JP3648850B2 - 農作業車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、農作業車にするものである。
【0002】
【従来の技術】
農作業車の作業部や走行部の操作制御を行う操作部に操作席とステップを配置し、この操作席下方のエンジンを載置したエンジンルームを防護するための、外側板と前板及び上板(操作席の底面)とにより形成されるエンジンカバーを回動可能に設けものがある
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の技術において、エンジン関係の藁屑の除去やメンテナンス等を行うときに、エンジンカバーを外側面後端部の支軸回りに外側方へ回動して開閉させるが、この開閉大変煩わしく不便なものであった。なお、極端な場合には干渉により破損を起こす恐れがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、走行装置9を有する車台7上の内側部と外側部とに各々左縦フレ−ム15aと右縦フレ−ム15bとを取り付け、該左縦フレ−ム15aの上端部と右縦フレ−ム15bの上端部とを後フレ−ム16で連結すると共に、横フレ−ム17を前記左縦フレ−ム15aの上端部から前側に向けて延長して操作コラム29上部へ固着し、エンジン4を収容するエンジンル−ムRの外面壁と前面壁と上面壁とを防護するエンジンカバ−5を、エンジン4の冷却風を吸気する防塵網を取り付けた外側板5aとステップ3近傍の前板5bと操作席2下方の上板5cとによって形成すると共に前記右縦フレ−ム15bに支軸6に よって連結して外側方へ回動可能に構成し、エンジン4の冷却ファン4aの外側に配置したラジエ−タ18の外面一側に走行用無段変速装置のオイルを冷却するオイルク−ラ21を取り付け、該ラジエ−タ18の一側と前記右縦フレ−ム15bとを支軸20によって連結してラジエ−タ18とオイルク−ラ21とを一体的に外側方へ回動させられるように構成するにあたり、前記エンジンカバ−5とラジエ−タ18との間をシ−ルする防塵用シ−ル42を回動自在に設け、前記ラジエ−タ18の下部側に接続するロワ−ホ−ス45aとラジエ−タ18の上部側に接続するアッパホ−ス45bとを後側に向けてU字形に屈曲させて配管すると共に該アッパホ−ス45bをラジエ−タ18との接続部よりも上側に位置しないように配管し、前記オイルク−ラ21の下部側ロワ−ホ−スジョイント43aと上部側アッパホ−スジョイント43bとをラジエ−タ18の回動支点である支軸20の近傍に設けてロワ−ホ−ス44とアッパホ−ス44とを接続して、前記エンジンカバ−5の外側方への回動によって該エンジンカバ−5の外側板5aと前板5bと上板5cと操作席2とが回動してエンジン4の上方と前方と外側方とが開放され、該エンジンカバ−5の回動と共に前記ラジエ−タ18およびオイルク−ラ21も支軸20を支点としてエンジンカバ−5に追従して外側方へ回動させることができるように構成したことを特徴とする農作業車の構成とする。
【0005】
【発明の効果】
この発明によると、エンジンカバ−5の外側方への回動により、エンジン4の上方と前方及び外側方が開放されるからエンジン4関係の藁屑の除去やメンテナンス等を容易に行うことができる。また、エンジンカバ−5の回動開放と共に、ラジエ−タ18およびオイルク−ラ21も支軸20を中心として該エンジンカバ−5に追従して外側方へ回動させることができるから、更に藁屑の除去やメンテナンス等が容易となる。また、ラジエ−タ18の外面一側に取り付けたオイルク−ラ21の下部側ロワ−ホ−スジョイント43aと上部側アッパホ−スジョイント43bとを、ラジエ−タ18の回動支軸20の近傍に設けてロワ−ホ−ス44とアッパホ−ス44とを接続することにより、ラジエ−タ18とオイルク−ラ21とを一体的に外側方へ回動させるときに、このロワ−ホ−ス44とアッパホ−ス44とを回動のために余裕をもって配管する必要がないから、長めのホ−スが曲がりくねって邪魔になることがなく、円滑にオイルク−ラ21を回動させることができる。また、ラジエ−タ18の下部側に接続するロワ−ホ−ス45aと上部側に接続するアッパホ−ス45bとを、後側に向けてU字形に屈曲させて配管することにより、ラジエ−タ18の回動に追従して両ホ−ス45a,45bを各々容易に伸縮させることができるから、円滑にラジエ−タ18を回動させることができる。更に、この際、アッパホ−ス45bをラジエ−タ18との接続部よりも上側に位置しないように配管することにより、アッパホ−ス45bへのエア−の混入等を防止することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施例をコンバインについて図面に基づき説明する。コンバインの車台7の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ8を有する走行装置9を配設し、該車台7上にフィードチェンに挟持して移送供給される穀稈を脱穀し、この脱穀により選別回収された穀粒を一時貯留するグレンタンク10と、このタンク10から穀粒を機外へ排出する排出オーガ11を有する脱穀装置12を載設すると共に、この脱穀装置12の前方側に、穀稈を刈り取って後方のフィードチェンに搬送供給する刈取装置13を土壌面に対し昇降可能なるよう車台7の前端部へ支架して構成する。
【0007】
該刈取装置13の一側に、前記各装置9,12,13の操作制御を行う操作部1を配設する。この操作部1は前記グレンタンク10の前端部に近接した車台7上に、角材による枠部材として内側部と外側部に各々左縦フレーム15aと右縦フレーム15b鉛直姿勢で固着させ、この左右の縦フレーム15a,15bの上端部を後フレーム16で連結すると共に、該左縦フレーム15aの上端部から前端側に向け横フレーム17を延長して構成する。
【0008】
該後フレーム16側の枠構成内位置に、冷却ファン4aを外側に向けてエンジン4を車台7上に載置し、該冷却ファン4aの外側にラジエータ18を配置し、このラジエータ18の一側と前記右縦フレーム15bとを上下2箇所の支軸20によって連結し、ラジエータ18を外側方へ回動可能に支承すると共に、このラジエータ18の外面一側に走行用無段変速装置のオイルを冷却するオイルクーラ21を取り付けて構成する。
【0009】
該エンジン4を収容したエンジンルームRの外面壁と前面壁及び上面壁を防護するエンジンカバー5は、エンジン4の冷却風を吸気する防塵網を取り付けた外側板5aと、ステップ3近傍の前板5b及び操作席2下方の上板5cとによって形成し、この外側板5aと前板5b及び上板5cとをカバーフレーム22によって組付け支持させて構成する。
【0010】
該カバーフレーム22は、外側面に配置した逆コ字状の外側面フレーム22aの上部前端側から、内側に向け横方向に前フレーム22bを折曲延長し、この前フレーム22bの終端部にT字状に帯状板による連結板23を固着すると共に、該外側面フレーム22aの鉛直部分と前記右縦フレーム15bとを前記支軸20とは別に設けた上下2箇所の支軸6によって連結し、エンジンカバー5を外側方へ回動開閉可能に支承して構成する。
【0011】
オペレータの操作席2を上下調節可能に支持する調節支持メタル24を、該エンジンカバー5の上板5c及びカバーフレーム22の前フレーム22bに固着すると共に、該操作席2の前側のオペレータ操作空間S下方にステップ3を設けて構成する。該ステップ3は、車台7に固着したステップ架台25にパンタグラフ形式の昇降アーム26の下部を取り付け、その上部には上面踏板3aを固定して設けると共に、この踏板3aとステップ架台25とを油圧駆動による伸縮シリンダ27により連結し、上下動可能に構成する。
【0012】
該ステップ3の上面踏板3aの最下位置レベルに合わせて外周部に固定ステップ28を設け、この固定ステップ28の後端部を前記エンジンカバー5の前板5bの内側に折り曲げ立ち上げて設けると共に、この立ち上げ部を、該上面踏板3aの最上位置よりも上側に適宜間隔bで位置させる該前板5b下端縁aに重接させて構成する。
【0013】
該固定ステップ28の前端部に接して操作コラム29を立設し、この操作コラム29上部の内側端部へ前記左縦フレーム15aから延長した横フレーム17を固着すると共に、この横フレーム17に保持される断面∩字状の操作架台30を操作コラム29と前記後フレーム16の間を操作席2に隣接して一定の幅で延長して設け構成する。
【0014】
該操作架台30は、前記エンジンカバー5と重接する部分より前側位置に走行用の主変速レバー31と副変速レバー32、及びエンジン4のスロットルレバー33等を配置軸支すると共に、該操作架台30の内側面の立ち下がり部分を、該各レバー31,32,33等の軸支部が露出する位置まで切り欠いだ切欠ぎ部cを形成して構成する。
【0015】
前記エンジンカバー5と共に操作席2を回動閉鎖させるときに、カバーフレーム22の前フレーム22b連結板23の前端部に固着した固定金34によって定位置に固定する。該固定金34は、平面視U字状のロックホルダー35の一端部を延長した上側ロック部35aによって、該横フレーム17から突設させた丸材によるU字状の受金36を上側から押え、該ホルダー35に回動自在の掛金回動軸37に軸止した掛金38の下側ロック部38aを受金36に嵌押させ、該上側ロック部35aと下側ロック部38aとにより上下からロックさせる。39は、掛金回動軸37のリターンばねを示す。
【0016】
前記エンジンルームRのエンジンカバー5で防護されていない内面壁及び後面壁を防護する内側板40及び後側板41を、前記操作架台30の内側面及び後フレーム16位置に各々固定して設けると共に、該後側板41から上方側に向けてエンジンカバー5の上板5cとの間にエアークリーナ14を収納する収納ケース19を断面梯形状に配置固定する。該エンジンカバー5とラジエータ18の間をシールする防塵用シール42を回動自在に装着して構成する。
【0017】
エンジンルームR内におけるエンジン4関係の藁屑の除去やメンテナンス等を行うときは、掛金38を、掛金回動軸37によりリターンばね39に抗して下方回動させ受金36から外しロック状態を解除させることにより、エンジンカバー5を外側面後端部の支軸6を支点として外側方へ略180°水平方向に回動開放させる。
【0018】
このエンジンカバー5の回動開放時に、ステップ3がオペレータの都合により最上位置に上動調節されているときでも、回動時にステップ3部を通過する該カバー5の前板5b下端部aが、該ステップ3の上面踏板3aより適宜間隔bにより上側に位置しているから、該カバー5の前板5bとステップ3とが干渉してエンジンカバー5の回動を妨害することがなく、円滑に外側方へ開放させることができる。なお、このため該前板5b下端縁aの位置が高くなるが、この高さを固定ステップ28を立ち上げ重接して補っているから、防塵効果が阻害されるようなことはない。
【0019】
該エンジンカバー5の外側方への回動により、エンジンルームRは固定の内側板40と後側板41を残して、エンジンカバー5の外側板5a,前板5b,上板5c及び操作席2が回動され、エンジン4の上方と前方及び外側方が開放されるからエンジン4関係の藁屑の除去やメンテナンス等を容易に行うことができる。なお、該エンジンカバー5の回動開放と共に、ラジエータ18も支軸20を支点として該カバー5に追従して外側方へ回動させることができるから、更に藁屑の除去やメンテナンス等が容易となる。
【0020】
また、該操作席2に隣接する操作架台30に切欠き部cを形成していることにより、主変速レバー31,副変速レバー32,スロットルレバー33等の軸支部が露出しているから、操作架台30を取り外すことなく容易に調整及び分解組立等のメンテナンス等を行うことができる。なお、この切欠ぎ部cにより各軸支部を操作架台30上面に近づけることができるから、これにより軽量化と共に、各レバー配置の自由度を増すことができる。(図1参照)また、前記エンジンカバー5に追従して外側方へ回動させることができるラジエータ18の外面一側に、図8に示す如く、一体的に取り付けたオイルクーラ21の下部側ロワーホースジョイント43aと上部側アッパホースジョイント43bとを、ラジエータ18の回動支軸20の近傍に設けて各々ホース44を接続構成することにより、ラジエータ18とオイルクーラ21とを一体的に外側方へ回動させるときに、このホース44を回動のために余裕をもって配管する必要がないから、長めのホース44が曲がりくねって邪魔になることがなく、円滑にオイルクーラ21を回動させることができる。
【0021】
また、該ラジエータ18の冷却水を循環させるホース45は、ラジエータ18が回動するから余裕をもって長めに配管する必要があり、このため、図9に示す如く、ラジエータ18の下部側に接続するロワーホース45aと上部側に接続するアッパホース45bとを、前記後側板41側に向けて各々U字形に屈曲させて配管構成することにより、ラジエータ18の回動に追従して両ホース45a,45bを各々容易に伸縮させることができるから、円滑にラジエータ18を回動させることができる。なお、この際アッパホース45bをラジエータ18との接続部より上側に位置しないように配管構成することにより、アッパホース45bへのエアーの混入等を防止することができる。
【0022】
また、該ラジエータ18を定位置に収納する際に、図10に示す如く、ラジエータ18の外周を保持するラジエータフレーム46と、前記固定ステップ28を固定しているステップフレーム47とから相互に突出させた取付板48によって連結構成することにより、ラジエータ18収納時における上下2箇所の支軸20による片持ち支持の不安定さを改善して強固に固定することができると共に、ラジエータ18を支持している右縦フレーム15bとステップフレーム47とを固着している車台7の変形や撓みを防止することができる。なお、該取付板48の連結をノブボルト49等により着脱自在に締結することにより、ワンタッチでラジエータ18を回動又は固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンカバー及びステップの構成と位置関係を示す操作部の側面図。
【図2】 エンジンカバー及びステップの構成と位置関係を示す操作部の正面図。
【図3】 エンジンカバー及びステップの構成と位置関係を示す操作部の平面図。
【図4】 エンジンカバー及びラジエータの回動開放状態を示す操作部の平面図。
【図5】 操作部の枠構成におけるエンジンカバー及び操作席の開放状態を示す斜視図。
【図6】 エンジンカバー及び操作席を取り付けるカバーフレームの形状を示す斜視図。
【図7】 エンジンカバー及び操作席の固定金を横枠にロックした状態を示す斜視図。
【図8】 オイルクーラの取り付け位置とホースの配管状態を示す平面図及び側面図。
【図9】 ラジエータの取り付け位置とホースの配管状態を示す平面図及び側面図。
【図10】 ラジエータをノブボルトで締結補強した状態を示す平面図及び側面図。
【図11】 コンバインの全体を示す側面図。
【符号の説明】
2 操作席
3 ステップ
4 エンジン
4a 冷却ファン
5 エンジンカバー
5a 外側板
5b 前板
5c 上板
6 支軸
車台
走行装置
15a 左縦フレ−ム
15b 右縦フレ−ム
16 後フレ−ム
17 横フレ−ム
18 ラジエ−タ
20 支軸
21 オイルク−ラ
29 操作コラム
42 防塵用シ−ル
43a 下部側ロワ−ホ−スジョイント
43b 上部側アッパホ−スジョイント
45a ロワ−ホ−ス
45b アッパホ−ス
R エンジンルーム

Claims (1)

  1. 走行装置9を有する車台7上の内側部と外側部とに各々左縦フレ−ム15aと右縦フレ−ム15bとを取り付け、該左縦フレ−ム15aの上端部と右縦フレ−ム15bの上端部とを後フレ−ム16で連結すると共に、横フレ−ム17を前記左縦フレ−ム15aの上端部から前側に向けて延長して操作コラム29上部へ固着し、エンジン4を収容するエンジンル−ムRの外面壁と前面壁と上面壁とを防護するエンジンカバ−5を、エンジン4の冷却風を吸気する防塵網を取り付けた外側板5aとステップ3近傍の前板5bと操作席2下方の上板5cとによって形成すると共に前記右縦フレ−ム15bに支軸6によって連結して外側方へ回動可能に構成し、エンジン4の冷却ファン4aの外側に配置したラジエ−タ18の外面一側に走行用無段変速装置のオイルを冷却するオイルク−ラ21を取り付け、該ラジエ−タ18の一側と前記右縦フレ−ム15bとを支軸20によって連結してラジエ−タ18とオイルク−ラ21とを一体的に外側方へ回動させられるように構成するにあたり、前記エンジンカバ−5とラジエ−タ18との間をシ−ルする防塵用シ−ル42を回動自在に設け、前記ラジエ−タ18の下部側に接続するロワ−ホ−ス45aとラジエ−タ18の上部側に接続するアッパホ−ス45bとを後側に向けてU字形に屈曲させて配管すると共に該アッパホ−ス45bをラジエ−タ18との接続部よりも上側に位置しないように配管し、前記オイルク−ラ21の下部側ロワ−ホ−スジョイント43aと上部側アッパホ−スジョイント43bとをラジエ−タ18の回動支点である支軸20の近傍に設けてロワ−ホ−ス44とアッパホ−ス44とを接続して、前記エンジンカバ−5の外側方への回動によって該エンジンカバ−5の外側板5aと前板5bと上板5cと操作席2とが回動してエンジン4の上方と前方と外側方とが開放され、該エンジンカバ−5の回動と共に前記ラジエ−タ18およびオイルク−ラ21も支軸20を支点としてエンジンカバ−5に追従して外側方へ回動させることができるように構成したことを特徴とする農作業車。
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