JP3649187B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内の液体を加熱、保温し、器体外へ導出する電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器、すなわちジャーポットは、一般家庭でよく使用されているとおり、湯沸かし容器に収容された液体を加熱手段で加熱して湯を沸かし、これを一定温度で保温し、必要なときにはポンプを駆動して湯を器体外へ導出して使用するものである。そして湯沸かし容器への給水は、湯沸かし容器を覆う蓋体を開けて熱湯中に液体を注ぎ足すものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、給水規定以上に湯沸かし容器に液体を給水し収容してしまうことがあり、この場合、湯沸かし終了後に必要以上の量を保温することになって電力を浪費していた。また湯沸かし容器に給水する場合には、蓋体を開けて熱湯中に液体を注ぐ必要があり、手間な上に火傷防止などの注意が必要であった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するもので、必要量の液体のみを湯沸かし容器にて加熱・保温することで消費電力を低減し、さらに給水時は熱水や蒸気に対する注意が不要な電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の電気湯沸かし器は、液体を収容する湯沸かし容器と、前記液体を加熱する加熱手段と、湯沸かし容器へ供給するための液体を収容する貯水タンクと、前記湯沸かし容器を覆う蓋体と、前記蓋体に設けられた蒸気を器体外部に放出する蒸気口と、前記貯水タンクより前記湯沸かし容器に給水する給水路とを備え、前記湯沸かし容器に所定量以上給水された場合に前記蒸気口より液体が流出し貯水タンクに帰還するようにしたものである。
【0006】
これにより、必要量の液体のみを湯沸かし容器にて加熱・保温し、必要量以外は貯水タンクに備蓄することで消費電力を低減し、また給水は貯水タンクに行うことで熱水や蒸気に対する注意が不要となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、液体を収容する湯沸かし容器と、前記液体を加熱する加熱手段と、湯沸かし容器へ供給するための液体を収容する貯水タンクと、前記湯沸かし容器を覆う蓋体と、前記蓋体に設けられた蒸気を器体外部に放出する蒸気口と、前記貯水タンクより前記湯沸かし容器に給水する給水路とを備え、前記湯沸かし容器に所定量以上給水された場合に前記蒸気口より液体が流出し貯水タンクに帰還するようにした電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器に所定量以上給水された液体を蒸気口を通してスムーズに貯水タンク側に戻すことが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、蒸気口は、液体を器体外に導出する導出路の最高位より下方に設けた電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器に所定量以上給水された液体をスムーズに貯水タンク側に戻すことが可能になる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、蒸気口は、貯水タンクの満水位置より上方に設けた電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器に所定量以上給水された液体をスムーズに貯水タンク側に戻すことが可能になる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図を参照しながら説明する。
【0011】
(参考例1)
本発明の参考例1について、図1を参照しながら説明する。図に示すとおり、湯沸かし容器1に収容されている液体2は、湯沸かし容器1の底部に設けた加熱手段である発熱体3により所定温度まで加熱される。所定温度まで加熱された液体2は導出手段であるポンプ10によって導出路11を通り導出口12より器体外へ導かれる。湯沸かし容器1の上部開口部は蓋体5で覆われており、蓋体5には湯沸かし容器1内で発生した蒸気を器体外部に導く蒸気口5aを設けている。
【0012】
湯沸かし容器1の液体2が一定量まで低下すると、湯沸かし容器1と併設された貯水タンク20に収容されている液体2が給水路21を通り、給水口22より一定量自動的に追加される。追加される液体は断続的もしくは連続的に所定の量まで注がれる。湯沸かし容器1の上方に貯水タンク20が配置されている場合以外は、給水路21中に給水手段である給水ポンプ23を設ける必要がある。貯水タンク20は湯沸かし容器1側に対して着脱可能としている。ポンプ10および給水ポンプ23の駆動は、制御手段である制御部4で行われ、制御部4は湯沸かし容器1もしくは導出路11に設けられた水位センサー13によって検知した液量に応じて必要量まで給水ポンプ23を駆動させる。制御部4は液量に応じて一定時間、給水ポンプ23を駆動させてもよい。
【0013】
湯沸かし容器1の上方に貯水タンク20が配置されている場合は、給水ポンプ23でなく給水弁が必要となる。湯沸かし容器1の満水位置1a、すなわち満水位置1aと同一高さもしくはそれの近傍の上方には液体を湯沸かし容器1より排出する排水口25を設け、排出口25に達した液体は排水路24を通して貯水タンク20に帰還させる。給水口22と排水口25は一体もしくは同一部品によって構成され、給水口22は排水口25の上方に位置させる方がよい。
【0014】
以上のような構成であれば、直ちに必要な液体2のみを湯沸かし容器1に収容して湯沸かし・保温を行い、予備タンクである貯水タンク20には今後湯沸かしを行う液体を貯蔵するので、消費電力を低減し、また給水は貯水タンク20に行うことで熱水や蒸気に対する注意が不要となり、また湯沸かし容器1に所定量以上給水されることをなくすことが可能になる。すなわち、貯水タンク20から湯沸かし容器1への給水時に満水位置1aを超えると、排水口25から排水路24を通り湯沸かし容器1から貯水タンク20へ戻ることで、導出口12や蒸気口5aから液体2の排出を防止でき、給水は貯水タンク20に行うことで、熱水や蒸気に対する注意が不要となる。
【0015】
(参考例2)
本発明の参考例2について、図1を参照しながら説明する。給水路21の湯沸かし容器1の側面に接続した給水口22は、貯水タンク20の満水位置20aより上方に設けた。また貯水タンク20の満水位置20aは、湯沸かし容器1の満水位置1aより下方にあり、給水口22は湯沸かし容器1の満水位置1aより上方にある。
【0016】
以上のような構成であれば、貯水タンク20から湯沸かし容器1に液体2が給水される場合に、いかなる場合においてもサイフォン現象により連続的に給水が行われることを防止する効果が得られる。
【0017】
(参考例3)
本発明の参考例3について、図1を参照しながら説明する。排水路24の湯沸かし容器1の側面に接続した排水口25は、湯沸かし容器1の満水位置1aより上方に設けた。そして、排水路24の排水口25と異なる端面は、貯水タンク20または給水路21または器体外につながっている。
【0018】
以上のような構成であれば、貯水タンク20から湯沸かし容器1に液体2が給水される場合に、いかなる場合においても湯沸かし容器1に所定量の液体を貯蔵でき、給水過剰による溢水を防止する効果が得られる。
【0019】
(参考例4)
本発明の参考例4について、図1を参照しながら説明する。給水路21には送水するための給水手段である給水ポンプ23を設け、給水ポンプ23と貯水タンク20の間と、湯沸かし容器1を排水路24で接続し、排水路24の湯沸かし容器1の側面である排水口25は湯沸かし容器1の満水位置1aに設けた。
【0020】
本実施例では給水ポンプ23と貯水タンク20の間に排水路24を接続しているが、給水ポンプ23もしくは給水路21など、給水手段を含む給水路系に接続してもよい。
【0021】
以上のような構成であれば、貯水タンク20から湯沸かし容器1に液体2が給水される場合に、所定量を超えて湯沸かし容器1に給水した場合にも、液体2は排水路24を通り貯水タンク20にスムーズに帰還でき、いかなる場合においても湯沸かし容器1に所定量の液体を貯蔵でき、給水過剰による溢水を防止する効果が得られる。
【0022】
(参考例5)
本発明の参考例5について、図1を参照しながら説明する。湯沸かし容器1の満水位置1aを貯水タンク20の満水位置20aの上方に設けているものである。
【0023】
以上のような構成であれば、貯水タンク20から湯沸かし容器1に液体2が給水される場合に、所定量を超えて湯沸かし容器1に給水した場合にも、液体2は排水路24を通り貯水タンク20にスムーズに帰還でき、いかなる場合においても湯沸かし容器1に所定量の液体を貯蔵でき、給水過剰による溢水を防止する効果が得られる。
【0024】
(参考例6)
本発明の参考例6について、図1を参照しながら説明する。排出口25は導出路11の最高位と蓋体5の蒸気口5aより下方に設ける。また排水路24の最高位は導出路11の最高位と蓋体5の蒸気口5aより下方に設ける。
【0025】
以上のような構成であれば、貯水タンク20から湯沸かし容器1に液体2が給水され、所定量を超えて湯沸かし容器1に給水した場合にも、液体2は蒸気口5aや導出口12から溢水せずに排水路24を通り貯水タンク20にスムーズに帰還でき、いかなる場合においても湯沸かし容器1に所定量の液体を貯蔵でき給水過剰による溢水を防止する効果が得られる。
【0026】
(参考例7)
本発明の参考例7について、図2を参照しながら説明する。湯沸かし容器1の満水位置1aを貯水タンク20の満水位置20aの上方に設け、湯沸かし容器1と貯水タンク20のそれぞれの満水位置より上方を排水路24で接続する。なお、排水路24中に湯沸かし容器1から貯水タンク20への液体の流れのみ可能にする弁を設けるのであれば、排水路24はどの位置に接続してもかまわない。
【0027】
以上のような構成であれば、貯水タンク20から湯沸かし容器1に液体2が給水される場合に、所定量を超えて湯沸かし容器1に給水した場合にも液体2は排水路24を通り貯水タンク20にスムーズに帰還でき、いかなる場合においても湯沸かし容器1に所定量の液体を貯蔵でき、給水過剰による溢水を防止する効果が得られる。
【0028】
(参考例8)
本発明の参考例8について、図1を参照しながら説明する。湯沸かし容器1に設けた排出口25は、液体2を器体外に導出する導出路11の端面である導出口12より下方に設けた。また導出路11の最上部を排出口25より上方に設けた。
【0029】
以上のような構成であれば、いかなる場合においても、液体2を導出後、サイフォン現象で連続的に導出が行われることを防止する効果が得られる。
【0030】
(実施例1)
本発明の実施例1について、図3を参照しながら説明する。沸かし容器1に収容されている液体2は、加熱手段である発熱体3により所定温度まで加熱される。所定温度まで加熱された液体2は、導出手段であるポンプ10によって導出路11を通り導出口12より器体外へ導かれる。湯沸かし容器1の上部開口部は蓋体5で覆われており、蓋体5には湯沸かし容器1内で発生した蒸気を器体外部に導く蒸気口5aを設けている。湯沸かし容器1の液体2が一定量まで低下すると、貯水タンク20に収容されている液体2が給水路21を通り給水口22より一定量追加される。追加される液体は断続的もしくは連続的に所定の量まで注がれる。
【0031】
湯沸かし容器1の上方に貯水タンク20が配置されている以外は、給水路21中に給水手段である給水ポンプ23を設ける必要がある。蒸気を器体外部に放出する蒸気口5aより下部位置の貯水タンク20には取水口20bを設けてあり、湯沸かし容器1が満水になり蒸気口5aより液体2が排出され貯水タンク20の取水口20aに再び戻る構成としている。
【0032】
以上の構成により、直ちに必要な液体2を湯沸かし容器1で湯沸かし・保温を行い、予備タンクである貯水タンク20に今後湯沸かしを行う液体を貯蔵することで、消費電力を低減し、また給水は貯水タンク20に行うことで、熱水や蒸気に対する注意が不要となり、また湯沸かし容器1に所定量以上給水されることをなくすことが可能になる。さらにいかなる場合においても湯沸かし容器1が溢水状態になった時においても器対外に溢水を防止する効果が得られる。
【0033】
(実施例2)
本発明の実施例2について、図3を参照しながら説明する。蒸気口5aは導出路11の最高位より下方に設けたものである。
【0034】
以上の構成により、湯沸かし容器1が溢水状態になった時においても、蒸気口5aより液体が排出され貯水タンク20に戻ることで、導出口12からの溢水を防止する効果が得られる。
【0035】
(実施例3)
本発明の実施例3について、図3を参照しながら説明する。蒸気口5aは貯水タンク20の満水位置20aより上方に設けたものである。
【0036】
以上の構成により、いかなる場合においても、湯沸かし容器1が溢水状態になった時に蒸気口5aから排出された液体2は給水タンク20に戻り、器対外への溢水を防止する効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜3に記載の発明によれば、必要量の液体のみを湯沸かし容器にて加熱・保温することで消費電力を低減し、さらに給水時は貯水タンクに行うことで熱水や蒸気に対する注意が不要な電気湯沸かし器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1〜6、8における電気湯沸かし器の縦断面図
【図2】 本発明の参考例7における電気湯沸かし器の縦断面図
【図3】 本発明の実施例1〜3における電気湯沸かし器の縦断面図
【符号の説明】
1 湯沸かし容器
1a 満水位置
2 液体
3 発熱体
4 制御部
5 蓋体
5a 蒸気口
10 ポンプ
11 導出路
12 導出口
13 水位センサー
20 貯水タンク
20a 満水位置
20b 取水口
21 給水路
22 給水口
23 給水ポンプ
24 排水路
25 排水口
Claims (3)
- 液体を収容する湯沸かし容器と、前記液体を加熱する加熱手段と、湯沸かし容器へ供給するための液体を収容する貯水タンクと、前記湯沸かし容器を覆う蓋体と、前記蓋体に設けられた蒸気を器体外部に放出する蒸気口と、前記貯水タンクより前記湯沸かし容器に給水する給水路とを備え、前記湯沸かし容器に所定量以上給水された場合に前記蒸気口より液体が流出し貯水タンクに帰還するようにした電気湯沸かし器。
- 蒸気口は、液体を器体外に導出する導出路の最高位より下方に設けた請求項1に記載の電気湯沸かし器。
- 蒸気口は、貯水タンクの満水位置より上方に設けた請求項1に記載の電気湯沸かし器。
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