JP3649995B2 - 車輛用物品キャリヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輛用物品キャリヤに関し、更に詳細には、車輛用物品キャリヤの一方の側にある一つの作動部材を使用者が手動で操作することによって物品キャリヤの両ブラケット部材を係止位置及び係止解除位置に同時に置くことができる係止機構を組み込んだ車輛用物品キャリヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
車輛用物品キャリヤは、車輛の車体外面の上方に載せた様々な物品を移送する様々な用途で使用されている。このような車輛用物品キャリヤは、代表的には、車輛の車体外面に固定的に取り付けられた一対のスラット、これらのスラット上に摺動自在に配置された一対のブラケット部材、及びこれらのブラケット部材によって車体外面の上方に支持されるようにこれらのブラケット部材間に配置されたクロス・バーを含む。幾つかの用途では二つのクロス・バーが使用され、その場合、第2クロス・バーは、スラットにしっかりと固定されるか或いは、スラット上に摺動自在に配置された、それ自体が対をなしたブラケット部材によって調節自在に固定されているかのいずれかである。
【0003】
多くの車輛用物品キャリヤシステムで使用される各ブラケット部材は、代表的には、何等かの種類の係止機構を含む。係止機構は、係止機構を係止位置又は係止解除位置に置くための作動部材を備えている。各ブラケット部材の係止機構が係止解除位置にあるとき、両ブラケット部材をスラットに沿って摺動自在に移動させることができ、これによって、ブラケット部材間のクロス・バーをスラットに沿って所望の通りに再位置決めできる。この構成の明らかな欠点は、使用者がクロス・バーを再位置決めしようとするとき、先ず最初に一方のブラケット部材を係止解除した後、使用者が車輛の反対側に廻って他方のブラケットを係止解除しなければならないということである。使用者がひとたびクロス・バーをその所望の位置まで移動した後、使用者は、両ブラケット部材をそれらの係止位置に手作業で配置しなければならない。かくして、クロス・バーを再位置決めしようとするときにはいつでも、二つのブラケット部材の係止及び係止解除を別々に行うという不都合がある。 車輛用物品キャリヤの幾つかの製造者は、各ブラケット部材の係止及び係止解除を単一の作動機構によって同時に行うための手段を提供することによってこの問題点を解決しようとしてきた。このような物品キャリヤの一つが、本願の譲受人に譲受されたクチェランの米国特許第5,190,198号に開示されている。この装置は、その所期の目的について十分満足のいくものであることがわかっているが、この特許に開示された装置と関連した多数の独立した構成部品のため、装置が幾分複雑になり、製造及び組み立てに費用がかかる。一対のブラケット部材の係止及び係止解除を同時に行うための何等かの形態の「単一側(single−sided)」解放機構を夫々のスラットに組み込む試みがなされてきた他の形態の車輛用物品キャリヤもまた複雑であり且つ形成に費用がかかるということが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、両ブラケット部材の関連したスラットへの係止及びこれらのスラットからの係止解除を同時に行うための手段、並びに一方のブラケット部材をひとたび係止解除配向に押圧したときに両ブラケット部材をそれらの係止解除位置に保持するための手段を組み込んだ車輛用物品キャリヤを提供することが非常に望ましい。このようにして、使用者は、車輛の一方の側から両ブラケット部材の係止及び係止解除を行うことができ、一方のブラケット部材をその係止解除配向に保持する必要なしに、クロス・バーの両端をスラット上で新たな位置に調節することができる。これにより、クロス・バーの再位置決め手順が大幅に簡便になる。
【0005】
更に、両ブラケット部材の係止及び係止解除を同時に行うことができるようにする機構を持つ車輛用物品キャリヤを提供することが非常に望ましい。この機構は、可動部品の点数が最少であり、比較的簡単であり且つ製造及び組み立てに費用gaからない設計を持つ。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の及び他の目的は、本発明の好ましい実施例による単一側解放機構を持つ車輛用物品キャリヤ装置によって提供される。この装置は、全体として、車輛の車体外面にしっかりと固定されるようになった一対のスラットと、クロス・バーと、クロス・バーの両外端に配置された一対のブラケット部材とを含む。各ブラケット部材は、関連したスラットのうちの一方のスラット上で摺動自在に移動し、クロス・バーをスラットに沿って必要に応じて再位置決めできる。
【0007】
一つの好ましい実施例では、各ブラケット部材は、摺動自在に配置された係止フィンガ部材を更に有する。一方の係止フィンガ部材が押圧部材と作動的に関連しており、両係止フィンガ部材が、クロス・バーを通って延びる細長い部材に互いに作動的に連結されている。かくして、押圧部材は、両係止フィンガ部材をそれらの関連したスラットに対して係止位置に連続的に押圧する。
【0008】
上文中に説明した好ましい実施例では、一方のブラケット部材が、少なくとも一方の係止フィンガ部材と作動的に関連した作動部材を更に有する。作動部材は、この作動部材を係止位置から係止解除位置まで移動させることにより、各係止フィンガ部材を同時に押圧し、夫々のスラットと係止係合した状態から外すように、摺動自在に配置されている。作動部材を解放すると、押圧部材により両係合フィンガ部材が夫々のスラットと係止係合した状態に戻り、作動部材をその係止位置に戻す。
【0009】
一つの好ましい実施例では、作動部材及び一方の係止フィンガ部材を単一の構成要素として一体成形する。細長い部材は、外端が両係止フィンガ部材に連結された細長い金属製ロッドを更に含む。
【0010】
上文中に説明した好ましい実施例では、各ブラケット部材は、スラット内に形成されたチャンネル内に載る一対のフット部分を更に含む。各フット部分は、各スラットに沿ってクロス・バーを再位置決めするときにクロス・バーの結着やがたつきをなくすのを補助する少なくとも一つの半円形の突出肩部分を更に含む。
【0011】
更に、本発明の様々な変形例を開示する。一つの変形例の好ましい実施例では、作動部材は、クロス・バーの両端に固定されたブラケット部材の各々までクロス・バーを通って延びる剛性の細長いロッドにしっかりと固定された回転自在の作動レバーを形成する。細長いロッドは、各ブラケット部材から関連したスラットのチャンネル内に外方に延びるラッチ部材にしっかりと固定されている。各ラッチ部材は、通常は、関連したスラットのチャンネルに沿って間隔が隔てられた複数の開口部のうちの少なくとも一つと係合する係止位置にあるように押圧されている。作動レバーの回転移動により細長いロッドを対応して移動し、これにより、各ラッチ部材を、その関連したスラットに対して係止解除位置に同時に押圧する。レバーを解放すると、各ラッチ部材と関連した押圧部材が細長いロッド及びかくして作動レバーを逆方向に回転し、両ラッチ部材を夫々のスラットに対して通常の係止位置に戻す。
【0012】
別の変形例では、作動レバーは、クロス・バーの端部の中間に配置されている。作動レバーは、クロス・バー内に配置されたディスク状部材に固定されており、係止位置と係止解除位置との間で移動するとディスク状部材が回転する。ディスク状部材には、更に、第1及び第2の細長い部材が取り付けられている。これらの細長い部材は、更に、それらの最外端が係止フィンガ部材に取り付けられている。かくして、作動レバーを係止位置から係止解除位置まで移動すると、ディスク状部材がこれと対応して回転し、これにより第1及び第2の細長い部材を互いから遠ざかる方向に並進させる。これにより各係止フィンガ部材を押圧し、各スラットの開口部と係止係合した状態から外す。作動レバーを係止解除位置から係合位置まで移動すると、第1及び第2の細長い部材が互いに向かって移動し、これによって、両係止フィンガ部材を同時に引っ込める。かくして、係止フィンガ部材を、クロス・バーの一端の近くに配置された一つの作動レバーによって、係止位置に及び係止解除位置に同時に移動させることができる。
【0013】
更に別の変形例では、枢動自在に配置された作動レバーがクロス・バーと関連している。ケーブル等の細長い部材が、作動レバーが係止位置にあるときにクロス・バーの内部内に配置されるように、作動レバーの一部に通してある。これらの細長いケーブルの外端は、クロス・バーの外端にあるブラケット部材内に配置された独立した係止部材に連結されている。各係止部材は、関連したスラットの開口部と係止係合している。作動レバーを係止位置から係止解除位置まで移動すると、細長いケーブルの一部が変位する。これにより細長いケーブルが短くなり、これと同時に両係止部材を夫々のスラットとの係止係合状態から外す。この実施例では、係止部材が係止解除及び係止を車輛の各側から行うことができるように、第2作動レバーがクロス・バーの反対端に向かって配置されている。
【0014】
更に別の変形例の好ましい実施例では、本発明は一対のブラケット部材を含み、これらのブラケット部材は、夫々のブラケット部材の開口部に形成された凹所内にスナップ係合するようになった係止部材を有する。かくして、各係止部材をそのブラケット部材内で枢動できるようにする上で組み込むことが必要とされる別体の枢動ピン、アクスル、等の構成要素がない。更に、この実施例は、各係止部材を互いに連結するためにクロス・バーの内部領域を通って延びる細長いケーブルを含む。従って、一方の係止部材を移動させることにより、両係止部材をそれらの係止位置又は係止解除位置に同時に押圧する。
【0015】
上文中に説明した好ましい実施例は、単一側解放機構の組み立てを容易にする上で大幅な改良を提供する。組み立ては、ケーブルの一端を係止部材に形成されたチャンネルに通し、係止部材をその関連したブラケット部材の開口部にスナップ嵌めし、ケーブルの反対端をクロス・バーの内部に通し、反対端部を他方のブラケット部材に形成されたチャンネルにフック止めし、他方のブラケット部材をその関連したブラケット部材の開口部にスナップ嵌めすることによって、簡単に行われる。ブラケット部材へのクロス・バーの組み立て、又はケーブル及び係止部材のブラケット部材内への組み立てには、特殊な工具を全く必要としない。組み立てプロセス全体を一人で数分で行うことができる。
【0016】
上文中に説明した好ましい実施例は、全て、係止及び係止解除を車輛の一方の側から便利に行うことができるクロス・バーを持つ車輛用物品キャリヤを提供する。これらの実施例の各々は、比較的少数の構成部品から形成されており、これによって、製造費及び組み立て費が、操作を一方の側から行う従来開発された物品キャリヤ機構と比較して減少する。
【0017】
以下の説明及び特許請求の範囲を添付図面を参照して読むことにより、本発明の様々な利点が当業者に明らかになるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、この図には本発明の好ましい実施例による車輛用物品キャリヤ装置10が示してある。この装置10は、車輛14の車体外面12に固定されており、全体として、車体外面12にしっかりと固定された一対の細長いスラット16を含む。一対のブラケット部材18及び20がクロス・バー22及び24を車体外面12の上方に支持し、これらのクロス・バー22及び24の各々を必要に応じてスラット16に沿って調節自在に位置決めできる。しかしながら、両クロス・バー22及び24は調節自在のクロス・バーとして示してあるけれども、所望であれば、一方又は他方をスラット16にしっかりと固定できるということは、直ちに理解されるであろう。実際、多くの用途においてこれが好ましい構成であるということは理解されよう。随意であるが、クロス・バー22及び24に載せて運ばれる物品が接触しないように表面12を更に保護するため、一つ又はそれ以上の中間スラット26を車体外面12に固定してもよい。
【0019】
図1のaを参照すると、この図にはスラット16が示してある。スラット16は、内側壁16a1 及び外側壁16a2 を含む。これらの壁16a1 及び16a2 には、間隔が隔てられた複数の開口部17が設けられている。しかしながら、各スラット16の一方の壁部分だけに開口部を設けられていてもよいということは理解されよう。しかし、これには、二つの別々のスラットを製造することを必要とし、これらのスラットを車体外面の指定された側に沿って(即ち一方を助手席側に沿って、及び一方を運転者側に沿って)設置する必要がある。しかしながら、スラット16は、車体外面12のいずれの側でもその向き合ったスラットから180°回転させるだけで使用できる。スラット16を設置する場合には、開口部17が互いから直接的に向き合うように、即ち車輛14の一方の側から垂直方向に延びる共通の平面内にあるように、これらをスラットを車体外面12上で横方向に整合させる。
【0020】
図2及び図3を参照すると、これらの図にはクロス・バー22がそのブラケット部材18及び20とともに示してある。このアッセンブリを物品キャリヤ部材19と呼ぶ。クロス・バー22の各端には、バンジーコードやナイロンストラップ等の外部ファスニングストラップで部材をクロス・バー22に固定するのを補助するため、一体に形成された水平方向に延びるタイダウンループ28(図2参照)及び垂直方向に延びるタイダウンループ29(図3参照)が配置されている。各ブラケット部材18及び20には、以下に詳細に説明するように、スラット16の各々に形成されたチャンネル内に載る一対のTラグ即ちフット部分30が一体成形されている。図2で最もよくわかるように、フット部分30には、盛り上がった半円形の肩部分32が一体成形されている。盛り上がった肩部分32は、スラット16に沿ったクロス・バー22の再位置決め中、先ず最初にクロス・バー22の第1端を移動した後に他端を移動するとき、フット部分30がスラット16内でがたつかないようにするのを補助する。クロス・バー24及びそのブラケット部材18及び20は構造が同じであり、従って、ここに別に説明することはしない。
【0021】
図2を更に参照すると、ブラケット部材18は、作動部材34を形成する、手で掴むことができる摺動自在のシェルを含む。作動部材34は、作動部材34を親指と人指し指で掴むことができるようにし且つ作動部材34を外方に図2の左方に容易に引っ張ることができるようにする一対の凹所部分36を含む。ブラケット部材20は、対称な凹所部分37を含む。これは単に外観上の目的で設けられている。
【0022】
図3乃至図8を参照すると、これらの図にはブラケット部材20が非常に詳細に示してある。先ず最初に図8を参照すると、ブラケット部材20は、係止フィンガ部材38、コイルばね40の形態の押圧部材、及び細長い部材即ち作動ロッド42を含むことがわかる。ばね40の一端は、ブラケット部材20のハウジング部分48の下面46と一体成形された突出フック部分44(図4及び図7にも示してある)に連結されている。ばね40の反対端は細長いロッド42の部分42cに連結されており、係止フィンガ部材38及び細長いロッド42を図8で見て右方に連続的に押圧し、及び従って、係止フィンガ部材38を関連したスラット16に対して常に係止位置に維持する。
【0023】
特に図5を参照すると、更に、本体部分48の下面46に直立ボス52が設けられていることがわかる。ボス52は、ねじファスナ等のファスニング部材を受け入れる大きさのボア54を含む。更に、図5のaでは、直立ボス52の一部にノッチが設けられており、これらのノッチにより、同一平面内の肩部分56が形成されることがわかる。図5では、直立ボス52は、係止フィンガ部材38が関連したスラットと係止係合したときに通過して突出する開口部58と長さ方向で整合するように形成されている。
【0024】
図4及び図6を参照すると、本体部分48の開口部58の両側にスロット60が設けられていることがわかる。これらのスロット60は、係止フィンガ部材38が、以下に説明するように、摺動移動できるようにするガイドとして作用する。更に、本体部分48は開口部62を更に含み、この開口部にクロス・バー22の一端が挿入され、複数のねじファスナ64(図5参照)で従来の方法でしっかりと固定される。
【0025】
次に、図9乃至図13を参照すると、これらの図には係止フィンガ部材38が詳細に示してある。フィンガ部材38は、フィンガ部分66、外方に突出した一対のアーム部分68、主本体部分70、この主本体部分70に形成された第1開口部72、及びこの第1開口部72と連通した第2開口部73を含む。図10及び図13から、フィンガ部材38の本体部分70には、ねじ等のファスニング部材を通すことができるのに十分な幅を持つスロット74が更に形成されているということがわかる。一対の下縁面75(図13参照)がスロット74の両側で主本体部分70に沿って延びている。
【0026】
次に、図14を参照すると、この図には細長いロッド42が示してある。この細長いロッド42は、第1端42a、中央部分42b、及び第2端42cを有する。ロッド42全長は、クロス・バー22の全長に亘って延びるのに十分である。ロッド42は様々な材料で形成できるが、好ましくは、金属製である。
【0027】
図8を更に参照すると、この図では、フィンガ部材38は、ブラケット部材20の下面46に組み立てた状態で示してある。ねじ76をボア54に挿入し、フィンガ部材38を下面48に対して保持する。下縁面75(図13参照)は、ボス52のノッチ56(図5のa参照)に載っており、係止部材38が滑らかに摺動できるようにする。細長いロッド42の部分42cが開口部73内に延び、フィンガ部材38にラッチ止めし、これを引っ込め(即ち係止解除)位置に引き込むことができる。アーム部分68はスロット60内に載り(図4及び図6のみに示す)、フィンガ部材38を案内し、摺動移動中、フィンガ部材が捩じれたり垂直方向に揺動したりしないようにする。更に、図10を簡単に参照すると、スロット74は、係止フィンガ部材38が係止位置に移動するとき、スロット74の端部分80がファスナ76に当接して係止フィンガ部材38の外方への(図8で右方への)移動を制限するような深さになっているということがわかる。
【0028】
次に、図15乃至図18を参照すると、これらの図には作動部材34が設置されていない状態のブラケット部材18が示してある。特に図17を参照すると、ブラケット部材18は、一対の外チャンネル84及び一対の内チャンネル86を持つ本体部分82を含む。開口部88により、作動部材34を係止解除位置に引き込むときに作動部材34のフィンガ部分を引っ込めてブラケット部材18と関連したスラット16と係止係合した状態から外すことができる。更に、図16から、本体部分82は、ブラケット部材18をその関連したスラット16と摺動関係に支持する部分90を含むということがわかる。フット部分30の一方の側でブラケット部材18を支持することにより、ブラケット部材18は、スラット16の外面部分16aに沿って極めて滑らかに摺動する。上文中に説明したように、半円形の盛り上がった肩部分32は、クロス・バー22をスラット16に沿って再位置決めするときにブラケット部材18ががたついたり動かなくなったりしないようにするのを助ける。
【0029】
図18を簡単に参照すると、本体部分82は、クロス・バー22の端部分が挿入される開口部92を更に含む。クロス・バーは、ねじ山を備えたファスナ(図示せず)によって従来の方法で保持される。細長いロッド42の第1端部42aを開口部94を通して突出させることができ、この第1端部は、以下に説明するように、作動部材34に連結される。
【0030】
次に、図19乃至図22を参照すると、これらの図には作動部材34が非常に詳細に示してある。特に図20及び図21を参照すると、部材34は、内面96と一体成形された内方に突出した一対の肩部分95を有する。一対の突出アーム部分98が、係止フィンガ部材又は部分102を持つ中央部材100の両側から延びている。作動部材34と一体成形された係止フィンガ部材102は、作動部材34を係止位置と係止解除位置との間で移動するとき、非常に積極的な「感じ」即ち移動を提供する。内方に突出した肩部分95は、本体部分82の外チャンネル84(図17参照)内に摺動自在に載っている。この際、アーム部分98は内チャンネル86(図17参照)内に載っている。中央部材100は、開口部88内で移動し、内面96は本体部分82に載る。
【0031】
特に図22を参照すると、作動部材34の表面部分106に開口部104が設けられている。この開口部は、細長いロッド42の第1端部42aを作動部材34に連結できるようにするために設けられている。
【0032】
次に図23及び図24を参照すると、これらの図には、ブラケット部材18が組み立て済の形態で示してある。図23では、中央部材100は開口部88内に配置されており、内方に突出した肩部分95は外チャンネル84内に延びており、アーム部分98は内チャンネル86内に延びている。図24では、フィンガ部分102は、スラット16の開口部17のうちの一つを通って延びている。ブラケット部材18は、先ず最初に作動部材34を図24で左方に摺動させることによってフィンガ部分102を引っ込めなければ、スラット16に沿って移動できない。
【0033】
図26を参照すると、作動部材34をこの図で見て左方に手動で押圧したときのブラケット部材18及び20を係合解除状態で示す。作動部材34を図26に示す位置から解放すると、押圧部材40により係止フィンガ部材38及び作動部材34の両方が細長いロッド42を介して引っ込められ、かくしてブラケット部材18及び20の各々を図25に示す係止位置に置くことができる。これにより、物品キャリヤ部材19をこの部材19の両端でスラット16から係止解除できる。
【0034】
図25及び図26では、細長いロッド42がクロス・バー22内で振動を発生しないようにするため、好ましくは、フォーム又は他の減衰性材料でできた少なくとも小さな減衰材料112がクロス・バー22内に挿入されている。フォーム112は、クロス・バー22の全長に亘って延びているのがよく、又はフォーム112の小片がクロス・バー22のほぼ中央領域に設けられているのがよい。更に、実際上どのような形態の振動防止材料でもクロス・バー22の内側で使用できるということは理解されよう。これは、防振がエレメントに拘わらず行われるためである。
【0035】
次に図27を参照すると、この図には、本発明の別の好ましい実施例による物品キャリヤ200が示してある。物品キャリヤ200は、一対の細長いスラット202上に配置され、ブラケット部材204が管状クロス・バー206の各端に配置されている。一方のブラケット部材204が作動レバー203を含む。図28を参照すると、各スラット202は、複数の対をなした整合した垂直開口部208を含み、部材205上に支持されている。この部材205には、この部材に沿って長さ方向にチャンネル205aが形成されている。部材205は、適当に強いプラスチックから製造でき、チャンネル205aは、以下に説明するラッチ部材用の隙間を提供する。
【0036】
図27及び図28を更に参照すると、細長いロッド210がクロス・バー206の長さ方向全長に亘って延びており、止めねじ等の任意の従来の手段で作動レバー203にしっかりと連結されている。ロッド210は、整合した対をなした開口部208の各々を通って延びる垂直平面を越えて、各ブラケット部材204の端部分212内に延びるのに十分な長さを有する。細長いロッド210の各端には、ラッチ部材214が配置されており、ここにしっかりと固定されている。
【0037】
図29を参照すると、各ラッチ部材214は、各スラット202に形成された開口部208のうちの選択された一つの開口部と係合できるように垂直方向両方向に突出したフック部分216を含む。各ラッチ部材214は、図29に示すように、各ラッチ部材214の開口部220及び各ブラケット部材204のハウジング部分224に形成された開口部222と係合する押圧部材218によって、常に係止位置に押圧されている。T−ラグ即ちフット部分226により、各ブラケット部材204はその関連したスラット202から外れないようになっている。図28を簡単に説明すると、クロス・バー206全体がスラット202上にネック部分228を介して摺動自在に支持されている。
【0038】
図27、図29、及び図30を更に参照する。使用者が作動レバー203を手で持ち上げると、このレバーが細長いロッド210を第1回転方向に回転し、作動レバーがその係止解除(即ち持ち上げ)位置に保持されている限り、ロッド210の各端に配置されたラッチ部材214は、図29に示す位置から図30に示す位置まで押圧される。この位置に保持されているとき、クロス・バー206及び両ブラケット部材204をスラット202に沿って容易に摺動させることができ、必要に応じて再位置決めできる。使用者が作動レバー203を解放すると、ラッチ部材214が押圧部材218によって押圧され、図29に示す位置に戻される。押圧部材218は、更に、作動レバー203を押圧し、図27に示すベッド位置に戻す。かくして、一つの作動レバー203を手動で操作するだけで両ブラケット部材204を車輛の一方の側から係止解除位置に置くことができる。作動レバー203を解放すると、両ラッチ部材214が自動的に押圧されて各スラット202の一対の開口部208と係止係合した状態に戻る。しかしながら、ラッチ部材214が一対の開口部208間の位置にある場合には、ラッチ部材214が各スラット202の一対の開口部208と係合できるまでスラット202に沿って更に調節する、即ち再位置決めすることが必要であるということは理解されよう。
【0039】
次に図31及び図32を参照すると、この図には、更に別の好ましい実施例による更に別の物品キャリヤ300が示してある。この物品キャリヤ300は、車輛14の車体外面12に固定された支持体301aに配置された一対のスラット301を含む。これらのスラット301の各々は、内方に湾曲したリップ部分303を有する。このリップ部分に沿って長さ方向に間隔が隔てられた複数の開口部又はノッチ303aが設けられている。
【0040】
物品キャリヤ300は、更に、管状クロス・バー306内に配置されたディスク状部材304に連結された枢動自在に取り付けられた作動レバー即ち部材302を含む。図32でわかるように、ディスク状部材304は、第1の細長い部材308及び第2の細長い部材310に連結されている。これらの部材308及び310の各々は、更に、一体成形された円形のばね部分308a及び310aを夫々含む。第1の細長い部材308の反対端には係止部材312が取り付けられている。同じ係止部材312が第2の細長い部材310の反対端に取り付けられている。
【0041】
図31の作動部材302をこの図に示す係止位置からクロス・バー306の外方に約90°回転させると、ディスク状部材304が図32で見て反時計廻り方向に約90°回転する。第1及び第2の細長い部材308及び310は、これによって、互いから遠ざかる方向に押圧され、かくして係止部材312を互いから遠ざかる方向に押圧する。これにより、各係止部材312の係止フィンガ部分312aをスラット301の各々に形成された開口部303aの外方に押圧する。作動部材302を図31に示す位置に戻すと、両係止部材312が互いに向かって引っ込められ、スラット301の各々の開口部303aと係止係合する。かくして、作動レバー302の一回の移動により、係止部材312を夫々のスラット301と同時に係止させたり係止解除したりできる。
【0042】
次に、図33及び図34を参照すると、これらの図には、他の好ましい実施例による他の車輛用物品キャリヤ400が示してある。車輛用物品キャリヤ400は一対のスラット402を含む。これらのスラットの各々は、スラットに沿って長さ方向に延びるチャンネル404及びこのチャンネル404と長さ方向で整合した間隔が隔てられた複数の開口部406(図33及び図34では、各スラット402で開口部406が一つだけ示してある)を有する。管状クロス・バー408は、その両端に配置された一対の作動部材即ちレバー410を含む。これらの作動レバー410の各々は、図33に示す閉鎖位置にある場合には、クロス・バー408に形成された開口部408a内に載っている。作動レバーの各々は、各作動レバー410をそのレバーが取り付けられたチャンネル416を中心として枢動自在に回転させることができるように、取り付けブロック414内に形成されたチャンネル416内に載ったアーム部分412を含む。各作動レバー410と一体成形された開口部418及び全体に円形の横部材420により、ケーブル422をアーム部分412と各作動部材410の全体に円形の部材420との間に掛けることができる。各ケーブル422の一端は、ブラケット部分428の開口部426内に配置された作動ピン424にしっかりと連結されている。各ブラケット部分428は、物品キャリヤ400をチャンネル404で支持するネック部分428aを更に含む。各係止部材424は、更に、コイルばね430によって常に係止した位置に(即ちその関連した開口部406に向かって)押圧されている。ケーブル422は、好ましくは、組み立てを容易にするために二つの区分で形成され、スプライス432によって連結されている。張力ばね434は、その最外端がタブ部材436に連結されており、これらのタブ部材436はケーブル422の位置にしっかりと固定されている。
【0043】
図33では、両作動レバー410は係止位置で示してある。ケーブル422は、両作動レバー410が係止位置にあるとき僅かに緩んでおり、ばね434はこの緩みをなくすのを助ける。随意であるが、好ましくは、一つ又はそれ以上のフォーム片438をクロス・バー408内に配置し、物品キャリヤ400が取り付けられた車輛の作動中にケーブル422がクロス・バー408内で振動したりがたついたりしないようにするのを助ける。
【0044】
図34では、一方の作動レバー410を係止解除位置まで約90°回転させると、持ち上げられた作動レバー410の円形の横部材420によってケーブル422の一部が引き出される。これによりケーブル422を効果的に短くし、両係止部材424を互いに向かって押圧し、及びかくして夫々のスラット402の開口部406から引っ込める。図34に示す位置にあるとき、クロス・バー408全体をスラット402のチャンネル404に沿って摺動自在に移動できる。ひとたび作動レバー410を解放すると、ばね430が提供する押圧力により各係止部材424が開口部406内に外方に押圧され、作動レバー410を図33に示す閉鎖位置に引き戻す。図33の右側の作動レバー410を使用することによって、全く同じ係止作用及び係止解除作用を行うことができる。かくして、クロス・バー408のいずれかの端部でも、及び従って車輛のいずれの側からでも、クロス・バー408をスラット402から係止解除できる。
【0045】
次に図35を参照すると、これらの図には、本発明の更に他の好ましい実施例による物品キャリヤシステム500が示してある。この物品キャリヤシステム500は一対のスラット502を含む。これらのスラットの各々は、複数の従来のねじファスナアッセンブリ508によって車輛506の車体外面504にしっかりと固定されている。ファスナ508の好ましい形態は、当該技術分野で周知の「リベット−ナット」ファスナである。しかしながら、他の形態のファスナを使用してもよいということは理解されよう。
【0046】
各スラット502は、互いに向かって内方に延びる一対の押縁部分510、底壁部分512、及び内壁部分514を含む。内壁部分514は、本願の図1のaに示す孔17のような、間隔が隔てられた複数の孔516を有する。内方に延びる押縁510及び底壁512は、スラット502の全長に沿って延びるチャンネルを形成する。
【0047】
図35を更に参照すると、クロス・バーッセンブリ520がスラット502上に取り付けられている。クロス・バーッセンブリ520は、全体として、両端522a及び522bを持つ管状クロス・バー522を含む。端部522aにはブラケットアッセンブリ524aが固定されている。端部522bにはブラケットアッセンブリ524bが固定されている。これらの二つのブラケットアッセンブリ524a及び524bは本質的に同じであり、これらのアッセンブリの僅かな構造的相違を以下に説明する。各ブラケットアッセンブリ524は、各アッセンブリ524のハウジング530の下面528に形成された孔526を通って延びる従来のねじファスナ(図示せず)によって夫々の端部522に固定されている。
【0048】
図35を更に参照すると、各ブラケットアッセンブリ524は、係止部材532を更に含む。各ブラケットアッセンブリ524の係止部材532は構造が同じであり、係止部分534、中央部分536、及び一体成形された作動部分538を含む。係止部分534は、更に、周囲チャンネル即ち溝540及び一対のボス部分542(図35には一方だけが示してある)を含む。係止部分534から可撓性アーム部分544が垂下している。可撓性アーム部分のヘッド部分546は、ハウジング530bの開口部552の縁部550に形成されたノッチ548と係合するようになっている。ヘッド部分546は、ノッチ548と係合したとき、係止部材532を係止解除位置(図38に示す)に保持するように機能する。この機能を以下に更に詳細に説明する。ブラケットアッセンブリ524bをスラット502に固定し、前後の端キャップ(図示せず)をスラット502の両末端に取り付けると、ブラケットアッセンブリ524bをスラット502から取り外すことが出来ないように、T−ラグ部分554がチャンネル518内に配置される。
【0049】
図36を簡単に参照すると、開口部552は、凹所558を各々有する一対のチャンネル556を含む。ハウジング530bは、更に、一対のボス560を含み、これらのボスの各々には、スロット562及び截頭円錐形形状のヘッド部分564が形成されている。開口部568を持つホイール566をヘッド部564に押し付け、ボス560にスナップ係合する。ホイール566は、好ましくはプラスチック製であるが、様々な他の材料から製造できる。ホイール566は、再位置決めを行う際にスラット502に沿って摺動移動させるときにクロス・バーの「結着」が起こらないようにする。
【0050】
図37を簡単に参照すると、係止部材532は、反対方向に突出し且つ互いに長さ方向に整合した一対のボス部分542を含むということがわかる。各ボス部分542は半円形部分542aを含む。これらのボス部分542は、チャンネル556内で摺動し、凹所558にスナップ嵌めされるようになっている。半円形端部542aは、係止部材532の設置を補助し、ボス部分542が凹所558に容易にスナップ嵌めできるようにする。従って、係止部材532をハウジング530b内に設置する上で特別な工具が必要とされない。
【0051】
図36を参照すると、ハウジング530bは空力学的形状を備えており、係止部材を開口部552に設置したときにこの係止部材532の作動部分538と隣接する帆立て貝様の領域570を備えている。かくして、作動部分538は、一つ又はそれ以上の指で容易に掴むことができ、外方に引っ張ることによって係止部材532全体をボス部分542を中心として回転させることができる。図37で寸法矢印572で示す係止部分534の幅は、スラット502に形成された孔516の幅よりもほんの僅かに小さい。かくして、係止部分534は、係止部材532が係止位置にあるとき、スラット502の開口部516のうちの一つと整合し、この開口部内に係合するように作動できる。更に、係止部材532の各々が同じ構造であるということは理解されよう。従って、各係止部材は、ブラケットアッセンブリ524a及び524bのいずれにも同じ方法で設置できる。
【0052】
図35を更に参照すると、ケーブル574が、クロス・バー522の内部を通って各係止部材532に連結されている。第1端部574aには連結部分576が取り付けられている。この連結部分は中央部分536に形成されたノッチ578a及び係止部材の表面壁に形成されたノッチ578bに嵌着するようになっている。ケーブル574の第1端部574aは、組み立て中にひとたび係止部材532がハウジング530bの開口部552にスナップ嵌めすると、チャンネル540内に配置され且つこのチャンネル540内に保持される。ケーブル574は、ブラケットアッセンブリ524aのチャンネル540に挿入される第2端部574bを含む。連結部分580は中央部分536のノッチ578a及び578b内に係合する。ケーブル574の末端部分574cは、コイルばね582によってフック部材584に固定されている。フック部材584は、ケーブル574の中央部分574dにしっかりと固定されている。ばね582は、ケーブル574の両端に一定の張力を提供し、両係止部材532を、図示のように、係止位置に押圧する。ケーブル574は、所定の長さの鋼製ケーブル又はナイロンケーブル、又は可撓性であるが延伸に抵抗する任意の他の形態の材料でできているのがよい。
【0053】
図35を更に参照し、ブラケットアッセンブリ524bの壁部分550のノッチ548がブラケットアッセンブリ524aの対応する壁部分550に設けられていないということに着目されたい。更に、ブラケットアッセンブリ524bの帆立て貝様部分570がブラケットアッセンブリ524aに設けられていないということに着目されたい。かくして、ブラケットアッセンブリ524bと関連した係止部材532を掴んで回転させることによって、係止部材532を同時に係止解除することだけができる。しかしながら、ブラケット部材524aと関連した係止部材532を手動で係止できるようにし、これによってクロス・バーッセンブリ520をクロス・バーッセンブリ520のいずれの側からでもスラット502から係止解除できるようにするため、帆立て貝様の領域を容易に設けることができるということは理解されよう。
【0054】
次に図38を参照すると、クロス・バーッセンブリ520が係止解除配向で示してある。この配向では、クロス・バーッセンブリ520全体を必要に応じて新たな位置までスラット502に沿って摺動させることができる。ひとたびクロス・バーッセンブリ520を各スラット502の開口部516と基端で整合させた後、係止部材532の作動部分538を図35に示す位置に押し込む。この移動により、ケーブル574でブラケットアッセンブリ524aの係止部材532を図38で見て反時計廻り方向に回転させ、両係止部材532を図35に示す係止位置に同時に押圧する。ブラケットアッセンブリ524が各スラット502の開口部516と整合していない場合には、二つの係止部材532が各スラット502の開口部516に「スナップ嵌め」するまでクロス・バーッセンブリ520を長さ方向に小さく調節する。
【0055】
クロス・バーッセンブリ520を組み立てるため、連結部分580をブラケットアッセンブリ524aと関連した係止部材532のノッチ578に配置する。次いで、係止部材532をブラケット部材524aにスナップ嵌めする。その後、ケーブル574の自由端をクロス・バー522の内部を通して送り、連結部分576をブラケットアッセンブリ524bと関連した係止部材532のノッチ578a及び578b内に係合する。次いで、作動部分538が先ず最初に開口部552に挿入されるように係止部材532を開口部552に挿入する。ボス部分542が開口部552のチャンネル556に進入するため、係止部材532を、ブラケット部材524aに関して行ったのと同じ方法でブラケット部材524bの凹所558に「スナップ」係合できる。従って、特別な工具が必要とされず、組み立てを一人で数分で行うことができる。
【0056】
図38は、可撓性アーム部分544のヘッド部分546がノッチ548と係合し、両係止部材532が係止解除配向に保持された状態を更に示す。ひとたびブラケット部材524a及び524bがスラット502の孔516と整合した後、ブラケット部材524bの作動部分538を僅かに押すと可撓性アーム部分544がノッチ548から外れ、かくして押圧部材により両係止部材532が再び図35に示す位置に戻される。
【0057】
次に図39を参照すると、この図には、本発明の別の好ましい実施例による物品キャリヤシステム600が示してある。物品キャリヤシステム600は、この実施例では、スラットの代わりに一対の持ち上がった側レール602を含む。各側レール602は、そのレール部分608の下面606に沿って間隔が隔てられた複数の開口部604を有する。各支持体610は、レール部分608を車輛614の車体外面612の上方に支持するために使用される。クロス・バーッセンブリ616は、スラット602間に連結されている。
【0058】
図39を更に参照すると、クロス・バーッセンブリ616は、端部618a及び618bを持つ管状クロス・バー618を含む。好ましくは、クロス・バー616の全長に沿って開口部620が形成されている。これらの開口部の目的を以下に簡単に説明する。係止部材620a及び620bがクロス・バー618の両端にブラケット部材617a及び617b内に枢着されている。各係止部材620は、図36で係止部材532に関して説明したのと同じ方法で連結されている。各係止部材620は、係止部分622及び作動部分624を含む。使用者は、作動部分624の中央部分626の同軸の中心を中心として係止部材620全体が回転するように作動部分624を掴むことができる。更に、ノッチ628が各係止部材620の内面630に形成されており、ノッチ632が中央部分626に同様に形成されている。半円形の溝634が、各係止部材620の中央部分626と内面630との間に画成されている。
【0059】
図39を更に参照すると、無端ケーブル636がクロス・バー618の開口部620を通して挿入されている。ケーブル636は、ケーブル636にしっかりと固定された二つのフック部分638を含み、これらのフック部分には、ばね640の端部が固定される。
【0060】
作動に当たっては、いずれかの係止部材620の作動部分624を持ち上げてそのブラケット部材617から遠ざける。これによりケーブル636を移動し、両係止部材620を反対方向に回転し、これによって、両係止部材620を図39で反対方向に回転させることができる。係止部材620は、仮想線によって、側レール602に対して係止解除配向で示してある。図39に示す係止位置にあるとき、ばね640は、ケーブル636の二つの箇所に張力を及ぼし、これにより、係止部材620の各々を係止配向に維持する。
【0061】
係止部材620を係止解除配向に保持する手段がクロス・バーッセンブリ616と関連して開示していないけれども、この機能を果たすため、図35に示す可撓性フィンガ部分544及びノッチ548をクロス・バーッセンブリ616に容易に組み込むことができる。クロス・バーッセンブリ616は、両係止部材620をその両端から同時に係止解除できる。両係止部材をクロス・バー616の両端から同時に係止解除できることが非常に望ましい用途では、物品キャリヤシステム600は、このような係止機構を提供するための簡単で容易な構造手段を提供する。
【0062】
クロス・バーッセンブリ616の組み立ては、クロス・バー618の開口部620を通して無端ケーブル636を落とすことによって行われる。先ず最初に、ケーブル636の一端を、連結部分628がノッチ628及び632内に位置決めされるように、溝634及び一方の係止部材620を通して同伴する。次いで、係止部材620を関連したブラケット部材617とスナップ係合する。次に、ケーブル636の反対端を、連結部分628がそのノッチ628及び632内にあるように他方の係止部材620の溝634を通して同伴する。次いで、この係止部材620を、更に、その関連したブラケット部材617とスナップ係合させる。その後、ばね640をフック部分638間に連結する。最後に、ゴム製バンパーストリップ又は他の構成要素を開口部620に挿入し、クロス・バー618の内部を閉止する。次に、クロス・バーッセンブリ616を側レール602に設置する。
【0063】
本明細書中に開示した好ましい実施例の各々の説明から、一つの作動部材によって一対のスラットから同時に係止解除でき且つ同じ作動部材によって両スラットに同時に係止できるクロス・バーを持つ物品キャリヤが提供されるということが理解されるであろう。これは、クロス・バーを再位置決めする上で使用者の利便性を大幅に高める。これは、この工程を車輛の一方の側から行うことができるためである。
【0064】
本明細書中に説明した様々な好ましい実施例の作動部材及びブラケット部材は、好ましくは、射出成形等の従来の型成形技術によって高強度プラスチックから製造される。様々な好ましい実施例のスラットは、好ましくは、金属製であり、所望であれば、圧延によって形成されるか或いは多部品アッセンブリをなして製造される。本明細書中に説明した実施例の各々は、比較的簡単に形成でき、一般的には、比較的少数の独立した構成部品でできている。このように、本明細書中に開示された各実施例は、比較的経済的に形成できる。
【0065】
当業者は、以上の説明から、本発明の広範な教示を様々な形態で実施できるということを理解できる。従って、本発明をその特定の例と関連して説明したが、本発明の真の範囲はこれらの例に限定されるべきではない。これは、添付図面、明細書、及び特許請求の範囲を検討すれば、当業者に明らかであるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車輛の車体外面上に配置された車輛用物品キャリヤを示す、本発明の好ましい実施例による車輛用物品キャリヤの斜視図であり、図1のaは、スラットの壁部分の各々に形成された開口部を示す、図1の左側の即ち遠い方のスラットの斜視図である。
【図2】 図1の車輛用物品キャリヤの一方の物品キャリヤ部材の平面図である。
【図3】 図2の方向線3の方向から見た、図2に示す一方のブラケット部材及びクロス・バーの一部の側面図である。
【図4】 図3の方向線4の方向から見た、係止フィンガ部材を省略した、図3に示すブラケット部材の端面図である。
【図5】 図3の方向線5の方向から見た、図3のブラケット部材の底面図であり、図5のaは、図5に示すボス部分だけの斜視図である。
【図6】 係止フィンガ部材を係止解除位置即ち引っ込め位置で細長いロッドの一部とともに仮想線で示してある、図4の6−6線に沿った図4のブラケット部材の横断面図である。
【図7】 係止フィンガ部材を係止位置即ち伸長位置で仮想線で示す、図2の7−7線に沿った図1の右側ブラケット部材の横断面図である。
【図8】 押圧ばね及び係止フィンガ部材を設置した、図5に示すブラケット部材の図である。
【図9】 図6、図7、及び図8に示すブラケット部材で使用される係止フィンガ部材の斜視図である。
【図10】 図9の係止フィンガ部材の平面図である。
【図11】 図9の方向線11の方向から見た、係止フィンガ部材の正面図である。
【図12】 図10の12−12線に沿った、図10の係止フィンガ部材の横断面図である。
【図13】 図12の方向線13の方向から見た、係止フィンガ部材の底面図である。
【図14】 図2に示すクロス・バーを通って延びる細長い作動ロッドの斜視図である。
【図15】 作動部材を省略した、関連したスラット上に配置された図2の左側のブラケット部材の平面図である。
【図16】 図15の方向線16の方向から見た、図15に示す左側ブラケット部材の側面図である。
【図17】 ブラケット部材を作動部材なしで及び図16に示すスラットなしで示す、図16の方向線17の方向から見た、図16のブラケット部材の端面図である。
【図18】 図17の18−18線に沿った、図17のブラケット部材の横断面図である。
【図19】 図15のブラケット部材に嵌着する作動部材の平面図である。
【図20】 図19の方向線20の方向から見た、図19の作動部材の端面図である。
【図21】 図19の方向線21の方向から見た、図19の作動部材の後端の図である。
【図22】 図19の22−22線に沿った図19の作動部材の横断面を、この作動部材に連結された細長いロッドの一部とともに示す図である。
【図23】 図17のブラケット部材に組み込んだ図20の作動部材の端面図である。
【図24】 図23の24−24線に沿った図23の組み立て済のブラケット部材の横断面図である。
【図25】 図2の25−25線に沿った図2の物品キャリヤ部材の横断面を、関連したスラットの開口部に係合した各ブラケット部材の係止フィンガとともに示す図である。
【図26】 作動部材が係止解除位置にあり、各係止フィンガ部材がその夫々のスラットと係止係合した状態から引っ込められた、図25の物品キャリヤ部材の図である。
【図27】 一方のスラットを部分的に切除した状態で示し且つ他方のスラットを仮想線で示し、クロス・バーを通って延びる細長い作動ロッドへの連結を示すために作動レバーを断面で示す、本発明の別の好ましい実施例による物品キャリヤの平面図である。
【図28】 図27の28−28線に沿った図27の物品キャリヤの断面図である。
【図29】 図28の29−29線に沿った、図28の実施例のラッチ部材の係止位置での図である。
【図30】 図29のラッチ部材の係止解除位置での図である。
【図31】 本発明の更に別の好ましい実施例による物品キャリヤを正面から見た断面図である。
【図32】 クロス・バーを仮想線で示す、図31の物品キャリヤの内部構成要素の平面図である。
【図33】 一対のスラットからのクロス・バーのラッチ止め及びラッチ解除を同時に行うために使用できる、クロス・バーのいずれの側からでも操作できる一対の作動レバーを示す、本発明の更に別の好ましい実施例を側方から見た断面図である。
【図34】 左側の作動レバーが係止解除位置にあり、これによって両係止部材が夫々のスラットと係止係合した状態から同時に引っ込められた状態を示す、図33の物品キャリヤの図である。
【図35】 係止部材が係止配向にある、本発明の別の好ましい実施例の部分断面側面図である。
【図36】 クロス・バーッセンブリの一部及び関連したスラットの一部の分解斜視図である。
【図37】 図36に示す係止部材の正面図である。
【図38】 クロス・バーッセンブリを係止解除配向で示す、図35の物品キャリヤアッセンブリの部分断面側面図である。
【図39】 本発明の更に別の好ましい実施例の側断面図である。
【符号の説明】
10 車輛用物品キャリヤ装置
12 車体外面
14 車輛
16 スラット
18、20 ブラケット部材
22、24 クロス・バー
26 中間スラット

Claims (12)

  1. 車輛の車体外面の上方に物品を支持するための車輛用物品キャリヤ装置において、
    前記車体外面に堅固に固定されるように構成された、一対のスラットと、
    管状のクロス・バーと、
    前記クロス・バーを前記スラット上に調節自在に支持するため、前記クロス・バーの両端に配置された一対のブラケット部材であって、人がつかむことのできる作動部材を含む、前記ブラケット部材と、
    前記クロス・バーの内部領域を通って延び、且つ、前記ブラケット部材の間に架橋された、細長い連結部材とを含み、
    前記一対のブラケット部材は、それぞれ、
    枢動自在に配置された係止部材を有し、前記係止部材は、係止部分と、前記連結部材の一部を受け入れて前記連結部材と係合するための連結部分とを含み、
    前記係止部材は、該係止部材の前記係止部分が、前記係止部材が関係する前記スラットに係合する係止位置と、該係止部分が該スラットとの係合から外れる係止解除位置との間を回転できるように前記ブラケット部材又は前記クロス・バー上に配置され、
    更に、前記一対のブラケット部材は押圧部材を有し、前記押圧部材は、前記ブラケット部材の前記作動部材に外力が加えられていないとき、両方の前記係止部材を常に係止位置に押圧するように、前記係止部材のうちの少なくとも一方に作動的に関係し、
    前記ブラケット部材の前記作動部材は、前記係止部材のうちの対応する係止部材と作動的に関係し、これによって、前記対応する係止部材を、該係止部材が関係する前記スラットに関して、前記押圧部材の力に抗して係止解除位置まで回転させるように構成し、これによりいずれか一方の係止部材が回転すると、前記細長い部材が、前記係止部材のうちのいずれか他方の係止部材をその関連した前記スラットに対してほぼ同時に係止解除配向に回転させるように構成し、
    前記人が作動部材への外力を解放したとき、前記押圧部材により前記係止部材の両方を同時にそれらの夫々の対応する前記スラットに対して係止位置に回転する
    ように構成した、車輛用物品キャリヤ装置。
  2. 前記作動部材は前記一方の係止部材に一体成形されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記細長い部材はケーブルを含む、請求項1に記載の装置。
  4. 前記細長い部材は細長い鋼製ケーブルを含む、請求項1に記載の装置。
  5. 前記細長い部材は一対の連結部分を含み、これらの連結部分の各々は、前記係止部材のうちの関連した一方の係止部材と係合するように構成された、請求項1に記載の装置。
  6. 前記細長い部材は一対の末端を有するケーブルを含み、
    前記末端は、人が前記作動部材と関係していないときに、前記係止部材の各々を前記係止位置に維持するため、前記押圧部材によって押圧されている、請求項1に記載の装置。
  7. 前記一方の係止部材は可撓性フィンガ部分を含み、前記一方のブラケット部材は、前記一方の係止部材を前記係止解除位置まで回転させたときに前記可撓性フィンガに係合するノッチを含み、これによって、前記一方の係止部材を前記係止解除位置に押圧した後に前記人が前記作動部材を解放したとき、前記係止部材の各々を前記係止解除位置に保持する、請求項1に記載の装置。
  8. 車輛の車体外面の上方に物品を支持するための車輛用物品キャリヤ装置において、
    前記車体外面に堅固に固定されるように、長手方向に間隔が隔てられた複数の開口部が各々に設けられた、一対のスラットと、
    管状クロス・バーと、
    前記クロス・バーを前記スラット上に調節自在に支持するため、前記クロス・バーの両端に配置された一対のブラケット部材であって、人が掴むことのできる作動部材を含む、前記ブラケット部材と、
    前記クロス・バーの内部領域を通って延び、且つ、前記ブラケット部材間を延びるのに十分な長さを有する、細長いケーブルとを含み、
    前記ブラケット部材の各々は、
    係止部分と、前記ケーブルの一部を受け入れてこれと係合するためのチャンネルとを更に含む、枢動自在に配置された係止部材を有し、
    前記係止部材は、該係止部材の前記係止部分が、その前記関連したスラットの前記開口部の一つと整合したとき、その関連した前記スラットの前記開口部のうちの少なくとも一つと係合する係止位置と、該係止部分が前記開口部との係合から外れる係止解除位置との間を回転できるように前記ブラケット部材又は前記クロス・バー上に配置され、
    前記作動部材に外力が加えられていないときに、前記係止部材の両方を前記係止位置に押圧するため、前記ケーブルと作動的に関連した押圧部材を更に有し、
    前記ブラケット部材の前記作動部材は、前記係止部材のうちの対応する係止部材に作動的に関連することによって、前記対応する係止部材をその関連した前記スラットに関して前記押圧部材の力に抗して係止解除位置まで回転させ、これによりいずれか一方の係止部材を回転することによって、前記細長い部材により前記係止部材のうちのいずれか他方の係止部材を、ほぼ同時に、その関連した前記スラットに対して係止解除配向に回転するように構成し、
    前記個人が前記作動部材への外力を解放したとき、前記押圧部材により前記係止部材の両方を同時にそれらの夫々の対応する前記スラットに対して前記係止位置に回転し
    前記係止部材のうちの少なくとも一方が、前記一方の係止部材を係止解除位置に回転したときにその関連した前記ブラケット部材のノッチ部分と係合するための可撓性フィンガ部分を含み、これによって、前記係止部材の両方を前記係止解除位置に保持するように構成した、
    車輛用物品キャリヤ装置。
  9. 前記ブラケット部材の各々は、前記係止部材のうちの一方を受け入れるための開口部を含み、
    前記開口部は、間隔が隔てられた一対の壁部分を有し、これらの壁部分の各々には凹所が設けられており、
    前記係止部材の各々は一対の枢動部分を含み、前記係止位置と前記係止解除位置との間で移動するとき、前記係止部材がこれらの枢動部分を中心として枢動し、
    前記枢動部分は、前記係止部材を前記ブラケット部材に取り付けるため、前記壁部分の前記凹所にスナップ係合できる、請求項8に記載の装置。
  10. 前記作動部材は、前記一方の係止部材と一体成形されており、前記一つのブラケット部材は、前記作動部材を掴み易くするため、前記作動部材と隣接して帆立て貝状部分を含む、請求項8に記載の装置。
  11. 前記押圧部材は、前記ケーブルの中間部分と前記ケーブルの一端との間に連結されており、これによって前記係止部材の両方を前記係止位置に押圧する、請求項8に記載の装置。
  12. 物品を車輛の車体外面の上方に支持するための車輛用物品キャリヤ装置において、
    前記車体外面にしっかりと固定されるようになった、長さに沿って間隔が隔てられた複数の開口部が各々に設けられた一対のスラットと、
    管状クロス・バーと、
    前記クロス・バーを前記スラット上に調節自在に支持するため、前記クロス・バーの両端に配置された一対のブラケット部材であって、個人が掴むことのできる作動部材を含む、ブラケット部材と、
    前記クロス・バーの内部領域を通って延び且つ前記ブラケット部材間を延びるのに十分な長さを有する細長いケーブルとを含み、
    前記ブラケット部材の各々は、
    係止部分、及び前記ケーブルの一部を受け入れてこれと係合するためのチャンネルを更に含む、枢動自在に配置された係止部材を有し、
    前記係止部材は、該係止部材の前記係止部分が、その前記関連したスラットの前記開口部の一つと整合したとき、その関連した前記スラットの前記開口部のうちの少なくとも一つと係合する係止位置と、該係止部分が前記開口部との係合から外れる係止解除位置との間を回転できるように前記ブラケット部材又は前記クロス・バー上に配置され、
    前記作動部材に外力が加えられていない場合に前記係止部材の両方を前記係止位置に押圧するため、前記ケーブルと作動的に関連した押圧部材を更に有し、
    前記ブラケット部材の前記作動部材は、前記係止部材のうちの対応する係止部材と一体成形されており、これによって該対応する係止部材をその関連した前記スラットに関して前記押圧部材の力に抗して係止解除位置まで回転し、
    これによりいずれか一方の係止部材を回転することによって、前記細長い部材により前記係止部材のうちのいずれか他方の係止部材を、ほぼ同時に、その関連した前記スラットに対して係止解除配向に回転するように構成し
    前記人が前記作動部材への外力を解放したとき、前記押圧部材により前記係止部材の両方を同時にそれらの夫々の対応する前記スラットに対して前記係止位置に回転し
    前記係止部材のうちの少なくとも一方が、前記一方の係止部材を係止解除位置に回転したときにその関連した前記ブラケット部材のノッチ部分と係合するための可撓性フィンガ部分を含み、これによって、前記係止部材の両方を前記係止解除位置に保持するように構成した、
    車輛用物品キャリヤ装置。
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