JP2008290149A - 自動スポット溶接装置 - Google Patents

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慎也 加藤
Shinji Uchida
真二 内田
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Abstract

【課題】溶接ガンの移動と被溶接物の移動とを同時に行わせて、溶接ガンの待機時間を短くするとともに、移動機構を単純なものとして安価に構成できる自動スポット溶接装置を提供すること。
【解決手段】自動スポット溶接装置1では、溶接ガン支持手段2は、スポット溶接ガン3の横移動に追従して移動するロック54と、ロック54が当接してその横移動を停止させるブロック133と、スポット溶接ガン3が停止したことを検知する検知手段134と、を備え、スポット溶接ガン3は、ピストンロッド302の上端にロック54と当接可能に設けられ、ピストンロッド302下降時にはロック54の上面に当接した際、上方に回動してピストンロッド302の下降を許容し、加圧終了後のピストンロッド302上昇時にはロック54を跳ね上げて、ロック54とブロック133との当接を解除する解除手段30を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動的に所定の複数の位置をスポット溶接する自動スポット溶接装置に関し、特に、スポット溶接ガンとワークの移動による打点位置の制御機構を簡素化した自動スポット溶接装置に関する。
自動車車体の製造には、その所定の位置を自動的に検出してスポット溶接する自動スポット溶接が採用されている。大物部品同士あるいはボディ組立工程では所定の位置を溶接するようにティーチングされた溶接ロボットが採用されている。
一方、中・小物部品同士のスポット溶接には、図22に示すような小型の自動スポット溶接装置9が使われている。この従来の小型の自動スポット溶接装置9は、スポット溶接ガン93とワークWとを相対的に移動させながら所定の位置にスポット溶接するもので、(i)ワークWを横方向に移動させるためにサーボモータ等により駆動される横移動機構95と、(ii)ワークWを前後方向に移動させるためにサーボモータ等により駆動される前後移動機構97と、(iii)これら(i)と(ii)の位置を制御する制御機構99と、(iv)溶接位置の認識機構901、ならびに(v)溶接後の再起動機構902等を必要とするものであった。
上記により使用されるサーボモータは高価であり、これによる位置関係を制御するための制御機構やソフトを必要とし、これも高価であるとともに、このソフトによるティーチング作業も不可欠であるなど、従来の小型の自動スポット溶接装置9は機構が複雑で高価な設備とならざるを得なかった。
そこで、汎用性が高く、簡単な構成で設備費を安くした自動スポット溶接装置が特許文献1に提案されている。この特許文献1に記載の技術は、被溶接物を回動させ、この被溶接物の回動をカム機構により溶接ガンに伝達してその位置・姿勢を調整して、複数の打点の溶接を順次自動的に行うようにしたものである。
実開平1−151984号公報
ところが、この特許文献1に記載の自動スポット溶接装置は、被溶接物を回動させるため、ドアなどのように周囲をスポット溶接するものには都合がいいが、溶接位置が横方向にあり、かつ、前後方向に出入りがあるような場合には、回動では前後の移動距離が大きくとれず適当ではない。
また、溶接ガンは、前後の出入りとカムによる僅かな首振りとが可能になっているだけのため、溶接ガンの移動範囲が限られ、上記被溶接物の回動と組み合わせても対象となる被溶接物が限られ、汎用性の高い溶接装置とすることは困難であった。
さらに、1点の溶接が終了すると被溶接物が回動して、次の溶接点が溶接ガンに到着するまで溶接ガンが待機しなければならないため、時間の無駄が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、溶接ガンの移動と被溶接物の移動とを同時に行わせて、溶接ガンの待機時間を短くするとともに、移動機構を単純なものとして安価に構成できる自動スポット溶接装置を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1に記載の自動スポット溶接装置は、加圧シリンダを縦向きにしたスポット溶接ガンと、該スポット溶接ガンをアクチュエータにより横方向に移動可能に支持する溶接ガン支持手段と、該スポット溶接ガンに対峙してワークを載置するワーク支持手段とを備えた自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン支持手段は、前記スポット溶接ガンの横移動に追従して移動するロックと、該ロックが当接してその横移動を停止させるブロックと、該スポット溶接ガンが停止したことを検知する検知手段と、を備え、前記スポット溶接ガンは、その加圧シリンダのピストンロッドの上端に前記ロックと当接可能に設けられ、ピストンロッド下降時には前記ロックの上面に当接した際、上方に回動してピストンロッドの下降を許容し、加圧終了後のピストンロッド上昇時には前記ロックを跳ね上げて、前記ロックと前記ブロックとの当接を解除する解除手段を備えたことを特徴とする。
よって、スポット溶接ガンの横方向の移動・停止を、スポット溶接ガンの加圧シリンダの上昇・下降に連動させて行うため、制御機構やティーチングが不要な安価な装置とすることができる。
また、本発明に係る請求項2に記載の自動スポット溶接装置は、請求項1に記載の自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン支持手段にはカムが設けられ、前記ワーク支持手段には、前記カムと係合し、前記スポット溶接ガンの横移動に従動して前記ワーク支持手段を前後方向に移動可能にするカム板を備えたことを特徴とする。
よって、スポット溶接ガンの横移動の動力を利用してワーク支持手段を前後方向に移動させるので、スポット溶接ガンの横移動の動力源を設けるだけでよく、機構の単純なスポット溶接装置を構成することができる。
また、スポット溶接ガンの横移動中にワーク支持手段も前後方向に移動するので、スポット溶接ガンの待ち時間が少なく、効率よくスポット溶接作業を行うことができる。
また、本発明に係る請求項3に記載の自動スポット溶接装置は、請求項1に記載の自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン支持手段のアクチュエータならびに加圧シリンダにはエアシリンダが備えられ、前記検知手段により前記ロックと前記ブロックが当接していることを検知すると工場エアが加圧シリンダに供給され、前記解除手段により前記ロックと前記ブロックの当接が解除されると前記溶接ガン支持手段のエアシリンダに工場エアが供給されるように、エア供給先が切り替えられることを特徴とする。
よって、加圧シリンダが作動しているときはこの加圧シリンダに工場エアが供給され、溶接ガン支持手段のエアシリンダには工場エアが殆ど供給されないため、溶接が終了して加圧シリンダへのエア供給が止まるとガン支持手段のエアシリンダに供給され、これにより溶接ガンが横移動するが、急激な動きにはならず、ガン支持手段を徐々に移動させることができる。
他の解決手段である本発明の自動スポット溶接装置は、以下の特徴を有して構成されている。
すなわち、本発明に係る請求項4に記載の自動スポット溶接装置は、複数の被溶接部材を挟み込んでスポット溶接する溶接ガンと、該溶接ガンを支持する溶接ガン支持手段と、軌跡に倣って溶接ガン支持手段をスライドさせる溶接ガンスライド手段と、を備えた自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン支持手段は、前記溶接ガンを固着すると共に、回転可能に軸支された溶接ガン取付部材を有し、前記溶接ガンスライド手段により前記溶接ガン取付部材を所定角度の範囲で傾斜させる溶接ガン傾斜手段と、前記溶接ガン傾斜手段の傾斜角を変更させる溶接ガン傾斜角変更手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の自動スポット溶接装置は、溶接ガン支持手段は、溶接ガンを固着すると共に、回転可能に軸支された溶接ガン取付部材を有し、溶接ガンスライド手段により溶接ガン取付部材を所定角度の範囲で傾斜させる溶接ガン傾斜手段と、溶接ガン傾斜手段の傾斜角を変更させる溶接ガン傾斜角変更手段と、を備えているので、例えば、溶接ガンで溶接する溶接予定部位が、湾曲した形態の被溶接部材の表面上で複数個所に点在する場合において、溶接ガンスライド手段により溶接ガン支持手段をスライドさせながら、溶接ガンにより複数の溶接予定部位を連続で溶接するとき、溶接ガン傾斜角変更手段は、被溶接部材の曲面形状に対応しながら溶接ガン傾斜手段の傾斜角を変更する。これにより、溶接ガン取付部材は、溶接ガン傾斜手段によって被溶接部材の曲面形状に対応して傾斜するようになる。そして、この溶接ガン取付部材は溶接ガンを固着しているので、溶接ガンは、溶接ガン傾斜手段によって被溶接部材の曲面形状に対応して傾斜するようになる。
これにより、溶接予定部位が、被溶接部材の曲面上に存在しても、本発明の自動スポット溶接装置では、溶接ガンは、被溶接部材の表面に対し、その垂直方向から複数の被溶接部材を挟み込むことができ、適切なスポット溶接が可能となる。
また、本発明に係る請求項5に記載の自動スポット溶接装置は、請求項4に記載の自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン取付部材は、第1回転軸に回転可能に軸支され、前記溶接ガン傾斜手段は、前記第1回転軸を通る鉛直軸線上に位置する第2回転軸に回転可能に軸支され、前記溶接ガン支持手段のスライド時に、前記溶接ガン傾斜角変更手段が前記溶接ガン傾斜手段に接触して、前記溶接ガン傾斜手段を前記第2回転軸を軸心に一方向に回転させることにより、前記第1回転軸を軸心に、前記溶接ガン取付部材を他方向に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする。
本発明の自動スポット溶接装置では、溶接ガン取付部材は、第1回転軸に回転可能に軸支され、溶接ガン傾斜手段は、第1回転軸を通る鉛直軸線上に位置する第2回転軸に回転可能に軸支され、溶接ガン支持手段のスライド時に、溶接ガン傾斜角変更手段が溶接ガン傾斜手段に接触して、溶接ガン傾斜手段を第2回転軸を軸心に一方向に回転させることにより、第1回転軸を軸心に、溶接ガン取付部材を他方向に回転させて傾斜させるので、溶接ガン取付部材の傾斜角及び回転方向は、溶接ガン支持手段のスライドによる、溶接ガン傾斜角変更手段と溶接ガン傾斜手段との接触に基づいて、調節できる。
このため、曲面上に点在する溶接予定部位を連続で溶接するにあたり、溶接ガン取付部材に固着する溶接ガンは、溶接ガン支持手段のスライドにより被溶接部材と相対的に移動して、被溶接部材の面形状に対応して傾斜することができる。
また、本発明に係る請求項6に記載の自動スポット溶接装置は、請求項4に記載の自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン取付部材は、回転軸に回転可能に軸支され、前記溶接ガン傾斜手段は、上下動可能に形成され、上下動の動作を左右方向の動作に変換するカム面を有し、前記溶接ガン傾斜角変更手段は、前記溶接ガン取付部材に対する傾斜角及び回転方向に対応した傾きと高さで形成された倣い面を有し、前記溶接ガン支持手段のスライド時に、前記溶接ガン傾斜手段を、前記倣い面に沿って移動して上下動させ、前記カム面により、前記溶接ガン取付部材を、前記回転軸を軸心に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする。
本発明の自動スポット溶接装置では、溶接ガン取付部材は、回転軸に回転可能に軸支され、溶接ガン傾斜手段は、上下動可能に形成され、上下動の動作を左右方向の動作に変換するカム面を有し、溶接ガン傾斜角変更手段は、溶接ガン取付部材に対する傾斜角及び回転方向に対応した傾きと高さで形成された倣い面を有し、溶接ガン支持手段のスライド時に、溶接ガン傾斜手段を、倣い面に沿って移動して上下動させ、カム面により、溶接ガン取付部材を、回転軸を軸心に回転させて傾斜させるので、溶接ガン取付部材の傾斜角及び回転方向は、溶接ガン支持手段のスライドによる、溶接ガン傾斜手段の溶接ガン傾斜角変更手段の倣い面に沿った移動により、調節できる。
このため、曲面上に点在する溶接予定部位を連続で溶接するにあたり、溶接ガン取付部材に固着する溶接ガンは、溶接ガン支持手段のスライドにより被溶接部材と相対的に移動して、被溶接部材の面形状に対応して傾斜することができる。
また、本発明に係る請求項7に記載の自動スポット溶接装置は、請求項6に記載の自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン取付部材は、転動可能な複数の溶接ガン取付部転動部材を有し、前記溶接ガン傾斜手段は、前記回転軸を通る鉛直方向の軸線を境とする両側に、配設される2つの溶接ガン傾斜角調節部材を有し、前記各溶接ガン傾斜角調節部材は、それぞれ前記カム面を有し、互いに独立した動作で上下動可能に配設され、前記複数の溶接ガン取付部転動部材が、各々の前記溶接ガン傾斜角調節部材のカム面に接地して転動することにより、前記溶接ガン取付部材を、前記回転軸を軸心に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする。
本発明の自動スポット溶接装置では、溶接ガン取付部材は、転動可能な複数の溶接ガン取付部転動部材を有し、溶接ガン傾斜手段は、回転軸を通る鉛直方向の軸線を境とする両側に、配設される2つの溶接ガン傾斜角調節部材を有し、各溶接ガン傾斜角調節部材は、それぞれカム面を有し、互いに独立した動作で上下動可能に配設され、複数の溶接ガン取付部転動部材が、各々の溶接ガン傾斜角調節部材のカム面に接地して転動することにより、溶接ガン取付部材を、回転軸を軸心に回転させて傾斜させるので、回転軸を通る鉛直方向の軸線を境とする両側で、それぞれの溶接ガン傾斜角調節部材が独立した動作で上下動する。これにより、各々の溶接ガン傾斜角調節部材のカム面に接地する溶接ガン取付部転動部材を介して、溶接ガン取付部材を回転させる回転力が前記両側から作用するようになる。このため、溶接ガン取付部材は、回転軸を中心に、前記両側からの回転力によりバランスのとれた適切な傾斜角で傾斜することができる。
また、溶接ガン傾斜角調節部材が上下動するストロークについて、溶接ガン傾斜角変更手段の倣い面の高さを適切に調整するだけで、溶接ガン取付部材は、より適切な傾斜角で傾斜することができ、ひいては溶接ガンを、溶接予定部位が位置する被溶接部材の面形状に対応した傾斜角に適切に傾斜させることができる。
さらに、本発明に係る請求項8に記載の自動スポット溶接装置は、請求項4に記載の自動スポット溶接装置において、前記溶接ガン取付部材は、回転軸に回転可能に軸支され、前記溶接ガン傾斜手段は、前記溶接ガン取付部材と一体に配設されており、前記溶接ガン傾斜角変更手段は、前記溶接ガン取付部材に対する傾斜角及び回転方向に対応した傾きと高さで形成された倣い面を有し、前記溶接ガン支持手段のスライド時に、前記溶接ガン傾斜手段を前記倣い面に沿って移動させることにより、前記溶接ガン取付部材を、前記回転軸を軸心に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする。
本発明の自動スポット溶接装置では、溶接ガン取付部材は、回転軸に回転可能に軸支され、溶接ガン傾斜手段は、溶接ガン取付部材と一体に配設されており、溶接ガン傾斜角変更手段は、溶接ガン取付部材に対する傾斜角及び回転方向に対応した傾きと高さで形成された倣い面を有し、溶接ガン支持手段のスライド時に、溶接ガン傾斜手段を倣い面に沿って移動させることにより、溶接ガン取付部材を、回転軸を軸心に回転させて傾斜させるので、溶接ガン取付部材の傾斜角及び回転方向は、溶接ガン支持手段のスライドによる、溶接ガン傾斜手段の溶接ガン傾斜角変更手段の倣い面に沿った移動により、調節できる。
このため、曲面上に点在する溶接予定部位を連続で溶接するにあたり、溶接ガン取付部材に固着する溶接ガンは、溶接ガン支持手段のスライドにより被溶接部材と相対的に移動して、被溶接部材の面形状に対応して傾斜することができる。
また、本発明の自動スポット溶接装置では、溶接ガンを傾斜させる構造がより簡単になる。
本発明の自動スポット溶接装置によれば、スポット溶接ガン支持手段の横移動のロック、アンロックをスポット溶接ガンの上下動により行い、また、スポット溶接ガン支持手段の横移動の動力によりワークを前後方向に移動させるので、単純な機構で安価な装置とすることができ、また、スポット溶接ガンの待機時間を少なくすることができる。
次に、本発明に係る自動スポット溶接装置の一の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態の自動スポット溶接装置は、自動車車体のボディ製造工程に設けられたものである。
ここで、図1は、自動スポット溶接装置の全体を示した斜視図であり、図2は、その側面図である。
なお、以下の説明で、「左右」とは本装置を正面から見てスポット溶接ガンが移動する方向をいい、「前後」とはワークがスポット溶接ガンに対向して移動する方向をいい、ワークがスポット溶接ガンから離れる方向を「前方」という。「前部」、「後部」もこれに準ずる。
自動スポット溶接装置の構成について説明する。自動スポット溶接装置1は、図1に示すように、スポット溶接ガン3を移動可能に支持する溶接ガン支持手段2と、ワークWを載置するワーク支持手段6とを備えている。
溶接ガン支持手段2は、固定フレーム4と可動フレーム5とを備えている。
なお、図1ではスポット溶接ガン3がワークWを溶接できる状態を示しているが、ワークWの記載を省略してある。
固定フレーム4は、図2乃至図3に示すように、左右方向の略中央部で最後部に立設した角パイプ製の第1縦フレーム11と、該第1縦フレーム11と交差する水平方向に4本の角形断面のアングル材で矩形に形成され、該第1縦フレーム11の上端前面に後部を固定された上枠13と、同じく第1縦フレーム11の前面に固定され、該上枠13の下方で左右に水平に配置されたアッパレール20と、同じく第1縦フレーム11の前面に固定され、後述するワーク支持手段6のベースプレート60より若干高い位置で左右に水平に配置されたロアレール40とを備えている。
さらに、固定フレーム4は、図2の側面図に示すように、スポット溶接ガン3の下方で、工場床面に垂直に立設された角パイプ製の第2縦フレーム16と、該第2縦フレーム16の上端に中央部が固定され、左右方向に延びる角パイプ製の下枠15と、該下枠15の左右端上面に取り付けられた前後方向に延びるレール枠172と、該レール枠172の上面で左右のレール枠172を橋渡しするレールベース171と、該レールベース171上に前後方向に敷設されたレール17とを備えている。
そして、レールベース171の下面と前記第1縦フレーム11の左右面とをL字状断面のアングル材からなるステー173で接続し補強している。
可動フレーム5は、上部後面で前記アッパレール20に係合して左右に移動可能なガン支持ローラ56に支持され、下端でロアレール40の前面に係合して転動する水平ローラ552と下面に係合して転動する垂直ローラ553により支持されるように立設された角パイプ製の移動フレーム50と、該移動フレーム50の、前記ガン支持ローラ56と反対側の前面に取り付けられたガン保持ブラケット52と、該ガン保持ブラケット52から前方に延びるガン保持アーム53とを備えている。
スポット溶接ガン3は、固定溶接チップの先端が上向きとなるように倒立させ、加圧シリンダ301を縦向きにしたC型ガンで、該加圧シリンダ301の左右両面で前記ガン保持アーム53により狭持されて前記移動フレーム50に保持されている。
次に、ワーク支持手段6は、スライダ63を介して前記レール17上を前後方向に移動可能に支持されたベースプレート60と、該ベースプレート60の上面前端に立設されたワーク支持台61と、該ワーク支持台61に取り付けられたワーク押さえ治具62と、ベースプレート60の後部に重合され、カム溝71(図8、図9)を有するカム板70とを備えている。
これらの構成部材をさらに詳しく説明する。上枠13は、その内部から前述した移動フレーム50の上端が突出可能で、かつ、該移動フレーム50が横方向に移動可能な幅を有している。
上枠13の前面には略全幅にわたって、移動フレーム50の上端に設けられた後述するロック54を案内するガイド板132が取り付けられている。
該ガイド板132の、前記上枠13と反対側の前面には、図3に示すように、スポット溶接の打点位置に対応した位置に、複数のブロック133と検知手段134が組み合わされて取り付けられている。
移動フレーム50の上端には、図4、図5に示すように、ピン542により上下方向に回動可能に、かつ、前記ガイド板132に被さるようにロック54が支持されている。ロック54の下面には、前記ガイド板132の前面に設けたブロック133と検知手段134とに当接可能なストッパ541が下向きに突出して設けられている。
なお、ストッパ541の下端には、図6に示すように、溶接終了後、スポット溶接ガン3が戻る(図3の正面図で右から左に移動する)ときに、該ストッパ541がブロック133及び検知手段134の上部の、右側面に設けられた傾斜面133a,134aと当接して該ストッパ541が上方に回動するように、左側面に傾斜面541aが設けられている。
一方、スポット溶接ガン3の加圧シリンダ301から上方に突出するピストンロッド302には、図4、図5に示すように、前記ロック54と当接可能に設けられ、ピストンロッド302の下降時には前記ロック54の上面に当接した際、上方に回動してピストンロッド302の下降を許容し、加圧終了後のピストンロッド302の上昇時には前記ロック54を跳ね上げて、前記ロック54と前記ブロック133または検知手段134との当接を解除する解除手段30が設けられている。
解除手段30は、ピストンロッド302の半周を囲む状態で該ピストンロッド302に固定され、ロック54に向かって延びるU字状断面のアーム31と、該アーム31の両腕の間でピン311により水平より上方に回動可能に支持されたレバー32とを備えている。
レバー32が水平の時の先端は、前記ロック54の先端と重合する関係の距離にあり、かつ、ピストンロッド302の上昇によりレバー32が上昇してロック54と当接し、ストッパ541がブロック133から離脱するまでロック54を上方に回動させ、その後、ロック54の先端から解放されるように設定されている。
アッパレール20ならびにこのアッパレール20に係合するガン支持ローラ56は、移動フレーム50やスポット溶接ガン3等の重量、ならびにスポット溶接時の加圧シリンダ301の反動を受けてこれらに耐えられるように、大型の構造を有している。ガン支持ローラ56はアッパレール20に対して上下と前後方向が規制され、左右方向に揺動可能になっている。
アッパレール20のすぐ下部で、第1縦フレーム11と移動フレーム50との間には、該移動フレーム50ひいてはスポット溶接ガン3を左右方向に移動させる動力源としてのアクチュエータ25が取り付けられている。
アクチュエータ25は、本実施の形態ではエアタイプのロッドレスシリンダが使用され、その駆動部に連結部材251を介して移動フレーム50が連結されている。
移動フレーム50の下端前面には、図7に示すように、L字状のブラケット551を介してカム55が取り付けられている。カム55は、ベアリング用のカムフォロアであり、後述するカム板70のカム溝71に係合し、アクチュエータ25による移動フレーム50の左右方向の移動により、カム板70を前後方向に移動させるものである。
カム板70は、図8、図9に示すように、前半部をベースプレート60の上面に重合され、後半部に終端のないカム溝71が形成された厚鋼板製のものである。
カム溝71は、平面形状が略台形のもので、始点Aから斜め右前方向に傾斜しながらB点に至り、該B点からスポット溶接ガン3の横移動方向と略平行に形成されてC点に至り、該C点から斜め右後方に傾斜しながらD点に至り、該D点からスポット溶接ガン3の横移動方向と平行に形成されてA点に至る閉ループ状に形成されている。
つぎに、ワーク支持手段6を構成するワーク支持台61は、ベースプレート60の上面前端に左右に所定間隔をおいて立設され、上端に載置されたワークWを、後述のワーク押さえ治具62とで狭持するように厚板で形成されている。
ワーク支持手段6を構成するワーク押さえ治具62は、ワーク支持台61に近接してベースプレート60上に立設されたステー621と、該ステー621の高さ方向中間位置で回動可能に支持されたシリンダー624と、前記ステー621の上端で回動可能に支持され、一端に前記ワーク支持台61の上端とでワークWを狭持するホルダー623が設けられ、他端が前記シリンダー624のピストンロッドに接続されたリンク622とを備えている。
つぎに、スポット溶接ガン3や移動フレーム50ならびにワーク支持手段6等を移動させるアクチュエータ25と、スポット溶接ガン3の加圧シリンダ301とにエアを供給する構造について説明する。
図10に示すように、工場のエア1次配管80から分岐点801で分岐して、移動用エア配管81がアクチュエータ25に接続され、加圧用エア配管82がバルブ83を介して加圧シリンダ301に接続されている。
また、検知手段134の信号が配線84を介してバルブ83に伝達されるようになっている。
以上のように構成された自動スポット溶接装置1の作用について説明する。まず、後述するようにスポット溶接が終了して移動フレーム50ならびにスポット溶接ガン3がアクチュエータ25により、図8(A)に示すように、D点からE点に帰り、さらに左方に移動して、図8(B)に示すように、カム板70を引き込みながらカム溝71のA点に入って待機する。
このとき、図3に示すように、移動フレーム50はアッパレール20の左端にあり、ワーク支持台61にワークWを載置可能な状態にある。また、スポット溶接ガン3の溶接チップは図8(B)の(イ)の位置にある。そして、工場エアはバルブ83が閉じているので移動用配管81に供給されているが、図略のバルブによりまだアクチュエータ25には供給されていない。
また、ロック54は、その自重により、ガイド板132に略垂直の状態で当接し、ストッパ541がブロック133の側面に当接している。一方、ピストンロッド302が上昇端にあるため、図5に示すように、レバー32がロック54より上方の位置で待機している。
また、ワーク支持手段6のシリンダ624のピストンロッドを短縮させて、リンク622が開いた状態、すなわち、リンク622の先端のホルダ623がワーク支持台61から離れた状態にしておく。
このような初期状態にある自動スポット溶接装置1のワーク支持台61にワークWを載置し、シリンダ624のピストンロッドを伸張させてリンク622を閉じ、ホルダ623とワーク支持台61の上端とによりワークWを狭持し、ワークWをワーク支持手段6に固定する。
つぎに、図略のバルブを用いてアクチュエータ25に工場エアを供給して移動フレーム50を右方向に移動させる。すると、カム55がカム溝71のA点から出て、B点に向かう斜面に当たり、この斜面をB点に向かって相対的に移動する。するとカム板70延いてはワーク支持手段6が後方に移動し、スポット溶接ガン3によるスポット溶接が可能な位置に至る。
移動フレーム50が右方向に移動して、ロック54のストッパ541が最初のブロック133に当接すると、図9(A)に示すように、スポット溶接ガン3が所定のスポット溶接位置(ハ)に停止する。そして、検知手段134によりスポット溶接ガン3の停止を検知し、その信号によりバルブ83を開き、加圧用エア配管82に供給されていた工場エアが加圧シリンダ301に供給され、スポット溶接時の加圧が可能な状態となる。
工場エアが加圧シリンダ301に供給されている間は、加圧シリンダ301はアクチュエータ25よりはるかに大きな容量を有するので、工場エアは殆どアクチュエータ25に供給されない。
そして、溶接制御装置8により加圧シリンダ301を作動させてピストンロッド302を下降させると、図5の(e)の位置にある解除手段30も下降してレバー32の先端がロック54の先端に当接し、レバー32がロック54に当接しながらピン311を中心として上方に回動し、位置(f)を経由してロック54から外れる位置(g)に至る。さらにピストンロッド302が下降するとレバー32が元の水平な状態に戻り位置(h)で止まる。
このように、解除手段30の下降時にはレバー32が上方に回動して、ピストンロッド302の下降を妨げない。
そして、ピストンロッド302の下降により上下の溶接チップがワークWを狭持し、そこに溶接電流を通電すると位置(ハ)にスポット溶接が行われる。
スポット溶接終了後、バルブ83を切り替えて加圧シリンダ301への工場エアの供給を停止すると、工場エアは、移動用エア配管81を通ってアクチュエータ25に供給される。加圧シリンダ301内の工場エアは排気され、ピストンロッド302が上昇する。
ピストンロッド302が上昇すると、図4に示すように、解除手段30が位置(a)から上昇し、位置(b)でレバー32の上面がロック54の下面に当接する。
さらに上昇を続けるとレバー32がロック54を、ピン542を回動中心として上方に回動させ、やがて位置(c)でストッパ541がブロック133との当接状態から外れる。すると、アクチュエータ25により移動フレーム50やスポット溶接ガン3が押されて右方向に移動する。
これらが右方向に移動しながらピストンロッド302がさらに上昇を続けると、レバー32がロック54から外れ(位置(d))、ロック54が自重で下方に回動し、ストッパ541が次のブロック133に当接可能な状態となり、移動を続けると次のブロック133に当接して次のスポット溶接位置(ニ)で停止する。
そして、検知手段134によりスポット溶接ガン3の停止を検知し、その信号によりバルブ83を開き、加圧用エア配管82に供給されていた工場エアが加圧シリンダ301に供給され、スポット溶接時の加圧が可能な状態となり、次のサイクルが開始される。
上記のサイクルを複数回繰り返しながら位置(ホ)、(ヘ)でスポット溶接を行い、図9(B)に示す最後の打点位置(ト)でスポット溶接を行い、ストッパ541とブロック133の当接を解除すると、移動フレーム50がアクチュエータ25によりさらに右方に移動し、カム55がカム溝71のC点を通り、右方に移動する。
カム55が右方に移動すると、カム溝71のC点からD点が傾斜しているので、カム板70が前方に押されるように移動し、カム55がD点に至る。これによりワークWがスポット溶接位置から離れて取り出し可能な位置に停止する。
カム55がD点に到達すると、検知手段134によりアクチュエータ25が移動フレーム50を左方に移動させる。このとき、ロック54は自重で下方に回動した状態であるが、図6に示すように、ストッパ541が矢印の左方に移動するときに傾斜面541aが傾斜面134a、傾斜面133aに当接し、ストッパ541を上方に回動させながら移動する。
そして、カム55はD点からE点に至り、さらにA点に入って停止する。
カム55がD点からE点を経由してA点に移動している間に、ワーク支持手段6のシリンダ624を作動させて、ワーク支持台61とホルダ623とによるワークWの狭持を解除して、ワークWを取りだし、次のワークWをセットする。
以上により、自動スポット溶接装置1によりワークWへのスポット溶接作業が終了する。
(第2の実施形態)
次に、本実施形態2に係る自動スポット溶接装置1000について、図11〜図16を用いて説明する。図11は、第2の実施形態に係る自動スポット溶接装置1000を示す平面図であり、図12は、自動スポット溶接装置1000の側面図である。
前述の実施形態の実施例に係る自動スポット溶接装置1では、スポット溶接ガン3を支持する溶接ガン支持手段2を、アクチュエータ25により横方向(Y軸方向)に移動可能に構成した。また、スポット溶接ガン3を、前後方向(X軸方向)に平行な軸に対し、回転不可の構造で構成した。
これに対し、本実施形態2に係る自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン支持手段1050は、溶接ガンスライド手段1020により、所定の軌跡に倣って、X軸方向及びY軸方向にスライドする構成となっている。また、溶接ガン1010は、X軸方向に平行な軸(第1回転軸1051)に対し、回転可能に構成されている。
しかしながら、本実施形態2の自動スポット溶接装置1000は、縦向きの加圧シリンダとC型ガンタイプの溶接ガンを具備している点、自動車車体のボディ製造工程に用いるスポット溶接装置である点等で、前述した実施形態の自動スポット溶接装置1と同様である。
なお、以下の説明では、図11及び図12において、左右方向をX軸方向とし、図中右方を+X側、図中左方を−X側とする。また、図11において、上下方向をY軸方向とし、図中上方を+Y側、図中下方を−Y側とする。同様に、図12において、上下方向をZ軸方向とし、図中上方を+Z側、図中下方を−Z側とする。
自動スポット溶接装置1000は、図11及び図12に示すように、溶接ガン1010、溶接ガン制御装置1011、ワーク載置部1016、溶接ガンスライド手段1020、溶接ガン装着手段1040及び溶接ガン傾斜角変更手段1090等から構成されている。この溶接ガン装着手段1040はさらに、溶接ガン支持手段1050及び溶接ガン傾斜手段1070からなる(図14参照)。
この自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン1010は、溶接ガン装着手段1040のうちの溶接ガン支持手段1050に取付けられている。この溶接ガン装着手段1040は、後に詳述する溶接ガンスライド手段1020の駆動部1021と一体に固着され、この溶接ガンスライド手段1020の動作により、溶接ガン1010と共に、X軸方向及びY軸方向にスライド可能に構成されている(図1参照)。
この溶接ガン1010は、ワーク載置部1016に載置したワークW(被溶接部材)の一部と他のワーク(図示せず)とをZ軸方向に挟み込んでスポット溶接する。溶接ガン1010は、支柱部1015に設置された溶接ガン制御装置1011と配線により電気的に接続されている。また、この支柱部1015には、図12に示すように、溶接ガンスライド手段1020が取付けられている。
溶接ガンスライド手段1020について、図11及び図12を用いて説明する。
この溶接ガンスライド手段1020は、駆動部1021、アクチュエータ1022、カム1023及びカム板1024等から構成されている。
アクチュエータ1022は、本実施形態2では、油圧シリンダである。駆動部1021は、このアクチュエータ1022の駆動によりY軸方向に移動可能になっている。駆動部1021には、Z軸方向に平行な回転軸を軸心に回動可能なカム1023が軸支されている。カム板1024は、X軸方向及びY軸方向に延伸した平板であり、図11に示す形状に形成された軌跡PRを板内に有している。
この軌跡PRは、図11に示すように、X軸方向及びY軸方向に延設された環状の経路となっており、軌跡PRのうち、Y軸方向に沿う経路の一部は、Y軸と平行な直線状に形成されているものの、X軸方向に沿う経路の一部が、X軸と平行な直線状に形成されているところは存在しない。
具体的には、軌跡PRは、本実施形態2では、Y軸方向に沿った直線状で、+X側にある第1軌跡部PR1から反時周り方向に順に、図11中、右下−左上方向に延びた第2軌跡部PR2、第1軌跡部PR1と平行な第3軌跡部PR3と第5軌跡部PR5、第3軌跡部PR3と第5軌跡部PR5とを結ぶ略V字型の第4軌跡部PR4、及び、図11中、左下−右上方向に延びた第6軌跡部PR6からなる。第2軌跡部PR2、第4軌跡部PR4及び第6軌跡部PR6は、カム1023がアクチュエータ1022の駆動によりY軸方向の移動に伴うX軸方向の動作成分によってX軸方向にも移動できる形態に、形成されている。
これにより、アクチュエータ1022をY軸方向に駆動するだけで、カム1023が、カム板1024のカム面1024aに沿って軌跡PRを移動し、駆動部1021と一体に固着した溶接ガン支持手段1050は、軌跡PRに倣ってX軸方向及びY軸方向にスライドできる。
次に、溶接ガン装着手段1040について、図13〜図16を用いて説明する。
図13は、自動スポット溶接装置1000の要部を示す側面図である。図14及び図15は、溶接ガン装着手段1040及び溶接ガン傾斜角変更手段1090を、−X軸側から+X軸側に向けて見たときの図であり、溶接ガン取付部材1052の動作を説明するための説明図である。
前述したように、溶接ガン装着手段1040は、溶接ガン支持手段1050及び溶接ガン傾斜手段1070からなり、溶接ガン支持手段1050は、溶接ガンスライド手段1020の駆動部1021と一体に固着されている。
溶接ガン支持手段1050は、図14及び図15に示すように、X軸方向に平行な第1回転軸1051と、この第1回転軸1051に回転可能に軸支された溶接ガン取付部材1052と、フレーム1060とからなる。
第1回転軸1051は、溶接ガンスライド手段1020の駆動部1021と一体に固着されたロ字型形状のフレーム1060に取付けられている。また、溶接ガン取付部材1052は、本実施形態2では、コ字型形状のアーム部材1053と平板状のガン取付板材1059とからなる。アーム部材1053は、先端側に第1係合部1056が形成された第1アーム1055、この第1アーム1055に対向し、先端側に第2係合部1058が形成された第2アーム1057、及び、第1,第2アーム1055,1057を繋ぐ連結部1054からなる。ガン取付板材1059は、アーム部材1053の第1,第2アーム1055,1057と一体に固着しており、このガン取付板材1059には、溶接ガン1010が固定されている。アーム部材1053の連結部1054は、第1回転軸1051に軸支されており、溶接ガン取付部材1052は、第1回転軸1051を軸心に回転可能となっている。
一方、溶接ガン傾斜手段1070は、第2回転軸1071及び傾斜角変換部材1072からなる。
この第2回転軸1071は、溶接ガン支持手段1050の第1回転軸1051を通る鉛直軸線上で、この第1回転軸1051の垂下に位置している。傾斜角変換部材1072は、略三角形状の軸支部1073と、この軸支部1073の一角から延びる脚部1075と、この脚部1075からL字型形状にX軸方向に延びる傾斜伝達部1076とからなる。傾斜角変換部材1072は、軸支部1073における重心付近で第2回転軸1071に軸支され、この第2回転軸1071を軸心に回転可能となっている。この軸支部1073には、当該傾斜角変換部材1072が時計周り方向CRに回転したとき、アーム部材1053の第1アーム1055の第1係合部1056と係合可能でかつその係合を解除可能な第1角部1074Rが形成されている。また、この軸支部1073には、当該傾斜角変換部材1072が反時計周り方向RRに回転したとき、アーム部材1053の第2アーム1057の第2係合部1058と係合可能でかつその係合を解除可能な第2角部1074Lが形成されている。
傾斜伝達部1076は、次述する溶接ガン傾斜角変更手段1090のスイッチユニット1092のうち、スイッチ部材1093の接触部1094と当接可能な所定の長さで形成されている(図13参照)。
溶接ガン傾斜角変更手段1090は、図13〜図15に示すように、回転規制保持部1091、2つのスイッチユニット1092及び調節ガイド部材1096からなる。
スイッチユニット1092はそれぞれ、棒状のスイッチ部材1093及び+Z軸側に付勢するコイル状のバネ1095を内蔵し、調節ガイド部材1096の所定位置に位置決めして配設されている。本実施形態2では、調節ガイド部材1096は、カム板1024の軌跡PRのうち、第1軌跡部PR1及び第4軌跡部PR4のY軸方向中央部を交差する付近で、支柱部1015からX軸方向に延設され、スイッチユニット1092をX軸方向にそれぞれ移動可能に保持している(図13参照)。
各スイッチユニット1092のうち、支柱部1015側にあるスイッチユニット1092のスイッチ部材1093は、カム1023が第1軌跡部PR1を移動するときに、溶接ガン傾斜手段1070の傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076と接触可能になっている。また、溶接ガン1010側にあるスイッチユニット1092のスイッチ部材1093は、カム1023が第3軌跡部PR3と第5軌跡部PR5との間を移動するときに、溶接ガン傾斜手段1070の傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076と接触可能になっている。
各スイッチユニット1092のスイッチ部材1093は、上端(+Z軸側)に接触部1094を有しており、バネ1095の付勢力に抗して、下降(−Z軸側)可能にスイッチユニット1092に配設されている。この接触部1094は、Y軸方向に対して傾斜した傾斜面1094aを有している。各スイッチユニット1092同士では、それぞれの傾斜面1094aは、Y軸方向について互いに異なる向きで傾斜している。
ここで、溶接ガン傾斜角変更手段1090と、溶接ガン装着手段1040(溶接ガン支持手段1050及び溶接ガン傾斜手段1070)の移動方向との関係について説明する。
溶接ガンスライド手段1020では、カム1023は、軌跡PRを反時計周り方向のみ移動できる。カム1023が、第1軌跡部PR1と第2軌跡部PR2とが接続する位置にある起点位置から第2軌跡部PR2を経て、第3軌跡部PR3−第5軌跡部PR5間を移動するのに伴って、溶接ガン装着手段1040は、+Y側から−Y側に向けて移動する。その後、カム1023が、第5軌跡部PR5から第6軌跡部PR6を経て、第1軌跡部PR1を起点位置に向けて移動するのに伴って、溶接ガン装着手段1040は、−Y側から+Y側に向けて移動する。
このように、溶接ガン装着手段1040が、−Y側から+Y側に向けての移動、または、+Y側から−Y側に向けての移動のいずれの移動であっても、スイッチ部材1093の接触部1094との接触で傾斜した状態にある傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076が、Y軸方向に向かって接触部1094を通過し易いように、傾斜面1094aは、各スイッチユニット1092同士で、互いに反対方向に傾斜した形態となっている。
回転規制保持部1091は、溶接ガン支持手段1050のうち、フレーム1060の−Z軸側の一辺に位置し、その一辺のY軸方向の中央部を欠損した形態で−Y側の第1規制端部1091R及び+Y側の第2規制端部1091Lを有している。この回転規制保持部1091は、溶接ガン傾斜手段1070の傾斜角変換部材1072が第2回転軸1071を軸心に回転したとき、傾斜角変換部材1072の脚部1075を第1規制端部1091Rまたは第2規制端部1091Lに接触させて、傾斜角変換部材1072の時計周り方向CRまたは反時計周り方向RRの回転を所定の回転範囲に規制する。
なお、傾斜角変換部材1072の回転範囲は、本実施形態2では、脚部1075が鉛直方向に向いているときの姿勢を傾斜角θ=0°としたとき、θ=約±3°以内となっている。その理由としては、本実施形態2では、自動スポット溶接装置1000でスポット溶接するワークWは、図16に示すように、湾曲した形態となっており、他のワークとの溶接予定部位は、ワークWの曲面上に3箇所にわたって点在している。傾斜角変換部材1072の回転範囲は、ワークWの曲面上に対し、3箇所の溶接予定部位を結ぶ区間における表面の曲率径に対応させて設定されている。
次に、自動スポット溶接装置1000の動作について説明する。
本実施形態2では、溶接ガン装着手段1040、すなわち溶接ガン支持手段1050及び溶接ガン傾斜手段1070が、溶接ガンスライド手段1020によりカム板1024の軌跡PRを反時計周り方向に移動し、溶接ガン1010により、ワークW(図16参照)と他のワーク(図示せず)との、湾曲した曲面上にある3箇所の溶接予定部位を連続でスポット溶接する場合について述べる。
本実施形態2の自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン支持手段1050のY軸方向のスライド時に、溶接ガン傾斜角変更手段1090が溶接ガン傾斜手段1070に接触して、溶接ガン傾斜手段1070を第2回転軸1071を軸心に一方向(時計周り方向CRまたは反時計周り方向RR)に回転させることにより、第1回転軸1051を軸心に、溶接ガン取付部材1052を他方向(反時計周り方向RRまたは時計周り方向CR)に回転させて傾斜させる。
また、この自動スポット溶接装置1000では、図16において、溶接ガン1010を、第1打点目の溶接予定部位で傾斜角θ=θ1°(θ1>0)に、第2打点目の溶接予定部位で傾斜角θ=0°に、第3打点目の溶接予定部位で傾斜角θ=−θ2°(θ2>0)に、それぞれこの順に傾斜させ、この3つの溶接予定部位でワークW等を溶接する。第1打点目の溶接は、カム1023が第3軌跡部PR3内の所定位置に到達して停止した状態で、第2打点目の溶接は、カム1023が第4軌跡部PR4内の最も+X側の位置に到達して停止した状態で、第3打点目の溶接は、カム1023が第5軌跡部PR5内の所定位置に到達して停止した状態で、それぞれ行われる。
具体的には、アクチュエータ1022の駆動により、カム板1024の軌跡PRのうち、第1軌跡部PR1と第2軌跡部PR2とが接続する位置にある起点位置(図示しない)から第2軌跡部PR2を経て、反時計周り方向にカム1023を移動させる。このカム1023が軌跡PRに沿って移動すると、溶接ガン装着手段1040は、軌跡PRの軌跡に倣ってX軸方向及びY軸方向にスライドする。カム1023が、第3軌跡部PR3―第5軌跡部PR5を、+Y軸側から−Y軸側に向けて移動する間に、3つの溶接予定部位でワークW等の溶接が行われる。
はじめに、第1打点目の溶接予定部位を溶接する前の溶接ガン支持手段1050及び溶接ガン傾斜手段1070では、溶接ガン取付部材1052(アーム部材1053)は、第1回転軸1051を軸心に時計周り方向CRに回転して傾斜した状態となっている。その一方で、傾斜角変換部材1072が第2回転軸1071を軸心に反時計周り方向RRに回転して傾斜した状態となっている。そして、傾斜角変換部材1072の脚部1075が回転規制保持部1091の第1規制端部1091Rに接触した状態で、軸支部1073の第2角部1074Lが、第2アーム1057の第2係合部1058に噛み込み、第2角部1074Lと第2係合部1058とが係合した状態となっている。この係合により、溶接ガン取付部材1052は、傾斜角θ=θ1°(0°<θ1<3°)に傾斜した状態に保持されている(図14(A)参照)。
すなわち、溶接ガン取付部材1052のガン取付板材1059には、溶接ガン1010が一体に固着されているので、図16中、左方に示す溶接ガン1010の軸線AXも、傾斜角θ=θ1°(0°<θ1<3°)で傾斜している。
第1打点目の溶接予定部位を溶接するにあたり、溶接ガン1010の軸線AXの傾斜角をθ=θ1°に保持したまま、第1打点目の溶接予定部位(図16中、左方)で、溶接ガン装着手段1040の移動が停止されて、溶接ガン1010によりワークWと他のワークとが、ワークWの表面に対し垂直方向からスポット溶接される。
第1打点目の溶接後、カム1023が第3軌跡部PR3から第4軌跡部PR4に向けて移動するのに伴い、溶接ガン装着手段1040が第1打点目の溶接部位からさらに−Y軸側に向けて移動する。すると、第4軌跡部PR4のY軸方向略中央で、傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076がスイッチ部材1093の接触部1094と接触する。そしてさらに、カム1023が第4軌跡部PR4のY軸方向中央部に位置するまで、溶接ガン装着手段1040は−Y軸側に移動する。
傾斜伝達部1076が接触部1094と接触しながら、溶接ガン装着手段1040が移動することにより、傾斜角変換部材1072は、第2回転軸1071を軸心に時計周り方向CRに回転する。傾斜角変換部材1072及びアーム部材1053が水平状態になったとき、傾斜角変換部材1072の軸支部1073では、第1角部1074Rは第1アーム1055と、第2角部1074Lは第2アーム1057と、それぞれ非接触の状態となる。このとき、傾斜角変換部材1072は、図14(B)に示すように、その脚部1075が鉛直方向に沿う姿勢、すなわち溶接ガン1010の軸線AXがθ=0°の傾斜角となる。
かくして、第2打点目の溶接予定部位を溶接するにあたり、第2打点目の溶接予定部位(図16中、中央)で溶接ガン1010の傾斜角がθ=0°となったとき、溶接ガン装着手段1040の移動が停止されて、溶接ガン1010によりワークWと他のワークとが、ワークWの表面に対し垂直方向からスポット溶接される。
第2打点目の溶接後、カム1023が第4軌跡部PR4から第5軌跡部PR5に向けて移動するのに伴い、溶接ガン装着手段1040が第2打点目の溶接部位からさらに−Y軸側に向けて移動する。その際に、図15(A)に示すように、傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076が、スイッチユニット1092の接触部1094と当接した状態であるため、傾斜角変換部材1072は、第2回転軸1071を軸心に時計周り方向CRに回転し、第2角部1074Lは第2アーム1057の第2係合部1058から遠ざかり、第2アーム1057と離間する。
その一方で、この傾斜角変換部材1072の回転により、軸支部1073の第1角部1074Rが、第1アーム1055の第1係合部1056に近づき第1アーム1055と接触して、第1角部1074Rが第1アーム1055を押し上げる。すると、溶接ガン取付部材1052(アーム部材1053)は、第1回転軸1051を軸心に反時計周り方向RRに回転する。
そして、傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076がバネ1095の付勢力に抗してスイッチ部材1093を下方に押圧した状態になると、軸支部1073の第1角部1074Rが、第1アーム1055の第1係合部1056に噛み込み、第1角部1074Rと第1係合部1056とが係合する。この係合により、溶接ガン取付部材1052は、図15(B)に示すように、傾斜角θ=−θ2°(0°<θ2<3°)に傾斜した状態に保持され、図16中、右方に示す溶接ガン1010の軸線AXも、この傾斜角θ=−θ2°で傾斜する。
かくして、傾斜角θ=−θ2°の状態を保持したまま第5軌跡部PR5に移動し、第3打点目の溶接予定部位(図16中、右方)で溶接ガン装着手段1040の移動が停止されて、溶接ガン1010によりワークWと他のワークとが、ワークWの表面に対し垂直方向からスポット溶接される。
第3打点目の溶接後、カム1023は、第6軌跡部PR6、第1軌跡部PR1を経て起点位置に戻るが、第1軌跡部PR1の中央を通過する際に、傾斜伝達部1076が支柱部1015側のスイッチユニット1092の接触部1094と接触し、溶接ガン1010の軸線AXの傾斜角θをθ=−θ2°からθ=θ1°に変更して、θ=θ1°の状態を保持して起点位置に戻る。
本実施形態2の自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン支持手段1050は、溶接ガン1010を固着すると共に、回転可能に軸支された溶接ガン取付部材1052を有し、溶接ガンスライド手段1020により溶接ガン取付部材1052を所定角度の範囲で傾斜させる溶接ガン傾斜手段1070と、溶接ガン傾斜手段1070の傾斜角を変更させる溶接ガン傾斜角変更手段1090と、を備えているので、溶接ガン1010で溶接する溶接予定部位が、湾曲した形態のワークWの表面上に3箇所点在する場合において、溶接ガンスライド手段1020により溶接ガン支持手段1050をY軸方向スライドさせながら、溶接ガン1010により溶接予定部位を3箇所連続で溶接するとき、溶接ガン傾斜角変更手段1090は、ワークWの曲面形状に対応しながら溶接ガン傾斜手段1070の傾斜角θを変更することで、溶接ガン取付部材1052は、溶接ガン傾斜手段1070によってワークWの曲面形状に対応して傾斜するようになる。すなわち、溶接ガン1010は溶接ガン取付部材1052に固着されているので、溶接ガン1010は、溶接ガン傾斜手段1070によってワークWの曲面形状に対応して傾斜するようになる。
これにより、溶接予定部位が、ワークWの曲面上に存在しても、本実施形態2の自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン1010は、ワークWの表面に対し、その垂直方向からワークWと他のワークとを挟み込むことができ、適切なスポット溶接が可能となる。
また、本実施形態2の自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン取付部材1052のアーム部材1053は、第1回転軸1051に回転可能に軸支され、傾斜角変換部材1072は、第1回転軸1051を通る鉛直軸線上に位置する第2回転軸1071に回転可能に軸支され、溶接ガン支持手段1050のY軸方向へのスライド時に、スイッチユニット1092のスイッチ部材1093の接触部1094が傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076に接触して、傾斜角変換部材1072を第2回転軸1071を軸心に一方向に回転させることにより、第1回転軸1051を軸心に、アーム部材1053とガン取付板材1059とが一体の溶接ガン取付部材1052を他方向に回転させて傾斜させるので、溶接ガン取付部材1052の傾斜角及び回転方向は、溶接ガン取付部材1052のY軸方向へのスライド動作に伴って、スイッチユニット1092のスイッチ部材1093と傾斜角変換部材1072の傾斜伝達部1076との接触に基づいて、調節できる。
このため、曲面上に点在する溶接予定部位を連続で溶接するにあたり、溶接ガン取付部材1052に固着する溶接ガン1010は、溶接ガン支持手段1050のY軸方向へのスライドによりワークWと相対的に移動して、ワークWの面形状に対応して傾斜することができる。
(第3の実施形態)
次に、本実施形態3に係る自動スポット溶接装置2000について、図17及び図18を用いて説明する。
前述の実施形態2に係る自動スポット溶接装置1000では、溶接ガン傾斜手段1070のうちの傾斜角変換部材1072を、スイッチユニット1092のスイッチ部材1093と接触させて第2回転軸1071を軸心に回転させることにより、溶接ガン取付部材1052ひいては溶接ガン1010の傾斜角θを変更した。
これに対し、本実施形態3に係る自動スポット溶接装置2000では、溶接ガン傾斜手段2070の溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bを上下動させて溶接ガン取付部材2052の傾斜角θを変更する構成となっている。また、溶接ガン傾斜角変更手段2090を倣い面PSとしている。
しかしながら、本実施形態3の自動スポット溶接装置2000は、溶接ガンスライド手段1020の構成及び動作のほか、溶接ガン装着手段2040が溶接ガン支持手段2050及び溶接ガン傾斜手段2070から構成されている点、溶接ガン1010を固定したガン取付板材2059にアーム部材2053が固着されている点、このアーム部材2053を第1回転軸1051を軸心に回転させる点等で、前述した実施形態2の自動スポット溶接装置1000と同様である。したがって、実施形態2と同様な部分の説明は、簡潔または省略する。
溶接ガン装着手段2040について、図17〜図18を用いて説明する。
図17は、第3の実施形態に係る自動スポット溶接装置2000の要部を示す側面図である。図18は、図17中、溶接ガン装着手段2040及び溶接ガン傾斜角変更手段2090を、−X軸側から+X軸側に向けて見たときの図であり、溶接ガン装着手段2040の動作を説明するための説明図である。
前述したように、溶接ガン装着手段2040は、溶接ガン支持手段2050及び溶接ガン傾斜手段2070からなり、溶接ガン支持手段2050は、溶接ガンスライド手段1020の駆動部1021と一体に固着されている。
溶接ガン支持手段2050は、X軸方向に平行な第1回転軸1051(回転軸)と、溶接ガン取付部材2052と、フレーム2060と、支持部材2061とからなる。第1回転軸1051は、溶接ガンスライド手段1020の駆動部1021と一体に固着された門型形状のフレーム2060に取付けられている。支持部材2061は、Z軸方向に貫通する貫通孔2061Hを2つ有し、フレーム2060と環状な形態に固着されている。
また、溶接ガン取付部材2052は、本実施形態3では、コ字型形状のアーム部材2053と平板状のガン取付板材2059とからなる。アーム部材2053は、第1アーム2055、この第1アーム2055に対向する第2アーム2057、及び、第1,第2アーム2055,2057を繋ぐ連結部2054からなる。第1アーム2055の先端側には第1転動部材2056が、第2アーム2057の先端側には第2転動部材2058が、それぞれ転動可能に軸支されている。ガン取付板材2059は、アーム部材2053の第1,第2アーム2055,2057と一体に固着しており、このガン取付板材2059には、溶接ガン1010が固定されている。アーム部材2053の連結部2054は、第1アーム2055と第2アーム2057との中間位置で第1回転軸1051に軸支されており、溶接ガン取付部材2052は、第1回転軸1051を軸心に回転可能となっている。
なお、第1転動部材2056及び第2転動部材2058が、本発明の溶接ガン取付部転動部材に対応する。
一方、溶接ガン傾斜手段2070は、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071A、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071B、第3転動部材2075及び第4転動部材2076からなる。
第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aと第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bとは、図18において左右対称の形態となっているが、基本的に同じ構成となっている。第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aは、−Z軸側から+Z軸側に向けてY軸方向に沿う厚みが小さくなる楔形状の変換部2072Aと、この変換部2072Aから−Z軸側に延びる脚部2073Aとからなる。また、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bも、−Z軸側から+Z軸側に向けてY軸方向に沿う厚みが小さくなる楔形状の変換部2072Bと、この変換部2072Bから−Z軸側に延びる脚部2073Bとからなる。
この変換部2072A,2072Bは、上下動の動作を左右(Y軸方向)方向の動作に変換するカム面2072a,2072bを有している。カム面2072aは、溶接ガン支持手段2050のうち、アーム部材2053の第1アーム2055に軸支された第1転動部材2056が常時接地し転動する面であり、カム面2072bは、このアーム部材2053の第2アーム2057に軸支された第2転動部材2058が常時接地し転動する面である。
また、脚部2073Aの先端側には第3転動部材2075が、脚部2073Bの先端側には第4転動部材2076が、それぞれ回動可能に軸支されている。
第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bは、第1回転軸1051を通る鉛直方向の軸線BXを境とするY軸方向の両側に、互いに独立した動作で上下(Z軸方向)動可能に配設されている。この第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bは、その脚部2073A,2073Bを、溶接ガン支持手段2050のうち、支持部材2061の2つの貫通孔2061H内に、それぞれ軸受け(図示しない)を介して摺動可能に保持されている。
なお、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071A及び第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bが、本発明の溶接ガン傾斜角調節部材に対応する。
溶接ガン傾斜角変更手段2090は、第1回転軸1051を軸心とした溶接ガン取付部材2052の回転方向、及び、この回転による溶接ガン取付部材2052の傾き、すなわち溶接ガン1010における軸線AXの傾斜角θに対応した傾きと高さで形成された倣い面PSである。
具体的には、この倣い面PSは、図17及び図18に示すように、Y軸方向に向けて延設され、一部で傾きと高さが互いに異なる第1倣い面PS1及び第2倣い面PS2からなる。第1倣い面PS1は、溶接ガン傾斜手段2070のうち、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aに軸支された第3転動部材2075が常時接地し転動する面である。第2倣い面PS2は、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bに軸支された第4転動部材2076が常時接地し転動する面である。
次に、自動スポット溶接装置2000の動作について説明する。
ただし本実施形態3でも、溶接ガン装着手段2040、すなわち溶接ガン支持手段2050及び溶接ガン傾斜手段2070は、前述の実施形態2と同様、溶接ガンスライド手段1020によりカム板1024の軌跡PRを反時計周り方向に移動し、溶接ガン1010により、ワークW(図16参照)と他のワーク(図示せず)との、湾曲した曲面上にある3箇所の溶接予定部位を連続でスポット溶接する。
したがって、前述の実施形態2と同様な部分の説明は省略し、溶接ガン傾斜角変更手段2090による溶接ガン取付部材2052の回転方向及び傾斜角θの関係について、参照する図16と図18を用いて説明する。
自動スポット溶接装置2000では、溶接ガン装着手段2040が、溶接ガンスライド手段1020によりY軸方向にスライドするときに、第3,第4転動部材2075,2076をそれぞれ、第1,第2倣い面PS1,PS2に常時接地させ転動させる。そして、第1,第2転動部材2056,2058が第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bのカム面2072a,2072bにそれぞれ接地し転動することにより、溶接ガン取付部材2052を、第1回転軸1051を軸心に回転させる。
具体的には、参照する図16中、左方に示す溶接ガン1010のように、溶接ガン1010の軸線AXが、時計周り方向CRに回転し、θ=θ1°(0°<θ1<3°)の傾斜角で傾斜させるところでは、倣い面PSにおいて第1倣い面PS1は、第2倣い面PS2よりも低くなっている。
これにより、第1倣い面PS1に接地し転動する第3転動部材2075を備える第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aと、第2倣い面PS2に接地し転動する第4転動部材2076を備える第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bとの間で、高低差が生じる。すなわち、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aは、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bよりも低位になる。
このため、溶接ガン支持手段2050のうち、アーム部材2053の第1アーム2055に軸支された第1転動部材2056は、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aのカム面2072aの上方位置で接地する。一方、このアーム部材2053の第2アーム2057に軸支された第2転動部材2058は、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bのカム面2072bの下方位置で接地する。このとき、カム面2072bが、第2転動部材2058を介してアーム部材2053の第2アーム2057を押圧して、このアーム部材2053は、第1回転軸1051を軸心に時計周り方向CRに回転する。
これにより、アーム部材2053は、溶接ガン1010を固定したガン取付板材2059と一体に固着しているので、溶接ガン1010も時計周り方向CRに傾斜角θ=θ1°で傾斜するようになる。
次に、参照する図16中、中央に示す溶接ガン1010のように、溶接ガン1010の軸線AXがθ=0°のところでは、倣い面PSにおいて、第1倣い面PS1と第2倣い面PS2とは同じ高さとなっている。
これにより、第1倣い面PS1に接地し転動する第3転動部材2075を介した第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aと、第2倣い面PS2に接地し転動する第4転動部材2076を介した第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bとの高低差はない。すなわち、第1転動部材2056が第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aのカム面2072aに接地する位置と、第2転動部材2058が第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bのカム面2072bに接地する位置との高低差も生じない。このため、第1回転軸1051を支点に、カム面2072aが第1転動部材2056を介してアーム部材2053の第1アーム2055を押圧するときの回転力と、カム面2072bが第2転動部材2058を介してアーム部材2053の第2アーム2057を押圧するときの回転力とが均等になる。
これにより、アーム部材2053は第1回転軸1051を軸心に相対的に回転せず、溶接ガン1010は傾斜角θ=0°となる。
次に、参照する図16中、右方に示す溶接ガン1010のように、溶接ガン1010の軸線AXが、反時計周り方向RRに回転し、θ=−θ2°(0°<θ2<3°)の傾斜角で傾斜させるところでは、倣い面PSにおいて第1倣い面PS1は、第2倣い面PS2よりも高くなっている。
これにより、溶接ガン1010の軸線AXが時計周り方向CRに回転する場合と同様、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aと第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bとの間で高低差が生じ、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aは、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bよりも高位になる。
このため、第1転動部材2056は、第1溶接ガン傾斜角調節部材2071Aのカム面2072aの下方位置で接地する。一方、第2転動部材2058は、第2溶接ガン傾斜角調節部材2071Bのカム面2072bの上方位置で接地する。このとき、カム面2072aが、第1転動部材2056を介してアーム部材2053の第1アーム2055を押圧して、このアーム部材2053は、第1回転軸1051を軸心に反時計周り方向RRに回転する。
これにより、アーム部材2053の回転と共に、溶接ガン1010も反時計周り方向RRに回転し傾斜角θ=−θ2°で傾斜するようになる。
本実施形態3の自動スポット溶接装置2000では、溶接ガン取付部材2052は、第1回転軸1051に回転可能に軸支され、溶接ガン傾斜手段2070は、上下動可能に形成され、上下(Z軸方向)動の動作を左右方向(Y軸方向)の動作に変換するカム面2072a,2072bを有し、溶接ガン傾斜角変更手段2090は、溶接ガン取付部材2052の傾斜角θ及び回転方向CR,RRに対応した傾きと高さで形成された倣い面PSを有し、溶接ガン支持手段2050のY軸方向のスライド時に、溶接ガン傾斜手段2070を、倣い面PSに沿って移動して上下動させ、カム面2072a,2072bにより、溶接ガン取付部材2052を、第1回転軸1051を軸心に回転させて傾斜させるので、溶接ガン取付部材2052の傾斜角θ及び回転方向CR,RRは、溶接ガン取付部材2052のY軸方向へのスライドと共に、溶接ガン傾斜手段2070を溶接ガン傾斜角変更手段2090の倣い面PSに沿って移動させることにより、調節できる。
このため、曲面上に点在する溶接予定部位を連続で溶接するにあたり、溶接ガン取付部材2052に固着する溶接ガン1010は、溶接ガン支持手段2050のY軸方向のスライドによりワークW及び他のワークと相対的に移動して、ワークWの面形状に対応して傾斜することができる。
また、本実施形態3の自動スポット溶接装置2000では、溶接ガン取付部材2052は、転動可能な2つの第1,第2転動部材2056,2058を有し、溶接ガン傾斜手段2070は、第1回転軸1051を通る鉛直方向の軸線BXを境とするY軸方向両側に、配設される2つの第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bを有し、各第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bは、それぞれカム面2072a,2072bを有し、互いに独立した動作で上下動可能に配設される。第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bがそれぞれ、第3転動部材2075が接地する第1倣い面PS1、及び、第4転動部材2076が接地する第2倣い面PS2の高さに応じて、それぞれ上下動すると、第1,第2転動部材2056,2058は、カム面2072a,2072bに接地にして転動するようになる。すると、カム面2072a,2072bでは、各々の第1,第2転動部材2056,2058の接地位置は、第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bの上下動によって変化し、アーム部材2053(溶接ガン取付部材2052)を時計周り方向CRまたは反時計周り方向RRに回転させる回転力が、軸線BXを境とするY軸方向両側で生じる。
一方、アーム部材2053は、その連結部2054のうち、第1アーム2055と第2アーム2057との中間位置にある第1回転軸1051で軸支されているので、溶接ガン取付部材2052は、第1回転軸1051を中心に、カム面2072aに押圧されて生じるときの回転力とカム面2072bに押圧されて生じるときの回転力とがバランスのとれた状態となる。このため、溶接ガン取付部材2052を適切な傾斜角で傾斜することができる。
また、第1,第2溶接ガン傾斜角調節部材2071A,2071Bが上下動するストロークについて、第1倣い面PS1や第2倣い面PS2の高さをそれぞれ適切に調整するだけで、溶接ガン取付部材2052は、より適切な傾斜角で傾斜することができ、ひいては溶接ガン1010を、溶接予定部位が位置するワークW等の表面形状に対応した傾斜角θに適切に傾斜させることができる。
(第4の実施形態)
次に、本実施形態4に係る自動スポット溶接装置3000について、図19〜図21を用いて説明する。
前述の実施形態3に係る自動スポット溶接装置2000では、溶接ガン傾斜手段2070において、溶接ガン支持手段2050のY軸方向のスライド時に、2つの第1,第2転動部材2056,2058がカム面2072a,2072bに接地して転動することにより、溶接ガン取付部材2052を、第1回転軸1051を軸心に回転させて溶接ガン取付部材2052の傾斜角θを変更した。
これに対し、本実施形態4に係る自動スポット溶接装置3000では、溶接ガン支持手段3050のY軸方向のスライド時に、溶接ガン取付部材3052に配設された1つの第5転動部材3071を、溶接ガン傾斜角変更手段3090である倣い面QSに沿って移動させて、溶接ガン取付部材3052を時計周り方向CRにのみ回転させる構成となっている。
しかしながら、本実施形態4の自動スポット溶接装置3000は、溶接ガンスライド手段1020の構成及び動作のほか、溶接ガン装着手段3040が溶接ガン支持手段3050及び溶接ガン傾斜手段3070から構成されている点、溶接ガン1010がガン取付板材3059を介して溶接ガン取付部材3052に固定されている点、溶接ガン取付部材3052を第1回転軸1051を軸心に回転させる点等で、前述した実施形態3の自動スポット溶接装置2000と同様である。したがって、実施形態3と同様な部分の説明は、簡潔または省略する。
溶接ガン装着手段3040について、図20を用いて説明する。図20は、実施形態4に係る自動スポット溶接装置において溶接ガン装着手段3040の動作を説明するための説明図である。
溶接ガン装着手段3040は、溶接ガン支持手段3050及び溶接ガン傾斜手段3070からなる。
溶接ガン支持手段3050は、X軸方向に平行な第1回転軸1051と、溶接ガン取付部材3052と、フレーム3060とからなる。第1回転軸1051は、溶接ガンスライド手段1020の駆動部1021と一体に固着されたフレーム3060に取付けられている。
また、溶接ガン取付部材3052は、本実施形態4では、T字型形状の回転板材3053と平板状のガン取付板材3059とからなる。回転板材3053は、第1回転軸1051に軸支する軸支部3054、ガン取付板材3059を固定する取付部3055、及び、この取付部3055から延びる脚部3056からなる。
一方、溶接ガン傾斜手段3070は、溶接ガン支持手段3050の溶接ガン取付部材3052と一体に配設されている。具体的には、溶接ガン傾斜手段3070は転動可能な第5転動部材3071である。この第5転動部材3071は、回転板材3053の脚部3056の先端に軸支されている。
溶接ガン傾斜角変更手段3090は、溶接ガン取付部材3052を、第1回転軸1051を軸心に時計周り方向CRに回転させると共に、溶接ガン取付部材3052が回転したときの、溶接ガン1010の軸線AXの傾斜角θに対応した傾きと高さで形成された倣い面QSである。
具体的には、この倣い面QSは、図19及び図20に示すように、Y軸方向に向けて延設され、一部で高さが互いに異なる接触面QS1及び非接触面QS2からなる。接触面QS1は、第5転動部材3071が接地し転動する面である。この接触面QS1は、第1回転軸1051の軸心から当該接触面QS1までの鉛直方向の距離が第1回転軸1051の軸心から第5転動部材3071の接地面までの距離よりも小さくなる高さに、位置している。一方、非接触面QS2は、接触面QS1より低位となっており、第5転動部材3071は非接触面QS2に接地不可となっている。
次に、自動スポット溶接装置3000の動作について説明する。
ただし本実施形態4でも、前述の実施形態2,3と同様な部分の説明は省略し、溶接ガン傾斜角変更手段3090による溶接ガン取付部材3052の回転方向及び傾斜角θの関係について、図20及び図21を用いて説明する。
自動スポット溶接装置3000では、溶接ガン装着手段3040が、溶接ガンスライド手段1020によりY軸方向にスライドするときに、第5転動部材3071を倣い面QSに沿って移動させることにより、溶接ガン取付部材3052を、第1回転軸1051を軸心に時計周り方向CRに回転させて傾斜させる。
本実施形態4では、+Y側から−Y側に向けて第5転動部材3071を倣い面QSに沿って移動させ、溶接ガン1010を傾斜角θ=θ1°及びθ=0°に傾斜させ、2つの溶接予定部位で溶接を行う。
なお、溶接予定部位が3つ以上である場合において、第1打点目と同様、第3打点目以降の溶接予定部位で溶接ガン取付部材3052を傾斜角θ=θ1°に傾斜させ、第3打点目以降の1または複数個所の溶接予定部位で溶接を継続するときには、図20中右方に示す溶接ガン支持手段3050が傾斜している状態のように、倣い面QSを、非接触面QS2から再び接触面QS1と接続する形態で形成すると良い。
また、仮に溶接ガン1010を傾斜角θ=−θ2°に傾斜させて溶接する場合には、−Y側から+Y側に向けて第5転動部材3071を倣い面QSに沿って移動させれば良い。
具体的には、図21中、左方に示す溶接ガン1010のように、溶接ガン1010の軸線AXが、時計周り方向CRに回転し、θ=θ1°(0°<θ1<3°)の傾斜角で傾斜させるところでは、第5転動部材3071は、倣い面QSの接触面QS1に接地し転動する。
これにより、接触面QS1が、第1回転軸1051を支点に、第5転動部材3071を介して回転板材3053の脚部3056を押圧して、この回転板材3053は、第1回転軸1051を軸心に時計周り方向CRに回転する。このとき、回転板材3053は、溶接ガン1010を固定したガン取付板材3059と一体に固着しているので、溶接ガン1010も時計方向CRに傾斜角θ=θ1°で傾斜するようになる。
次に、図21中、中央に示す溶接ガン1010のように、溶接ガン1010の軸線AXが、θ=0°のところでは、第5転動部材3071は、倣い面QSの非接触面QS2から上方に離れて位置する。
このため、倣い面QSが、第5転動部材3071を介して回転板材3053の脚部3056を押圧できないので、回転板材3053は、第1回転軸1051でフリーに支持された状態になる。このため、回転板材3053は、第1回転軸1051を軸心に回転せず、溶接ガン1010は傾斜角θ=0°となる。
本実施形態4に係る自動スポット溶接装置3000では、溶接ガン取付部材3052は、第1回転軸1051に回転可能に軸支され、溶接ガン傾斜手段3070は、溶接ガン取付部材3052の回転板材3053と一体に配設されており、溶接ガン傾斜角変更手段3090は、溶接ガン取付部材3052の傾斜角θ及び時計周り回転方向CRに対応した傾きと高さで形成された倣い面QSを有し、溶接ガン支持手段3050のY軸方向のスライド時に、溶接ガン傾斜手段3070である第5転動部材3071を倣い面QSに沿って移動させることにより、溶接ガン取付部材3052を、第1回転軸1051を軸心に時計周り方向CRに回転させて傾斜させるので、溶接ガン取付部材3052の時計周り方向CRの回転及びその回転時の傾斜角θは、溶接ガンスライド手段1020による溶接ガン支持手段3050のY軸方向のスライドによる、溶接ガン取付部材3052と一体の第5転動部材3071の倣い面QSに沿った移動により、調節できる。
このため、曲面上に点在する溶接予定部位を連続で溶接するにあたり、溶接ガン取付部材3052に固着する溶接ガン1010は、溶接ガン支持手段1020のY軸方向へのスライドによりワークW等と相対的に移動して、ワークWの面形状に対応して傾斜することができる。
また、本実施形態4に係る自動スポット溶接装置3000では、溶接ガン1010を傾斜させる構造がより簡単になる。しかも、安価な自動スポット溶接装置となる。
なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態2乃至4では、溶接ガンスライド手段1020のアクチュエータ1022を油圧シリンダとした。しかしながら、溶接ガンスライド手段の駆動源は、油圧シリンダのほかにも、例えば、電動モータ等の動力源でも良い。
また、本実施形態2では、スイッチユニット1092を2つ設けた。そして、各スイッチ部材1093の接触部1094の傾斜面1094aを、Y軸方向に対し、互いに反対方向に傾斜する面とした。しかしながら、スイッチ部材の接触部に、Y軸方向に対し、互いに向きが異なる傾斜面を2つ有したスイッチユニットを2つ、調節ガイド部材1096に配設するようにしても良い。
また、本実施形態3では、予め所定の形状に形成された倣い面PSを例示したが、倣い面PSの面上に所定の厚さのシムを載置して、倣い面の高さを微調整しても良い。これにより、溶接ガン取付部材2052をより適切な傾斜角で傾斜することができるようになる。
本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の全体を示した斜視図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の全体を示した側面図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の全体を示した正面図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、ピストンロッドの上昇により、ロックを上方に回動する状態を示す説明図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、ロックを経由してピストンロッドの下降を許容する状態を示す説明図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、可動フレームが戻るときの、ロックとブロック及び検知手段の係合を解除する状態を示す説明図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、ワーク支持手段の拡大断面図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、ワーク支持手段の移動状態の説明図で、ワークのセット位置を示す簡略平面図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、ワーク支持手段の移動状態の説明図で、初めのスポット溶接位置を示す簡略平面図である。 本発明の一の実施の形態に係る自動スポット溶接装置の、ワーク支持手段の移動状態の説明図で、最後のスポット溶接位置示す斜視図である。 第2乃至第4の実施形態に係る自動スポット溶接装置を示す平面図である。 第2の実施形態に係る自動スポット溶接装置を示す側面図である。 第2の実施形態に係る自動スポット溶接装置の要部を示す側面図である。 図13中、溶接ガン装着手段において溶接ガン傾斜手段の動作を説明するための説明図であり、(A)は第1打点目を溶接するときの状態、(B)は第2打点目を溶接するときの状態を示す。 図14に続き、溶接ガン傾斜手段の動作を説明するための説明図であり、(A)は第3打点目の溶接前の状態、(B)は第3打点目を溶接するときの状態である。 第2,第3の実施形態の自動スポット溶接装置によりワークをスポット溶接するときの様子を説明する説明図である。 第3の実施形態に係る自動スポット溶接装置の要部を示す側面図である。 第3の実施形態に係る自動スポット溶接装置において溶接ガン傾斜手段の動作を説明するための説明図である。 第4の実施形態に係る自動スポット溶接装置の要部を示す側面図である。 第4の実施形態に係る自動スポット溶接装置において溶接ガン装着手段の動作を説明するための説明図である。 第4の実施形態の自動スポット溶接装置によりワークをスポット溶接するときの様子を説明する説明図である。 従来の自動スポット溶接装置の概略斜視図である。
符号の説明
1,1000,2000,3000 自動スポット溶接装置
2,1050,2050,3050 溶接ガン支持手段
3 スポット溶接ガン
4 固定フレーム
5 可動フレーム
6 ワーク支持手段
11 第1縦フレーム
13 上枠
132 ガイド板
133 ブロック
134 検知手段
15 下枠
16 第2縦フレーム
17 レール
20 アッパレール
25 アクチュエータ
40 ロアレール
50 移動フレーム
52 ガン保持ブラケット
53 ガン保持アーム
54 ロック
541 ストッパ
55 カム
56 ガン保持ローラ
60 ベースプレート
61 ワーク支持台
62 ワーク押さえ治具
63 スライダ
70 カム板
71 カム溝
80 エア1次配管
83 バルブ
1010 溶接ガン
AX (溶接ガンの)軸線
PR 軌跡
1051 第1回転軸
1052,2052,3052 溶接ガン取付部材
1070,2070,3070 溶接ガン傾斜手段
1071 第2回転軸
1090,2090,3090 溶接ガン傾斜角変更手段
CR 時計周り方向(一方向)
RR 反時計周り方向(他方向)
θ 傾斜角
W ワーク(被溶接部材)
BX (鉛直方向の)軸線
2056 第1転動部材(溶接ガン取付部転動部材)
2058 第2転動部材(溶接ガン取付部転動部材)
2071A 第1溶接ガン傾斜角調節部材(溶接ガン傾斜角調節部材)
2071B 第2溶接ガン傾斜角調節部材(溶接ガン傾斜角調節部材)
2072a,2072b カム面
PS 倣い面
QS 倣い面

Claims (8)

  1. 加圧シリンダを縦向きにしたスポット溶接ガンと、該スポット溶接ガンをアクチュエータにより横方向に移動可能に支持する溶接ガン支持手段と、該スポット溶接ガンに対峙してワークを載置するワーク支持手段とを備えた自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン支持手段は、前記スポット溶接ガンの横移動に追従して移動するロックと、該ロックが当接してその横移動を停止させるブロックと、該スポット溶接ガンが停止したことを検知する検知手段と、を備え、
    前記スポット溶接ガンは、その加圧シリンダのピストンロッドの上端に前記ロックと当接可能に設けられ、ピストンロッド下降時には前記ロックの上面に当接した際、上方に回動してピストンロッドの下降を許容し、加圧終了後のピストンロッド上昇時には前記ロックを跳ね上げて、前記ロックと前記ブロックとの当接を解除する解除手段を備えたことを特徴とする自動スポット溶接装置。
  2. 請求項1に記載の自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン支持手段にはカムが設けられ、前記ワーク支持手段には、前記カムと係合し、前記スポット溶接ガンの横移動に従動して前記ワーク支持手段を前後方向に移動可能にするカム板を備えたことを特徴とする自動スポット溶接装置。
  3. 請求項1に記載の自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン支持手段のアクチュエータならびに加圧シリンダにはエアシリンダが備えられ、前記検知手段により前記ロックと前記ブロックが当接していることを検知すると工場エアが加圧シリンダに供給され、前記解除手段により前記ロックと前記ブロックの当接が解除されると前記溶接ガン支持手段のエアシリンダに工場エアが供給されるように、エア供給先が切り替えられることを特徴とする自動スポット溶接装置。
  4. 複数の被溶接部材を挟み込んでスポット溶接する溶接ガンと、該溶接ガンを支持する溶接ガン支持手段と、軌跡に倣って溶接ガン支持手段をスライドさせる溶接ガンスライド手段と、を備えた自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン支持手段は、
    前記溶接ガンを固着すると共に、回転可能に軸支された溶接ガン取付部材を有し、
    前記溶接ガンスライド手段により前記溶接ガン取付部材を所定角度の範囲で傾斜させる溶接ガン傾斜手段と、
    前記溶接ガン傾斜手段の傾斜角を変更させる溶接ガン傾斜角変更手段と、を備えることを特徴とする自動スポット溶接装置。
  5. 請求項4に記載の自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン取付部材は、第1回転軸に回転可能に軸支され、
    前記溶接ガン傾斜手段は、前記第1回転軸を通る鉛直軸線上に位置する第2回転軸に回転可能に軸支され、
    前記溶接ガン支持手段のスライド時に、前記溶接ガン傾斜角変更手段が前記溶接ガン傾斜手段に接触して、前記溶接ガン傾斜手段を前記第2回転軸を軸心に一方向に回転させることにより、前記第1回転軸を軸心に、前記溶接ガン取付部材を他方向に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする自動スポット溶接装置。
  6. 請求項4に記載の自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン取付部材は、回転軸に回転可能に軸支され、
    前記溶接ガン傾斜手段は、上下動可能に形成され、上下動の動作を左右方向の動作に変換するカム面を有し、
    前記溶接ガン傾斜角変更手段は、前記溶接ガン取付部材に対する傾斜角及び回転方向に対応した傾きと高さで形成された倣い面を有し、
    前記溶接ガン支持手段のスライド時に、前記溶接ガン傾斜手段を、前記倣い面に沿って移動して上下動させ、前記カム面により、前記溶接ガン取付部材を、前記回転軸を軸心に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする自動スポット溶接装置。
  7. 請求項6に記載の自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン取付部材は、転動可能な複数の溶接ガン取付部転動部材を有し、
    前記溶接ガン傾斜手段は、
    前記回転軸を通る鉛直方向の軸線を境とする両側に、配設される2つの溶接ガン傾斜角調節部材を有し、
    前記各溶接ガン傾斜角調節部材は、
    それぞれ前記カム面を有し、互いに独立した動作で上下動可能に配設され、
    前記複数の溶接ガン取付部転動部材が、各々の前記溶接ガン傾斜角調節部材のカム面に接地して転動することにより、
    前記溶接ガン取付部材を、前記回転軸を軸心に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする自動スポット溶接装置。
  8. 請求項4に記載の自動スポット溶接装置において、
    前記溶接ガン取付部材は、回転軸に回転可能に軸支され、
    前記溶接ガン傾斜手段は、前記溶接ガン取付部材と一体に配設されており、
    前記溶接ガン傾斜角変更手段は、前記溶接ガン取付部材に対する傾斜角及び回転方向に対応した傾きと高さで形成された倣い面を有し、
    前記溶接ガン支持手段のスライド時に、前記溶接ガン傾斜手段を前記倣い面に沿って移動させることにより、前記溶接ガン取付部材を、前記回転軸を軸心に回転させて傾斜させる、ことを特徴とする自動スポット溶接装置。
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