19に螺合しており、止めナット3を図1の左右に移動させることによりナット体2の鍔部11を押圧かつ離間可能になっている。この止めナット3は、その外周面がナット体2や他端側部7と同様に、多角形状(図では6角形状)に形成されている。
【0017】
上記スイベル継手は、ニップル軸1の一端側から止めナット3を中間部6のネジ部19に螺嵌させ、次いで環状のシール部材23,25を環状溝22,24に装着したナット体2を一端側部5に嵌挿し、最後に環状溝21に止めリング20を装着することにより容易に組み立てられ、また逆の方法で容易に分解されるようになっている。
【0018】
上述したスイベル継手によれば、ナット体2より他端側のニップル軸1の中間部外周面6aにネジ部19を形成し、そのネジ部19にナット体2を押圧可能な止めナット3を螺合したので、機器Mの取付部M1にナット体2を螺嵌した後、止めナット3を図1の左方向に移動させ、ナット体2を止めナット3により押圧してナット体2に止めナット3を固定することにより、ニップル軸1が機器Mに固定されたナット体2に固定される。
【0019】
そのため、ニップル軸1とナット体2の間にナット体2の回動を可能にするためのクリアランスがあっても、ニップル軸1は止めナット3を介してナット体2に固定されるので、振動を伴うような機器に接続しても、ニップル軸1にガタツキが発生することがない。また、動きのある配管に用いられたホース等を接続した場合であっても、ニップル軸1がナット体2に固定されているので回動することがない。従って、ニップル軸1のガタツキや回動に起因するシール部材23のシール漏れを防止することができる。
【0020】
図2は、本発明のスイベル継手の他の例を示し、上記実施形態において、ホース等Hが固設されるニップル軸1の他端側部7下方に流体の通路4の開口4aを形成し、ニップル軸1に対して直交する方向に延びるホース等Hを接続する、所謂エルボ配管に用いられるスイベル継手になっている。
【0021】
このようなスイベル継手であっても、止めナット3によりニップル軸1をナット体2に固定できるため、上述した効果に加えて、エルボ配管におけるホース等Hの固定を確実に行うことができる。
【0022】
本発明において、上記実施形態では、ニップル軸1からナット体2が離脱するのを防止するために止めリング20を用いたが、図3の従来技術に示すように、ニップル軸の一端部を拡開してナット体の一端側に係合させるようにした構成であってもよく、本発明は、ニップル軸1の一端側外周に、機器Mの取付部M1に螺合するネジ部9を外周面に有するナット体2を回動自在に嵌合し、ナット体2とニップル軸1との間に環状のシール部材23を配置したスイベル継手であれは、いずれの継手にも好適に用いることができる。
【0023】
【発明の効果】
上述したように本発明のスイベル継手は、ナット体より他端側のニップル軸の外周面にネジ部を形成し、該ネジ部にナット体を押圧可能な止めナットを螺合したので、止めナットによりニップル軸を機器の取付部に固定されるナット体に固定することができるため、ニップル軸のガタツキや回動に起因するシール漏れを防止することができ、かつエルボ配管におけるホース等の固定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイベル継手の一例を中心線より上側を断面にして示す正面図である。
【図2】本発明のスイベル継手の他の例を中心線より上側及び右側を断面にして示す正面図である。
【図3】従来のスイベル継手の一例を中心線より上側を断面にして示す正面図である。
【符号の説明】
1 ニップル軸 2 ナット体
3 止めナット 5 一端側部
6 中間部 6a 外周面
7 他端側部 7a 外周面
9 ネジ部 19 ネジ部
20 止めリング 23 シール部材
H ホース等 M 機器
M1 取付部

Claims (4)

  1. 筒状のニップル軸の一端側外周に、機器の取付部に螺合するネジ部を外周面に有するナット体を回動自在に嵌合し、該ナット体と前記ニップル軸との間に環状のシール部材を配置したスイベル継手において、前記ナット体より他端側の前記ニップル軸の外周面にネジ部を形成し、該ネジ部に前記ナット体を押圧可能な止めナットを螺合し、該ナット体を押圧する止めナットを介して前記ニップル軸を前記ナット体に固定可能にし、前記止めナットを介して前記ニップル軸を前記ナット体に固定することにより、前記回動を阻止可能にしたスイベル継手。
  2. 前記ニップル軸外周面のネジ部を前記ナット体に隣接して設け、該ネジ部が位置するニップル軸の径を前記ナット体が嵌合するニップル軸の径より大きくした請求項1に記載のスイベル継手。
  3. 前記ナット体より一端側の前記ニップル軸の外周に、嵌合するナット体が離脱するのを防ぐ止めリングを装着した請求項1または2に記載のスイベル継手。
  4. 前記ニップル軸外周面のネジ部より他端側のニップル軸の径を該ネジ部が位置するニップル軸の径より大きくし、かつ外周面を多角形状にした請求項1,2または3に記載のスイベル継手。
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