JP3648393B2 - 溶接システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接システム、特に効率的にスポット溶接を行うことのできる汎用性の高い溶接システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のように大量の金属部品を強固に接合する必要がある場合、溶接が用いられる。一般に、大量生産を行う自動車等の場合、生産ライン上を移動するワーク(車体やシャシー等)の溶接作業は、産業用ロボットを利用した溶接ロボットによって自動で行われる。通常、図8の概念図に示すように、溶接ロボット100は、多関節(5軸または6軸)のアームロボット102のアーム先端に、図9に示すような溶接用ガン104(図9の場合はXガン)を装着し、前記アームにより図示しないワークの所望の位置に前記溶接用ガン104を移動させる。そして、開閉自在な前記溶接用ガン104の先端チップ106a,106bでワークの溶接ポイントを表裏面から加圧狭持し、さらに所定の電力を先端チップ106a,106b間に印加することによって溶接ポイントに対するスポット溶接を行う。継続して、他のポイントの溶接を行う場合には、前記アームロボット102の各軸を駆動し、所望の溶接ポイントに溶接用ガン104を移動させ、上述と同様に溶接作業を行う。
【0003】
例えば、図10に示すように、フランジ108a,108b、凹部108cを有するワーク108のポイントA〜Eの溶接を行う場合、溶接用ガン104を原点位置からポイントAに移動し(ステップ1)、ポイントAの溶接を行った後、先端チップ106bを大きく開いて、凹部108cを避けて、右方向に移動し(ステップ2)ポイントBの溶接を行う。次に、先端チップ106bを大きく開いて、凹部108cを避けて、左方向に移動する(ステップ3)。ポイントCが関連する凹部108cの内部に進入できるのは、開閉可能な先端チップ106bのみであるため、先端チップ106aを凹部108cの外側(図中下側)に接触させるために溶接用ガン104を反転させ(ステップ4:ポイントA,Bの場合、先端チップ106aはフランジ108a,108bの上から接近)、下方に移動する(ステップ5)。その後、先端チップ106bはフランジ108aを含む凹部108cを避けながらポイントCの位置まで移動し(ステップ6)、その位置で先端チップ106bが凹部108c内部に進入し、ポイントCの溶接を行う。
【0004】
続いて、先端チップ106bを開きワーク108から退避した後(ステップ7)、上方に移動する(ステップ8)。次に、凹部108cの縦壁面のポイントDの溶接を行うために、先端チップ106bの開閉方向を左右に切り換えるために90°回転した後(ステップ9)、右方向に移動し(ステップ10)、下降して(ステップ11)、ポイントDの溶接を行う。この場合、先端チップ106aは凹部108cの内側に位置し、先端チップ106bはフランジ108bを逃げながら凹部108cの外側から接近する。ポイントDの溶接終了後、先端チップ106bを開いて上方に移動し(ステップ12)、対向面に位置するポイントEの凹部108cの内側に先端チップ106aを位置させるために溶接用ガン104を180°回転させ(ステップ13)、ポイントEに移動し(ステップ14)、溶接を実施し上昇した後(ステップ15)、原点復帰(ステップ16)して一連の溶接作業を終了する。
【0005】
前述のような溶接ロボット100を用いることで、安全かつ確実な溶接作業を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図10に示すように溶接対象となるワーク108が複雑な形状を有してる場合や溶接ポイントが様々な場所に分散している場合、溶接用ガン104を移動させる移動ステップが増加し、一カ所の溶接を行うための動作時間が増大するという問題がある。つまり、図9に示すように溶接用ガン104の先端チップ106a,106bの開閉動作は、溶接位置の位置決めを安定化するために、一方の先端チップを固定し、他方のみが開閉(図9のXガンは、先端チップ106b側が動作し、上方向にのみ加圧動作する)するようにしている。そのため、図10に示すように、例えば、溶接ポイントA〜Eがフランジ108a,108bの内側や凹部108cの中の場合、当該溶接ポイントA〜Eを先端チップ106a,106bで狭持するために、障害物(フランジや凹部)の無い側または障害物の小さい側に固定側の先端チップ106aを接近させ、障害物の存在する側または障害物の大きな側に先端チップ106bを接近させる必要があり、溶接用ガン104の姿勢が制限される。すなわち、先端チップ106a及び先端チップ106bによる加圧方向が一方向のみであるため溶接ポイントに応じて溶接用ガン104の姿勢立て直しを行い加圧方向の選択が必要になる。この溶接用ガン104の姿勢立て直しのためにアームロボット102の移動に関係しない不必要な動作ステップが必要になり一回の溶接に必要な時間が長くなり溶接効率が低下してしまうという問題がある。
【0007】
また、溶接用ガン104の姿勢の立て直しのためにワークからの退避動作等も必要になりアームロボット102の動作範囲が増大し溶接ロボット100の実際の必要スペースが増大しライン側のスペース利用効率も低下するという問題がある。
【0008】
さらに、ワークの形状や溶接ポイントによっては、単一種類の溶接用ガンでは溶接を行うことができない場合があり、その場合は、他の形態の溶接用ガン(CガンやXガンでも開閉部分の形状が異なるもの)との交換が必要になり汎用性が低いという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ワークの形状に関わらず、迅速に溶接作業を行うことのできる汎用性の高い溶接システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、第1の発明は、先端部を所望の位置に誘導可能な少なくとも3軸からなるベースアーム部と、3つの軸が略コ字状に連結されてなる2本の独立アームの一端をそれぞれ前記ベースアーム部の先端に接続し、溶接チップを各独立アームの他端に配置し、この一対の溶接チップの相対位置を3軸方向に移動させる直動軸及び旋回軸を各独立アームに備え、ワークの溶接ポイントを前記溶接チップで狭持可能とした溶接アーム部と、前記ベースアーム部及び溶接アーム部の各独立アームを個別に駆動して、各独立アームの溶接チップをワークの溶接ポイントに対して接近させ、前記溶接ポイントの表裏面から加圧狭持させ溶接を行わせる溶接制御部と、を含み、前記溶接チップを略球体形状とし、前記溶接チップによる加圧方向の選択のために前記溶接アーム部の姿勢を前記ベースアーム部によって立て直すことなく、溶接チップを一端に備える軸の軸方向がワークの溶接面の法線方向と異なる姿勢で、一対の溶接チップが溶接ポイントを挟み、ワークの溶接面の法線方向に対向した状態で、前記溶接ポイントの表裏面から加圧狭持できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ワークを加圧狭持する独立アームはワークの形状や溶接ポイントに関わらず、単独で所定の溶接ポイントに接近することが可能であり、汎用性が向上すると共に、溶接チップを迅速かつ直接的に溶接ポイントに接触させ溶接を行うことができる。また、いずれか一方の独立アームの移動タイミングを遅延させることによって一方の溶接チップを固定側とし遅延側を移動側とすることが可能であり、従来の溶接用ガンと同様な正確な位置決め加圧動作を容易に行うこともできる。さらに、各独立アームの動作により溶接チップが溶接ポイントに対して、互いに任意の方向から接近し接触した場合でも、両溶接チップは略球体形状を呈しているので、常に同じ接触状態で接触し、互いを加圧することができる。その結果、加圧方向に関わらず安定した溶接を行うことができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、第2の発明は、第1の発明において、前記ベースアーム部は、さらに、先端部の傾き姿勢調整用の駆動軸を有することを特徴とする。
【0013】
ここで、前記傾き姿勢調整用の駆動軸は例えば、旋回軸である。この構成によれば、先端に固定された溶接アーム部をさらにスムーズに所望の位置に誘導することができる。
【0014】
また、上記目的を達成するために、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記溶接アーム部の略コ字状の各独立アームは、一端に溶接チップを備える軸の他端に略直交して連結された軸を軸方向に直動動作させる第1直動軸と、当該第1直動軸をこの第1直動軸の動作平面上で旋回動作させる旋回軸と、を有し、両独立アームは、前記第1直動軸と直交する方向に直動動作する第2直動軸によって接続され、前記第1直動軸、第2直動軸、旋回軸は独立アーム先端の位置決め軸及び各独立アーム先端を互いに加圧する加圧軸として機能することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、独立アーム先端部の構成を簡略化しつつ所定の移動動作及び加圧動作を行うことができる。その結果システムの小型化やシンプル化が可能になり動作の迅速化や必要スペースの縮小化を行うことができる。
【0016】
また、上記目的を達成するために、第4の発明は、第1または第2の発明において、前記溶接アーム部の略コ字状の各独立アームは、一端に溶接チップを備える軸の他端に略直交して連結された軸を軸方向に直動動作させる第1直動軸と、当該第1直動軸をこの第1直動軸の動作平面上で旋回動作させる旋回軸と、前記溶接チップを前記第1直動軸の動作方向と直交する方向に直動動作させる第2直動軸を有し、前記第1直動軸、第2直動軸、旋回軸は独立アーム先端の位置決め軸及び各独立アーム先端を互いに加圧する加圧軸として機能することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、独立アームにおいて、従来の溶接用ガンの懐寸法、及び顎寸法に相当する部分の寸法を任意に調整することができるので、ワークの形状に関わらず、所望の位置に溶接チップを誘導することがさらに容易になり迅速な溶接作業を行うことができる。
【0020】
また、上記目的を達成するために、第の発明は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記溶接チップは、複数の曲面を結合して形成することを特徴とする。
【0021】
ここで、複数の曲面の結合とは、例えば多面体の表面に球面の一部を配置した状態である。この構成によれば、溶接に関与しない部分に凹凸を形成することが可能になるので、溶接チップの管理、取り扱いが容易になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0023】
図1には、本発明の溶接システム10の構成概念図が示されている。この溶接システム10は、大きく分けて、ベースアーム部12と溶接アーム部14とから構成されている。前記ベースアーム部12は少なくとも3自由度を有する多関節アームロボットで構成されてる。図1の場合、ベースアーム部12は4自由度(4軸)の多関節アームロボット16で構成されている例が示されている。図1の場合、第1軸18が接地面16aに対して旋回する旋回軸、第2軸20が前記第1軸18に対して伸縮(直動)自在な直動軸として配置されている。また、前記第2軸20にL型アームを介して第3軸22である旋回軸が配置され、さらに、前記第3軸22には、当該第3軸22の旋回面と直交する面上を旋回する旋回軸が第4軸24として配置されている。すなわち、ベースアーム部12は先端部12aを前記第1軸18によって、接地面16aと平行な平面(図1において、水平面)内の任意の位置に導くことができる。また、第2軸20によって、前記平面と平行な任意の高さの平面上に前記先端部12aを導くことができる。
【0024】
前記第1軸18と第2軸20と第3軸22によって、前記先端部12aは任意の所望の位置に誘導することができるが、第4軸24を設けることによって、前記先端部12aが支持する前記溶接アーム部14の姿勢をスムーズに調整することができる。
【0025】
一方、前記ベースアーム部12の先端部に支持される溶接アーム14は、独立駆動可能な独立アーム26,28から構成されている。独立アーム26は、図1の状態において、左右方向を含み紙面表裏方向に広がる平面(第1平面)上を直動する第1直動軸26aと当該第1直動軸26aを前記第1平面内で旋回動作させる旋回軸26bを有している。同様に独立アーム28も第1直動軸28aと旋回軸28bを有している。そして、前記独立アーム26,28は、前記第1平面と直交する第2平面上を直動する第2直動軸30によって接続され、閉ループを形成している。各独立アーム26,28は、第1直動軸26a,28aと旋回軸26b,28bによって、先端部に配置され実際に溶接作業を行う溶接チップ32a,32bを第1平面上の任意の位置に誘導することができる。前記溶接アーム部14の第2直動軸30とベースアーム部12の第2軸20は、図1の状態で上下方向の逆向きに直動可能な軸であるため、第2直動軸30によって独立アーム26の実質的な上下移動を行い、第2軸20によって独立アーム28の実質的な上下移動を行っている。
【0026】
また、前記第1第1直動軸26a,28a及び第2直動軸30、第2軸20は、前記溶接チップ32a,32bを相互に接離させる駆動軸として機能すると共に、前記溶接チップ32a,32bの相互を図示しないワークを挟んで押圧する加圧軸として機能する。なお、前記旋回軸26b,28bを併用することにより二つの溶接チップ32a,32bは任意の方向から相互に接近し相互を加圧することができる。すなわち、ワークの溶接ポイントの表裏面の軸方向が如何なる方向を向いていても、その方向と一致するように溶接チップ32a,32bを接近させ加圧狭持することができる。また、独立アーム26,28は閉ループを形成しているので、ワーク108(図2参照)を加圧狭持する場合に発生する反力を閉ループ内で吸収可能であり、安定した加圧狭持を行うことができる。
【0027】
なお、前述した第1第1直動軸26a,28a及び第2直動軸30、第2軸20は、モータ駆動や流体圧駆動(油圧や空気圧)のアクチュエータであり、前記第1軸18、第3軸22、第4軸24、旋回軸26b,28bは、モータ駆動のアクチュエータで構成される。そして、図示しない溶接制御部は前記各アクチュエータを所定量制御し、溶接チップ32a,32bを移動させ、溶接ポイントを表裏面から加圧狭持した後、電力供給源から所定量の電力を所定時間供給し溶接を実施する。
【0028】
図2には、図10に示すフランジ108a,108b及び凹部108cを有するワーク108のポイントA〜Eのスポット溶接を行う場合の溶接チップ32a,32bの移動軌跡が示されている。なお、図2は、独立アーム26の移動軌跡をカッコ無しの番号で示し、独立アーム28の移動軌跡は、カッコを付した番号で示した。
【0029】
本実施形態においては、図2に示すように、各溶接チップ32a,32bは個々に移動して独立で各ポイントA〜Eに接近可能なので、溶接チップ32a,32bの加圧方向の選択のためのアーム移動が必要ないため、溶接チップ32a,32bは直接次の溶接ポイントに移動することが可能になる。そのため、最短の移動軌跡を得るために、ワーク108において隣接するポイントを順次溶接する。従って、ポイントの移動は、A,E,C,D,Bの順に符号1〜8で示す順に行われる。同様に、独立アーム28も符号(1)〜(8)で示す順に移動する。
【0030】
先端部の溶接チップ32a,32bの移動は、各軸(アクチュエータ)の動作を組み合わせて行うが、溶接時の溶接チップ32a,32bの加圧は、ポイントA,B,Cの溶接を行う場合は、図3(a)に示すように、第2直動軸30、第2軸20により行い、ポイントE,Dの溶接を行う場合は、図3(b)に示すように、第1直動軸26a,28aにより行う。
【0031】
このように、ワーク108を加圧狭持する独立アーム26,28はワーク108の形状や溶接ポイントに関わらず、姿勢の立て直し動作を行うことなく単独で所定の溶接ポイントに接近することが可能になり、溶接チップ32a,32bを迅速かつ直接的に溶接ポイントに接触させ溶接を行うことができる。また、いずれか一方の独立アーム26,28の移動タイミングを遅延させることによって一方の溶接チップ32a,32bを固定側とし遅延側を移動側とすることが可能であり、従来の溶接用ガンと同様に一方で、ワーク108を支持し他方で位置決め加圧動作を行うことも可能であり、正確かつ安定した溶接を行うことができる。
【0032】
図4(a)〜(c)には、各駆動軸(アクチュエータ)の配置バリエーションや代替バリエーションを示している。図4(a)はベースアーム部12の第1軸18と第2軸20の配置を変更した例であり、図4(b)はベースアーム部12の第3軸22と第4軸24の配置を変更した例である。また、図4(c)は、図1における第2軸20の直動アクチュエータの代替えとして旋回アクチュエータ34に変更した例であり、各駆動軸の組合せ動作により図1の構成と同様に溶接チップ32a,32bを所望の位置に迅速に移動できる。
【0033】
また、図5(a),(b)には、溶接アーム部側の駆動軸(アクチュエータ)のバリエーションが示されている。図5(a)は、前記第2直動軸30の代替えとして、各独立アーム26,28の溶接チップ32a,32bの配置位置直前に前記第2平面上を直動する第2直動軸26c,28cを配置した例である。前記第2直動軸26c,28cを設けることにより、従来の溶接用ガンの顎寸法に相当する寸法を任意に変更することが可能になり、深さの深い筒状部の溶接も容易に行うことが可能になり、さらに汎用性が向上する。なお、第2直動軸26c,28cを設けることにより、溶接の加圧動作は、溶接アーム部14側のみで行うことが可能になる。すなわち、図2において、ポイントA,B,Cの溶接を行う場合、第2直動軸26c,28cを用いて加圧狭持を行い、ポイントD,Eの溶接を行う場合、第1直動軸26a,28aを用いて加圧狭持を行うことができる。このように、溶接直前の動作を溶接アーム部14側のみで行うことにより位置決め動作が容易になると共に、位置決め精度が向上する。なお、従来の溶接用ガンの懐寸法に相当する寸法は第1直動軸26a,28aの調整により行うことができる。
【0034】
ところで、第2直動軸26c,28cによって、十分な加圧力を得るためには、比較的大きなアクチュエータを使用する必要があるため溶接アーム部14の先端部が重くなってシステムのバランスが崩れたり、先端の重量が重いため移動時に慣性によりオーバランする場合がある。この場合、第2直動軸26c,28cには、顎寸法調整用の比較的小さなアクチュエータを使用し、図1の構成と同様に独立アーム26,28の接合部に第2直動軸30を加圧用アクチュエータとして配置してもよい。この場合、溶接アーム部14の先端側の軽量化が可能になり、バランスが安定すると共に、溶接アーム部14が慣性等によりオーバランすることを防止することができる。
【0035】
本実施形態のように、2本の独立アーム26,28が独立に任意の方向から溶接ポイントに接近、接触する場合、如何なる方向から溶接チップ32a,32bが接近しても常に同じ安定した状態で接触させる必要がある。そこで、本実施形態の溶接チップ32a,32bは、図6に示すように、略球体形状を呈している。この場合、溶接チップ32aと溶接チップ32bとの接触はいずれの方向からも同じ状態で行うことが可能になる。つまり、加圧方向の選択のために独立アーム26,28の姿勢立て直しを行わなくても安定した加圧狭持を常に行うことができる。
【0036】
なお、溶接チップ32a,32bの表面を真の球体としてもよいが、管理や取付時の取り扱いが煩雑になるため、例えば、図7(a)に示すように、球体表面を削ってもよい。図7(a)の場合、5面を削った例を示している。なお、接触面は点接触する曲面が望ましく、その曲率半径は40mm程度が好ましい。従って、削り面はR40程度にして、全体としては、複数の曲面を有する形状としている。図7(b)は、さらに削り面を増やし、管理や取り扱いの容易性を考慮しつつ、溶接チップ32a,32bの汎用性を高めた例である。また、図7(c)は、直方体の表面に曲面を貼り付けた構成である。この場合、複数の曲面を有する体溶接チップを容易に作成することができる。
【0037】
このように、溶接チップの表面を略球体とすることで、溶接システムにおいて、多方向からの安定した加圧接触を可能にして、迅速な溶接作用を可能としている。
【0038】
なお、本実施形態において、図1や図4、図5等で示した駆動軸(アクチュエータ)構成は一例であり、溶接アーム部の2本の独立アームの先端に配置した溶接チップを独立に任意の位置に誘導できる構成であれば、その駆動軸構成は適宜選択可能であり、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、溶接チップの略球体形状も一例であり、任意の方向からの接触が常に安定して得られるものであれば、略球体の形状は、適宜選択可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ワークを加圧狭持する独立アームがワークの形状や溶接ポイントに関わらず、単独で所定の溶接ポイントに接近することが可能になり、汎用性が向上すると共に、溶接チップを迅速かつ直接的に溶接ポイントに接触させ溶接を行うことができる。また、溶接チップの形状を略球体形状とすることで、各独立アームの動作により溶接チップが溶接ポイントに対して、互いに任意の方向から接近し接触した場合でも、両溶接チップは、常に同じ安定した状態で接触し、互いを加圧することができるので、加圧方向に関わらず安定した溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の溶接システムの構成を説明する構成概念図である。
【図2】 本発明の実施形態の溶接システムの溶接のための独立アームの移動軌跡を説明する説明図である。
【図3】 本発明の実施形態の溶接システムの溶接の加圧時の動作を説明する説明図である。
【図4】 本発明の実施形態の溶接システムのベースアーム部側の駆動軸のバリエーションを説明する説明図である。
【図5】 本発明の実施形態の溶接システムの溶接アーム部側の駆動軸のバリエーションを説明する説明図である。
【図6】 本発明の実施形態の溶接システムの溶接チップに形状を説明する説明図である。
【図7】 本発明の実施形態の溶接システムの他の形状の溶接チップを説明する説明図である。
【図8】 従来の溶接ロボットの構成概念図である。
【図9】 従来の溶接ロボットに用いる溶接用ガンの構成を説明する説明図である。
【図10】 従来の溶接ロボットのアーム先端部の移動軌跡を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 溶接システム、12 ベースアーム部、14 溶接アーム部、16 多関節アームロボット、18 第1軸、20 第2軸、22 第3軸、24 第4軸、26,28 独立アーム、26a,28a 第1直動軸、26b,28b 旋回軸、30 第2直動軸、32a,32b 溶接チップ、108 ワーク。

Claims (5)

  1. 先端部を所望の位置に誘導可能な少なくとも3軸からなるベースアーム部と、
    3つの軸が略コ字状に連結されてなる2本の独立アームの一端をそれぞれ前記ベースアーム部の先端に接続し、溶接チップを各独立アームの他端に配置し、この一対の溶接チップの相対位置を3軸方向に移動させる直動軸及び旋回軸を各独立アームに備え、ワークの溶接ポイントを前記溶接チップで狭持可能とした溶接アーム部と、
    前記ベースアーム部及び溶接アーム部の各独立アームを個別に駆動して、各独立アームの溶接チップをワークの溶接ポイントに対して接近させ、前記溶接ポイントの表裏面から加圧狭持させ溶接を行わせる溶接制御部と、
    を含み、
    前記溶接チップを略球体形状とし、
    前記溶接チップによる加圧方向の選択のために前記溶接アーム部の姿勢を前記ベースアーム部によって立て直すことなく、溶接チップを一端に備える軸の軸方向がワークの溶接面の法線方向と異なる姿勢で、一対の溶接チップが溶接ポイントを挟み、ワークの溶接面の法線方向に対向した状態で、前記溶接ポイントの表裏面から加圧狭持できるようにしたことを特徴とする溶接システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記ベースアーム部は、
    さらに、先端部の傾き姿勢調整用の駆動軸を有することを特徴とする溶接システム。
  3. 請求項1または請求項2記載のシステムにおいて、
    前記溶接アーム部の略コ字状の各独立アームは、
    一端に溶接チップを備える軸の他端に略直交して連結された軸を軸方向に直動動作させる第1直動軸と、当該第1直動軸をこの第1直動軸の動作平面上で旋回動作させる旋回軸と、を有し、
    両独立アームは、前記第1直動軸と直交する方向に直動動作する第2直動軸によって接続され、
    前記第1直動軸、第2直動軸、旋回軸は独立アーム先端の位置決め軸及び各独立アーム先端を互いに加圧する加圧軸として機能することを特徴とする溶接システム。
  4. 請求項1または請求項2記載のシステムにおいて、
    前記溶接アーム部の略コ字状の各独立アームは、
    一端に溶接チップを備える軸の他端に略直交して連結された軸を軸方向に直動動作させる第1直動軸と、当該第1直動軸をこの第1直動軸の動作平面上で旋回動作させる旋回軸と、前記溶接チップを前記第1直動軸の動作方向と直交する方向に直動動作させる第2直動軸を有し、
    前記第1直動軸、第2直動軸、旋回軸は独立アーム先端の位置決め軸及び各独立アーム先端を互いに加圧する加圧軸として機能することを特徴とする溶接システム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシステムにおいて、
    前記溶接チップは、複数の曲面を結合して形成することを特徴とする溶接システム。
JP29629498A 1998-10-19 1998-10-19 溶接システム Expired - Fee Related JP3648393B2 (ja)

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