JP3649549B2 - スラグ除去装置 - Google Patents

スラグ除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3649549B2
JP3649549B2 JP11384497A JP11384497A JP3649549B2 JP 3649549 B2 JP3649549 B2 JP 3649549B2 JP 11384497 A JP11384497 A JP 11384497A JP 11384497 A JP11384497 A JP 11384497A JP 3649549 B2 JP3649549 B2 JP 3649549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
furnace
injection nozzle
fluid
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11384497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10300058A (ja
Inventor
義孝 古閑
智規 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP11384497A priority Critical patent/JP3649549B2/ja
Publication of JPH10300058A publication Critical patent/JPH10300058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3649549B2 publication Critical patent/JP3649549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Incineration Of Waste (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料をガス化するガス化装置の炉内のスラグを除去するスラグ除去装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図7には液体燃料をガス化してガス燃料を生成するガス化装置の概略構造が示されている。図7において、28はガス化炉であり、その炉内部29の圧力が高圧状態で運転されるため圧力容器33内に収納されている。上記ガス化炉28には、ガス化炉燃焼室(以下燃焼室という)30及びガス化炉熱交換室(以下熱交室という)31が設けられ、上記燃焼室30にはバーナ30が設けられている。37は上記燃焼室30の下部に設けられたスラグホール、38はスラグ排出口である。
【0003】
かかるガス化炉28において、燃料は酸化剤とともにバーナ32から上記燃焼室30内に投入されて燃焼反応及びガス化反応をなす。これによって発生した可燃性ガスは上記熱交室31を経て熱機関(図示省略)に送られる。
【0004】
上記燃焼室30での燃焼、ガス化時において燃料中に含まれる灰分は溶融されて溶融スラグ34となってスラグホール37から炉の下部に排出され、スラグ冷却水35により急冷されて小さく砕かれ水砕スラグとしてスラグ排出口38から外部に排出される。
【0005】
一方、上記燃焼室30で発生した溶融スラグ34の一部は、燃料による可燃性ガスの気流に乗って上記燃焼室30の上方に飛散して上記熱交室31に搬送される。そしてこの溶融スラグは上記熱交室31の炉壁31aに付着する。然るに上記熱交室31内は上記燃焼室30内よりも温度が低く、このため上記のようにして炉壁31aに付着した溶融スラグは固化されて固形スラグ36となり、運転時間の経過とともに、これが蓄積されて行く。
【0006】
かかる固形スラグ36は、その一部が自重により落下するものの大部分はそのまま残り炉内部29の場所によってはその量が多くなって、遂には生成された上記可燃性ガスの通路を塞ぐことがある。
【0007】
従って、本発明の目的は、ガス化炉において、高温、高圧の炉内における炉壁の、付着スラグを炉の作動を停止することなく、確実にかつ短時間に除去する手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するものでその要旨とする第1の手段は、ガス化装置のガス化炉の炉内部に蒸気、ガス等のスラグ除去用流体を噴射して上記炉内部のスラグを除去するスラグ除去装置であって、上記ガス化炉の炉壁に固定可能なシリンダと、同シリンダ内に往復摺動自在に嵌合され、両側面に作動流体が作用するピストンと、同ピストンの一端に固定されて同ピストンの移動に従がい上記炉内部に挿入あるいは炉内部から引き抜き可能にされ、流体通路を経て導入された上記スラグ除去用流体を噴射するための噴口を備えた噴射ノズルと、同噴射ノズルの移動によりこれの上記噴口を開閉する弁体とを備え、上記ピストンの一側面に上記作動流体が作用したとき、上記噴射ノズルが上記炉内部に挿入されるとともに、上記弁体が上記噴口を開口して同噴口から上記スラグ除去用流体を噴射可能とされ、上記ピストンの他側面に上記作動流体が作用したとき、上記噴射ノズルが炉内部から引き抜かれて上記弁体が噴口を閉じるとともに、同弁体と噴射ノズルとのシート面が当接して炉内部からのガスを遮断するように構成されてなることを特徴とするスラグ除去装置にある。
【0009】
また、上記第1の手段において、上記ピストンを中空状に形成するとともに、同ピストンの内周に上記スラグ除去用流体が通流する流体通路管を嵌合し、同ピストンの内周には上記流体通路管に設けた廻り止め部が嵌合する溝を設け、さらには、上記溝を複数個とし、これらの溝を上記流体通路管内と上記噴射ノズルとを上記弁体を介して接続するスラグ除去用流体の通路となしたことも本発明に含まれる。
【0010】
上記手段によれば、上記ピストンの一側面である挿入側側面に作動流体を作用させると、ピストンとともに、これと一体の噴射ノズルが移動して炉内部に挿入され、弁体の先端部が噴射ノズルの噴口を開口するとともに弁体とノズルとのシート面が離されると流体通路を経て導入されたスラグ除去用流体が噴口から炉内部に噴射されて炉内部のスラグを除去する。
【0011】
そして、上記スラグの除去作業終了後、上記ピストンの他側面である引抜側側面に作動流体を作用させると、同ピストンとともに噴射ノズルが炉内部から引き抜かれ、弁体が噴口を閉じるとともに、弁体とノズルとのシート面が当接して炉内部からのガスを遮断する。
【0012】
上記のように噴射ノズルに固定されたピストンの両側面の何れかに作動流体を作用させることによって噴射ノズルを炉内部に挿入して弁体により噴口を開き、同噴射ノズルの噴口からスラグ除去用流体を噴射し、あるいは、噴射ノズルを炉内部から引き抜いて炉内部から遮断するので、ガス化装置を停止したり、分解することなく、炉内部のスラグを自動的にかつ確実に除去することができる。また、噴射ノズルの引き抜き時には噴口を弁体で閉塞するとともに、弁体とノズルとのシート部をピストンに作用する作動流体の力によって確実にシールするので、炉内部のガスが装置を通して漏洩することがなく、安全性の高い装置が得られる。
【0013】
また本発明の第2の手段は、上記第1の手段におけるスラグ除去用流体の通路の構造に係り、上記弁体が、上記噴射ノズルの内周に嵌合される小径部と上記シート面よりも上記蒸気通路管側に設けられた大径部とにより構成され、同大径部の外側には、上記蒸気通路管内と噴射ノズルとを接続する流体通路としての隙間が形成されてなる。
【0014】
このように構成すれば、上記第1の手段の具体的構成として示された複数の溝を設けることを要しないので、装置の構造が簡単化されるとともに、溝の加工の省略により加工コストが低減される。
【0015】
さらに第3の手段は、上記第1の手段に加えて、上記シリンダ内を上記ピストンにより挿入側ガス室と引抜き側ガス室とに区画するとともに、上記流体通路と上記挿入側ガス室とを連通する連通路を設け、上記流体通路管内を通流するスラグ除去用流体から分流された流体を上記連通路を経て上記挿入側ガス室に導入して上記ピストンに作用させるように構成されてなる。上記手段によれば、スラグ除去用流体を分流してピストン作動用とするので、単一流体で噴射ノズルの挿入、引き抜き動作とスラグの除去との双方の作用をなすことができ、流体供給設備が簡素化され、構造が簡単化されるとともに、低コストの装置が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図6及び図7を参照して本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は本発明の実施の第1形態に係るガス化炉のスラグ除去装置の要部断面図である。
【0017】
上記スラグ除去装置(以下デスラッガと称する)は図7に示されるガス化炉28において、溶融スラグ36の付着量が多いガス化炉熱交換器31の炉壁31aに主として装着され、上記溶融スラグ36の除去を行なうものである。上記デスラッガは、ガス化炉28の炉壁31aに装着されるため、溶融スラグ除去のため、同デスラッガから噴出される蒸気によって炉壁31aが損傷され易い。
【0018】
このため、かかるデスラッガは、炉壁31aを通して炉内部29に進退可能な蒸気(ガス等を含む)噴出手段を備え、同蒸気噴出手段が炉内部29に進入したとき蒸気を炉壁31aに噴出し、蒸気を噴出しないときには炉内部29から退出して焼損を防止するとともに、蒸気噴出口から炉内ガスが逆流しないように構成される。
【0019】
図1において、1はこのデスラッガの本体であるシリンダで、これのフランジ1dの取付面1aが図7に示されるガス化炉28の炉壁31aの外面にガスケット等のガスシール手段(図示省略)を介してボルト(図示省略)により固着されている。2は上記シリンダ1内に往復摺動自在に嵌合された中空状のピストンであり、上記シリンダ1内はこのピストン2によって挿入側ガス室41と引抜側ガス室42とに区画されている。
【0020】
10は上記シリンダ1に固定された蒸気管であり、上記シリンダ1の中心部に外周が上記ピストン2と同心に設けられ、これの外周に上記ピストン2の内周が摺接されている。5は上記ピストン2の内周と蒸気管10の外周との間のガスシールを行なうピストン内シール、6はピストン2の外周とシリンダ1の内周との間のガスシールを行なうピストン外シールである。
【0021】
4は噴射ノズル管であり、有底中空形状に形成され、中空形状のピストンロッド3を介して上記ピストン2に固定され、同ピストン2の往復動によって炉内部29内に進入、あるいは炉内部29から退出するようになっている。この噴射ノズル管4の長さは上記ピストン2の挿入ストロークSよりも大きく構成される。22は噴口であり、上記噴射ノズル管4の端部寄りの部位に円周方向等間隔に複数個所定の噴射角度で以って放射状に穿設されている。
【0022】
12は上記蒸気管10の噴射ノズル管4寄りの端部に固定された弁体である。同弁体12は、棒状に形成され、これの蒸気管側の小径端部が端部に設けられた弁体固定金物11を介して蒸気管10の端部内周に固定される。そして、同弁体固定金物11には、図2に示されるように、複数個(この例では5個)の蒸気通路21が形成されている。
【0023】
また上記弁体12は、上記固定用の小径端部に連設された大径部12aを備え、この大径部12aに形成された弁体側シート14が、上記噴射ノズル管4の内周に形成されたノズル側シート9に当接したとき、両シートにてガスシールがなされるようになっている。さらに上記弁体12の長さは上記ピストン2の挿入ストロークS、つまり噴射ノズル管4の挿入ストロークSに近い長さに形成されるとともに、これの小径部12bの外周と噴射ノズル管4の内周との間は後述する挿入開始時に微量の蒸気が通過可能な程度の微小間隙となっている。また上記挿入ストロークSの長さは、このデスラッガを取り付けるガス化炉28の炉壁31aと噴口22の噴射角度との関係等により設定される。
【0024】
8は上記ピストン2の内周に刻設された溝である。この溝8は図2に示されるように、円周方向に等間隔に複数個(この例では6個)、ピストン2のストロークS以上の長さに亘って、同ピストン2の長手方向に刻設されている。上記溝8の長さは上記ピストン2の挿入ストロークSよりも長くなるように構成され、蒸気がこの溝8内を通ってスムーズに噴射ノズル管4に導かれるようにしている。そして上記弁体12と噴射ノズル管とのシート部14,9のシート時には、弁体12と弁固定金物との間には、所要の空間即ち接続室40が形成される。
【0025】
そして、図2に示されるように、上記溝8のうちの1個には、蒸気管10の端部外周に突設された突起13が嵌合されてピストン2の廻り止めをなしている。7は上記ピストンロッド3(あるいは噴射ノズル管4)の外周と、シリンダ1のノズル嵌合穴1cとの間のガスシールを行なうピストンロッドシールである。
【0026】
20は上記蒸気管10の入口に設けられた蒸気接続口で、蒸気源(図示省略)から炉内部29の圧力よりも高圧に加圧されたスラグ除去用の加圧蒸気が導かれている。15は上記シリンダ1の端部側に設けられた挿入用ガス接続口で、上記挿入側ガス室41に連通されている。また16は、上記シリンダ1の炉壁側のフランジ1dに設けられた引抜用ガス接続口で、上記引抜側ガス室42に連通されている。そして上記挿入用ガス接続口15及び引抜用ガス接続口16には加圧された窒素(N2 )ガスが導かれ、このN2 ガスの圧力によりピストン2及びこれに固定された噴射ノズル管4が往復動するようになっている。
【0027】
上記のように構成されたデスラッガの稼動時において、図1に示される状態は、デスラッガの噴口22から蒸気の噴出がなされていない引抜き状態を示している。かかる引抜き状態から噴射ノズル管4を挿入移動させて、上記炉壁31aに付着した溶融スラグ36の除去を行なう際には、挿入用ガス接続口15から挿入側ガス室41に高圧のN2 ガスを導入するとともに、引抜用ガス室42内のN2 ガスを引抜用ガス接続口16から外部へ排出する。
【0028】
これにより、ピストン2及び同ピストン2に固定された噴射ノズル管4は、ストロークS、つまりピストン2の段部50がシリンダ1の係止面1bに当接するまでの距離だけ炉内部29へと移動して同噴射ノズル管4が炉内部29aに挿入され噴口22が弁体12の小径部12bにより開となり炉内部29に開口される。かかる噴射ノズル管4の移動により、これのノズル側シート9は弁体12の弁体側シートから離れ、このシート部におけるシール状態が解除される。
【0029】
そして、蒸気接続口20に蒸気が導入されると、この蒸気は蒸気管10内から複数の蒸気通路21、複数の溝8を通って噴射ノズル管4の内部に入り、噴口22から炉内部29へ噴出され、炉壁31aに付着した溶融スラグ36を除去する。
【0030】
また、上記のように弁体12の長さを挿入ストロークSに近い長さとしているので、ピストン2及び噴射ノズル管4の炉内部29への挿入移動始めにおいては、蒸気は弁体12の外周と噴射ノズル管4の内周との隙間を通って噴口22に至ることから、蒸気の速度はきわめて小さく、弁体12の先端が噴口22を開口し始めると噴口22の開口面積の増加に従がい蒸気の速度も徐々に増大し、噴口22が全開されると多量の蒸気が噴出せしめられる。
【0031】
従って噴射ノズル管4の挿入移動始め、つまり蒸気の噴出始めから一定期間における蒸気の噴出速度を小さくすることにより、噴口22近傍のガス化炉熱交換器31のエレメントの蒸気によって吹き飛ばされたスラグとの衝突による損傷の発生を防止できる。
【0032】
上記のように噴口22から蒸気を噴出させ炉壁31aのスラグを除去した後は、引抜き側ガス室42内に引抜用ガス接続口16を経て加圧されたN2 ガスを導入するとともに、挿入側ガス室41内のN2 ガスを挿入用ガス接続口15から外部に排出する。これにより、ピストン2は図1の左方に移動し同ピストンと一体の噴射ノズル管4も炉内部29から引き抜かれ、同噴射ノズル管4のノズル側シート9と弁体側シート14とが上記ピストン2に作用する引抜側ガス室42内のN2 ガス圧力によって圧接され、炉内部29のガスのシールがなされ、蒸気の噴出が停止される。
【0033】
このとき、図1に示されるように、弁体12の小径部12bの先端部が噴口22を閉塞しているので、炉内部29に存在する異物が同噴口22からデスラッガ内に侵入するのが防止される。また上記噴射ノズル管4の外周とシリンダ1のフランジ1dの内周とのガスのシールはピストンロッドシール7にて行っている。
【0034】
また、上記噴射ノズル管4の引抜き時においては、引き抜き後も引抜側ガス室42にN2 ガスを供給したままとしてデスラッガ内の圧力を炉内部29の圧力よりも若干高圧に保持しシート部14,9のシートを確実にして上記シート部からのN2 ガスの漏洩を最小限とし、N2 ガスの使用量を減ずる。
【0035】
尚上記実施形態において、作動ガスとしては上記N2 ガスの他、種々の不活性ガスが使用でき、また噴出用の蒸気に代えてN2 ガス等の不活性ガスを用いてもよい。
【0036】
図3〜図4は本発明の実施の第2形態を示し、図3はデスラッガの縦断面図、図4は図3におけるA−A線断面図である。この実施形態においては、上記第1形態におけるピストン2の内周に設けられる複数の溝8を廻り止め用を除いて廃止し、これに代えて弁体12の大径部12aの外周に蒸気通路を形成している。
【0037】
即ち図3において、弁体12の大径部12aの外径をこれの弁体シート部14が形成可能な範囲で小さくして、同大径部12aの外周と噴射ノズル管4あるいはピストンロッド3の内周との間に所要の隙間43を形成し、この隙間を蒸気が流れるようにしている。
【0038】
この実施形態においては、噴射ノズル管4の挿入時には、ピストン2及び噴射ノズル管4の図1の右方向への移動により蒸気管10内に導入された蒸気は弁固定金物11の蒸気通路21、接続室40及び上記隙間43を通って噴口22へと送られ、同噴口22から炉内29に噴出せしめられる。この実施形態においては第1形態のような複数の溝を設けないので、溝8の加工工数が低減される。その他の構成は上記第1形態と同様であり、これと同一の部材は同一の符号にて示す。
【0039】
図5には本発明の実施の第3形態に係るデスラッガが示されている。この実施形態においては、蒸気管10の反弁体12とは反対側に挿入側ガス室41と蒸気管10内とを連通する連通口17を設けて、第1、第2形態における挿入用蒸気の代りに挿入側ガス室41に供給されるN2 ガスを炉内部29への噴出用として使用している。その他の構成は前記第2形態と同様であり、これと同一の部材は同一の符号にて示す。
【0040】
この実施形態において、噴射ノズル管4の挿入時には、蒸気接続口(この実施形態ではN2 ガスの接続口)20に炉内部29の圧力よりも高圧に保持されたN2 ガスを導入する。このN2 ガスは連通口17を通って挿入側ガス室41に流入しピストン2に作用する。これによりピストン2及び同ピストン2に固定された噴射ノズル管4は図5において右動し、弁体側シート14とノズル側シート9とが離れるとともに、弁体12の小径部12bが噴口22を開くと、蒸気管10内から蒸気通路21、接続室40及び隙間43を経たN2 ガスが噴口22から炉内部29に噴出され、溶融スラグ36の除去を行なう。
【0041】
この際において噴出されるN2 ガスの圧力は炉内部29の圧力よりも十分に高いので、噴射ノズル管4の内周と弁体12の外周との間からN2 ガスの漏れが多少あっても、上記噴射ノズル管4の挿入作用には支障は及ぼさない。
【0042】
溶融スラグ除去作業を行った後、噴射ノズル管4を炉内部29から引き抜く際には、引抜用ガス接続口16から加圧されたN2 ガスを引抜側ガス室42に導入するとともに、挿入側ガス室41内のN2 ガスを連通口17及び接続口20から外部に排気する。これにより、ピストン2及び噴射ノズル管は、図5において左動し、弁体12の小径部12bが噴口22を閉じ、さらに弁体側シート14とノズル側シート9とが当接してN2 ガスの噴出を停止させ、ガスのシールを行なう。そして、上記噴出用N2 ガスは一旦減圧排気して、上記のようにして噴射ノズル管4を引き抜いた後、その圧力を炉内部29の圧力よりも若干高い圧力に維持する。このようにしておくと、弁体12のシート部からのガスの漏洩は僅かであることから、シール用としてのN2 ガスの使用量を減少することができる。
【0043】
図6には本発明の実施の第4形態に係るデスラッガが示されている。この実施形態においては、ピストン2に外径よりも小径のピストン受け台25を設け、これの長さを調整することにより、同受け台25の段部50とシリンダ1の係止面1bとの距離Sで決まるピストン2のストロークを調整し、噴射ノズル管4の炉内部29への出代を調整している。
【0044】
この実施形態に係るデスラッガにおいては、噴射ノズル管4の炉内部29への挿入ストロークSの長さは、炉壁31aと噴口22の噴射角度により決定されるが、ピストンロッド3に設けられた溝8の長さ及び噴射ノズル管4の長さは、上記ストロークSよりも長くなることを要する。
【0045】
従ってこの実施形態においては、外的条件によって決定されるストロークの長さと、シリンダ1内のストローク及び噴射ノズル管4の内側の溝8の長さとの関係は、ピストン受け台25及び段部50を設けることにより、ピストン2を長くすることにより容易に調整できる。
【0046】
即ち、上記噴射ノズル管4の炉壁31aからの出代を小さくした構成とする場合には、この出代の減少分シリンダ1の長さが長くなるが、上記ストロークSは上記のように外的条件によって定まる一定値であるので、上記シリンダ1の長さの増加分とストロークSとの差をピストン受け台25の長さによって調整する。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、本発明によれば、噴射ノズルに固定されたピストンの両側面の何れかに作動流体を作用させることによって噴射ノズルを炉内部に挿入して弁体により噴口を開き、同噴射ノズルの噴口からスラグ除去用流体を噴射し、あるいは、噴射ノズルを炉内部から引き抜いて炉内部から遮断するので、ガス化装置を停止したり、分解することなく、炉内部のスラグを自動的にかつ確実に除去することができる。
【0048】
また、噴射ノズルの引き抜き時には噴口を弁体で閉塞するとともに、弁体とノズルとのシート部をピストンに作用する作動流体の力によって確実にシールするので、炉内部のガスが装置を通して漏洩することがなく、安全性の高い装置が得られる。また、特に請求項4の発明によれば、請求項2〜3のようなガス通路としての溝を設けることを要しないので、装置の構造が簡単化されるとともに、加工コストが低減される。さらに請求項5の発明によれば、スラグ除去用流体を分流してピストン作動用とするので、単一の流体で噴射ノズルの挿入、引き抜き動作とスラグの除去との双方の作用をなすことができ、流体供給設備が簡素化され、構造が簡単化されるとともに、低コストの装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るガス化炉のスラグ除去装置の縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の実施の第2形態を示す図1応当図。
【図4】図3、図5、図6のA線断面図。
【図5】本発明の実施の第3形態を示す図1応当図。
【図6】本発明の実施の第4形態を示す図1応当図。
【図7】ガス化炉の概略構成図。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストンロッド
4 噴射ノズル管
5 ピストン内シール
6 ピストン外シール
7 ピストンロッドシール
8 溝
9 ノズル側シート
10 蒸気管
11 弁体固定金物
12 弁体
12a 大径部
12b 小径部
13 突起
14 弁体側シート
15 挿入側ガス接続口
16 引抜用ガス接続口
17 連通口
20 蒸気接続口
21 蒸気通路
22 噴口
25 ピストン受け台
28 ガス化炉
29 炉内部
30 ガス化炉燃焼室
31 ガス化炉熱交換室
31a 炉壁
41 挿入側ガス室
42 引抜側ガス室
43 隙間
50 段部

Claims (5)

  1. ガス化装置のガス化炉の炉内部に蒸気、ガス等のスラグ除去用流体を噴射して上記炉内部のスラグを除去するスラグ除去装置であって、上記ガス化炉の炉壁に固定可能なシリンダと、同シリンダ内に往復摺動自在に嵌合され、両側面に作動流体が作用するピストンと、同ピストンの一端に固定されて同ピストンの移動に従がい上記炉内部に挿入あるいは炉内部から引き抜き可能にされ、流体通路を経て導入された上記スラグ除去用流体を噴射するための噴口を備えた噴射ノズルと、同噴射ノズルの移動によりこれの上記噴口を開閉する弁体とを備え、上記ピストンの一側面に上記作動流体が作用したとき、上記噴射ノズルが上記炉内部に挿入されるとともに、上記弁体が上記噴口を開口して同噴口から上記スラグ除去用流体を噴射可能とされ、上記ピストンの他側面に上記作動流体が作用したとき、上記噴射ノズルが炉内部から引き抜かれて上記弁体が噴口を閉じるとともに、同弁体と噴射ノズルとのシート面が当接して炉内部からのガスを遮断するように構成されてなることを特徴とするスラグ除去装置。
  2. 上記ピストンを中空状に形成するとともに、同ピストンの内周に上記スラグ除去用流体が通流する流体通路管を嵌合し、さらに、同ピストンの内周には上記流体通路管に設けた廻り止め部が嵌合する溝を設けてなる請求項1に記載のスラグ除去装置。
  3. 上記ピストンの内周に設けられた溝を複数個とし、この溝を上記流体通路管内と上記噴射ノズルとを上記弁体を介して接続するスラグ除去用流体の通路となした請求項2に記載のスラグ除去装置。
  4. 上記弁体が、上記噴射ノズルの内周に嵌合される小径部と上記シート面よりも上記蒸気通路管側に設けられた大径部とにより構成され、同大径部の外側には、上記蒸気通路管内と噴射ノズルとを接続する流体通路としての隙間が形成されてなる請求項1に記載のスラグ除去装置。
  5. 上記シリンダ内を上記ピストンにより挿入側ガス室と引抜き側ガス室とに区画するとともに、上記流体通路と上記挿入側ガス室とを連通する連通路を設け、上記流体通路管内を通流するスラグ除去用流体から分流された流体を上記連通路を経て上記挿入側ガス室に導入して上記ピストンに作用させるように構成されてなる請求項1に記載のスラグ除去装置。
JP11384497A 1997-05-01 1997-05-01 スラグ除去装置 Expired - Lifetime JP3649549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11384497A JP3649549B2 (ja) 1997-05-01 1997-05-01 スラグ除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11384497A JP3649549B2 (ja) 1997-05-01 1997-05-01 スラグ除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10300058A JPH10300058A (ja) 1998-11-13
JP3649549B2 true JP3649549B2 (ja) 2005-05-18

Family

ID=14622480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11384497A Expired - Lifetime JP3649549B2 (ja) 1997-05-01 1997-05-01 スラグ除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3649549B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4633980B2 (ja) * 2001-09-17 2011-02-16 三菱重工業株式会社 スラグ除去装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10300058A (ja) 1998-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1926888B1 (en) Turbocharger cleaning arrangement
JP4246874B2 (ja) 多機能付加型水噴射マニホールド及びその操作方法
US10962223B2 (en) Soot blower
JP3649549B2 (ja) スラグ除去装置
KR20150023885A (ko) 연소기 노즐 조립체, 이것을 구비하고 있는 연소기 및 가스 터빈
JP4376275B2 (ja) ガスエンジンの冷却型燃料噴射弁構造
EP3095987B1 (en) Gas turbine engine liquid fuel supply system and method
JP4633980B2 (ja) スラグ除去装置
JP2005240805A (ja) 燃料噴射ノズル
JPS599170B2 (ja) スカム吸引方法とその装置
KR20190062124A (ko) 열분해 가스화로
JPH0825025A (ja) 取鍋溶鋼排出用ノズル孔詰まり除去ランス
JPH041404A (ja) エンジンの吸気弁及び排気弁
JPH08312799A (ja) 噴射媒体の供給弁
JPH09273715A (ja) 湿式炉用バーナ
JPH0979044A (ja) ガスタービンノズルパージ方法
KR100423113B1 (ko) 배관의 누설부 추출식 용접 정비장치
KR20010097921A (ko) 코렉스 더스트버너용 분사 겸용 관통장치
JPH11182346A (ja) ロケットの推力方向制御装置
KR200234220Y1 (ko) 고온배기관의 입자부착방지장치
KR101091978B1 (ko) 턴디쉬 가열장치
JPH11173535A (ja) 燃焼炉からのダクトにおけるダスト除去装置
JP2007191777A (ja) 溶銑装入方法
JPH10332131A (ja) スラグ除去装置
JPH07260128A (ja) 煤吹装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050215

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090225

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100225

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100225

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110225

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110225

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120225

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120225

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130225

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term