JP2010076478A - キャブチルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数および組付工数の増加を抑制しつつ、チルトアップ効率およびエネルギ効率を向上させることができるキャブチルト装置を提供する。
【解決手段】キャブ1とフレーム2間に介設されキャブ1をチルトさせるシリンダ装置3であり、上げ側油圧室5aに圧油を給排する上げ側油路11と、下げ側油圧室5bに圧油を給排する下げ側油路12とを備えたチルト用シリンダ装置3において、上げ側油路11にパイロット逆止弁16を設け、上げ側油圧室5aと下げ側油圧室5bとを連通させる配管74を設け、配管74には伸長時に配管74の通路を遮断するポペット弁70を設ける。走行中のロストモーションは配管74での圧油の出入りで確保する。伸長時に上げ側油圧室5aに供給された圧油が配管74を通って下げ側油圧室5bに流れ込むのをポペット弁70で阻止することで、チルトアップ効率やエネルギ効率を向上できる。
【選択図】図2
【解決手段】キャブ1とフレーム2間に介設されキャブ1をチルトさせるシリンダ装置3であり、上げ側油圧室5aに圧油を給排する上げ側油路11と、下げ側油圧室5bに圧油を給排する下げ側油路12とを備えたチルト用シリンダ装置3において、上げ側油路11にパイロット逆止弁16を設け、上げ側油圧室5aと下げ側油圧室5bとを連通させる配管74を設け、配管74には伸長時に配管74の通路を遮断するポペット弁70を設ける。走行中のロストモーションは配管74での圧油の出入りで確保する。伸長時に上げ側油圧室5aに供給された圧油が配管74を通って下げ側油圧室5bに流れ込むのをポペット弁70で阻止することで、チルトアップ効率やエネルギ効率を向上できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、キャブチルト装置に関する。
例えば、キャブオーバエンジン形自動車に搭載されるキャブチルト装置に利用して有効なものに関する。
例えば、キャブオーバエンジン形自動車に搭載されるキャブチルト装置に利用して有効なものに関する。
中型や大型のキャブオーバ形トラックにおいては、エンジン部分の点検保守等を容易に実施することができるように、キャブチルト装置が搭載されている。
このキャブチルト装置においては、キャブとフレームとの間にオイルポンプによって駆動されるチルト用シリンダ装置が介設されており、このチルト用シリンダ装置の上げ側油路にオイルポンプによって圧油が供給されることによりキャブが持ち上げられ、下げ側油路に圧油が供給されることによりキャブを降ろすように、構成されている。
このキャブチルト装置においては、キャブとフレームとの間にオイルポンプによって駆動されるチルト用シリンダ装置が介設されており、このチルト用シリンダ装置の上げ側油路にオイルポンプによって圧油が供給されることによりキャブが持ち上げられ、下げ側油路に圧油が供給されることによりキャブを降ろすように、構成されている。
キャブチルト装置においては、トラックが道路を走行している時にはチルト用シリンダ装置が走行中のキャブの自由な動きの抵抗にならないようにして乗心地の悪化を防止する必要がある。
そこで、従来のこの種のキャブチルト装置としては、チルト用シリンダ装置の上げ側油圧室と下げ側油圧室との間を連絡路(導管)によって接続することにより、トラックが道路を走行している時にはチルト用シリンダ装置が走行中のキャブの自由な動きの抵抗にならないように構成したものがある。
すなわち、トラックが道路を走行している時には、オイルが上げ側油圧室と下げ側油圧室との間を連絡路を経由して往き来することにより、チルト用シリンダ装置は標準位置を基準として最上点と最下点との間をいずれの方向にも不規則に伸縮(ロストモーション)するために、チルト用シリンダ装置が走行中のキャブの自由な動きの抵抗にならない(例えば、特許文献1参照)。
特公平3−71310号公報
そこで、従来のこの種のキャブチルト装置としては、チルト用シリンダ装置の上げ側油圧室と下げ側油圧室との間を連絡路(導管)によって接続することにより、トラックが道路を走行している時にはチルト用シリンダ装置が走行中のキャブの自由な動きの抵抗にならないように構成したものがある。
すなわち、トラックが道路を走行している時には、オイルが上げ側油圧室と下げ側油圧室との間を連絡路を経由して往き来することにより、チルト用シリンダ装置は標準位置を基準として最上点と最下点との間をいずれの方向にも不規則に伸縮(ロストモーション)するために、チルト用シリンダ装置が走行中のキャブの自由な動きの抵抗にならない(例えば、特許文献1参照)。
チルト用シリンダ装置の上げ側油圧室と下げ側油圧室との間を連通路によって接続したキャブチルト装置においては、シリンダ伸長作動時にはフレーム側油圧室に油を送り、シリンダ縮長作動時にはキャブ側油圧室に油を送る復動型シリンダを採用した場合、キャブチルトアップ時にフレーム側油圧室に送られた油は連通路を通り、キャブ側油圧室に流れ込み、その後、キャブ側油圧室からチルトポンプのオイルタンクへと戻ってしまう。したがって、キャブをチルトすることができない。
そこで、一般的に、キャブチルト時には、シリンダのキャブ側油圧室とフレーム側油圧室との両方にオイルを供給し、キャブ側油圧室とフレーム側油圧室との受圧断面積差によって生じるシリンダ推力により、シリンダを伸長作動させる差動式シリンダが用いられている。
しかし、差動式シリンダではキャブ側油圧室とフレーム側油圧室との受圧断面積差と、油圧との積で伸び側推力が発生するため、フレーム側油圧室の断面積と油圧との積で伸び側推力が発生する、復動シリンダよりも、同じ推力を得ようとした場合、どうしてもシリンダの直径を大きくしなければならず、重量が重く、車両取り付けスペースを多く必要とするマイナス面があった。
これを改善し、上げ側油圧室と下げ側油圧室との間の連通路を有しながらも復動型シリンダを採用したものが、前述したキャブチルト装置である。
しかしながら、前述したキャブチルト装置は、シリンダ伸長時にピストンの導管閉塞部には隙間が存在し、この部分からフレーム側油圧室に送られた油がこの隙間から漏れ出し、チルトポンプのオイルタンクへ戻ってしまうことから、チルトアップの時間が長くなるとともに、エネルギー効率が低くなるという問題点がある。
そこで、一般的に、キャブチルト時には、シリンダのキャブ側油圧室とフレーム側油圧室との両方にオイルを供給し、キャブ側油圧室とフレーム側油圧室との受圧断面積差によって生じるシリンダ推力により、シリンダを伸長作動させる差動式シリンダが用いられている。
しかし、差動式シリンダではキャブ側油圧室とフレーム側油圧室との受圧断面積差と、油圧との積で伸び側推力が発生するため、フレーム側油圧室の断面積と油圧との積で伸び側推力が発生する、復動シリンダよりも、同じ推力を得ようとした場合、どうしてもシリンダの直径を大きくしなければならず、重量が重く、車両取り付けスペースを多く必要とするマイナス面があった。
これを改善し、上げ側油圧室と下げ側油圧室との間の連通路を有しながらも復動型シリンダを採用したものが、前述したキャブチルト装置である。
しかしながら、前述したキャブチルト装置は、シリンダ伸長時にピストンの導管閉塞部には隙間が存在し、この部分からフレーム側油圧室に送られた油がこの隙間から漏れ出し、チルトポンプのオイルタンクへ戻ってしまうことから、チルトアップの時間が長くなるとともに、エネルギー効率が低くなるという問題点がある。
本発明の目的は、部品点数および組付工数の増加を抑制しつつ、チルトアップ効率およびエネルギ効率を向上させることができるキャブチルト装置を提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置と、 このチルト用シリンダ装置のフレーム側油圧室に圧油を供給または排出する上げ側給排油路と、
前記チルト用シリンダ装置のキャブ側油圧室に圧油を供給または排出する下げ側給排油路と、
前記上げ側給排油路に介装されたパイロット逆止弁と、
前記フレーム側油圧室と前記キャブ側油圧室とを、前記チルト用シリンダ装置の前記キャブ側端部において互いに連通させる連通路と、
前記チルト用シリンダ装置の伸長作動時に前記連通路を遮断して前記フレーム側油圧室に供給された圧油が前記連通路を通って前記キャブ側油圧室に流れ込むのを阻止するポペット弁と、
を備えていることを特徴とするキャブチルト装置。
キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置と、 このチルト用シリンダ装置のフレーム側油圧室に圧油を供給または排出する上げ側給排油路と、
前記チルト用シリンダ装置のキャブ側油圧室に圧油を供給または排出する下げ側給排油路と、
前記上げ側給排油路に介装されたパイロット逆止弁と、
前記フレーム側油圧室と前記キャブ側油圧室とを、前記チルト用シリンダ装置の前記キャブ側端部において互いに連通させる連通路と、
前記チルト用シリンダ装置の伸長作動時に前記連通路を遮断して前記フレーム側油圧室に供給された圧油が前記連通路を通って前記キャブ側油圧室に流れ込むのを阻止するポペット弁と、
を備えていることを特徴とするキャブチルト装置。
前記手段によれば、部品点数、組付工数およびチルトポンプ吐出量の増加を抑制しつつチルトアップ時間およびエネルギー効率を向上させることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
図1に示されているように、本実施の形態に係るキャブチルト装置は、チルト用シリンダ装置3を備えている。キャブ1のチルト操作は、キャブ1とフレーム2との間に介設されたチルト用シリンダ装置3の油圧による伸縮作動により行われる。
すなわち、キャブ1はフレーム2に支点1aによって前後方向に回動自在に支持されており、チルト用シリンダ装置3のピストンロッド4の上端がキャブ1に回動自在に枢着され、シリンダ5の下端がフレーム2に回動自在に枢着されている。
キャブ1の後端中央部にはキャブロック装置6が設置されている。キャブロック装置6はキャブ1とフレーム2を連結したり、連結を解除したりする。
すなわち、キャブ1は後端部において、左右のフレームが山形の形状をしたリヤアーチ6aで連結されており、リヤアーチ6aにはコイルばねまたは空気ばね6bを介してフローティングバー6cが取り付けられている。キャブロック装置6はキャブ1をフローティングバー6cに連結させ、キャブをチルトするときはこの連結をキャブロック解除レバー(以下、手動レバーという。)6dによって解除させる。
すなわち、キャブ1はフレーム2に支点1aによって前後方向に回動自在に支持されており、チルト用シリンダ装置3のピストンロッド4の上端がキャブ1に回動自在に枢着され、シリンダ5の下端がフレーム2に回動自在に枢着されている。
キャブ1の後端中央部にはキャブロック装置6が設置されている。キャブロック装置6はキャブ1とフレーム2を連結したり、連結を解除したりする。
すなわち、キャブ1は後端部において、左右のフレームが山形の形状をしたリヤアーチ6aで連結されており、リヤアーチ6aにはコイルばねまたは空気ばね6bを介してフローティングバー6cが取り付けられている。キャブロック装置6はキャブ1をフローティングバー6cに連結させ、キャブをチルトするときはこの連結をキャブロック解除レバー(以下、手動レバーという。)6dによって解除させる。
図2に示されているように、チルト用シリンダ装置3の油圧駆動回路10は上げ側給排油路(以下、上げ側油路という。)11と、下げ側給排油路(以下、下げ側油路という。)12と、DCモータによって駆動されるオイルポンプ(以下、ポンプという。)13と、タンク14と、手動切換弁(以下、切換弁という。)15と、を備えている。
上げ側油路11はシリンダ5のフレーム側油圧室(以下、上げ側油圧室という。)5aに流体的に接続されており、下げ側油路12はシリンダ5のキャブ側油圧室(以下、下げ側油圧室という。)5bに流体的に接続されている。
上げ側油路11はシリンダ5のフレーム側油圧室(以下、上げ側油圧室という。)5aに流体的に接続されており、下げ側油路12はシリンダ5のキャブ側油圧室(以下、下げ側油圧室という。)5bに流体的に接続されている。
切換弁15は4ポート・2位置・手動操作形切換弁によって構成されており、ポンプ13からの圧油を上げ側油路11に供給するか、下げ側油路12に供給するかの切り換えを、切換レバー15aによって行う。
車両走行中や停車中や駐車中等の通常時には、切換弁15は図2に示された位置に設定される。すなわち、上げ側油路11の負荷ポートaがタンクポートTに接続され、下げ側油路12の負荷ポートbがポンプポートPに接続されている。
車両走行中や停車中や駐車中等の通常時には、切換弁15は図2に示された位置に設定される。すなわち、上げ側油路11の負荷ポートaがタンクポートTに接続され、下げ側油路12の負荷ポートbがポンプポートPに接続されている。
上げ側油路11にはパイロット操作形逆止弁(以下、パイロット逆止弁という。)16が介設されている。パイロット逆止弁16は、下げ側油路12の圧力が予め設定されたパイロット圧力値未満である時にはシリンダ5の上げ側油圧室5aから切換弁15側への流れを阻止し、設定値以上になると、その流れを許容する。
なお、図2中、7はタンク14と切換弁15との間に設置されたリリーフ弁、8はタンク14に設置されたフィルタ、9はタンク14に設置されたリリーフ弁、である。
なお、図2中、7はタンク14と切換弁15との間に設置されたリリーフ弁、8はタンク14に設置されたフィルタ、9はタンク14に設置されたリリーフ弁、である。
図3に示されているように、チルト用シリンダ装置3のシリンダ5のフレーム側端部には弁ユニット20が設置されている。弁ユニット20にはパイロット逆止弁16および後述するポペット弁70が形成されている。
図4に示されているように、弁ユニット20のボデー21の下面には上げ側ポート22および下げ側ポート23がそれぞれ開設されており、上げ側ポート22および下げ側ポート23は切換弁15の負荷ポートaおよび負荷ポートbにそれぞれ接続されている。上げ側ポート22および下げ側ポート23には上げ側フィルタ24および下げ側フィルタ25がそれぞれ介設されている。
図4に示されているように、弁ユニット20のボデー21の下面には上げ側ポート22および下げ側ポート23がそれぞれ開設されており、上げ側ポート22および下げ側ポート23は切換弁15の負荷ポートaおよび負荷ポートbにそれぞれ接続されている。上げ側ポート22および下げ側ポート23には上げ側フィルタ24および下げ側フィルタ25がそれぞれ介設されている。
図4に示されているように、ボデー21の上端部には、パイロット逆止弁16を取り付けるための取付孔31が全幅にわたって開設されており、取付孔31の一端部にはプラグ33が螺入されている。取付孔31内周とプラグ33外周との間にはシール部材32が介設されている。
取付孔31の一端部には弁室34が形成されている。弁室34の片側には弁口35が開設されており、弁口35周りには弁座36が形成されている。弁室34内にはボールからなる弁体37が収容されており、弁体37は弁座36に離着座して弁口35を開閉する。プラグ33にはスプリング挿入穴38が没設されており、スプリング挿入穴38内にはバルブスプリング39が設けられている。バルブスプリング39は弁体37を弁座36に着座させる方向に常時付勢する。
取付孔31における弁口35の弁体37側には連通室40Aが形成されており、図4に破線で示されているように、連通室40Aには連通路40の一端が接続されている。図3に破線で示されているように、連通路40の他端はシリンダ5の上げ側油圧室5aに接続されている。
取付孔31における弁口35の弁体37と反対側には、連絡通路42の一端が絞り41を介して接続されている。連絡通路42の他端は上げ側ポート22に接続されている。
取付孔31の一端部には弁室34が形成されている。弁室34の片側には弁口35が開設されており、弁口35周りには弁座36が形成されている。弁室34内にはボールからなる弁体37が収容されており、弁体37は弁座36に離着座して弁口35を開閉する。プラグ33にはスプリング挿入穴38が没設されており、スプリング挿入穴38内にはバルブスプリング39が設けられている。バルブスプリング39は弁体37を弁座36に着座させる方向に常時付勢する。
取付孔31における弁口35の弁体37側には連通室40Aが形成されており、図4に破線で示されているように、連通室40Aには連通路40の一端が接続されている。図3に破線で示されているように、連通路40の他端はシリンダ5の上げ側油圧室5aに接続されている。
取付孔31における弁口35の弁体37と反対側には、連絡通路42の一端が絞り41を介して接続されている。連絡通路42の他端は上げ側ポート22に接続されている。
取付孔31にはシリンダ室43が弁口35の連通室40Aと反対側に形成されており、シリンダ室43にはパイロットピストン44が摺動自在に嵌合されている。パイロットピストン44には弁棒45が一体に形成されており、弁棒45は弁室34および弁口35に挿入して弁体37に対向している。パイロットピストン44はスプリング46によって弁体37から離れる方向に常時付勢されている。
取付孔31には圧力室47が連通室40Aと反対側のシリンダ室43の片脇に形成されている。圧力室47は取付孔31の端部に螺入されたプラグ48によって閉塞されている。圧力室47にはパイロット通路49の一端が接続されており、パイロット通路49の他端は下げ側ポート23に接続されている。パイロットピストン44は圧力室47すなわちパイロット通路49内を流れる油の圧力の上昇によって、スプリング46に抗する方向に付勢される。
圧力室47には連絡通路50の一端が接続されており、連絡通路50の他端には連絡路としての配管51の一端が接続されている。図3に示されているように、配管51の他端は下げ側油圧室5bの先端部(キャブ側端部)に開設された連通ポート5dに接続されている。連通ポート5dには絞り52が加工されている。パイロット通路49および連絡通路50は絞り53を介して下げ側ポート23に接続されている。
取付孔31には圧力室47が連通室40Aと反対側のシリンダ室43の片脇に形成されている。圧力室47は取付孔31の端部に螺入されたプラグ48によって閉塞されている。圧力室47にはパイロット通路49の一端が接続されており、パイロット通路49の他端は下げ側ポート23に接続されている。パイロットピストン44は圧力室47すなわちパイロット通路49内を流れる油の圧力の上昇によって、スプリング46に抗する方向に付勢される。
圧力室47には連絡通路50の一端が接続されており、連絡通路50の他端には連絡路としての配管51の一端が接続されている。図3に示されているように、配管51の他端は下げ側油圧室5bの先端部(キャブ側端部)に開設された連通ポート5dに接続されている。連通ポート5dには絞り52が加工されている。パイロット通路49および連絡通路50は絞り53を介して下げ側ポート23に接続されている。
図4に示されているように、ボデー21にはポペット弁70がパイロット逆止弁16の下側に設けられている。ポペット弁70は2ポート・2位置・パイロット切換弁(図2参照)として構成されている。
ボデー21にはポペット弁70を取り付けるための取付穴71が開設されており、取付穴71の開口端部にはプラグ72が螺入されている。取付穴71の底部には連通ポート73が形成されており、連通ポート73には連通路としての配管74の一端が接続されている。図3に示されているように、配管74の他端は、シリンダ5の基端部(フレーム側端部)付近に開設された連通ポート(油圧室側連通ポート)5cに接続されている。
取付穴71内には弁口75が連通ポート73に隣接して形成されており、弁口75周りには弁座76が形成されている。取付穴71内には弁室78が弁座76の片脇に形成されており、弁室78にはコーン形状の弁体77が収容されている。弁体77は弁座76に離着座して弁口75を開閉する。
弁室78には連絡通路79の一端が接続されており、連絡通路79の他端は上げ側油圧室5aに接続されている(図2および図3参照)。
ボデー21にはポペット弁70を取り付けるための取付穴71が開設されており、取付穴71の開口端部にはプラグ72が螺入されている。取付穴71の底部には連通ポート73が形成されており、連通ポート73には連通路としての配管74の一端が接続されている。図3に示されているように、配管74の他端は、シリンダ5の基端部(フレーム側端部)付近に開設された連通ポート(油圧室側連通ポート)5cに接続されている。
取付穴71内には弁口75が連通ポート73に隣接して形成されており、弁口75周りには弁座76が形成されている。取付穴71内には弁室78が弁座76の片脇に形成されており、弁室78にはコーン形状の弁体77が収容されている。弁体77は弁座76に離着座して弁口75を開閉する。
弁室78には連絡通路79の一端が接続されており、連絡通路79の他端は上げ側油圧室5aに接続されている(図2および図3参照)。
取付穴71内には小径シリンダ室80が弁室78の弁口75と反対脇に形成されており、小径シリンダ室80の隣には大径シリンダ室81が形成されている。
小径シリンダ室80には弁棒82が挿通されており、弁棒82は弁体77と一体に形成されている。弁棒82の弁体77と反対側には弁棒82と一体に形成されたピストン83が小径シリンダ室80と大径シリンダ室81とに跨がるように形成されている。ピストン83はプラグ72と対向している。
小径シリンダ室80にはパイロット通路84の一端が接続されており、パイロット通路84の他端は下げ側ポート23に接続されている。
大径シリンダ室81にはパイロット通路85の一端が接続されており、パイロット通路85の他端は上げ側ポート22に接続されている。
小径シリンダ室80には弁棒82が挿通されており、弁棒82は弁体77と一体に形成されている。弁棒82の弁体77と反対側には弁棒82と一体に形成されたピストン83が小径シリンダ室80と大径シリンダ室81とに跨がるように形成されている。ピストン83はプラグ72と対向している。
小径シリンダ室80にはパイロット通路84の一端が接続されており、パイロット通路84の他端は下げ側ポート23に接続されている。
大径シリンダ室81にはパイロット通路85の一端が接続されており、パイロット通路85の他端は上げ側ポート22に接続されている。
次に、作用を説明する。
トラックが道路を走行している時には、チルト用シリンダ装置3は標準位置を基準として最上点と最下点との間を、いずれの方向にも不規則に伸縮(ロストモーション)することで、チルト用シリンダ装置3が走行中のキャブ1の自由な動きの抵抗にならないようにして乗心地の悪化を防いでいる。
すなわち、チルト用シリンダ装置3の油圧駆動回路10を、図2、図3および図4に示された状態に設定することにより、トラックの走行中の上下動に追従して、オイルが上げ側油圧室5aと下げ側油圧室5bとの間を連絡通路79および配管74を経由して往き来するため、チルト用シリンダ装置3が走行中のキャブ1の自由な動きの抵抗になるのを回避することができる。
すなわち、チルト用シリンダ装置3の油圧駆動回路10を、図2、図3および図4に示された状態に設定することにより、トラックの走行中の上下動に追従して、オイルが上げ側油圧室5aと下げ側油圧室5bとの間を連絡通路79および配管74を経由して往き来するため、チルト用シリンダ装置3が走行中のキャブ1の自由な動きの抵抗になるのを回避することができる。
チルト用シリンダ装置3のロストモーションに際して、図2の状態からピストン4aが基端側(フレーム側)に移動すると、パイロット逆止弁16が切換弁15側への流れを阻止しているので、上げ側油圧室5aのオイルはピストン4aの移動分だけ、連絡通路79および配管74を通って下げ側油圧室5bに逃げようとする。
ここで、下げ側油圧室5bの容積は上げ側油圧室5aの容積よりもピストンロッド4が挿通している分だけ小さく、下げ側油圧室5bは切換弁15の負荷ポートb、ポンプポートPを介して、ポンプの吐出チェック弁114およびリリーフ弁7により閉塞状態であることから、下げ側油圧室5bは上げ側油圧室5aから流入して来るオイルを収容しきれない。このため、上げ側油圧室5aおよび下げ側油圧室5bのオイルは圧力が上昇する。この際、絞り52と配管51を介して下げ側油圧室5bと接続しているパイロット通路49の圧力も上昇する。
パイロット通路49の圧力がパイロット逆止弁16の予め設定されたパイロット圧力値以上になると、図8に示されているように、パイロット通路49の圧力の作用力によってパイロットピストン44が左方向へ移動するため、パイロット逆止弁16の弁体37が弁棒45によって押されて弁座36から離座され、弁口35が開かれる。
図7において、パイロット逆止弁16が開くと、シリンダ5の上げ側油圧室5aで下げ側油圧室5bに流入できなかったオイルは、切換弁15の負荷ポートaを経由してタンク14に排出される。
また、上げ側油圧室5aの連絡通路79が接続された弁室78の圧力も上昇するので、弁体77が弁座76から離座したままとなり、ポペット弁70は開き状態を維持する。
以上により、ピストン4aは基端側に移動することができる。
ここで、下げ側油圧室5bの容積は上げ側油圧室5aの容積よりもピストンロッド4が挿通している分だけ小さく、下げ側油圧室5bは切換弁15の負荷ポートb、ポンプポートPを介して、ポンプの吐出チェック弁114およびリリーフ弁7により閉塞状態であることから、下げ側油圧室5bは上げ側油圧室5aから流入して来るオイルを収容しきれない。このため、上げ側油圧室5aおよび下げ側油圧室5bのオイルは圧力が上昇する。この際、絞り52と配管51を介して下げ側油圧室5bと接続しているパイロット通路49の圧力も上昇する。
パイロット通路49の圧力がパイロット逆止弁16の予め設定されたパイロット圧力値以上になると、図8に示されているように、パイロット通路49の圧力の作用力によってパイロットピストン44が左方向へ移動するため、パイロット逆止弁16の弁体37が弁棒45によって押されて弁座36から離座され、弁口35が開かれる。
図7において、パイロット逆止弁16が開くと、シリンダ5の上げ側油圧室5aで下げ側油圧室5bに流入できなかったオイルは、切換弁15の負荷ポートaを経由してタンク14に排出される。
また、上げ側油圧室5aの連絡通路79が接続された弁室78の圧力も上昇するので、弁体77が弁座76から離座したままとなり、ポペット弁70は開き状態を維持する。
以上により、ピストン4aは基端側に移動することができる。
反対に、チルト用シリンダ装置3のロストモーションに際して、図2の状態からピストン4aが先端側(キャブ側)に移動すると、下げ側油圧室5bは切換弁15の負荷ポートb、ポンプポートPを介して接続しているポンプ13の吐出チェック弁114およびリリーフ弁7により閉塞状態であり、かつまた、上げ側油圧室5aの容積は下げ側油圧室5bの容積よりもピストンロッド4が挿通していない分だけ大きいので、下げ側油圧室5bのオイルはピストン4aの移動分だけ、連通ポート5c、配管74、弁室78を経由して上げ側油圧室5aに流れ込む。このとき、弁体77は下げ側油圧室から連通ポート5c、配管74を経由して、上げ側油圧室5aに流れ込むオイルに押され、弁座76から離座したままとなり、ポペット弁70は開き状態を維持する。
以上により、ピストン4aは先端側に移動することができる。
以上により、ピストン4aは先端側に移動することができる。
キャブ1がチルトアップされるに際しては、キャブロック装置6(図1参照)が手動レバー6dによって解除される。
図5において、ポンプスイッチがオンにされると、DCモータがポンプ13を駆動し、ポンプ13がオイルを切換弁15のポンプポートPに送り出す。
図5において、切換弁15はオイルを上げ側油路11の負荷ポートaに導く。負荷ポートaのオイルは上げ側油路11を通り、弁ユニット20の上げ側ポート22に至る。
図5および図4に示されているように、上げ側ポート22のオイルは、連絡通路42、絞り41、弁口35、連通室40Aおよび連通路40を経由して、シリンダ5の上げ側油圧室5aに流入する。
図5において、ポンプスイッチがオンにされると、DCモータがポンプ13を駆動し、ポンプ13がオイルを切換弁15のポンプポートPに送り出す。
図5において、切換弁15はオイルを上げ側油路11の負荷ポートaに導く。負荷ポートaのオイルは上げ側油路11を通り、弁ユニット20の上げ側ポート22に至る。
図5および図4に示されているように、上げ側ポート22のオイルは、連絡通路42、絞り41、弁口35、連通室40Aおよび連通路40を経由して、シリンダ5の上げ側油圧室5aに流入する。
図5において、上げ側油圧室5aに流入したオイルは、ピストンロッド4を伸長作動させることにより、キャブ1をフレーム2から持ち上げて行きチルトアップさせて行く。
この際、ピストンロッド4を伸長作動させるためには、シリンダ5の下げ側油圧室5bのオイルを排出させる必要がある。
図5において、シリンダ5の下げ側油圧室5bのオイルは、絞り52、配管51、弁ユニット20の連絡通路50、絞り53および下げ側ポート23を経由して切換弁15の負荷ポートbに達し、切換弁15から排油路18を通り、タンク14へ戻る。
したがって、チルト用シリンダ装置3のピストンロッド4は伸長作動してキャブ1をチルトアップさせることができる。
この際、ピストンロッド4を伸長作動させるためには、シリンダ5の下げ側油圧室5bのオイルを排出させる必要がある。
図5において、シリンダ5の下げ側油圧室5bのオイルは、絞り52、配管51、弁ユニット20の連絡通路50、絞り53および下げ側ポート23を経由して切換弁15の負荷ポートbに達し、切換弁15から排油路18を通り、タンク14へ戻る。
したがって、チルト用シリンダ装置3のピストンロッド4は伸長作動してキャブ1をチルトアップさせることができる。
ところで、図5において、ピストンロッド4の伸長作動の初期においては、上げ側油圧室5aと下げ側油圧室5bとが連絡通路79および配管74によって連通されているために、上げ側油圧室5aに供給されたオイルが連絡通路79および配管74を通って下げ側油圧室5bに流れ込んでしまう。
下げ側油圧室5bに流れ込んだオイルは、絞り52、配管51、連絡通路50、絞り53および下げ側ポート23を経由して切換弁15の負荷ポートbに達し、切換弁15から排油路18を通り、タンク14へ戻ってしまうため、キャブをチルトアップすることができない。
本実施の形態においては、連絡通路79および配管74に介設したポペット弁70によって連絡通路79と配管74を遮断することにより、上げ側油圧室5aに供給されたオイルが配管74を通って下げ側油圧室5bに流れ込んでしまうのを阻止するものとした。
すなわち、図5および図6に示されているように、上げ側ポート22の一部のオイルはパイロット通路85を通り、ポペット弁70の大径シリンダ室81へ達する。大径シリンダ室81に流れ込んだオイルは、ピストン83を右方に移動させるために、ピストン83に弁棒82を介して一体になった弁体77は、弁座76に着座し、弁口75を隙間無く閉じて、連絡通路79と配管74との間を略油漏れのない状態に遮断する。
これにより、上げ側油圧室5aに供給されたオイルの下げ側油圧室5bへの流れ込みを阻止することができるので、キャブのチルトアップが可能となる。すなわち、チルトアップ効率およびエネルギ効率を向上させることができる。
下げ側油圧室5bに流れ込んだオイルは、絞り52、配管51、連絡通路50、絞り53および下げ側ポート23を経由して切換弁15の負荷ポートbに達し、切換弁15から排油路18を通り、タンク14へ戻ってしまうため、キャブをチルトアップすることができない。
本実施の形態においては、連絡通路79および配管74に介設したポペット弁70によって連絡通路79と配管74を遮断することにより、上げ側油圧室5aに供給されたオイルが配管74を通って下げ側油圧室5bに流れ込んでしまうのを阻止するものとした。
すなわち、図5および図6に示されているように、上げ側ポート22の一部のオイルはパイロット通路85を通り、ポペット弁70の大径シリンダ室81へ達する。大径シリンダ室81に流れ込んだオイルは、ピストン83を右方に移動させるために、ピストン83に弁棒82を介して一体になった弁体77は、弁座76に着座し、弁口75を隙間無く閉じて、連絡通路79と配管74との間を略油漏れのない状態に遮断する。
これにより、上げ側油圧室5aに供給されたオイルの下げ側油圧室5bへの流れ込みを阻止することができるので、キャブのチルトアップが可能となる。すなわち、チルトアップ効率およびエネルギ効率を向上させることができる。
キャブ1のチルト角度が少なくてキャブのチルトアップ完了後もキャブの重心が図1の支点1aを越えない場合や、チルトアップ途中、キャブの重心が図1の支点1aを越えない状態で、かつ、シリンダ3のピストン4aが連通ポート5cよりキャブ1側へ移動した位置で、ポンプスイッチがオフされ、ポンプ13の運転が停止した場合には、切換弁15等からの内部漏れ等により、上げ側油路11の油圧が降下し、パイロット逆止弁16の弁体37が弁座36に着座するため、シリンダ5は短縮しない状態になる。すなわち、チルト用シリンダ装置3はキャブ1を支持することができる。
同時に、上げ側油路11の圧力により右側へ押されていたピストン83は、切換弁15等からの内部漏れにより、上げ側油路11の油圧が降下すると、上げ側油圧室5aと連通し、キャブからの荷重により高圧となっている弁室78および弁口75の圧力に押され、左側へ移動する。すなわち、ピストン83に弁棒82を介して一体に形成された弁体77は弁座76から離座する。
このとき、連絡通路79と配管74との間は開の状態となるが、シリンダ5が伸長状態にある本位置では、両者ともに上げ側油圧室5aに存在するので、上げ側油圧室5aのオイルは上げ側油圧室5aから外へ漏れ出すことはない。すなわち、このとき、連絡通路79と配管74との間が開の状態となったことにより、シリンダ5は短縮することはない。
このとき、連絡通路79と配管74との間は開の状態となるが、シリンダ5が伸長状態にある本位置では、両者ともに上げ側油圧室5aに存在するので、上げ側油圧室5aのオイルは上げ側油圧室5aから外へ漏れ出すことはない。すなわち、このとき、連絡通路79と配管74との間が開の状態となったことにより、シリンダ5は短縮することはない。
大型トラック等ではキャブ1のチルト角度は大きく、キャブのチルトアップ完了時にはキャブの重心が図1の支点1aを超えるものが多い。このようなトラックでチルトアップ完了時後、ポンプスイッチがオフされ、ポンプ13の運転が停止すると、切換弁15等からの内部漏れにより、上げ側油路11の油圧が降下し、パイロット逆止弁16の弁体37が弁座36に着座する。
但し、チルト用シリンダ装置3は伸びきった状態で、キャブから伸長する方向に荷重を受けているため、チルト用シリンダ装置3は短縮すること無く、チルト用シリンダ装置3はキャブ1を支持することができる。
但し、チルト用シリンダ装置3は伸びきった状態で、キャブから伸長する方向に荷重を受けているため、チルト用シリンダ装置3は短縮すること無く、チルト用シリンダ装置3はキャブ1を支持することができる。
また、このとき、上げ側油圧室5aはポンプ13のスイッチをオフしたタイミングにより、高圧であったり、低圧であったりする。
すなわち、チルト用シリンダ装置3が伸びきった状態になった後、ポンプスイッチをオフした場合はポンプ13から送られてきたオイルにより、チルト用シリンダ装置3の上げ側油圧室5aは高圧となる。また、キャブの重心が図1の支点1aを超えて、シリンダ5がまだ伸びきらない状態で、ポンプスイッチをオフした場合は、上げ側油圧室5aにオイルが供給されないまま、チルト用シリンダ装置3がキャブ1により、伸長作動させられる(引っ張られる)ため、上げ側油圧室5aは低圧(負圧)となる。
上げ側油圧室5aが高圧の場合、上げ側油路11の圧力により、右側へ押されていたピストン83は、切換弁15等からの内部漏れにより、上げ側油路11の油圧が降下すると、上げ側油圧室5aと連通している、弁室78および弁口75の圧力に押され、左側へ移動する。すなわち、ピストン83に弁棒82を介して一体に形成された弁体77は弁座76から離座する。
上げ側油圧室5aが低圧の場合はピストン83はそれまでの状態を維持する。すなわち、ピストン83に弁棒82を介して一体に形成された弁体77は弁座76に着座した状態を維持する。
すなわち、チルト用シリンダ装置3が伸びきった状態になった後、ポンプスイッチをオフした場合はポンプ13から送られてきたオイルにより、チルト用シリンダ装置3の上げ側油圧室5aは高圧となる。また、キャブの重心が図1の支点1aを超えて、シリンダ5がまだ伸びきらない状態で、ポンプスイッチをオフした場合は、上げ側油圧室5aにオイルが供給されないまま、チルト用シリンダ装置3がキャブ1により、伸長作動させられる(引っ張られる)ため、上げ側油圧室5aは低圧(負圧)となる。
上げ側油圧室5aが高圧の場合、上げ側油路11の圧力により、右側へ押されていたピストン83は、切換弁15等からの内部漏れにより、上げ側油路11の油圧が降下すると、上げ側油圧室5aと連通している、弁室78および弁口75の圧力に押され、左側へ移動する。すなわち、ピストン83に弁棒82を介して一体に形成された弁体77は弁座76から離座する。
上げ側油圧室5aが低圧の場合はピストン83はそれまでの状態を維持する。すなわち、ピストン83に弁棒82を介して一体に形成された弁体77は弁座76に着座した状態を維持する。
キャブ1がチルトダウンされるに際しては、図7に示されているように、切換弁15の切換レバー15aがチルトダウン側に切り換えられ、切換弁15のポンプポートPが負荷ポートbに接続され、タンクポートTが負荷ポートaに接続される。
続いて、ポンプスイッチがオンにされると、図7において、DCモータによってポンプ13が駆動され、ポンプ13がオイルを切換弁15のポンプポートPに送り出す。
図7において、切換弁15はポンプポートPのオイルを下げ側油路12の負荷ポートbに導く。負荷ポートbのオイルは下げ側油路12を通り、弁ユニット20の下げ側ポート23に至る。
下げ側ポート23のオイルは、連絡通路50および配管51を経由して、シリンダ5の下げ側油圧室5bに流入する。
図7において、下げ側油圧室5bに流入したオイルは、ピストンロッド4を短縮作動させることにより、キャブ1をフレーム2に向けてチルトダウンさせて行く。
続いて、ポンプスイッチがオンにされると、図7において、DCモータによってポンプ13が駆動され、ポンプ13がオイルを切換弁15のポンプポートPに送り出す。
図7において、切換弁15はポンプポートPのオイルを下げ側油路12の負荷ポートbに導く。負荷ポートbのオイルは下げ側油路12を通り、弁ユニット20の下げ側ポート23に至る。
下げ側ポート23のオイルは、連絡通路50および配管51を経由して、シリンダ5の下げ側油圧室5bに流入する。
図7において、下げ側油圧室5bに流入したオイルは、ピストンロッド4を短縮作動させることにより、キャブ1をフレーム2に向けてチルトダウンさせて行く。
この際、ピストンロッド4が短縮作動するためには、シリンダ5の上げ側油圧室5aのオイルを排出させる必要がある。
パイロット逆止弁16のパイロット通路49の圧力が、予め設定されたパイロット圧力値以上になると、図8に示されているように、パイロット通路49の圧力の作用力によってパイロットピストン44が左方向へ移動するため、パイロット逆止弁16の弁体37が弁棒45によって押されて弁座36から離座され、弁口35が開かれる。
図7において、パイロット逆止弁16が開くと、シリンダ5の上げ側油圧室5aのオイルはパイロット逆止弁16および切換弁15の負荷ポートaを経由してタンク14に排出される。
したがって、チルト用シリンダ装置3のピストンロッド4は短縮作動してキャブ1をチルトダウンさせることができる。
パイロット逆止弁16のパイロット通路49の圧力が、予め設定されたパイロット圧力値以上になると、図8に示されているように、パイロット通路49の圧力の作用力によってパイロットピストン44が左方向へ移動するため、パイロット逆止弁16の弁体37が弁棒45によって押されて弁座36から離座され、弁口35が開かれる。
図7において、パイロット逆止弁16が開くと、シリンダ5の上げ側油圧室5aのオイルはパイロット逆止弁16および切換弁15の負荷ポートaを経由してタンク14に排出される。
したがって、チルト用シリンダ装置3のピストンロッド4は短縮作動してキャブ1をチルトダウンさせることができる。
図7および図8に示されているように、下げ側ポート23に供給されたオイルの一部は、パイロット通路84を通りポペット弁70の小径シリンダ室80に流入する。小径シリンダ室に流入したオイルにより、ピストン83は左方に移動させられるため、ピストン83に弁棒82を介して一体に形成された弁体77は、弁座76から離れて弁口75を開き、連絡通路79と配管74との間を連通させ、ポペット弁70は開いた状態になる。
ピストンロッド4の短縮に伴って、ピストン4aが連通ポート5cを通過すると、下げ側油圧室5bと上げ側油圧室5aとが弁室78を介して配管74と連絡通路79とにより連通状態となり、シリンダ5は短縮作動する力を失ってしまう。
なぜならば、このとき、ポンプ13は駆動されたままなので、下げ側油圧室5bにオイルが供給され続けている。下げ側ポート23を通過したオイルは、次に、絞り52を通過し、下げ側油圧室5bに流入する。この絞り52をオイルが通過する際に、流路51は圧力が上昇し、この圧力はポッペット弁70の作動圧力(大径シリンダ室81の圧力)やパイロット逆止弁16のパイロット圧力値(弁室34の圧力)よりも高い。そのため、ポッペット弁70およびパイロット逆止弁16は開かれた状態になっている。
ポンプ13から送られたオイルは下げ側油圧室5bに流入した後に、ポッペット弁70およびパイロット逆止弁16は開かれた状態であるため、配管74と連絡通路79を通り、上げ側油圧室5a、パイロット逆止弁16を介してタンク14に排出されて行く。そのため、ピストン4aが連通ポート5cを通過した時点で、シリンダ5は短縮作動する力を失ってしまう。
しかし、ピストンロッド4にはキャブ1からの荷重が加わっているため、キャブ1が停止または走行中の標準位置に戻るまで、シリンダ5は短縮作動を続ける。キャブ1が停止または走行中の標準位置に戻ると、キャブ1の下降が止まり、チルトダウンが完了したことを作業者が認識し、ポンプスイッチをオフにする。
なぜならば、このとき、ポンプ13は駆動されたままなので、下げ側油圧室5bにオイルが供給され続けている。下げ側ポート23を通過したオイルは、次に、絞り52を通過し、下げ側油圧室5bに流入する。この絞り52をオイルが通過する際に、流路51は圧力が上昇し、この圧力はポッペット弁70の作動圧力(大径シリンダ室81の圧力)やパイロット逆止弁16のパイロット圧力値(弁室34の圧力)よりも高い。そのため、ポッペット弁70およびパイロット逆止弁16は開かれた状態になっている。
ポンプ13から送られたオイルは下げ側油圧室5bに流入した後に、ポッペット弁70およびパイロット逆止弁16は開かれた状態であるため、配管74と連絡通路79を通り、上げ側油圧室5a、パイロット逆止弁16を介してタンク14に排出されて行く。そのため、ピストン4aが連通ポート5cを通過した時点で、シリンダ5は短縮作動する力を失ってしまう。
しかし、ピストンロッド4にはキャブ1からの荷重が加わっているため、キャブ1が停止または走行中の標準位置に戻るまで、シリンダ5は短縮作動を続ける。キャブ1が停止または走行中の標準位置に戻ると、キャブ1の下降が止まり、チルトダウンが完了したことを作業者が認識し、ポンプスイッチをオフにする。
キャブロック装置6が手動レバー6dによってロックされた後に、切換弁15が切換レバー15aによって切り換えられると、図2〜図4に示されたロストモーション可能な元の状態に戻る。
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
1) 上げ側油圧室と下げ側油圧室とを互いに連通させる連通路をキャブ側端部に設けることにより、トラックが道路を走行している時に、上げ側油圧室および下げ側油圧室の圧油を行き来させることによってロストモーションを創出することができるために、チルトシリンダ装置が走行中のキャブの自由な動きを阻害してキャブの乗心地を悪化させてしまう現象の発生を防止することができる。
2) 連通路にポペット弁を介設することにより、チルト用シリンダ装置の伸長作動時にポペット弁によって連通路を隙間無く遮断して、上げ側油圧室に供給された圧油がポンプ側や連通路を通って下げ側油圧室に流れ込んでしまう現象を阻止することができるので、チルトアップ効率およびエネルギ効率を向上させることができる。
3) チルト用シリンダ装置のロストモーションに際して、ポペット弁の圧力降下分によって発生するポペット弁の操作力よりもポペット弁の摺動抵抗が大きくなるように設定することにより、ポペット弁の開き状態を維持することができるので、ピストンの先端側への移動を確保することができる。
4) 前記3)によって、チルト用シリンダ装置のロストモーションを確保することにより、下げ側給排油路のパイロット逆止弁を省略することができるので、その分、チルト用シリンダ装置およびキャブチルト装置のイニシャルコストおよびランニングコストを低減することができる。
5) ポペット弁を2ポート・2 位置・パイロット切換弁に構成するとともに、ポペット弁のパイロット操作切換部に小径シリンダ室と大径シリンダ室と弁室と弁口を設けることにより、大径シリンダ室と弁室(弁口を含む)との受圧断面積差で、大径シリンダ室と弁室との圧力にあまり差が無い時でも、ポペット弁が閉じるのに必要な力を発生させることができるので、ポペット弁が連通路を閉じるのに必要な作動圧力を極力低圧化することができる。換言すれば、シリンダの伸長作動全域(最縮長から最伸長まで)の推力低下を防止することができる。
6) 上げ側給排油路に介装されたパイロット逆止弁と、連通路を遮断するポペット弁とを弁ユニットとして一体に纏めて、シリンダの一端に取り付けることにより、チルトシリンダ装置をコンパクトに形成することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、本発明は、図9に示されたロストモーションレバー90を有するキャブチルト装置にも適用することができる。
本実施の形態に係るロストモーションレバー90を有するキャブチルトシリンダ装置によれば、ピストンロッド4が伸縮作動し上げ側油圧室と下げ側油圧室との間でオイルが行き来する、キャブチルトシリンダ装置より、ロストモーション抵抗が少ないという利点を得ることができる。
本実施形態においては、キャブチルト後、車両振動等により、キャブが標準位置よりフレーム側に近付く(バウンドする)と、ピストンロッド4は収縮し、逆にキャブがキャブ側へ跳ね上がった(リバウンドする)場合は、ピストンロッド4が伸長することなく、ロストモーションレバー90のみでキャブとフレームとの間の動きを吸収する。
最初より大きなバウンドがあれば、それに応じてピストンロッド4は収縮し、それ以外ではバウンドおよびリバウンドをロストモーションレバー90で、より抵抗少なく吸収することができるので、キャブ1の乗り心地を向上することができる。
また、ピストンロッド4の収縮によるピストンシールやロッドシール等の摩耗を防ぐこともできるため、チルト用シリンダ装置のピストンロッド摺動部のキャブ振動による摩耗の進行を妨げることができ、より安価な部材で要求される耐久性を確保することができる。
本実施の形態に係るロストモーションレバー90を有するキャブチルトシリンダ装置によれば、ピストンロッド4が伸縮作動し上げ側油圧室と下げ側油圧室との間でオイルが行き来する、キャブチルトシリンダ装置より、ロストモーション抵抗が少ないという利点を得ることができる。
本実施形態においては、キャブチルト後、車両振動等により、キャブが標準位置よりフレーム側に近付く(バウンドする)と、ピストンロッド4は収縮し、逆にキャブがキャブ側へ跳ね上がった(リバウンドする)場合は、ピストンロッド4が伸長することなく、ロストモーションレバー90のみでキャブとフレームとの間の動きを吸収する。
最初より大きなバウンドがあれば、それに応じてピストンロッド4は収縮し、それ以外ではバウンドおよびリバウンドをロストモーションレバー90で、より抵抗少なく吸収することができるので、キャブ1の乗り心地を向上することができる。
また、ピストンロッド4の収縮によるピストンシールやロッドシール等の摩耗を防ぐこともできるため、チルト用シリンダ装置のピストンロッド摺動部のキャブ振動による摩耗の進行を妨げることができ、より安価な部材で要求される耐久性を確保することができる。
例えば、弁ユニットはシリンダの一端に直接設置するに限らず、シリンダの近傍に設置してもよい。
また、ポペット弁は弁ユニットのボデーに設置するに限らず、他の場所に設置してもよい。
1…キャブ、1a…支点、2…フレーム、3…チルト用シリンダ装置、4…ピストンロッド、4a…ピストン、5…シリンダ、5a…フレーム側油圧室(上げ側油圧室)、5b…キャブ側油圧室(下げ側油圧室)、5c…連通ポート(油圧室側連通ポート)、5d…連通ポート(下げ側油圧室キャブ側端部連通ポート)、
6…キャブロック装置、6a…リヤアーチ、6b…コイルばね、6c…フローティングバー、6d…手動レバー(キャブロック解除レバー)、6e…スイッチ、
7…リリーフ弁、8…フィルタ、9…リリーフ弁、
10…油圧駆動回路、11…上げ側給排油路(上げ側油路)、12…下げ側給排油路(下げ側油路)、13…ポンプ、14…タンク、
15…切換弁、15a…切換レバー、16…パイロット逆止弁、17…給油路、18…排油路、
20…弁ユニット、21…ボデー、22…上げ側ポート、23…下げ側ポート、24、25…フィルタ、
31…取付孔、32…シール部材、33…プラグ、34…弁室、35…弁口、36…弁座、37…弁体、38…スプリング挿入穴、39…バルブスプリング、40A…連通室、40…連通路、41…絞り、42…連絡通路、43…シリンダ室、44…パイロットピストン、45…弁棒、46…スプリング、47…圧力室、48…プラグ、49…パイロット通路、
50…連絡通路、51…配管(連絡路)、52…絞り、53…絞り、
70…ポペット弁、71…取付穴、72…プラグ、73…連通ポート、74…配管(連通路)、75…弁口、76…弁座、77…弁体、78…弁室、79…連絡通路、80…小径シリンダ室、81…大径シリンダ室、82…弁棒、83…ピストン、84…パイロット通路、85…パイロット通路、
90…ロストモーションレバー。
6…キャブロック装置、6a…リヤアーチ、6b…コイルばね、6c…フローティングバー、6d…手動レバー(キャブロック解除レバー)、6e…スイッチ、
7…リリーフ弁、8…フィルタ、9…リリーフ弁、
10…油圧駆動回路、11…上げ側給排油路(上げ側油路)、12…下げ側給排油路(下げ側油路)、13…ポンプ、14…タンク、
15…切換弁、15a…切換レバー、16…パイロット逆止弁、17…給油路、18…排油路、
20…弁ユニット、21…ボデー、22…上げ側ポート、23…下げ側ポート、24、25…フィルタ、
31…取付孔、32…シール部材、33…プラグ、34…弁室、35…弁口、36…弁座、37…弁体、38…スプリング挿入穴、39…バルブスプリング、40A…連通室、40…連通路、41…絞り、42…連絡通路、43…シリンダ室、44…パイロットピストン、45…弁棒、46…スプリング、47…圧力室、48…プラグ、49…パイロット通路、
50…連絡通路、51…配管(連絡路)、52…絞り、53…絞り、
70…ポペット弁、71…取付穴、72…プラグ、73…連通ポート、74…配管(連通路)、75…弁口、76…弁座、77…弁体、78…弁室、79…連絡通路、80…小径シリンダ室、81…大径シリンダ室、82…弁棒、83…ピストン、84…パイロット通路、85…パイロット通路、
90…ロストモーションレバー。
Claims (4)
- キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置と、 このチルト用シリンダ装置のフレーム側油圧室に圧油を供給または排出する上げ側給排油路と、
前記チルト用シリンダ装置のキャブ側油圧室に圧油を供給または排出する下げ側給排油路と、
前記上げ側給排油路に介装されたパイロット逆止弁と、
前記フレーム側油圧室と前記キャブ側油圧室とを、前記チルト用シリンダ装置の前記キャブ側端部において互いに連通させる連通路と、
前記チルト用シリンダ装置の伸長作動時に前記連通路を遮断して前記フレーム側油圧室に供給された圧油が前記連通路を通って前記キャブ側油圧室に流れ込むのを阻止するポペット弁と、
を備えていることを特徴とするキャブチルト装置。 - 前記パイロット逆止弁の開弁圧が、前記チルト用シリンダ装置のシリンダ伸長作動時に、前記ポペット弁が前記連通路を閉じるのに必要な作動圧力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載のキャブチルト装置。
- 前記ポペット弁は、2ポート・2 位置・パイロット切換弁に構成されており、前記ポペット弁のパイロット操作切換部は小径シリンダ室と大径シリンダ室と弁室と弁口とを備えており、前記大径シリンダ室と前記弁室との受圧断面積差で、前記ポペット弁が閉じられることを特徴とする請求項1または2に記載のキャブチルト装置。
- 前記ポペット弁は、前記フレーム側油圧室から前記弁室に伝わった圧力、または、前記チルト用シリンダ装置が短縮作動するに際して、前記小径シリンダ室に流入した油の圧力、または、前記両方の圧力により、閉から開へ切り換わることを特徴とする請求項3に記載のキャブチルト装置。
Priority Applications (1)
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JP2008243930A JP2010076478A (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | キャブチルト装置 |
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Cited By (1)
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CN117307550A (zh) * | 2023-11-08 | 2023-12-29 | 湖北盛达动力科技有限公司 | 一种兼具可调阻尼与平衡的驾驶室翻转油缸 |
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2008
- 2008-09-24 JP JP2008243930A patent/JP2010076478A/ja active Pending
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CN117307550A (zh) * | 2023-11-08 | 2023-12-29 | 湖北盛达动力科技有限公司 | 一种兼具可调阻尼与平衡的驾驶室翻转油缸 |
CN117307550B (zh) * | 2023-11-08 | 2024-04-12 | 湖北盛达动力科技有限公司 | 一种兼具可调阻尼与平衡的驾驶室翻转油缸 |
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