JP3650910B2 - 伝熱部及び伝熱部形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被加工材をプレス成型して得られる熱交換器用の伝熱部、及び当該伝熱部の形成方法に関し、特に、所定のプレス形状が複数並設された伝熱部、及び被加工材に対し前記プレス形状を適宜並設できる伝熱部形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温流体と低温流体との間で熱の授受(熱交換)を行わせる熱交換器の使用にあたり、熱伝達率を大きくして熱交換性能を高めたい場合には、従来からプレート式の熱交換器が多く用いられていた。このプレート式の熱交換器は、複数の略板状の伝熱部(プレート)を平行に所定間隔で重ね合せ、各伝熱部間をそれぞれ流路として、各流路には伝熱部一枚おきに高温流体と低温流体を交互に流して、各伝熱部を介して熱交換させる構造である。
【0003】
プレート式の熱交換器で用いられる伝熱部には、熱交換用の各流体と表裏で接触する伝熱面として、一般に所定の凹凸形状パターンが形成されている。この凹凸形状パターンは、流体の流れに乱れを与えて熱伝達性能を向上させたり、伝熱面積を増やしたり、プレート強度を高めたりする役目がある。
【0004】
このような凹凸形状パターンを形成される伝熱部は一般に金属薄板からなり、プレス装置によりプレス成型されて使用に供されている。プレス装置による伝熱部の成型には、従来から一組の金型が用いられ、組をなす型間に被加工材である金属薄板を配置し、型に互いに接近する関係運動を行わせることで、金属薄板に伝熱面をはじめとする伝熱部各形状を形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の伝熱部は以上のように構成されていたことから、プレート式の熱交換器において各伝熱部がごく狭い間隔で配置され、且つ伝熱部表裏を流れる高温流体と低温流体との間に大きな圧力差がある場合、流体の圧力で伝熱部が変形して隣合う伝熱部と接触し、伝熱部間隔が変ったり伝熱面が損傷したりして熱交換が有効に行えなくなる危険性があるという課題を有していた。
【0006】
また、伝熱面の凹凸形状パターンは、熱伝達効率や凝縮性能を向上させるために種々の形状を与えられるが、凹凸のピッチが一端部で疎、他端部で密となるような不均一なパターンである場合、プレス成型において、プレス部分に隣接する非プレス部分からプレス部分への材料の引込まれ具合が凹凸形状パターン各位置で異なる状態となる。このため、プレス成型後に伝熱部のプレス部分や非プレス部分で過度の歪みが残留し、伝熱部の一部又は全体が湾曲したり、変形したりする危険性もあるという課題を有していた。
【0007】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、伝熱面をなす凹凸形状パターンと共に所定の凹凸形状を配置して、異常変形を抑えつつ他の伝熱部との間隔を維持可能とし、熱交換を確実に行える伝熱部及び当該伝熱部を形成する伝熱部形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る伝熱部は、金属薄板を素材とし、プレス装置の型でプレス成型されて、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面を少なくとも一部に含む所定形状に形成される熱交換器用の伝熱部において、前記伝熱面が、複数の凹部又は凸部を所定ピッチで直列に配設されてなる中央パターン部と、当該中央パターン部を中心に対称形状とされて中央パターン部を挟む両側に配置される一対の熱交換用凹凸パターン部と、当該一対の熱交換用凹凸パターン部の外側隣接部分に中央パターン部と平行に且つ略同じピッチで複数の凹部又は凸部を直列に配設されてなる所定幅の境界パターン部とを、一組又は複数組並列させて形成され、前記中央パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されるものである。
【0009】
このように本発明においては、凹部又は凸部が複数配設される中央パターン部、その両側に対称に一対配設される所定の熱交換用凹凸パターン部、及び前記中央パターン部同様に凹部又は凸部が配設される境界パターン部を一組又は複数組プレス成型されて、これら全体で一つの伝熱面として形成されることにより、熱交換器として組合わせるために他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、重なる各伝熱部の中央パターン部及び境界パターン部同士が互いに向い合う凸部分で接触することとなり、伝熱面同士の間隔を一定に維持でき、熱交換用流体同士の圧力差が大きい状態にも対応でき、熱交換特性を均一化できると共に、伝熱部を組合わせた熱交換器全体の強度を確実に維持できる。また、熱交換用凹凸パターン部が伝熱面天地方向に不均一なパターンとなっていてもその外側に均一なパターンである境界パターン部を配置しており、プレス成型後の残留歪みを小さくでき、伝熱部各部の異常変形等を防止できる。さらに、中央パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に平行させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、中央パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、中央パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、中央パターン部同士の接触部分を必要最小限として中央パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められる。加えて、略波状横断面形状の凹凸を与えることで中央パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなる。
【0010】
また、本発明に係る伝熱部は、金属薄板を素材とし、プレス装置の型でプレス成型されて、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面を少なくとも一部に含む所定形状に形成される熱交換器用の伝熱部において、前記伝熱面が、複数の凹部又は凸部を所定ピッチで直列に配設されてなる中央パターン部と、当該中央パターン部を中心に対称形状とされて中央パターン部を挟む両側に配置される一対の熱交換用凹凸パターン部と、前記中央パターン部及び熱交換用凹凸パターン部の端部隣接部分に中央パターン部と直交する向きへ所定のピッチで複数の凹部又は凸部を直列に配設されてなる所定幅の境界パターン部とを、一組又は複数組中央パターン部と平行に並べて形成され、前記中央パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されるものである。
【0011】
このように本発明においては、凹部又は凸部が複数配設される中央パターン部、その両側に対称に一対配設される所定の熱交換用凹凸パターン部、及び中央パターン部と熱交換用凹凸パターン部の端部側で凹部又は凸部が直列配設される境界パターン部を一組又は複数組プレス成型されて、これら全体で一つの伝熱面として形成されることにより、熱交換器として組合わせるために他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、重なる各伝熱部の中央パターン部及び境界パターン部同士が互いに向い合う凸部分で接触することとなり、伝熱面同士の間隔を一定に維持でき、熱交換用流体同士の圧力差が大きい状態にも対応でき、熱交換特性を均一化できると共に、伝熱部を組合わせた熱交換器全体の強度を確実に維持できる。また、中央パターン部及び熱交換用凹凸パターン部の各端部が伝熱面横方向に不均一なパターンとなっていてもその隣接部分に均一なパターンである境界パターン部を配置しており、プレス成型後の残留歪みを小さくでき、伝熱部各部の異常変形等を防止できる。さらに、中央パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に平行させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、中央パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、中央パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、中央パターン部同士の接触部分を必要最小限として中央パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められる。加えて、略波状横断面形状の凹凸を与えることで中央パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなる。
【0012】
また、本発明に係る伝熱部は必要に応じて、前記境界パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向と直交する向きに溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されるものである。
このように本発明においては、境界パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に直交させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、境界パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、境界パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、境界パターン部同士の接触部分を必要最小限として境界パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められる。さらに、略波状横断面形状の凹凸を与えることで境界パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなる。
【0013】
また、本発明に係る伝熱部は必要に応じて、前記境界パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されるものである。このように本発明においては、境界パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に平行させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、境界パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、境界パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、境界パターン部同士の接触部分を必要最小限として境界パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められる。さらに、略波状横断面形状の凹凸を与えることで境界パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなる。
【0014】
また、本発明に係る伝熱部形成方法は、金属薄板からなる被加工材を単一の送り方向に移送しつつプレス装置の型でプレス成型して、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面が少なくとも一部に含まれる所定形状の熱交換器用伝熱部を形成する伝熱部形成方法において、前記プレス装置が、前記被加工材の送り方向前後端所定範囲部分にそれぞれ前記送り方向中央位置について対称形状となり且つ前記送り方向と直交する向きへ均等に配置される所定の凹凸パターンを有してなる伝熱面成型用の主型を有し、前記被加工材を前記プレス装置の主型でプレスし、被加工材にプレス形状を一組又は複数組隙間無く並列させて成型して伝熱部とするものである。
【0015】
このように本発明においては、被加工材送り方向の前後端部分に対称な凹凸パターンが一対形成された主型を有するプレス装置で被加工材に対しプレス成型を行い、プレス装置の一プレス動作を経て、被加工材のプレス部分における送り方向前後端部箇所が送り方向と直交する向きに複数の凹凸を均等配置された形状となることにより、主型の送り方向中間部分の形状に関係なく、被加工材の非プレス部分に隣接するプレス部分所定範囲をほぼ均質な成型状態とすることができ、プレス成型時の非プレス部分からプレス部分への材料の引込まれ具合がプレス部分と非プレス部分との境界各位置でほぼ等しい状態となり、成型後のプレス部分や非プレス部分で歪みが残留しにくく、最終的に得られる伝熱部の異常な変形を防止できる。
【0016】
また、本発明に係る伝熱部形成方法は必要に応じて、前記プレス装置の主型が、前記送り方向前後端の凹凸パターンを同一形状とされ、前記被加工材を所定長さずつ送り、被加工材の前記プレス装置による成型済箇所のうち前記主型における前記送り方向後端側の前記凹凸パターンによる成型部分に対し、主型の前記送り方向先端側の凹凸パターンで再度プレスしつつ、被加工材にプレス形状を複数組成型していくものである。
【0017】
このように本発明においては、主型における被加工材送り方向の前後端部分に同じ凹凸パターンを配設し、プレス装置で被加工材に対し複数回プレス成型を行う中で、被加工材のプレス成型済箇所のうち主型の送り方向後端側凹凸パターンによる成型部分を、新たなプレス動作で主型の送り方向先端側凹凸パターンによって再度プレスし、被加工材のプレス部分における送り方向前後端部箇所を重複させていくことにより、プレス済部分の一部を再プレスで保持してプレス済部分から新規プレス部分への材料の動きを抑えられることとなり、プレス済部分の新規プレスに伴う歪みを緩和でき、成型後のプレス部分や非プレス部分で歪みが残留しにくく、最終的に得られる伝熱部の異常な変形を確実に防止できる。また、伝熱部の凹凸パターンによる成型部分を重複させて変形を防ぎながら伝熱面としての有効作用部分を最大限確保できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る伝熱部の正面図、図2は本実施の形態に係る伝熱部の成型途中状態説明図、図3は本実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材一端部のプレス動作説明図、図4は本実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材中間部のプレス動作説明図、図5は本実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材他端部のプレス動作説明図、図6は本実施の形態に係る伝熱部の一部拡大図、図7は図6のA部拡大斜視図、図8は本実施の形態に係る伝熱部における中央パターン部の要部縦断面図、図9は本実施の形態に係る伝熱部における中央パターン部の要部拡大縦断面図及び拡大横断面図である。
前記各図において本実施の形態に係る伝熱部100は、略矩形状の金属薄板を素材とし、所定のプレス装置1に対し単一の送り方向に移送され、プレス装置1で略中央部分に伝熱面110を成型されると共に、伝熱面110周囲にフランジ部120を成型されて、プレス形状が複数並んだ形状に形成される構成である。
【0019】
前記伝熱面110は、一方の面に高温流体、他方の面に低温流体がそれぞれ接触して熱伝達を行うのに最適化された所定の凹凸形状を有する領域であり、プレス装置1による複数回のプレス成型で形成される構成である。この伝熱面110をなす単位領域として、上向きの凸部を複数所定ピッチで直列に配設されてなる中央パターン部111と、この中央パターン部111を中心に対称形状とされて中央パターン部111を挟む両側に配置される一対の熱交換用凹凸パターン部112と、この熱交換用凹凸パターン部112の前記中央パターン部111とは反対側の外側隣接部分に中央パターン部111と平行に且つ略同じピッチで複数の凸部を直列に配設されてなる境界パターン部113とを備える構成である。
前記熱交換用凹凸パターン部112は、熱伝達特性に優れた波形断面形状や、凝縮水を速やかに排出可能な溝状部分などを有する公知の凹凸形状パターンとなっており、詳細な説明を省略する。
【0020】
前記境界パターン部113は、中央パターン部111と同じ幅とされて形成される構成である。さらに、中央パターン部111及び境界パターン部113には、前記凸部の直列方向と平行に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略正弦波状となる複数列の凹凸部114が重畳状態で成型される構成である。こうした略波状横断面形状の凹凸形状を与えることで中央パターン部111及び境界パターン部113の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなっている。
前記フランジ部120は、所定幅の平坦部分121を外周縁部分のうち送り方向と平行な二辺にそれぞれ連続させて形成されると共に、送り方向と直交する二辺にそれぞれ伝熱面110に連なる上向きの凸部(下から見ると凹部)122を形成されてなる構成である。
【0021】
前記伝熱部100を形成するプレス装置1は、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面110等を成型する上下一組の主型10と、主型10の被加工材送り方向前後側にそれぞれ取替可能に隣接配置される端部成型用の二組の補助型20、30とを備える構成である。これら主型10、補助型20、30の近傍には、被加工材50のプレス対象箇所が各型の各プレス可能位置に到達したかどうかを判定する検出手段(図示を省略)が配設される構成である。
前記主型10は、フランジ部120の平坦部分121と共に、伝熱面110の中央パターン部111、熱交換用凹凸パターン部112、及び境界パターン部113をそれぞれ成型可能な型形状を有する構成であり、特に、送り方向前後端所定範囲部分には、伝熱面110の境界パターン部113に対応させて、それぞれ送り方向と直交する向きへ均等に配置される凹凸パターンが同一形状で形成される。
【0022】
次に、本実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材の成型動作について説明する。前提として、被加工材50はあらかじめ欠陥を監視されており、欠陥がない被加工材50のみプレス装置1側に送られるものとする。
まず、プレス装置1の各型を互いに離れた初期状態とした後、被加工材50を所定の被加工材送り部(図示を省略)で送り、被加工材50の一端部を各型間に挿入していく。被加工材50の一端部がプレス装置1のプレス可能位置まで達すると、被加工材50の送りが一時停止され、被加工材50の一端部はプレス装置1の主型10と補助型20でそれぞれ押圧され、均等に圧力を加えられてそれぞれ型に応じた所定の凹凸形状に確実に成型される(図3参照)。
【0023】
主型10によるプレス成型部分は、中央パターン部111を中心として、その両側に一対の熱交換用凹凸パターン部112を配置され、さらに外側に境界パターン部113をそれぞれ配置された状態となっている(図2参照)。被加工材50の非プレス部分にほぼ均質な成型状態の境界パターン部113を隣接させて、プレス成型時の非プレス部分からプレス部分への材料の引込まれ具合をプレス部分と非プレス部分との境界各位置でほぼ等しい状態とすることができ、成型後のプレス部分や非プレス部分で歪みが残留しにくくなっている。
【0024】
被加工材50一端部の成型後、プレス装置1は各型を離隔させる一方、被加工材送り部が被加工材50の送りを再開し、主型10のみによるプレス工程へ移行する。ここで、被加工材50の新たなプレス対象箇所は既にプレス成型されたプレス済部分のうち、送り方向後端側の境界パターン部113を含んでおり、この部分を主型10の送り方向先端側の凹凸パターン部分で再び押圧する状態となる。
被加工材50の新たなプレス対象箇所がプレス装置1のプレス可能位置に達すると、被加工材50の送りが一時停止され、被加工材50の一端部隣接部分がプレス装置1の主型10で押圧され、均等に圧力を加えられて型に応じた所定の凹凸形状に確実に成型される(図4参照)。
【0025】
この後、プレス装置1が各型を離隔させる一方、被加工材送り部が被加工材50の送りを再開し、次のプレス対象箇所がプレス可能位置に達するまで被加工材50を送る。そして、プレス装置1が前記同様に上下の型を互いに近付け、被加工材50の新たな所定部分をプレスする。さらに、前記同様に被加工材50の送り、プレス成型の一連の工程が被加工材50のプレス対象箇所の数だけ複数回繰返され、プレス装置1の主型10が、プレス毎に所定長さずつ送られる被加工材50に対しプレスを複数回行うこととなる。
【0026】
この主型10による複数回のプレス工程の中で、被加工材50のプレス装置1による前回分成型箇所のうち送り方向後端側の境界パターン部113が、主型10の送り方向先端側の凹凸パターン部分で再びプレスされる状態も繰返されることとなり、被加工材50には成型されたプレス形状が被加工材送り方向へ複数組隙間無く並び、且つ熱交換用凹凸パターン部112に対し第二突起パタ−ン部113を一つだけ隣接させた形状が与えられる。
【0027】
この主型10による所定回のプレス終了後、被加工材送り方向後側の補助型30と主型10による最後のプレス工程へ移行し、プレス装置1の各型を互いに離れた状態とした後、被加工材送り部で被加工材50を送る。被加工材50の他端部がプレス可能位置に達すると、被加工材50の送りが一時停止され、被加工材50の他端部はプレス装置1の主型10と補助型30でそれぞれ押圧され、それぞれ均等に圧力を加えられて型に応じた所定の凹凸形状に確実に成型される(図5参照)。この最後のプレス工程においても、被加工材50のプレス装置1による前回分成型箇所のうち送り方向後端側の境界パターン部113が、主型10の送り方向先端側の凹凸パターン部分で再びプレスされる。
【0028】
プレス装置1によるプレス成型が終了すると、プレス装置1が全ての上型と下型とを互いに離隔させる。そして、被加工材送り部が被加工材50の送りを再開し、被加工材50を送り方向へ移動させてプレス装置1の各上下型間から排出し、この加工済の被加工材50を伝熱部100として次工程へ移送する。
続いて、本実施の形態に係る伝熱部の成型後状態について説明する。前記伝熱部形成動作に基づいて素材の金属薄板に対するプレス装置1によるプレス成型が終了した後、プレス装置1から搬出された伝熱部100は、同様にして形成された他の伝熱部100と天地及び表裏を逆にした状態で二つ重ね合され、フランジ部120の平坦部分121の一部を溶接代として溶接加工により一体化され、一組の熱交換ユニット200となる。この熱交換ユニット200が複数並列に組合わされて熱交換器の要部をなす。
【0029】
伝熱部100は、他の伝熱部100を天地及び表裏を逆にした状態で重ね合せると、平坦部分121同士で互いに密着すると共に、中央パターン部111及び境界パターン部113のうち凸部として突出させていない部分(内方から見ると凸部分)同士が互いに接触し、二つの伝熱部100を互いに所定間隔に維持する(図8参照)。そして、フランジ部120に囲まれて且つ互いの伝熱面110に挟まれた内部空間が生じる一方、二辺に配置した各凸部122位置がそれぞれこの内部空間に連通する開口部130となる(図7参照)。開口部130の位置は、凸部122位置の調整で任意に設定できる。
【0030】
また、互いに接触する中央パターン部111及び境界パターン部113においては、それぞれ凹凸部114における凸部分同士が互いに当接すると共に、対向する凹部分間に隙間が生じた状態となっており、この隙間を熱交換用流体が通過可能である(図9参照)。中央パターン部111及び境界パターン部113同士の接触部分は必要最小限となっており、熱交換用流体を伝熱部100表裏にスムーズに流通させることができ、伝熱面110に高い熱交換性能を与えられる。
【0031】
伝熱部100が熱交換ユニット200として組合わされた状態では、凸部122により形成される開口部130を介して内部空間に熱交換用流体を流入・流出させられる。そして、この伝熱部100からなる熱交換ユニット200の外側に別の熱交換用流体を流通させると、内部空間の熱交換用流体との間で熱交換が行えることとなる。特に、熱交換ユニット200の内部空間に気相の熱交換用流体を流通させ、熱交換ユニット200外側に十分に低温の熱交換用流体を流通させると、内部空間における気相の熱交換用流体が冷却されて凝縮し、凝縮水が伝熱面110に沿って流下することとなり、熱交換ユニット200を凝縮器として有効に用いることができる。この時、凝縮水を伝熱面110の熱交換用凹凸パターン部112から中央パターン部111や境界パターン部113に集め、これら中央パターン部111及び境界パターン部113の凹凸部114における隙間を通じて速やかに流下させられ、凝縮水を滞留させず適切に排除して熱交換性能を十分確保できる。
さらに、一体化された熱交換ユニット200が複数重ねられて熱交換器の要部とされる状態では、中央パターン部111及び境界パターン部113の凸部、並びにフランジ部120における二辺の凸部122が他の伝熱部100側の各凸部と互いに当接し、他の伝熱部100との間隔を確実に一定状態に維持できる。
【0032】
このように、本実施の形態に係る伝熱部においては、凸部が複数配設される中央パターン部111、その両側に対称に一対配設される熱交換用凹凸パターン部112、及び中央パターン部同様に凸部が配設される境界パターン部113を複数組プレス成型され、これら全体で一つの伝熱面110とされることから、他の伝熱部100に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、隣合う各伝熱部100の中央パターン部111及び境界パターン部113同士が互いに向い合う凸部分で接触することとなり、伝熱面110表裏の熱交換用流体同士の圧力差が大きい場合でも伝熱面110同士の間隔を一定に維持でき、熱交換特性を均一化できる。
【0033】
また、本実施の形態に係る伝熱部の形成方法においては、プレス装置1で被加工材50に対し複数回プレス成型を行う中で、被加工材50のプレス成型済箇所のうち送り方向後端側の境界パターン部113を、新たなプレス動作で主型10の送り方向先端側凹凸パターンによって再度プレスしていくことから、プレス済部分の一部である境界パターン部113を再プレスで保持してプレス済部分から新規プレス部分への材料の動きを抑えられることとなり、新規プレスに伴うプレス済部分の歪みを緩和でき、成型後のプレス部分や非プレス部分で歪みが残留しにくく、最終的に得られる伝熱部100の異常な変形を確実に防止できる。
【0034】
なお、前記実施の形態に係る伝熱部においては、プレス装置1で複数のプレス形状を並べて成型されて一つの伝熱面110が形成される構成としているが、これに限らず、中央パターン部111を中心として、その両側に一対の熱交換用凹凸パターン部112、さらに外側に境界パターン部113をそれぞれ配置された組合せ形状を一組のみ成型されて伝熱面110が形成される構成とすることもでき、伝熱部100を小型化でき、小型の熱交換器にも対応させられる。
【0035】
また、前記実施の形態に係る伝熱部においては、プレス装置1で複数のプレス形状を並べて成型されて各パターンが横長に並列する伝熱面110を形成される構成としているが、これに限らず、プレス装置1の主型形状を、被加工材50に対し中央パターン部111及び熱交換用凹凸パターン部112を送り方向に平行な向きに成型可能で、且つ、送り方向前後端所定範囲部分には前記同様境界パターン部113に対応させてそれぞれ送り方向と直交する向きへ均等に配置される凹凸パターンが同一形状で形成される型形状とし、前記実施の形態と同様の成型工程を経て、図10に示すように、中央パターン部111及び熱交換用凹凸パターン部112が中央パターン部111に直交する向きの境界パターン部113を間に挟む配置で複数縦に並べて配置された伝熱面110とされる構成とすることもでき、前記同様、伝熱部100に他の伝熱部100に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、隣合う各伝熱部100の中央パターン部111及び境界パターン部113同士が互いに向い合う凸部分で接触し、伝熱面110同士の間隔を一定に維持できる。さらに、中央パターン部111及び熱交換用凹凸パターン部112の各端部が伝熱面110横方向に不均一なパターンとなっていてもその隣接部分に均一な境界パターン部113を配置することに加え、中央パターン部111及び熱交換用凹凸パターン部112に挟まれる箇所の境界パターン部113を二度プレスし、境界パターン部113を二度目のプレスで保持してプレス済部分から新規プレス部分への材料の動きを抑えられるようにしており、プレス成型後の歪みが残留しにくく、伝熱部100各部の異常変形等を確実に防止できる。
【0036】
また、前記実施の形態に係る伝熱部において、境界パターン部113は中央パターン部111と常に同じ幅とされて形成される構成としているが、これに限らず、伝熱部100の境界パターン部113に対応しているプレス装置1の主型10における送り方向前後端の凹凸パターンを、主型10の中央パターン部111対応部分の二分割形状とし、プレス成型時の被加工材送り長さを変えて一旦プレスされた成型済部分に新規プレス部分を重ねずに未プレス部分にのみ新規プレスを行うようにして、熱交換用凹凸パターン部112に挟まれる位置の境界パターン部113が半分ずつプレス成型されて形成される構成とすることもできる。この場合、境界パターン部113は、熱交換用凹凸パターン部112に挟まれる箇所でそれぞれ中央パターン部111と同じ幅になる一方、伝熱面110の最も外側に位置する箇所については、中央パターン部111を凸部の直列方向に平行な中心線で二等分割した形状とされて中央パターン部111の半分の幅となる。
【0037】
また、前記実施の形態に係る伝熱部において、中央パターン部111及び境界パターン部113には凸部の直列方向と平行に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略正弦波状となる複数列の凹凸部114が重畳状態で成型される構成としているが、この他、伝熱面110の各熱交換用凹凸パターン部112についても、溝状及び凸条状に連続して横断面形状が略波状となる複数列の凹凸部を重畳させて成型する構成とすることもでき、熱交換用凹凸パターン部112においても成型性が向上し、製品欠陥を発生しにくくすることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、凹部又は凸部が複数配設される中央パターン部、その両側に対称に一対配設される所定の熱交換用凹凸パターン部、及び前記中央パターン部同様に凹部又は凸部が配設される境界パターン部を一組又は複数組プレス成型されて、これら全体で一つの伝熱面として形成されることにより、熱交換器として組合わせるために他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、重なる各伝熱部の中央パターン部及び境界パターン部同士が互いに向い合う凸部分で接触することとなり、伝熱面同士の間隔を一定に維持でき、熱交換用流体同士の圧力差が大きい状態にも対応でき、熱交換特性を均一化できると共に、伝熱部を組合わせた熱交換器全体の強度を確実に維持できるという効果を奏する。また、熱交換用凹凸パターン部が伝熱面天地方向に不均一なパターンとなっていてもその外側に均一なパターンである境界パターン部を配置しており、プレス成型後の残留歪みを小さくでき、伝熱部各部の異常変形等を防止できるという効果を有する。さらに、中央パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に平行させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、中央パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、中央パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、中央パターン部同士の接触部分を必要最小限として中央パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められるという効果を有する。加えて、略波状横断面形状の凹凸を与えることで中央パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなるという効果を有する。
【0039】
また、本発明によれば、凹部又は凸部が複数配設される中央パターン部、その両側に対称に一対配設される所定の熱交換用凹凸パターン部、及び中央パターン部と熱交換用凹凸パターン部の端部側で凹部又は凸部が直列配設される境界パターン部を一組又は複数組プレス成型されて、これら全体で一つの伝熱面として形成されることにより、熱交換器として組合わせるために他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、重なる各伝熱部の中央パターン部及び境界パターン部同士が互いに向い合う凸部分で接触することとなり、伝熱面同士の間隔を一定に維持でき、熱交換用流体同士の圧力差が大きい状態にも対応でき、熱交換特性を均一化できると共に、伝熱部を組合わせた熱交換器全体の強度を確実に維持できるという効果を有する。また、中央パターン部及び熱交換用凹凸パターン部の各端部が伝熱面横方向に不均一なパターンとなっていてもその隣接部分に均一なパターンである境界パターン部を配置しており、プレス成型後の残留歪みを小さくでき、伝熱部各部の異常変形等を防止できるという効果を有する。さらに、中央パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に平行させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、中央パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、中央パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、中央パターン部同士の接触部分を必要最小限として中央パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められる。加えて、略波状横断面形状の凹凸を与えることで中央パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなるという効果を有する。
【0040】
また、本発明によれば、境界パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に直交させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、境界パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、境界パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、境界パターン部同士の接触部分を必要最小限として境界パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められるという効果を有する。さらに、略波状横断面形状の凹凸を与えることで境界パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなるという効果を有する。
【0041】
また、本発明によれば、境界パターン部に、滑らかに連続する略波状横断面形状を有して溝状及び凸条状に連続する複数列の凹凸部が凹部又は凸部の直列する方向に平行させて成型され、他の伝熱部に天地及び表裏を逆にして重ね合せると、境界パターン部同士互いに向い合う凸部分で且つ複数列の凹凸部における各凸状部位で接触することにより、境界パターン部同士の接触箇所を減らせることとなり、境界パターン部同士の接触部分を必要最小限として境界パターン部に連続する隙間を確保でき、凝縮器として用いる場合に液相の熱交換用流体を滞留させずスムーズに流下させられ、伝熱面における熱交換性能を高められるという効果を有する。さらに、略波状横断面形状の凹凸を与えることで境界パターン部の成型性が向上し、製品欠陥も発生しにくくなるという効果を有する。
【0042】
また、本発明によれば、被加工材送り方向の前後端部分に対称な凹凸パターンが一対形成された主型を有するプレス装置で被加工材に対しプレス成型を行い、プレス装置の一プレス動作を経て、被加工材のプレス部分における送り方向前後端部箇所が送り方向と直交する向きに複数の凹凸を均等配置された形状となることにより、主型の送り方向中間部分の形状に関係なく、被加工材の非プレス部分に隣接するプレス部分所定範囲をほぼ均質な成型状態とすることができ、プレス成型時の非プレス部分からプレス部分への材料の引込まれ具合がプレス部分と非プレス部分との境界各位置でほぼ等しい状態となり、成型後のプレス部分や非プレス部分で歪みが残留しにくく、最終的に得られる伝熱部の異常な変形を防止できるという効果を有する。
【0043】
また、本発明によれば、主型における被加工材送り方向の前後端部分に同じ凹凸パターンを配設し、プレス装置で被加工材に対し複数回プレス成型を行う中で、被加工材のプレス成型済箇所のうち主型の送り方向後端側凹凸パターンによる成型部分を、新たなプレス動作で主型の送り方向先端側凹凸パターンによって再度プレスし、被加工材のプレス部分における送り方向前後端部箇所を重複させていくことにより、プレス済部分の一部を再プレスで保持してプレス済部分から新規プレス部分への材料の動きを抑えられることとなり、プレス済部分の新規プレスに伴う歪みを緩和でき、成型後のプレス部分や非プレス部分で歪みが残留しにくく、最終的に得られる伝熱部の異常な変形を確実に防止できるという効果を有する。さらに、伝熱部の凹凸パターンによる成型部分を重複させて変形を防ぎながら伝熱面としての有効作用部分を最大限確保できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る伝熱部の正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る伝熱部の成型途中状態説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材一端部のプレス動作説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材中間部のプレス動作説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る伝熱部形成方法による被加工材他端部のプレス動作説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る伝熱部の一部拡大図である。
【図7】図6のA部拡大斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る伝熱部における中央パターン部の要部縦断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る伝熱部における中央パターン部の要部拡大縦断面図及び拡大横断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る伝熱部の正面図である。
【符号の説明】
1 プレス装置
10 主型
20、30 補助型
50 被加工材
100 伝熱部
110 伝熱面
111 中央パターン部
112 熱交換用凹凸パターン部
113 境界パターン部
114 凹凸部
120 フランジ部
121 平坦部分
122 凸部
130 開口部
200 熱交換ユニット

Claims (6)

  1. 金属薄板を素材とし、プレス装置の型でプレス成型されて、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面を少なくとも一部に含む所定形状に形成される熱交換器用の伝熱部において、
    前記伝熱面が、複数の凹部又は凸部を所定ピッチで直列に配設されてなる中央パターン部と、当該中央パターン部を中心に対称形状とされて中央パターン部を挟む両側に配置される一対の熱交換用凹凸パターン部と、当該一対の熱交換用凹凸パターン部の外側隣接部分に中央パターン部と平行に且つ略同じピッチで複数の凹部又は凸部を直列に配設されてなる所定幅の境界パターン部とを、一組又は複数組並列させて形成され
    前記中央パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されることを特徴とする伝熱部。
  2. 金属薄板を素材とし、プレス装置の型でプレス成型されて、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面を少なくとも一部に含む所定形状に形成される熱交換器用の伝熱部において、
    前記伝熱面が、複数の凹部又は凸部を所定ピッチで直列に配設されてなる中央パターン部と、当該中央パターン部を中心に対称形状とされて中央パターン部を挟む両側に配置される一対の熱交換用凹凸パターン部と、前記中央パターン部及び熱交換用凹凸パターン部の端部隣接部分に中央パターン部と直交する向きへ所定のピッチで複数の凹部又は凸部を直列に配設されてなる所定幅の境界パターン部とを、一組又は複数組中央パターン部と平行に並べて形成され
    前記中央パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されることを特徴とする伝熱部。
  3. 前記請求項2に記載の伝熱部において、
    前記境界パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向と直交する向きに溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されることを特徴とする伝熱部。
  4. 前記請求項1に記載の伝熱部において、
    記境界パターン部が、凹部又は凸部の直列する方向に溝状及び凸条状に連続して横断面形状が滑らかな略波状となる複数列の凹凸部を重畳状態で成型されることを特徴とする伝熱部。
  5. 金属薄板からなる被加工材を単一の送り方向に移送しつつプレス装置の型でプレス成型して、熱交換用流体と表裏で接触する伝熱面が少なくとも一部に含まれる所定形状の熱交換器用伝熱部を形成する伝熱部形成方法において、
    前記プレス装置が、前記被加工材の送り方向前後端所定範囲部分にそれぞれ前記送り方向中央位置について対称形状となり且つ前記送り方向と直交する向きへ均等に配置される所定の凹凸パターンを有してなる伝熱面成型用の主型を有し、
    前記被加工材を前記プレス装置の主型でプレスし、被加工材にプレス形状を一組又は複数組隙間無く並列させて成型して伝熱部とすることを特徴とする伝熱部形成方法。
  6. 前記請求項5に記載の伝熱部形成方法において、
    前記プレス装置の主型が、前記送り方向前後端の凹凸パターンを同一形状とされ、
    前記被加工材を所定長さずつ送り、被加工材の前記プレス装置による成型済箇所のうち前記主型における前記送り方向後端側の前記凹凸パターンによる成型部分に対し、主型の前記送り方向先端側の凹凸パターンで再度プレスしつつ、被加工材にプレス形状を複数組成型していくことを特徴とする伝熱部形成方法。
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