JP3648202B2 - 無線受信システム - Google Patents

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Description

技術分野
この発明は無線受信システムに関し、特に、PDMA(Path Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)などの通信方式による無線受信システムであって、受信信号から、他のユーザによる干渉信号成分を除去することができる無線受信システムに関する。
背景技術
近年、急速に発達しつつある携帯型電話機のような移動通信システムにおいて、周波数の有効利用を図るべく種々の伝送チャネル割当方法が提案されており、その一部のものは実用化されている。
図22は、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)およびPDMAの各種通信システムにおけるチャネルの配置図である。まず、図22を参照して、FDMA、TDMAおよびPDMAについて簡単に説明する。
図22(a)はFDMAのチャネル配置を示す図であって、異なる周波数f1〜f4の電波でユーザ1〜4のアナログ信号が周波数分割されて伝送され、各ユーザ1〜4の信号は周波数フィルタによって分離される。
図22(b)はTDMAのチャネル配置を示す図であって、各ユーザのデジタル化された信号は、異なる周波数f1〜f4jの電波でかつ一定の時間(タイムスロット)ごとに時分割されて伝送され、各ユーザ1〜8の信号は、周波数フィルタと、基地局および各ユーザ移動端末装置間の時間同期とにより分離される。
一方、最近では、携帯型電話機の普及により電波の周波数利用効率を高めるために、PDMA方式が提案されている。このPDMA方式は、図22(c)に示すように、同じ周波数における1つのタイムスロットを空間的に分割して複数のユーザのデータを伝送するものである。このPDMAでは各ユーザの信号は、周波数フィルタと、基地局および各ユーザ移動端末装置間の時間同期と、アダプティブアレイなどの信号抽出装置とを用いて分離される。
図23は従来のPDMA用基地局の受信システムを示す図である。この例では、ユーザ1と2とを識別するために、4本のアンテナ3〜6が設けられていて、それぞれのアンテナの出力は周波数変換回路7に与えられて、それぞれ対応する局部発振信号Loによって周波数変換され、A/D変換器8によってデジタル信号に変換されてデジタル信号プロセッサ(DSP)10に与えられる。
DSP10には、アダプティブアレイ11,12と、受信信号ベクトル計算機13と、メモリ14と、相関値計算機15と、チャネル割当装置16とが内蔵されている。アダプティブアレイ11,12は、A/D変換器8から出力される受信信号から特定のユーザ信号のみを抽出する。各アダプティブアレイはたとえば、タイムスロットに含まれるプリアンブルを用いる方法、変調信号の包絡線が一定となる性質を用いる方法などのウェイトベクトル計算方法に依拠して、後述するチャネル割当装置16で指定されたユーザ信号を抽出する。
受信信号ベクトル計算機13はA/D変換器8からの受信信号とアダプティブアレイ11,12の出力信号とを入力し、すべてのユーザに対応した受信信号ベクトルを計算してメモリ14に記憶させる。チャネル割当装置16はメモリ14と相関値計算機15とに対して二人のユーザを指定する。相関値計算機15はメモリ14に記憶した受信信号ベクトルのうち、指定された二人のユーザの受信信号ベクトルの相互相関値を計算する。チャネル割当装置16は二人のユーザの受信信号ベクトルの算出された相互相関値を受取る。そして、その相互相関値がある一定値以下であれば、その二人のユーザを同一時刻のタイムスロットにパス多重接続させる。
図23に示したアダプティブアレイ11,12はそれぞれ対応のユーザ1および2の信号を抽出するが、ユーザ1および2に加えてたとえばユーザ3がユーザ1と同じ方向から信号を送信してきた場合、アダプティブアレイ11からユーザ1およびユーザ3の信号が混ざり合って出力されることになる。しかしながら、従来のアダプティブアレイ11ではユーザ1および3の信号を分離できず、ユーザ1の信号のみを抽出することができなかった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、干渉キャンセラを用いて不要なユーザの信号をキャンセルすることにより通信品質を向上できるような無線受信システムを提供することである。
発明の開示
この発明によれば、複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムであって、複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、信号処理手段から出力される信号に基づいて、複数のユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第1の信号抽出手段と、信号処理手段から出力される信号に対する第1の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する複数の第1の推定手段と、第1の信号抽出手段で抽出された複数のユーザに対応する信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第1のエラー判定手段と、信号処理手段から出力される信号から、第1のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された抽出された信号成分を、対応するパラメータ情報を考慮して減算する第1の演算手段とを備える。
好ましくは、無線受信システムは、第1の演算手段から出力される信号に基づいて、第1のエラー判定手段により復調エラーを含むと判定されたユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第2の信号抽出手段と、第1の演算手段から出力される信号に対する第2の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する複数の第2の推定手段と、第2の信号抽出手段で抽出された信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第2のエラー判定手段とをさらに備える。
より好ましくは、無線受信システムは、信号処理手段から出力される信号から、第1および第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された第1および第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応するパラメータ情報を考慮して減算する第2の演算手段をさらに備える。
より好ましくは、無線受信システムは、第1の演算手段から出力される信号から、第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応するパラメータ情報を考慮して減算する第3の演算手段をさらに備える。
この発明の他の局面によれば、複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムは、複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、信号処理手段から出力される信号に基づいて、複数のユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第1の信号抽出手段と、信号処理手段から出力される信号に対する第1の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、対応のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する複数の第1の推定手段と、第1の信号抽出手段で抽出された複数のユーザに対応する信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第1のエラー判定手段と、信号処理手段から出力される信号から、第1のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された抽出された信号成分を、対応するパラメータ情報を考慮して減算する第1の演算手段とを備える。
好ましくは、無線受信システムは、第1の演算手段から出力される信号に基づいて、第1のエラー判定手段により復調エラーを含むと判定されたユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第2の信号抽出手段と、第1の演算手段から出力された信号に対する第2の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、対応のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する複数の第2の推定手段と、第2の信号抽出手段で抽出された信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第2のエラー判定手段とをさらに備える。
より好ましくは、無線受信システムは、信号処理手段から出力される信号から、第1および第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された第1および第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応するパラメータ情報を考慮して減算する第2の演算手段をさらに備える。
より好ましくは、無線受信システムは、第1の演算手段から出力される信号から、第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応するパラメータ情報を考慮して減算する第3の演算手段をさらに備える。
より好ましくは、複数の第1の推定手段は、複数の第1のエラー判定手段の判定結果とは無関係に、相関値を計算してパラメータ情報を推定する。
より好ましくは、複数の第1の推定手段は、複数の第1のエラー判定手段の判定結果に基づいて、復調エラー無しと判定されたユーザの信号成分を用いて相関値を計算してパラメータ情報を推定する。
より好ましくは、複数の第2の推定手段は、複数の第2のエラー判定手段の判定結果とは無関係に、相関値を計算してパラメータ情報を推定する。
より好ましくは、複数の第2の推定手段は、複数の第2のエラー判定手段の判定結果に基づいて、復調エラー無しと判定されたユーザの信号成分を用いて相関値を計算してパラメータ情報を推定する。
この発明のさらに他の局面によれば、複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムは、複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、1段の干渉キャンセラとを備え、1段の干渉キャンセラは、複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、干渉除去部の各段は、入力される信号に基づいて複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、信号抽出手段に入力される信号に対する信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する推定手段と、パラメータ情報を考慮して信号抽出手段に入力される信号から特定のユーザに対応する信号成分を除去する演算手段と、特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定し、含むと判定した場合、特定のユーザに対応する信号成分の演算手段による除去を不能化するエラー判定手段とを含み、干渉除去部の初段の信号抽出手段および演算手段の入力には信号処理手段から出力される信号が入力され、かつ隣接する2つの干渉除去部の前段の干渉除去部の演算手段の出力が後段の干渉除去部の信号抽出手段および演算手段の入力に与えられるように、複数段の干渉除去部が接続される。
好ましくは、無線受信システムは、1段の干渉キャンセラの最終段の干渉除去部の演算手段の出力を受ける次段の干渉キャンセラをさらに備え、次段の干渉キャンセラは、複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、干渉除去部の各段は、入力される信号に基づいて複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、信号抽出手段に入力される信号に対する信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する推定手段と、パラメータ情報を考慮して信号抽出手段に入力される信号から特定のユーザに対応する信号成分を除去する演算手段と、特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定し、含むと判定した場合、特定のユーザに対応する信号成分の演算手段による除去を不能化するエラー判定手段とを含み、1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力をそのまま後段の干渉除去部へ出力し、1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含むと判定されたユーザに対応する次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力が信号抽出手段および演算手段の入力に与えられ、演算手段の出力が後段の干渉除去部へ出力される。
この発明のさらに他の局面によれば、複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムは、複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、1段の干渉キャンセラとを備え、1段の干渉キャンセラは、複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、干渉除去部の各段は、入力される信号に基づいて複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、信号処理手段から出力される信号に対する信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、特定のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する推定手段と、特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定するエラー判定手段と、パラメータ情報を考慮して信号処理手段から出力される信号から復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する信号成分を除去する演算手段とを含み、干渉除去部の初段の信号抽出手段および演算手段の入力には信号処理手段から出力される信号が入力され、かつ隣接する2つの干渉除去部の前段の干渉除去部の演算手段の出力が後段の干渉除去部の信号抽出手段の入力に与えられるように、複数段の干渉除去部が接続される。
好ましくは、無線受信システムは、1段の干渉キャンセラの最終段の干渉除去部の演算手段の出力を受ける次段の干渉キャンセラをさらに備え、次段の干渉キャンセラは、複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、干渉除去部の各段は、入力される信号に基づいて複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、信号処理手段から出力される信号に対する信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、特定のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する推定手段と、特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定するエラー判定手段と、パラメータ情報を考慮して信号処理手段から出力される信号から復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する信号成分を除去する演算手段とを含み、1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力をそのまま後段の干渉除去部へ出力し、1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含むと判定されたユーザに対応する次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力が信号抽出手段の入力に与えられ、演算手段の出力が後段の干渉除去部へ出力される。
より好ましくは、推定手段は、エラー判定手段による判定結果とは無関係に、特定のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値を計算し、計算された相関値に基づいてパラメータ情報を推定する。
より好ましくは、推定手段は、エラー判定手段による判定結果に基づいて、復調エラーなしと判断されたユーザの信号成分のみを用いて相関値を計算し、計算された相関値に基づいてパラメータ情報を推定する。
より好ましくは、信号抽出手段は、特定のユーザに対応する信号成分を空間的に分離して抽出するアダプティブアレイである。
より好ましくは、信号抽出手段は、特定のユーザに対応する信号成分を空間的に分離して抽出するアダプティブアレイと、アダプティブアレイの出力を復調する復調器と、復調器の出力を再変調する再変調器とを含む。
より好ましくは、複数のユーザからの信号はPDMA通信方式によって伝送された信号である。
より好ましくは、複数のユーザからの信号はCDMA通信方式によって伝送された信号である。
より好ましくは、CDMA通信方式によって伝送された信号は、送信側で予め所定の拡散符号により拡散されており、信号処理手段から出力される信号をCDMA通信方式により対応する拡散符号で逆拡散して信号抽出手段に与える逆拡散手段をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の前提となるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図2は、図1に示した演算装置の構成を示すブロック図である。
図3は、この発明の実施の形態1によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図4は、図3に示した干渉除去部の構成を示すブロック図である。
図5は、図3に示した演算装置の構成を示すブロック図である。
図6は、この発明の実施の形態2によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図7は、図6に示した演算装置の構成を示すブロック図である。
図8は、この発明の実施の形態3によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図9は、図8に示した干渉除去部の構成を示すブロック図である。
図10は、この発明の実施の形態4によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図11は、この発明の実施の形態5によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図12は、この発明の実施の形態6によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図13は、この発明の実施の形態7によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図14は、この発明の実施の形態8および9によるPDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図15は、この発明の実施の形態8によるPDMA用基地局の受信システムの干渉除去部の構成を示すブロック図である。
図16は、この発明の実施の形態9によるPDMA用基地局の受信システムの干渉除去部の構成を示すブロック図である。
図17は、この発明の実施の形態10によるCDMA用基地局の受信システムのブロック図である。
図18は、図17に示した干渉除去部の構成を示すブロック図である。
図19は、図17に示した演算装置の構成を示すブロック図である。
図20は、この発明の実施の形態11によるCDMA用基地局の受信システムの干渉除去部の構成を示すブロック図である。
図21は、アダプティブアレイの構成を示すブロック図である。
図22は、FDMA,TDMAおよびPDMAの各通信方式におけるユーザ信号のチャネル配置図である。
図23は、従来のPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。
発明を実施するための最良の形態
図1は、この発明の前提となるマルチステージの干渉キャンセラとして提案されたPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。この発明の前提となる提案された受信システムは、同じ時刻に送信されたm(mは2以上の整数)人のユーザl,…,k,…,mからの信号Sl(t),…,Sk(t),…,Sm(t)を互いに分離して並列に取出すものである。
図1において、図23の従来例と同様に、PDMA用基地局の受信システムには、4本のアンテナ3〜6と、周波数変換回路7と、A/D変換器8とが設けられている。A/D変換器8から出力された入力信号ベクトルX1(t)は、第1段目の演算装置101と、第1段目のアダプティブアレイAAl1,…,AAk1,…,AAm1と、第1段目のパラメータ推定器PEl1,…,PEk1,…,PEm1とに与えられる。アダプティブアレイの詳細については後で説明する。
アダプティブアレイAAl1,…,AAk1,…,AAm1からは、対応するユーザの信号成分を最も強く含む(その他にも他のユーザからの干渉信号成分をも含む)複素信号であるユーザ信号Yl1(t),…,Yk1(t),…,Ym1(t)がそれぞれ出力され、第1段目の演算装置101に与えられるとともに、それぞれ対応する検波器DEl1,…,DEk1,…,DEm1で検波される。
パラメータ推定器PEl1,…,PEk1,…,PEm1は、それぞれ、入力信号ベクトルX1(t)と、検波器DEl1,…,DEk1,…,DEm1の対応する検波出力とに基づいて、対応するユーザの受信信号係数ベクトルHl1,…,Hk1,…,Hm1を推定し、第1段目の演算装置101に与える。より具体的に、各パラメータ推定器は、対応するユーザの信号成分が入力信号ベクトルにどの程度含まれているか、対応するユーザの信号成分が入力信号ベクトルに対してどの程度位相回転しているか、などを推定する。
第1段目の演算装置101は、各ユーザi(i=1,2,…,m)ごとに、入力信号ベクトルX1(t)から、当該ユーザiを除く他のすべてのユーザの信号成分を差し引くことにより、干渉信号成分を除去し、当該ユーザiのさらなる入力信号ベクトルXf2(t)を算出し出力する。演算装置101の動作については、図2を参照して後で詳細に説明する。
第1段目の演算装置101は、ユーザごとに対応して入力信号ベクトルXl2(t),…,Xk2(t),…,Xm2(t)を出力し、対応する第2段目のアダプティブアレイAAl2,…,AAk2,…,AAm2に与える。
第2段目のアダプティブアレイAAl2,…,AAk2,…,AAm2から出力されるユーザ信号Yl2(t),…,Yk2(t),…,Ym2(t)は、第2段目の演算回路102に与えられるとともに、それぞれ対応する検波器DEl2,…,DEk2,…,DEm2で検波される。
パラメータ推定器PEl2,…,PEk2,…,PEm2は、それぞれ、入力信号ベクトルX1(t)と、検波器DEl2,…,DEk2,…,DEm2の対応する検波出力とに基づいて、対応するユーザの受信信号係数ベクトルHl2,…,Hk2,…,Hm2を推定し、第2段目の演算装置102に与える。演算装置102は、さらなる入力信号ベクトルXl3(t),…,Xk3(t),…,Xm3(t)を出力し、対応する(図示省略した)第3段目のアダプティブアレイAAl3,…,AAk3,…,AAm3に与える。
このように、アダプティブアレイとパラメータ推定器と演算装置とからなる干渉キャンセラを直列に複数段(第1段から第L段まで)設けたことにより、それぞれの段から出力されるユーザ信号に含まれる他のユーザ信号成分の割合を段階的に減少させて、干渉の除去がさらに図られることになる。その結果、通信特性のさらなる向上が図られる。
図2は、図1に示した複数段の演算装置の一例としての演算装置101の具体的なブロック図である。図2において、演算装置101は、乗算器MPl,…,MPk-1,MPk+1,…,MPmと加算器ADkとから構成されている。なお、説明の簡略化のために図示していないが、図示した乗算器および加算器以外にも、乗算器MPkおよび加算器ADl,…,ADk-1,ADk+1,…,ADmが演算装置101に内蔵されているものとする。
乗算器MPl,…,MPk-1,MPk+1,…,MPmにはそれぞれ、アダプティブアレイAAl1,…,AAk-1,AAk+1,…,AAmからのユーザ信号Yl1(t),…,Y(k-1)1(t),Y(k+1)1(t),…,Ym1(t)と、パラメータ推定器PEl1,…,PE(k-1)1,PE(k+1)1,…,PEm1からの受信信号係数ベクトルHl1,…,H(k-1)1,H(k+1)1,…,Hm1とが与えられる。
乗算器MPl,…,MPk-1,MPk+1,…,MPmの出力は加算器ADkの負の入力に与えられ、入力信号ベクトルX1(t)は加算器ADkの正の入力に与えられる。これにより、入力信号ベクトルX1(t)からユーザk以外のユーザに対応する信号成分が減算され、ユーザkに対応する信号成分Xk2(t)が加算器ADkから出力されることになる。前述のように、これらのアダプティブアレイ、パラメータ推定器および演算装置は全体として、1段の干渉キャンセラを構成しているものとする。
この結果、かなりの干渉信号成分が除去されることになる。そして、このようにして演算装置101により干渉信号成分がかなり除去された新たな入力ベクトル信号Xk2(t)を第2段目以降の干渉キャンセラに与えることにより、最終的に出力されるユーザ信号Sk(t)に含まれる他のユーザからの干渉信号成分の割合を十分に低下させることができ、良好な通信特性を実現することができる。
なお、加算器ADk以外の図示しない加算器の各々にも、並行して同様に、乗算器MPl,…,MPk,…,MPmのうちの当該加算器に対応する乗算器以外のものからの出力と、入力信号ベクトルX1(t)とが与えられる。そしてこれらの加算器はそれぞれ、図1に示す新たな入力信号ベクトルを出力して第2段目以降の干渉キャンセラに与えている。
次に、図1および図2に示した装置のさらに具体的な動作について説明する。
アンテナ素子数をn本、同時に通話するユーザ数をm人とすると、A/D変換器8から出力される入力信号ベクトルX1(t)は次式で表わされる。
1(t)=[x1(t),x2(t),…xn(t)]T …(1)
j(t)=hj11(t)+hj22(t)+…+hjii(t)+…+hjmm(t)+nj(t),(j=1,2,…,n) …(2)
上記の第(1)式および第(2)式をベクトル表記に直すと次の第(3)式が得られる。
1(t)=H11(t)+H22(t)+…+H11(t)+…+Hmm(t)+N(t) …(3)
i=[h11,h21,…,hn1T,(i=1,2,…,m) …(4)
N(t)=[n1(t),n2(t),…,nn(t)]T …(5)
次に,図2の演算装置101から新たな入力信号ベクトルXk2(t)が出力される動作についてさらに詳細に説明する。
パラメータ推定器PEl1,…,PEk1,…,PEm1でHi(i=1,2,…,m)が推定できるものとする。また1段目のアダプティブアレイAAl1,…,AAk1,…,AAm1が比較的良好に動作したとすると、Yi1(t)≒Si(t)とみなすことができる。
この段階で、すべてのユーザ信号とすべてのユーザ信号の受信信号係数ベクトルとが求まったことになる。ここで、2段目のユーザkの信号検出に用いる入力信号ベクトルXk2(t)を第(6)式により求めることができる。
k2(t)=X1(t)−Hll(t)−…−Hk-1k-1(t)−Hk+1k+1(t)−…−Hmm(t) …(6)
この第(6)式に第(3)式を代入すると、第(7)式が得られる。
k2(t)=Hkk(t)+N(t) …(7)
1(t)とXk2(t)を比較すると、Xk2(t)の方がSk(t)以外の干渉成分Si(t)(i=1,2,…m、ただしi≠k)が減少していて、2段目のアダプティブアレイがより動作しやすくなる。
図1に示すように、干渉キャンセラを複数段接続して構成したマルチステージの干渉キャンセラでは、受信信号をアダプティブアレイによってユーザごとに分離し、当該ユーザ以外のユーザの信号を干渉波として受信信号から除去して得た結果を、当該ユーザの入力信号として次段の干渉キャンセラに与えている。この結果、次段の干渉キャンセラでは、入力されるユーザ信号の干渉波が少ない分、通信特性の良いユーザ信号が得られる。そして、このような干渉波の除去を複数段繰返すことによって干渉波の除去はさらに進み、CIR(Carrier to Interference Ratio)はより改善され、所望のユーザ信号をより抽出しやすくなる。
しかしながら、上述のようなマルチステージ干渉キャンセラを用いれば確かに干渉波の除去は進むものの、次のような問題点が生じる。
(1) 上述のマルチステージ干渉キャンセラの例では、各アダプティブアレイで抽出されたユーザ信号を、その復調エラーの有無を判定することなく、受信信号から干渉波成分として除去するように構成されている。したがって、もしもアダプティブアレイで抽出されたユーザ信号に復調エラーがあり、何らかの変形した波形、たとえばインパルス状の波形を有する信号となっていれば、このようなエラーを含む信号成分が受信信号から減算された結果得られる各演算装置の出力(次段の干渉キャンセラへの入力信号)には、復調エラーの影響によるインパルス状のノイズが含まれることになるなどの影響が生じることになる。
(2) 図2に関連して説明したように、加算器ADkにより受信信号X1(t)から除去される各信号は、各パラメータ推定器で算出される受信信号係数ベクトルと、各アダプティブアレイで抽出されたユーザ信号との積(以下、レプリカ信号と称する)である。
ここで、各パラメータ推定器によって算出された受信信号係数ベクトルは、当該ユーザのユーザ信号と、その他のユーザのユーザ信号との間の相関値については全く考慮せず、そのような相関値を0とおいて算出されている。
現実には、複数のユーザ信号間には相関があり、したがって上記算出方法は現実の伝播環境にはそぐわないものである。したがって、このように他のユーザのユーザ信号との相関値を0とおく算出方法で求めた受信信号係数ベクトルを用いて干渉波の除去を行なうと、各演算装置の出力(次段の干渉キャンセラへの入力信号)にエラーが含まれてしまう可能性がある。
この発明は、上述の問題点(1)および(2)を解決しようとするものである。
[実施の形態1]
図3は、この発明の実施の形態1によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。
図3において、演算装置101′と、複数のユーザごとに設けられた第1のゲート部GA,干渉除去部ICおよび第2のゲート部GBとが、第1段目の干渉キャンセラの基本構成をなしている。
なお、図示の簡略化のために省略しているが、演算装置102′の後段にも複数のユーザごとに第1段目の干渉キャンセラと全く同じ態様で第1のゲート部GA,干渉除去部ICおよび第2のゲート部GBが設けられており、演算装置102′とこれらの図示しない構成要素GA,IC,GBとで第2段目の干渉キャンセラが構成されているものとする。
さらに図示省略するが、この2段目の干渉キャンセラの後段にも、第1段目の干渉キャンセラと全く同じ態様で構成された(演算装置と、第1および第2のゲート部と、干渉除去部とからなる)干渉キャンセラが複数段続いているものとする。
したがって、図3の受信システムは、全体としてマルチステージの干渉キャンセラで構成されたことになり、最終段の干渉キャンセラの複数のユーザごとに設けられた第2のゲート部GB(図示せず)の出力が、当該受信システムの最終出力となる。
まず、図1の受信システムと同様に、A/D変換器8からは入力信号ベクトルX1(t)が出力され、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与えられるとともに、第1段目の干渉キャンセラの前段に複数のユーザごとに対応して設けられた複数の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1にも共通に与えられる。
図3の受信システムにおいて、干渉除去部ICはすべて同じ構成を有しており、その一例として干渉除去部ICk1の構成を図4に示す。
図4において、干渉除去部ICk1に入力された入力信号ベクトルX1(t)からアダプティブアレイAAk1で抽出されたユーザkの複素信号は、復調器DMk1によってビット情報信号に変換される。このビット情報信号は、エラー判定器EDk1に与えられるとともに再変調器RMk1にも与えられる。
エラー判定器EDk1は、復調器DMk1からのビット情報信号に基づいて、アダプティブアレイAAk1からの抽出信号の復調エラーの有無を判定する。そして、復調エラー有りと判定すれば、Lレベルのエラー判定信号Ek1を発生して第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与える。
再変調器RMk1は、復調器DMk1からのビット情報信号を再度、複素信号であるユーザ信号Yk1(t)に変換し、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与えるとともに、パラメータ推定器PEk1に与える。
パラメータ推定器PEk1は、入力信号ベクトルX1(t)と、ユーザ信号Yk1(t)とに基づいて、対応するユーザの受信信号係数ベクトルHk1を算出し、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′に与える。
図4に示すような、アダプティブアレイ、復調器、エラー判定器、再変調器およびパラメータ推定器からなる配列は、図3のすべての干渉除去部ICに共通であるので、さらなる説明は繰返さない。
図5は、図3の受信システムを構成する複数段の干渉キャンセラの一例としての第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′の具体的構成を示すブロック図である。図5において、演算装置101′は、乗算器MPl,…,MPk-1,MPk,MPk+1,…,MPmと、ANDゲートANDl,…,ANDk-1,ANDk,ANDk+1,…,ANDmと、加算器ADとから構成されている。
乗算器MPl,…,MPk-1,MPk,MPk+1,…,MPmにはそれぞれ、前段の干渉除去部ICl1,…,IC(k-1)1,ICk1,IC(k+1)1,…,ICm1からのユーザ信号Yl1(t),…,Y(k-1)1(t),Yk1(t),Y(k+1)1(t),…,Ym1(t)と、受信号係数ベクトルHl1,…,H(k-1)1,Hk1,H(k+1)1,…,Hm1とが与えられる。
乗算器MPl,…,MPk-1,MPk,MPk+1,…,MPmの出力はそれぞれ対応するANDゲートANDl,…,ANDk-1,ANDk,ANDk-1,…,ANDmの一方入力に与えられ、これらのANDゲートの他方入力には、前段の干渉除去部ICl1,…,IC(k-1)1,ICk1,IC(k+1)1,…,ICm1からの対応のエラー判定信号El1,…,E(k-1)1,Ek1,E(k+1)1,…,Em1が入力される。
ANDゲートANDl,…,ANDk-1,ANDk,ANDk+1,…,ANDmの出力は加算器ADの負の入力に与えられ、A/D変換器8からの入力信号ベクトルX1(t)は加算器ADの正の入力に与えられる。
加算器ADの出力は入力信号ベクトルX2(t)として演算装置101′から出力され、図3に示すように、複数のユーザにそれぞれ対応する第1のゲート部GAl2,…,GAk2,…,GAm2に共通に与えられる。
また、図5の演算装置101′のブロック図では図示省略したが、前段のそれぞれの干渉部ICl1,…,ICk1,…,ICm1から出力された受信信号係数ベクトルHl1,…,Hk1,…,Hm1エラー判定信号El1,…,Ek1,…,Em1、およびユーザ信号Yl1(t),…,Yk1(t),…,Ym1(t)は、演算装置101′をそのまま通過し、ユーザごとに第1段目の干渉キャンセラの対応する第1のゲート部GAl2,…,GAk2,…,GAm2にそのまま与えられる。
ここで、図5を参照して、上述のように前段の干渉除去部において復調エラー有りと判定されたユーザ信号、たとえばY11(t)に対応した干渉除去部IC11のエラー判定器ED11からLレベルのエラー判定信号E11が演算装置101′の対応するANDゲートANDlの他方入力に与えられる。この結果、当該ANDゲートは閉じられ、対応する乗算器MPlから出力される、受信信号係数ベクトルH11とユーザ信号Y11(t)との積、すなわちレプリカ信号の加算器ADへの入力は阻止される。
この結果、入力信号ベクトルX1(t)から減算されるべきそれぞれのユーザの干渉波成分(レプリカ信号)から、復調エラーを含むユーザ信号に対応する干渉波成分(レプリカ信号)が除外される。このため、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′から出力される入力信号ベクトルX2(t)に、たとえばインパルス状のノイズが含まれることがなくなる。
第1段目の干渉キャンセラにおいて、各ユーザごとに対応する第1のゲート部GA、たとえばユーザ1に対応するゲート部GA12の選択制御入力には、前段の干渉除去部IC11から演算装置101′を通過したエラー信号E11が与えられる。
そして、前段の干渉除去部IC11でエラー有りの判定がなされていたときには、第1のゲート部GA12は、エラー判定信号E11に応じて、演算装置101′で新たに算出された、ノイズを含まない高精度の入力信号ベクトルX2(t)を選択して干渉除去部IC12に与える。
この干渉除去部IC12は、先に図4のICk1に関連して説明したように、この入力信号ベクトルX2(t)に基づいて、受信信号係数ベクトルH12と、エラー判定信号E12と、ユーザ信号Y12(t)とを新たに算出し、第2のゲート部GB12に与える。
一方、前段の干渉除去部IC11でエラー無しの判定がなされていたときには、第1のゲート部GA12は、エラー判定信号E11に応じて、演算装置101′を通過してきた、受信信号係数ベクトルH11,エラー判定信号E11,ユーザ信号Y11(t)を選択して第2のゲート部GB12へ与える。
第2のゲート部GB12の選択制御入力には、第1のゲート部GA12と共通にエラー判定信号E11が与えられる。第2のゲート部GB12は、前段の干渉除去部IC11でエラー有りの判定がなされていたときは、エラー判定信号E11に応じて、干渉除去部IC12で新たに算出された受信信号係数ベクトルH12,エラー判定信号E12およびユーザ信号Y12(t)を選択して出力し、第2段目の干渉キャンセラを構成する演算装置102′に与える。
一方、第2のゲート部GB12は、前段の干渉除去部IC11でエラー無しの判定がなされていたときには、エラー判定信号E11に応じて、第1のゲート部GA12から送られてきた、受信信号係数ベクトルH11,エラー判定信号E11およびユーザ信号Y11(t)をそのまま選択出力して、受信信号係数ベクトルH12,エラー判定信号E12およびユーザ信号Y12(t)として、第2段目の干渉キャンセラを構成する演算装置102′に与える。
ユーザ1以外の他のユーザに対応するゲート部GA,GB、干渉除去部ICにおいても全く同じ動作がなされるので、その説明を省略する。
以上の動作を要約すると、入力信号ベクトルX1(t)を受けた前段の干渉除去部ICのうち、エラー無しと判定されたユーザに関しては、当該干渉除去部ICで算出された受信信号係数ベクトルHと、エラー判定信号Eと、ユーザ信号Y(t)とがそのまま、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′と、第1のゲート部GAと、第2のゲート部GBとを通過し、第2段目の干渉キャンセラに与えられる。すなわち、一旦干渉除去部ICでエラー無しと判定されたユーザに関しては、もはや後段の干渉キャンセラの干渉除去部ICに与えられることはなく、受信信号係数ベクトルHやエラー判定信号Eやユーザ信号Y(t)が新たに算出されることはない。
一方、入力信号ベクトルX1(t)を受けた前段の干渉除去部ICのうち、エラー有りと判定されたユーザに関しては、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′でノイズを導入することなく高精度に干渉波除去がなされた入力信号ベクトルX2(t)に基づいて、第1段目の干渉キャンセラの干渉除去部ICが改めて受信信号係数ベクトルHとエラー判定信号Eとユーザ信号Y(t)とを算出し、第2段目の干渉キャンセラに与える。
第2段目の干渉キャンセラの演算装置102′は、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′と全く同じ構成を有しており、図5に関連して説明した動作と全く同じ動作を実行する。すなわち、初期入力信号ベクトルX1(t)から、復調エラーを含まないユーザ信号に対応するレプリカ信号のみが減算され、次の入力信号ベクトルX3(t)が加算器AD(図5)から出力されることになる。
すなわち、前段の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1でエラー無しと一旦判定されたユーザに関しては、後段のどの段の干渉キャンセラにおいてもそのレプリカ信号は初期入力信号ベクトルX1(t)からの減算の対象となる。
一方、一旦前段の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1でエラー有りと判定され第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′で初期入力信号ベクトルX1(t)からの減算対象から除外されたユーザであっても、第1段目の干渉キャンセラの干渉除去部ICl2,…,ICk2,…,ICm2のいずれかでエラー無しと判定された場合には、後段のどの段の干渉キャンセラにおいてもそのレプリカ信号は初期入力信号ベクトルX1(t)からの減算の対象となる。
この結果、第2段目の干渉キャンセラの演算装置102′では、ノイズを導入することなくさらに高精度で干渉波除去がなされた入力信号ベクトルX3(t)が得られる。
演算装置102′を含む第2段目の干渉キャンセラの動作は、演算装置101′、第1のゲート部GAl2,…,GAk2,…,GAm2、干渉除去部ICl2,…,ICk2,…,ICm2、第2のゲート部GBl2,…,GBk2,…,GBm2からなる上述の第1段目の干渉キャンセラの動作と全く同じである。
このような干渉キャンセラを複数段直列に接続し、各段の干渉キャンセラの演算装置において、初期入力信号ベクトルX1(t)から、エラー無しと判定されたユーザのレプリカ信号のみを減算することによって、各段の干渉キャンセラにおいて高精度な干渉波の除去を行なうことができる。
そして、前段を含むいずれかの段における干渉除去部ICでエラー無しと一旦判定されたユーザに関しては、その干渉除去部ICで算出された受信信号ベクトルHとエラー判定信号Eとユーザ信号Y(t)とが最終段の干渉キャンセラの第2のゲート部GB(図示せず)から出力され、そのうちのユーザ信号Y(t)が最終的なエラーのないユーザ信号として抽出され、当該受信システムから出力されることになる。
一方、すべての段における干渉除去部ICにおいてエラー有りと判定されたユーザに関しては、最終段の干渉キャンセラの干渉除去部ICで算出された受信信号係数ベクトルHとエラー判定信号Eとユーザ信号Y(t)とが第2のゲート部GBから出力され、そのうちユーザ信号Y(t)が最終的にエラーを伴うユーザ信号として抽出され、当該受信システムから出力されることになる。
この実施の形態1の効果についてより具体的に説明する。上述の実施の形態1においては、マルチステージの干渉キャンセラの各段ごとに、演算装置において初期入力信号X1(t)から、それぞれの(エラーのない)ユーザに対応する干渉成分すなわちレプリカ信号を除去するように構成されている。このような実施の形態1の構成により、次のような効果が得られる。
たとえば、4人のユーザのうち、ユーザ4の受信信号を求める場合において、前段の干渉除去部IC11およびIC21でユーザ1および2のみが復調エラー無しと判定された場合、ユーザ1および2のレプリカ信号のみが第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′において初期入力信号ベクトルX1(t)から減算されることになる。この結果、第1段目の干渉キャンセラのユーザ4に関する受信信号X2(t)は、
初期入力信号−(ユーザ1のレプリカ信号+ユーザ2のレプリカ信号)
となる。
次に、第1段目の干渉キャンセラの干渉除去部IC32において、ユーザ1および2に加えて、ユーザ3についても復調エラー無しと判定された場合、第2段目の干渉キャンセラの演算装置102′において、ユーザ1、ユーザ2およびユーザ3のレプリカ信号が初期入力信号X1(t)から減算されることになる。この結果、第2段の干渉キャンセラのユーザ4に関する受信信号X3(t)は、
初期入力信号−(ユーザ1のレプリカ信号+ユーザ2のレプリカ信号+ユーザ3のレプリカ信号)
となる。
[実施の形態2]
図6は、この発明の実施の形態2によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。この実施の形態2による受信システムは、各段の干渉キャンセラの演算装置において初期入力信号ベクトルX1(t)からレプリカ信号の減算を行なった図3の実施の形態1における受信システムと異なり、各段の干渉キャンセラの演算装置で新たに算出された入力信号ベクトルから、それぞれのユーザに対応する干渉成分すなわちレプリカ信号を減算するように構成したものである。
図6に示した実施の形態2による受信システムは、以下の点で図3に示した実施の形態1による受信システムと異なっている。すなわち、図6における演算装置101′と、ゲート部GAl2,…,GAk2,…,GAm2と、干渉除去部ICl2,…,ICk2,…,ICm2とからなる第1段目の干渉キャンセラでは、演算装置101から出力された入力信号ベクトルX2(t)が、図3のX1(t)の代わりに、2段目の干渉キャンセラの演算装置102″に与えられている。また、図6では、図3の第2のゲート部GAが設けられておらず、干渉除去部ICの出力である受信信号係数ベクトルH,エラー信号Eおよびユーザ信号Y(t)と、ゲート部GAを介して前段の干渉除去部ICから通過してきた受信信号ベクトルH,エラー判定信号Eおよびユーザ信号Y(t)とが並列に、2段目の干渉キャンセラの演算装置102″に与えられている。
また、この2段目の干渉キャンセラの演算装置102″(および以降の各段の干渉キャンセラの演算装置)は、前述の図5に示す構成ではなく、図7に示すような構成を有している。
図7に示した演算装置102″では、前段の干渉キャンセラの干渉除去部IC、たとえば干渉除去部IC12からの受信信号係数ベクトルH12,エラー判定信号E12,およびユーザ信号Y12(t)と、さらに前段の干渉除去部IC11から第1段目の干渉キャンセラを通過してきた受信信号係数ベクトルH11、エラー判定信号E11、およびユーザ信号Y11(t)とがゲート部GC1に与えられる。
ゲート部GC1の選択制御入力には、エラー判断信号E11が与えられ、エラー判定信号E11がエラー無しを示す場合には、干渉除去部IC11からの受信信号係数ベクトルH11,エラー判定信号E11,ユーザ信号Y11(t)を選択して受信信号係数ベクトルH12,エラー判定信号E12,ユーザ信号Y12(t)として出力し、エラー判定信号E11がエラー有りを示す場合には、干渉除去部IC12からの受信信号係数ベクトルH12,エラー判定信号E12,ユーザ信号Y12(t)を選択して出力する。
一方、第1段目の干渉キャンセラの干渉除去部IC12からの受信信号係数ベクトルH12とユーザ信号Y12(t)とが乗算器MPlで乗算され、その出力はANDゲートANDlの一方入力に与えられる。またANDゲートANDlの他方入力には、干渉除去部IC12からのエラー判定信号E12が与えられる。
ANDゲートANDlと加算器ADとの間には、ゲート部GD1が設けられており、ゲート部GD1の選択制御入力には、エラー判定信号E11が与えられる。エラー判定信号El1がエラー無しを示す場合、ゲート部GD1は閉じてANDゲートANDlの出力を加算器ADの負入力に与えない。一方、エラー判定信号E11がエラー有りを示す場合、ゲート部GD1は開いてANDゲートANDlの出力を加算器ADの負入力に与える。
加算器ADの正入力には、実施の形態1のように初期入力信号ベクトルX1(t)ではなく、前段の干渉キャンセラの演算装置101′で算出された入力信号ベクトルX2(t)が入力される。
以上は、ユーザ1に対応する構成の説明であるが、演算装置102″は、ユーザ1からユーザmまで同様の構成を含むものとする。
以上の構成を有する実施の形態2の受信システムの動作を説明すると、入力信号ベクトルX1(t)を受けた前段の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1のうち、エラー無しと判定されたユーザに関しては、当該干渉除去部ICで算出された受信信号ベクトルHと、エラー判定信号Eと、ユーザ信号Y(t)とが、そのまま第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′と、ゲート部GAと、第2段目の干渉キャンセラの演算装置102″のゲート部GCとを通過し、第2段目の干渉キャンセラのゲート部GA(図示せず)に与えられる。
すなわち、一旦前段の干渉除去部ICでエラー無しと判定されたユーザに関しては、後段の干渉除去部ICに与えられることはない。
一方、入力信号ベクトルX1(t)を受けた前段の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1のうちエラー有りと判定されたユーザに関しては、第1段目の干渉キャンセラの演算装置101′でノイズを導入することなく高精度で干渉波除去がなされた入力信号ベクトルX2(t)に基づいて、第1段目の干渉キャンセラの干渉除去部ICが、改めて受信信号係数ベクトルHと、エラー判定信号Eと、ユーザ信号Y(t)とを算出し、第2段目の干渉キャンセラの演算装置102″(図7)に与える。
第2段目の干渉キャンセラの演算装置102″では、前段の干渉キャンセラの演算装置101′から出力された入力信号ベクトルX2(t)から、復調エラーを含まないことが前段(第1段目)の干渉キャンセラの干渉除去部ICで判定されたユーザに対応するレプリカ信号のみが、入力信号ベクトルX2(t)から減算される。
ここで、既に、前段の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1のいずれかで、たとえば干渉除去部IC11でエラー無しが判定されたユーザ1に関しては、そのレプリカ信号は既に演算装置101′で、初期入力信号ベクトルX1(t)から減算されてしまっており、演算装置102″の加算器ADに与えられる入力信号ベクトルX2(t)にはもはや含まれてはいない。そのようなエラー無しと判定されたユーザ1に関しては、第1段目の干渉キャンセラのゲート部GA12で、前段の干渉除去部IC11の出力である受信信号係数ベクトルH11、エラー判定信号E11、ユーザ信号Y11(t)が選択されて、さらに演算装置102″のゲート部GC1を通過して後段に出力される。したがって、このユーザ1に対応する第1段の干渉キャンセラの干渉除去部IC12にはX2(t)は与えられず、受信信号係数ベクトルH12、エラー判定信号E12、ユーザ信号Y12(t)は出力されない。
したがって、エラー無しと既に判断されたユーザ1に関しては、乗算器MPl、ANDゲートANDlによる演算は行なわれず、加算器ADによる入力信号ベクトルX2(t)からの減算からは除外される。ただし、干渉除去部IC12への入力X2(t)が0であっても、干渉除去部IC12の動作によって何らかのノイズが発生し、乗算器MPl、ANDゲートANDlを介して加算器ADに入力されることを防止するため、エラー無しが判定されたユーザ1に関してはゲート部GD1が閉じ、ANDゲートANDlから加算器ADへの出力は完全に遮断される。
この実施の形態2の効果についてより具体的に説明すると、この実施の形態2によれば、各段の干渉キャンセラは、自段の演算装置で算出した入力信号ベクトルから、レプリカ信号を次段の演算装置で除去するように構成されている。
たとえば、4人のユーザのうち、ユーザ4の受信信号を求める場合において、前段の干渉除去部IC11およびIC21においてユーザ1および2のみがエラー無しと判定された場合、第1段目の干渉キャンセラのユーザ4に関する受信信号ベクトルX2(t)は、
初期入力信号−(ユーザ1のレプリカ信号+ユーザ2のレプリカ信号)
となる。
次に、第2段目の干渉キャンセラでのユーザ4に関する受信信号は、この実施の形態2では、
2(t)−(ユーザ3のレプリカ信号)
となる。
すなわち、前述の実施の形態1では、各段の干渉キャンセラの演算装置において、初期入力信号ベクトルX1(t)からのレプリカ信号の減算を行なっているため、一旦エラー無しとして減算したユーザのレプリカ信号も、後続の各段で繰返し入力信号ベクトルから減算し直す必要があるが、この実施の形態2では、エラー無しとして既に入力信号ベクトルから減算されたユーザについては、後段でもはや入力信号ベクトルから減算をやり直す必要はない。したがって、この実施の形態2によれば、計算処理量の大幅な軽減を図ることができる。
[実施の形態3]
図8は、この発明の実施の形態3によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。この実施の形態3では、基本的に、縦方向にk段目の干渉除去部IC1kにおいてユーザkの信号検出に使用した受信信号ベクトルX1k(t)から、検出されたユーザkの信号Y1k(t)とパラメータ推定器から出力された受信信号係数ベクトルH1kとを乗算して得た値を減算することにより得られた信号ベクトルを、(k+1)段目の干渉除去部IC1(k+1)のアダプティブアレイの入力信号ベクトルX1(k+1)(t)とすることにより、次段の干渉除去部においてより正確にユーザ信号Y1(k+1)(t)を抽出するようにしたものである。
すなわち、A/D変換器8から出力された入力信号ベクトルX1l(t)は、第1段目の干渉除去部IC11に与えられる。図8において、干渉除去部ICはすべて同じ構成を有しており、その一例として、干渉除去部IC1kの構成を図9に示す。
図9を参照して、前段の干渉除去部IC1(k-1)から与えられた入力信号ベクトルX1k(t)は、アダプティブアレイAA1kに入力されるとともに、加算器AD1kの正入力とパラメータ推定器PE1kとに与えられる。アダプティブアレイAA1kによって入力信号ベクトルX1k(t)から複素信号であるユーザ信号Yk1(t)が抽出され、復調器DM1kによってビット情報信号に変換される。このビット情報信号は、エラー判定器ED1kに与えられるとともに、再変調器RM1kにも与えられる。エラー判定器ED1kは、与えられたビット情報信号に基づいて、アダプティブアレイAA1kからの抽出信号の復調エラーの有無を判定する。そして、エラー有りと判定すれば、Lレベルのエラー判定信号E1kを発生し、外部へ出力する。再変調器RM1kは、与えられたビット情報信号を再度複素信号であるユーザ信号Y1k(t)に変換して出力する。このユーザ信号Y1k(t)はパラメータ推定器PE1kと乗算器MP1kとに与えられるとともに外部に出力される。
パラメータ推定器PE1kは、検出されたユーザ信号Y1k(t)と入力信号ベクトルX1k(t)とに基づいて受信信号係数ベクトルH1kを推定する。そして乗算器MP1kは、受信信号係数ベクトルH1kとユーザ信号Y1k(t)とを乗算し、その結果を加算器AD1kの負入力に与える。なお、乗算器MP1kと加算器AD1kとの間にはANDゲートAND1kが設けられており、その一方入力にはエラー判定器ED1kからエラー判定信号E1kが与えられる。
図8を参照すると、ユーザ1〜mに対応して縦方向に干渉除去部IC1l,…,IC1mが直列に接続されており、これらのm個の干渉除去部が1段目の干渉キャンセラを構成しているものとする。各段の干渉除去部ICは図9のk段目の干渉除去部と同様に構成されるので、その説明は繰返さない。
次に、図8および図9に示した実施の形態3の基本動作について説明する。図1および図2の本発明の前提となる受信システムに関連して説明した第(1)式〜第(5)式は、この実施の形態3においても適用される。
まず、k段目の干渉除去部IC1kの出力ユーザ信号はY1k(t)である。パラメータ推定器PE1kは、ユーザkのユーザ信号Y1k(t)と入力信号ベクトルX1k(t)とから、ユーザkの受信信号係数ベクトルH1kを出力する。そして、乗算器MP1kによりユーザ信号Y1k(t)と受信信号係数ベクトルH1kとを乗算し、その結果を加算器AD1kにより入力信号ベクトルX1k(t)から減算する。その結果を、次段の干渉除去部IC1(k+1)への入力信号ベクトルX1(k+1)(t)とする。すなわち、次式が得られる。
1(k+1)(t)=X1(t)−H1k1k(t) …(9)
この第(9)式に前述の第(3)式を代入すると、第(10)式が得られる。
1(k+1)(t)={H1k1k(t)+H1(k+1)1(k+1)(t)+…+H1m1m(t)+N(t)}−H1k1k(t)=H1(k+1)1(k+1)(t)+…+H1m1m(t)+N(t) …(10)
この第(10)式から理解されるように、入力ベクトル信号X1(k+1)(t)は、前段の干渉除去部の入力信号ベクトルX1k(t)からユーザ信号Y1k(t)の成分(すなわち、k+1段目の干渉除去部のアダプティブアレイAA1(k+1)にとっては干渉信号成分)が除去されたベクトル信号になっている。よって、k+1段目の干渉キャンセラのアダプティブアレイAA1(k+1)の入力信号ベクトルとしてはX1k(t)よりもX1(k+1)(t)を用いた方が当該アダプティブアレイがより良好に動作し、その結果、より正確なユーザ(k+1)の信号Y1(k+1)(t)を抽出することができる。
図8および図9に示した実施の形態3による受信システムでは、1段目の干渉キャンセラの各段(たとえばk段目)のアダプティブアレイAA1kで抽出されたユーザ信号が復調エラーを含む場合には、エラー判定器ED1kがLレベルのエラー判定信号E1kを発生してANDゲートAND1kの一方入力に与える。これにより、乗算器MP1kから出力される受信信号係数ベクトルH1kとユーザ信号Y1k(t)との積、すなわちレプリカ信号の加算器AD1kへの入力が阻止される。
この結果、各段の加算器AD1l,…,AD1k,…,AD1mで行なわれる干渉波成分の減算処理のうち、エラーを含む抽出されたユーザ信号の減算は除外されることとなり、各段の減算結果にそのようなエラーが反映(たとえばインパルス状ノイズの発生)することはなくなる。したがって、各段から出力されるユーザ信号が復調エラーの影響を受けることを防止することができる。
以上のように、干渉除去部IC1l,…,IC1mの直列接続からなる1段目の干渉キャンセラにおいて、エラーが判定された干渉除去部においては干渉波の除去は中止されるため、干渉波成分の除去という面からは必ずしも十分ではないと考えられるが、一旦復調エラーを含むユーザ信号の減算を行なってしまえば、以後のすべての段におけるユーザ出力信号はその影響を受けて不正確な出力信号になってしまう。このような欠点を考えると、若干干渉波成分の除去が不十分になったとしても出力ユーザ信号の有効性の確保という点で、この縦方向のk段の干渉除去部からなる干渉キャンセラはそれ自体十分効果があると考えられる。
しかしながら、この図8の実施の形態3では、干渉波成分の除去をさらに促進するために、図8に示した縦方向のk段の干渉除去部IC1l,…,IC1mの直列接続を1段目の干渉キャンセラとし、これを横方向に複数段接続してマルチステージの干渉キャンセラとして構成している。これにより、後続段における処理のためにより一層の干渉波成分の除去を図ることができる。
すなわち、複数のユーザ1〜mに対応するそれぞれの段、たとえば縦方向に1段目の干渉除去部IC11から出力されたエラー判定信号E11は、横方向に隣接する次段の干渉キャンセラの1段目のゲート部GE21の入力に与えられるとともに、ゲート部GF21およびGG21の選択制御入力に与えられる。また、干渉除去部IC11から出力されたユーザ信号Y11(t)もゲート部GE21の入力に与えられる。
また、1段目の干渉キャンセラの最終段の干渉除去部IC1mからの入力信号ベクトルX21(t)もゲート部GE21の入力に与えられる。
エラー判定信号E11が、干渉除去部IC11において復調エラー無しであったことを示す場合は、ゲート部GE21は入力されたエラー判定信号E11に応じて、エラー判定信号E11そのものとユーザ信号Y11(t)をそのまま通過させ、ゲート部GF21の入力に与えるとともに、入力信号ベクトルX21(t)をゲート部GG21の入力に与える。
一方、エラー判定信号E11が、干渉除去部IC11において復調エラー有りであったことを示す場合は、ゲート部GE21は入力されたエラー判定信号E11に応じて、入力信号ベクトルX21(t)を干渉除去部IC21の入力に与える。
干渉除去部IC21は、図9に示す干渉除去部IC1kと同じ構成を有し、算出したエラー判定信号E21およびユーザ信号Y21(t)をゲート部GF21の入力に与え、入力信号ベクトルX22(t)をゲート部GG21の入力に与える。
ゲート部GF21は、エラー判定信号E11がエラー無しを示す場合には、前段の干渉除去部IC11からゲート部GE21を通過したエラー判定信号E11およびユーザ信号Y11(t)を選択して、それぞれエラー判定信号E21およびユーザ信号Y21(t)として出力する。
一方、ゲート部GF21は、エラー判定信号E11がエラー有りを示す場合には、干渉除去部IC21で新たに算出されたエラー判定信号E21およびユーザ信号Y21(t)を選択してそのまま出力する。
ゲート部GG21は、エラー判定信号E11がエラー無しを示す場合には、干渉除去部IC1mからゲート部GE21を通過した入力信号ベクトルX21(t)を選択して、後段のゲート部GE22の入力に与える。
一方、ゲート部GG21は、エラー判定信号E11がエラー有りを示す場合には、干渉除去部IC21で新たに算出された入力信号ベクトルX22(t)を選択して、後段のゲート部GE22の入力に与える。
すなわち、前段の干渉キャンセラの干渉除去部IC11で一旦エラー無しを判定されると、干渉除去部IC11で算出されたエラー判定信号E11およびユーザ信号Y11(t)が、そのまま横方向に複数段接続された干渉キャンセラをそのまま通過していき、最終段の干渉キャンセラのゲートGF(図示せず)から最終出力として出力される。また、前段からの入力信号ベクトルX21(t)が干渉除去部IC21を介さずそのままゲート部GG21の入力に与えられる。
一方、前段の干渉キャンセラの干渉除去部IC11でエラー有りと判定された場合には、干渉除去部IC11ではユーザ1に対応するレプリカ信号の入力信号ベクトルからの減算が禁止されているため、干渉除去部IC21に入力される入力信号ベクトルX21(t)にはユーザ1の干渉成分が未だ含まれたままである。そこで、干渉除去部IC21は、エラー無しのユーザについては干渉波成分が既に除去されている入力信号ベクトルX21(t)に基づいて、改めてユーザ1の干渉波成分の除去を行なう。干渉除去部IC21の動作については図9を参照して既に説明したとおりである。
ユーザ1に対応する1段目の干渉除去部IC21から出力されたユーザ信号Y21(t)および干渉除去部IC21における復調エラーの有無を示すエラー判定信号E21はゲート部GF21を介して次段の干渉キャンセラのゲート部GE(図示せず)の入力に与えられる。また、前段の干渉除去部IC11におけるエラーの有無に応じて、干渉除去部IC21で新たに算出された入力信号ベクトルX22(t)または前段の干渉除去部IC1mからゲート部GE21を介してそのまま出力された入力信号ベクトルX21(t)が後段のゲート部GE22に与えられる。この入力信号ベクトルX22(t)は、干渉除去部IC12におけるエラーの有無に応じて干渉除去部IC22に与えられるか、または干渉除去部IC22を通さずにゲート部GG22を介してさらに次段に通過させられる。
このユーザ2に対応する2段目の構成および動作は、上述のユーザ1に対応する1段目の構成および動作と同じである。
以上のようにこの発明の実施の形態3によれば、縦方向に直列に接続されたユーザ1〜mに対応するm段の干渉除去部から構成される干渉キャリアを、横方向に複数段設けることにより、より一層の干渉波成分の除去を図ることができる。
[実施の形態4]
図10は、この発明の実施の形態4によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。図10に示した受信システムの構成は、以下の点を除いて、図3に示した実施の形態1の受信システムと同じである。
すなわち、図3の実施の形態1では、各干渉除去部ICに含まれた再変調器(図4)から出力された複素信号であるユーザ信号は、当該干渉除去部に含まれたパラメータ推定器(図4)に与えられるだけで、他のユーザの干渉除去部のパラメータ推定器には与えられていなかったが、図10の実施の形態4では、各ユーザの干渉除去部の再変調器から出力されたユーザ信号は、当該ユーザに加えて他のすべてのユーザの干渉除去部のパラメータ推定器にも与えられるように構成されている。
図1に示した本発明の前提となる受信システムに関連して説明したように、当該ユーザのユーザ信号と他のユーザのユーザ信号との間の相関値について全く考慮せずに(相関値を0とおいて)受信信号係数ベクトルを推定すれば、出力信号に誤差が含まれる原因となる。
図10の実施の形態4では、複数のユーザ信号間の相関値をも考慮して各ユーザの受信信号係数ベクトルを推定しようとするものであり、以下にその算出方法について説明する。
たとえば、4人のユーザの信号Y11(t),Y21(t),Y31(t),Y41(t)と、受信信号係数ベクトルH11,H21,H31,H41とにより、受信信号X1(t)は次のように定義されるものとする。
1(t)=(H11*Y11(t))+(H21*Y21(t))+(H31*Y31(t))+(H41*Y41(t))+n …(11)
ただしnはノイズ成分である。
ここで、ユーザ1のユーザ信号Y11(t)と受信信号X1(t)とのアンサンブル平均をとれば、第(11)式は以下のように展開される。なお、上つきの*は複素共役を表わす。
E[X1(t)*Y11 *(t)]
=H11*E[Y11(t)*Y11 *(t)]+H21*E[Y21(t)*Y11 *(t)]+H31*E[Y31(t)*Y11 *(t)]+H41*E[Y41(t)*Y11 *(t)]+E[n*Y11 *(t)] …(12)
ここでE[Y11(t)*Y11 *(t)]=1,[n*Y11 *(t)]=0であるので、第(12)式は、次のようになる。
E[X1(t)*Y11 *(t)]
=H11+H21*E[Y21(t)*Y11 *(t)]+H31*E[Y31(t)*Y11 *(t)]+H41*E[Y41(t)*Y11 *(t)] …(13)
図1および図2の本発明の前提となる受信システムでは、ユーザ信号間の相関値であるE[Y21(t)*Y11 *(t)],E[Y31(t)*Y11 *(t)],E[Y41(t)*Y11 *(t)]を、実際の伝播環境では相関があるにもかかわらず0とおいていたので、結果的に得られるE[X1(t)*Y11 *(t)]=H11は誤差を含んでいたが、この実施の形態4では、これらのユーザ間の相関値(アンサンブル平均)を実際に計算した上で受信信号係数ベクトルH11,H21,H31,H41を計算している。以下の計算は、たとえば前段の干渉除去部ICl1,…,ICk1,…,ICm1では、パラメータ推定器PEl1,…,PEk1,…,PEm1によって実行される。
すなわち、受信信号係数ベクトルH11,H21,H31,H41を未知数とすると、これらを求めるために4つの方程式からなる連立方程式が必要である。そこで、上述のE[X1(t)*Y11 *(t)]の値に加えて、3つのアンサンブル平均、すなわちE[X1(t)*Y21 *(t)],E[X1(t)*Y31 *(t)],E[X1(t)*Y41 *(t)]の値をも実際に計算する。
そしてユーザ信号間の個々の相関値(アンサンブル平均)を実際に計算して、上記3つのアンサンブル平均の展開結果に代入すれば、未知数をH11,H21,H31,H41とする連立方程式ができあがり、これを解くことによって、実際の伝播環境に近い受信信号係数ベクトルH11,H21,H31,H41を高い精度で推定することができる。そして、次段の干渉キャンセラにおいても同様にユーザ信号間の相関値を実際に計算して受信信号係数ベクトルの推定を行なっている。
なお、各段の干渉キャンセラにおいては、前段の干渉除去部でエラー無と判定され、既に一度レプリカ信号の減算が行なわれている場合であっても、初期入力信号ベクトルからレプリカ信号の再度の減算を行なうため、除去の精度を向上させる目的で、別途パラメータ推定器PEAl2,…,PEAk2,…,PEAm2が設けられている。
特に、この実施の形態4では、エラー判定器による抽出信号の復調エラーの判定結果に関係なく、すべてのユーザ間の個々の相関値(アンサンブル平均)を実際に計算して利用している。したがって、いずれかのユーザに関して復調エラーが発生している場合も考えられるが、エラー有りの信号とエラー無しの信号との間の相関値が、実際の信号(エラー無しの信号とエラー無しの信号)の間の相関値に近い場合には、実際の伝播環境に近い受信信号係数ベクトルを推定することができる。
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、従来は0とみなしていたユーザ信号間の相関値を実際に計算しているため、エラーのない受信信号係数ベクトルを推定することが可能となる。
[実施の形態5]
図11は、この発明の実施の形態5によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。図11に示した受信システムの構成は、以下の点を除いて、図10に示した実施の形態4の受信システムと同じである。
すなわち、図10の実施の形態4の構成に加えて、図11では、各ユーザのエラー判定器のエラー判定信号がすべてのユーザの干渉除去部のパラメータ推定器に与えられるように構成されている。この結果、復調エラーの有無によって、信号間の相関値の計算の是非を決定することができる。
より具体的に、前述の実施の形態4の例を用いて説明する。たとえば4人のユーザのうち、ユーザ1および2の抽出信号に復調エラーはなく、ユーザ3および4の抽出信号に復調エラーがあると判断されたものとする。エラー有りのユーザの信号については、次段の干渉キャンセラで改めてユーザ信号が抽出されることになる。
したがって、この実施の形態4では、エラーのないユーザ1および2の信号の相関のみを利用し、エラー有りのユーザ3および4の信号との相関は0とみなしている。たとえば、前述の第(13)式では、相関値のうちE[Y31(t)*Y11 *(t)]およびE[Y41(t)*Y11 *(t)]は0とみなす。したがって、第(13)式は、次のようになる。
E[X1(t)*Y11 *(t)]=H11+H21*E[Y21(t)*Y11 *(t)]
この式では、未知数がH11,H21の2つであるため、E[X1(t)*Y11 *(t)]の値に加えて、E[X1(t)*Y21 *(t)]の値をも計算する。そして、ユーザ1および2の相関値E[Y21(t)*Y11 *(t)]を計算し、E[X1(t)*Y11 *(t)]およびE[X1(t)*Y21 *(t)]の双方の展開式に代入すれば、未知数をH11,H21とする連立方程式ができあがり、これを解くことによって受信信号係数ベクトルH11,H21を高い精度で算出することができる。
特に、この実施の形態4では、エラーのないユーザ信号間の相関値を実際に計算して利用することにより、実際の伝播環境により近い受信信号係数ベクトルを推定することが可能となる。
[実施の形態6]
図12は、この発明の実施の形態6によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。図12に示した受信システムの構成は、以下の点を除いて、図6に示した実施の形態2の受信システムと同じである。
すなわち、図6の実施の形態2では、各干渉除去部ICに含まれた再変調器から出力された複素信号であるユーザ信号は、当該干渉除去部に含まれたパラメータ推定器に与えられるだけで、他のユーザの干渉除去部のパラメータ推定器には与えられていなかったが、図12の実施の形態6では、図10の実施の形態4と同様に、各ユーザの干渉除去部の再変調器から出力されたユーザ信号は、当該ユーザに加えて他のすべてのユーザの干渉除去部のパラメータ推定器にも与えられるように構成されている。
図12に示した実施の形態6による受信システムは、図10に示した実施の形態4による受信システムと、次の点で異なっている。
まず、図12の実施の形態6の構成では、初期入力信号ベクトルX1(t)ではなく、当該干渉キャンセラの演算装置で算出された入力信号ベクトルから、新たにエラー無しと判定されたユーザのレプリカ信号の減算が行なわれる。すなわち、前段の干渉除去部でエラー無しと既に判定されたユーザに関してはレプリカ信号の減算はやり直さないため、図10の実施の形態4のようにパラメータ推定部PEAl2,…,PEAk2,…,PEAm2を追加する必要はない。
その代わりに、前段の干渉除去部のエラーの有無に応じて、当該干渉キャンセラの干渉除去部で新たに算出したユーザ信号または前段の干渉除去部で既に計算済のユーザ信号のいずれかを選択して相関値計算の対象とするためのゲート部GHl2,…,GHk2,…,GHm2が設けられている。
以上のように、この発明の実施の形態6によれば、従来は0とみなしていたユーザ信号間の相関値を実際に計算しているため、前述の実施の形態4と同様に、エラーのない受信信号係数ベクトルを推定することが可能となる。
[実施の形態7]
図13は、この発明の実施の形態7によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。図13に示した受信システムの構成は、以下の点を除いて、図12に示した実施の形態6の受信システムと同じである。
すなわち、図12の実施の形態6の構成に加えて、図13では、各ユーザのエラー判定器のエラー判定信号がすべてのユーザの干渉除去部のパラメータ推定器に与えられるように構成されている。この結果、復調エラーの有無によって、信号間の相関値の計算の是非を決定することができる。
すなわち、この実施の形態7では、前述の実施の形態5と同様に、エラーのないユーザ信号間の相関値を実際に計算して利用することにより、実際の伝播環境により近い受信信号係数ベクトルを推定することが可能となる。
[実施の形態8]
図14は、この発明の実施の形態8によるPDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。この実施の形態8による受信システムは、基本的に、図8に示した実施の形態3による受信システムの構成に、図10の実施の形態4で説明した技術を適用したものである。
すなわち、図8の実施の形態3では、各干渉除去部に含まれる再変調器(図9)から出力された複素信号であるユーザ信号は、当該干渉除去部のパラメータ推定器に与えられるだけで他のユーザの干渉除去部のパラメータ推定器には与えられていなかったが、図14の実施の形態8では、各ユーザの再変調器から出力されたユーザ信号は、当該ユーザに加えて、次段以降のユーザの干渉除去部のパラメータ推定器にも与えられるように構成されている。
より詳細に説明すると、図14の実施の形態8では、初期入力信号ベクトルX1(t)が、各干渉除去部ICに共通に印加され、後述するように各干渉除去部ICのパラメータ推定器PEおよび加算器ADの正入力に与えられているものとする。そして、前段の干渉除去部から出力された入力信号ベクトルが、当該干渉除去部のアダプティブアレイAAに与えられる(第1段目の干渉除去部IC11では初期入力信号ベクトルX1(t)がアダプティブアレイAA11に与えられる)。
第1段目の干渉キャンセラの干渉除去部IC11においては、図9に示すように、当該干渉除去部で発生したユーザ信号Y11(t)をパラメータ推定器PE1kに与えることによりパラメータ推定しており、他のユーザのユーザ信号は用いられていない。
しかし、後段の干渉除去部IC12においては、当該干渉除去部で発生したユーザ信号Y12(t)に加えて、前段の干渉除去部IC11で発生したユーザ信号Y11(t)も用いてパラメータ推定している。
同様に、各段の干渉除去部は、当該干渉除去部で発生したユーザ信号に加えて、当該干渉除去部の前段にあたる干渉除去部からのユーザ信号を用いてパラメータの推定を行なっている。
たとえば、第1段目の干渉キャンセラの最下段の干渉除去部IC1mは、当該干渉除去部で発生したユーザ信号Y1m(t)に加えて、前段の干渉除去部IC11,…,IC1(m-1)で発生したユーザ信号Y11(t),…,Y1(m-1)(t)を用いてパラメータの推定をしている。
図15は、図14に示す干渉除去部の一例として第1段目の干渉キャンセラのk段目の干渉除去部IC1kの構成を示すブロック図である。図15に示した干渉除去部は、図9に示した干渉除去部と以下の点で異なっている。
すなわち、前段の干渉除去部から出力された入力信号ベクトルX1k(t)はアダプティブアレイAA1kに与えられるだけであり、初期入力信号X1(t)がパラメータ推定器PE1kの入力および加算器AD1kの正入力に与えられる。パラメータ推定器PE1kには、当該干渉除去部で発生したユーザ信号Y1k(t)に加えて、前段の干渉除去部IC11,…,IC1(k-1)からのユーザ信号Y11(t),…,Y1(k-1)(t)も与えられ、これらのユーザ信号の相関値に基づいて、パラメータ推定器PE1kは、受信信号係数ベクトルH11,H12,…,H1kを算出する。
これらのユーザ信号Y11(t),…,Y1k(t)と、受信信号係数ベクトルH11,…,H1kとは、対応する乗算器MP1k1,MP1k2,…,MP1kkによってそれぞれ乗算され、その乗算結果はそれぞれANDゲートAND1k1,AND1k2,…,AND1kkを介して加算器AD1kの負入力に与えられる。
ANDゲートAND1k1,AND1k2,…,AND1kkの他方入力には前段の干渉除去部IC11,…,IC1(k-1)からのエラー判定信号E11,…,E1(k-1)および当該干渉除去部で発生したエラー判定信号E1kがそれぞれ入力され、エラー有りを示すエラー判定信号が入力されたANDゲートは閉じてエラーを含むレプリカ信号の初期入力信号ベクトルX1(t)からの減算は回避される。
この結果、加算器AD1kからは、ノイズ成分を含まない入力信号ベクトルX1(k+1)(t)が算出され、次段の干渉除去部IC1(k+1)のアダプティブアレイAA1(k-1)に与えられる。
第2段目以降の干渉キャンセラの干渉除去部IC21,IC22,…も同様の構成を有しているものとする。
すなわち、図14および図15の例では、干渉除去部IC11,…,IC1mにおける受信信号係数ベクトルH11,H12,…,H1k,…,H1mは次のように求められる。まず、初期入力信号ベクトルX1(t)は次のように表わされる。
1(t)=H1111(t)+…+H1k1k(t)+…+H1m1m(t)
図14の第1段目の干渉キャンセラの構成では、各段の干渉除去部ICで初期入力信号ベクトルX1(t)に基づいてユーザ信号Y1k(t)が推定できる。したがって、各ユーザ信号と上記初期入力信号ベクトルX1(t)とのアンサンブル平均をとれば、ユーザ間の相関値(アンサンブル平均)を実際に計算した上で受信信号係数ベクトルH11,H12,…,H1k,…,H1mを求めるための連立方程式が得られる。
さらに、次段の干渉キャンセラの動作は基本的に図8を参照して説明した動作と同じで有り、異なるのは次の点である。
すなわち、ゲート部GE21には、前段の干渉除去部IC12,…,IC1mからユーザ信号Y12(t),…,Y1m(t)およびエラー判定信号E12,…,E1mが与えられており、干渉除去部IC11でエラーが判定されたときには、これらのユーザ信号Y12(t),…,Y1m(t)およびエラー判定信号E12,…,E1mが干渉除去部IC21に与えられ、そのうちのユーザ信号がパラメータ推定に用いられる。
次に、ゲート部GE22には、前段の干渉除去部IC13,…,IC1mおよびIC21から,ユーザ信号Y13(t),…,Y1m(t),Y21(t)およびエラー判定信号E13,…,E1m,E21が与えられており、干渉除去部IC12でエラーが判定されたときには、これらのユーザ信号Y13(t),…,Y1m(t),Y21(t)およびエラー判定信号E13,…,E1m,E21が干渉除去部IC22に与えられ、そのうちのユーザ信号がパラメータ推定に用いられる。以下、干渉キャンセラの各段の干渉除去部において同様の動作(パラメータ推定)が実行される。
以上のように、図14の実施の形態8による受信システムは、複数のユーザ信号間の相関値をも考慮して各ユーザの受信信号係数ベクトルを算出しようとするものである。したがって、この実施の形態8による受信システムは、前述の実施の形態4による受信システムと同様に、実際の伝播環境で得られるものに近い受信信号係数ベクトルを高い精度で推定することができる。
[実施の形態9]
図16は、この発明の実施の形態9によるPDMA用基地局の受信システムにおける干渉除去部の構成を示すブロック図である。この実施の形態9による受信システムは、基本的に、干渉除去部の構成を除いて図14に示した受信システムと同じ全体構成を有しており、図8に示した実施の形態3による受信システムの構成に、図11の実施の形態5で説明した技術を適用したものである。図16に示した干渉除去部は、以下の点を除いて、図15に示した実施の形態8の干渉除去部と同じである。
すなわち、図15の実施の形態8の干渉除去部構成に加えて、図16の実施の形態9では、前段の干渉除去部のエラー判定器のエラー判定信号(たとえばE11,…,E1(k-1))を次段の干渉除去部のパラメータ推定器に与えられるように構成されている。
図16の実施の形態9による受信システムは、復調エラーの有無によって信号間の相関値の計算の是非を決定するものである。特に、この実施の形態9による受信システムでは、エラーがないユーザ信号間でのみ相関値を計算して、受信信号係数ベクトルの算出に利用することにより、前述の実施の形態5による受信システムと同様に、実際の伝播環境で得られるものに近い受信信号係数ベクトルを高い精度で推定することができる。
[実施の形態10]
ところで、図3〜図16に示された実施の形態は、PDMA用基地局の受信システムに関するものである。近年、このPDMA通信方式に加えて、CDMA通信方式が提案されており、すでに実用化されている。
このCDMA通信方式では、送信側で、送信されるデジタルデータのシンボルに所定の拡散符号を乗算して遥かに高い周波数の信号として送信し、受信側では上記拡散符号を用いて受信信号を逆拡散することによりデータの復調を行なっている。
ここで、拡散符号として互いに相関のない異なるものを複数種類用いれば、同一周波数の複数のデータ信号が拡散されて送信されている場合であっても、送信時に対応する拡散符号で逆拡散を行なうことにより所望のユーザの信号のみを確実に分離抽出することができる。したがって、このCDMA通信方式を用いることにより、さらなる通信容量の増大を図ることが可能となる。このようなCDMA通信方式はすでに実用化され、当該技術分野において周知であるので、詳細な説明は省略する。
以下に説明する実施の形態は、この発明による無線受信システムを、CDMA通信方式に適用したものである。
図17は、この発明の実施の形態10によるCDMA用基地局の受信システムを示すブロック図であり、図18および図19は、それぞれ、図17に示した干渉除去部および演算装置の具体的なブロック図である。
図17ないし図19に示す実施の形態10のCDMA受信システムは、以下の点を除いて、図3ないし図5に示した実施の形態1のPDMA受信システムと同じである。
すなわち、図3に示す実施の形態1の受信システムの干渉除去部ICの構成を、図4に示す実施の形態1の構成から、図18に示す実施の形態10の構成に変更したものである。図18に示す干渉除去部(一例としての干渉除去部ICK1′)では、アダプティブアレイおよびパラメータ推定器の前段に、CDMA通信方式で送信されアンテナ3〜6で受信された信号を逆拡散するための逆拡散器ISk1が設けられている。各干渉除去部において逆拡散器でユーザごとに逆拡散された受信信号は、対応するアダプティブアレイおよびパラメータ推定器に与えられ、前述の実施の形態1と同じ動作により、それぞれのユーザ信号が抽出されて、後段の干渉キャンセラの演算装置に与えられる。
図19に示す1段目の干渉キャンセラの演算装置101aは、乗算器MP1,…,MPk-1,MPk,MPk+1,…,MPmの出力をそれぞれ拡散する拡散器S11,…,S(k-1)1,Sk1,S(k+1)1,…,Sm1が設けられている点を除いて、図5に示した演算装置101′と同じである。
すなわち、CDMA通信方式により拡散されたままの入力信号ベクトルX1(t)からの減算を行なうために、各乗算器の出力が再度対応する拡散符号により拡散される。
そして各拡散器の出力、すなわち演算装置101aの出力は、後段の対応する干渉除去部の逆拡散器により再度逆拡散されて、アダプティブアレイおよびパラメータ推定器に与えられる。
第2段の干渉キャンセラの演算装置102aは、図19に示す演算装置101aと同じ構成を有している。他の動作は、図3ないし図5に示した実施の形態1と同じである。
[実施の形態11]
次に、図20は、この発明の実施の形態11によるCDMA用基地局の受信システムを示すブロック図である。図20に示す実施の形態11は、以下の点を除いて、図8に示した実施の形態3と同じである。すなわち、各段の干渉除去部ごとに、対応するアダプティブアレイおよびパラメータ推定器の前段に、CDMA通信方式で送信された入力信号ベクトルを逆拡散するための逆拡散器(図9の干渉除去部IC1k′では逆拡散器IS1k)が設けられている。それぞれの逆拡散器でユーザごとに逆拡散された入力信号ベクトルは、対応するアダプティブアレイおよびパラメータ推定器に与えられ、前述の実施の形態3と同じ動作により、それぞれのユーザ信号が抽出される。なお、各干渉除去部における乗算器の出力は、CDMA方式により拡散されたままの対応する入力信号ベクトルからの減算を行なうために拡散器(図9では拡散器S1k)により再度拡散される。その他の動作は図8に示した実施の形態3と同じであるので、ここでは繰返さない。
なお、図3ないし図5に示した実施の形態1および図8および図9に示した実施の形態3にCDMA通信方式を適用した例を実施の形態10および11として説明したが、その他の実施の形態として開示した受信システムに対しても、図示省略するがこのCDM通信方式が同様に適用されることはいうまでもない。
図21は、上述の各実施の形態の受信システムにおいて用いられるアダプティブアレイの一例を示すブロック図である。
図21において、各アダプティブアレイには入力ポート181〜184が設けられており、それぞれの入力ポートにはA/D変換器8でA/D変換された4本のアンテナ3〜6からの入力信号が入力される。これらの入力信号は、ウエイトベクトル計算器176と乗算器171〜174とに与えられる。
ウエイトベクトル計算器176は、入力ポート181〜184からの入力信号と、メモリ177に予め記憶されている特定のユーザの信号に対応したトレーニング信号または加算器175の出力を用いて、所望のユーザ信号が抽出されるようにウエイトベクトルw1〜w4を計算する。
乗算器171〜174は、入力ポート181〜184の入力信号とウエイトベクトルw1〜w4とをそれぞれ乗算して加算器175へ出力する。加算器175は、乗算器171〜174のそれぞれの出力信号を加算してその結果得られる所望のユーザ信号をウエイトベクトル計算器176に与えるとともに、出力ポートから出力する。
なお、上述の実施の形態1〜11においては、再変調器によって再変調されたデータを演算装置等に与えるように構成しているが、アダプティブアレイの出力と再変調されたデータとは、もともと同一内容のデータとみなすこともできるので、アダプティブアレイの出力データを演算装置等に入力しても同様の効果が得られる。
さらに、上述の各実施の形態では、干渉キャンセラを複数段接続したハードウェア構成として受信システムを実現した例について説明したが、これらの受信システムはデジタル信号プロセッサ(DSP)によって全体としてソフトウェアで実現することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上のように、この発明によれば、ユーザに対応する信号抽出手段で抽出された干渉ユーザ信号成分を入力信号ベクトルから干渉除去手段で取除くことにより、所望のユーザ信号成分を、干渉成分がより抑制された状態で抽出することができ、移動通信システムなどの無線通信システムにおける通信品質の向上を図ることができる。
さらに、復調エラーがあると判断されたユーザ信号は、干渉波成分の減算から除外されるため、当該干渉キャンセラの出力信号にノイズが含まれることがない。
また、受信信号係数ベクトルの推定時には、当該ユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値を実際に計算してその結果に基づいて推定を行なっているため、実際の伝播環境で得られるものに近い受信信号係数ベクトルを得ることができ、より高精度の干渉波の除去を行なうことが可能となる。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る無線受信システムは、たとえばPDMA方式、CDMA方式のような移動通信システムの基地局において、移動端末装置から受信した信号における不要ユーザ信号を除去して通信品質の向上を図るのに適している。

Claims (23)

  1. 複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムであって、
    前記複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号に基づいて、前記複数のユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第1の信号抽出手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号に対する前記第1の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する複数の第1の推定手段と、
    前記第1の信号抽出手段で抽出された複数のユーザに対応する信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第1のエラー判定手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号から、前記第1のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された前記抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情報を考慮して減算する第1の演算手段とを備えた、無線受信システム。
  2. 前記第1の演算手段から出力される信号に基づいて、前記第1のエラー判定手段により復調エラーを含むと判定されたユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第2の信号抽出手段と、
    前記第1の演算手段から出力される信号に対する前記第2の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する複数の第2の推定手段と、
    前記第2の信号抽出手段で抽出された信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第2のエラー判定手段とをさらに備えた、請求項1に記載の無線受信システム。
  3. 前記信号処理手段から出力される信号から、前記第1および第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された前記第1および第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情報を考慮して減算する第2の演算手段をさらに備えた、請求項2に記載の無線受信システム。
  4. 前記第1の演算手段から出力される信号から、前記第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された前記第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情報を考慮して減算する第3の演算手段をさらに備えた、請求項2に記載の無線受信システム。
  5. 複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムであって、
    前記複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号に基づいて、前記複数のユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第1の信号抽出手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号に対する前記第1の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、対応のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する複数の第1の推定手段と、
    前記第1の信号抽出手段で抽出された複数のユーザに対応する信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第1のエラー判定手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号から、前記第1のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された前記抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情報を考慮して減算する第1の演算手段とを備えた、無線受信システム。
  6. 前記第1の演算手段から出力される信号に基づいて、前記第1のエラー判定手段により復調エラーを含むと判定されたユーザにそれぞれ対応する信号成分を抽出する複数の第2の信号抽出手段と、
    前記第1の演算手段から出力される信号に対する前記第2の信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、対応のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する複数の第2の推定手段と、
    前記第2の信号抽出手段で抽出された信号成分がそれぞれ復調エラーを含むか否かを判定する複数の第2のエラー判定手段とをさらに備えた、請求項5に記載の無線受信システム。
  7. 前記信号処理手段から出力される信号から、前記第1および第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された前記第1および第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情報を考慮して減算する第2の演算手段をさらに備えた、請求項6に記載の無線受信システム。
  8. 前記第1の演算手段から出力される信号から、前記第2のエラー判定手段により復調エラーを含まないと判定された前記第2の信号抽出手段で抽出された信号成分を、対応する前記パラメータ情報を考慮して減算する第3の演算手段をさらに備えた、請求項6に記載の無線受信システム。
  9. 前記複数の第1の推定手段は、前記複数の第1のエラー判定手段の判定結果とは無関係に、前記相関値を計算して前記パラメータ情報を推定する、請求項5から8のいずれかに記載の無線受信システム。
  10. 前記複数の第1の推定手段は、前記複数の第1のエラー判定手段の判定結果に基づいて、復調エラー無しと判定されたユーザの信号成分を用いて前記相関値を計算して前記パラメータ情報を推定する。請求項5から8のいずれかに記載の無線受信システム。
  11. 前記複数の第2の推定手段は、前記複数の第2のエラー判定手段の判定結果とは無関係に、前記相関値を計算して前記パラメータ情報を推定する、請求項6から8のいずれかに記載の無線受信システム。
  12. 前記複数の第2の推定手段は、前記複数の第2のエラー判定手段の判定結果に基づいて、復調エラー無しと判定されたユーザの信号成分を用いて前記相関値を計算して前記パラメータ情報を推定する、請求項6から8のいずれかに記載の無線受信システム。
  13. 複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムであって、
    前記複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、
    1段の干渉キャンセラとを備え、
    前記1段の干渉キャンセラは、前記複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、
    前記干渉除去部の各段は、
    入力される信号に基づいて前記複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、
    前記信号抽出手段に入力される信号に対する前記信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する推定手段と、
    前記パラメータ情報を考慮して前記信号抽出手段に入力される信号から前記特定のユーザに対応する信号成分を除去する演算手段と、
    前記特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定し、含むと判定した場合、前記特定のユーザに対応する信号成分の前記演算手段による除去を不能化するエラー判定手段とを含み、
    前記干渉除去部の初段の前記信号抽出手段および前記演算手段の入力には前記信号処理手段から出力される信号が入力され、かつ隣接する2つの干渉除去部の前段の干渉除去部の前記演算手段の出力が後段の干渉除去部の前記信号抽出手段および前記演算手段の入力に与えられるように、前記複数段の干渉除去部が接続される、無線受信システム。
  14. 前記1段の干渉キャンセラの最終段の干渉除去部の前記演算手段の出力を受ける次段の干渉キャンセラをさらに備え、
    前記次段の干渉キャンセラは、前記複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、
    前記干渉除去部の各段は、
    入力される信号に基づいて前記複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、
    前記信号抽出手段に入力される信号に対する前記信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を推定する推定手段と、
    前記パラメータ情報を考慮して前記信号抽出手段に入力される信号から前記特定のユーザに対応する信号成分を除去する演算手段と、
    前記特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定し、含むと判定した場合、前記特定のユーザに対応する信号成分の前記演算手段による除去を不能化するエラー判定手段とを含み、
    前記1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する前記次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力をそのまま後段の干渉除去部へ出力し、
    前記1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含むと判定されたユーザに対応する前記次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力が前記信号抽出手段および前記演算手段の入力に与えられ、前記演算装置の出力が後段の干渉除去部へ出力される、請求項13に記載の無線受信システム。
  15. 複数のアンテナを用いて複数のユーザからの信号を受信することができる無線受信システムであって、
    前記複数のアンテナで受信された信号に所定の信号処理を施す信号処理手段と、
    1段の干渉キャンセラとを備え、
    前記1段の干渉キャンセラは、前記複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、
    前記干渉除去部の各段は、
    入力される信号に基づいて前記複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号に対する前記信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、前記特定のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する推定手段と、
    前記特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定するエラー判定手段と、
    前記パラメータ情報を考慮して前記信号処理手段から出力される信号から復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する信号成分を除去する演算手段とを含み、
    前記干渉除去部の初段の前記信号抽出手段および前記演算手段の入力には前記信号処理手段から出力される信号が入力され、かつ隣接する2つの干渉除去部の前段の干渉除去部の前記演算手段の出力が後段の干渉除去部の前記信号抽出手段の入力に与えられるように、前記複数段の干渉除去部が接続される、無線受信システム。
  16. 前記1段の干渉キャンセラの最終段の干渉除去部の前記演算手段の出力を受ける次段の干渉キャンセラをさらに備え、
    前記次段の干渉キャンセラは、前記複数のユーザに対応して複数段の干渉除去部を含み、
    前記干渉除去部の各段は、
    入力される信号に基づいて前記複数のユーザのうちの各段ごとに異なる特定のユーザに対応する信号成分を抽出して出力する信号抽出手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号に対する前記信号抽出手段で抽出された信号成分の関係に関するパラメータ情報を、前記特定のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値に基づいて推定する推定手段と、
    前記特定のユーザに対応する信号成分が復調エラーを含むか否かを判定するエラー判定手段と、
    前記パラメータ情報を考慮して前記信号処理手段から出力される信号から復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する信号成分を除去する演算手段とを含み、
    前記1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含まないと判定されたユーザに対応する前記次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力をそのまま後段の干渉除去部へ出力し、
    前記1段目の干渉キャンセラで復調エラーを含むと判定されたユーザに対応する前記次段の干渉キャンセラの干渉除去部では、前段の干渉除去部からの出力が前記信号抽出手段の入力に与えられ、前記演算手段の出力が後段の干渉除去部へ出力される、請求項15に記載の無線受信システム。
  17. 前記推定手段は、前記エラー判定手段による判定結果とは無関係に、前記特定のユーザの信号成分と他のユーザの信号成分との相関値を計算し、計算された相関値に基づいて前記パラメータ情報を推定する、請求項13から16のいずれかに記載の無線受信システム。
  18. 前記推定手段は、前記エラー判定手段による判定結果に基づいて、復調エラーなしと判断されたユーザの信号成分のみを用いて相関値を計算し、計算された相関値に基づいて前記パラメータ情報を推定する、請求項13から16のいずれかに記載の無線受信システム。
  19. 前記信号抽出手段は、特定のユーザに対応する信号成分を空間的に分離して抽出するアダプティブアレイである、請求項1、5、13、または15に記載の無線受信システム。
  20. 前記信号抽出手段は、
    特定のユーザに対応する信号成分を空間的に分離して抽出するアダプティブアレイと、
    前記アダプティブアレイの出力を復調する復調器と、
    前記復調器の出力を再変調する再変調器とを含む、請求項1、5、13、または15に記載の無線受信システム。
  21. 前記複数のユーザからの信号はPDMA通信方式によって伝送された信号である、請求項1、5、13、または15に記載の無線受信システム。
  22. 前記複数のユーザからの信号はCDMA通信方式によって伝送された信号である、請求項1、5、13、または15に記載の無線受信システム。
  23. 前記CDMA通信方式によって伝送された信号は、送信側で予め所定の拡散符号により拡散されており、前記信号処理手段から出力される信号をCDMA通信方式により対応する拡散符号で逆拡散して前記信号抽出手段に与える逆拡散手段をさらに備える、請求項22に記載の無線受信システム。
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