JP2004350830A - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Abstract
【課題】湯沸かし容器に水が供給された場合でも湯温の低下を防止し、設定した温度の湯を取り出すことを可能にする。
【解決手段】水2を収容する貯水タンク11と、貯水タンク11より供給された水2を収容し加熱する湯沸かし容器1と、湯沸かし容器1内を上部収納部1aと下部収納部1bとに分割する椀状の隔離部材29と、湯沸かし容器1内の水2を加熱する加熱手段3と、上部収納部1aに連通し貯水タンク11の水2を湯沸かし容器1に送るための給水路17と、下部収納部1bに連通し湯沸かし容器1内の水2を器体外に取り出すための導出路5とを備え、加熱手段3は下部収納部1bを加熱する構成とすることで、湯沸かし容器1に水が供給された場合でも湯温の低下を防止し、設定した温度の湯を取り出すことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】水2を収容する貯水タンク11と、貯水タンク11より供給された水2を収容し加熱する湯沸かし容器1と、湯沸かし容器1内を上部収納部1aと下部収納部1bとに分割する椀状の隔離部材29と、湯沸かし容器1内の水2を加熱する加熱手段3と、上部収納部1aに連通し貯水タンク11の水2を湯沸かし容器1に送るための給水路17と、下部収納部1bに連通し湯沸かし容器1内の水2を器体外に取り出すための導出路5とを備え、加熱手段3は下部収納部1bを加熱する構成とすることで、湯沸かし容器1に水が供給された場合でも湯温の低下を防止し、設定した温度の湯を取り出すことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭または事務所等で使用される電気湯沸かし器に関し、特に湯沸かし容器に併設して貯水タンクを備えたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器としては、湯沸かし容器の下部に貯水タンクを配し、湯沸かし容器内の湯が所定量までに減少したとき、それを検知し、湯沸かし容器と貯水タンクとを連結する給水管を介して貯水タンクの水を湯沸かし容器に自動的に補給するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−293046号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、湯沸かし容器に水が供給された場合に、湯沸かし容器内の水の温度が低下し、給水直後では高温の湯を取り出すことができないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、湯沸かし容器に水が供給された場合でも設定した温度の水を取り出すことが可能な電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに隔離部材で分割し、上部収納部に貯水タンクの水を供給するとともに、下部収納部から湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すようにし、加熱手段は下部収納部を加熱するようにしたものである。
【0007】
これにより、湯沸かし容器の上部収納部に水が供給された直後でも、下部収納部の湯は高温であり、設定した温度の水を取り出すことが可能となるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する隔離部材と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記上部収納部に連通し前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記下部収納部に連通し前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記加熱手段は下部収納部を加熱する電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器の上部収納部に水が供給された直後でも、下部収納部の湯は高温であり、設定した温度の水を取り出すことが可能となるものである。また、沸騰した湯が欲しいときでも、湯沸かし容器内全体の湯を加熱する必要がなく、下部収納部の湯を加熱するだけでよく、非常に短時間で必要とする湯を得ることができるため、使い勝手が向上し消費電力の無駄を少なくすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する隔離部材と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記下部収納部に連通し前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記上部収納部に連通し前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記加熱手段は下部収納部を加熱する電気湯沸かし器とすることにより、貯水タンクから給水された温度の低い水が湯沸かし容器の上部収納部に収容された湯と直ぐに混合しないため、給水された直後でも高温の湯を得ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、貯水タンクから湯沸かし容器へ連続して給水する最大量は、湯沸かし容器の下部収納部の容量以下である請求項2に記載の電気湯沸かし器とすることにより、貯水タンクから給水された低温の水が下部収納部から溢れて上部収納部に流入することが無く、上部収納部の湯温が低下せず、給水時でも常に高温の湯を取り出すことが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、給水路は湯沸かし容器内の水の満水量液面よりも上方から湯沸かし容器内に連通し、湯沸かし容器内の下部収納部に連通する請求項2または3に記載の電気湯沸かし器とすることにより、給水時に湯沸かし容器の内部の湯で温度が上昇し湯沸かし容器内の下部収納部に供給される。そして、給水路は湯沸かし容器内に位置しているので、湯沸かし容器外へ熱が流出することを防止することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、隔離部材には、下部収納部から上部収納部の方向に気体または水が移動できる逆止弁を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器とすることにより、下部収納部内で沸騰現象が発生しても逆止弁を通って上部収納部に抜けるので、内圧の上昇を防止することができ、十分に沸騰させることが可能となる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、隔離部材を湯沸かし容器の底部に着脱可能に配置した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器とすることにより、隔離部材および湯沸かし容器内を簡単に手入れすることが可能となる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記導出路の前記湯沸かし容器への受水口は前記給水路の前記湯沸かし容器への給水口よりも上方に設けた電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器内で湯が保温されている場合、貯水タンクから供給された水は湯沸かし容器内の湯よりも比重が重いため、湯沸かし容器の下部から順に蓄積され、給水された温度の低い水が直ちに受水口に流れ込むことはない。したがって、給水直後でも高温の湯を取り出すことができる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、貯水タンクから湯沸かし容器へ連続して給水する最大量は、湯沸かし容器の受水口よりも下部の液量以下である請求項7に記載の電気湯沸かし器とすることにより、給水時に湯沸かし容器の底部に蓄積される水の水位が受水口の位置以下のとなり、給水直後であっても温度の低い水が受水口に流れ込むことを防止することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電気湯沸かし器を示すものである。
【0018】
図に示すように、電気湯沸かし器の本体内には、湯沸かし容器1が設けられている。湯沸かし容器1は、ステンレス鋼板で円筒状に形成され、内部に水2を収容しており、底面には加熱手段3が取り付けられている。加熱手段3の定格消費電力は1000Wで、保温時は75Wである。
【0019】
また、給湯手段であるポンプ4、受水口5aを湯沸かし容器1に開口し途中にポンプ4を設けた導出路5、導出路5と接続し器体外に吐出口6aを臨ませた吐出パイプ6、湯沸かし容器1の上部開口部を覆った蓋体7、および給水口17aを湯沸かし容器1に開口した給水路17がそれぞれ湯沸かし容器1と関係づけて設けられている。
【0020】
前記した蓋体7には、湯沸かし容器1側に蒸気抜き穴8aが設けられており、湯沸かし容器1内で発生した蒸気は前記蒸気抜き穴8aから蓋体7内部の蒸気通路8cを通り蒸気口8bから器体外に導出されるようになっている。
【0021】
また、前記した導出路5には、水位検知手段である水位センサ9が設けられている。これは、満水位検知素子9a、給水位検知素子9b、および加熱停止水位検知素子9cという、3つの水位検知素子を具備しており、各水位検知素子は発光素子および受光素子が組み合わされて構成され、導出路5内のフロート18の位置を検知して各水位に到達しているか否かの検知を行っている。満水位検知素子9aは、湯沸かし容器1内の水2の水量が、湯沸かし容器1内に収容する水2の上限水位である満水位A1(第一の水位)になっているかどうかを検知する。給水位検知素子9bは、水2の水量が湯沸かし容器1内への給水を開始する水位A2(第二の水位)に達したことを検知する。加熱停止水位検知素子9cは、水2の水量が湯沸かし容器1内に収容する水2の下限水位A3(本実施例では湯沸かし容器1底面のわずか上の水位)に達したことを検知する。加熱停止水位検知素子9cは湯沸かし容器1内への給水が充分にされていないとき等、空焚きを防止するために、水2の水量が下限水位に達すると加熱手段3による加熱動作を停止するために設けられている。
【0022】
さらに、水位センサ9の検知信号に基づき機器を制御する制御部10を備えており、湯沸かし容器1内の水2の水量が第二の水位A2まで低下すると、湯沸かし容器1内に給水するようになっている。
【0023】
さらにまた、湯沸かし容器1に対し着脱自在に貯水タンク11が併設され、収容した水2を湯沸かし容器1に供給するものである。貯水タンク11は、その上部にタンク蓋11aが設けてあり、補給時にはこのタンク蓋11aを取り外し上部より給水することができるようになっている。また、貯水タンク11内には、給水ポンプ13と揚水路14を具備する給水手段12、貯水タンク11外部に連通する注入口16の周りに形成された水受け部15、およびタンク弁19が設けられている。
【0024】
給水ポンプ13は、給水ポンプ駆動モータ13aと磁気結合されており、湯沸かし容器1内の水2の水量が第二の水位A2まで低下すると、先述したように、制御部10からの信号により駆動されるものである。給水ポンプ13が駆動されると、貯水タンク11に収容されている水2が揚水路14(給水手段12)を通り、揚水路出口14a(給水手段12)から水受け部15に注がれ、水受け部15の底部に設けた注入口16から貯水タンク11の外に排出される。
【0025】
貯水タンク11が、電気湯沸かし器の本体に装着され、湯沸かし容器1と併設されている場合には、注入口16を閉とすべくバネ付勢(図示せず)されているタンク弁19は持ち上げられ、注入口16が開となっているので、貯水タンク11の注入口16から排出された水2は給水路17の上端に注入されることになり、給水口17aから湯沸かし容器1へ供給される。
【0026】
水受け部15に給水手段12により給水された水2の単位時間あたりの供給量は、注入口16から排出される単位時間あたりの排出量よりも多くしているもので、その差の給水された水2は、溢水部15aから貯水タンク11内に帰還する。すなわち、貯水タンク11内の水2の一部は、給水手段12を経路として貯水タンク11内を循環することになる。この結果として、注水口16から排出される水量は、給水手段12の給水量に、大きく依存することがなくなる。
【0027】
タンク弁19は、シリコーンゴムなどの軟質製のゴムからなっている。これは貯水タンク11に水を補給し運搬するときに振動により注入口16から水がこぼれないようにしたものである。ところで、湯沸かし容器1の側面に貯水タンク11を配する本実施例のような構成では、水の補給は上部より行うのが補給しやすい。そのため、補給時にはこのタンク蓋11aを取り外して上部より給水するが、このような方法で給水すると、給水の一部がタンク弁19に直接かかることになる。タンク弁19は軟質製のゴムより構成されているため、タンク弁19に繰り返し給水が直接かかると損傷しその役割を充分果たせなくなる恐れがある。そこで本実施例ではタンク弁19の上方にカバー20を設けている。
【0028】
ここで、本実施例における電気湯沸かし器は、湯沸かし容器1内を上部収納部1aと下部収納部1bとに分割する椀状の隔離部材29を備え、上部収納部1aに給水路17を連通して貯水タンク11の水を給水し、下部収納部1bに導出路5を連通して湯沸かし容器1内の水(湯)を器体外に取り出すようにし、加熱手段3は下部収納部1bを加熱するようにしている。そして、隔離部材29は上方に凸で下部を開口した椀を伏せた形状で厚さ方向の内部は中空で均等な隙間をもたせることで断熱性をもたせ、ポリフェニレンサルファイドなどの樹脂材料またはステンレス鋼などからなり、見かけ上の比重は1以上である。
【0029】
また、隔離部材29の上部中央には逆止弁30を設け、隔離部材29に設けた穴に上方から差し込まれ上下に遊びを有している。逆止弁30は、常時、自重により穴を閉塞しているもので(密には閉塞していない)、下部収納部1bで発生した気体が上部に集まることで、逆止弁30は簡単に持ち上げられ気体が上部収納部1aへ抜ける。下部収納部1bは、湯沸かし容器1の内底部と隔離部材29間で形成されているものである。
【0030】
上記した構成において、湯沸かし容器1内の水位が第二の水位A2以下になると、給水路17には安定した水量の水が注入されるので、湯沸かし容器1の上部収納部1aと連通する位置にある給水口17aより安定した水量の水2が自動的に追加される。なお、給水口17aは湯沸かし容器1の側面に連通していてもよい。そして、満水位検知素子9aが、水2の水位が満水位A1に到達したのを検知すると、制御部10がこれを認識して、給水ポンプ駆動モータ13aの駆動を停止するので、給水ポンプ13が停止し、水の湯沸かし容器1内への補充は中止される。
【0031】
なお、湯沸かし容器1内への水2の供給量の制御方法は、上記のように、水位センサ9により水位を検知して、その検知結果に従って給水ポンプ13を駆動したり、停止したりする方法に限定されるものではなく、例えば、必要な時間、給水ポンプ13を駆動し必要な水量が得られるようにしても良い。また、水受け部15は貯水タンク11の一部として一体形成してもよいし、別部品としても良いものである。
【0032】
また、給水ポンプ13により揚水して注入口16に導くとともに、揚水路14から注入口16に至る途中において、揚水路14で揚水された水を溢水可能とすることにより、湯沸かし容器1に所定量以上給水されることをなくすことが可能になる。この溢水構成は、揚水路出口14aと水受け部15との間に大気に開放された空間を設けることにより容易に得られる。この溢水部を設けることにより、貯水タンク11から湯沸かし容器1への給水時に、通常は水位センサ9によって水2が満水位検知素子9aまで給水されたことをフロート18の位置を検知して給水ポンプ13を停止させるが、水位センサ9が何らかの異常により水位を誤検知したり、制御部10の異常などにより給水ポンプ13が停止したりしない場合でも、湯沸かし容器1内の水量が水受け部15以上に達すると、水2は水受け部15の上端から貯水タンク11内に溢水するため、それ以上湯沸かし容器1へ給水されることはない。
【0033】
また、溢水のさせ方としては水受け部15の一部に切り欠き部15aを設け、この部分より溢水するようにすると、溢水方向が一定になるとともに、揚水路出口14aと水受け部15との間に空間を設ける必要はなくなる。
【0034】
また、本実施例によれば、給水手段12により給水された水を受けるとともに注水口16に水を導く水受け部15を有し、水受け部15は貯水タンク11内に水を溢水可能としたので、給水手段12からの水の供給量と注入口16から貯水タンク11外に導出される水(すなわち給水路17内に注入される水の流量)の差は、水受け部17で溢水され貯水タンク11内に戻ることになる。このため、給水手段12の給水量の変化あるいはバラツキの影響を緩和して、給水口17aから湯沸かし容器1内への水の供給を安定化させることができる。
【0035】
そして、湯沸かし容器1は、下部収納部1bに収容している水2を底部に付設した加熱手段3により所定温度の約95℃まで加熱し、または所定温度に保温する。隔離部材29はその断熱構造により下部収納部1b内の熱を上部収納部1aに伝え難く、加熱手段3からの熱は下部収納部1aだけを加熱保温する。
【0036】
また、上部収納部1aは下部収納部1bからの熱流入が少ないだけでなく側面と天面から放熱するために、下部収納部1b内で約95℃に維持された湯に比べて、上部収納部1aの湯温は約80℃と低い。結果として保温に必要な電気エネルギーは少なくすることができる。
【0037】
また、下部収納部1b内を加熱するので、湯沸かし容器1内の全ての水を加熱するのに比べて短時間で沸騰させることができる。下部収納部1b内の水2は、給湯手段であるポンプ4によって導出路5を通り吐出パイプ6より器体外へ導出される。この場合、上部収納部1a内の水は、逆止弁30が密ではないため、適宜、下部収納部1b内に流入し加熱されることになる。
【0038】
なお、受水口5aから一番離れた位置の隔離部材29部分に上部収納部1a内との連通部を設けることによっても、上部収納部1a内の水を下部収納部1b内へ流入させることができる。
【0039】
なお、隔離部材29は湯沸かし容器1内から着脱可能であるので、隔離部材29を取り外して湯沸かし容器1の底面などを洗浄するなど手入れすることが可能である。
【0040】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2における電気湯沸かし器を示すものである。実施例1と基本構成は同じであるので、相違点についてのみ説明する。
【0041】
図に示すように、給水口17aは湯沸かし容器1の下部収納部1b内に連通している。また受水口5aは上部収納部1aに連通している。そして、加熱手段3により下部収納部1b内の湯を加熱沸騰させるようになっている。
【0042】
上記構成とすることで、加熱手段3による加熱により、下部収納部1b内の湯が膨張し上昇し、逆止弁30から上部収納部1aに噴出させる。これにより、上部収納部1a内の湯温を約80℃から95℃の所望の温度に保温する。貯水タンク11から給水を行う場合、下部収納部1bに給水され、温度の低い水は湯沸かし容器1内の温度の高い水よりも比重が小さく上昇しないので、下部収納部1bの底面に貯まり、下部収納部1bにあった湯温の高い湯は逆止弁30から上部収納部1aに押し出される。一度に連続して給水する水量を下部収納部の容量以下とすることで、上部収納部1aに温度の低い水が流入することを防止することができる。給水された下部収納部1b内の水を加熱手段3で加熱沸騰させ、湯沸かし容器1内の水位が満水位A1に到達するか、貯水タンク11内の水が無くなるまで、給水と湯沸かしを繰り返す。以上により、上部収納部1a内の湯温を低下させることなく給水を行うことが可能となり、給水中でも高温の湯を取り出すことできる。
【0043】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3における電気湯沸かし器を示すものである。実施例1、2と基本構成は同じであるので、相違点についてのみ説明する。
【0044】
図に示すように、給水路17は湯沸かし容器1内の水の満水位A1液面よりも上方から湯沸かし容器1内に連通し、湯沸かし容器1内の隔離部材29の上部に接続して下部収納部1bに連通させている。
【0045】
これにより、湯沸かし容器1内の湯を湯沸かし保温する時には、給水路17内にも湯沸かし容器1内の湯が連通しているため、給水路17内の湯温が高くなり下部収納部1bに供給される。そして、給水路17の満水位A1以下の部分は湯沸かし容器1内に位置するので、湯沸かし容器1外へ熱が流出することを防止することができる。
【0046】
(実施例4)
図4、図5は本発明の実施例4における電気湯沸かし器を示すものである。実施例1〜3と基本構成は同じであるので、相違点についてのみ説明する。
【0047】
図4に示すように、湯沸かし容器1内の水2を器体外に取り出すための導出路5の湯沸かし容器1への受水口5aは、湯沸かし容器1内に突出させることにより、給水路17の湯沸かし容器1への給水口17aよりも上方に設けている。
【0048】
これにより、湯沸かし容器1内で水2が保温されている場合、貯水タンク11から給水された水2bは温度が低く湯沸かし容器1内の水2aよりも比重が重いため、湯沸かし容器1の下部から順に蓄積されていく。受水口5aの位置を給水口17aよりも高い位置に設けているので、給水された温度の低い水2bが直ちに受水口5aに流れ込むことはない。すなわち、一度に連続して給水する水の最大量を湯沸かし容器1の受水口5aよりも下部の液量以下とすることで、給水直後においても高温の湯を取り出すことができる。そして、給水された受水口5a以下の水を加熱手段3で加熱沸騰させ、湯沸かし容器1内の水位が満水位A1に到達するか、貯水タンク11内の水が無くなるまで、給水と湯沸かしを繰り返す。以上により、上部収納部1a内の湯温を低下させることなく給水を行うことが可能となり、給水中でも高温の湯を取り出すことできる。
【0049】
なお、図5に示すように、受水口5aの給水口17a側に堰31を設けて湯沸かし容器1内を区画し、結果的に、受水口5aを給水口17aよりも上方に設けるようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電気湯沸かし器によれば、湯沸かし容器に水が供給された直後でも、設定した温度の水を取り出すことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電気湯沸かし器の断面図
【図2】本発明の実施例2における電気湯沸かし器の断面図
【図3】本発明の実施例3における電気湯沸かし器の断面図
【図4】本発明の実施例4における電気湯沸かし器の断面図
【図5】同電気湯沸かし器の他の例を示す断面図
【符号の説明】
1 湯沸かし容器
1a 上部収納部
1b 下部収納部
2 水
3 加熱手段
5 導出路
5a 受水口
11 貯水タンク
17 給水路
17a 給水口
29 隔離部材
30 逆止弁
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭または事務所等で使用される電気湯沸かし器に関し、特に湯沸かし容器に併設して貯水タンクを備えたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器としては、湯沸かし容器の下部に貯水タンクを配し、湯沸かし容器内の湯が所定量までに減少したとき、それを検知し、湯沸かし容器と貯水タンクとを連結する給水管を介して貯水タンクの水を湯沸かし容器に自動的に補給するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−293046号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、湯沸かし容器に水が供給された場合に、湯沸かし容器内の水の温度が低下し、給水直後では高温の湯を取り出すことができないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、湯沸かし容器に水が供給された場合でも設定した温度の水を取り出すことが可能な電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに隔離部材で分割し、上部収納部に貯水タンクの水を供給するとともに、下部収納部から湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すようにし、加熱手段は下部収納部を加熱するようにしたものである。
【0007】
これにより、湯沸かし容器の上部収納部に水が供給された直後でも、下部収納部の湯は高温であり、設定した温度の水を取り出すことが可能となるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する隔離部材と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記上部収納部に連通し前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記下部収納部に連通し前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記加熱手段は下部収納部を加熱する電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器の上部収納部に水が供給された直後でも、下部収納部の湯は高温であり、設定した温度の水を取り出すことが可能となるものである。また、沸騰した湯が欲しいときでも、湯沸かし容器内全体の湯を加熱する必要がなく、下部収納部の湯を加熱するだけでよく、非常に短時間で必要とする湯を得ることができるため、使い勝手が向上し消費電力の無駄を少なくすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する隔離部材と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記下部収納部に連通し前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記上部収納部に連通し前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記加熱手段は下部収納部を加熱する電気湯沸かし器とすることにより、貯水タンクから給水された温度の低い水が湯沸かし容器の上部収納部に収容された湯と直ぐに混合しないため、給水された直後でも高温の湯を得ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、貯水タンクから湯沸かし容器へ連続して給水する最大量は、湯沸かし容器の下部収納部の容量以下である請求項2に記載の電気湯沸かし器とすることにより、貯水タンクから給水された低温の水が下部収納部から溢れて上部収納部に流入することが無く、上部収納部の湯温が低下せず、給水時でも常に高温の湯を取り出すことが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、給水路は湯沸かし容器内の水の満水量液面よりも上方から湯沸かし容器内に連通し、湯沸かし容器内の下部収納部に連通する請求項2または3に記載の電気湯沸かし器とすることにより、給水時に湯沸かし容器の内部の湯で温度が上昇し湯沸かし容器内の下部収納部に供給される。そして、給水路は湯沸かし容器内に位置しているので、湯沸かし容器外へ熱が流出することを防止することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、隔離部材には、下部収納部から上部収納部の方向に気体または水が移動できる逆止弁を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器とすることにより、下部収納部内で沸騰現象が発生しても逆止弁を通って上部収納部に抜けるので、内圧の上昇を防止することができ、十分に沸騰させることが可能となる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、隔離部材を湯沸かし容器の底部に着脱可能に配置した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器とすることにより、隔離部材および湯沸かし容器内を簡単に手入れすることが可能となる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記導出路の前記湯沸かし容器への受水口は前記給水路の前記湯沸かし容器への給水口よりも上方に設けた電気湯沸かし器とすることにより、湯沸かし容器内で湯が保温されている場合、貯水タンクから供給された水は湯沸かし容器内の湯よりも比重が重いため、湯沸かし容器の下部から順に蓄積され、給水された温度の低い水が直ちに受水口に流れ込むことはない。したがって、給水直後でも高温の湯を取り出すことができる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、貯水タンクから湯沸かし容器へ連続して給水する最大量は、湯沸かし容器の受水口よりも下部の液量以下である請求項7に記載の電気湯沸かし器とすることにより、給水時に湯沸かし容器の底部に蓄積される水の水位が受水口の位置以下のとなり、給水直後であっても温度の低い水が受水口に流れ込むことを防止することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電気湯沸かし器を示すものである。
【0018】
図に示すように、電気湯沸かし器の本体内には、湯沸かし容器1が設けられている。湯沸かし容器1は、ステンレス鋼板で円筒状に形成され、内部に水2を収容しており、底面には加熱手段3が取り付けられている。加熱手段3の定格消費電力は1000Wで、保温時は75Wである。
【0019】
また、給湯手段であるポンプ4、受水口5aを湯沸かし容器1に開口し途中にポンプ4を設けた導出路5、導出路5と接続し器体外に吐出口6aを臨ませた吐出パイプ6、湯沸かし容器1の上部開口部を覆った蓋体7、および給水口17aを湯沸かし容器1に開口した給水路17がそれぞれ湯沸かし容器1と関係づけて設けられている。
【0020】
前記した蓋体7には、湯沸かし容器1側に蒸気抜き穴8aが設けられており、湯沸かし容器1内で発生した蒸気は前記蒸気抜き穴8aから蓋体7内部の蒸気通路8cを通り蒸気口8bから器体外に導出されるようになっている。
【0021】
また、前記した導出路5には、水位検知手段である水位センサ9が設けられている。これは、満水位検知素子9a、給水位検知素子9b、および加熱停止水位検知素子9cという、3つの水位検知素子を具備しており、各水位検知素子は発光素子および受光素子が組み合わされて構成され、導出路5内のフロート18の位置を検知して各水位に到達しているか否かの検知を行っている。満水位検知素子9aは、湯沸かし容器1内の水2の水量が、湯沸かし容器1内に収容する水2の上限水位である満水位A1(第一の水位)になっているかどうかを検知する。給水位検知素子9bは、水2の水量が湯沸かし容器1内への給水を開始する水位A2(第二の水位)に達したことを検知する。加熱停止水位検知素子9cは、水2の水量が湯沸かし容器1内に収容する水2の下限水位A3(本実施例では湯沸かし容器1底面のわずか上の水位)に達したことを検知する。加熱停止水位検知素子9cは湯沸かし容器1内への給水が充分にされていないとき等、空焚きを防止するために、水2の水量が下限水位に達すると加熱手段3による加熱動作を停止するために設けられている。
【0022】
さらに、水位センサ9の検知信号に基づき機器を制御する制御部10を備えており、湯沸かし容器1内の水2の水量が第二の水位A2まで低下すると、湯沸かし容器1内に給水するようになっている。
【0023】
さらにまた、湯沸かし容器1に対し着脱自在に貯水タンク11が併設され、収容した水2を湯沸かし容器1に供給するものである。貯水タンク11は、その上部にタンク蓋11aが設けてあり、補給時にはこのタンク蓋11aを取り外し上部より給水することができるようになっている。また、貯水タンク11内には、給水ポンプ13と揚水路14を具備する給水手段12、貯水タンク11外部に連通する注入口16の周りに形成された水受け部15、およびタンク弁19が設けられている。
【0024】
給水ポンプ13は、給水ポンプ駆動モータ13aと磁気結合されており、湯沸かし容器1内の水2の水量が第二の水位A2まで低下すると、先述したように、制御部10からの信号により駆動されるものである。給水ポンプ13が駆動されると、貯水タンク11に収容されている水2が揚水路14(給水手段12)を通り、揚水路出口14a(給水手段12)から水受け部15に注がれ、水受け部15の底部に設けた注入口16から貯水タンク11の外に排出される。
【0025】
貯水タンク11が、電気湯沸かし器の本体に装着され、湯沸かし容器1と併設されている場合には、注入口16を閉とすべくバネ付勢(図示せず)されているタンク弁19は持ち上げられ、注入口16が開となっているので、貯水タンク11の注入口16から排出された水2は給水路17の上端に注入されることになり、給水口17aから湯沸かし容器1へ供給される。
【0026】
水受け部15に給水手段12により給水された水2の単位時間あたりの供給量は、注入口16から排出される単位時間あたりの排出量よりも多くしているもので、その差の給水された水2は、溢水部15aから貯水タンク11内に帰還する。すなわち、貯水タンク11内の水2の一部は、給水手段12を経路として貯水タンク11内を循環することになる。この結果として、注水口16から排出される水量は、給水手段12の給水量に、大きく依存することがなくなる。
【0027】
タンク弁19は、シリコーンゴムなどの軟質製のゴムからなっている。これは貯水タンク11に水を補給し運搬するときに振動により注入口16から水がこぼれないようにしたものである。ところで、湯沸かし容器1の側面に貯水タンク11を配する本実施例のような構成では、水の補給は上部より行うのが補給しやすい。そのため、補給時にはこのタンク蓋11aを取り外して上部より給水するが、このような方法で給水すると、給水の一部がタンク弁19に直接かかることになる。タンク弁19は軟質製のゴムより構成されているため、タンク弁19に繰り返し給水が直接かかると損傷しその役割を充分果たせなくなる恐れがある。そこで本実施例ではタンク弁19の上方にカバー20を設けている。
【0028】
ここで、本実施例における電気湯沸かし器は、湯沸かし容器1内を上部収納部1aと下部収納部1bとに分割する椀状の隔離部材29を備え、上部収納部1aに給水路17を連通して貯水タンク11の水を給水し、下部収納部1bに導出路5を連通して湯沸かし容器1内の水(湯)を器体外に取り出すようにし、加熱手段3は下部収納部1bを加熱するようにしている。そして、隔離部材29は上方に凸で下部を開口した椀を伏せた形状で厚さ方向の内部は中空で均等な隙間をもたせることで断熱性をもたせ、ポリフェニレンサルファイドなどの樹脂材料またはステンレス鋼などからなり、見かけ上の比重は1以上である。
【0029】
また、隔離部材29の上部中央には逆止弁30を設け、隔離部材29に設けた穴に上方から差し込まれ上下に遊びを有している。逆止弁30は、常時、自重により穴を閉塞しているもので(密には閉塞していない)、下部収納部1bで発生した気体が上部に集まることで、逆止弁30は簡単に持ち上げられ気体が上部収納部1aへ抜ける。下部収納部1bは、湯沸かし容器1の内底部と隔離部材29間で形成されているものである。
【0030】
上記した構成において、湯沸かし容器1内の水位が第二の水位A2以下になると、給水路17には安定した水量の水が注入されるので、湯沸かし容器1の上部収納部1aと連通する位置にある給水口17aより安定した水量の水2が自動的に追加される。なお、給水口17aは湯沸かし容器1の側面に連通していてもよい。そして、満水位検知素子9aが、水2の水位が満水位A1に到達したのを検知すると、制御部10がこれを認識して、給水ポンプ駆動モータ13aの駆動を停止するので、給水ポンプ13が停止し、水の湯沸かし容器1内への補充は中止される。
【0031】
なお、湯沸かし容器1内への水2の供給量の制御方法は、上記のように、水位センサ9により水位を検知して、その検知結果に従って給水ポンプ13を駆動したり、停止したりする方法に限定されるものではなく、例えば、必要な時間、給水ポンプ13を駆動し必要な水量が得られるようにしても良い。また、水受け部15は貯水タンク11の一部として一体形成してもよいし、別部品としても良いものである。
【0032】
また、給水ポンプ13により揚水して注入口16に導くとともに、揚水路14から注入口16に至る途中において、揚水路14で揚水された水を溢水可能とすることにより、湯沸かし容器1に所定量以上給水されることをなくすことが可能になる。この溢水構成は、揚水路出口14aと水受け部15との間に大気に開放された空間を設けることにより容易に得られる。この溢水部を設けることにより、貯水タンク11から湯沸かし容器1への給水時に、通常は水位センサ9によって水2が満水位検知素子9aまで給水されたことをフロート18の位置を検知して給水ポンプ13を停止させるが、水位センサ9が何らかの異常により水位を誤検知したり、制御部10の異常などにより給水ポンプ13が停止したりしない場合でも、湯沸かし容器1内の水量が水受け部15以上に達すると、水2は水受け部15の上端から貯水タンク11内に溢水するため、それ以上湯沸かし容器1へ給水されることはない。
【0033】
また、溢水のさせ方としては水受け部15の一部に切り欠き部15aを設け、この部分より溢水するようにすると、溢水方向が一定になるとともに、揚水路出口14aと水受け部15との間に空間を設ける必要はなくなる。
【0034】
また、本実施例によれば、給水手段12により給水された水を受けるとともに注水口16に水を導く水受け部15を有し、水受け部15は貯水タンク11内に水を溢水可能としたので、給水手段12からの水の供給量と注入口16から貯水タンク11外に導出される水(すなわち給水路17内に注入される水の流量)の差は、水受け部17で溢水され貯水タンク11内に戻ることになる。このため、給水手段12の給水量の変化あるいはバラツキの影響を緩和して、給水口17aから湯沸かし容器1内への水の供給を安定化させることができる。
【0035】
そして、湯沸かし容器1は、下部収納部1bに収容している水2を底部に付設した加熱手段3により所定温度の約95℃まで加熱し、または所定温度に保温する。隔離部材29はその断熱構造により下部収納部1b内の熱を上部収納部1aに伝え難く、加熱手段3からの熱は下部収納部1aだけを加熱保温する。
【0036】
また、上部収納部1aは下部収納部1bからの熱流入が少ないだけでなく側面と天面から放熱するために、下部収納部1b内で約95℃に維持された湯に比べて、上部収納部1aの湯温は約80℃と低い。結果として保温に必要な電気エネルギーは少なくすることができる。
【0037】
また、下部収納部1b内を加熱するので、湯沸かし容器1内の全ての水を加熱するのに比べて短時間で沸騰させることができる。下部収納部1b内の水2は、給湯手段であるポンプ4によって導出路5を通り吐出パイプ6より器体外へ導出される。この場合、上部収納部1a内の水は、逆止弁30が密ではないため、適宜、下部収納部1b内に流入し加熱されることになる。
【0038】
なお、受水口5aから一番離れた位置の隔離部材29部分に上部収納部1a内との連通部を設けることによっても、上部収納部1a内の水を下部収納部1b内へ流入させることができる。
【0039】
なお、隔離部材29は湯沸かし容器1内から着脱可能であるので、隔離部材29を取り外して湯沸かし容器1の底面などを洗浄するなど手入れすることが可能である。
【0040】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2における電気湯沸かし器を示すものである。実施例1と基本構成は同じであるので、相違点についてのみ説明する。
【0041】
図に示すように、給水口17aは湯沸かし容器1の下部収納部1b内に連通している。また受水口5aは上部収納部1aに連通している。そして、加熱手段3により下部収納部1b内の湯を加熱沸騰させるようになっている。
【0042】
上記構成とすることで、加熱手段3による加熱により、下部収納部1b内の湯が膨張し上昇し、逆止弁30から上部収納部1aに噴出させる。これにより、上部収納部1a内の湯温を約80℃から95℃の所望の温度に保温する。貯水タンク11から給水を行う場合、下部収納部1bに給水され、温度の低い水は湯沸かし容器1内の温度の高い水よりも比重が小さく上昇しないので、下部収納部1bの底面に貯まり、下部収納部1bにあった湯温の高い湯は逆止弁30から上部収納部1aに押し出される。一度に連続して給水する水量を下部収納部の容量以下とすることで、上部収納部1aに温度の低い水が流入することを防止することができる。給水された下部収納部1b内の水を加熱手段3で加熱沸騰させ、湯沸かし容器1内の水位が満水位A1に到達するか、貯水タンク11内の水が無くなるまで、給水と湯沸かしを繰り返す。以上により、上部収納部1a内の湯温を低下させることなく給水を行うことが可能となり、給水中でも高温の湯を取り出すことできる。
【0043】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3における電気湯沸かし器を示すものである。実施例1、2と基本構成は同じであるので、相違点についてのみ説明する。
【0044】
図に示すように、給水路17は湯沸かし容器1内の水の満水位A1液面よりも上方から湯沸かし容器1内に連通し、湯沸かし容器1内の隔離部材29の上部に接続して下部収納部1bに連通させている。
【0045】
これにより、湯沸かし容器1内の湯を湯沸かし保温する時には、給水路17内にも湯沸かし容器1内の湯が連通しているため、給水路17内の湯温が高くなり下部収納部1bに供給される。そして、給水路17の満水位A1以下の部分は湯沸かし容器1内に位置するので、湯沸かし容器1外へ熱が流出することを防止することができる。
【0046】
(実施例4)
図4、図5は本発明の実施例4における電気湯沸かし器を示すものである。実施例1〜3と基本構成は同じであるので、相違点についてのみ説明する。
【0047】
図4に示すように、湯沸かし容器1内の水2を器体外に取り出すための導出路5の湯沸かし容器1への受水口5aは、湯沸かし容器1内に突出させることにより、給水路17の湯沸かし容器1への給水口17aよりも上方に設けている。
【0048】
これにより、湯沸かし容器1内で水2が保温されている場合、貯水タンク11から給水された水2bは温度が低く湯沸かし容器1内の水2aよりも比重が重いため、湯沸かし容器1の下部から順に蓄積されていく。受水口5aの位置を給水口17aよりも高い位置に設けているので、給水された温度の低い水2bが直ちに受水口5aに流れ込むことはない。すなわち、一度に連続して給水する水の最大量を湯沸かし容器1の受水口5aよりも下部の液量以下とすることで、給水直後においても高温の湯を取り出すことができる。そして、給水された受水口5a以下の水を加熱手段3で加熱沸騰させ、湯沸かし容器1内の水位が満水位A1に到達するか、貯水タンク11内の水が無くなるまで、給水と湯沸かしを繰り返す。以上により、上部収納部1a内の湯温を低下させることなく給水を行うことが可能となり、給水中でも高温の湯を取り出すことできる。
【0049】
なお、図5に示すように、受水口5aの給水口17a側に堰31を設けて湯沸かし容器1内を区画し、結果的に、受水口5aを給水口17aよりも上方に設けるようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電気湯沸かし器によれば、湯沸かし容器に水が供給された直後でも、設定した温度の水を取り出すことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電気湯沸かし器の断面図
【図2】本発明の実施例2における電気湯沸かし器の断面図
【図3】本発明の実施例3における電気湯沸かし器の断面図
【図4】本発明の実施例4における電気湯沸かし器の断面図
【図5】同電気湯沸かし器の他の例を示す断面図
【符号の説明】
1 湯沸かし容器
1a 上部収納部
1b 下部収納部
2 水
3 加熱手段
5 導出路
5a 受水口
11 貯水タンク
17 給水路
17a 給水口
29 隔離部材
30 逆止弁
Claims (8)
- 水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する隔離部材と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記上部収納部に連通し前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記下部収納部に連通し前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記加熱手段は下部収納部を加熱する電気湯沸かし器。
- 水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内を上部収納部と下部収納部とに分割する隔離部材と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記下部収納部に連通し前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記上部収納部に連通し前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記加熱手段は下部収納部を加熱する電気湯沸かし器。
- 貯水タンクから湯沸かし容器へ連続して給水する最大量は、湯沸かし容器の下部収納部の容量以下である請求項2に記載の電気湯沸かし器。
- 給水路は湯沸かし容器内の水の満水量液面よりも上方から湯沸かし容器内に連通し、湯沸かし容器内の下部収納部に連通する請求項2または3に記載の電気湯沸かし器。
- 隔離部材には、下部収納部から上部収納部の方向に気体または水が移動できる逆止弁を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器。
- 隔離部材を湯沸かし容器の底部に着脱可能に配置した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器。
- 水を収容する貯水タンクと、前記貯水タンクから供給される水を収容する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の水を加熱する加熱手段と、前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に送るための給水路と、前記湯沸かし容器内の水を器体外に取り出すための導出路とを備え、前記導出路の前記湯沸かし容器への受水口は前記給水路の前記湯沸かし容器への給水口よりも上方に設けた電気湯沸かし器。
- 貯水タンクから湯沸かし容器へ連続して給水する最大量は、湯沸かし容器の受水口よりも下部の液量以下である請求項7に記載の電気湯沸かし器。
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Cited By (1)
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CN104771062A (zh) * | 2015-04-22 | 2015-07-15 | 王金华 | 一种快速节能蒸锅 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003150652A patent/JP2004350830A/ja active Pending
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CN104771062A (zh) * | 2015-04-22 | 2015-07-15 | 王金华 | 一种快速节能蒸锅 |
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