JP3649275B2 - 傾斜角度可変電話機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、載置平面あるいは取り付け壁面に対して、傾斜角度を可変にできる傾斜角度可変電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電話機を机上に載置して使用する場合に、使用者の姿勢や好みにより、電話機の傾斜角(電話機表面と机面との成す角)を変更できれば便利であり、従来から、電話機本体とは別部品の傾斜角度調節具を用いて、電話機の傾斜角を変更する技術が種々提案されている(例えば、実公昭55−48605号公報、特開平7−250145号公報等参照)。
【0003】
また、その傾斜角度調節具を、電話機を壁に取り付けるときの補助部材として使用するものも知られている(例えば、特開平8−79350号公報、特開平11−55375号公報等参照)。
【0004】
例えば、特開平8−79350号公報に記載のものは、傾斜角度調節具として、電話機筐体1の底面の形状に対応した形状の取付台2を用いるもので、筐体1の底面には、取付台2を嵌合させる凹部からなる取り付け部1aを設ける。
【0005】
そして、電話機を机上などに載置する場合において電話機の傾斜角度調節の必要がないときは、図7に示すように、電話機筐体1の底面に設けられた取付部1aを覆うように、取付台2の下部の嵌合部4bを、取付部1aに設けた保持部3bに嵌合させ、取付台2の上部の嵌合部4aを電話機筐体1の底面の上部の保持部3aに嵌合させる。
【0006】
そして、電話機を机上などに載置する場合において電話機の傾斜角度を大きくするときは、図8に示すように、取付台2の下部の嵌合部4bを電話機筐体1の底面の下部の保持部3cに嵌合させ、取付部1aの高い部分に設けられた保持部3dに取付台2の上部の嵌合部4aを嵌合させる。
【0007】
さらに、電話機を壁掛けで使用するときは、図9に示すように、取付台2の上下を反対にして、取付台2の下部の嵌合部4bを取付部1aの高い部分の保持部3dに嵌合させ、取付台2の上部の嵌合部4aを電話機筐体1の底面の下部の保持部3cに嵌合させて、電話機の表面が、壁面とほぼ平行になるように角度調整するようにしている。
【0008】
また、前記特開平11−55375号公報に記載のものの場合にも、傾斜角度調節具により、電話機を机上などに載置する場合において電話機の傾斜角度調節を行うようにすると共に、壁掛けで使用するときには、傾斜角度調節具により、電話機の表面の壁面に対する傾斜角度が、上向き傾斜となるように調整されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の場合、傾斜角度調節具は、電話機を机上などに載置する場合における電話機の傾斜角度を変更するためには用いられるが、壁掛けで電話機を使用しようとする場合には、電話機表面を壁面とほぼ平行にする、または電話機表面を斜め上向きにする等、電話機の傾斜角度を予め定めた所定の傾斜角度に調整するためにのみ用いられており、壁掛けで電話機を使用する場合の傾斜角度を変更することができなかった。
【0010】
ところで、最近の電話機は、図10に示すように、その表面には液晶ディスプレイ5が設けられることが多い。この液晶ディスプレイ5は、その画面の観視方向に依存性があり、斜め方向から観視した場合に、表示内容が認識しずらい場合が多々ある。
【0011】
このため、壁掛けで使用する場合においても、使用者の使用状況や、電話機の設置場所によっては、電話機の傾斜角度を調節できるようにした方が望ましい。さらに、壁掛け使用においては、使用者が電話機の表面を真横から見る場合の他、若干下側から見上げるようにする場合も比較的多くなると考えられ、後者の場合には、電話機表面が若干下方を向いた方が、液晶ディスプレイの画面の観視方向として望ましい。
【0012】
ところが、上述したように、従来の場合には、電話機の壁面に平行あるいは電話機の表面が上向きとなるような傾斜角度に固定されており、液晶ディスプレイの視認性が考慮されていないため、その設置場所によっては、液晶ディスプレイの表示内容が認識しずらくなるおそれがあった。あるいは、電話機の壁掛け位置に自由度がないという問題があった。
【0013】
この発明は、以上の点にかんがみ、液晶ディスプレイを備える電話機を、机上に載置して使用する場合でも、壁掛けで使用する場合でも、その傾斜角度を調節することができるようにすると共に、壁掛けで使用する場合の液晶ディスプレイの視認性を良好とすることができる傾斜角度可変電話機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明による傾斜角度可変電話機は、
電話機筐体の表面に液晶ディスプレイの画面を備える電話機本体と、前記電話機筐体の裏面側に着脱自在に取り付けられる傾斜角度調節具とからなり、
前記電話機筐体は、その裏面側に、前記傾斜角度調節具を取り付けるための嵌合部と、壁面に取り付けられた係合部材に係合する第1の係合部を備えると共に、
前記傾斜角度調節具は、前記嵌合部に取り付けられたときに、前記電話機筐体の上側を高く、下側を低くするような形状とされるとともに、前記嵌合部に取り付けられた状態において、壁面に対して前記電話機筐体の上側を高く、下側を低くする状態で、前記係合部材に係合する第2の係合部を備え、
前記電話機筐体と前記傾斜角度調節具との嵌合態様として、第1の傾斜角度を生成する第1の嵌合態様と、前記第1の傾斜角度よりも角度が大きい第2の傾斜角度を生成する第2の嵌合態様とを有し、
前記嵌合部は、
前記傾斜角度調節具の前記第1の嵌合態様の時の形状に応じた形状で前記電話機筐体の裏面に形成されたほぼ矩形状の凹部と、
前記凹部の前記電話機本体の上下方向の上側両端近傍に設けられた上側係合部と、
前記凹部の前記電話機本体の上下方向の下側両端近傍に設けられた下側係合部と、
前記凹部の左右両側の上側近傍に設けられた左右係合部とにより構成され、
前記傾斜角度調節具は、
前記第1の嵌合態様では、左右側面が山形のほぼ三角形状を有すると共に、その三角形状の底辺が、前記凹部の底平面に接するようにされるものであり、また、前記第2の嵌合態様では、前記三角形状の底辺が、前記凹部の底平面と所定の角度を成すようにされるものであり、かつ、少なくとも前記三角形状の一方の斜辺に沿って、前記係合部材に係合する前記第2の係合部を設けたものであって、
前記上側係合部に係合する第3係合部と、
前記下側係合部に係合する第4係合部と、
前記左右係合部に係合する第5係合部と
を備え、前記第3係合部あるいは第4係合部の一方は、前記電話機本体の上下方向の弾性的な偏倚により前記上側係合部あるいは前記下側係合部と係合するものであり、前記第5係合部は、前記電話機本体の左右方向の弾性的な偏倚により前記左右係合部と係合する構成を有する
ことを特徴とする。
【0017】
【作用】
上述の構成のこの発明によれば、電話機を机などの平面上に載置する場合には、傾斜角度調節具を、電話機筐体の裏面側の嵌合部に嵌合させて、電話機筐体の上側を高く、下側を低くすることにより、傾斜角度を容易に変更することができる。
【0018】
また、壁掛けで使用するときであって、電話機の表面を、わずかに見上げるように見るような使用態様の場合には、電話機筐体の裏面側に設けられた係合部を、壁面に取り付けられた係合部材と係合させる。また、電話機の表面を、より下方から見上げるような使用態様としたい場合には、電話機筐体の裏面側の嵌合部に、傾斜角度調節具を取り付けた状態で、この傾斜角度調節具に設けられている係合部を、壁面に取り付けられた係合部材と係合させる。
【0019】
この発明の場合の壁掛け使用状態によれば、使用者は、電話機の表面の液晶ディスプレイ画面を、常に、その画面にほぼ正対する方向から見るようにすることができるようになり、視認性が良くなるものである。
【0020】
また、この発明の場合には、使用者の好みや、電話機の設置位置に応じて傾斜角度を2段階に変えられ、自由度が大きくなるものである。
【0021】
また、この発明において、第1の嵌合態様では、傾斜角度調節具の第3係合部を、電話機筐体の裏面側の上側係合部に係合させ、また、傾斜角度調節具の第4係合部を、電話機筐体の裏面側の下側係合部に係合させることにより、電話機筐体に傾斜角度調節具を取り付ける。このとき、傾斜角度調節具の第係合部と第係合部との一方は、上側係合部あるいは下側係合部に、電話機本体の上下方向の弾性的な偏倚により係合する。
【0022】
また、第2の嵌合態様では、傾斜角度調節具の第5係合部を、電話機筐体の左右係合部に係合させることにより、電話機筐体に傾斜角度調節具を取り付ける。このとき、傾斜角度調節具の第係合部は、電話機本体の左右方向の弾性的な偏倚により左右係合部と係合する。
【0023】
したがって、第1および第2のいずれの嵌合態様においても、傾斜角度調節具の電話機筐体に対する嵌合が容易であると共に、その嵌合状態では、上述の弾性的な偏倚によって保持されるので、確実な嵌合を保つことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
まず、この実施の形態の傾斜角度可変電話機の概要について、図1〜図2を参照して説明する。
【0025】
この実施の形態の傾斜角度可変電話機は、電話機本体10と、傾斜角度調節具20とからなる。図1〜図2は、これら電話機本体10の筐体11と、傾斜角度調節具20とを、それぞれその側面方向から見た図である。
【0026】
電話機本体10の筐体11は、その裏面側に傾斜角度調節具20が嵌合される凹部12を備えると共に、その凹部12に傾斜角度調節具20との係合部を備える。係合部の構造については、後で詳述する。また、電話機本体10の筐体11は、その裏面側に、壁面に取り付けられた係合部材に係合する係合部13を備える。
【0027】
傾斜角度調節具20が電話機筐体11に嵌合されない状態で、電話機10が机上などに載置された場合には、図2(A)に示すように、筐体11に設けられている脚部14の存在により、傾斜角度が比較的小さい状態となる。
【0028】
傾斜角度調節具20は、左右側面から見た形状が図のように三角形状を有するものである。そして、図2(B),(C)に示すように、この実施の形態の傾斜角度調節具20は、電話機筐体11の裏面に対して、第1の嵌合態様と、第2の嵌合態様をとり得るように構成されている。図2(B)は第1の嵌合態様での嵌合状態を示し、図2(C)は第2の嵌合態様での嵌合状態を示している。
【0029】
この場合、第1の嵌合態様では、傾斜角度調節具20の三角形状の底辺20aが、筐体11の凹部12の底平面に接するような状態で、傾斜角度調節具20が筐体11に嵌合されるものであり、また、第2の嵌合態様では、三角形状の底辺20aが凹部12の底平面と所定の角度を成すような状態で、傾斜角度調節具20が筐体11に嵌合されるものである。
【0030】
そして、傾斜角度調節具20は、さらに、少なくとも三角形状の一方の斜辺に沿って、壁面に取り付けられる係合部材に係合する係合部を備えるように構成される。この実施の形態では、第1の嵌合態様のとき、机などの面と接する斜辺側に、係合部21を備える。
【0031】
この実施の形態の場合、壁面に取り付けられる係合部材は、図1に示すようなフック部材30とされる。そして、この実施の形態の場合、電話機筐体11に設けられる係合部13および傾斜角度調節具20に設けられる係合部21は、このフック部材30に引っ掛けられる凹孔の構造とされる。
【0032】
そして、電話機筐体11の係合部13が、壁31に取り付けられたフック部材30に係合される態様では、図1(A)に示すように、電話機10の表面10aが若干下向きとなるような壁掛け使用状態となる。
【0033】
また、電話機筐体11に傾斜角度調節具20が嵌合され、傾斜角度調節具20の係合部21がフック部材30に係合される態様では、図1(B)に示すように、電話機10の表面10aが、図1(A)の場合よりもさらに下向きとなるような壁掛け使用状態となる。
【0034】
次に、図3以下を参照して、より詳細に電話機筐体11と、傾斜角度調節具20の構造を説明する。筐体11は、上ハーフと下ハーフとが組み合わされて構成される。この例の場合、電話機筐体11の上ハーフおよび下ハーフのそれぞれと、傾斜角度調節具20は、弾性を有する樹脂、この例ではABS樹脂の一体物として、それぞれ成型されたものとして構成されている。
【0035】
図3(A)は、電話機筐体11の下ハーフ11Lを底面から見た図、図3(B)は、下ハーフ11Lの側面図である。また、図4(A)は、傾斜角度調節具20の前記底辺20a(図1、図2参照)とは反対側から見た平面図、図4(B)は、傾斜角度調節具20の側面図である。
【0036】
また、図5(B)は、図3(A)の電話機筐体11の下ハーフ11Lを底面から見た図におけるA−A線断面を示す図である。図5(A)は、図4(A)の傾斜角度調節具20の平面図におけるC−C線断面を示す図である。さらに、図6(B)は、図3(A)の電話機筐体11の下ハーフ11Lを底面から見た図におけるB−B線断面を示す図である。
【0037】
図3(A)および図5(B)に示すように、電話機10の上下方向の、脚部14が設けられている上側の部分に、壁掛け用の2個の係合部13、13が設けられている。この係合部13、13は、この例では、図5(B)の断面図に示すように、凹孔13aにより構成されており、この凹孔13a内に前述したフック部材30が挿入されて、筐体11がフック部材30によって引っ掛けられるように構成されている。
【0038】
なお、図3(A)に示すように、筐体11の下ハーフ11Lの電話機10の上下方向の下側の部分には、壁掛け使用時に、筐体11の下側を固定するために、同様の凹孔の構成とされる係合部15、15が設けられている。
【0039】
また、電話機筐体11の下ハーフ11Lの底面は、傾斜角度調節具20が嵌合される凹部100を備える。この凹部100は、電話機10の上下方向の、ほぼ上半分の領域内に設けられている。そして、この凹部100の形状は、傾斜角度調節具20の筐体11との第1の嵌合態様の時の形状、つまり、図4(A)に示した傾斜角度調節具20の平面図の外形形状である、ほぼ矩形状の形状とされる。
【0040】
そして、凹部100の上側両端近傍には、第1の嵌合態様において傾斜角度調節具20を係合させる2個の上側係合部101a,101bが設けられる。また、凹部100の下側両端近傍には、第1の嵌合態様において傾斜角度調節具20を係合させる2個の下側係合部102a,102bが設けられる。さらに、凹部の上側近傍の左右両側には、第2の嵌合態様において傾斜角度調節具20を係合させる2個の左右係合部103a,103bが設けられる。
【0041】
一方、傾斜角度調節具20は、図4(B)に示すように、側面から見た形状が山形のほぼ三角形状を有し、筐体11との第1の嵌合態様では、その三角形状の底辺20aが、筐体下ハーフ11Lの凹部100の平面100aと接するようにされる。そして、この例では、図5(A)の断面図にも示すように、前記三角形状の一方の斜辺となる面20bに沿う方向に、フック部材30に嵌合する凹孔21aとして、係合部21が設けられる。
【0042】
また、傾斜角度調節具20は、筐体下ハーフ11Lの凹部100の各係合部に対応して、図4(A)に示すように、筐体下ハーフ11Lの2個の上側係合部101a,101bに係合する2個の第1係合部(請求項1の第3係合部に対応)201a,201bと、筐体下ハーフ11Lの2個の下側係合部102a,102bに係合する2個の第2係合部(請求項1の第4係合部に対応)202a,202bと、筐体下ハーフ11Lの2個の左右係合部103a,103bに係合する2個の第3係合部(請求項1の第5係合部に対応)203a,203bとを備える。
【0043】
この例の場合、図5(B)に示すように、筐体下ハーフ11Lの2個の上側係合部101a,101bは、電話機10の上下方向の凹孔110によって構成される。一方、傾斜角度調節具20の2個の第1係合部201a,201bは、図5(A)に示すように、底辺20aに沿う方向に突出する突部210によって構成される。そして、筐体下ハーフ11Lの2個の上側係合部101a,101bの凹孔110内に、傾斜角度調節具20の2個の第1係合部201a,201bの突部210が挿入されることにより、両者が係合(遊嵌状態)される。
【0044】
また、図5(B)に示すように、筐体下ハーフ11Lの2個の下側係合部102a,102bは、凹部100の平面100aに垂直な方向の凹部111と、係止用突起112とからなる。一方、図5(A)に示すように、傾斜角度調節具20の2個の第2係合部202a,202bは、底辺20aに沿った方向(電話機10の上下方向)に弾性的に偏倚可能となるU字片211と、このU字片211の遊端側に設けられた係合突起212とからなる。
【0045】
この場合、筐体下ハーフ11Lの2個の上側係合部101a,101bと、筐体下ハーフ11Lの2個の下側係合部102a,102bとの間の距離は、傾斜角度調節具20の2個の第1係合部201a,201bの突部210と、2個の第2係合部202a,202bの係合突起212との間の距離よりも、わずかに短く選定されている。
【0046】
そして、傾斜角度調節具20を筐体11に第1の嵌合態様で嵌合させる場合には、筐体下ハーフ11Lの2個の上側係合部101a,101bに、傾斜角度調節具20の2個の第1係合部201a,201bが係合(遊嵌状態)されている状態において、傾斜角度調節具20の2個の第2係合部202a,202bを、筐体下ハーフ11Lの2個の下側係合部102a,102bに押し込む。
【0047】
すると、U字片211の電話機本体の上下方向の弾性的な偏倚により、突起212が突起112の下側に入り込み、第2係合部202a,202bは、面100aに直交する方向には抜けなくなることにより、傾斜角度調節具20が、筐体下ハーフ11Lの凹部100内に、第1の嵌合態様で嵌合される。
【0048】
この第1の嵌合態様の嵌合状態は、傾斜角度調節具20の第2係合部202a,202bの突起212と、筐体下ハーフ11Lの係合突起112との係合を外すことにより、容易に解除することができる。
【0049】
この第1の嵌合状態では、傾斜角度調節具20の左右側面は、左右位置規整突部16、16に衝合し、傾斜角度調節具20が、凹部100内において、左右方向に移動しないようにされる。なお、傾斜角度調節具20の第3係合部203a,203bは、凹部100の逃げ部100b,100cに位置するようにされて、嵌合の際に邪魔になることがないようにされている。
【0050】
そして、この第1の嵌合状態は、前述したように、中間の傾斜角の状態で、机上に載置される態様(図2(B))と、壁掛け使用において、前傾の角度を大きくする状態(図1(B))との両方の使用状態がある。前述したように、壁掛け使用においては、係合部13、13の凹孔13aに、フック部材30が挿入されて、電話機筐体11が図1(B)に示したように、壁31に取り付けられる。なお、傾斜角度調節具20を用いた壁掛け使用の状態においても、凹孔からなる係合部15、15により、筐体11の下側が固定される。
【0051】
次に、図6(B)に示すように、筐体下ハーフ11Lの2個の左右係合部103a,103bは、凹部100の平面100aに垂直な方向の凹部113と、係止用段部114とからなる。
【0052】
一方、傾斜角度調節具20の2個の第3係合部203a,203bは、図6(A)および図4(A)に示すように、弾性アーム213と、この弾性アーム213の先端側に設けられた係合突起214とからなる。
【0053】
この場合、筐体下ハーフ11Lの2個の左右係合部103a,103b間の最大距離は、傾斜角度調節具20の2個の第3係合部203a,203bの弾性アーム213間距離よりもわずかに短く選定されている。
【0054】
そして、傾斜角度調節具20を筐体11に第2の嵌合態様で嵌合させる場合には、傾斜角度調節具20の2個の第3係合部203a,203bの弾性アーム213を、図6に示すように、筐体下ハーフ11Lの凹部113内に挿入させる。すると、傾斜角度調節具20の2個の弾性アーム213は、脚部14の斜面から凹部113内に延長されている斜面のため、電話機の左右方向に、互いに近付き合うように弾性偏倚し、係合突起214が係合段部114の部分を過ぎると、弾性的に復帰して、係合段部114と係合突起214とが係合する状態になる。
【0055】
したがって、傾斜角度調節具20は、平面100aに直交する方向に引っ張られても、係合突起214が係合段部114のところで係止されて、筐体下ハーフ11Lからは抜けなくなることにより、傾斜角度調節具20が、筐体下ハーフ11Lの凹部100内に、第2の嵌合態様で嵌合される。
【0056】
なお、傾斜角度調節具20の2個の第2および第3係合の間には、矩形突部204が設けられている。一方、筐体下ハーフ11Lの対応する位置には、矩形凹溝17が設けられている。そして、第2の嵌合態様となるように、傾斜角度調節具20を筐体11に嵌合させたとき、その矩形突部204は、筐体下ハーフ11Lの矩形凹溝17内に圧入嵌合される。これにより、第2の嵌合態様における傾斜角度調節具20の筐体11に対する嵌合状態は強固になる。
【0057】
この第2の嵌合態様の嵌合状態は、傾斜角度調節具20の第3係合部203a,203bの突起214と、筐体下ハーフ11Lの段部114との係合を外すことにより、容易に解除することができる。
【0058】
なお、以上の実施の形態では、傾斜角度調節具20の第1の嵌合態様でのみ壁掛け使用ができるようにしたが、傾斜角度調節具20の第2の嵌合態様においても壁掛け使用ができるように構成することができることは言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電話機を机などの上に載置して使用する場合のみでなく、壁掛け使用状態においても、電話機表面の傾斜角度を調節することができる。しかも、壁掛け使用状態においては、電話機表面を、常に、その表面に設けられている液晶ディスプレイの視認性を良好な状態に保持するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による傾斜角度可変電話機の実施の形態を壁掛け使用状態を説明する図である。
【図2】この発明による傾斜角度可変電話機の実施の形態を机などの面上に載置する使用状態を説明する図である。
【図3】この発明による傾斜角度可変電話機の実施の形態の、電話機筐体の下ハーフの構造を説明する図である。
【図4】この発明による傾斜角度可変電話機の実施の形態の、傾斜角度調節具の構造を説明する図である。
【図5】この発明による傾斜角度可変電話機の実施の形態の、第1の嵌合態様を説明するための図である。
【図6】この発明による傾斜角度可変電話機の実施の形態の、第2の嵌合態様を説明するための図である。
【図7】従来の傾斜角度可変電話機を説明するための図である。
【図8】従来の傾斜角度可変電話機を説明するための図である。
【図9】従来の傾斜角度可変電話機を説明するための図である。
【図10】液晶ディスプレイを備える電話機の表面の例を示す図である。
【符号の説明】
10…電話機本体
11…電話機筐体
11L…下ハーフ
12、100…傾斜角度調節具が嵌合される凹部
13、13…壁掛け用の係合部
14、14…脚部
20…傾斜角度調節具
21…壁掛け用の係合部
101a,101b…上側係合部
102a,102b…下側係合部
103a,103b…左右係合部
201a,201b…第1係合部
202a,202b…第2係合部
203a,203b…第3係合部
30…壁面に取り付けられたフック部材
31…壁

Claims (1)

  1. 電話機筐体の表面に液晶ディスプレイの画面を備える電話機本体と、前記電話機筐体の裏面側に着脱自在に取り付けられる傾斜角度調節具とからなり、
    前記電話機筐体は、その裏面側に、前記傾斜角度調節具を取り付けるための嵌合部と、壁面に取り付けられた係合部材に係合する第1の係合部を備えると共に、
    前記傾斜角度調節具は、前記嵌合部に取り付けられたときに、前記電話機筐体の上側を高く、下側を低くするような形状とされるとともに、前記嵌合部に取り付けられた状態において、壁面に対して前記電話機筐体の上側を高く、下側を低くする状態で、前記係合部材に係合する第2の係合部を備え、
    前記電話機筐体と前記傾斜角度調節具との嵌合態様として、第1の傾斜角度を生成する第1の嵌合態様と、前記第1の傾斜角度よりも角度が大きい第2の傾斜角度を生成する第2の嵌合態様とを有し、
    前記嵌合部は、
    前記傾斜角度調節具の前記第1の嵌合態様の時の形状に応じた形状で前記電話機筐体の裏面に形成されたほぼ矩形状の凹部と、
    前記凹部の前記電話機本体の上下方向の上側両端近傍に設けられた上側係合部と、
    前記凹部の前記電話機本体の上下方向の下側両端近傍に設けられた下側係合部と、
    前記凹部の左右両側の上側近傍に設けられた左右係合部とにより構成され、
    前記傾斜角度調節具は、
    前記第1の嵌合態様では、左右側面が山形のほぼ三角形状を有すると共に、その三角形状の底辺が、前記凹部の底平面に接するようにされるものであり、また、前記第2の嵌合態様では、前記三角形状の底辺が、前記凹部の底平面と所定の角度を成すようにされるものであり、かつ、少なくとも前記三角形状の一方の斜辺に沿って、前記係合部材に係合する前記第2の係合部を設けたものであって、
    前記上側係合部に係合する第3係合部と、
    前記下側係合部に係合する第4係合部と、
    前記左右係合部に係合する第5係合部と
    を備え、前記第3係合部あるいは第4係合部の一方は、前記電話機本体の上下方向の弾性的な偏倚により前記上側係合部あるいは前記下側係合部と係合するものであり、前記第5係合部は、前記電話機本体の左右方向の弾性的な偏倚により前記左右係合部と係合する構成を有する
    ことを特徴とする傾斜角度可変電話機。
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