JP3650237B2 - 車高調整装置および車高調整システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の車高を三段階に調整するのに用いられる車高調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車高調整装置および車高調整システムとしては、例えば、特開昭62―231810号公報に記載のものがあり、図10は、かかる従来の車高調整装置を示す断面図であって、この車高調整装置は、上部シリンダ1内を摺動する上部ピストン2と、この上部ピストン2の下端に筒状の上端が連結された下部シリンダ10と、この下部シリンダ10の下部に形成したシリンダ孔内に摺動する下部ピストン13と、この下部ピストン13をカバー20の底部に取り付けている円筒部材15とを有し、上部シリンダ1および上部ピストン2が上部ジャッキを構成し、下部シリンダ10および下部ピストン13が下部ジャッキを構成するとしている。なお、26,27は、上部ピストン2および下部ピストン13の上部に設けられた作動油供給用の油室である。
【0003】
また、図11は、従来の車高調整システムを示すもので、この車高調整システムは、図10に示すような車高調整装置を車輪のフロント側およびリア側に有すると共に、各油室26,27に対しソレノイドバルブ31,32を介して作動油を給排し、また、各油室26,27内の作動油をソレノイドバルブ33を介してタンク34に戻すように構成してある。
【0004】
そして、35は、モータ36によって駆動されるポンプで、各ソレノイドバルブ31,32を介して各油室26,27に作動油を供給可能にしている。なお、37は、車高調整用の選択スイッチで、38は、ポンプ35の圧力検出スイッチ39や車速センサ40の検出出力にもとづいてモータ36およびソレノイドバルブ31,32,33の動作を制御する制御装置である。
【0005】
かかる車高調整システムにおいて、車高を低から高に切り換える場合には、モータ36によるポンプ35の作動と同時にソレノイドバルブ31をオンにし、このソレノイドバルブ31を介して油室26にポンプ35からの作動油を供給するようにして車高を上昇させる。
【0006】
一方、車高を高から低に下げる場合には、ソレノイドバルブ31とソレノイドバルブ33とを共にオンにする。これにより油室26内の作動油がこれらの各ソレノイド31,33を介してタンク34へ排出されるため、車高を下げることができる。
【0007】
また、車高を中から高にする場合には、上記の車高の中位置状態において、ポンプ35を作動するとともにソレノイドバルブ32をオンに切り換える。このため、このソレノイドバルブ32を介して油室27にポンプ35からの作動油が供給されて車高が高位置に上昇する。
【0008】
一方、車高を高から中にする場合には、ソレノイドバルブ32,33を同時にオンにする。これにより、油室27内の作動油はこれらのソレノイドバルブ32,33を介してタンク34へ排出され、車高が中位置に下降することとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の車高調整装置および車高調整システムにあっては、上部ジャッキである下部シリンダ10および下部ジャッキである下部ピストン13が直列2段構成とされており、各ジャッキの上下に相互を連結する取付部が必要になり、従って、全体としての軸方向長が長くなり、このためジャッキ軸受部に働く曲げモーメントが大きくなるとともに、十分な長さの軸受部と強固な各ジャッキの連結部が必要となることにより、その軸方向が一層長くなって、車両への配置が困難になるという課題があった。
【0010】
また、車高を低,中,高の三段階に切り換えるため、各々独立した下部シリンダ10および下部ピストン13を使用することで、これらの結合のため、あるいはこれらを車両に取り付けるために、それぞれ独自の複雑な形状に構成され、また、シール部材やストッパなどの各構成部品を2個ずつ用いる必要があるという課題があった。
【0011】
さらに、上部ピストン2や下部ピストン13は、外部に露出するため耐環境性の観点から硬クロムメッキなどの表面処理層を設ける必要があり、従って、全体として製品コストの上昇を招くという課題があった。
【0012】
また、二つのジャッキである下部シリンダ10や下部ピストン13を独立して作動させるため、油圧回路もそれぞれ独立させなければならず、このため、走行中の車両重量の変動による前後左右のジャッキ間の作動油の廻り込みを防ぎ、車体の傾きをなくするためには、作動させるジャッキを中間で止める使用法はできず、伸び切り状態で使用する必要があり、結果的に、温度上昇による作動油の膨張でジャッキ部の圧力の異常な増加を抑えるためには、前記各油室26,27を接続している各一の油路に、回路圧補償用のリリーフ弁が一つずつ必要になるという課題があった。
【0013】
この発明は、前記のような課題を解決するものであり、必要とする昇降ストロークが得られるにも拘らず、全体の軸方向長を短くすることができ、構成部品の簡素化と使用数の削減が図れ、また、ロッドの外部への露出を防止して耐環境性を向上できる車高調整装置および車高調整システムを低コストに得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、請求項1の発明にかかる車高調整装置は、車体側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入された中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによって区画された第一の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けて移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第二の油室とを有し第一の油室および第二の油室をそれぞれ油圧供給用のポンプおよびタンクの各一方に連結するようにしたものである。
【0015】
また、請求項2の発明にかかる手交調整システムは、第一の油室にポンプからの作動油をチェック弁を介して供給するように切り換えられる第一の電磁弁と、第二の油室にポンプからの作動油をチェック弁を介して供給するように切り換えられる第二の電磁弁と、第一の油室および第二の油室の作動油をそれぞれ第一の電磁弁および第二の電磁弁を介してタンクへ戻すように切り換えられる第三の電磁弁とを有し、制御装置に車高選択スイッチの操作により第一の電磁弁,第二の電磁弁および第三の電磁弁のいずれかを第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続し、第一の油室とタンクとを結ぶ油路に作動圧が第二の油室の圧力よりも低く第一の油室の圧力より高いオペレートチェック弁を接続するようにしたものである。
【0016】
また、請求項3の発明にかかる車高調整システムは、第一の油室および第二の油室に対して各一のチェック弁を介して選択的に作動油を供給する正逆転ポンプと、第一の油室および第二の油室への各油路とタンクとの間にそれぞれ接続された第四の電磁弁および第五の電磁弁とを有し、制御装置に車高選択スイッチの操作により正逆転ポンプ,第四の電磁弁および第五の電磁弁を第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するようにしたものである。
【0017】
また、請求項4の発明にかかる車高調整システムは、ポンプおよび第一の油室への油路に接続された4ポート2位置の第一の方向切換弁と、ポンプおよび第二の油室への油路に接続された4ポート2位置の第二の方向切換弁と、各油路の途中に接続されてポンプの吐出圧を受けて開弁し第一の油室および第二の油室からの作動油を第一の方向切換弁および第二の方向切換弁を介してタンクへ戻すオペレートチェック弁とを有し、制御装置に車高選択スイッチの操作により第一の方向切換弁および第二の方向切換弁のいずれかを第一の油室および第二油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図について説明するが、図1は、この発明の車高調整装置を示す断面図であり、同図において、101は、図示しない車軸とアッパースプリングシート102との間に介装されたスプリングで、103は、車体、104は、車体103に取り付けられて、中心部に油路117を有するヘッドカバーで、このヘッドカバー104の下面にアウターシリンダ105の上端が溶接などにより一体固定されている。なお、油路117は、後述の回路Aに接続される。
【0019】
また、131は、上端部外周が大径部の第一のピストン106とされた中間シリンダであり、この中間シリンダ131は、アウターシリンダ105下端のシリンダ受部材132および断面U字状のパッキング111により油密的に軸方向摺動自在に支持されている。
【0020】
112は、シリンダ受部材132と中間シリンダ131とをアウターシリンダ105の下端部において外から被うダストシールである。
【0021】
また、アウターシリンダ105の下端部内周には、該アウターシリンダ105に対する第一のピストン106の下限位置を決める切欠リング状に形成のストッパ109が嵌挿されている。そして、第一のピストン106は、アウターシリンダ105内を油室119および120に隔成している。
【0022】
なお、114は、第一のピストン106に形成されて、各油室119,120に連通する油路であり、これらの油室119,120は、第一の油室を構成している。また、中間シリンダ131には下部に油路115が形成されており、この油路115は後述の回路Bに接続される。
【0023】
一方、107は、下端部外周が大径の第二のピストン107aとされたロッドであり、このロッド107は、中間シリンダ131のシリンダ穴131aの上端開口部に設けられたロッド受部材133およびシールリング110により油密的に摺動可能に支持されている。
【0024】
そして、第二のピストン107aは、ロッド受部材133により上端が塞がれたシリンダ穴131a内を油室121および122に隔成している。なお、113は、各油室121,122に連通するように前記第二のピストン107aに形成された油路であり、これらの各油室121,122は第二の油室を形成している。
【0025】
また、108は、シリンダ穴131aの内周に嵌挿された切欠リング状のストッパであり、これが第二のピストン107aの上限位置を決めている。
【0026】
さらに、123は、ロッド107の上端に水平方向に切欠された油路であり、このロッド107のヘッドカバー104下面に対する当接時にも、油路117および油室119間を連通可能にしている。
【0027】
図2は、上記した車高調整装置に油圧回路を接続して構成した車高調整システムを示す油圧回路図であり、同図において、151は、モータ152によって駆動されるポンプで、このポンプ151は、タンク153内の作動油をチェック弁154および第一の電磁弁155を介して、回路Aを通じて車高調整装置の油路117および油室119に供給すると共に、チェック弁154および第二の電磁弁156を介して、回路Bを通じて車高調整装置の油路115および油室121に供給する。
【0028】
そして、157は、チェック弁154と各電磁弁155,156とを結ぶ油路159とタンク153との間に絞り158を介して接続された第三の電磁弁である。
【0029】
さらに、160は、第二の電磁弁156と油路115とを結ぶ回路Bとタンク153との間に接続されたリリーフ弁で、161は、回路Aとタンク153との間に接続されたオペレートチェック弁である。リリーフ弁160は、ロッド107の油室121に降下(逃げる)するとき、回路Bの圧力を補償するとともに、ポンプ151の圧力補償リリーフにも共用できる。
【0030】
また、162,163は、油路159内の高低2種類の油圧をそれぞれ検出する圧力検出スイッチで、164は、車高L(低),N(中),H(高)の車高選択信号,車速センサからの車速,前記圧力検出スイッチ162,163からの検出圧力をそれぞれ入力として、モータ152および第一の電磁弁155,第二の電磁弁156および第三の電磁弁157の動作を制御する制御装置である。
【0031】
なお、図1に示すような車高調整装置Sは、図2に示すように車両の左右の前輪側および後輪側に設けられて、図2に示すように接続されている。
【0032】
次に動作について説明すると、この発明では、車高選択スイッチによる車高L,N,Hの選択入力により、車高を昇降させて保持させる。
【0033】
(イ)車高をLからNに調整
まず、制御装置164の制御下でモータ152および電磁弁456に通電すると、ポンプ151が作動し、ポンプ油圧(作動油)が回路Bを経て車高調整装置Sを構成する中間シリンダ131内の油路115および油室121に送り込まれる。
【0034】
このため、この油室121内には車体重量に応じた圧力が発生し、ロッド107が図5(a)に示す状態から押し上げられて、車体103が図5(b)に示すように持ち上げられる。そして、この持ち上げにより、第二のピストン107aはストッパ108に当った位置で止まる。
【0035】
また、この第二のピストン107aの停止によって、油室121内の圧力はさらに高まり、この圧力は高圧検出用の圧力スイッチ162によって検知され、この検知出力を受けて、制御装置164は前記モータ152および第二の電磁弁156への通電を停止する。
【0036】
このとき、二つの電磁弁155,156は共にオフとされ、これのチェック作用によって、車高をNの位置にて保持する。なお、ロッド107の中間シリンダ131に対する上方移動に伴い、第一のピストン106はヘッドカバー104に対する当接位置から離れて、図示の位置に移動する。
【0037】
そして、この中間シリンダ131の下方移動時には、油室119内に第一のピストン106の退出分の作動油を補充する必要があり、このため、高圧の油室121の圧力を受けて開かれるオペレートチェック弁161を介して、タンク153内から回路Aを通じて、その油室119に作動油が補充される。
【0038】
(ロ)車高をNからLに調整
この場合には、第二の電磁弁156および第三の電磁弁157に共に通電すると、油室121内の作動油が油路115,回路B,第二の電磁弁156,絞り158および第三の電磁弁157をそれぞれ通じてタンク153に戻される。
【0039】
こうして、第一のピストン106とヘッドカバー104の下面、もしくはロッド107の第二のピストン107aと油室121の底部が当接した段階で、油室121の圧力がなくなる。そこで、この圧力を低圧検出用の圧力スイッチ163により検出し、この検出出力にもとづいて、制御装置164が各電磁弁156,157への通電を同時に停止する。
【0040】
このため、車高は、図5(a)に示すLの位置で停止することになる。なお、この車体の下降時には油室121内の圧力が前記オペレートチェック弁161に作用しているため、このオペレートチェック弁161は開かれており、従って、第一のピストン106の上方移動によって油室119から油路117へ押し出される作動油は、そのオペレートチェック弁161を経てタンク164内へ戻されることになる。
【0041】
(ハ)車高をNからHに調整
この場合には、モータ152と第一の電磁弁155に対し共に通電を行うと、ポンプ151からの油圧が回路Aを経て車高調整装置の油路117および油室119内に送り込まれる。
【0042】
ここで、油室119における第一のピストン106の受圧面積はロッド107の受圧面積よりも大きいため、車体を持ち上げるときの油室119,120の圧力は、先に述べた油室121,122の圧力よりも低い。
【0043】
そこで、オペレートチェック弁161の作動圧を、図3に示すように、中間シリンダ131およびロッド107の作動圧の中間に設定しておくことで、この車高NからHへの調整時には、オペレートチェック弁161を開かないようにすることができる。従って、ポンプ151の作動油の吐出圧はオペレートチェック弁161を通ってタンク153へ抜けることなく、車体を図5(c)に示すようにさらに持ち上げることができる。
【0044】
こうして、車高をNからHに上げるときは、第一のピストン106がストッパ109に当たることにより、回路Aの圧力が高まるため、これを圧力検出スイッチ162により検出し、この検出出力にもとづき制御装置164がモータ152および第一の電磁弁155への通電を停止する。このため、この第一の電磁弁155のチェック作用によって、車高はHの位置に保持される。
【0045】
(ニ)車高をHからNに調整
この場合には、第一の電磁弁155および第三の電磁弁157に通電を行う。これにより、油室119内の作動油が油路117,回路Aを経てタンク153内へ戻される。このとき、絞り158により第一のピストン106の急速な上方移動が規制され、車体の不安定化を回避する。
【0046】
こうして、ロッド107の上端が図5(b)に示すようにヘッドカバー104の下面に当接すると、油室119内の圧力がなくなり、これを圧力検出スイッチ163により検出して、制御装置164により第一の電磁弁155および第三の電磁弁157への各通電を停止させる。このとき、油室121は第二の電磁弁156のチェック作用によって圧力が保持されている。
【0047】
このため、ロッド107は中間シリンダ131に対して下降せず、車高がN以下に低下することはなく、第一の電磁弁155および第二の電磁弁156の双方チェック作用によって、車高がN位置に安定保持させる。
【0048】
(ホ)車高をLからHに調整
この場合には、前記したような手順で、車高をLからNへ、そしてNからHへの順で上げていく。なお、このとき、モータ152および第一の電磁弁155への通電によって、一度に車高をLからHに上げることも可能であるが、これを行うと、車高をHからNに調整することができなくなるので、これを行わない。
【0049】
(ヘ)車高をHからLに調整
この場合には、前記した手順で車高をHからNへ、そしてNからLへの順で下げていく。このとき、各電磁弁155,156,157に同時に通電を行って、車高を一度にLに下降させることも可能である。
【0050】
なお、リリーフ弁160は、圧力検出スイッチ162,163の故障時などにモータ152の保護を図るほか、各車高保持状態での温度上昇によって、油圧回路内の圧力が異常に高まるのを抑える、すなわち、このリリーフ弁160は、回路圧の上限を規定している。
【0051】
図4は、図2に示す車高調整システムにおいてモータ152,各電磁弁155,156,157,オペレートチェック弁161および圧力検出スイッチ162,163の各動作状態に応じた車高調整動作を示す説明図であり、図5は、車高L,N,Hにおける車高調整装置Sの動作状況を示す説明図である。
【0052】
図6は、この発明の実施の他の形態を示し、これが図2に示したものと異なるところは、モータ152により駆動されるポンプを正逆転ポンプ171に代え、これの二つの吐出ポートとタンク153との間に各一のチェック弁174,175を接続し、その各吐出ポートと各回路A,Bとの間に逆流阻止用のチェック弁154a,154bを接続したことである。
【0053】
また、回路Aとタンク153との間には第四の電磁弁176が絞り178を介して接続され、回路Bとタンク153との間には第五の電磁弁177が絞り158を介して接続されている。172,173は、各回路A,Bの油圧を検出する圧力検出スイッチである。
【0054】
この実施の形態の動作は、図2について説明した場合と略同様であるが、作動油を供給するポンプとして正逆転ポンプ171を用いることで、車高調整装置Sの各油室119,121への吐出流の方向切り換えを一度に行うことが可能となり、このため、電磁弁の使用数を一個減らすことができ、コスト削減に寄与できる。
【0055】
この実施の形態では、車高をLからNに調整する場合には、第四の電磁弁176の通電時に、タンク153からこの第四の電磁弁176を介して油室119に作動油を吸込み、または第四の電磁弁176の非通電時に正逆転ポンプ171の正逆転によって生じる吸込み流を一部吸込むように動作する。
【0056】
また、車高をNからLに調整する場合には、油室119の作動油は、第四の電磁弁176に通電することで、これを通してタンク153へ戻すことができる。なお、この車高調整動作におけるモータ152,第四の電磁弁176,第五の電磁弁177,圧力検出スイッチ172,173の動作状態は、図7に示す通りである。
【0057】
図8は、この発明の実施のさらに他の形態を示し、ここでは図2に示すような電磁弁155,156に代えて、4ポート2位置の第一の方向切換弁181および第二の方向切換弁182を、ポンプ151およびタンク153と、回路A,Bをそれぞれ介した油室119,121との間に、各オペレートチェック弁183,184を介してそれぞれ接続してある。なお、これらのオペレートチェック弁183,184は各方向切換弁181,182と連動可能とされている。
【0058】
また、各方向切換弁181,182とタンク153とを結ぶ油路には絞り185,186が接続されている。187,188は、回路Aおよび回路Bの圧力を検出する高圧検出用の圧力検出スイッチである。
【0059】
この実施の形態では、方向切換弁181,182に各オペレートチェック弁183,184を連動させてあるため、ポンプ151からの各油室119,121への作動油の吐出流とタンク153への戻り流の方向切り換えと圧力の保持を同時に行えるため、電磁弁の使用数を減らすことができる。
【0060】
そして、車高をLからNに調整する場合には、開となっているオペレートチェック弁183を通してタンク153から油室119に作動油を吸込む。また、車高をNからLに調整する場合には、開いているオペレートチェック弁183を通じて油室119内の作動油をタンク153へ戻すように動作する。なお、各方向切換弁181,182への通電停止によって、オペレートチェック弁183,184の背圧をなくすることができるので、これらのオペレートチェック弁183,184を閉状態にして、各位置で車高を保持できる。
【0061】
図9は、この車高調整装置におけるモータ152,第一の方向切換弁181,第二の方向切換弁182,圧力検出スイッチ187,188およびオペレートチェック弁183,184の動作状態を示す説明図である。
【0062】
そして、図6および図7に示す各実施の形態では、低圧用の圧力検出スイッチが廃止され、車高上げ時に駆動する第四の電磁弁176,第五の電磁弁177および第一の方向切換弁181,第二の方向切換弁182への通電停止は制御装置164内のタイマ出力により行う。
【0063】
また、各圧力検出スイッチ172,173はチェック弁154a,154bの各油室119,121側にあり、各方向切換弁181,182はオペレートチェック弁183,184の各油室119,121側にあるため、各圧力検出スイッチ172,173および187,188のオン,オフのヒステリシスを利用して、油圧回路内の作動油の内部洩れに起因する圧力低下時には、正逆転ポンプ171やポンプ151をそれぞれ駆動して圧力を上げ、車高の沈下を防止することができる。
【0064】
これを行わない場合には、図8では1個の圧力スイッチをポンプ151の吐出側に設けることで、所期の制御機能を満たすことができ、これにより使用部品点数の削減を図ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車体側に取り付けられたアウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に中間シリンダを挿入し、アウターシリンダ内に第一のピストンによって第一の油室を区画し、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けてロッドを移動自在に挿入し、中間シリンダ内に第二のピストンによって第二の油室を区画し、第一の油室および第二の油室をそれぞれ油圧供給用のポンプおよびタンクの各一方に選択的に連結するようにし、さらに、制御装置に、車高選択スイッチの操作により第一の電磁弁,第二の電磁弁および第三の電磁弁のいずれかを第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続し、第一の油室とタンクとを結ぶ油路に、作動圧が第二の油室の圧力よりも低く第一の油室の圧力より高いオペレートチェック弁を接続するように構成したので、ロッドを中間シリンダ内に、この中間シリンダをアウターシリンダ内にそれぞれ収納されて、油圧を加えたときこれらの作動方向を逆方向にするようにでき、これによりロッドおよび中間シリンダを油圧導入用の油路を含めてアウターシリンダ内に納めることができ、この結果、ロッドおよび中間シリンダの取付部やロッドの車体への取付部が不要となり、軸方向長の短縮化が可能になって、軸受部に働く曲げモーメントを抑えることができるという効果が得られる。
【0066】
また、この発明によれば、ロッドが中間シリンダのシリンダ穴内で収縮自在となって、車体を支える推力を出す構成となっているため、そのロッド外周の防錆処理が不要であり、表面硬化処理も簡単なものでよく、のような取付部がないため、各ロッドおよび中間シリンダ自体の構成,形状も簡素にでき、これにより製造上,組立上のコストダウンを図ることができる。
【0067】
さらに、この発明では、油圧回路上ではロッドおよび中間シリンダを独立して油圧作動させることで、前後左右の各車高調整装置間での作動油の廻り込みを防止でき、また、各ロッドおよび中間シリンダが互いに押し合う配置とされているため、大きな外力が作用しても、各車高調整装置の各ロッドおよび中間シリンダがともに不用意に伸縮することはない。
【0068】
また、この発明によれば、ロッドが中間シリンダ内で伸長するため、ロッド上部側の油室の油圧系にリリーフ弁を配置しなくても、温度上昇による体積膨張をロッドが第二の油室へ逃げることで吸収できる。このため、この第二の油室に通じる回路にリリーフ弁を一個設けるのみでよく、また、これをポンプ作動時の圧力補償リリーフとしても機能させることができる。
【0069】
また、この発明によれば、第一の油室および第二の油室に対し各一のチェック弁を介して選択的に作動油を供給する正逆転ポンプを設け、第一の油室および第二の油室への各油路とタンクとの間に第四の電磁弁および第五の電磁弁を接続して、制御装置に車高選択スイッチの操作により、正逆転ポンプ,第四の電磁弁および第五の電磁弁を第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するように構成したので、車高調整装置の油室に対する吐出流の方向切り換えを一度に行うことができ、このため電磁バルブの使用数を減らすことができ、システム構成の簡素化と低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【0070】
また、この発明によれば、ポンプおよび第一の油室への油路に4ポート2位置の第一の方向切換弁を接続し、ポンプおよび第二の油室への油路に4ポート2位置の第二の方向切換弁を接続して、各油路の途中にポンプの吐出圧を受けて開弁して第一の油室および第二の油室からの作動油を第一の方向切換弁および第二の方向切換弁を介してタンクへ戻すオペレートチェック弁を接続し、制御装置に車高選択スイッチの操作により第一の方向切換弁および第二の方向切換弁のいずれかを第一の油室および第二油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するように構成したので、二つの4ポート2位置の方向切換弁をオペレーションチェック弁と連動させることで、各油路への吐出流とタンクへの戻り流の方向切り換えと、圧力の保持を同時に行うことができ、これによる使用バルブ数の削減と低コスト化を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による車高調整装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の一形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図3】図2において車高の上げ,下げ時における油圧回路各部の圧力状態を示す説明図である。
【図4】図2における車高調整システム各部の車高レベルに応じた動作状態を示す動作説明図である。
【図5】図1における車高調整装置の作動の変化状況を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の他の形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図7】図6における車高調整システム各部の車高レベルに応じた動作状態を示す動作説明図である。
【図8】この発明の実施の他の形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図9】図8における車高調整システム各部の車高レベルに応じた動作状態を示す動作説明図である。
【図10】従来の車高調整装置を示す断面図である。
【図11】従来の車高調整システムを示す油圧回路図である。
【符号の説明】
103 車体
105 アウターシリンダ
106 第一のピストン
107 ロッド
107a 第二のピストン
119,120 油室(第一の油室)
121,122 油室(第二の油室)
131 中間シリンダ
151 ポンプ
154,154a,154b チェック弁
155 第一の電磁弁
156 第二の電磁弁
157 第三の電磁弁
1601 リリーフ弁
161,183,184 オペレートチェック弁
164 制御装置
171 正逆転ポンプ
176 第四の電磁弁
177 第五の電磁弁
181,182 方向切換弁
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の車高を三段階に調整するのに用いられる車高調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車高調整装置および車高調整システムとしては、例えば、特開昭62―231810号公報に記載のものがあり、図10は、かかる従来の車高調整装置を示す断面図であって、この車高調整装置は、上部シリンダ1内を摺動する上部ピストン2と、この上部ピストン2の下端に筒状の上端が連結された下部シリンダ10と、この下部シリンダ10の下部に形成したシリンダ孔内に摺動する下部ピストン13と、この下部ピストン13をカバー20の底部に取り付けている円筒部材15とを有し、上部シリンダ1および上部ピストン2が上部ジャッキを構成し、下部シリンダ10および下部ピストン13が下部ジャッキを構成するとしている。なお、26,27は、上部ピストン2および下部ピストン13の上部に設けられた作動油供給用の油室である。
【0003】
また、図11は、従来の車高調整システムを示すもので、この車高調整システムは、図10に示すような車高調整装置を車輪のフロント側およびリア側に有すると共に、各油室26,27に対しソレノイドバルブ31,32を介して作動油を給排し、また、各油室26,27内の作動油をソレノイドバルブ33を介してタンク34に戻すように構成してある。
【0004】
そして、35は、モータ36によって駆動されるポンプで、各ソレノイドバルブ31,32を介して各油室26,27に作動油を供給可能にしている。なお、37は、車高調整用の選択スイッチで、38は、ポンプ35の圧力検出スイッチ39や車速センサ40の検出出力にもとづいてモータ36およびソレノイドバルブ31,32,33の動作を制御する制御装置である。
【0005】
かかる車高調整システムにおいて、車高を低から高に切り換える場合には、モータ36によるポンプ35の作動と同時にソレノイドバルブ31をオンにし、このソレノイドバルブ31を介して油室26にポンプ35からの作動油を供給するようにして車高を上昇させる。
【0006】
一方、車高を高から低に下げる場合には、ソレノイドバルブ31とソレノイドバルブ33とを共にオンにする。これにより油室26内の作動油がこれらの各ソレノイド31,33を介してタンク34へ排出されるため、車高を下げることができる。
【0007】
また、車高を中から高にする場合には、上記の車高の中位置状態において、ポンプ35を作動するとともにソレノイドバルブ32をオンに切り換える。このため、このソレノイドバルブ32を介して油室27にポンプ35からの作動油が供給されて車高が高位置に上昇する。
【0008】
一方、車高を高から中にする場合には、ソレノイドバルブ32,33を同時にオンにする。これにより、油室27内の作動油はこれらのソレノイドバルブ32,33を介してタンク34へ排出され、車高が中位置に下降することとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の車高調整装置および車高調整システムにあっては、上部ジャッキである下部シリンダ10および下部ジャッキである下部ピストン13が直列2段構成とされており、各ジャッキの上下に相互を連結する取付部が必要になり、従って、全体としての軸方向長が長くなり、このためジャッキ軸受部に働く曲げモーメントが大きくなるとともに、十分な長さの軸受部と強固な各ジャッキの連結部が必要となることにより、その軸方向が一層長くなって、車両への配置が困難になるという課題があった。
【0010】
また、車高を低,中,高の三段階に切り換えるため、各々独立した下部シリンダ10および下部ピストン13を使用することで、これらの結合のため、あるいはこれらを車両に取り付けるために、それぞれ独自の複雑な形状に構成され、また、シール部材やストッパなどの各構成部品を2個ずつ用いる必要があるという課題があった。
【0011】
さらに、上部ピストン2や下部ピストン13は、外部に露出するため耐環境性の観点から硬クロムメッキなどの表面処理層を設ける必要があり、従って、全体として製品コストの上昇を招くという課題があった。
【0012】
また、二つのジャッキである下部シリンダ10や下部ピストン13を独立して作動させるため、油圧回路もそれぞれ独立させなければならず、このため、走行中の車両重量の変動による前後左右のジャッキ間の作動油の廻り込みを防ぎ、車体の傾きをなくするためには、作動させるジャッキを中間で止める使用法はできず、伸び切り状態で使用する必要があり、結果的に、温度上昇による作動油の膨張でジャッキ部の圧力の異常な増加を抑えるためには、前記各油室26,27を接続している各一の油路に、回路圧補償用のリリーフ弁が一つずつ必要になるという課題があった。
【0013】
この発明は、前記のような課題を解決するものであり、必要とする昇降ストロークが得られるにも拘らず、全体の軸方向長を短くすることができ、構成部品の簡素化と使用数の削減が図れ、また、ロッドの外部への露出を防止して耐環境性を向上できる車高調整装置および車高調整システムを低コストに得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、請求項1の発明にかかる車高調整装置は、車体側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入された中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによって区画された第一の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けて移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第二の油室とを有し第一の油室および第二の油室をそれぞれ油圧供給用のポンプおよびタンクの各一方に連結するようにしたものである。
【0015】
また、請求項2の発明にかかる手交調整システムは、第一の油室にポンプからの作動油をチェック弁を介して供給するように切り換えられる第一の電磁弁と、第二の油室にポンプからの作動油をチェック弁を介して供給するように切り換えられる第二の電磁弁と、第一の油室および第二の油室の作動油をそれぞれ第一の電磁弁および第二の電磁弁を介してタンクへ戻すように切り換えられる第三の電磁弁とを有し、制御装置に車高選択スイッチの操作により第一の電磁弁,第二の電磁弁および第三の電磁弁のいずれかを第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続し、第一の油室とタンクとを結ぶ油路に作動圧が第二の油室の圧力よりも低く第一の油室の圧力より高いオペレートチェック弁を接続するようにしたものである。
【0016】
また、請求項3の発明にかかる車高調整システムは、第一の油室および第二の油室に対して各一のチェック弁を介して選択的に作動油を供給する正逆転ポンプと、第一の油室および第二の油室への各油路とタンクとの間にそれぞれ接続された第四の電磁弁および第五の電磁弁とを有し、制御装置に車高選択スイッチの操作により正逆転ポンプ,第四の電磁弁および第五の電磁弁を第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するようにしたものである。
【0017】
また、請求項4の発明にかかる車高調整システムは、ポンプおよび第一の油室への油路に接続された4ポート2位置の第一の方向切換弁と、ポンプおよび第二の油室への油路に接続された4ポート2位置の第二の方向切換弁と、各油路の途中に接続されてポンプの吐出圧を受けて開弁し第一の油室および第二の油室からの作動油を第一の方向切換弁および第二の方向切換弁を介してタンクへ戻すオペレートチェック弁とを有し、制御装置に車高選択スイッチの操作により第一の方向切換弁および第二の方向切換弁のいずれかを第一の油室および第二油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図について説明するが、図1は、この発明の車高調整装置を示す断面図であり、同図において、101は、図示しない車軸とアッパースプリングシート102との間に介装されたスプリングで、103は、車体、104は、車体103に取り付けられて、中心部に油路117を有するヘッドカバーで、このヘッドカバー104の下面にアウターシリンダ105の上端が溶接などにより一体固定されている。なお、油路117は、後述の回路Aに接続される。
【0019】
また、131は、上端部外周が大径部の第一のピストン106とされた中間シリンダであり、この中間シリンダ131は、アウターシリンダ105下端のシリンダ受部材132および断面U字状のパッキング111により油密的に軸方向摺動自在に支持されている。
【0020】
112は、シリンダ受部材132と中間シリンダ131とをアウターシリンダ105の下端部において外から被うダストシールである。
【0021】
また、アウターシリンダ105の下端部内周には、該アウターシリンダ105に対する第一のピストン106の下限位置を決める切欠リング状に形成のストッパ109が嵌挿されている。そして、第一のピストン106は、アウターシリンダ105内を油室119および120に隔成している。
【0022】
なお、114は、第一のピストン106に形成されて、各油室119,120に連通する油路であり、これらの油室119,120は、第一の油室を構成している。また、中間シリンダ131には下部に油路115が形成されており、この油路115は後述の回路Bに接続される。
【0023】
一方、107は、下端部外周が大径の第二のピストン107aとされたロッドであり、このロッド107は、中間シリンダ131のシリンダ穴131aの上端開口部に設けられたロッド受部材133およびシールリング110により油密的に摺動可能に支持されている。
【0024】
そして、第二のピストン107aは、ロッド受部材133により上端が塞がれたシリンダ穴131a内を油室121および122に隔成している。なお、113は、各油室121,122に連通するように前記第二のピストン107aに形成された油路であり、これらの各油室121,122は第二の油室を形成している。
【0025】
また、108は、シリンダ穴131aの内周に嵌挿された切欠リング状のストッパであり、これが第二のピストン107aの上限位置を決めている。
【0026】
さらに、123は、ロッド107の上端に水平方向に切欠された油路であり、このロッド107のヘッドカバー104下面に対する当接時にも、油路117および油室119間を連通可能にしている。
【0027】
図2は、上記した車高調整装置に油圧回路を接続して構成した車高調整システムを示す油圧回路図であり、同図において、151は、モータ152によって駆動されるポンプで、このポンプ151は、タンク153内の作動油をチェック弁154および第一の電磁弁155を介して、回路Aを通じて車高調整装置の油路117および油室119に供給すると共に、チェック弁154および第二の電磁弁156を介して、回路Bを通じて車高調整装置の油路115および油室121に供給する。
【0028】
そして、157は、チェック弁154と各電磁弁155,156とを結ぶ油路159とタンク153との間に絞り158を介して接続された第三の電磁弁である。
【0029】
さらに、160は、第二の電磁弁156と油路115とを結ぶ回路Bとタンク153との間に接続されたリリーフ弁で、161は、回路Aとタンク153との間に接続されたオペレートチェック弁である。リリーフ弁160は、ロッド107の油室121に降下(逃げる)するとき、回路Bの圧力を補償するとともに、ポンプ151の圧力補償リリーフにも共用できる。
【0030】
また、162,163は、油路159内の高低2種類の油圧をそれぞれ検出する圧力検出スイッチで、164は、車高L(低),N(中),H(高)の車高選択信号,車速センサからの車速,前記圧力検出スイッチ162,163からの検出圧力をそれぞれ入力として、モータ152および第一の電磁弁155,第二の電磁弁156および第三の電磁弁157の動作を制御する制御装置である。
【0031】
なお、図1に示すような車高調整装置Sは、図2に示すように車両の左右の前輪側および後輪側に設けられて、図2に示すように接続されている。
【0032】
次に動作について説明すると、この発明では、車高選択スイッチによる車高L,N,Hの選択入力により、車高を昇降させて保持させる。
【0033】
(イ)車高をLからNに調整
まず、制御装置164の制御下でモータ152および電磁弁456に通電すると、ポンプ151が作動し、ポンプ油圧(作動油)が回路Bを経て車高調整装置Sを構成する中間シリンダ131内の油路115および油室121に送り込まれる。
【0034】
このため、この油室121内には車体重量に応じた圧力が発生し、ロッド107が図5(a)に示す状態から押し上げられて、車体103が図5(b)に示すように持ち上げられる。そして、この持ち上げにより、第二のピストン107aはストッパ108に当った位置で止まる。
【0035】
また、この第二のピストン107aの停止によって、油室121内の圧力はさらに高まり、この圧力は高圧検出用の圧力スイッチ162によって検知され、この検知出力を受けて、制御装置164は前記モータ152および第二の電磁弁156への通電を停止する。
【0036】
このとき、二つの電磁弁155,156は共にオフとされ、これのチェック作用によって、車高をNの位置にて保持する。なお、ロッド107の中間シリンダ131に対する上方移動に伴い、第一のピストン106はヘッドカバー104に対する当接位置から離れて、図示の位置に移動する。
【0037】
そして、この中間シリンダ131の下方移動時には、油室119内に第一のピストン106の退出分の作動油を補充する必要があり、このため、高圧の油室121の圧力を受けて開かれるオペレートチェック弁161を介して、タンク153内から回路Aを通じて、その油室119に作動油が補充される。
【0038】
(ロ)車高をNからLに調整
この場合には、第二の電磁弁156および第三の電磁弁157に共に通電すると、油室121内の作動油が油路115,回路B,第二の電磁弁156,絞り158および第三の電磁弁157をそれぞれ通じてタンク153に戻される。
【0039】
こうして、第一のピストン106とヘッドカバー104の下面、もしくはロッド107の第二のピストン107aと油室121の底部が当接した段階で、油室121の圧力がなくなる。そこで、この圧力を低圧検出用の圧力スイッチ163により検出し、この検出出力にもとづいて、制御装置164が各電磁弁156,157への通電を同時に停止する。
【0040】
このため、車高は、図5(a)に示すLの位置で停止することになる。なお、この車体の下降時には油室121内の圧力が前記オペレートチェック弁161に作用しているため、このオペレートチェック弁161は開かれており、従って、第一のピストン106の上方移動によって油室119から油路117へ押し出される作動油は、そのオペレートチェック弁161を経てタンク164内へ戻されることになる。
【0041】
(ハ)車高をNからHに調整
この場合には、モータ152と第一の電磁弁155に対し共に通電を行うと、ポンプ151からの油圧が回路Aを経て車高調整装置の油路117および油室119内に送り込まれる。
【0042】
ここで、油室119における第一のピストン106の受圧面積はロッド107の受圧面積よりも大きいため、車体を持ち上げるときの油室119,120の圧力は、先に述べた油室121,122の圧力よりも低い。
【0043】
そこで、オペレートチェック弁161の作動圧を、図3に示すように、中間シリンダ131およびロッド107の作動圧の中間に設定しておくことで、この車高NからHへの調整時には、オペレートチェック弁161を開かないようにすることができる。従って、ポンプ151の作動油の吐出圧はオペレートチェック弁161を通ってタンク153へ抜けることなく、車体を図5(c)に示すようにさらに持ち上げることができる。
【0044】
こうして、車高をNからHに上げるときは、第一のピストン106がストッパ109に当たることにより、回路Aの圧力が高まるため、これを圧力検出スイッチ162により検出し、この検出出力にもとづき制御装置164がモータ152および第一の電磁弁155への通電を停止する。このため、この第一の電磁弁155のチェック作用によって、車高はHの位置に保持される。
【0045】
(ニ)車高をHからNに調整
この場合には、第一の電磁弁155および第三の電磁弁157に通電を行う。これにより、油室119内の作動油が油路117,回路Aを経てタンク153内へ戻される。このとき、絞り158により第一のピストン106の急速な上方移動が規制され、車体の不安定化を回避する。
【0046】
こうして、ロッド107の上端が図5(b)に示すようにヘッドカバー104の下面に当接すると、油室119内の圧力がなくなり、これを圧力検出スイッチ163により検出して、制御装置164により第一の電磁弁155および第三の電磁弁157への各通電を停止させる。このとき、油室121は第二の電磁弁156のチェック作用によって圧力が保持されている。
【0047】
このため、ロッド107は中間シリンダ131に対して下降せず、車高がN以下に低下することはなく、第一の電磁弁155および第二の電磁弁156の双方チェック作用によって、車高がN位置に安定保持させる。
【0048】
(ホ)車高をLからHに調整
この場合には、前記したような手順で、車高をLからNへ、そしてNからHへの順で上げていく。なお、このとき、モータ152および第一の電磁弁155への通電によって、一度に車高をLからHに上げることも可能であるが、これを行うと、車高をHからNに調整することができなくなるので、これを行わない。
【0049】
(ヘ)車高をHからLに調整
この場合には、前記した手順で車高をHからNへ、そしてNからLへの順で下げていく。このとき、各電磁弁155,156,157に同時に通電を行って、車高を一度にLに下降させることも可能である。
【0050】
なお、リリーフ弁160は、圧力検出スイッチ162,163の故障時などにモータ152の保護を図るほか、各車高保持状態での温度上昇によって、油圧回路内の圧力が異常に高まるのを抑える、すなわち、このリリーフ弁160は、回路圧の上限を規定している。
【0051】
図4は、図2に示す車高調整システムにおいてモータ152,各電磁弁155,156,157,オペレートチェック弁161および圧力検出スイッチ162,163の各動作状態に応じた車高調整動作を示す説明図であり、図5は、車高L,N,Hにおける車高調整装置Sの動作状況を示す説明図である。
【0052】
図6は、この発明の実施の他の形態を示し、これが図2に示したものと異なるところは、モータ152により駆動されるポンプを正逆転ポンプ171に代え、これの二つの吐出ポートとタンク153との間に各一のチェック弁174,175を接続し、その各吐出ポートと各回路A,Bとの間に逆流阻止用のチェック弁154a,154bを接続したことである。
【0053】
また、回路Aとタンク153との間には第四の電磁弁176が絞り178を介して接続され、回路Bとタンク153との間には第五の電磁弁177が絞り158を介して接続されている。172,173は、各回路A,Bの油圧を検出する圧力検出スイッチである。
【0054】
この実施の形態の動作は、図2について説明した場合と略同様であるが、作動油を供給するポンプとして正逆転ポンプ171を用いることで、車高調整装置Sの各油室119,121への吐出流の方向切り換えを一度に行うことが可能となり、このため、電磁弁の使用数を一個減らすことができ、コスト削減に寄与できる。
【0055】
この実施の形態では、車高をLからNに調整する場合には、第四の電磁弁176の通電時に、タンク153からこの第四の電磁弁176を介して油室119に作動油を吸込み、または第四の電磁弁176の非通電時に正逆転ポンプ171の正逆転によって生じる吸込み流を一部吸込むように動作する。
【0056】
また、車高をNからLに調整する場合には、油室119の作動油は、第四の電磁弁176に通電することで、これを通してタンク153へ戻すことができる。なお、この車高調整動作におけるモータ152,第四の電磁弁176,第五の電磁弁177,圧力検出スイッチ172,173の動作状態は、図7に示す通りである。
【0057】
図8は、この発明の実施のさらに他の形態を示し、ここでは図2に示すような電磁弁155,156に代えて、4ポート2位置の第一の方向切換弁181および第二の方向切換弁182を、ポンプ151およびタンク153と、回路A,Bをそれぞれ介した油室119,121との間に、各オペレートチェック弁183,184を介してそれぞれ接続してある。なお、これらのオペレートチェック弁183,184は各方向切換弁181,182と連動可能とされている。
【0058】
また、各方向切換弁181,182とタンク153とを結ぶ油路には絞り185,186が接続されている。187,188は、回路Aおよび回路Bの圧力を検出する高圧検出用の圧力検出スイッチである。
【0059】
この実施の形態では、方向切換弁181,182に各オペレートチェック弁183,184を連動させてあるため、ポンプ151からの各油室119,121への作動油の吐出流とタンク153への戻り流の方向切り換えと圧力の保持を同時に行えるため、電磁弁の使用数を減らすことができる。
【0060】
そして、車高をLからNに調整する場合には、開となっているオペレートチェック弁183を通してタンク153から油室119に作動油を吸込む。また、車高をNからLに調整する場合には、開いているオペレートチェック弁183を通じて油室119内の作動油をタンク153へ戻すように動作する。なお、各方向切換弁181,182への通電停止によって、オペレートチェック弁183,184の背圧をなくすることができるので、これらのオペレートチェック弁183,184を閉状態にして、各位置で車高を保持できる。
【0061】
図9は、この車高調整装置におけるモータ152,第一の方向切換弁181,第二の方向切換弁182,圧力検出スイッチ187,188およびオペレートチェック弁183,184の動作状態を示す説明図である。
【0062】
そして、図6および図7に示す各実施の形態では、低圧用の圧力検出スイッチが廃止され、車高上げ時に駆動する第四の電磁弁176,第五の電磁弁177および第一の方向切換弁181,第二の方向切換弁182への通電停止は制御装置164内のタイマ出力により行う。
【0063】
また、各圧力検出スイッチ172,173はチェック弁154a,154bの各油室119,121側にあり、各方向切換弁181,182はオペレートチェック弁183,184の各油室119,121側にあるため、各圧力検出スイッチ172,173および187,188のオン,オフのヒステリシスを利用して、油圧回路内の作動油の内部洩れに起因する圧力低下時には、正逆転ポンプ171やポンプ151をそれぞれ駆動して圧力を上げ、車高の沈下を防止することができる。
【0064】
これを行わない場合には、図8では1個の圧力スイッチをポンプ151の吐出側に設けることで、所期の制御機能を満たすことができ、これにより使用部品点数の削減を図ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車体側に取り付けられたアウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に中間シリンダを挿入し、アウターシリンダ内に第一のピストンによって第一の油室を区画し、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けてロッドを移動自在に挿入し、中間シリンダ内に第二のピストンによって第二の油室を区画し、第一の油室および第二の油室をそれぞれ油圧供給用のポンプおよびタンクの各一方に選択的に連結するようにし、さらに、制御装置に、車高選択スイッチの操作により第一の電磁弁,第二の電磁弁および第三の電磁弁のいずれかを第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続し、第一の油室とタンクとを結ぶ油路に、作動圧が第二の油室の圧力よりも低く第一の油室の圧力より高いオペレートチェック弁を接続するように構成したので、ロッドを中間シリンダ内に、この中間シリンダをアウターシリンダ内にそれぞれ収納されて、油圧を加えたときこれらの作動方向を逆方向にするようにでき、これによりロッドおよび中間シリンダを油圧導入用の油路を含めてアウターシリンダ内に納めることができ、この結果、ロッドおよび中間シリンダの取付部やロッドの車体への取付部が不要となり、軸方向長の短縮化が可能になって、軸受部に働く曲げモーメントを抑えることができるという効果が得られる。
【0066】
また、この発明によれば、ロッドが中間シリンダのシリンダ穴内で収縮自在となって、車体を支える推力を出す構成となっているため、そのロッド外周の防錆処理が不要であり、表面硬化処理も簡単なものでよく、のような取付部がないため、各ロッドおよび中間シリンダ自体の構成,形状も簡素にでき、これにより製造上,組立上のコストダウンを図ることができる。
【0067】
さらに、この発明では、油圧回路上ではロッドおよび中間シリンダを独立して油圧作動させることで、前後左右の各車高調整装置間での作動油の廻り込みを防止でき、また、各ロッドおよび中間シリンダが互いに押し合う配置とされているため、大きな外力が作用しても、各車高調整装置の各ロッドおよび中間シリンダがともに不用意に伸縮することはない。
【0068】
また、この発明によれば、ロッドが中間シリンダ内で伸長するため、ロッド上部側の油室の油圧系にリリーフ弁を配置しなくても、温度上昇による体積膨張をロッドが第二の油室へ逃げることで吸収できる。このため、この第二の油室に通じる回路にリリーフ弁を一個設けるのみでよく、また、これをポンプ作動時の圧力補償リリーフとしても機能させることができる。
【0069】
また、この発明によれば、第一の油室および第二の油室に対し各一のチェック弁を介して選択的に作動油を供給する正逆転ポンプを設け、第一の油室および第二の油室への各油路とタンクとの間に第四の電磁弁および第五の電磁弁を接続して、制御装置に車高選択スイッチの操作により、正逆転ポンプ,第四の電磁弁および第五の電磁弁を第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するように構成したので、車高調整装置の油室に対する吐出流の方向切り換えを一度に行うことができ、このため電磁バルブの使用数を減らすことができ、システム構成の簡素化と低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【0070】
また、この発明によれば、ポンプおよび第一の油室への油路に4ポート2位置の第一の方向切換弁を接続し、ポンプおよび第二の油室への油路に4ポート2位置の第二の方向切換弁を接続して、各油路の途中にポンプの吐出圧を受けて開弁して第一の油室および第二の油室からの作動油を第一の方向切換弁および第二の方向切換弁を介してタンクへ戻すオペレートチェック弁を接続し、制御装置に車高選択スイッチの操作により第一の方向切換弁および第二の方向切換弁のいずれかを第一の油室および第二油室の検出油圧に従って作動制御させて、車体の車高を三段階のいずれかに調整させるとともに、第二の油室への油路にリリーフ弁を接続するように構成したので、二つの4ポート2位置の方向切換弁をオペレーションチェック弁と連動させることで、各油路への吐出流とタンクへの戻り流の方向切り換えと、圧力の保持を同時に行うことができ、これによる使用バルブ数の削減と低コスト化を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による車高調整装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の一形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図3】図2において車高の上げ,下げ時における油圧回路各部の圧力状態を示す説明図である。
【図4】図2における車高調整システム各部の車高レベルに応じた動作状態を示す動作説明図である。
【図5】図1における車高調整装置の作動の変化状況を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の他の形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図7】図6における車高調整システム各部の車高レベルに応じた動作状態を示す動作説明図である。
【図8】この発明の実施の他の形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図9】図8における車高調整システム各部の車高レベルに応じた動作状態を示す動作説明図である。
【図10】従来の車高調整装置を示す断面図である。
【図11】従来の車高調整システムを示す油圧回路図である。
【符号の説明】
103 車体
105 アウターシリンダ
106 第一のピストン
107 ロッド
107a 第二のピストン
119,120 油室(第一の油室)
121,122 油室(第二の油室)
131 中間シリンダ
151 ポンプ
154,154a,154b チェック弁
155 第一の電磁弁
156 第二の電磁弁
157 第三の電磁弁
1601 リリーフ弁
161,183,184 オペレートチェック弁
164 制御装置
171 正逆転ポンプ
176 第四の電磁弁
177 第五の電磁弁
181,182 方向切換弁
Claims (4)
- 車体側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入された中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによって区画された第一の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けて移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第二の油室とからなり、第一の油室および第二の油室がそれぞれ油圧供給用のポンプおよびタンクの各一方に連結されていることを特徴とする車高調整装置。
- 車体側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入された中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによって区画された第一の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けて移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第二の油室と、第一の油室にポンプからの作動油をチェック弁を介して供給するように切り換えられる第一の電磁弁と、第二の油室にポンプからの作動油をチェック弁を介して供給するように切り換えられる第二の電磁弁と、第一の油室および第二の油室の作動油をそれぞれ第一の電磁弁および第二の電磁弁を介してタンクへ戻すように切り換えられる第3の電磁弁と、車高選択スイッチの操作により第一の電磁弁,第二の電磁弁および第3の電磁弁のいずれかを第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御して車体の車高を3段階のいずれかに調整する制御装置と、第二の油室への油路に接続されたリリーフ弁と、第一の油室とタンクとを結ぶ油路に接続されて作動圧が第二の油室の圧力よりも低く第一の油室の圧力より高いオペレートチェック弁とを備えたことを特徴とする車高調整システム。
- 車体側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入された中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによって区画された第一の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けて移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第二の油室と、第一の油室および第二の油室に対し各一のチェック弁を介して選択的に作動油を供給する正逆転ポンプと、第一の油室および第二の油室への各油路とタンクとの間にそれぞれ接続された第4の電磁弁および第5の電磁弁と、車高選択スイッチの操作により正逆転ポンプ,第4の電磁弁および第5の電磁弁を第一の油室および第二の油室の検出油圧に従って作動制御し車体の車高を3段階のいずれかに調整する制御装置と、第二の油室への油路に接続されたリリーフ弁とを備えたことを特徴とする車高調整システム。
- 車体側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入された中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによって区画された第一の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して上方に向けて移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第二の油室と、ポンプおよび第一の油室への油路に接続された4ポート2位置の第一の方向切換弁と、ポンプおよび第二の油室への油路に接続された4ポート2位置の第二の方向切換弁と、各油路の途中に接続されてポンプの吐出圧を受けて開弁し第一の油室および第二の油室からの作動油を第一の方向切換弁および第二の方向切換弁を介してタンクへ戻すオペレートチェック弁と、車高選択スイッチの操作により第一の方向切換弁および第二の方向切換弁のいずれかを第一の油室および第二油室の検出油圧に従って作動制御し車体の車高を三段階のいずれかに調整する制御装置と、第二の油室への油路に接続されたリリーフ弁とを備えたことを特徴とする車高調整システム。
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