JP3650243B2 - 車高調整装置および車高調整システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の車高を三段階に調整するのに用いられる車高調整装置および車高調整システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車高調整装置および車高調整システムとしては、例えば、特開昭62―231810号公報に記載のものがあるが、図7は、かかる従来の車高調整装置を示す断面図であり、これが上部シリンダ1内を摺動する上部ピストン2と、この上部ピストン2の下端に筒状の上端が連結された下部シリンダ10と、この下部シリンダ10の下部に形成したシリンダ孔内に摺動する下部ピストン13と、この下部ピストン13をカバー20の底部に取り付けている円筒部材15とを有してなり、上部シリンダ1および上部ピストン2が上部ジャッキを構成し、下部シリンダ10および下部ピストン13は下部ジャッキを構成している。尚、26,27は、上部ピストン2および下部ピストン13の上部に設けられた作動油供給用の油室である。
【0003】
また、図8は、従来の車高調整システムを示すが、これは、図7に示すような車高調整装置を車輪のフロント側およびリア側に有し、油室26,27に対しソレノイドバルブ31,32を介して作動油を給排し、各油室26,27内の作動油をソレノイドバルブ33を介してタンク34に戻す構成とされている。
【0004】
そして、35は、モータ36によって駆動されるポンプで、各ソレノイドバルブ31,32を介して各油室26,27に作動油を供給可能にしている。なお、37は、車高調整用の選択スイッチで、38は、ポンプ35の圧力検出スイッチ39や車速センサ40の検出出力にもとづいてモータ36およびソレノイドバルブ31,32,33の動作を制御する制御装置である。
【0005】
かかる車高調整システムにおいて、車高を低から高に切り換える場合には、モータ36によるポンプ35の作動と同時にソレノイドバルブ31をオンとして、このソレノイドバルブ31を介して、油室26にポンプ35からの作動油を供給し、車高を上昇させる。
【0006】
一方、車高を高から低に下げる場合には、ソレノイドバルブ31とソレノイドバルブ33とを共にオンにする。これにより油室26内の作動油がこれらの各ソレノイド31,33を介してタンク34へ排出されるため、車高を下げることができる。
【0007】
また、車高を中から高にする場合には、前記の車高の中位置状態において、ポンプ35を作動するとともにソレノイドバルブ32をオンに切り換える。このため、このソレノイドバルブ32を介して油室27にポンプ35からの作動油が供給されて車高が高位置に上昇する。
【0008】
一方、車高を高から中にする場合には、ソレノイドバルブ32,33を同時にオンにする。これにより、油室27内の作動油はこれらのソレノイドバルブ32,33を介してタンク34へ排出され、車高が中位置に下降することとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車高調整装置および車高調整システムでは、上部ジャッキである下部シリンダ10および下部ジャッキである下部ピストン13が直列2段構成とされており、各ジャッキの上下に相互を連結する取付部が必要になり、従って、全体としての軸方向長が長くなり、このためジャッキ軸受部に働く曲げモーメントが大きくなるとともに、十分な長さの軸受部と強固な各ジャッキの連結部が必要となることにより、その軸方向が一層長くなって、車両への配置が困難になるという課題があった。
【0010】
また、車高を低,中,高の三段階に切り換えるため、各々独立した下部シリンダ10および下部ピストン13を使用することで、これらの結合のため、あるいはこれらを車両に取り付けるために、それぞれ独自の複雑な形状に構成され、また、シール部材やストッパなどの各構成部品を2個ずつ用いる必要があるという課題があった。
【0011】
さらに、上部ピストン2や下部ピストン13は外部に露出するため耐環境性の観点から硬クロムメッキなどの表面処理層を設ける必要があり、従って、全体として製品コストの上昇を招くという課題があった。
【0012】
また、二つのジャッキである下部シリンダ10や下部ピストン13を独立して作動させるため、油圧回路もそれぞれ独立させなければならず、このため、走行中の車両重量の変動による前後左右のジャッキ間の作動油の廻り込みを防ぎ、車体の傾きをなくするためには、作動させるジャッキを中間で止める使用法はできず、伸び切り状態で使用する必要があり、結果的に、温度上昇による作動油の膨張でジャッキ部の圧力の異常な増加を抑えるためには、前記各油室26,27を接続している各一の油路に、回路圧補償用のリリーフ弁が一つずつ必要になるという課題があった。
【0013】
この発明は、前記のような課題を解決するものであり、必要とする昇降ストロークが得られるにも拘らず、全体の軸方向長を短くすることができ、構成部品の簡素化と使用数の削減が図れ、また、ロッドの外部への露出を防止して耐環境性を向上できる車高調整装置および車高調整システムをローコストに得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、請求項1の発明にかかる車高調整装置は、車体側または懸架スプリング支持用のアッパースプリングシート側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入されており、アウターシリンダが車体側に取り付けられている場合はアッパースプリングシート側に取り付けられ、アウターシリンダがアッパースプリングシート側に取り付けられている場合は車体側に取り付けられた中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによってシール材を介して区画された第一の油室および第三の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して中間シリンダの移動方向に対して逆方向に移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第三の油室と受圧面積が等しい第二の油室とを有し、第一の油室には外部との間で作動油の給排がなされるようにすると共に、第二の油室および第三の油室は互いに連通可能とされて相互に作動油の給排がなされるようにしたものである。
【0015】
また、請求項2の発明にかかる車高調整システムは、第一の油室に作動油をチェック弁を介して供給するポンプと、第二の油室および第三の油室を繋ぐ回路の途中に接続されて車高を低から中または中から低に調整するときに開かれる第一の電磁弁と、第三の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を中から高または高から中に調整するときに開かれる第二の電磁弁と、第一の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を高または中から低に調整するときに開かれる第三の電磁弁と、第二の油室に接続されたリリーフ弁と、第一の油室の圧力を検出する圧力スイッチとを設けて、制御装置に車高選択入力および圧力スイッチの動作にもとづき第一の電磁弁,第二の電磁弁,第三の電磁弁およびポンプの動作を制御させるようにしたものである。
【0016】
また、請求項3の発明にかかる車高調整システムは、第一の油室に作動油をチェック弁を介して供給するポンプと、中間シリンダおよび第一のピストンに設けられて第二の油室および第三の油室を繋ぐ油路と、第三の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を低から高または高から低に調整するときに開かれる第四の電磁弁と、第一の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を中または高から低に調整するときに開かれる第五の電磁弁と、第三の油室に接続されたリリーフ弁と、第一の油室の圧力を検出する圧力スイッチとを設けて、制御装置に車高選択入力および圧力スイッチの動作にもとづき、第四の電磁弁,第五の電磁弁およびポンプの動作を制御させるようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図について説明するが、図1は、この発明の車高調整装置を示す断面図であって、同図において、101は、車軸(図示しない)とアッパースプリングシート102との間に介装したスプリングで、103は、車体であり、104は、車体103に取り付けられて中心部に油路117を有するヘッドカバーで、このヘッドカバー104下面にアウターシリンダ105の上端が溶接などにより一体固定されている。なお、油路117は、後述の回路Aに接続される。
【0018】
また、131は、上端部外周が大径部の第一のピストン106とされた中間シリンダであり、この中間シリンダ131は、アウターシリンダ105下端のシリンダ受部材132および断面U字状のパッキング111により油密的に軸方向摺動自在に支持されている。
【0019】
なお、111Aは、パッキング111の浮上がりを阻止するためのウェーブワッシャであり、112は、アウターシリンダ105の下端部外周および下端とシリンダ受部材132の下端を被い、さらに中間シリンダ131の外周に下端部が摺接するダストシールである。
【0020】
また、アウターシリンダ105の下端部内周には、このアウターシリンダ105に対する第一のピストン106の下限位置を決めるための、切欠リング状のストッパ109が嵌挿されている。
【0021】
そして、第一のピストン106は、アウターシリンダ105内を第一の油室としての油室119および第三の油室としての油室120に隔成している。
【0022】
なお、211は、第一のピストン106の外周に設けられてアウターシリンダ105の内周に密接するシール材としてのシールリングである、また、中間シリンダ131には下部に油路115が形成されており、この油路115は、後述の回路Bに接続されている。
【0023】
一方、107は、下端部外周が大径の第二のピストン107aとされたロッドであり、このロッド107は、中間シリンダ131のシリンダ穴131aの上端開口部に設けられたロッド受部材133およびシールリング110により油密的に摺動可能に支持されている。
【0024】
そして、第二のピストン107aは、ロッド受部材133により上端が塞がれたシリンダ穴131a内を第二の油室としての油室121および第四の油室としての油室の油室122に隔成している。なお、113は、各油室121,122に連通するように前記第二のピストン107aに形成された油路である。
【0025】
また、108は、シリンダ穴131aの内周に嵌挿された切欠リング状のストッパであり、これが第二のピストン107aの上限位置を決めている。
【0026】
さらに、123は、ロッド107の上端に水平方向に切欠された油路であり、このロッド107のヘッドカバー104下面に対する当接時にも、油路117および油室119間を連通可能にしている。
【0027】
また、アウターシリンダ105の下部には、油室120と外部の回路Cとを結ぶ油路212が設けられている。なお、この実施の形態において、油室120の環状の受圧面積とロッド107の小径部の受圧面積とは等しくなるように設定されている。
【0028】
図2は、前記した車高調整装置に油圧回路を接続して構成した車高調整システムを示す油圧回路図であり、同図において、151は、モータ152によって駆動されるポンプで、このポンプ151はタンク153内の作動油を、チェック弁154を介して、回路Aを通じて車高調整装置の油路117および油室119に供給する。
【0029】
また、155は、油路212に接続される回路Cと油路115に接続される回路Bとの間に接続されたノーマルクローズタイプの第一の電磁弁である、回路Bは、リリーフ弁156を介してタンク153に接続されている。
【0030】
157は、油路212とタンク153との間に接続されたノーマルクローズタイプの第二の電磁弁で、158は、油路117とタンク153とを繋ぐ油路の途中に絞り159を介して接続されたノーマルクローズタイプの第三の電磁弁である。
【0031】
また、160,161は、回路Aに接続されて、油室119内の高低各一の設定圧力を検出して動作する圧力スイッチであり、162は、車高選択入力および前記圧力スイッチ160,161の動作出力に応じて、第一の電磁弁155,第二の電磁弁157および第三の電磁弁158およびモータ152の動作を制御する制御装置である。
【0032】
なお、図1に示すような車高調整装置Sは、図2に示すように、車両の左右の前輪側および後輪側に設けられて、同図に示すように接続されている。
【0033】
次に動作を説明するが、この発明では、車高選択スイッチによる車高L(低),車高N(中),車高H(高)の選択入力によって、車高を昇降させて保持することになる。
(イ)車高をLからNに調整する場合
まず、車高Nの選択入力を行って、制御装置164はモータ152および第一の電磁弁155に通電する。このため、ポンプ151が作動し、ポンプ油圧がチェック弁154,回路Aおよび油路117を介して第一の油室119に供給される。このため車体が持ち上げられる。
【0034】
このため、ピストン106の下降により第三の油室120の容積が減少していき、この第三の油室120内の作動油が回路C,第一の電磁弁155および油路115を経て、油室121に送り込まれる。
【0035】
このため、この油室121への作動油の供給量に応じてロッド107が上昇することになり、結果的に、このロッド107はヘッドカバー104に当接したままで、第一のピストン106が下方へ移動することとなる。
【0036】
この移動によって第二のピストン107aがストッパ108に当たると、第二の油室Bはそれ以上容積が増さず、従って、第三の油室120は容積が減ることはない。
【0037】
従って、第一の油室119および回路Aの油圧が上がり、この油圧上昇を高圧側の圧力スイッチ160が検知して、この検知結果にもとづき、制御装置164はモータ152および第一の電磁弁155への給電を停止する。なお、このとき第一の油室119の圧力はチェック弁154により止められており、車高Nが保持される。
(ロ)車高をNからLに調整する場合
この場合には、第一の電磁弁155および第三の電磁弁158に通電する。こうすることで、車体を支えている第一の油室119内の作動油は、絞り159で流れを規制されながら、第三の電磁弁158を経てタンク153に戻される。
【0038】
このため、第一のピストン106がヘッドカバー104に当接し、車高がNからLに低下し、このため、第一の油室119内の油圧がなくなり、この油圧を低圧側の圧力スイッチ161により検知して、前記制御装置164の制御下で第一の電磁弁155および第三の電磁弁158への通電が停止される。
(ハ)車高をNからHに調整する場合
この場合は、モータ152および第二の電磁弁157に通電する。このため、第二の油室121はロッド107の伸び切り状態で第一の電磁弁155が閉じているため、ロッド107は中間シリンダ131内を摺動し、油圧は回路Aを介して第一の油室119に作用して、こんどは第一のピストン106の下方移動で車体を持ち上げることとなる。
【0039】
このとき、第三の油室120の容積が減少していくが、これに伴って排出される作動油は、第二の電磁弁157を介してタンク153に戻される。こうして、第一のピストン106がストッパ109に当って、この第一のピストン106のこれ以上の下降が停止される。
【0040】
この第一のピストン106の停止によって、第一の油室119および回路Aの油圧が上昇し、これが前記圧力スイッチ160が検出することにより、制御装置164は前記モータ152および第二の電磁弁157への通電を停止する。
【0041】
この場合においても、第一の油室119内の油圧はチェック弁145によって保持されており、車高をHに保持することができる。
(ニ)車高をHからNに調整する場合
この場合には、第二の電磁弁157および第三の電磁弁158に通電する。このため、第一の油室119内の作動油は絞り159で流れが規制されながら、第三の電磁弁158を介してタンク153へ排出される。
【0042】
一方、第三の油室120は第一のピストン106の上方移動によってその容積を増し、ここで不足する作動油はタンク153から第二の電磁弁157および回路Cを介して供給される。また、第二の油室121は第一の電磁弁155により保持されており、ロッド107は伸び切り状態にある。
【0043】
そして、ロッド107がヘッドカバー104に当接すると、第一の油室119および回路Aの圧力がなくなり、この圧力を圧力スイッチ161で検出することで、制御装置164は第二の電磁弁157および第三の電磁弁158への通電を停止する。このとき、各油室119,120,121の圧力はチェック弁154および第一の電磁弁155により保持され、車高がN位置で保持される。
(ホ)車高をLからHに調整する場合
この場合には、前記方法で車高をLからNへ、さらにNからHの順序で順次上昇させる。ここで、モータ152および第二の電磁弁157への通電により、一度に車高をLからHにすることができるが、これを行うと車高をHからLへ下げることができないので、これは禁止される。
(ヘ)車高をHからLに調整する場合
この場合においては、前記の方法で車高をHからNへ、さらにNからLの順で下げる。また必要に応じ、各電磁弁155,157,158に通電を行って、車高を一度に下げることもできる。
【0044】
なお、前記において、リリーフ弁156は、圧力スイッチ160,161、過積載などで車高が上がらない場合のモータ152の保護、あるいは車高保持状態で、油温(雰囲気温度)の上昇による回路内圧力の異常上昇の防止を図るように機能する。
【0045】
また、前記した実施の形態ではアウターシリンダ105を車体側のヘッドカバー104に取り付け、第一のピストン106をアッパースプリングシート102に取り付けた場合を述べたが、第一のピストン106をヘッドカバー104に取り付け、アウターシリンダ105をアッパースプリングレート102に取り付けてもよく、前記実施の形態と同様の作用,効果が得られる。
【0046】
図3は、図2に示すような車高調整システムにおいて、モータ152,各電磁弁155,157,158および圧力スイッチ160,161の動作に応じた車高調整状態を示す説明図である。
【0047】
図4は、車高調整装置の他の実施の形態を示す断面図である。これが図1に示した車高調整装置と異なるところは、第三の油室120および第四の油室122を第一のピストン106設置部付近の中間シリンダ131に形成した油路215を介して連通させたことと、図1に示すような第二の油室121に連通する油路115および回路Bを省いたことである。従って、第二の油室121と第三の油室120とは常時連通している。
【0048】
また、図5は、車高調整システムの他の実施の形態を示すが、これが、図2に示すものと異なるところは、前記第一の電磁弁155および回路Bが省かれ、第二の電磁弁157に対応する第四の電磁弁216および前記第三の電磁弁158に対応する第五の電磁弁217が設けられた点である。
【0049】
また、油路212は、回路Cと第四の電磁弁216およびリリーフ弁217とを介してタンク153に接続されている。
【0050】
次に、図4および図5の動作について説明する。
(ト)車高をLからNに調整する場合
この場合には、モータ152に通電する。これにより、ポンプ151から作動油が回路Aを通じて、第一の油室119に供給され、この油室119が加圧される。
【0051】
このため、第一のピストン106が下方移動し、第三の油室120の容積が減少し、これに対応して排出される作動油は油路215,113を介して第二の油室121内に至る。この動作によって、ロッド107はヘッドカバー104に当接したまま上方に伸びる。このほかの動作は前記(イ)の場合と同じである。
(チ)車高をNからLに調整する場合
この場合においては、第五の電磁弁217に通電する。これにより車体を支えている第一の油室119の圧油が、絞り159および第五の電磁弁217を介してタンク153へ戻される。
【0052】
このとき、ロッド107は下方へ移動し、第二の油室121の容積が減少し、その排除容積分の作動油は、油路113,215を介して第三の油室120内に至る。このため、第一のピストン106は上方へ移動する。このほかの動作は前記(ロ)の場合と同じである。
(リ)車高をLからHに調整する場合
この場合には、モータ152および第四の電磁弁216に通電する。これにより、第四の電磁弁216が開かれているため、第三の油室120から排出される分の作動油がタンク153に至る。このとき、ロッド107は移動せず、ヘッドカバー104から離れる。このほかの動作は前記(ハ)の場合と同じである。
(ヌ)車高をHからLに調整する場合
この場合には、第四の電磁弁216および第五の電磁弁217に通電する。これにより、第一の油室119内の作動油はタンク153へ戻され、第一のピストン106の上方移動によって、第三の油室120へタンク153から補給されることになる。
【0053】
なお、車高LからHへの調整およびHからLへの調整は、Lを基準として、前記のLからN、LからHへの調整およびHからL、NからLへの調整によってそれぞれなされ、LとNとHとを順次通過(L N H)する調整は行わない。例えば、NからHの調整ではロッド107が先に引込まれ、HからNの調整ではロッド107が出ていないため動作不可能となる。
【0054】
図6は、図5の車高調整システムにおいて、モータ152,各電磁弁216,217および圧力スイッチ160,161の動作に応じた車高調整状態を示す説明図である。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、車体側または懸架スプリング支持用のアッパースプリングシート側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入されており、アウターシリンダが車体側に取り付けられている場合はアッパースプリングシート側に取り付けられ、アウターシリンダがアッパースプリングシート側に取り付けられている場合は車体側に取り付けられた中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによってシール材を介して区画された第一の油室および第三の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して中間シリンダの移動方向に対して逆方向に移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に前記第二のピストンによって区画された第三の油室と受圧面積が等しい第二の油室とを有し、第一の油室には外部との間で作動油の給排がなされるようにし、第二の油室および第三の油室は互いに連通可能とされて、相互に作動油の給排がなされるように構成したので、ロッドを中間シリンダ内に、中間シリンダをアウターシリンダ内にそれぞれ収納させることで、油圧を加えたときこれらの作動方向を逆方向にするようにでき、これによりロッドおよび中間シリンダを油圧導入用の油路を含めてアウターシリンダ内に納めることができ、この結果、ロッドおよび中間シリンダの取付部やロッドの車体への取付部が不要となり、軸方向長の短縮化が可能になって、軸受部に働く曲げモーメントを抑えることができるという効果が得られる。
【0056】
また、ロッドが中間シリンダのシリンダ穴内で収縮自在となって、車体を支える推力を出す構成となっているため、そのロッド外周の防錆処理が不要であり、表面硬化処理も簡単なものでよく、また、前記のような取付部がないため、各ロッドおよび中間シリンダ自体の構成,形状も簡素にでき、これにより製造上,組立上のコストダウンを図ることができる。
【0057】
また、請求項2の発明によれば、第一の油室に作動油をチェック弁を介して供給するポンプと、第二の油室および第三の油室を繋ぐ回路の途中に接続されて車高を低から中または中から低に調整するときに開かれる第一の電磁弁と、第三の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を中から高または高から中に調整するときに開かれる第二の電磁弁と、第一の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を高または中から低に調整するときに開かれる第三の電磁弁と、第二の油室に接続されたリリーフ弁と、第一の油室の圧力を検出する圧力スイッチとを設けて、制御装置に車高選択入力および圧力スイッチの動作にもとづき第一の電磁弁,第二の電磁弁,第三の電磁弁およびポンプの動作を制御させるように構成したので、油圧回路の構成部品の使用数の削減および油圧回路の簡素化を見ることができ、低位,中位,高位の車高調整を安定的,確実に油圧制御できるという効果が得られる。
【0058】
さらに、油圧回路上ではロッドおよび中間シリンダを独立して油圧作動させることで、前後左右の各車高調整装置間での作動油の廻り込みを防止でき、また、各ロッドおよび中間シリンダが互いに押し合う配置とされているため、大きな外力が作用しても、各車高調整装置の各ロッドおよび中間シリンダがともに不用意に伸縮することはない。
【0059】
また、請求項3の発明によれば、第一の油室に作動油をチェック弁を介して供給するポンプと、第二のピストンおよび第一のピストンに設けられて第二の油室および第三の油室を繋ぐ油路と、第三の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて、車高を低から高または高から低に調整するときに開かれる第四の電磁弁と、第一の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を中または高から低に調整するときに開かれる第五の電磁弁と、第三の油室に接続されたリリーフ弁と、第一の油室の圧力を検出する圧力スイッチとを設けて、制御装置に車高選択入力および前記圧力スイッチの動作にもとづき、第四の電磁弁,第五の電磁弁およびポンプの動作を制御させるように構成したので、第二および第三の油室を繋ぐ回路を連通/遮断させるように切換動作させる必要がなくなり、その回路および電磁弁の使用を省略でき、また、前記回路を接続する油路やポートも不用にできるため、構成の簡素化とローコスト化、並びに高い信頼性が確保できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による車高調整装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の一形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図3】図2における車高調整システム各部の動作に応じた車高調整状態を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の他の形態による車高調整装置を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の他の形態による車高調整システムを示す油圧回路図である。
【図6】図5における車高調整システム各部の動作に応じた車高調整状態を示す説明図である。
【図7】従来の車高調整装置を示す断面図である。
【図8】従来の車高調整システムを示す油圧回路図である。
【符号の説明】
102 アッパースプリングシート
103 車体
105 アウターシリンダ
106 第一のピストン
107 ロッド
107a 第二のピストン
113 油路
119 油室(第一の油室)
120 油室(第三の油室)
121 油室(第二の油室)
122 油室(第四の油室)
131 中間シリンダ
151 ポンプ
154 チェック弁
155 第一の電磁弁
156 リリーフ弁
157 第二の電磁弁
158 第三の電磁弁
160,161 圧力スイッチ
164 制御装置
211 シールリング(シール材)
215 油路
216 第四の電磁弁
217 第五の電磁弁

Claims (3)

  1. 車体側または懸架スプリング支持用のアッパースプリングシート側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入されており、アウターシリンダが車体側に取り付けられている場合はアッパースプリングシート側に取り付けられ、アウターシリンダがアッパースプリングシート側に取り付けられている場合は車体側に取り付けられた中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによってシール材を介して区画された第一の油室および第三の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して中間シリンダの移動方向に対し逆方向に移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第三の油室と受圧面積が等しい第二の油室とからなり、第一の油室には外部との間で作動油の給排がなされると共に第二の油室および第三の油室は互いに連通可能とされて相互に作動油の給排がなされるようにしたことを特徴とする車高調整装置。
  2. 車体側または懸架スプリング支持用のアッパースプリングシート側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入されており、アウターシリンダが車体側に取り付けられている場合はアッパースプリングシート側に取り付けられ、アウターシリンダがアッパースプリングシート側に取り付けられている場合は車体側に取り付けられた中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによってシール材を介して区画された第一の油室および第三の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して中間シリンダの移動方向に対し逆方向に移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画された第三の油室と受圧面積が等しい第二の油室と、第一の油室に作動油をチェック弁を介して供給するポンプと、第二の油室および第三の油室を繋ぐ回路の途中に接続されて車高を低から中または中から低に調整するときに開かれる第一の電磁弁と、第三の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を中から高または高から中に調整するときに開かれる第二の電磁弁と、第一の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を高または中から低に調整するときに開かれる第三の電磁弁と、第二の油室に接続されたリリーフ弁と、第一の油室の圧力を検出する圧力スイッチと、車高選択入力および圧力スイッチの動作にもとづき第一の電磁弁,第二の電磁弁,第三の電磁弁およびポンプの動作を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする車高調整システム。
  3. 車体側または懸架スプリング支持用のアッパースプリングシート側に取り付けられたアウターシリンダと、該アウターシリンダ内に第一のピストンを介して移動自在に挿入されており、アウターシリンダが車体側に取り付けられている場合はアッパースプリングシート側に取り付けられ、アウターシリンダがアッパースプリングシート側に取り付けられている場合は車体側に取り付けられた中間シリンダと、アウターシリンダ内に第一のピストンによってシール材を介して区画された第一の油室および第三の油室と、中間シリンダ内に第二のピストンを介して中間シリンダの移動方向に対し逆方向に移動自在に挿入されたロッドと、中間シリンダ内に第二のピストンによって区画されて油路を介して互いに連通する第二の油室および第四の油室と、第一の油室に作動油をチェック弁を介して供給するポンプと、中間シリンダおよび第一のピストンに設けられて第二の油室および第三の油室を繋ぐ油路と、第三の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を低から高または高から低に調整するときに開かれる第四の電磁弁と、第一の油室とタンクとを繋ぐ回路の途中に接続されて車高を中または高から低に調整するときに開かれる第五の電磁弁と、第三の油室に接続されたリリーフ弁と、第一の油室の圧力を検出する圧力スイッチと、車高選択入力および圧力スイッチの動作にもとづいて第四の電磁弁,第五の電磁弁およびポンプの動作を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする車高調整システム。
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