JP3648771B2 - 車両用スタビライザ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は車両用スタビライザ制御装置に係り、特にスタビライザと接続されたアクチュエータによりスタビライザの剛性を可変することにより車両のロール特性を向上させる車両用スタビライザ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両にはサスペンションバネを硬くすることなくロール剛性を高めることができるトーションバネ状のスタビライザが使用されている。
ところが、スタビライザはトーションバネであるために一定の捩じり剛性を有しているため、車両のロール剛性を高めるには限界がある。仮に、スタビライザのロール剛性を高めると、急操舵時にロールダンピングが悪い特性を示す。
【0003】
このような不具合を解消するものとして、例えば特開昭63−22615号公報に開示されたサスペンションの制御方法が知られている。同公報に開示されたサスペンションの制御方法では、ロール時にスタビライザの剛性とショックアブソーバの減衰力とを同時に高くして、ロール量の低減とダンピングの向上を図る構成とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記した従来構成のサスペンションの制御装置では、減衰力の可変要素がショックアブソーバのみであり、スタビライザはバネ効果のみしか有していなかったため、ロール時の路面が悪路の場合にショックアブソーバの減衰力を高くすると、上下方向の減衰力もこれに伴い高くなってしまい、乗り心地が低下してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、スタビライザを横加速度に基づくバネ力相当と横加速度変化率に基づく減衰力相当の制御量に基づいて制御することにより、乗り心地及びロールダンピング特性を共に良好としうる車両用スタビライザ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理図である。
上記課題を解決するために本発明では、同図に示されるように、
車両のロール振動を抑制するスタビライザ(A1)と、このスタビライザ(A1)を操作して車両のロール特性を可変するアクチュエータ(A2)とを具備する車両用スタビライザ制御装置において、
車両旋回時の横方向加速度を演算する横方向加速度演算手段(A3)と、
横方向加速度の変化率を演算する変化率演算手段(A4)と、
上記横方向加速度演算手段(A3)により演算される横方向加速度に基づきバネ力相当の目標制御量を演算すると共に、上記変化率検出手段(A4)により演算される横方向加速度の変化率に基づき減衰力相当の目標制御量を演算する目標制御量演算手段(A5)と、
この目標制御量演算手段(A5)で演算されるバネ力相当の目標制御量及び減衰力相当の目標制御量に基づき上記アクチュエータ(A2)の特性を可変制御するアクチュエータ制御手段(A6)と
を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
上記構成とされた車両用スタビライザ制御装置では、スタビライザを横加速度(ロール角)に基づくバネ力相当と、横加速度変化率(ロール角速度)に基づく減衰力相当の制御量に基づいてスタビライザを制御するため、ロール剛性(ばね定数)をあげた場合でも減衰係数を高くすることができ、よってダンピング特性及び乗り心地を共に良好とすることができる。
【0008】
【実施例】
次に本発明の実施例について図面と共に説明する。
図2及び図3は、本発明発明の一実施例である車両用スタビライザ制御装置が適用された車両用姿勢制御装置の全体構成を示すもので、ここでは車両の前輪側スタビライザに油圧シリンダ制御を適用した実施例を示している。
同図に示すように、車両用姿勢制御装置1は、前輪側スタビライザ装置2、油圧装置3およびこれらを制御する電子制御装置4から構成されている。
【0009】
前輪側スタビライザ装置2では、左前車輪6は左前輪ショックアブソーバ7および左前輪サスペンションアーム8により車体9に支持されている。また、右前輪10は右前輪ショックアブソーバ11および右前輪サスペンションアーム12により車体9に支持されている。
更に、前輪側スタビライザ13のトーション部は、車体9にボルト等で固定された軸受け14,15により車体9に回転自在に支持されている。前輪側スタビライザ13の一端部13aは、連結距離の調整が可能なシリンダユニット16を介して右前輪ショックアブソーバ11のばね下部に結合される。
【0010】
前輪側スタビライザ13の一端部13aと右前輪ショックアブソーバ11のばね下部との間の連結距離は、電子制御装置4の制御信号に応じて、油圧回路3からの圧油の供給を受け、前輪側のシリンダユニット16の伸縮によって調整可能な構成とされている。
前輪側スタビライザ13の他の端部13bは、リンクロッド17を介して左前輪ショックアブソーバ7のばね下部に装着されている。また、車両の操舵を行うために、ステアリングホイール18の操作に応じて左右前車輪6,10の向きを変更する操舵機構19も配設されている。
【0011】
車両用姿勢制御装置1は検出器として、車両の走行速度を検出する車速センサ41、操舵角度を検出する操舵角センサ42、シリンダユニット16がその中立位置(ピストンストロークの中点)に対して伸び側にあるか縮み側にあるかを検出するストローク伸縮スイッチ43等を備える。これら各検出器からの信号は電子制御装置4に入力され、電子制御装置4は油圧装置3を制御駆動することによって、前輪側スタビライザ装置2を調節する。
【0012】
シリンダユニット16は、図3に示されるように、ロッド27が右前輪コイルスプリング11aに並設された右前輪ショックアブソーバ11のばね下部に装着され、シリンダ21が前輪側スタビライザ13の一端部13aに結合された構成とされている。従って、前輪側スタビライザ装置2は、シリンダユニット16のピストン22の所定ストローク量に亘る移動により、前輪側スタビライザ13の捩り量も変更し、捩り反力を増加させることで見かけの捩り剛性を変化させるように構成されている。
【0013】
上記シリンダユニット16は、図4に示すように、電子制御装置4の制御信号に応じて油圧装置3から供給される圧油により作動する。
油圧装置3は、エンジン30により駆動される油圧ポンプ31が、リザーバタンク34から作動油を吸入し、管路33a、制御弁(4ポート3位置電磁弁)32、管路33c,33dを介してシリンダユニット16に圧油を供給する。制御弁32は、電子制御装置4からの制御信号に応じて、中立位置32a、伸長位置32b、収縮位置32cの3位置およびそれらの任意の中間位置に切り換えられる。
【0014】
ここで、制御弁32の構成について簡単に説明する。制御弁32は、例えばスプール弁の構造を有しており、2つのリニアソレノイドを有する構成である。この2つのニリアソレノイドのうちの一方にのみ通電すると、スプール弁は中立位置32aから伸長位置32b側へ動き、他方にのみ通電すると収縮位置32c側へ動き、このスプール弁の移動量を通電電流によって変更できる。
【0015】
この構成によって、通電するソレノイドの選択によりシリンダユニット16の伸長,収縮を選択でき、更に通電電流の大きさによってシリンダユニット16の流出側の管路につながるポートの開口面積を変化させて、シリンダユニット16からの流出油量を調節できる。すなわち制御弁32は、三位置方向切換弁の機能とメータアウト油圧回路の流量制御機能を一つの弁で実現する。
【0016】
電子制御装置4はマイクロコンピュータ等から構成され、各種センサからの信号を入力する入力部4d、これらの入力信号に基づいて演算処理を行う中央演算処理部(CPU)4a、演算用プログラム、固定データ等を記憶する読出し専用記憶部(ROM)4b、演算結果や制御状態等を一時的に記憶する記憶部(RAM)4c、演算結果に基づいて前記制御弁32に制御信号を出力する出力部4e、およびこれら各部を相互に接続するコモンバス4f等から構成される。
【0017】
この電子制御装置4の入力部には、車速を検出する車速センサ41、ステアリングホイールの回転角度(操舵角)を検出する操舵角センサ42、およびシリンダユニット16伸縮状態を検出する伸縮スイッチ43の信号が入力される。
伸縮スイッチ43としては、例えば次のような構成で実現できる。即ち、シリンダユニット16のピストンロッド27を例えば鉄とステンレスといった磁性材料と非磁性材料をまん中でつなぎ合わせた構成とし、さらにシリンダ21の上部にはピストンロッド27が内心となるように導線を巻いたコイルを設置する。
【0018】
このような構成でコイルのインダクタンスを計測すると、内心が鉄のような磁性材料の場合とステンレスのような非磁性材料の場合とでは大きく異なった値となる。そこで直列に抵抗を接続して、パルス電圧入力に対する出力応答の時定数を計測、共振周波数の計測、交流電圧入力に対する電流の位相差計測等の手段によってインダクタンスを計測する回路及びインダクタンスの大きい側(磁性材料側)、小さい側(非磁性材料側)を判定するしきい値回路を電子制御装置4の入力部4dに設けておけば良い。
【0019】
このような構成の伸縮スイッチは、単一のコイルによってセンサ部が実現できるため、温度、振動等の環境条件が厳しい車両のばね下部であっても使用することができる。
次に、上記構成とされた車両用姿勢制御装置1の基本的な作動及び制御方法について説明する。
【0020】
まず、直進走行について説明する。直進走行では、図4の制御弁32は中立位置32aの状態に設定される。このとき油圧ポンプ31から吐出される圧油は、管路33a、制御弁32、管路33bを経てリザーバ34に戻る。一方、管路33c,33dは制御弁32によって遮断されるため、シリンダユニット16の上下室25,26は油密状態に保たれ、ピストン22はシリンダ21内で固定される。すなわちシリンダユニット16は伸縮不能に固定され、リンクロッド17と同様に一種の剛体の働きをすることになり、スタビライザ13はその固有の捩り剛性を発揮して車両の走行安定性を確保できる。
【0021】
次に旋回時について説明する。旋回時には車速と操舵角の大きさに応じて、後に詳述するようにバネ力相当の目標伸縮量を決定し、更に車速と操舵角速度の大きさに応じてあらかじめ定めた関係に従って、減衰力相当の目標伸縮量を決定してシリンダユニット16の目標伸縮量を決める。その値に応じてシリンダユニットを伸長または収縮させるように、油圧装置3を駆動する。
【0022】
即ち、伸長モードでは、制御弁32を伸長位置32b側へ駆動するリニアソレノイドに通電する。この時制御弁32においてシリンダユニット16の下室26につながった管路33dへ接続するポートは直ちに全開となって、ポンプ31からの圧油を管路33a、制御弁32、管路33dを経てシリンダユニット16の下室26へ供給する。
【0023】
一方、シリンダユニット16の上室25につながる制御弁32のポートは、通電電流の大きさに伴ってその開口面積が増大するように作動するのでピストン22が上方へ移動しようとする時に、管路33cを通って流出する油量が調節される。
つまり、上室25から一定量の油の流出があってはじめてピストン22が移動できるので、リニアソレノイドの通電電流を変えることでピストン22の移動量を調節することができる。しかも、通電電流の大きさと流出油量すなわちピストンの移動量の関係は予め知ることができるので、電子制御装置4は、出力する通電電流の大きさと通電時間とからピストン22の位置を予測計算できることになる。
【0024】
従って、この予測位置が目標位置に速やかに達するように通電電流を制御する。しかも予測計算は、実際のピストン22の動きを先に知ることができるので、油圧装置3の応答遅れ分を補償して駆動することができる。
そして目標位置に達したと判定された時点で、リニアソレノイドへの通電を終了する。この時、制御弁32は中立位置32aの状態に戻り、シリンダユニット16の上下室25,26は再び油密状態に保たれ、ピストン22は目標位置で固定される。この伸長によって右旋回時には、シリンダユニット16の伸長モードが車両にスタビライザ13への捩り剛性を積極的に発生させることになり、定常的には車体のロール角φは減少する。
【0025】
また収縮モードでは、制御弁32を収縮位置32c側へ駆動するリニアソレノイドに通電する。この時制御弁32においてシリンダユニット16の上室25につながった管路33cへ接続するポートは直ちに全開となって、ポンプ31からの圧油を管路33a,制御弁32、管路33cを経てシリンダユニット16の上室25へ供給する。
【0026】
一方、シリンダユニット16の下室26につながる制御弁32のポートは、通電電流の大きさに伴ってその開口面積が増大するように作動し、ピストン22が下方へ移動しようとする時に、管路33dを通って流出する油量が調節される。従って、伸長モードの場合と同様にピストン位置が予測され、ピストン2が目標位置に達したと判定された時点で通電を終了し、ピストン22が目標位置で固定される。
【0027】
この収縮によって左旋回時には、シリンダユニット16の収縮モードが車両にスタビライザ13の捩り剛性を積極的に発生させることになり、定常的には車体のロール角は減少する。
次に、本装置における具体的な制御方法について、図5のフローチャートに従って説明する。図5は、制御の全体の流れを示すフローチャートである。この制御の処理は、油圧装置3の応答時間に比べて十分早い周期(例えは8msec)で繰り返し実行される。
【0028】
図5の処理が起動すると、先ずステップ100において、車速V、操舵角θ等の信号を読み込む。この車速V及び操舵角θは、車両の現在の運転状態(例えば旋回中か、或いは直進中か等)を知るために用いられるものである。
続くステップ110では、旋回横加速度Gが演算される。後述するように本実施例では、ステップ120で実施される車両が現在旋回走行中か否かの判断結果によって、その後の処理が変わる構成とされている。また、車両が旋回走行中か否かの判断は、旋回横加速度Gにより判断することができる。よって、ステップ110では旋回横加速度Gを演算する構成とされている。
【0029】
旋回横加速度Gの演算は、ステップ100で読み込まれた車速V及び操舵角θに基づき下式から求められる。
【0030】
【数1】
Figure 0003648771
によって求める。
尚、ここで操舵角θ1 は、ステアリングホイール18から操舵車輪6及び10までに至る操舵系の遊び分及び操舵力が操舵車輪等の捩れに吸収されて転舵に寄与しない分などの、いわゆる操舵の不感帯域の角度をステアリングホイール18の回転角(ステップ100で読み込んだ操舵角θ)から差し引いた値(結果が負になる時はゼロとする。)である。操舵不感帯の大きさは、車両の諸元等によって決まるもので、低速程大きく車速が大きくなるに従って小さな値となるもので、予め求めたマップにより算出している。
【0031】
続くステップ115においては、下式に基づき旋回横加速度の変化率G’を求める。
【0032】
【数2】
Figure 0003648771
尚、上式においてθ’は操舵角速度であり、下式により求められる値である。
【0033】
【数3】
Figure 0003648771
続くステップ120では、車両が現在旋回運転中であるか否かが判定される。この旋回中であるか否かの判定は、旋回横加速度Gの値に基づいて行われる。即ち、旋回横加速度GがG≠0なら旋回中であると判定し、G=0なら旋回中ではないと判定する。この判定で旋回中と判定された場合には、ステップ130以下に進んで旋回中の処理を行う。
【0034】
ステップ130では、旋回中の特性を改善するのに必要なシリンダユニット16の目標伸縮量(目標ストローク)ST を求める。この目標伸縮量(目標ストローク)ST は、先ずステップ110で求められた旋回横加速度G、及びステップ115で求められた旋回横加速度変化率G’に基づき、下式より目標ストローク量Sを演算する。
【0035】
【数4】
Figure 0003648771
上式において、K2 Gで示される値はバネ力相当の目標制御量であり、またK3 G’で示される値は減衰力相当の目標制御量である。即ち、ステップ130で演算される目標ストローク量Sは、従来から行われている旋回横加速度G(横方向振動量)に基づくバネ力相当の目標制御に加え、旋回横加速度の変化率G’(横方向振動量の変化率)に基づく減衰力相当の目標制御をも行う構成となる。
【0036】
上記の数4に示される式により目標ストローク量Sが求められると、シリンダユニット16の中心位置を現す値S0を用いて、ST=S0±Sの計算を行うことにより目標伸縮量STを求める。
尚、上式の符号は、図2に示したようにシリンダユニット16が車両の右側(運転席側)に装着されている場合には、右旋回のときシリンダを伸ばすという意味で+(プラス)を採り、左旋回のときシリンダを縮めるという意味で−(マイナス)を採る。
【0037】
上記したS=K2 G+K3 G’で示される式用いて目標伸縮量ST を設定すると、シリンダユニット16を最大ストローク範囲まで目標伸縮量ST に従うように調節することによって、所定の旋回横加速度までの範囲において、車体のロール特性を改善することが可能である。
ここで、従来から行われている旋回横加速度Gに基づくバネ力相当の目標制御に加え、旋回横加速度の変化率G’に基づく減衰力相当の目標制御を行う構成としたことによる作用について説明する。
【0038】
いま、車両のロール系慣性モーメントをI,ロールの減衰項をC,ロールのバネ項をKとすると、スタビライザ13の減衰係数ζは、下式により求めることができる。
【0039】
【数5】
Figure 0003648771
ここで、減衰係数ζに着目すると、従来のようにバネ力相当の目標制御のみを行っていた構成(減衰力相当の目標制御を行わない構成)は、数4に示される式において、K3G’=0としたのと等価であり、従ってロールのバネ項Kのみによる制御となる。
【0040】
この制御において、スタビライザ13によるロール剛性を増大させるためにロールのバネ項Kを大きくすると、上記の数5より減衰係数ζは低下することとなる。その結果、ステップ応答は図6に矢印Aで示されるような特性となり、ダンピング特性が悪化してしまう。
これに対し、本実施例の如くバネ力相当の目標制御量K2G及び減衰力相当の目標制御量K3G’を共に反映させて目標伸縮量STを演算することにより、上記した数5におけるロールの減衰項Cとロールのバネ項Kとを共に制御することが可能となる。よって、ロール剛性を増大させるためにロールのバネ項Kを大きくしても、ロールの減衰項Cを大きく設定することにより、即ち減衰力相当の目標制御量K3G’を目標伸縮量STの演算に反映させることにより減衰係数ζを向上させることが可能となり、例えば図6に矢印Bで示す特性を得ることが可能となる。従って、ダンピング特性及び乗り心地を共に良好とすることができる。
【0041】
一方、ステップ120において、旋回中でないと判定された場合には、処理はステップ250へ進んでシリンダユニット16の目標伸縮量ST を中立値S0 に設定する。
続くステップ260では、シリンダユニット16のピストン位置制御(ストローク制御)を行う。この処理は、シリンダユニット16のピストン22の位置SA を、ステップ130または250で求めた目標伸縮量ST に一致させるように油圧装置3を駆動する制御である。
【0042】
尚、本実施例では、次のような予測制御を行っている。即ち、制御弁32への通電電流値とそのときにシリンダユニット16から流出する流量の関係が予めわかっているので、その関係に基づいてピストン位置SA の予測値SC を求める。そしてこの予測値SC と目標伸縮量ST との差がゼロになるように油圧装置3を制御することが行われている。
【0043】
また、シリンダユニット16にはそのピストンの中立通過を検出する伸縮スイッチ43を備えており、このスイッチ信号により、先の予測値SC に補正を加え、実際のピストン位置SA に極めて近い値を得るようにしている。
また、上記した本実施例では、横加速度と横加速度の変化率により、目標制御量を決定したが、ロール角、ロール角速度を検出しそれに基づくマップにより横加速度と横加速度の変化率を演算し目標制御量を決定する構成としてもよい。また、各輪のストロークからロール角、ロール角速度を演算し、これに基づき目標制御量を決定する構成としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、スタビライザを横加速度に基づくバネ力相当と、横加速度変化率に基づく減衰力相当の制御量に基づいてスタビライザを制御するため、ロール剛性をあげた場合でも減衰係数を高くすることができ、よってダンピング特性及び乗り心地を共に良好とすることができるという特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例の平面視した構成を示す全体構成図である。
【図3】本発明の一実施例の正面視した構成を示す全体構成図である。
【図4】本発明の一実施例の油圧回路及び電気回路を示す説明図である。
【図5】電子制御装置の制御を示すフローチャートである。
【図6】減衰係数によるステップ応答の差を示すグラフである。
【符号の説明】
2 スタビライザ装置
3 油圧装置
4 電子制御装置
13 スタビライザ
16 シリンダユニット
41 車速センサ
42 操舵角センサ
43 ストローク伸縮スイッチ
51,52 減衰力制御アクチュエータ

Claims (4)

  1. 車両のロール振動を抑制するスタビライザと、該スタビライザを操作して車両のロール特性を可変するアクチュエータとを具備する車両用スタビライザ制御装置において、
    車両旋回時の横方向加速度を演算する横方向加速度演算手段と、
    該横方向加速度の変化率を演算する変化率演算手段と、
    横方向加速度演算手段により演算される横方向加速度に基づきバネ力相当の目標制御量を演算すると共に、該変化率検出手段により演算される該横方向加速度の変化率に基づき減衰力相当の目標制御量を演算する目標制御量演算手段と、
    該目標制御量演算手段で演算されるバネ力相当の目標制御量及び減衰力相当の目標制御量に基づき該アクチュエータの特性を可変制御するアクチュエータ制御手段と
    を設けたことを特徴とする車両用スタビライザ制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用スタビライザ制御装置において、
    前記横方向加速度演算手段は、車速と操蛇角速度に基づき車両旋回時の横方向加速度を演算することを特徴とする車両用スタビライザ制御装置。
  3. 請求項1記載の車両用スタビライザ制御装置において、
    前記横方向加速度演算手段は、ロール角と、ロール角速度に基づき車両旋回時の横方向加速度を演算することを特徴とする車両用スタビライザ制御装置。
  4. 請求項1記載の車両用スタビライザ制御装置において、
    前記横方向加速度演算手段は、各輪のストロークに基づき車両旋回時の横方向加速度を演算することを特徴とする車両用スタビライザ制御装置。
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